[0054] マスクレスリソグラフィ装置、マスクレスリソグラフィ方法、プログラマブルパターニングデバイス及びその他の装置、製品及び方法の1つ以上の実施形態が本明細書に記載されている。ある実施形態では、低コスト及び/又は柔軟なマスクレスリソグラフィ装置が提供される。この装置はマスクレスなので、例えば、IC又はフラットパネルディスプレイを露光するために従来のマスクを必要としない。同様に、梱包用途に1つ以上のリングは不要である。プログラマブルパターニングデバイスは、エッジプロジェクションを回避するために梱包用途のためのディジタルエッジ処理「リング」を提供することができる。マスクレス(ディジタルパターニング)によって柔軟な基板との併用が可能になる。
[0055] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、超非限界用途が可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、0.1μm超の解像度、例えば、0.5μm超の解像度又は1μm超の解像度が可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、20μm未満の解像度、例えば、10μm未満、又は5μm未満の解像度が可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、約0.1〜10μmの解像度が可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、50nm超のオーバレイ、例えば、100nm超のオーバレイ、200nm超のオーバレイ、又は300nm超のオーバレイが可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、500nm未満のオーバレイ、例えば、400nm未満のオーバレイ、300nm未満のオーバレイ、又は200nm未満のオーバレイが可能である。これらのオーバレイ及び解像度の値は、基板のサイズと材料を問わない。
[0056] ある実施形態では、リソグラフィ装置は極めて柔軟である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、様々なサイズ、タイプ及び特性の基板に合わせてスケーラブルである。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、実質的に無限のフィールドサイズを有する。したがって、リソグラフィ装置は、単一のリソグラフィ装置で、又は広く普及しているリソグラフィ装置プラットフォームを用いた複数のリソグラフィ装置を使用して複数の用途が可能である(例えば、IC、フラットパネルディスプレイ、梱包など)。ある実施形態では、リソグラフィ装置によって柔軟な製造を提供する自動化ジョブ生成が可能である。ある実施形態では、リソグラフィ装置は3次元統合を提供する。
[0057] ある実施形態では、リソグラフィ装置は低コストである。ある実施形態では、一般的な汎用のコンポーネント(例えば、放射線発光ダイオード、簡易型可動基板ホルダ、及びレンズアレイ)のみが使用される。ある実施形態では、簡単な投影光学系を可能にするピクセル−グリッド結像が使用される。ある実施形態では、単一スキャン方向を有する基板ホルダを用いてコストが低減され、及び/又は複雑さが低減される。
[0058] 図1は、本発明のある実施形態によるリソグラフィ投影装置100を概略的に示す。装置100は、パターニングデバイス104と、オブジェクトホルダ106(例えば、基板テーブルなどのオブジェクトテーブル)と、投影システム108と、を含む。
[0059] ある実施形態では、パターニングデバイス104は、放射を変調してビーム110にパターンを付与する複数の個別に制御可能な素子102を備える。ある実施形態では、複数の個別に制御可能な素子102の位置は、投影システム108に対して固定できる。しかし、代替実施形態では、複数の個別に制御可能な素子102を位置決めデバイス(図示せず)に接続して特定のパラメータに従ってそれらの1つ以上を正確に位置決めできる(例えば、投影システム108に対して)。
