JP2013522408A - グラフトポリマーを含有するタイヤおよびゴム組成物 - Google Patents

グラフトポリマーを含有するタイヤおよびゴム組成物 Download PDF

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Abstract

少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、化学架橋剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤をベースとする少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤに関する:
【化1】
Figure 2013522408

(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。

Description

本発明は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、化学架橋剤および少なくとも1種の特定の変性剤をベースとするゴム組成物を含むタイヤに関する。
タイヤの製造分野においては、特に、トレッドとして知られている地面と接触するゴム組成物の配合物に関しては、目的は、一般に、転がり抵抗性およびタイヤの一定の歪みに一時的に対応する能力のような、相反する性能間の実現可能な最良の妥協点を見出すことである。
特に、トレッドを構成する材料は、低歪みおよび中程度の歪みにおいて良好な剛性を示して、特に低転がり抵抗性を付与するとともに一定の歪みに可逆的に対応し得且つより大きな応力または歪みの影響下に劣化することがないようにすることが望ましい。換言すれば、低歪みおよび中程度の歪みにおいて剛性でありながら、高破断点伸びまたは高破壊応力を示す材料を入手し得ることが望ましい。
エラストマーの化学架橋がエラストマーに良好な機械的および熱的性質を付与することは周知である。化学架橋は、ポリマー鎖間に共有化学結合を達成させることに特徴を有する。多くの化学架橋方法が存在する。主鎖中に不飽和結合を含むエラストマー材料の架橋において使用するのに最も広く使用されている方法は、イオウ化合物に基づく方法である。もう1つの広く使用されている方法は、過酸化物による化学架橋である。
しかしながら、ポリマー鎖間の共有結合数(ブリッジ密度)が増大する場合、低歪みおよび中程度の歪みにおける剛性は増進するが、破断点伸びは低下する。逆に、ブリッジ密度が低下する場合、破断点伸びは増進するが、低歪みおよび中程度の歪みにおける剛性は低下する。
本出願法人は、低歪みおよび中程度の歪みにおける良好な剛性と高破断点伸びとの間の妥協点を、エラストマー中に、特定の密度の鎖間非共有結合を導入することによって得ることができることを見出した。
鎖間での非共有結合の存在は、物理的架橋または可逆的架橋として一般に既知である。物理的架橋は、ポリマー鎖を、非恒久的な物理的相互作用、例えば、イオン相互作用、水素結合、イオン‐双極子相互作用および双極子‐双極子相互作用によって互いに会合し得る化学分子によって官能化することによって得ることができる。
そのようなエラストマーをゴム組成物中に化学架橋系の存在下に配合する場合、上記非共有結合に加わる共有結合がエラストマー鎖間に出現する。
説明の続きとして、ゴム組成物中に存在する“変性剤の含有量”は、モルパーセントとして表したとき、上記組成物の100ジエンエラストマー単位(区別することなく、ジエン・非ジエン単位にかかわらない)当りの上記組成物中に存在する変性剤の分子数を意味するものと理解されたい。
例えば、SBRに対する変性剤の含有量が0.20モル%である場合、このことは、SBRの100個のスチレンおよびブタジエン単位当り0.20分子の変性剤が存在することを意味する。
上記組成物において、上記変性剤で事前グラフトさせたエラストマーおよび変性剤でグラフトさせていないエラストマーの双方を使用する場合、変性剤の含有量は、ジエンエラストマー100単位当りのグラフト化変性剤の分子数を表す;上記単位数は双方のエラストマー(グラフト化および未グラフト化)を考慮し、事前グラフトさせていない変性剤の他の分子は上記組成物に添加していないものと想定する。
従って、本発明の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、化学架橋剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる、必要に応じて上記ジエンエラストマーに事前グラフトさせた変性剤をベースとする少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤである:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。
共有結合を含む架橋ブリッジは、上記化学架橋剤の存在によって形成される。非共有結合を含む架橋ブリッジは、上記エラストマーの鎖に沿ってグラフトさせたときの上記変性剤の会合基の存在によって形成される。
本発明のもう1つの主題は、下記の段階を含むことを特徴とする、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法である:
・上記ジエンエラストマーに、下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤をグラフトさせる段階:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
・そのようにして上記変性剤によってグラフトさせたジエンエラストマー中に、上記補強用充填剤を混入し、全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、上記化学架橋剤を混入する段階;
・全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
・そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階。
本発明のさらなる主題は、下記の段階を含むことを特徴とする、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法である:
・上記ジエンエラストマーに、上記補強用充填剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤を混入し、
全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、上記化学架橋剤を混入する段階;
全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階。
特に、本発明に従うタイヤに含ませる上記ゴム組成物は、タイヤ用のゴム製の少なくとも1種の半製品中に存在し得る;この半製品は、好ましくは、トレッド、クラウン補強用プライ、側壁、カーカス補強用プライ、ビード、プロテクター、ゴムブロック、および他の内部ゴム、特に、タイヤの上記領域間の結合または界面を提供することを意図するデカップリングゴムからなる群から選ばれる。
本発明に従うタイヤは、特に、乗用車用、二輪車(オートバイ、自転車)用、或いは、バン類、重量物運搬車(即ち、地下鉄、バス、重量道路輸送車両(トラック、トラクター、トレーラー)または道路外車両、農機用車両、土木機械、航空機、または他の輸送または作業車両から選ばれる産業用車両用を意図する。
本発明および本発明の利点は、以下の説明および実施例に照せば容易に理解し得るであろう。
I‐使用する測定および試験法
上記エラストマーおよびゴム組成物は、以下で示すように、硬化の前後において特性決定する。
ガラス転移温度
ポリマーのガラス転移温度Tgは、示差熱量計(“示差走査熱量計”)を使用して測定する。分析は、規格ASTM D3418‐08の条件に従って実施する。
近赤外分光法(NIR)
近赤外分光法(NIR)を使用してエラストマー中のスチレンの質量による含有量およびエラストマーのミクロ構造(1,2‐ビニル、1,4‐トランス‐および1,4‐シスブタジエン単位の相対的分布)を定量的に測定する。該方法の原理は、多成分系に対して一般化されたランベルト・ベールの法則に基づく。該方法は、間接的であるので、13C NMRによって測定した組成を有する標準のエラストマーを使用して実施する多変量検量法 [Vilmin, F.; Dussap, C. and Coste, N., Applied Spectroscopy 2006, 60, 619-29]を含む。その後、上記スチレン含有量およびミクロ構造を、およそ730μmの厚さを有するエラストマーフィルムのNIRスペクトルから算出する。該スペクトルは、4000 cm-1と6200cm-1の間の伝送モードにおいて、ペルチェ効果によって冷却したInGaAs検出器を備えたBruker Tensor 37フーリエ変換近赤外線分光計を使用しての2cm-1の分解能によって得られる。
サイズ排除クロマトグラフィー
サイズ排除クロマトグラフィー即ちSECを使用する。SECは、溶液中の高分子を、多孔質ゲルを充填したカラムによって、そのサイズに従って分離するのを可能にする。高分子はその流体力学的容積に従って分離し、最も嵩だかの分子が最初に溶出する。
絶対的方法ではないが、SECは、ポリマーのモル質量の分布を把握することを可能にする。各々の数平均モル質量(Mn)および質量平均モル質量(Mw)は、市販の標準から判定し得、多分散指数(Pi = Mw/Mn)は、“ムーア”較正によって算出し得る。
ポリマーの調製:分析前のポリマーサンプルの特別な処理はない。ポリマーサンプルを(テトラヒドロフラン+1容量%のジイソプロピルアミン+1容量%のトリエチルアミン+1容量%の蒸留水)中またはクロロホルム中に約1g/lの濃度で単純に世解する。その後、溶液を、注入前に、0.45μmの有孔度を有するフィルターで濾過する。
SEC分析
