JP2013530262A - 酸化剤としてニトロシルイオンを用いた導電性高分子の形成 - Google Patents

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Abstract

基板上に導電性高分子堆積物を形成する方法(10)を開示する。この方法(10)は、導電性高分子のモノマーとニトロシル前駆体(11)からなる組成物を合成する工程と、基板(12)の外表面上にニトロシルイオンが形成されるように前記基板を前記組成物に接触させる工程と、前記モノマーを重合させて導電性高分子(13)とする工程を含む方法であって、前記重合は前記ニトロシルイオンにより開始され、前記導電性高分子は前記基板の外表面に堆積する。前記導電性高分子はポリピロールであってもよい。

Description

政府許諾権
合衆国政府は、本発明について無償実施権を有するとともに、合衆国エネルギー省による助成金番号DF−FG02−05ER15752の条件により規定される適当な条件で他人に実施権を設定することを、限られた状況下で特許権者に要求する権利を有する。
酸化剤として、その場生成されるニトロシルイオンを用いた導電性高分子の形成方法を開示する。ニトロシルイオンは、電気化学的に又は化学的に生成される。このようにして生成される高分子及び高分子−無機複合体材料の様々な領域(例えば、エネルギー変換/貯蔵,被膜,センサ,ドラッグデリバリー及び触媒)への応用についても開示する。
有機高分子の望ましい特徴と半導体の電子特性とを結合させる伝導性の高分子は、エネルギー変換/貯蔵、光電子工学、被膜及びセンシング技術での使用において魅力的な材料である。一般に、伝導性の高分子の重合は、モノマーが化学的又は電気化学的酸化によりラジカルとなることにより開始され、その後ラジカルカップリング及び連鎖成長が起こる。化学的酸化はFeClなどの酸化剤の使用を伴う一方、電気化学的酸化は、一般に、アノードバイアス(作用電極において酸化反応を起こさせるバイアス)をモノマー溶液に浸された伝導性基板に印加することにより行われる(アノード重合)。電気化学的に開始される重合は、重合が作用電極に局限され、さらに、膜厚及び形態を好都合に制御できるので、通常、膜型又は電極型の伝導性の高分子の合成に用いられる。
さらなる発展においては、伝導性の高分子は、様々な電気化学的応用(例えば、センサ及び電気触媒)での使用のための導電性高分子−金属複合体電極を形成するための金属粒子(例えば、Cu,Au,Ag,Ni,Ru,Ir,Pt,Co,Pd,Fe)を埋め込む又は分散させるマトリクスとして利用されている。一般に、このようなハイブリッド電極は2工程の電着処理:電気的重合(アノード析出)及びこれに続く金属析出(カソード析出)により合成される。この2工程の処理は、この合成を煩雑且つ費用のかかるものにしているだけでなく、このようにして生成される金属−高分子複合体の種類及び質を限定してしまっている。しかしながら、アノードにおける電気的重合及びカソードにおける金属析出は、それぞれ、その作用電極において、全く異なり且つ多くの場合相容れない範囲の電位を用いた酸化反応及び還元反応を必要とするため、金属−伝導性高分子ハイブリッド膜を合成するための1工程の処理をこれから発展させなければならない。
導電性高分子を高表面積メソポーラスシリカ材料と結合させる場合は、他の重要な種類の伝導性高分子系複合体材料を合成することができる。メソポーラスシリカ材料は、その均一なメソ細孔特徴及び高表面積のために、様々な応用(触媒,センシング,ドラッグデリバリー,吸着及び分離)に利用されている。導電性高分子層をメソ細孔壁に堆積させると、シリカの物理化学的性状及び表面の性質(例えば、親水性及び表面電荷)を変化させることができ、広範囲の分子/種の当該メソ細孔壁への吸着及び/又は固定化が可能となり、これによりメソポーラス材料の応用が著しく広がる。さらに、導電性高分子被膜は、絶縁性のメソポーラスシリカ材料を、センサ及び電気触媒に用いることができる半導電性の複合体に変換することもできる。
均一且つ接触可能なメソ細孔を保持したシリカ−高分子複合体を得るためには、薄い高分子被膜を、メソ細孔の入口をふさぐことなく均一にメソ細孔壁上へ導入すべきである。1つの反応チャンバ内でモノマー及び開始剤(例えば、酸化剤)をメソポーラスシリカ粒子と混合した場合、モノマー又は開始剤の孔内への拡散は促進されにくいため、主にバルク溶液中又はシリカ粒子の表面で重合が起こる。これにより、孔の入口がふさがれて高品質の複合メソポーラス粒子の形成が阻害され、さらに/あるいは、溶液中に純高分子粒子と複合体粒子とが混在した望ましくない混合状態が作り出される。
