本発明は、種々の修正および代替形態を受け入れ可能であるが、その仕様は、実施例として、図面に示される。しかしながら、その意図は、本発明を図面または付随の説明に描写される特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。対照的に、その意図は、本発明の精神および範囲内に収まる全ての修正、均等物、および代替を網羅することである。
本発明は、アレイ超音波変換器の筐体に統合され、変換器によって生成される音響撮像平面に、均一な光エネルギーの送達を可能にする、レーザファイバを含む、光音響走査ヘッドを提供する。特に、例えば、長方形形状束に配設され得る、レーザファイバは、超音波要素に沿って、変換器の筐体内に埋設される。統合されたファイバ束は、音響撮像平面に沿って、精密な照射を均一にもたらすために使用される、レンズ効果のために、十分な屈折を提供するように選択される、透明な埋め込み用エポキシまたは他の樹脂を使用して、筐体に埋め込まれる。加えて、複数の照射角度が、束状ファイバを変換器筐体内に埋め込むために使用される、エポキシまたは他の樹脂材料の面を成形することによって、組み込むことができる。これによって、光は、変換器の面に対して、具体的角度で送達可能となる。
本発明による、超音波変換器筐体に統合され得る、レーザファイバ束の実施例は、図1に示される。レーザ束102は、一緒に接合され、走査ヘッドから、レーザシステムと接面するコネクタまで続くケーブルを形成する、複数の光ファイバから成る。束102の端部は、別個の束104および106に分岐され、2つの発光端108および110を形成する。束104および106は、均一な光分布のために無作為化され、発光端108および110は、例えば、エポキシまたは他の樹脂材料によって、変換器筐体に統合することができる、長方形バーに配設される。
本発明の一実施形態では、発光バー108および110は、変換器の正面に対して、対称的に配設される。特に、単一長方形光バーは、超音波変換器の正面を横断し、したがって、変換器の面に垂直な交差平面を形成する、ビームを生成するように、変換器アレイ要素の各側に設置される。光ファイバは、変換器の先端部材に埋め込まれ、最初に、複合変換器の先端上により平滑な面を作成し、音響アレイを整合するために使用されるであろう、内部空洞を作成するように設計された鋳型に固化されることができる。埋め込みは、レンズが、エポキシまたは他の樹脂材料を成形するための鋳型を使用して、光バーの正面に形成され得るように、透明エポキシまたは他の樹脂を使用して、行われてもよい。超音波アレイは、次いで、ファイバを埋め込む時、以前に形成された空洞内に整合され、埋め込まれる。これによって、光バーは、光バーのビームが、音響変換器に垂直な平面に沿って横断、可能な限り浅い深さから、超音波アレイの撮像平面に含有され、それによって、光音響撮像が生じ得る体積を最大限にするすることができるように、音響変換器の両側に、かつ相互に近接して、対称的に配置されることが可能となる。光学ビームが横断する領域の深さおよび収束する角度は、光音響効果を最適化するように配設することができる。
図2−6は、前述のように構築される、光音響走査ヘッド101の実施形態を示す。走査ヘッド101の先端部材114は、超音波波を伝送および受信するためのアレイ超音波変換器103を有する。走査ヘッド101はまた、複数の光ファイバ102を含む、光ファイバケ−ブル105を含む。一端において、光ファイバ102の束は、アレイ状変換器103の両側に配置される、発光バー108および110に形成される、2つの群のファイバに分岐される。バー108および110は、アレイ状変換器103によって検出される、超音波を生成するために、標的上にレーザ光を向ける。図中、長方形バーとして示されるが、これらの群のファイバは、円形、卵形、正方形、三角形等、任意の他の好適な形状に形成され、光のビームを生成してもよい。光ファイバから放出されたレーザ光は、撮像される対象の皮膚表面上の照射領域に進行し、対象の組織内で超音波を生成する。
走査ヘッド101の種々の構成要素は、保護筐体112によって封入される。筐体は、プラスチックあるいは他の好適な剛性または半剛性材料から作製されてもよく、手持式使用のために提供するように成形されてもよい。
図2に示されるように、超音波アレイを給電する電気ワイヤ107は、複合ワイヤ/光ファイバ同軸ケーブル105が形成されるように、光ファイバ束102の中心に配設することができる。後方筐体118が、次いで、ユーザが、単一ケーブル105を有する変換器が走査ヘッド101から抜け出るのを体感するように、機械強度を伴って、先端部材114およびケーブル/コネクタ上に嵌合される。遠端において、ケーブルは、それぞれ、レーザ生成システムおよび超音波送受信機/ビームフォーマと接面する、光学コネクタおよび電子コネクタで断絶する。