使用する装置は、“Waters Alliance”クロマトグラフである。溶出溶媒は、ポリマーの溶解において使用する溶媒に応じて、テトラヒドロフラン+1容量%のジイソプロピルアミン+1容量%のトリエチルアミンまたはクロロホルムである。流量は0.7ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は90℃である。商品名“Styragel HMW7”、“Styragel HMW6E”および2本の“Styragel HT6E”による4本直列Watersカラムセットを使用する。
注入するポリマーサンプル溶液の容量は100μlである。検出器は、“Waters 2410”示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータの処理用ソフトウェアは、“Waters Empower”システムである。
算出平均モル質量は、“PSS ReadyCal Kit”市販ポリスチレン標準から描いた較正曲線に関連する。
引張試験
これらの引張試験は、弾性応力および破断点諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46‐002に従って行う。また、引張記録の処理は、伸びの関数としてモジュラス曲線をプロットすることも可能にする;使用するモジュラスは、この場合、1回目の伸びにおいて測定し、試験標本の初期断面まで減じることによって算出した公称(または見掛け)割線モジュラスである。公称割線モジュラス(または見掛け応力、MPaでの)は、10%、100%および300%の伸びにおいて1回目の伸びにて測定する(それぞれMSA10、MSA100およびMSA300と記す)。
破壊応力(MPaでの)および破断点伸び(%での)を、フランス規格NF T 46‐002に従い、23℃±2℃および100℃±2℃において測定する。
動的特性
動的特性ΔE*およびtan(δ)maxは、規格ASTM D 5992‐96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。引張/圧縮における交互正弦波応力に、10Hzの周波数において、規格ASTM D 1349‐99に従う標準温度条件(23℃)下にまたは必要に応じて異なる温度(100℃)にて供した加硫組成物のサンプル(高さ20mmおよび78mm2の断面積を有する円筒状試験標本)の応答を記録する。歪み振幅掃引を、0.01%から7%まで(外方向サイクル)、次いで、7%から0.01%まで(戻りサイクル)で実施する。使用する結果は、複素動的モジュラス(E*)および損失係数tan(δ)である。観察されたtan(δ)maxで表わすtan(δ)の最高値および0.01%歪みでの値と7%歪みでの値間の複素モジュラスの差(ΔE*) (パイネ効果)は、戻りサイクルにおいて示される。
II. 本発明を実施する条件
上記で説明したように、本発明に従うタイヤに含ませるゴム組成物は、1種以上のジエンエラストマー、1種以上の補強用充填剤、化学架橋剤および式(I)を有する少なくとも1種の変性剤、並びにタイヤゴム組成物において通常使用する必要に応じての添加剤をベースとする。
“ベースとする”組成物なる表現は、使用する各種構成成分の混合物および/または反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきである;これらベース構成成分のある種のものは、上記組成物の種々の製造段階において、特に、その化学架橋中に、少なくとも部分的に互いに反応し得るか或いは反応することを意図する。
本説明においては、特に明確に断らない限り、パーセント(%)は、全て質量%である。さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいまでに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除く)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbまでに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
II‐1. ジエンエラストマー
“ジエン”エラストマーまたはゴムは、知られている通り、ジエンモノマー(共役型であり得るまたは非共役型であり得ない二個の炭素‐炭素二重結合を担持するモノマー)に少なくとも一部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解すべきである。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。“本質的に不飽和”は、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン)単位含有量を有する、共役ジエンモノマーに少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい;従って、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエンとα‐オレフィンとのコポリマーのようなジエンエラストマーは、上記の定義に属さず、特に、“本質的に飽和”のジエンエラストマー(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位含有量)と称し得る。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、特に、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
これらの定義を考慮すると、本発明において使用することのできるジエンエラストマーは、さらに詳細には、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を含有する共役ジエンモノマーを重合させることによって得られる任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエンをもう1つのジエンまたは8〜20個の炭素原子を含有する1種以上のビニル芳香族化合物と共重合させることによって得られる任意のコポリマー;
(c) 例えば、エチレンおよびプロピレンと下記のタイプの非共役ジエンモノマー、特に、例えば、1,4‐ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンとから得られるエラストマーのような、エチレンおよび3〜6個の炭素原子を含有するα‐オレフィンを、6〜12個の炭素原子を含有する非共役ジエンモノマーと共重合させることによって得られる3成分コポリマー;そのようなポリマーは、特に、文献WO 2004/035639A1号およびUS 2005/0239639A1号に記載されている;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、特に、塩素化または臭素化形。
本発明は、任意のタイプのジエンエラストマーに当てはまるけれども、タイヤ分野における熟練者であれば、本発明は、好ましくは、特に上記のタイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマーと一緒に使用するものであることを理解されたい。
以下は、特に共役ジエンとして適している:
1,3‐ブタジエン;2‐メチル‐1,3‐ブタジエン;例えば、2,3‐ジメチル‐1,3-ブタジエン、2,3‐ジエチル‐1,3‐ブタジエン、2‐メチル‐3‐エチル‐1,3‐ブタジエンまたは2‐メチル‐3‐イソプロピル‐1,3‐ブタジエンのような2,3‐ジ(C1〜C5アルキル)‐1,3‐ブタジエン;アリール‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエンまたは2,4‐ヘキサジエン。以下は、例えば、ビニル芳香族化合物として適している:スチレン;オルソ‐、メタ‐およびパラ‐メチルスチレン;“ビニル‐トルエン”市販混合物;パラ‐tert‐ブチルスチレン;メトキシスチレン;クロロスチレン;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンまたはビニルナフタレン。
上記のコポリマー類は、99質量%と20質量%の間のジエン単位と1質量%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含有し得る。上記エラストマーは、使用する重合条件、特に、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量に依存する任意のミクロ構造を有し得る。上記エラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液中、エマルジョン中または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤或いは官能化剤によってカップリングしおよび/または星型枝分れ化し得或いは官能化し得る。カーボンブラックとカップリングさせるには、例えば、C‐Sn結合を含む官能基、または、例えばアミノベンゾフェノンのようなアミノ化官能基を挙げることができる;シリカのような補強用無機充填剤にカップリングさせるには、例えば、シラノールまたはシラノール末端を有するポリシロキサン官能基(例えば、FR 2 740 778号、US 6 013 718号またはWO2008/141702号に記載されているような)、アルコキシシラン基(例えば、FR 2 765 882号またはUS 5 977 238号に記載されているような)、アミノアルコキシシラン基(例えば、WO 2009/133068号に記載されているような)、カルボキシル基(例えば、WO 01/92402号、US 6 815 473号、WO 2004/096865号またはUS 2006/0089445号に記載されているような)、或いはポリエーテル基(例えば、EP 1 127 909号、US 6 503 973号、WO 2009/000750号またはWO 2009/000752号に記載されているような)を挙げることができる。また、官能化エラストマーの他の例としては、エポキシ化タイプ、ハロゲン化タイプ、またはカルボン酸もしくは無水物官能基を含むタイプのエラストマー(SBR、BR、NRまたはIRのような)も挙げることができる。