メソ細孔内での望ましい重合を達成するために、いくつかの取り組みが進められているが、これらは通例2工程の処理を必要とする。詳しく説明すると、まず、シリカメソ細孔内でモノマーを吸着させ、その後、開始剤と混合するために別のチャンバへと移される。液相においてはモノマーと開始剤との相互作用は限られるため、望ましくないバルク重合は著しく抑制される。この場合もやはり、このような2工程の手順が合成を煩雑且つ費用のかかるものにしているが、導電性高分子をメソポーラスシリカ壁に形成・堆積させる1工程の処理をこれから発展させなければならない。
上述したニーズを満たすために、基板上に導電性高分子堆積物を形成する方法を開示する。この方法は、前記導電性高分子のモノマーとニトロシル前駆体からなる組成物を合成する工程と、前記基板の外表面にニトロシルイオンが形成されるように前記基板を前記組成物と接触させる工程と、前記モノマーを重合させて導電性高分子とする工程を含む方法であって、前記重合は前記ニトロシルイオンにより開始され、前記導電性高分子は前記基板の外表面に堆積することを特徴とする方法である。前記導電性高分子はポリピロールであってもよい。
一実施形態では、前記ニトロシルイオンを電気化学的に生成してもよい。そのためには、前記基板は作用電極であり、且つ、前記方法は、さらに、前記組成物に接触した補助的な任意の基準電極を設けて、前記作用電極と前記補助電極との間に電位バイアスを印加する工程を含んでいてもよい。前記ニトロシルイオンを電気化学的に生成するために、前記組成物は前記ニトロシル前駆体として硝酸ナトリウムなどの硝酸塩を含み、且つ、前記組成物はおよそ7未満のpH値を有していてもよい。この実施形態を改良したものでは、前記組成物はさらに塩化スズなどの金属塩を含み、且つ、前記方法は、さらに、導電性高分子と共に金属粒子を前記基板上に形成・堆積させる工程を含んでいてもよい。いくつかの例においては、前記金属粒子を前記導電性高分子の外表面に均一にコーティングしてもよい。
本開示の他の実施形態では、前記基板の表面上に前記ニトロシルイオンを化学的に生成してもよい。そのためには、前記基板はプロトン供与性表面を有していてもよい(例えば、表面ヒドロキシル基を有する基板)。例えば、前記基板はメソポーラスシリカ又はアルミノシリカであってもよい。前記組成物は前記ニトロシル前駆体として亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を含んでいてもよい。前記導電性高分子は、前記基板の表面上に実質的に連続した被膜を形成し、該基板が電気伝導性を有する状態にしてもよい。さらに、前記基板のメソ細孔構造は、該基板上に前記導電性高分子を形成・堆積した後も実質的には変化しないままとすることができる。
開示した方法及び基板−導電性高分子複合体の他の利点及び特徴については、以下に非常に詳細に説明する。尚、ここでは又は他の箇所でも、本明細書に開示する複合体又は方法は、当該技術分野における通常の技術を有する者が、過度な実験を行うことなく、適切に変更し、種々様々な応用に用いることができることに留意されたい。
開示した複合体及び方法をより完全に理解するためには、添付の図面に非常に詳細に図示した実施形態を参照されたい。
図1は、本開示にかかる、基板上に導電性高分子堆積物を形成する方法のブロック図である。
図2は、開示した方法の第1実施形態により得られる、カソードバイアスを用いて基板上に堆積させたポリピロールのSEM画像である。
図3は、先行技術の方法により得られる、アノードバイアスを用いて基板上に堆積させたポリピロールのSEM画像である。
図4は、図2に示したポリピロール粒子の拡大SEM画像である。
図5は、開示した方法の第1実施形態により得られる、カソード基板上にスズと同時堆積させたポリピロール粒子のSEM画像である。
図6は、図5に示したポリピロール−スズ粒子の断面TEM画像である。
図17は、図5に示したポリピロール−スズ粒子のBSE画像である。
図8は、開示した方法の第1実施形態により得られる、カソード−ポリピロール−スズ複合体の第1充放電曲線(実線)及び第2充放電曲線(破線)を示す。
図9は、開示した方法の第1実施形態により得られる、(形成後の1Cの割合における)カソード−ポリピロール−スズ複合体の電荷容量曲線(実点)及びクーロン効率曲線(空点)を示す。