[0060] ある実施形態では、パターニングデバイス104は、自発光型コントラストデバイスである。そのようなパターニングデバイス104は、例えば、リソグラフィ装置のコストとサイズを低減できる放射システムを不要にする。例えば、個別に制御可能な素子102の各々は、放射線発光ダイオード、そのような発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、ポリマーLED(PLED)、又はレーザダイオード(例えば、固体レーザダイオード)である。ある実施形態では、個別に制御可能な素子102の各々は、レーザダイオードである。ある実施形態では、個別に制御可能な素子102の各々は、青紫色レーザダイオード(例えば、サンヨーモデルNo.DL−3146−151)である。そのようなダイオードは、サンヨー、日亜、オスラム、及びナイトライドなどの企業から供給されている。ある実施形態では、ダイオードは、波長が約365nm又は約405nmの放射線を放出する。ある実施形態では、ダイオードは、0.5〜100mWの範囲から選択した出力電力を提供することができる。ある実施形態では、レーザダイオード(ネイキッドダイ)のサイズは、250〜600μmの範囲から選択される。ある実施形態では、レーザダイオードは、1〜5μmの範囲から選択された放出区域を有する。ある実施形態では、レーザダイオードは、7〜44度の範囲から選択された発散角を有する。ある実施形態では、パターニングデバイス104は、約6.4×108W/(m2.sr)以上の全輝度を提供する構成(例えば、放射区域、発散角、出力電力など)を有する約1×105のダイオードを有する。
[0061] ある実施形態では、自発光型コントラストデバイスは、別の個別に制御可能な素子102が動作不能であるか又は誤動作する場合に「冗長の」個別に制御可能な素子102を使用するのに必要な数より多い個別にアドレス指定可能な素子102を備える。ある実施形態では、例えば、以下の図5に関して説明するように可動式の個別に制御可能な素子102を使用するある実施形態で、有利には個別に制御可能な素子を使用できる。
[0062] ある実施形態では、自発光型コントラストデバイスの個別に制御可能な素子102は、個別に制御可能な素子102(例えば、レーザダイオード)の電源/順方向電流曲線の急峻な部分で動作する。これは、より効率的で、消費電力/熱を低減する。ある実施形態では、使用時の個別に制御可能な素子当たりの光出力は、少なくとも1mW、例えば、少なくとも10mW、少なくとも25mW、少なくとも50mW、少なくとも100mW、又は少なくとも200mWである。ある実施形態では、使用時の個別に制御可能な素子当たりの光出力は、300mW未満、250mW未満、200mW未満、150mW未満、100mW未満、50mW未満、25mW未満、又は10mW未満である。ある実施形態では、使用時に個別に制御可能な素子を動作させるためのプログラマブルパターニングデバイス当たりの消費電力は、10kW未満、例えば、5kW未満、1kW未満、又は0.5kW未満である。ある実施形態では、使用時に個別に制御可能な素子を動作させるためのプログラマブルパターニングデバイス当たりの消費電力は、少なくとも100W、例えば、少なくとも300W、少なくとも500W、又は少なくとも1kWである。
[0063] リソグラフィ装置100は、オブジェクトホルダ106を備える。ある実施形態では、オブジェクトホルダは、基板114(例えば、レジストコートシリコンウェーハ又はガラス基板)を保持するオブジェクトテーブル106を備える。オブジェクトテーブル106は可動式であってもよく、位置決めデバイス116に接続して特定のパラメータに従って基板114を正確に位置決めできる。例えば、位置決めデバイス116は、投影システム108及び/又はパターニングデバイス104に対して基板114を正確に位置決めできる。ある実施形態では、オブジェクトテーブル106の移動は、図1には明示していないロングストロークモジュール(粗位置決め)及び任意選択としてショートストロークモジュール(精密位置決め)を備えた位置決めデバイス116で実現できる。ある実施形態では、オブジェクトテーブル106を移動させるショートストロークモジュールを少なくとも欠いている。類似のシステムを用いて個別に制御可能な素子102を制御できる。代替的に又は追加的に、ビーム110を可動式にして、オブジェクトテーブル106及び/又は個別に制御可能な素子102は、固定位置を有して所望の相対運動を提供してもよいことが理解されるであろう。そのような構成は、装置のサイズを制限する助けになる。例えば、フラットパネルディスプレイの製造に適用可能なある実施形態では、オブジェクトテーブル106を静止させ位置決めデバイス116がオブジェクトテーブル106に対して(例えば、その上方で)基板114を移動させるように構成される。例えば、オブジェクトテーブル106に実質的に一定の速度でその全体にわたって基板114をスキャンするシステムを備えてもよい。この場合、オブジェクトテーブル106の平坦な最上面に多数の開口を提供し、開口を通してガスを提供して基板114を支持できるガスクッションを提供してもよい。これを従来、ガスベアリング構成と呼んでいる。基板114は、ビーム110の経路に対して基板114を正確に位置決めできる1つ以上のアクチュエータ(図示せず)を用いてオブジェクトテーブル106の上方を移動する。あるいは、開口を通るガスの通過を選択的に開始及び停止することでオブジェクトテーブル106に対して基板114を移動させることもできる。ある実施形態では、オブジェクトホルダ106は、基板が巻き付けられるロールシステムであってもよく、位置決めデバイス116は、ロールシステムを回転させて基板をオブジェクトテーブル106上に提供するモータであってもよい。