以下が適している:ポリブタジエン、特に4%と80%の間の1,2‐単位含有量(モル%)を有するポリブジエンまたは80%よりも多いシス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するポリブタジエン;ポリイソプレン;ブタジエン/スチレンコポリマー、特に、0℃と−70℃の間、特に−10℃と−60℃の間のTg (ガラス転移温度、ASTM D3418に従い測定)、5質量%と60質量%の間の、特に20質量%と50質量%の間のスチレン含有量、4%と75%の間のブタジエン成分1,2‐結合含有量(モル%)および10%と80%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するコポリマー;ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に、5質量%と90質量%の間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のTgを有するコポリマー;イソプレン/スチレンコポリマー、特に、5質量%と50質量%の間のスチレン含有量および5℃と−50℃の間のTgを有するコポリマー。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合は、5質量%と50質量%の間、特に10質量%と40質量%の間のスチレン含有量、15質量%と60質量%の間、特に20質量%と50質量%の間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%の間、特に20質量%と40質量%の間のブタジエン含有量、4%と85%の間のブタジエン成分1,2‐単位含有量(モル%)、6%と80%の間のブタジエン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)、5%と70%の間のイソプレン成分1,2‐+3,4‐単位含有量(モル%)および10%と50%の間のイソプレン成分トランス‐1,4‐単位含有量(モル%)を有するコポリマー、さらに一般的には、−5℃と−70℃の間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが、特に適している。
要するに、本発明において使用する単数または複数のジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(“BR”と略記する)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマーの群から選ばれる。そのようなコポリマーは、さらに好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選ばれる。
1つの特定の実施態様によれば、上記ジエンエラストマーは、主として(即ち、50phrよりも多くにおいて)、SBR (エマルジョン中で調製したSBR (“ESBR”)または溶液中で調製したSBR (“SSBR”)のいずれかの)であるか、或いはSBR/BR、SBR/NR (またはSBR/IR)、BR/NR (またはBR/IR)またはSBR/BR/NR (またはSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)である。SBR (ESBRまたはSSBR)エラストマーの場合、特に、例えば20質量%と35質量%の間の中程度のスチレン含有量または例えば35〜45質量%の高スチレン含有量、15%と70%の間のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%と75%の間のトランス‐1,4‐結合含有量(モル%)および−10℃と−55℃の間のTgを有するSBRを使用する;そのようなSBRは、有利には、好ましくは90%(モル%)よりも多いシス‐1,4結合を有するBRとの混合物として使用し得る。
もう1つの特定の実施態様によれば、上記ジエンエラストマーは、主として(即ち、50phrよりも多くにおいて)、イソプレンエラストマーである。これは、特に、本発明の組成物を、タイヤにおいて、ある種のトレッド(例えば、産業用車両用の)、クラウン補強用プライ(例えば、作動プライ、保護プライ、フーピングプライ)、カーカス補強用プライ、側壁、ビード、プロテクター、下地層、ゴムブロックおよびタイヤのこれら領域間の界面を提供する他の内部ゴムのゴムマトリックスを構成するように意図する場合である。
“イソプレンエラストマー”は、知られているとおり、イソプレンホモポリマーまたはイソプレンコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。特に、イソプレンコポリマーのうちでは、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム;IIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)を挙げることができる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス‐1,4‐ポリイソプレンである;好ましくは、これらの合成ポリイソプレンのうちでは、90%よりも多い、さらにより好ましくは98%よりも多いシス‐1,4‐結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
もう1つの特定の実施態様によれば、特に、タイヤ側壁またはチューブレスタイヤの気密内部ゴム(または他の空気不透過性部品)を意図する場合、本発明に従うタイヤに含ませる組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、特に、少なくとも1種のEPDMコポリマーまたはブチルゴム(必要に応じて塩素化または臭素化した)を含み得る;これらのコポリマーは、単独でまたは上述したような高不飽和ジエンエラストマー、特に、NRもしくはIR、BRまたはSBRとの混合物として使用する。
本発明のもう1つの好ましい実施態様によれば、上記ゴム組成物は、−70℃と0℃の間のTgを示す1種以上の“高Tg”ジエンエラストマーと−110℃と−80℃、より好ましくは−105℃と−90℃の間のTgを示す1種以上の“低Tg”ジエンエラストマーとのブレンドを含む。高Tgエラストマーは、好ましくは、S‐SBR、E‐SBR、天然ゴム、合成ポリイソプレン(好ましくは95%よりも多いシス‐1,4‐構造含有量(モル%)を有する)、BIR、SIR、SBIRおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選択する。低Tgエラストマーは、好ましくは、ブタジエン単位を少なくとも70%に等しい含有量(モル%)に従って含む。低Tgエラストマーは、好ましくは、90%よりも多いシス‐1,4‐構造含有量(モル%)を有するポリブタジエン(BR)からなる。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、上記ゴム組成物は、例えば30〜100phr、特に50〜90phrの量の高Tgエラストマーを、0〜70phr、特に0〜50phrの低Tgエラストマーとのブレンドとして含む;もう1つの例によれば、上記ゴム組成物は、100phrの全体において、溶液中で調製した1種以上のSBRを含む。
本発明のもう1つの特定の実施態様によれば、本発明に従うタイヤに含ませる組成物のジエンエラストマーは、90%よりも多いシス‐1,4‐構造含有量(モル%)を有するBR(低Tgエラストマーとして)と1種以上のS‐SBRまたはE‐SBR(高Tgエラストマーとして)とのブレンドを含む。
上記で説明したように、本発明に従うタイヤに含ませるゴム組成物は、少なくとも1種のジエンエラストマーと少なくとも1種の変性剤をベースとする。ジエンエラストマーは、上記ゴム組成物に導入する前に、上記変性剤でグラフトさせてもよく、或いは上記組成物の製造中の上記変性剤との反応によってグラフトさせてもよい。
従って、本発明に従うタイヤに含ませる組成物は、上記変性剤でグラフトさせた(上記組成物に導入する前にグラフトさせたまたは上記組成物の製造中の上記変性剤との反応によってグラフトさせた)正しく1種のジエンエラストマー、或いは全てをグラフトさせたまたは数種をグラフトさせて他はグラフトさせていない複数のジエンエラストマーの混合物を含み得る;上記単数または複数のエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマーと、実際には、エラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーさえと組合せて使用し得る。
II‐2. 変性剤
上記で説明したように、少なくとも1種のジエンエラストマーは、エラストマー鎖に沿って、変性剤でグラフトさせる。この変性剤は、会合性基(上記組成物に導入する前にグラフトさせたまたは上記組成物の製造中の上記変性剤との反応によってグラフトさせた)を含む。
会合性基は、非恒久的な物理的相互作用、例えば、イオン相互作用、水素結合、イオン‐双極子相互作用および双極子‐双極子相互作用によって互いに会合し得る基を意味するものと理解されたい。本発明の好ましい形態によれば、会合性基は、水素結合によって会合し且つ一般に5個または6個の環員を有する窒素複素環、好ましくは二窒素複素環を含み得る基である。
従って、会合性基を担持する変性剤のエラストマー鎖に沿ってのグラフト化は、エラストマー鎖間に、非共有結合を有する架橋ブリッジを確立させることを可能にする。
上記変性剤は、下記の式(I)の化合物から選ばれる:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。
好ましくは、Rは、‐R3X単位を示し、式中、R3は、1個以上の窒素、酸素、イオウおよびケイ素原子を含み得るC2〜C50アルキル基を示し、Xは反応基である。
反応基は、上記エラストマーによるグラフト化を確立することを可能にする官能基を意味する。上記R単位の単数または複数の反応基は、アミン、チオール、エポキシ、イソシアネート、無水物、アルコールおよびカルボン酸基、好ましくはアミンおよびチオール基から選択し得る。