図10は、0.2Cの一定の割合(空点)及び変動する割合(実点)における開示した方法の第1実施形態により得られるカソード−ポリピロール−スズ複合体の電荷容量を示す。
図11は、0.1Mのピロール、0.1MのNaNO及び0.2mMの酢酸を含む溶液中でのポリピロールの重合の写真によるデモンストレーションである。
図12は、0.1Mのピロール、0.1MのNaNO及び様々な濃度の酢酸を含む溶液中でのポリピロールの重合の写真によるデモンストレーションである。
図13は、開示した方法の第2実施形態にかかる、メソポーラスシリカ基板上へのポリピロールの重合の写真によるデモンストレーションである。
図14は、開始剤としてFeClを用いた場合の溶液中でのポリピロールの重合の写真によるデモンストレーションである。
図15は、開示した方法の第2実施形態により得られる、メソポーラスシリカ基板(実点)及びシリカ−ポリピロール複合体(空点)の窒素吸脱着等温線を示す。
図16は、開示した方法の第2実施形態により得られる、メソポーラスシリカ基板(実点)及びシリカ−ポリピロール複合体(空点)の細孔サイズ分布を示す。
図17は、開示した方法の第2実施形態により得られるシリカ−ポリピロール複合体の伝導率測定を示す。
図面は必ずしも一定の縮小比ではないこと、及び開示した実施形態は概略的・部分的に図示されている場合もあることを理解すべきである。いくつかの例では、開示した複合体又は方法の理解に必要ではなく、他の詳細の認識を困難にするような詳細については省略した。もちろん、本開示は、ここに図示する特定の実施形態に限られないことを理解すべきである。
本開示は、概して、酸化剤としてニトロシルイオン(NO)を用いて導電性高分子を形成する方法に関する。ニトロシルイオンは、亜硝酸イオンとプロトンとの反応により形成することができる。例えば、亜硝酸塩、プロトン供与体及びモノマーが溶液中で混合されると、溶液中で重合が起こる。しかしながら、ニトロシルイオンの生成を基板上に局限することができれば、その後の重合も該基板上に局限することができ、これにより、該基板上に導電性高分子堆積物を形成される。
例えば、亜硝酸イオンは、作用電極での硝酸イオンの還元により電気化学的に生成することができる。硝酸イオン、プロトン供与体及びモノマーを含む溶液中で亜硝酸イオンが電気化学的に生成されると、作用電極(基板)上にのみNOが形成され、その結果、該作用電極の表面上に重合が起こる。一方、溶液がモノマー及び亜硝酸イオンのみを含み、基板をプロトン供与体として該溶液に浸す場合には、該基板の表面上にのみNOが形成される。その結果、該基板の表面上で重合が起こる。
図1を参照すると、開示した方法10は、概して、導電性高分子のモノマー及びニトロシル前駆体11からなる組成物を合成する工程と、基板12の外表面にニトロシルイオンが形成されるように前記基板を前記組成物と接触させる工程と、前記モノマーを重合させて導電性高分子13とする工程を含む。前記重合は前記ニトロシルイオンにより開始されるが、このニトロシルイオンは基板上で電気化学的又は化学的にその場生成することがきる。前記導電性高分子は、前記基板の外表面上に堆積させることができる。
前記開示した方法では、多くの導電性高分子を用いることができる。導電性高分子の1つの好適な例としては、ポリピロールが挙げられる。前記導電性高分子はポリチオフェンであってもよい。様々な導電性高分子(及び対応するモノマー)の混合物を用いることもできる。前記導電性高分子のタイプは、本開示内容の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことを理解すべきである。さらに、前記組成物は、水性基剤系や有機溶剤系であってもよく、或いは、前記組成物は水と有機溶剤の混合物を含んでいてもよい。前記組成物は、溶液、乳剤又は懸濁液であってもよい。
前記開示した方法の第1実施形態によれば、前記ニトロシルイオンは電気化学的に生成され、これにより作用電極上での前記導電性高分子の形成・堆積が可能となる。とりわけ、前記ニトロシルイオンはカソードバイアス下での硝酸イオンの還元により電気化学的に生成され、これによりポリピロールなどの導電性高分子のカソード析出が可能となる。