走査ヘッド101の先端部材114はまた、例えば、皮膚の表面からの後方散乱光を捕捉するための統合された光ダイオードベースの監視デバイス等、光センサ116を含んでもよい。監視システムを走査ヘッド101の先端部材114に統合することによって、光音響データは、パルス間レーザ強度変動が、リアルタイムで緩和されるように、正規化することができる。光センサはまた、光学的に透明なエポキシまたはポリマー樹脂を使用して、音響レンズの一端または両端の場所に埋め込まれてもよく、アレイ端にすぐ接して、組織の照射を測定することができるように、陥凹および/または角度付けられてもよい。
図2および3は、アレイ状変換器103の一端に埋め込まれ、撮像される対象を向くように照準される、単一光センサ116を示す。光バー108および110は、音響レンズ端を若干越えて延在し、光センサにより広い照射をもたらし、必要に応じて、組織の表面における光条件が、音響レンズ下の組織の光条件に密接に対応することを確実にするように、配設することができる。さらに、光ファイバケーブルはさらに、例えば、光音響効果が生じるのと同一幾何学条件下、光場を測定することができるように、束間に配置される光センサによって、光を音響変換器に隣接する領域に当てる、2つのより小さいファイバ束に分裂されてもよい。
代替実施形態では、光センサは、走査ヘッドから別個であってもよい(すなわち、変換器筐体外に位置する)。例えば、光センサは、光ファイバのためのレーザ光を供給する、レーザシステムのためのカートアセンブリの一部として位置してもよい。光ファイバ束を使用して、変換器筐体外に位置する光センサに後方散乱光を逆誘導することによって、後方散乱光のより均一なサンプリングを達成し、変換器筐体内に嵌合可能であるであろう、より大きな光センサを使用することが可能となり得る。
さらに別の代替実施形態では、光センサは、再び、走査ヘッドから別個であって、光センサは、レーザシステムのためのカートアセンブリの一部として位置してもよい。しかしながら、既存の光ファイバ束を使用して、変換器筐体外に位置する光センサに後方散乱光を逆誘導するのではなく、光を光センサに戻るように向けるためだけ専用の付加的ファイバが、既存の光バー内またはその外部の周囲のいずれかに設置され得る。
図4a、4b、および5は、アレイ超音波変換器によって生成される音場または走査平面と、走査ヘッドの光ファイバによって生成される光場との間の相互作用を示す。特に、アレイ状変換器103は、変換器103の正面表面127に垂直な音場123を生成する。光ファイバ104および106の束は、先端部材114に埋め込まれ、または別様に統合され、光120のビームを標的上に放出する、バー108および110を形成する。光ファイバおよび結果として生じた光ビームは、照射された組織に対して、異なる角度で設置することができる。角度は、対象に送達される光ビームが、相互に、かつまた、超音波ビームとも平行である点まで、増加させることができる。典型的には、光ファイバ束104および106によって形成される光108および110のバーは、アレイ状変換器103の正面表面127に対して、束によって放出される光ビーム120が、相互におよびアレイ状変換器103によって生成される音場123と交差するような角度にある。ある実施形態では、統合された光音響変換器の光ビームは、アレイ状変換器の音響撮像平面の長方形領域と一致する、組織の体積を照射する。図5に描写されるように、光ビーム120は、音響上昇焦点の領域125において、音場123に交差し、それによって、本領域にわたって、光音響撮像を可能にする。加えて、光は、組織内で強く散乱するため、光音響撮像は、交差領域125外でも同様に行うことができるが、分解能および感度は、交差領域125内より最適ではない場合がある。
前述のように、光ファイバを走査ヘッドの先端部材に統合するために使用されるエポキシまたは他の樹脂材料はまた、ファイバ束によって生成される光ビームを集束するためのレンズに形成されてもよい。特に、エポキシまたは樹脂を成形するために使用される鋳型が、一体型レンズ外形を組み込む場合、異なる鋳型は、埋め込み用エポキシまたは他の樹脂が、光ファイバからのレーザ光を最適位置に集束し、光ビームの発散、強度、および入射角度を制御するために使用される、光バーのそれぞれのためのレンズをもたらすように調整することができる。したがって、鋳型外形を変化させることによって、異なる照射パターンが、同一ファイバ束および音響変換器を使用して、作成されることができる。さらに、埋め込みプロセスが、光ファイバの結果として生じた面がアレイ超音波変換器の音響レンズと同一平面となるように、鋳型内で行われる場合、結果として生じた複合変換器は、清浄が容易であって、可能な限り対象に近接して設置することができる。
