JP2013526030A - 少なくとも1層のマイクロテクノロジカル層の移行方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速生産と、技術工程の選択を柔軟に行えるマイクロテクノロジカル層の移行方法を提供する。
【解決手段】自由表面20Aの下方の非ゼロ距離に埋設された多孔脆化層11を有する第1基板20を形成し、前記多孔脆化層と前記自由表面間に、イオン注入により、脆化面13を形成し、前記第1基板を、支持基板30に接合し、機械的応力を加えることにより、前記多孔脆化層11に脱離を生じさせて、第1に前記第1基板の残余構造を、第2に前記支持基板に接合し、かつ露出表面14を有する脱離層12を形成し、前記脱離層12の露出表面14に技術工程を実施し、該技術工程が実施された表面により、前記脱離層を、第2の支持基板30に接合し、かつ熱処理を行って、前記脆化層13に脱離を生じさせ、第1に前記第2の支持基板40に接合した脱離層の残余構造を、第2に前記第1の支持基板30に接合した脱離層の残余構造を形成する工程を備える、少なくとも1つの層の移行方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、第1基板から第2基板へ、そして必要に応じて第3基板等へ、層を移行させる方法に関する。現在、多くの移行技術が知られている。
エルトラン(登録商標)法は、第1基板に、脆弱なつまり壊れやすい層を形成することにより、薄膜を移行させる方法であり、酸化、エピタキシャル成長、回路形成等の技術工程を前記基板表面に施し、前記砕け易い第1基板をその表面で、支持基板に(分子又はアノード接合により又は接着剤を使用して)接合し、かつ例えば機械的応力を加えて、前記層を分割する。この脆弱層は、原理的には多孔層で、通常自由面の物質の陽極酸化により得られる。従ってこの多孔層は、その形成時には、表面に位置している。この多孔層はしばしば、表面から非ゼロ深さに埋設する必要があるため、この多孔層の一部を再結晶させ、自由面からの厚さが、残りの多孔層の深さになるようにする公知の手法がある。しかし多くの場合、初期基板の形成は、追加層のエピタキシャル成長(この方法の名称であるエルトラン(Eltran)法は、"Epitaxial Layer Transfer"に由来する)により完了する。一般に、初期基板の構成物質はシリコンであり、第2基板の少なくともその表面は電気的に絶縁され、前記多孔層上に形成される前記初期基板の層が移行すると、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)が得られる。
他の移行方法として「スマートカット(登録商標)法」が知られている。この方法は、基板へのガスイオンの注入、この注入された基板の支持基板への接合、必要に応じて行う技術工程、及び例えば熱処理及び/又は機械的応力の印加による、注入領域での最終的な分割による薄膜の移行方法である。
1ミリメートル未満、あるいは1ミクロン未満のサイズの電子的、光学的、機械的及び他の素子などのマイクロテクノロジカル素子を製造する際に、必要な異なったレベルの深さにおいて、技術工程を実行するために、数回の移行が必要であることは容易に理解しうると思う。しかし分割が起きる場所の制御が不正確になることを防止するために、所定の構造(つまり好適な手段で一体化された一連の基板又は層)中の所定のポイントで1箇所のみの脆弱領域を形成できるように、精密な工程を行う必要があることが、現在までに明らかになってきている。しかしこのような予防策は、業界における最大の関心事である生産性の要求に逆行している。
米国特許明細書第6919106号
Doughertyら「ワンステップLPCVDを使用する多孔性ポリシリコン膜の微細製造」: Journal of Microelectromechanical systems, Vol 12, No. 4, August 2003 pp 418-424.