前記導電性高分子の形成・堆積は、2つの酸化還元反応を組み合わせることで達成される。第1の反応は、酸化剤(NO)の電気化学的生成である。NOイオンの電気化学的生成は、硝酸イオン(NO )の亜硝酸(HNO)への還元[式(1)]を伴っていてもよい。HNOは両性であるため、溶液のpHによって様々な種を生成することができる。弱酸性条件下では、HNOは主要化学種であるが、pHが上昇するにつれてNO2とHとに解離する。一方、強酸性条件下では、HNOはHイオンと反応して強酸化剤であるNOイオンを生成する[式(2)]。
NO +3H+2e ⇔ HNO+HO (1)
HNO+H ⇔ HNO ⇔ NO+HO (2)
第2の反応は、NOイオンによるピロールの化学的酸化であり、これにより重合処理が開始される。酸化剤は作用電極においてのみその場生成されるため、重合は、主に該作用電極上で起こり、その結果、液相中ではなくカソードにおいて電極型又は膜型の伝導性の高分子が堆積する。
特定の理論に拘束されるものではないが、このような処理は、導電性高分子電極と、改良された特徴を備えた伝導性の高分子系ハイブリッド電極との組み立てに用いることができると予測される。例えば、開示した方法は、アノード析出条件下では安定しない基板上に導電性高分子を堆積させることを可能にする。さらに、カソード析出における導電性高分子の核生成及び成長パターンはアノード析出におけるそれらとは異なっており、その結果マイクロスケール及びナノスケールの高分子形態が改良される。最後に、開示した方法は、重合及び金属還元反応が同じカソード条件下で起こるので、1工程での金属−伝導性高分子ハイブリッド電極の電着を可能にする。本明細書に開示するように、高表面積ポリピロール電極の製造及びスズ−ポリピロール複合体電極の1工程合成にカソード重合を用いることは、効果的であり且つ時間/エネルギーの節約になる。合成されたスズ−ポリピロール電極は、Liイオン電池のアノードとして用いることができる。
非制限的な例では、堆積組成物(めっき液)は、0.4MのHNO、0.5MのNaNO及び0.2Mのピロールを含む水溶液として合成される(新たに作られる溶液のpHは0.4であった)。作用電極は銅箔であってもよく、また、対電極は、スッパタコーティングによりガラススライド上の200Åのチタン上に堆積させた1000Åの白金であってもよい。電着は、室温において、Ag/AgCl/4M KClの基準電極に対してE=−0.65Vで行うことができる。効率的なポリピロールの堆積は、pHが1.5を越えずに維持される場合に達成される。このような強酸性環境では、NO の電気化学的還元によりかなりの量のNO化学種を生成することができる。
図2を参照すると、走査電子顕微鏡(SEM)は、ポリピロール堆積物は3次元の多孔質ネットワーク形状の、直径が50〜200nmの球状粒子を含んでいることを示しており、これは、高表面積を有する伝導性高分子電極を必要とする応用に有益である。このような形態は、概して2次元の平面的な表面形態を有する、アノードで生成されたポリピロール堆積物とは全く異なる。比較のために、同じめっき液を用いてアノードで堆積させたポリピロール(Ag/AgClに対してE=+0.80V)のSEM画像を図3に示す(銅箔はアノード電位が印加されると即座に酸化するため、この場合には白金作用電極が用いられた)。アノードで生成されたポリピロール堆積物は、表面上に同様の球状特徴を示すが、この表面は本質的には2次元であり、メソ多孔性が欠如している。
上述した方法を用いて、様々な伝導性の高分子系複合体電極を合成することができる。そのためには、堆積組成物は金属塩を含んでいてもよく、該金属塩から電気化学的に派生する無機粒子が形成される。この無機粒子としては、金属、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物があるが、これらに限定されるものではない。無機粒子は、伝導性の高分子と共に電極に堆積させてもよい。非制限的な例では、ポリピロールの堆積に用いためっき液に0.1MのSnClを足すだけでスズ−ポリピロールハイブリット電極を合成することができる。カソード析出は、SnClの溶解を促進するために45℃まで上昇させた湯温で、ポリピロール膜の堆積に用いた電位と同一の電位で行うことができる。