図5は、ファイバ束104および106の発光端108および110の表面におけるエポキシまたは他の樹脂材料が、音響レンズ133と同一平面にあるレンズ128および130内に形成され、走査ヘッドから放出されるレーザ光ビーム120を超音波撮像平面に対して最適構成に屈折および/または集束する、走査ヘッドの実施形態を示す。例えば、レンズ128および130は、アレイ超音波変換器103によって生成される音場123のものに一致する、焦点深さを有する、光ビーム120を提供するように構成することができる。光ファイバの屈折率と適切に一致された屈折率を有する、光学的に透明な樹脂を使用することによって、ビームが、埋め込みプロセスによって形成される、光ファイバの正面における樹脂材料を通過する時、光の損失は、ほとんど生じない。加えて、レンズを形成するために使用される、エポキシまたは樹脂はまた、変換器の正面表面に対して、異なる仰角で光ファイバを固定し、それによって、光ビームが、集束され得る、より広い範囲の深さをもたらすために使用することができる。本材料はまた、使用の間、損傷に対して、光ファイバを保護する役割を果たす。
走査ヘッド内で使用される超音波変換器は、典型的には、アレイ状変換器または別の形態の固定変換器である。「固定」変換器は、走査平面に沿って、変換器を物理的に移動させる必要なく、所与の走査平面において、超音波線を取得する。より具体的には、「固定」という用語は、変換器アレイが、その所望の動作パラメータを達成するために、または超音波データのフレームを取得するために、超音波の伝送または受信中にその方位角方向の移動を利用しないことを意味する。さらに、変換器が走査ヘッドまたは他の撮像プローブ内に位置する場合、「固定」という用語は、動作中に変換器が走査ヘッド、プローブ、またはその一部に対して方位角または縦方向に移動しないことも意味する。「固定」変換器は、超音波フレームの取得の間に移動させることができ、例えば、変換器は、超音波データのフレームを取得後に走査平面間を移動させることができるが、そのような移動は、それらの動作には要求されない。しかしながら、当業者は、「固定」変換器が、動作パラメータとしては固定されたままである間に撮像される物体に対して移動させることができることを理解するであろう。例えば、変換器は、動作の間、対象に対して移動され、走査平面の位置を変化させる、または対象またはその下層生体構造の異なるビューを取得することができる。
アレイ変換器の実施例は、線形アレイ変換器、位相アレイ変換器、2次元(2D)アレイ変換器、または湾曲アレイ変換器を含むが、これらに限定されない。線形アレイは、典型的には、平坦、すなわち、要素の全ては同じ(平坦な)平面に置かれる。湾曲線形アレイは、典型的には、要素が湾曲面内に置かれるように構成される。
変換器は、典型的には、可変パルスおよび遅延機構を使用して電気的に操作することができる、1つ以上の圧電要素、または圧電要素のアレイを含有する。本発明の光音響システムで使用できる好適な超音波システムおよび変換器は、2007年6月12日に公開された米国特許第7,230,368号(Lukacs et al.)、2005年12月8日に公開された米国特許出願第2005/0272183号(Lukacs,et al.)、2004年6月24日に公開された米国特許出願第2004/0122319号(Mehi,et al.)、2007年9月6日に公開された米国特許出願第2007/0205698号(Chaggares,et al.)、2007年9月6日に公開された米国特許出願第2007/0205697号(Chaggares,et al.)、2007年10月11日に公開された米国特許出願第2007/0239001号(Mehi,et al.)、2004年11月25日に公開された米国特許出願第2004/0236219号(Liu,et al.)に説明されるシステムを含むがこれらに限定されず、これらのそれぞれは参照により本明細書に全てを組み込まれる。
本発明の走査ヘッドは、ハンドルを含む、または別様に、手持式使用のために適応されてもよく、あるいはレールシステム、モータ、または類似位置決めデバイス上に搭載されてもよい。走査ヘッドケーブルは典型的には、変換器の容易な移動および位置決めを可能にするように可撓性である。