従って、上記変性剤は、2‐アミノエチルイミダゾリドン(UDETA)、11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド、1‐(2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エチル)イミダゾリドン(UTETA)および1‐(2‐{2‐[(2‐アミノエチルアミノ]エチル}アミノ)エチル]イミダゾリドン(UTEPA)から選択し得る。
好ましい実施態様によれば、変性剤の含有量は、0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%で、さらに良好には0.2〜1モル%で変動する。
II‐3. 変性剤のエラストマーへのグラフト化
エラストマーの上記グラフト化は、上記エラストマーと上記変性剤が担持する上記単数または複数の反応基との反応によって生じる。この反応中に、この反応基またはこれらの反応基は、エラストマー鎖と共有結合を形成する。
上記変性剤のグラフト化は、例えば、密閉ミキサーまたは解放ミルのような開放ミキサー内で、生のままでまたは溶液中で実施する。
a) ラジカル経路によるグラフト化
上記変性剤のグラフト化を、ラジカルグラフト化によって、即ち、上記変性剤の単数または複数の反応基と上記エラストマーの鎖の1個以上の二重結合豚おラジカル反応によって実施する。
鎖に沿ってグラフトさせたジエンエラストマーの調製は、メルカプタンタイプの反応物を使用して溶液中または生のままで実施するラジカルグラフト反応(この反応は、上記変性剤の上記反応基を出発ジエンエラストマーの鎖にグラフトさせることを意図する)によって得ることができる。上記グラフト反応は、必要に応じて、過酸化物のようなラジカル開始剤の存在下に実施する。
上記グラフト化法は、連続してまたはバッチ方式で実施し得る。そのようにして変性したポリマーは、その溶液から、当業者にとって既知の任意のタイプの方法によって、特に、水蒸気ストリッピング操作によって分離し得る。
b) 予め変性したエラストマーへのグラフト化
また、上記変性剤のグラフト化は、未グラフトエラストマー上に存在する官能基によっても実施し得る。この場合、上記変性剤のグラフト化は、上記変性剤の単数または複数の反応基と未グラフトエラストマー上に存在する官能基との反応によって実施する。そのような官能基は、無水物、エポキシド、ハロゲンおよびカルボン酸基から選択し得る。
上記エラストマーがエポキシ官能基を担持する場合、上記変性剤は、アミン、チオールまたはアルコール基を担持し得る。
上記エラストマーがハロゲン官能基を担持する場合、上記変性剤は、アミン、チオールまたはアルコール基を担持し得る。
上記エラストマーがアミン官能基を担持する場合、上記変性剤は、エポキシ、イソシアネート、無水物またはカルボン酸基を担持し得る。
上記エラストマーがカルボン酸官能基を担持する場合、上記変性剤は、アミン、チオール、エポキシまたはアルコール基を担持し得る。
上記エラストマーが無水物官能基を担持する場合、上記変性剤は、アミン、チオールまたはアルコール基を担持し得る。
上記変性剤の反応基がアミン基であり、そして、上記エラストマーがエポキシ基によって予め変性されている場合、グラフト反応はアミンによるエポキシドの開環であり、この反応は溶液中または生のままで実施し得る。上記グラフト反応は、必要に応じて、アミンの脱プロトン化のための塩基の存在下に実施する。
上記グラフト化法は、連続してまたはバッチ方式で実施し得る。そのようにして変性したポリマーは、その溶液から、当業者にとって既知の任意のタイプの方法によって、特に、水蒸気ストリッピング操作によって分離し得る。
II‐2. 補強用充填剤
タイヤの製造において使用することのできるゴム組成物を補強するその能力について知られている任意のタイプの補強用充填剤、例えば、カーボンブラックのような補強用有機充填剤、シリカのような補強用無機充填剤、またはこれら2つのタイプの充填剤のブレンド、特に、カーボンブラックとシリカとのブレンドを使用することができる。
全てのカーボンブラック類、特に、タイヤにおいて一般的に使用されるHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック類(“タイヤ級”ブラック類)は、カーボンブラックとして適している。特に、後者のうちでは、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラック類のような、100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック類(ASTM級)が挙げられる。
また、目標とする用途次第では、より高級シリーズFF、FEF、GPF、SRFのブラック類、例えば、N660、N683またはN772ブラック類も使用し得る。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形で、イソプレンエラストマー中に既に混入させていてもよい(例えば、出願 WO 97/36724号またはWO 99/16600号を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例としては、出願 WO‐A‐2006/069792号およびWO‐A‐2006/069793号に記載されているような官能化ポリビニル芳香族有機充填剤を挙げることができる。
“補強用無機充填剤”とは、本特許出願においては、定義によれば、カーボンブラックに対比して“白色充填剤”、“透明充填剤”としてもまたは“非黒色充填剤”としてさえも知られており、それ自体単独で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得る、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラックとその補強機能において置換わり得る任意の無機または鉱質充填剤(その色合およびその起原(天然または合成)にかかわらない)を意味するものと理解すべきである;そのような充填剤は、一般に、知られている通り、その表面でのヒドロキシル(‐OH)基の存在に特徴を有する。
補強用無機充填剤を供給する物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、顆粒、ビーズまたは任意の他の適切な濃密化形のいずれの形状であれ重要ではない。勿論、補強用無機充填剤は、種々の補強用無機充填剤、特に、下記で説明するような高分散性シリカ質および/またはアルミナ質充填剤の混合物を意味することも理解されたい。
シリカ質タイプの鉱質充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプの鉱質充填剤、特にアルミナ(Al2O3)は、補強用無機充填剤として特に適している。使用するシリカは、当業者にとって既知の任意の補強用シリカ、特に、共に450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/gであるBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降または焼成シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HDS”)としては、例えば、Degussa社からの“Ultrasil 7000”および“Ultrasil 7005”シリカ類;Rhodia 社からの“Zeosil”1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ類;PPG社からの“Hi‐Sil EZ150G”シリカ;Huber社からの“Zeopol”8715、8745または8755シリカ類;または、出願 WO 03/16837号に記載されているような高比表面積を有するシリカ類が挙げられる。
本発明に従う組成物を、低転がり抵抗性を有するタイヤトレッドタイヤトレッド用に意図する場合、使用する補強用無機充填剤は、特にシリカである場合、好ましくは45m2/gと400m2/gの間、より好ましくは60m2/gと300m2/gの間のBET表面積を有する。
本発明によれば、上記組成物中の補強用充填剤の含有量は、30phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の量である。最適量は、目標とする特定の用途によって異なる:例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、継続的に高速走行し得るタイヤ、例えば、オートバイタイヤ、乗用車用タイヤ、または重量物運搬車のような実用車両用タイヤに関して要求される補強レベルよりも勿論低い。
1つの実施態様によれば、上記補強用充填剤は、主として、シリカを含み、上記組成物中に存在するカーボンブラックの含有量は、好ましくは、2phrと20phrの間の量である。
本発明のもう1つの実施態様によれば、上記補強用充填剤は、主として、カーボンブラックを含む。
補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるためには、知られている通り、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマー間に化学および/または物理的性質の満足し得る結合を与えることを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサン類を使用する。
特に、例えば出願 WO03/002648号(またはUS 2005/016651号)およびWO03/002649号(またはUS 2005/016650号)に記載されているような、その特定の構造によって“対称形”または“非対称形”と称されるシランポリスルフィドを使用する。
下記の一般式(III)に相応する“対称形”シランポリスルフィドは、以下の定義に限定されることなく、特に適している:
(III) Z ‐ A ‐ Sx ‐ A ‐ Z
[式中、xは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素系基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、特にC1〜C10、特にC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
Figure 2013522408