本発明の対象は、高速生産と、技術工程の選択を柔軟に行えるマイクロテクノロジカル層の移行方法である。
そのため、本発明は、
−有用面の下方の非ゼロ距離に埋設された多孔層を有する第1基板を形成し、
−前記多孔層と前記有用面間に、イオン注入により、脆弱面を形成し、
−前記第1基板を、支持基板に接合し、
−機械的応力を加えることにより、前記多孔層に脱離を生じさせて、第1に前記第1基板の残余構造を、第2に前記支持基板に接合し、かつ露出面を有する脱離層を形成し、
−前記脱離層の露出面に技術工程を実施し、
−該技術工程が実施された表面により、前記脱離層を、第2の支持基板に接合し、かつ
−熱処理を行って、前記脆弱層に脱離を生じさせ、第1に前記第2の支持基板に接合した脱離層の残余構造を、第2に前記第1の支持基板に接合した脱離層の残余構造を形成する、
という工程を備える、少なくとも1層の層の移行方法を提供するものである。
このように本発明は、制御された機械的又は熱的分離により層の二重移行を可能にする2個の埋設された脆化領域を所定位置に備え、前記2回の分離間にある種の技術工程を実施できる可能性を有する、解体できる構造の製造方法を提案する。これらの2個の埋設領域は、同じユニット内に、連続して形成されることに注目すべきである。これは、2枚の基板の接合というだけではない。各基板は、他の基板の脆化処理とは別に、予備的な脆化処理を受けている。
本発明は、十分異なった特性を有する複数の脆化領域を好適な順序で形成することにより、分割の位置を効率的に制御し、かつ異なる応力を印加することにより、前記脆化領域の分割を、精密な方法により高効率で、かつ良好に決定された順序で確実に起こさせるようになっていることに注目すべきである。
本発明の好適な態様では、次の要件を結合することができる。
−注入により脆化した領域は、前記第1基板の有用面からある距離に存在し、この距離は、前記脆化領域及び多孔層間の距離より大きく、例えば前記距離の2倍大きい。比を逆にすることも可能である。これにより、薄い層と厚い層の両者の形成が可能である(マイクロ技術において知られているように)。
−前記第1基板は、初期基板の陽極酸化により表面を多孔化し、次いでこの多孔層から、緻密層をエピタキシャル成長させることにより形成される。
−多孔層は、異なった多孔値を有する少なくとも2層の副層により形成されている。
−低多孔度の多孔性副層は、他の多孔性副層より、自由表面に近く位置している。
−前記多孔層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有し、これにより、脱離の際の機械的エネルギを効果的に局在化させる。
−前記多孔層及び自由表面間の層は、単結晶物質製であり、例えばこれは、シリコン又はゲルマニウム(又はSi−Ge合金)又はGaAS、又はマイクロ技術で使用される他の物質である。
−前記多孔層及び自由表面間の層は、少なくとも2ミクロンの厚さを有し、(脆化領域における)第2の脱離後に、2層の有用層を得ることに寄与する。
−前記脆化層は、少なくとも1種類のガス成分によるイオン注入により形成される(実際には他の選択肢もあり、脱離が望ましい場合に、成分をイオン注入して液体に変化させることのできる沈殿を生成する)。
−少なくとも水素をイオン注入し、その替わりに、又はそれに追加して、少なくともヘリウムをイオン注入する。
−脱離は、前記多孔層における、機械的エネルギの局在化した印加により起こる。
−前記技術工程は、少なくとも一部のマイクロテクノロジカル成分の形成を含んでいる。これらの工程は、例えば低温析出、例えばタブや模様を区切るためのスライス操作、スクリーン印刷等であり、より一般的には、前記技術工程は、高い機械的応力を生じさせるが、高い熱収支(温度及び継続時間に関して)を必要としない。
−脱離は、機械的エネルギの印加を伴うか、又は伴わない熱処理により、脆化層で起こる。
−前記第1基板の残余構造を、本方法を実行する新規サイクルの第1基板として使用する。
−前記技術工程を、前記脆化領域の脱離で分離される脱離層の部分の各々について行う。これにより、2種類の微細構造処理プロセスを同時に行って、生産性を向上させる。
初期基板の概略断面図である。 陽極酸化により、多孔脆化層を形成した後の前記基板の概略断面図である。 表面層接合後の基板の概略断面図である。 イオン注入による脆化後の前記表面層を有する基板の概略断面図である。 分子結合により中間基板に接合した基板の概略断面図である。 多孔層に沿って分割した後の図5の基板の上部の概略断面図である。 多孔層に沿った分割により、露出表面に素子を形成した後の基板の概略断面図である。 露出表面に沿って最終基板に接合した後の基板の概略断面図である。 図8により形成したユニットを、脆化層に沿って分割した状態の概略断面図である。