図4を参照すると、スズ−ポリピロールハイブリット電極のSEM画像は、ハイブリット膜が、多孔質ネットワークを作り出すポリピロールナノスフェアからなる本来のポリピロール構造を維持していたことを示している。しかしながら、図5に示すように、ポリピロールスフェアの表面は、スズ粒子の存在により、明らかに粗くなっている。スズ−ポリピロールスフェア断面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像は、Sn粒子がポリピロールスフェアの表面に均一にコーティングされていることを示している(図6)。さらに、複数のTEM断面画像の解析により、ポリピロールスフェア上のスズコーティング層の厚さは、25〜100nmの範囲であることが示される。ポリピロールスフェア上のスズの堆積の均一性は、高電子密度を有するスズ粒子がポリピロールスフェアよりも明るく現れる反射電子(BSE)画像からも確認できる。図17に示すように、スズ−ポリピロールスフェアのBSE画像は、ポリピロールスフェア上の点在・孤立した明るい点ではなく、概ね均一なコントラストを示しており、これは、スズナノ粒子が全ポリピロールスフェア上に均一に堆積していることを示している。
合成されたスズ−ポリピロール電極は、Liイオン電池のアノードの候補として優れている。スズ地金は、その高いリチウムの理論比容量(993mAhg−1、Li4.4Snの形成に対応)のために、高エネルギー密度のLiイオン電池に用いられてきた。しかしながら、そのリチウムの挿入及び抽出による相当な容量変化(最大300%)により、劣悪なサイクル性能につながる粉状化が引き起こされることもあるため、商業的なLiイオン電池でのスズアノードの使用が制限されることがある。この問題を解決するための最も一般的な取り組みの1つは、スズと、サイクル中のスズの容量変化に対応可能なバッファマトリクスとの結合である。このマトリクスにより、ドメインが小さいことに起因する容量変化により簡単に対応できるので、スズの大きさを小さくし、マトリクスにおける金属スズの分散度を上昇させることは、サイクル特性の向上に有益であろう。さらに、スズナノ粒子の使用は、合金化処理及び脱合金化処理を完了させるためのLiイオンの拡散距離が短縮されるため、時間率容量を高めるのに有効であろう。
電極材料としてスズの望ましい特徴とポリピロール堆積物を結合するためには、ここに開示するカソード重合−析出方法により、Liイオン電池のアノードとしての使用するための、通常のスズ電極よりも優れた特性を有するtin−ppyハイブリット電極の合成が可能となる。特定の理論に拘束されるものではないが、ポリピロールスフェアが、サイクル中のスズナノ粒子の容量拡張に弾力的に対応するバッファマトリクスとして機能すると予測される。加えて、多孔性ポリピロールネットワーク上の薄いスズナノ粒子の堆積物は、アノード内外へのLiイオンの拡散を容易にし、この結果、時間率容量が改良される。さらに、既存の方法では、スズ粒子と高分子バインダ及び伝導性の添加剤との混合(3成分システム)によりスズアノードを合成するが、一方、開示した方法では、スズ粒子は、ポリピロールスフェアとの優れた密着性及びスズ層内における粒子間の良好な電気的連続性を有して電着されるため、2成分システム(スズ、及びバインダを伴わない導電性高分子)を用いる。結果として、ハイブリッド電極のスズ含有量を95wt%にまで引き上げることができた。ここで議論されるいくつかの例では、電気化学的特性評価に用いられる、ハイブリッド電極のスズ含有量は88wt%である(誘導結合プラズマ原子発光分析法により決定)。
0.2C(1C=993mAg−1)の割合において得られる、最初の2サイクル(形成工程)におけるスズ−ポリピロールハイブリッド電極の電位プロフィールを図8に示す。最初のサイクルのクーロン効率(64%)は比較的低くなることがあり、おそらくこれは最初の放電処理中に観測される高い不可逆容量の結果である。これは、大きな電極/電解質接触領域を作り出すナノ構造の電気化学的活性材料を含むシステムにとっては典型的な挙動である。2回目のサイクルの高いクーロン効率(94%)は、最初のサイクル中に安定した固体電解質界面相(SEI)が形成されたことを示している。比較のために硫酸塩浴を用いて電気化学的に堆積させた、前記ハイブリッド電極と同量のスズを含む純スズ電極の電位プロフィールは、2回目の放電処理中の極端な容量低下を示している。