(式中、R1基は、置換されていないかまたは置換されており、互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキルまたはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1〜C4アルキル基、特にメチルおよび/またはエチル)を示し;
R2基は、置換されていないかまたは置換されており、互いに同一かまたは異なるものであって、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1〜C8アルコキシルおよびC5〜C8シクロアルコキシルから選ばれる基、さらにより好ましくはC1〜C4アルコキシルから選ばれる基、特にメトキシルおよびエトキシル)を示す)]。
上記式(III)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、特に、商業的に入手可能な通常の混合物の場合、“x”指数の平均値は、好ましくは2と5の間の、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(x = 2)によっても有利に実施し得る。
さらに詳細には、シランポリスルフィドの例としては、例えば、ビス(3‐トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドのような、ビス((C1〜C4)アルコキシル(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド類)が挙げられる。特に、これらの化合物のうちでは、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略称されるビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、または式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。また、好ましい例としては、特許出願WO 02/083782号(または、US 2004/132880号)に記載されているような、ビス(モノ(C1〜C4)アルコキシルジ(C1〜C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(特に、ジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド類)、特に、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド類以外のカップリング剤の例としては、特に、特許出願WO 02/30939号(またはUS 6 774 255号)およびWO 02/31041号(またはUS 2004/051210号)に記載されているような、二官能性POS (ポリオルガノシロキサン)類またはヒドロキシシランポリスルフィド(上記式IIIにおいて、R2 = OH)、或いは、例えば、特許出願WO 2006/125532号、WO 2006/125533号、WO 2006/125534号およびWO 2009/062733号に記載されているような、アゾジカルボニル官能基を担持するシランまたはPOS類が挙げられる。
本発明に従うタイヤに含ませるゴム組成物においては、カップリング剤の含有量は、好ましくは0.5phrと12phrの間、より好ましくは3phrと8phrの間の量である。
当業者であれば、もう1つの性質、特に、有機性を有する補強用充填剤を、この補強用充填剤がシリカのような無機層で被覆されているか、或いは、その表面上に、充填剤とエラストマー間の結合を確立させるためにカップリング剤の使用を必要とする官能部位、特に、ヒドロキシル部位を含むかを条件として、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として使用し得ることを理解されたい。
II.3 化学架橋剤
化学架橋剤は、エラストマー鎖間の共有結合の形成を可能にする。化学架橋は、加硫系によって或いは過酸化化合物によって実施し得る。
適切な加硫系は、イオウ(またはイオウ供与剤)と、一次加硫促進剤とをベースとする。各種既知の二次促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸もしくは等価の化合物、またはグアニジン誘導体(特に、ジフェニルグアニジン)が、このベース加硫系に加わって来て、上述するような第1非生産段階中および/または生産段階中に混入する。
イオウは、好ましくは、0.5phrと12phrの間、特に1phrと10phrの間の好ましい含有量で使用する。一次加硫促進剤は、好ましくは0.5phrと10phrの間の、より好ましくは0.5phrと5.0phrの間の含有量で使用する。
(一次または二次)促進剤としては、イオウの存在下にジエンエラストマーの加硫促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、チアゾールタイプの促進剤およびその誘導体、チウラムおよびジチオカルバミン酸亜鉛タイプの促進剤を使用し得る。これらの促進剤は、例えば、2‐メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(“MBTS”と略記する)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(“TBZTD”)、N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“CBS”)、N,N‐ジシクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“DCBS”)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(“TBBS”)、N‐tert‐ブチル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンイミド(“TBSI”)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(“ZBEC”)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる。
好ましくは、スルフェンアミドタイプの一次促進剤を使用する。
化学架橋を、1種以上の過酸化化合物を使用して実施する場合、これらの単数または複数の過酸化化合物は、0.01〜10phrを示す。
化学架橋系として使用することのできる過酸化化合物としては、アシルペルオキシド、例えば、ベンゾイルペルオキシドまたはp‐クロロベンゾイルペルオキシド;ケトンペルオキシド、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド;ペルオキシエステル類、例えば、t‐ブチルペルオキシアセテート、t‐ブチルペルオキシベンゾエートおよびt‐ブチルペルオキシフタレート;アルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ(t‐ブチル)ペルオキシベンゾエートおよび1,3‐ビス(t‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;または、ヒドロペルオキシド、例えば、t‐ブチルヒドロペルオキシドを挙げることができる。
II‐4. 各種添加剤
また、本発明に従うタイヤに含ませるゴム組成物は、例えば、可塑剤または増量剤オイル(後者は、性質的に芳香族性または非芳香族性のいずれか);顔料;オゾン劣化防止ワックス(Cire Ozone C32 STのような)、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤(6‐PPDのような)のような保護剤;疲労防止剤;補強用樹脂;例えば出願WO 02/10269号に記載されているような、メチレン受容体(例えば、フェノール・ノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えば、HMTまたはH3M);接着促進剤(例えばコバルト塩)のような、タイヤ、特に、トレッドの製造を意図するエラストマー組成物において一般的に使用する通常の添加剤の全部または数種も含み得る。
好ましくは、本発明に従うタイヤに含ませる組成物は、好ましい非芳香族性または極めて軽度に芳香族性可塑剤として、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、MESオイル、TDAEオイル、グリセリンエステル(特に、トリオレアート)、好ましくは30℃よりも高い高Tgを示す可塑化用炭化水素樹脂、およびそのような化合物の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。
また、本発明に従うタイヤに含ませる組成物は、カップリング剤以外に、上記補強用無機充填剤のカップリング活性化剤;知られている通り、ゴムマトリックス中での無機充填剤の分散性を改良し組成物の粘度を低下させることによって、生状態における組成物の加工性を改良することのできるより一般的な加工助剤も含み得る;これらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン(特に、アルキルトリエトキシシラン)のような加水分解性シラン;ポリオール;ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール);第一級、第二級または第三級アミン(例えば、トリアルカノールアミン);ヒドロキシル化または加水分解性POS類、例えば、α,ω‐ジヒドロキシポリオルガノシロキサン(特に、α,ω‐ジヒドロキシポリジメチルシロキサン)、または、例えば、ステアリン酸のような脂肪酸である。