本発明の走査ヘッドは、図7に示されるもの等、光音響撮像システムに組み込まれ、対象の光音響画像の作成を提供することができる。例えば、走査ヘッド101の光ファイバは、非電離レーザパルスを生成する、OPOTEK(California、USA)のRainbow NIR Integrated Tunable Laser System等、レーザシステム142に接続することができる。レーザ生成システムは、走査ヘッド101内の光ファイバと組み合わせて、レーザパルスを対象140上に指向し、電磁放射の吸収をもたらし、それによって、対象140の組織および/または器官内に超音波エネルギーを生成する。レーザ生成システムはまた、レーザ出力源におけるもの、および/または光ファイバを通しての光音響走査ヘッドからの戻り光からのレーザエネルギーを監視するためのモジュールを含有してもよい。走査ヘッド101内の変換器は、ワイヤを介して、超音波送受信機またはビームフォーマ144に接続され、レーザ光によって生成された超音波を検出し、モニタ148上に表示される、対象内の着目領域の2次元および3次元画像を作成するためにソフトウェアを使用する、中央処理ユニット(例えば、コンピュータ)146に本データを送信する。
光ファイバレーザを超音波変換器に統合することによって、同一機器を使用して、超音波撮像および光音響撮像の両方が可能になる。光音響画像を取得する時、超音波変換器は主に検出器として使用されるが、ユーザが機器を超音波モードだけで操作することを望む場合、変換器は、超音波の送信および受信両方のために使用することができる。したがって、システムは、いくつかの実装において、光音響撮像システムならびに超音波撮像システムの両方として機能することができる。
光音響画像は、典型的には、複数のパルス取得イベントによって形成することができる。所望の撮像領域内の領域は、「A走査」または超音波「線」と称される、一連の個々のパルス取得イベントを使用して走査される。各パルス取得イベントは、光ファイバから伝達される電磁エネルギーのパルスが、次いで、変換器に到達する超音波を対象内で生成するために最小時間を要する。画像は、対象の身体構造が表示することができるために十分な詳細を提供するように、十分な数のA走査線によって、所望の画像領域を被覆することによって作成される。線の数ならびに線が取得される順序は、取得された生データを画像に変換することも行う、超音波システムによって制御することができる。「ビーム形成」として知られるプロセスにおいて、ハードウェア電子機器およびソフトウェア命令の組み合わせを使用することによって、個々のA走査は、ともに群化され、画像データを形成することができる。「走査変換」または画像構築のプロセスを通して、取得されたビーム形成された光音響画像データは、ディスプレイを見ているユーザが、撮像された対象を視認することができるように、レンダリングされる。
本発明の一実装において、超音波信号は、受信される信号が超音波線に沿って動的に集束させられるように、受信ビーム成形方法を使用して取得される。光ファイバは、走査平面内の各超音波線が同じレベルのレーザパルス強度を受信するように配設される。一連の連続した超音波線は、フレームを形成するために取得される。例えば、256の超音波線が取得される場合があり、各線に対するイベントのシーケンスは、レーザパルスの伝送の後に、超音波信号の取得が続く。
線ベースの画像再生方法は、2006年5月30日に公開された米国特許第7,052,460号の「System for Producing an Ultrasound Image Using Line Based Image Reconstruction」、および2004年11月25日に公開された第2004/0236219号(Liu,et al.)に説明され、それぞれは参照により本明細書に全てを組み入れ、その一部となる。そのような線ベースの撮像方法は、例えば、急速に鼓動しているマウスの心臓を撮像する時など、高フレーム取得レートが望まれる時の画像を生成するために組み込むことができる。
本発明の別の実装では、超音波信号は、個々のアレイ状変換器要素上でA走査を同時に取得し、次いで、典型的には、ソフトウェアにおいて、ビーム形成を遡及的に行うことによって、より少ないレーザパルスによって、さらに高速に取得される。光音響走査ヘッドの有効面積にわたって、発光バーからの光の均質な分布のため、単一レーザパルスのみ、画像平面の領域を照射するために必要とされる。したがって、各画像線に対してレーザパルスを送信するのではなく、単一レーザパルスを使用して、組織を励起し、戻り超音波をアレイ状変換器の個々の要素上で取得することができる。超音波システム上で利用可能なチャネル数に応じて、2つ以上のレーザパルスが、アレイ状変換器の有効面積全体を網羅するために必要とされてもよい。