本発明の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して行う、非限定的な実施例による説明から明らかになると思う。
図1から図9は、本発明の方法を示す概略断面図である。
本発明の方法は、有用面10Aを有する初期基板10を適宜準備することから始まる(図1参照)。この基板は、一体型でも、作業面が形成された基板であっても良い。以下において、基板10の上部のみに対して、本発明方法が適用されるものとする。
次いで、前記有用面10Aの下に、多孔脆化層11を形成する(図2参照)。この多孔脆化層11は、通常前記基板10の表面部分を陽極酸化することにより形成される。変形例として、前記多孔脆化層を、好適な処理により、全体又は少なくとも一部が多孔性とされた追加層を、例えばスプレイ蒸着により形成することができる。このような多孔脆化層は、金属粉末の圧縮、又は非特許文献1に記載の技術に従って多孔質シリコンの制御された析出により形成できる。
図示しない他の変形例として、前記多孔脆化層を、異なった多孔レベルの数層から形成することもある。
前記多孔脆化層の少なくとも一部を構成する物質は、シリコンであると有利である。シリコンは、所望の多孔度を得るために行う処理条件が周知であるからである。しかし、前記一部を構成する物質の代わりに、次の物質とすることもある。
−より一般的には、半導体物質(InP、GaAs、Ge等)。事実、半導体物質は、陽極酸化により多孔化される。
−金属粉末のスプレイ、又は加圧により付着された金属(アルミニウム、銅、鋼、チタン等)。
−例えばSOGと略記されることのあるスピン・オン・グラスである酸化物(特に特許文献1に記載された態様のもの)、又は金属層の析出及び酸化で得られる酸化物。
次いで、この多孔脆化層11の上に、表面層12を形成する(図3参照)。
次に、全体を符号20で示す第1の複数層の第1基板を形成する。この複数層の第1基板20は、自由表面20Aの下方の非ゼロ距離に埋設された多孔層11を有する。
表面層12は、多孔脆化層11構成物質の結晶特性に応じたエピタキシャル成長により形成することが望ましく、この表面層12は、前記多孔脆化層11より遥かに大きい密度を有し、実際に100%に近い密度で、前記多孔脆化層11の下方に位置する基板10の一部の密度に近い。変形例として、この表面層12は、再結晶した多孔層であっても良い。他の変形例として、この表面層12は、多結晶物質(例えばシリコン)の析出、及び析出で得られた層の好適な焼き鈍し操作による結晶化で形成することができる。
前記多孔脆化層及び基板の自由表面との間に位置する図3に示す表面層12は、均質な単一層としてされている。変形例として、この表面層を、本発明方法の残りの工程で、特に(前記自由表面を構成する)熱酸化物層又は密着層として機能する層を含む数枚の副層で形成していても良い。
次いで、前記第1基板20にイオン注入を行って(図4参照)、d1で示す所望深さに位置する表面層12の領域13を脆化する。イオン注入により得られる脆化は、表面層から非ゼロ距離にある前記多孔層の上方(d2で表示)で生じる。これらの距離d1及びd2の比は、必要に応じて選択できる。ここでは、脆化層13の上方に位置する表面層12の上部層12Aの厚さd1は、脆化層13の下方で多孔層11の上方に位置する下部層12Bの厚さd2より厚くなっている。従って、前記脆化層は、表面層12中の厚い上部層12Aと薄い下部層12Bを区画している。
前記脆化層13の形成のためのイオン注入は、水素、又は希ガスである他の任意のガス成分、又はこれらの成分の混合物で行う。水素とヘリウムを使用する共イオン注入が有利である。
前記表面層12は、少なくとも2ミクロンの全厚を有することが好ましく、2ミクロンより充分大きい値を有することが有利であり、前記脆化層13は、前記多孔層から少なくとも2ミクロン離れて位置している。
この段階では、得られる第1基板は、異なった性質の2種類の脆化領域、すなわち多孔脆化層11と、イオン注入で得られた表面近くの脆化層13を有する。
注入工程の前後に、技術工程(層17に関して後述)を行うことが可能である。