II‐5. ゴム組成物の製造
本発明に従うタイヤに含ませるゴム組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の一般的手順に従う2つの連続する製造段階、即ち、130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度までの高温で熱機械的に加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する)、および、その後の、典型的には120℃よりも低い、例えば、60℃と100℃の間の低めの温度で機械加工する第2の段階(“生産”段階とも称する)を使用して製造し;その仕上げ段階において、化学架橋系を混入する。
本発明の好ましい実施態様によれば、化学架橋剤を除いて、本発明のタイヤに含ませる組成物の全てのベース構成成分、主として、単数または複数の補強用充填剤または適切な場合のカップリング剤を、単数または複数の上記ジエンエラストマー中に、上記第1の“非生産段階”において混練により緊密に混入する、即ち、少なくともこれらの各種ベース構成成分をミキサー内に導入し、混練を、1以上の工程で、130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に実施する。
本発明の第1の実施態様によれば、上記ジエンエラストマーは、上記ゴム組成物を製造する前に、上記変性剤によってグラフトさせている。従って、この場合、ジエンエラストマーは、上記第1“非生産”段階において導入するグラフトジエンエラストマーである。
本発明の第2の実施態様によれば、上記変性剤によるジエンエラストマーのグラフト化は、上記ゴム組成物の製造と同時に実施する。この場合、まだグラフトさせていないジエンエラストマーと上記変性剤を、上記第1“非生産”段階において導入する。
例えば、上記第1(非生産)段階は、1回の熱機械的段階において実施し、その間に、全ての必須ベース構成成分、必要に応じてのさらなる加工助剤および化学架橋系を除いた各種他の添加剤を、標準の密閉ミキサーのような適切なミキサー内に導入する。この非生産段階における総混錬時間は、好ましくは1分と15分の間の時間である。第1の非生産段階においてそのようにして得られた混合物を冷却した後、化学架橋系を、低温で、一般に開放ミルのような開放ミキサー内に導入する;その後、全てを、数分間、例えば、2分と15分の間の時間混合する(生産段階)。
その後、そのようにして得られた最終組成物は、特に実験室での特性決定のための、例えば、シートまたはプラークの形にカレンダー加工するか、或いは、例えば、乗用車用のタイヤトレッドとして使用することのできるゴム形状要素の形に押出加工する。
III. 本発明の実施例
III‐1. 11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミドのSBRエラストマーへのラジカルグラフト化
1) 使用する出発エラストマー:
出発エラストマーとして、1H NMRによって測定した下記のミクロ構造特性を示す、溶液中で調製したスチレンとブタジエンのコポリマー(SBR)を使用する:
スチレン単位の質量による含有量:26.5%;
ブタジエンに由来する単位中の1,2‐(ビニル)構造の質量による含有量:24.0%。
このSBRは、モル質量 Mn = 256 700g/モル (PI = 1.1)、−48のTg (ΔT = 7℃による)および53.8のムーニー(1+4)粘度を示す。
以下の試験においては、グラフトさせていないSBRエラストマー(対照エラストマー)をSBR‐Aとして示し、グラフトさせたエラストマーをSBR‐Bとして示す。
2) ラジカルグラフト化の実施:
300gの酸化防止処理SBRを、10Lのジャケット付き反応器内の2.7Lのシクロヘキサン中に溶解する。
同時に、シクロヘキサン(100ml)中ラウロイルペルオキシド(0.717g、1.8ミリモル)とジクロロメタン(720ml)中11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド(14.2g、43.16ミリモル)を調製する。導入するペルオキシド量は、上記メルカプタン/ペルオキシドモル比が24に等しいようにしている。上記ペルオキシド溶液とメルカプタン溶液を、上記エラストマー溶液に連続して導入する。
上記変性剤、11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミドは、下記の式を有する:
Figure 2013522408
その後、混合物を80℃で4時間撹拌し、次いで、メチルシクロヘキサン中6‐PPD (N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N'‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン)の50g/l溶液の31mlを添加する。反応混合物を80℃で15分間撹拌する。ポリマーを、その溶媒から、Tamol (登録商標)および塩化カルシウムの存在下でのストリッピング操作(水蒸気蒸留)によって分離する。ストリッピング処理ポリマーをロール上で圧搾して無溶媒とし、最後に、60℃のオーブン内で、減圧下で窒素流下に乾燥させる。
グラフト度は、その場合、0.16モル%に達する(1H NMRによって測定)。さらにまた、NMR分析は、ポリマー中での遊離メルカプタンの不存在を確証している。得られたSBRは、モル質量 Mn = 290 600g/モル (PI = 1.19)を示す。
そのようにして製造したグラフトエラストマー(SBR‐B)は、0.16モル%の11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド含有量を示す。
11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド含有量の測定
グラフト化11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミドの含有量は、NMR分析によって測定する。スペクトルは、5mmのBBIz級“ブロードバンド”プローブを備えたBruker 500 MHz分光計において捕捉する。定量的1H NMR試験は、単純30°パルスシーケンスおよび各捕捉間で3秒の繰返時間を使用する。サンプルを二硫化炭素(CS2)中に溶解する。100μlの重水素化シクロヘキサン(C6D12)を、ロックシグナル(lock signal)のために添加する。
1H NMRスペクトルは、グラフト化11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド単位の定量を、δ = 3〜3.5ppm間の化学シフトにおいて現れるCH2Nプロトンの特徴を示すシグナルの積分によって可能にする。
III‐2. 組成物の製造
下記の手順を、以下の試験において実施する:単数または複数のジエンエラストマー(グラフトさせたまたはグラフトさせていない)、必要に応じての単数または複数の補強用充填剤および必要に応じてのカップリング剤を、70%充たし且つおよそ90℃の初期容器温度を有する密閉ミキサーに導入し、その後、1〜2分間混練した後、加硫系を除いた各種他の成分を導入する。その後、熱機械的加工(非生産段階)を、110℃と190度の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高“落下”温度に達するまで1段階(約5分間に等しい総混練時間)で実施する。そのようにして得られた混合物を回収し、冷却し、その後、加硫系(イオウ)を、開放ミキサー(ホモフィニッシャー)において、120℃よりの低い、例えば、60℃と100℃の間の温度で添加し、全てを約5〜6分間混合する(生産段階)。
そのようにして得られた組成物を、その後、その物理的または機械的性質の測定のためのゴムのプラーク(2〜3mm厚)または薄シートの形に、或いは、所望寸法に切断または組立てた後に、例えば、タイヤ用の半製品として、特に、タイヤ用のトレッドとして直接使用することのできる形状要素の形にカレンダー加工する。
III‐3. 特性決定試験(結果)
本発明実施例の目的は、グラフト化SBR‐Bエラストマーを含む本発明に従うゴム組成物(組成物3)の諸性質をグラフトしていないSBR‐Aエラストマーを含む2つの比較組成物(組成物1および2)と比較することである。
各ゴム組成物は、下記の表1に示している。量は、エラストマー100質量部当りの質量部(phr)で示している。
表1
Figure 2013522408
(1) SBR‐A:項III‐1. 1)において定義したとおりのSBRコポリマー;
(2) SBR‐B:項III‐1. 2)に従うSBR‐Aからグラフトさせたコポリマー;
(3) カーボンブラック N234;
(4) CBS:N‐シクロヘキシル‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Flexsys社からの“Santocure CBS”)。
上記の表において示しているように、対照組成物1および2は、異なるイオウ含有量において互いに異なっている(CBS含有量も、異なっているが、イオウ含有量に対して調整している)。
本発明に従う組成物3は、組成物1および2のイオウ含有量よりも低いイオウ含有量を示す(さらに、このイオウ含有量に対して調整したCBS含有量も)。
結果
23℃および100℃で測定した硬化後の性質を下記の表2に示している。