例えば、本発明の一実施形態では、超音波システムは、256個の超音波アレイ要素に多重化される、64個のチャネルを含有する。この場合、4つのレーザパルスが、全256個の有効要素上のA走査を収集するために使用される。遡及的ビーム形成を通して、しかしながら、画像線は、システム上の64個のチャネルの制限を超える、「アパーチャ」としても知られる、A走査の群をとることによって、形成することができる。最大256個の要素が、次の画像線のために、プロセスを反復するために、単一線にビーム形成されるであろう、アパーチャを形成するために使用され得る。実際は、ほとんどのレーザは、非常に低いパルス反復率(10−20Hz)を有し、したがって、遡及的ビーム形成の本プロセスの使用は、光音響撮像フレームレートを改良するために非常に有利である。
3D画像取得の場合、モータが、所定のステップサイズによって離間される一連のフレームを収集するように、統合された光ファイバ束を伴う超音波変換器を線形運動に移動させるために使用されてもよい。モータの運動範囲およびステップサイズは、ユーザによって設定および/または調整されてもよい。典型的には、ステップサイズは、約10μmから約250μmである。
モータは、典型的には、走査平面に対して垂直に走る平面に沿って、超音波変換器を移動させる。これらの2D画像は、次いで、標準的3D可視化ツールを使用してスタックされ、体積として可視化される。3D光音響画像取得のための方法は、2009年5月1日出願の第U.S.S.N.61/174,571号により詳細に説明されており、本参照によって、本明細書に組み込まれる。
超音波変換器および統合された光ファイバレーザを伴う、走査ヘッドに加え、本発明による光音響システムは、典型的には、以下の構成要素のうちの1つ以上を含む。1つ以上の信号および画像処理能力を備え得る、他の構成要素に動作可能に連結された処理システム、デジタルビームフォーマ(受信および/または伝送)サブシステム、アナログ式フロントエンド電子機器、デジタル式ビームフォーマコントローラサブシステム、高電圧サブシステム、コンピュータモジュール、電力供給モジュール、ユーザインターフェース、ビームフォーマおよび/またはレーザを起動するためのソフトウェア、受信したデータを2および/または3次元画像に処理するためのソフトウェア、走査変換器、モニタまたはディスプレイデバイス、および本明細書に説明されるような他のシステム特徴。
図7におけるブロック図は、本発明による、光音響撮像システムのための構成要素の典型的配設を示す。システムは、レーザシステム142によって生成されるレーザ光を撮像される対象140上に向けるためのアレイ状変換器および統合された光ファイバケーブルを含有する、走査ヘッド101を含む。超音波送受信機/ビームフォーマ144は、走査ヘッド101内のアレイ状変換器の有効アパーチャの要素に接続され、アレイ状変換器のアパーチャを判定するために使用される。
伝送の間、走査ヘッド101の光ファイバから放出されるレーザ光は、対象140を透過し、対象140の組織内から超音波信号を生成する。超音波信号は、走査ヘッド101内のアレイ状変換器の有効アパーチャの要素によって受信され、有効アパーチャの各要素から発せられるアナログ電気信号に変換される。電気信号は、超音波送受信機/ビームフォーマ144においてアナログからデジタル信号に変換するためにサンプリングされる。いくつかの実施形態では、走査ヘッド内のアレイ状変換器はまた、アレイのどの要素を有効アパーチャに含め、どの遅延プロファイルを使用するかを受信ビームフォーマに知らせる、ビームフォーマ制御によって判定される受信アパーチャを有する。受信ビームフォーマは、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイスを使用して実装できる。処理ユニットはまた、これも少なくとも1つのFPGAデバイスを使用して実装される場合がある、伝送ビームフォーマを備えることができる。さらに別の実施形態ではアレイの要素上で受信した光音響信号は、ソフトウェアにおいて、信号を遡及的にビーム形成することによって、より少ないレーザパルスで生成することができる。
中央処理ユニット、例えば、コンピュータ146は、レーザシステム142を含む、システムの構成要素を起動する、制御ソフトウェアを有する。コンピュータ146はまたは、受信した超音波信号に基づいて画像を生成するために、例えば、3次元可視化ソフトウェア108を使用して、受信したデータを処理するためのソフトウェアを有する。画像は、次いで、ユーザによって視認されるように、モニタ148上に表示される。