スズ−ポリピロールハイブリッド電極の、前記形成工程後さらに50サイクルまでのサイクル性能及びクーロン効率を図9に示す。充電処理及び放電処理の両処理において1Cの割合を用いた。前記ハイブリッド電極の初期容量、942mAhg-1のSnは、829mAhg-1の複合体(88wt%のスズ)に相当する。この値は、商業的な黒鉛アノード(約330mAhg−1の複合体)の初期容量のおよそ2.5倍であり、これは、適切に最適化すれば、将来の高エネルギー密度のLiイオン電池のアノード材料としてスズ−ポリピロールハイブリッド電極を用いることができることを示している。50サイクルの後、前記スズ−ポリピロールハイブリッド電極は47%の容量維持力を示しており、これは、一般的に数サイクル中に著しい容量低下を示す同等の厚さ(約10mm)の純スズ電極よりも向上した点である。開示したポリピロール堆積物は、スズコーティング層としてスズを堆積するための高表面積を提供したと推測され、これは、粉状化を効果的に抑制し、また、スズのサイクル特性を高める。さらに、スズ−ポリピロール電極を1工程で合成することは、現在のハイブリッド電極の2工程での電着に比べて時間を節約でき、費用効果も高い。
図10は、Cの割合を変動させた場合のスズ−ポリピロールハイブリッド電極の速度能力を、比較のための、全サイクルにわたって0.2Cの放電/充電率で固定した場合の速度能力と共に示す。図10に示すように、Cの割合を0.2Cから5Cに上昇させた場合、18%だけの充電容量の低下(875mAhg−1から718mAhg−1)が観測され、これは、スズ−ポリピロールハイブリッド電極を、高電力密度且つ高エネルギー密度のアノードとして用いることができることを示している。この改良された速度能力は、ハイブリッド構造におけるスズのフル活用に必要なLiイオンの拡散距離の短縮の結果であろう。さらに、容量維持力及び速度能力のさらなる改良は、適切な最適化(例えば、ハイブリッド電極の構成及び形態の調整、スズ層上への保護被膜の追加)により達成することができる。
上例は、カソード重合方法は、広範囲の金属を、NOを生成するために印加したバイアスと同じバイアスでカソードで堆積させてことができるため、1工程の処理による様々な金属−導電性高分子複合体電極の生産に用いることができることを証明している。このような共堆積処理の間、金属堆積と高分子堆積とが互いに影響しあうので、新しい複合形態を達成することができ、これにより、これらの核生成及び成長パターンを変化させることができる。加えて、共堆積は、2工程堆積(アノード重合及びその後のカソード重合)と比較して、伝導性高分子マトリクス内での金属分散の均一性及び度合を上昇させることができる。
開示した方法の第2実施形態によれば、NO とHとを混合することにより、NOイオンを化学的に生成することができる(式3)。HNOは両性であり、さらに酸性環境でHイオンと反応し、この結果、NOイオンが生成される(式4)。
NO +H ⇔ HNO (3)
HNO+H ⇔ HNO ⇔ NO+HO (4)
式3及び式4を用いた水性媒体中でのNOイオンの生成及び、これらのピロールを重合させる能力を図5aに証明する。溶液は0.1Mのピロールと、プロトン供与体として0.2mMのCHCOOHを含む。NaNOが添加されると、透明の溶液の色が黄色に変色し、時間が経つと暗い茶色に変色し、ポリピロールの形成が徐々に進行することを示している。重合の度合い又は速度は、CHCOOHの濃度又はpHを変更することにより加減することができ、これは式4に示す化学的平衡に影響し、生成されるNOイオンの量を変動させる。図5bは、pHに依存したポリピロールの重合を示しており、CHCOOHの濃度の上昇により、ポリピロールの形成が促進される。
第2実施形態における基板は、プロトン源としてプロトン供与性表面を有し、亜硝酸イオンと反応してニトロシルイオンを生成してもよい。例えば、前記プロトン供与性表面は、メソポーラスシリカ又はアルミノシリカなどの表面−OH基を有する表面であってもよい。シリカ表面のシラノール基のpKは4.7〜4.9の範囲であり、図5a及び図5bに示した重合においてNOイオンの生成のためのプロトン源として用いられたCHCOOHのpKと同等である。したがって、シリカ表面がプロトン源としてのみ用いられ(式5乃至7)、NO と反応してNOイオンを形成する場合には、メソポーラスシリカの表面上でのポリピロールの選択的重合が達成されると推測される。
NO +Silica−OH ⇔ HNO+Silica−O (5)
HNO+Silica−OH ⇔ H2NO +Silica−O (6)
HNO+H ⇔ HNO ⇔ NO+HO (7)