表2
Figure 2013522408
組成物1と2においては、予測通り、23℃および100℃においてより高い架橋をもたらしている組成物2(高めのイオウ分を含む)においてMSAモジュラスの増進が観察されている。また、23℃および100℃において、組成物1におけるよりも組成物2においてより貧弱な破断点伸び(破断点伸びの低い値)、即ち、これも、これら2つの組成物の架橋剤含有量を考慮すれば当業者が予測する結果も観察されている。
ヒステリシス特性(tan(δ)maxの100℃における測定値によって反映される)は、組成物1と比較して組成物2において改良されている。このことは、当業者にとっては既知であり、より高い架橋密度をもたらしている組成物2におけるイオウ含有量の増大によって説明されている。
さらにまた、驚くべきことに、グラフトポリマーを含み、さらにまた、組成物1および2よりも低い架橋剤含有量も有する本発明に従う組成物3は、組成物1と2の23℃における各MSAモジュラスの間にある23℃におけるMSAモジュラスを示しているが、2つの対照組成物1および2と比較して伸びおよび破壊応力特性における極めて著しい改良を伴っている;これに対しては、MSAモジュラスが上昇する場合(組成物1と比較しての組成物3)、当業者であれば、組成物1と比較しての組成物2において観察し得るように、伸びおよび破壊応力の悪化を期待するであろう。
極めて驚くべきことに、ヒステリシスにおける極めて強い低下(はるかに小さいtanδmaxの値)および2つの対照組成物1および2と比較してのパイネ効果の有意の低下(はるかに低いΔE*)をさらに伴う同じ現象が、100℃において観察されている。
従って、化学架橋と物理架橋の双方を受ける本発明に従うゴム組成物は、架橋剤の低含有量にもかかわらず、高MSAモジュラスを得ると共に、破断点伸びおよび破壊応力特性を有意に増進させ、さらにまた、上記組成物のヒステリシスを極めて大きく低下させることを可能にすることが判明している。
従って、本発明の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、化学架橋剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる、必要に応じて上記ジエンエラストマーに事前グラフトさせた変性剤をベースとする少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤである:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意S、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキレン基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。
本発明のもう1つの主題は、下記の段階を含むことを特徴とする、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法である:
・上記ジエンエラストマーに、下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤をグラフトさせる段階:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意S、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキレン基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
・そのようにして上記変性剤によってグラフトさせたジエンエラストマー中に、上記補強用充填剤を混入し、全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、上記化学架橋剤を混入する段階;
・全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
・そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階。
本発明のさらなる主題は、下記の段階を含むことを特徴とする、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法である:
・上記ジエンエラストマーに、上記補強用充填剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤を混入し、
全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意S、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキレン基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
・その後、上記化学架橋剤を混入する段階;
全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階。
上記変性剤は、下記の式(I)の化合物から選ばれる:
Figure 2013522408
(I)