コンピュータ146の構成要素として、1つ以上のプロセッサまたは処理ユニット、システムメモリ、およびビームフォーマ144を含む種々のシステム構成要素をシステムメモリに結合するシステムバスを挙げることができるが、これらに限定されない。メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、および種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサまたはローカルバスを含む、種々の可能な種類のバス構造が使用されてもよい。実施例として、そのようなアーキテクチャとして、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャンネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(VESA)ローカルバス、メザニンバスとしても知られる周辺構成要素相互接続(PCI)バスが挙げられる。本バスおよび本説明に規定される全バスはまた、有線あるいは無線ネットワーク接続を介して、実装することができる。このシステムはまた、有線または無線ネットワーク接続を介して実装することができ、プロセッサ、大容量記憶デバイス、オペレーティングシステム、アプリケーションソフトウェア、データ、ネットワークアダプタ、システムメモリ、入力/出力インターフェース、ディスプレイアダプタ、ディスプレイデバイス、および人間−機械インターフェースを含むサブシステムのそれぞれは、物理的に別の場所で1つ以上の遠隔コンピューティングデバイス内に収容され、この形式のバスを介して接続され、事実上完全に分散システムを実装することができる。
コンピュータ146は、典型的には、種々のコンピュータ可読媒体を含む。そのような媒体は、コンピュータ146によってアクセス可能である任意の使用可能な媒体であることができ、揮発性および非揮発性両方の媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。システムメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ、および/または読取専用メモリ(ROM)等の非揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を含む。システムメモリは、典型的には、データ等のデータならびに/あるいはオペレーティングシステムおよび直ちにアクセス可能および/または現在処理ユニットによってその上で動作されているアプリケーションソフトウェア等のプログラムモジュールを含有する。
コンピュータ146はまた、他のリムーバブル/非リムーバブル、揮発性/非揮発性コンピュータ記憶媒体を含んでもよい。実施例として、大容量記憶デバイスは、コンピュータコード、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピュータ146のための他のデータを提供することができる。例えば、大容量記憶デバイスは、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク、磁気カセットまたは他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリカード、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学式記憶、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)等であり得る。
大容量記憶デバイス上には、例えば、オペレーティングシステムおよびアプリケーションソフトウェアを含む、任意の数のプログラムモジュールを格納することができる。2Dおよび/または3D画像を含むデータはまた、大容量記憶デバイス上に記憶することができる。データは、当該分野で周知の1つ以上のデータベースのいずれかに記憶することができる。そのようなデータベースの実施例として、DB2TM、MicrosoftTM Access、MicrosoftTM SQL Server、OracleTM、mySQL、PostgreSQL等が挙げられる。データベースは、集中化、または複数のシステムに分散することができる。