必要に応じ、前記自由表面20A形成後に、物質の追加により(又は好ましくは分子結合により)、前記第1基板20を第2基板30に接合する(図5参照)。必要に応じて、熱焼き鈍し操作を、この基板ユニット(20+30)に対して行い、これらの基板間に位置する界面を一体化できる。
次いで、機械的応力を印加し、初期基板10の下部を、前記多孔脆化層11において、図5の残りの構造から脱離させる。残った構造を、図6に概略的に示す。
前記多孔脆化層11が異なった多孔値の多孔層からなっていると、前記脱離は、最も多孔度の大きい多孔層に局在して起こる。
図5は、機械的応力を、先の尖った矢印をもって概略的に示している。この機械的応力は、前記多孔脆化層に作用する挿入刃により加えられる。変形例として、前記脆化層13が前記応力に耐えられることを条件に(これが、先の尖った要素で、局在的に機械的応力を加える理由である)、基板20及び30のそれぞれにトルクを加えて、初期基板10の下部の脱離を生じさせることができる。この機械的エネルギは、多孔脆化層の端部に向かう高圧ジェット又は超音波として与えることができる。
このようにして露出した表面14を、例えば機械的な又は界面活性剤により研磨し、次いで、機械的及び電子的素子のようなマイクロテクノロジカル素子を生産する技術工程を行う。このような工程の結果を図7に概略的に示し、前記脱離の結果として露出した表面14上に層17を形成する。前記脆化領域13における不時の脱離を回避するため、前記技術工程は、適切な温度、一般には500℃未満で行う。前記技術工程が、機械的応力の印加を含む場合には、この応力を前記脆化層13の脱離を早めることのない値に留めなければならない。行われるべき技術工程の知識により、前もって知られている前記技術工程における脱離の危険を生じさせないように、当業者は、前記脆化層13の脆化の程度を見極めることができる。変形例として、前記技術工程は、過度の厚さを形成する危険なしに、前記下部層12Bを修正できる。
次いで、層17がある場合の表面14に、第3基板40の一面を接合させる(図8参照)。この接合は、例えば物質の追加又は分子結合により行うのが有利であり、公知の操作を適用して、前記接合の効果を促進させることができる。更に、熱なまし操作を行って、この接合を強固にすることができる(特に分子結合の場合)。
次いで、前記脆化層13において、前記上部層12Aを、前記厚い下部層12Bから脱離させることができる(図9参照)。この脱離は、必要に応じて補足的な機械的エネルギを印加しながら、熱処理することにより有利に行うことができる。この熱処理は、前記工程の結果である層17に悪影響を与えないように、十分に低い温度(実際には200℃から500℃)で行う。温度が低いほど、機械的エネルギを加えると効果的である。この機械的エネルギは、前記脆化領域に局所的に加える(多孔層における脱離の場合のように)だけでなく、基板30及び40に全体的な力、例えばトルク又は拮抗する張力として加えても良い。
上に説明した方法により、
−厚い下部層12Bの下方に埋設されたテクノロジカル層17を有する構造体(40+17+12B)、
−基板30の表面に薄い上部層12Aを有する構造体(30+12A)
を製造できることが分かると思う。
次いで、これらの構造のそれぞれに対し、独立の、あるいは従属的な技術工程を行う。初期基板10の残部は、前述したサイクルでリサイクルできる。一般に、前記下部層12Bの厚さが許容すれば、前述と類似する、前記構造体(40+17+12B)を、初期基板10の代わりに使用することができる。
この方法により、均質で高品質の比較的厚い(>2μm)表面層12を処理することができる。更にこのようにして形成された活性層の両面で、2種類の明らかに別個の分割モード(機械的又は熱的)で実施することを可能にする。前記技術工程は、それらが生じさせる熱的及び機械的応力に依存して、図7の工程で、又は図9の工程の後に実施できる。
この方法によると、第2基板30はサポートとして機能し、かつ注入表面に気泡を生じさせることなく、前記上部層12Aを強化して、注入領域中に分割ラインを形成できなければならない。この上部層12Aが、自身を支持する表面となるのに十分な厚さを有していると、第2基板を省略することができる。
前記基板30及び40は、200〜500℃の範囲での熱処理をすることができなければならない。
図5の脱離工程では、機械的応力の印加に加えて、前記多孔層の選択的な化学エッチングを行っても良い。
前述の通り、図9の脱離工程では、熱処理操作を、単独で、又は機械的応力と組み合わせて行うと有利である。