図13は、規則正しい2Dの六角形メソポーラス構造(細孔の大きさ、約9.3nm)を有するMSU−Hシリカ粒子を600mg含む50mlの0.1Mピロール溶液中で行われる重合反応を示している。MSU−Hはメソポーラスシリカの非制限的な例であり、これは、Sigma−Aldrich,http://www.sigmaaldrich.com/united-states.htmlから商業的に得ることができる。1mlの5.0MNaNO溶液を添加すると、ビーカーの底に存在するMSU−H粒子は白から暗いピンクへと即座に変色し、NOイオンのその場生成によりシリカ表面にポリピロールが形成されたことを示す。重合の度合が増すにつれて、次第に色が暗い茶色になる。pH中性溶液中のNOイオンの量は無視できる程度なので、バルク溶液相では目に見える重合は観測されなかった。この反応では、モノマーと開始剤とが同じビーカー内に存在していても(ワンポット合成)、シリカメソ細孔内での選択的重合が達成される。これは、酸化剤が、シリカ表面上のみでその場生成されるからである。NO イオンはバルク溶液内の方が容易に利用可能できるとしても、NO イオンは、シリカ表面と反応した時にのみNOイオンに変換される。したがって、既存の2工程処理において必要な、細孔内での酸化剤の予備濃縮を行う労力を必要とせずにNOイオンの局所的生成が達成される。
比較のために、従来から用いられてきた酸化剤、FeClの添加により開始されるピロールの重合を図14に示す。図14に示すように、重合は、予期したとおり、主に溶液相で起こった(FeClの密度が原因で、重合は溶液の底から開始される)。しかしながら、細孔内へのFeClの拡散及びこれによる細孔内でのポリピロールの重合は著しく制限されるため、シリカパウダーの大半の色は30分の実験後も白のままであった。
MSU-H/ppyの合成の非制限的な例は、2時間かき混ぜることによって200mgのシリカを100mlの蒸留水の中に分散させること、及び0.7mLのピロール溶液を加えることを伴う。(100mLの溶液中のピロールの最終的な濃度は0.1Mであった)。メソ細孔内でのポリピロールの最大の吸着のために数時間かき混ぜ続けた。0.69gのNaNOを添加すると重合が開始された。1日かき混ぜた後、ポアサイズが0.2ミクロンのメンブレンフィルタを用いて該溶液をろ過し、脱イオン水で洗浄することにより、組成物を収集した。精製のために、この組成物を100mLの脱イオン水中に再分散させ、ろ過及び洗浄を2度行った。この生成物を、さらなる特性評価の前に、50℃の真空下で72時間乾燥させた。その結果生じたMSU-H/ポリピロール組成物のポリピロール含有量は、約3.1wt%であり、これは、熱重量分析(TGA)により算定された。この組成物のポリマー含有量は実験条件の詳細によって異なる。
次に図15を参照すると、メソ細孔壁上のポリピロール膜の存在及び組成物サンプルの細孔の接触可能性は、ニトロゲンの吸着/脱着の考察により確認できる。図15に示すように、ポリピロール−シリカ複合体は、純シリカのものと非常によく似た狭いH1型のヒステリシスループを有するIV型の等温線を表し、これは、シリカの円筒状(メソポーラス)壁はポリピロールにより均一に覆われ、メソポーラス構造は、実質的には高分子膜の形成後も影響を受けないままであることを示す。
さらに、図16に示すように、Barrett−Joyner−Halenda(BJH)分析により決定されるシリカの細孔サイズ分布曲線は、非常によく似た半値全幅(FWHM)を有し、メジアン細孔サイズが9.27nmから9.06nmへごく僅かに減少したことを示しており、これによってもチャネル内高分子膜の均一性及び薄さを確認できる。複合体サンプルで観測される細孔サイズ及び細孔容積の僅かな減少は、複合体サンプルに存在する少量の高分子と一致する。このことも、この複合体は、様々な応用に用いることができる高細孔容積を有することを示している。
複合体サンプルの伝導率を測定するために、ペレットとしてMSU−H/ポリピロール複合体粉体を合成する。図17(挿入)に示すように、このペレットを、銀ペーストでITO基板に取り付ける。銀接点を前記ペレット上に配置し、2つのプローブを用いてIV測定を行う。その後、図17に示すI-V曲線の線形相関を用いて複合体サンプルの伝導率が計算され、8x10−6S/cmであった。前記複合体は3.1wt%のポリピロールしか含有しておらず、かなりの粒境界を有する粉状のペレットを用いて伝導率を測定したことを考えると、3.1wt%の含有量でシリカ表面に不規則な又は孤立したポリピロール島又は集合体を形成しても、計測可能伝導率値にはならないので、この伝導率データから、前記複合体中のポリピロールがメソポーラスシリカ表面に薄いけれども連続した被膜層を形成したことを確認できる。このように、高い伝導率値は、モノリシックメソポーラスシリカ材料を用いて複合体構造を形成された場合、又は重合条件の調整によって複合体のポリピロール含有量を上昇させた場合に達成することができる。