ユーザは、入力デバイスを介して、コンピュータ146にコマンドおよび情報を入力することができる。そのような入力デバイスの例として、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、「マウス」)、マイクロフォン、ジョイスティック、シリアルポート、スキャナ等が挙げられるが、これらに限定されない。これらおよび他の入力デバイスは、システムバスに結合される人間−機械インターフェースを介して処理ユニットに接続することができるが、パラレルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)等の他のインターフェースおよびバス構造によって接続されてもよい。本発明による実施形態の例示的システムにおいて、ユーザインターフェースは、前述の入力デバイスのうち1つ以上から選択できる。随意に、ユーザインターフェースはまた、トグルスイッチ、スライダ、可変レジスタ、および当該分野で周知の他のユーザインターフェースデバイス等の種々の制御デバイスを含むことができる。ユーザインターフェースは、処理ユニットに接続することができる。また、本明細書に説明される処理ユニット接続との接続と連結して、または連結することなく、本明細書に説明される例示的システムの他の機能ブロックに接続することもできる。
ディスプレイデバイスまたはモニタ148はまた、ディスプレイアダプタ等のインターフェースを介して、システムバスに接続することもできる。例えば、ディスプレイデバイスは、モニタまたはLCD(液晶ディスプレイ)であることができる。ディスプレイデバイス148に加えて、他の出力周辺デバイスは、入力/出力インターフェースを介してコンピュータ146に接続することができる、スピーカおよびプリンタ等の構成要素を含むことができる。
コンピュータ146は、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスへの論理接続を使用するネットワーク環境で動作することができる。実施例として、遠隔コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークコンピュータ、ピアデバイスまたは他の共通ネットワークノード等であり得る。コンピュータ146と遠隔コンピューティングデバイスとの間の論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および汎用広域網(WAN)を介して行うことができる。そのようなネットワーク接続は、ネットワークアダプタを通すことができる。ネットワークアダプタは、有線および無線両方の環境で実装することができる。そのようなネットワーク環境は、職場、企業広域コンピュータネットワーク、イントラネット、インターネットで一般的である。遠隔コンピュータは、サーバ、ルータ、ピアデバイス、または他の共通ネットワークノードであってもよく、典型的には、コンピュータ146に関して既に説明された要素の全てまたは多数を含む。ネットワーク環境では、プログラムモジュールおよびデータが、遠隔コンピュータ上に記憶されてもよい。論理接続は、LANおよびWANを含む。その他の接続方法が使用されてもよく、ネットワークは、「ワールドワイドウェブ」またはインターネット等を含んでもよい。
図面に示され本明細書に説明される例示的システムの側面は、ハードウェア、ソフトウェア、およびこれらの組み合わせを含む種々の形態において実施することができる。ハードウェア実装は、当技術分野において周知の以下の技術のいずれかまたはそれらの組み合わせを含むことができる。離散電子構成要素、データ信号に応じて、論理機能を実装するための論理ゲートを有する、離散論理回路、適切な論理ゲートを有する、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等。ソフトウェアは、論理機能を実装するための実行可能命令の順序を示したリストを備え、コンピュータベースシステム、プロセッサ含有システム、あるいは命令実行システム、装置、またはデバイスから命令をフェッチし、命令を実行することができる他のシステム等の命令実行システム、装置、またはデバイスによって、あるいははこれらに関連して使用するための任意のコンピュータ可読媒体において具現化することができる。
本発明の光音響撮像システムおよび方法は、対象の種々の組織、器官(例えば、心臓、腎臓、脳、肝臓、血液等)、および/または病態を撮像するために、広範囲の臨床および研究用途において使用することができる。例えば、説明される実施形態は、小動物の長期的な撮像研究において、生体構造および血行動態機能の生体内可視化、診断、および測定を可能にする。システムは、非常に高い分解能、画像の均一性、被写界深さ、調整可能な送信焦点深さ、複数の使用のための複数の送信集束ゾーンを有する画像を提供できる。例えば、光音響画像は、対象あるいは心臓または心臓弁等のその生体部分であり得る。画像はまた、血液であり得て、腫瘍の血管新生の評価を含む用途のために使用できる。システムは、針注射を誘導するために使用できる。