エネルギの形態を適宜選択することにより、前記脆化層11及び13の性質の差に基いて、これらの層における脱離の活性化を良好に制御して行うことができる。
例えば、エピタキシャル成長した表面層12が単結晶シリコンで、図7の技術工程で、絶縁層形成を行う場合、図9で示した脱離により、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)型の構成(40+17+12B)が得られるとともに、薄い上部層12Aは、初期基板10から基板30に移行する。
[実施例1]
初期基板は、p+ドープSi基板(100)(ρ=10mΩ/cm)である。表1の2工程の電気化学的陽極酸化により、多孔性シリコンの二重層が形成される。
Figure 2013526030
厚さ1.2μmの低多孔性(多孔度は20%)の表面層が、この低多孔層の下方に位置する、厚さ600nmの高多孔性(多孔度は70%)埋設層とともに得られる。
多孔性シリコン基板を、水素を入れた1100℃のエピタクシフレーム内に設置し、前記低多孔性層の表面を再構築する。次いで、例えば1100℃のジクロロシランの存在下で、再構築した表面から、単結晶シリコン層が成長する。エピタキシャル成長の因子(ガス流、継続時間)は、エピタキシャル成長した層の厚さが15μmになるように選択される。
前記エピタキシャル層に、次の条件下で、H+イオンを注入する。エネルギ:15keV、ドース量:5E16/cm2。前記注入は、水素プラズマ中で、液浸により有利に行うことができた。
イオン注入した多孔性ウエファを、低コストのボンダ(セラミック、金属ペースト、高温ポリマー等)を使用して、Siウエファでも良い一時的なサポートに接合する。前記分割は、15〜400kHz、200〜6000Wの範囲の超音波の印加により、高多孔性層で起こる。次いで、イオン注入で成長したエピタキシャル層を、一時的にサポートさせる。太陽電池製造のための、例えばスクリーン印刷(大きい機械的応力を含む)による金属化の技術工程を行うことが可能である。次いで、処理された表面を、低コストボンダを使用して最後の低コストサポート(セラミック、高温プラスチック、鋼等)に接合し、注入領域における分割を、800℃での焼き鈍しにより行う。次いで、このように移行された活性層を処理する。例えば表面テクスチャリングを行い、反射抵抗層を析出させて太陽電池を構成することが可能である。初期基板及び一時的な基板は、リサイクルできる。
[実施例2]
初期基板は、p+ドープSi基板(100)(ρ=10mΩ/cm)である。次のプロトコルによる、電気化学的陽極酸化により、多孔性シリコン層を形成する。
Figure 2013526030
厚さ3μmの平均多孔性(多孔度は40%)の層を得る。多孔性シリコン基板を、水素を入れた1100℃のエピタクシフレーム内に設置し、低多孔性層の表面を再構築する。次いで、例えば1100℃のジクロロシランの存在下で、再構築した表面から、単結晶シリコン層が成長できる。エピタキシャル成長したシリコン層の厚さは、3μmのオーダーに選択される。前記エピタキシャル層に、次の条件下で、H+イオンを注入する。エネルギ:150keV、ドース量:5E16/cm2。イオン注入された多孔性ウエファは、分子付着による熱酸化物で被覆されたシリコンウエファに接合させる。接合界面に刃を挿入することにより、高多孔性層で、分割が起こる。酸化されていれば、このようにイオン注入でエピタキシャル化された層は、前記シリコンウエファに移行する。大きい機械的応力(エッチング、析出及び他の応力)を含む技術工程を行うことが可能である。イオン注入した多孔性ウエファは、平坦化された酸化物による分子結合により、Siウエファでも良い一時的なサポートに接合する。分割は、500℃の焼き鈍しにより、イオン注入された領域で起こる。エピタキシャル層は、1.5μmまでの厚さの2層に分離され、第1にシリコン基板に移行された処理層、第2に従来のSOI基板が得られる。次いで、移行したそれぞれの層を処理する。超小型電子素子を製造するための従来工程(ドーピング、析出等)を行うことができる。初期基板は、リサイクルできる。
多孔層を含む基板への直接イオン注入において、本発明によると、均質で比較的厚い層の操作と、この層の両面に技術工程を行うことができる。活性層が、前記多孔層とイオン注入層の間に形成されるが、この層の厚さに関して幅広い自由度が得られる。この厚さは(コスト高になってしまう、非常に高いイオン注入エネルギ値に頼ることなく)、容易に1ミクロン又は10ミクロン以上に、更により以上の厚さとすることができる。