上記例においては、プロトン供与性表面を有する基板としてメソポーラスシリカを用いているが、他のプロトン供与性表面を用いてもよい。例えば、前記基板は、プロトンを供与するために、ヒドロキシル以外の表面基を有していてもよい。さらに、基板を酸性組成物に浸してから堆積組成物に移動させることによって、非プロトン供与性表面をプロトン供与性表面に変換させてもよく、この場合、基板に吸着した酸性プロトンがニトロシル前駆体と反応してニトロシルイオンを生成する。
特定の実施形態のみを記述したが、上記の記載から、当業者には代替実施形態及び様々な変形例が明らかであろう。例えば、本明細書では基板−導電性高分子複合体の電池電極への応用を開示しているが、このような複合体は、触媒、化学センサ及びバイオセンサ、ドラッグリバリー、燃料電池、エレクトロクロミック素子、アクチュエータ、電界放出ディスプレイ、スーパーキャパシタ、光起電技術、トランジスタ、データ記憶、表面保護、透明導電性材料、カーボンナノ材料の代用品等を含む、これらに限られるものではないが、他の領域で用いることもできることが理解されるべきである。これらの及び他の代替は、本開示内容と同等のものであり、本開示内容の要旨と範囲に含まれるものであるとみなす。

Claims (13)

  1. 基板上に導電性高分子堆積物を形成する方法(10)であって、
    前記導電性高分子のモノマーとニトロシル前駆体(11)からなる組成物を合成する工程と、
    前記基板の外表面上にニトロシルイオンが形成されるように前記基板(12)を前記組成物と接触させる工程と、
    前記モノマーを重合させて前記導電性高分子(13)とする工程からなる方法であって、
    前記重合は前記ニトロシルイオンにより開始され、前記導電性高分子は前記基板の外表面に堆積することを特徴とする方法。
  2. 前記基板は作用電極であり、
    前記組成物に接触した補助的な基準電極を設けて、前記作用電極と前記補助電極との間に電位バイアスを印加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記ニトロシル前駆体は電気的バイアスの印加により前記ニトロシルイオンへと変換されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記電気的バイアスは変更可能であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 前記モノマーはピロール又はチオフェンであることを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 前記ニトロシル前駆体は硝酸塩であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. 前記組成物は金属塩をさらに含み、
    該金属塩から電気化学的に派生する無機粒子を形成し、該無機粒子を前記導電性高分子と共に前記基板上に堆積させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  8. 前記基板は、プロトン供与性表面又はプロトンが予め付加された表面を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記プロトン供与性表面は表面ヒドロキシル基を備えることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記基板はメソポーラスシリカ又はアルミノシリカ材料であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 前記ニトロシル前駆体は、前記基板の表面からのプロトンと反応し、ニトロシルイオンを生み出すことを特徴とする請求項8記載の方法。
  12. 前記モノマーはピロール又はチオフェンであることを特徴とする請求項8記載の方法。
  13. 前記ニトロシル前駆体は亜硝酸塩であることを特徴とする請求項8記載の方法。
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