小動物を撮像するために、撮像中、変換器が固定具に取着されることが望ましい場合がある。これによって、操作者は、「フリーハンド」撮像から通常得られる振動やぶれのない画像を取得することが可能になる。固定具は、3次元における運動自由度、回転自由度、迅速解放機構等、種々の特徴を有することができる。固定具は、「レールシステム」装置の一部であることができ、加熱されたマウス用保温台と統合することができる。小動物の対象はまた、麻酔器具へのアクセス、および柔軟な様式で対象に対して変換器を配置するための手段を備える保温台上に配置されてもよい。
システムは、機動性のあるプローブホルダ装置を備える「レール誘導」タイプの台を含む、小動物の撮像において使用される台および装置と併用することができる。例えば、説明されるシステムは、マルチレール撮像システム、およびそれぞれ参照により本明細書に完全に組み込まれる、米国特許出願第10/683,168号の「Integrated Multi−Rail Imaging System」、米国特許出願第10/053,748号の「Integrated Multi−Rail Imaging System」米国特許出願第10/683,870号、現在、2005年2月8日に公開された米国特許第6,851,392号の「Small Animal Mount Assembly」および米国特許出願第11/053,653号の「Small Animal Mount Assembly」に説明される小動物搭載アセンブリと併用できる。
小動物は、撮像の間麻酔をかけることができ、心拍および体温等の重要な生理的パラメータを監視することができる。このように、システムの実施形態は、処理および表示のためのECGおよび温度信号を取得するための手段を含む場合がある。システムの実施形態はまた、ECG、呼吸または血圧波形等の生理的波形を表示する場合がある。
説明される実施形態はまた、人間の臨床、医療、製造(例えば、超音波検査等)または3次元の光音響画像が所望される場合の他の用途のために使用することができる。
本説明および以下の請求項に使用されるように、「a」または「an」は、そうでないことが記載されない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の意味である。加えて、単数形の「a」、「an」、および「the」は、その内容がそうではないことを明確に記載しない限り、複数の参照を含む。このように、例えば、「1つの化合物」を収容する組成への参照は、2つ以上の化合物の混合を含む。
本明細書および添付の請求項に使用される「または」という用語は、概して、その内容がそうではないことを明確に記載しない限り、「および/または」を含む意味において採用される。
本明細書の終点による数値範囲の記載は、その範囲に包含される全ての数字を含む(例えば、1から5までは、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
その他特に記載のない限り、本明細書および請求項に使用される材料の数量、特性の測定値等を表す全ての数字は、「約」という用語によって、全ての事例において修正されるように理解されるべきである。したがって、そうではないことが示されない限り、前述の明細および添付の請求項に記載の数値パラメータは、本発明の教示を利用する当業者によって取得されることが求められる所望の特性に依存して変動することができるおよその数値である。最後に、請求項の範囲を限定するものとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、記載の有効桁数を考慮し、通常の四捨五入の規則を適用することによって、解釈されるべきである。しかしながら、任意の数値は本質的に、それらそれぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に得られる所定の誤差を収容する。
本発明に対する種々の変形および代替は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態および実施例によって不当に限定されることを意図するものではなく、そのような実施形態および実施例は、本発明を説明するために示されたに過ぎず、本発明の範囲は、本明細書に添付の請求項によってのみ限定されることが意図されることを理解されたい。
本明細書に言及される特許、特許文献、および文献の完全な開示は、それぞれが個別に組み入れられるように、それらの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。