10 初期基板
10A 有用面
11 多孔脆化層
12 表面層
12A 上部層
12B 下部層
13 脆化層
14 表面
17 層
20 第1基板
20A 自由表面
30 第2基板
40 第3基板
d1、d2 距離

Claims (17)

  1. −有用面(20A)の下方の非ゼロ距離に埋設された多孔脆化層(11)を有する第1基板(20)を形成し、
    −前記多孔脆化層と前記有用面間に、イオン注入により、脆化層(13)を形成し、
    −前記第1基板を、支持基板(30)に接合し、
    −機械的応力を加えることにより、前記多孔脆化層(11)の脱離を生じさせて、第1に前記第1基板の残余構造を、第2に前記支持基板に接合し、かつ露出表面(14)を有する脱離表面層(12)を形成し、
    −前記脱離層の露出表面(14)に技術工程を施し、
    −該技術工程が施された表面により、前記脱離層を、第2基板(40)に接合し、かつ
    −熱処理を行って、前記脆化層(13)に脱離を生じさせ、第1に前記第2の支持基板(40)に接合した脱離層の残余構造を、第2に前記第1の支持基板(30)に接合した脱離層の残余構造を形成する、
    という工程を備える、少なくとも1つの層の移行方法。
  2. 注入により脆化した領域は、前記第1基板の有用面から距離(d1)に存在し、この距離は、前記脆化領域及び多孔層間の距離(d2)よりも大きい請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1基板(20)は、初期基板(10)の陽極酸化により表面を多孔化され、次いで、この多孔層から緻密な表面層(12)を、エピタキシャル成長することにより形成される請求項1又は2記載の方法。
  4. 多孔脆化層は、異なった多孔値を有する少なくとも2つの副層により形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 低多孔度の多孔性副層は、他の多孔性副層より、自由表面に近く位置している請求項4記載の方法。
  6. 前記多孔脆化層(11)は、少なくとも1ミクロンの厚さを有する請求項1〜5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記多孔脆化層(11)及び自由表面(20A)間の表面層(12)は、単結晶物質製である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記多孔脆化層(11)及び自由表面(20A)間の表面層(12)は、少なくとも2ミクロンの厚さを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記脆化層(13)は、少なくとも1種類のガス成分によるイオン注入により形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 少なくとも水素が注入される請求項9に記載の方法。
  11. 少なくともヘリウムが注入される請求項9に記載の方法。
  12. 前記脱離を、前記多孔脆化層(11)における、機械的エネルギの局在化した印加により起こさせる請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記技術工程は、少なくとも一部のマイクロテクノロジカル成分の形成を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記技術工程は、少なくとも一層の絶縁層の形成を含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記脱離を、機械的エネルギの印加を伴うか、又は伴わない熱処理により、脆化層(13)で起こさせる請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記第1基板の残余部分を、本方法を実行する新規サイクルの第1基板として使用する請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記技術工程を、前記脆化領域の脱離で分離される脱離層の各部分にも行う請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
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