(式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
R1は、水素を示し;
R2は、2〜8個の炭素原子および任意S、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキレン基を示し;
Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。
好ましくは、Rは、‐R3X単位を示し、式中、R3は、1個以上の窒素、酸素、イオウおよびケイ素原子を含み得るC2〜C50 アルキレン基を示し、Xは反応基である。
反応基は、上記エラストマーによるグラフト化を確立することを可能にする官能基を意味する。上記R単位の単数または複数の反応基は、アミン、チオール、エポキシ、イソシアネート、無水物、アルコールおよびカルボン酸基、好ましくはアミンおよびチオール基から選択し得る。

Claims (17)

  1. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤、化学架橋剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる、必要に応じて前記ジエンエラストマーに事前グラフトさせた変性剤をベースとする少なくとも1種のゴム組成物を含むことを特徴とするタイヤ:
    Figure 2013522408

    (I)

    (式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
    R1は、水素を示し;
    R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
    Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す)。
  2. Rが‐R3X単位を示し、式中、R3は、1個以上の窒素、酸素、イオウおよびケイ素原子を含み得るC2〜C50アルキル基を示し、Xは反応基である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物から選ばれる、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記補強用充填剤が、有機補強用充填剤、無機補強用充填剤または有機補強用充填剤と無機補強用充填剤のブレンドからなり;補強用充填剤の含有量が、30phrと150phrの間、より好ましくは50phrと120phrの間の量である、請求項1〜3のいずれか1項記載のタイヤ。
  5. 前記補強用充填剤が、主としてシリカを含む、請求項4記載のタイヤ。
  6. 前記補強用充填剤が、主としてカーボンブラックを含む、請求項4記載のタイヤ。
  7. 前記補強用充填剤が、シリカとカーボンブラックのブレンドを含む、請求項4記載のタイヤ。
  8. 前記化学架橋剤が、0.5〜12phrのイオウ、好ましくは1〜10phrのイオウ、または0.01〜10phrの1種以上の過酸化物化合物からなる、請求項1〜7のいずれか1項記載のタイヤ。
  9. 変性剤の含有量が、0.05〜10モル%で変動する、請求項1〜8のいずれか1項記載のタイヤ。
  10. 変性剤の含有量が、0.1〜2モル%で、好ましくは0.2〜1モル%で変動する、請求項9記載のタイヤ。
  11. 前記R単位の反応基が、アミン、チオール、エポキシ、イソシアネート、無水物、アルコールおよびカルボン酸基、好ましくはアミンおよびチオール基から選ばれる、請求項1〜10のいずれか1項記載のタイヤ。
  12. 前記変性剤が、2‐アミノエチルイミダゾリドン(UDETA)、11‐メルカプト‐N‐(2‐(2‐オキソイミダゾリジン‐1‐イル)エチル)ウンデカンアミド、1‐(2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エチル)イミダゾリドン(UTETA)および1‐(2‐{2‐[(2‐アミノエチルアミノ]エチル}アミノ)エチル]イミダゾリドン(UTEPA)から選ばれる、請求項11記載のタイヤ。
  13. 前記組成物が、式(I)の変性剤によりグラフトさせたまたはグラフトさせていない1種以上のジエンエラストマーをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項記載のタイヤ。
  14. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法であって、下記の段階:
    ・前記ジエンエラストマーに、下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤をグラフトさせる段階:
    Figure 2013522408
    (I)

    (式中、Rは、反応基を含む単位を示し;
    R1は、水素を示し;
    R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
    Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
    ・そのようにして前記変性剤によってグラフトさせたジエンエラストマー中に、前記補強用充填剤を混入し、全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階;
    ・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
    ・その後、前記化学架橋剤を混入する段階;
    ・全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
    ・そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階、
    を含むことを特徴とする方法。
  15. Rが‐R3X単位を示し、R3が、1個以上の窒素、酸素、イオウおよびケイ素原子を含み得るC2〜C50アルキル基を示し、Xが反応基である、請求項14記載の方法。
  16. 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤および化学架橋剤をベースとするタイヤゴム組成物の製造方法であって、下記の段階:
    ・前記ジエンエラストマーに、前記補強用充填剤および下記の式(I)の化合物から選ばれる変性剤を混入し、全てを、1回以上、130℃と200℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練する段階:
    Figure 2013522408
    (I)

    (式中、Rは、少なくとも1個の反応基を含む単位を示し;
    R1は、水素を示し;
    R2は、2〜8個の炭素原子および任意構成成分としてのS、N、OまたはSiから選ばれる1個以上のヘテロ原子を含むアルキル基を示し;
    Aは、酸素もしくはイオウ原子または=NH基、好ましくは酸素原子を示す);
    ・混ぜ合せた混合物を100℃よりも低い温度に冷却する段階;
    ・その後、前記化学架橋剤を混入する段階;
    ・全てを120℃よりも低い最高温度まで混練する段階;
    ・そのようにして得られたゴム組成物を押出またはカレンダー加工する段階
    を含むことを特徴とする方法。
  17. Rが‐R3X単位を示し、R3が、1個以上の窒素、酸素、イオウおよびケイ素原子を含み得るC2〜C50アルキル基を示し、Xが反応基である、請求項16記載の方法。
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