[0064] 投影システム108(例えば、石英及び/又はCaF2レンズシステム又はそのような材料から形成されたレンズ素子を備える反射屈折システム、あるいはミラーシステム)を用いて個別に制御可能な素子102によって変調されたパターン付ビームを基板114のターゲット部分120(例えば、1つ以上のダイ)上に投影してもよい。投影システム108は、パターンが基板114上にコヒーレント状に形成されるように複数の個別に制御可能な素子102によって提供されたパターンの画像を投影する。あるいは、投影システム108は、複数の個別に制御可能な素子102がシャッターとしての役割を果たす2次放射源の画像を投影してもよい。
[0065] これに関して、投影システムは、合焦素子、又は複数の合焦素子(以下、総称としてレンズアレイと呼ぶ)、例えば、マイクロレンズアレイ(MLAとして知られる)又はフレネルレンズアレイを備えて2次放射源を形成し、基板114上にスポットを結像できる。ある実施形態では、レンズアレイ(例えば、MLA)は、少なくとも10個の合焦素子、例えば、少なくとも100個の合焦素子、少なくとも1,000個の合焦素子、少なくとも10,000個の合焦素子、少なくとも100,000個の合焦素子、又は少なくとも1,000,000個の合焦素子を備える。ある実施形態では、パターニングデバイス内の個別に制御可能な素子の数は、レンズアレイ内の合焦素子の数以上である。ある実施形態では、レンズアレイは、個別に制御可能な素子のアレイ内の1つ以上の個別に制御可能な素子、例えば、個別に制御可能な素子のアレイ内の1つの個別に制御可能な素子、又は個別に制御可能な素子のアレイ内の2つ以上の個別に制御可能な素子、例えば、3個以上、5個以上、10個以上、20個以上、25個以上、35個以上、又は50個以上と光学的に関連付けられた合焦素子を備える。ある実施形態では、合焦素子は、5,000個未満の個別に制御可能な素子、例えば、2,500個未満、1,000個未満、500個未満、又は100個未満と光学的に関連付けられている。ある実施形態では、レンズアレイは、個別に制御可能な素子のアレイ内の個別に制御可能な素子の1つ以上に関連付けられた複数の合焦素子(例えば、1,000個を上回る、大多数、又はほぼすべて)を備える。
[0066] ある実施形態では、レンズアレイは、少なくとも基板に近づく方向と基板から遠ざかる方向に、例えば、1つ以上のアクチュエータを用いて移動可能である。レンズアレイを基板に近づけまた遠ざけることが可能なことによって、例えば、基板を動かさずに焦点調節が可能になる。ある実施形態では、レンズアレイ内の個別のレンズ素子、例えば、レンズアレイ内の各レンズ素子は、(例えば、平坦でない基板上の局所的な焦点調整のため、又は各光学カラムを同じ焦点距離に配置するために)基板に近づく方向と基板から遠ざかる方向に移動可能である。
[0067] ある実施形態では、レンズアレイは、例えば、放射波長が約400nm以上である(例えば、405nmである)プラスチック製の合焦素子(射出成形などで製造が容易で及び/又は安価である)を備える。ある実施形態では、放射波長は、約400nm〜500nmの範囲から選択される。ある実施形態では、レンズアレイは、石英の合焦素子を備える。ある実施形態では、1つ以上の合焦素子は、非対称レンズであってもよい。この非対称性は、複数の合焦素子の各々で同じであってもよく、又は複数の合焦素子の1つ以上の合焦素子と複数の合焦素子の1つ以上の別の合焦素子とで異なっていてもよい。非対称レンズによって楕円形の放射出力を円形の投影スポットに、又はその逆に変換することが容易になる。
[0068] ある実施形態では、合焦素子は、基板上の焦点を外して放射を投影してシステムのために、小さい開口数(NA)を得るように構成された大きいNAを有する。NAが大きいレンズは、入手可能なNAが小さいレンズよりも経済的で、普及しており、及び/又は高品質である。ある実施形態では、小さいNAは0.3以下であり、ある実施形態では、0.18、0.15又はそれより小さい。したがって、NAが大きいレンズは、システムのために設計されたNAよりも大きいNA、例えば、0.3より大きい、0.18より大きい、又は0.15より大きいNAを有する。
[0069] ある実施形態では、投影システム108は、パターニングデバイス104とは別であるが、そうでなくてもよい。投影システム108は、パターニングデバイス104と一体であってもよい。例えば、レンズアレイブロック又はプレートは、パターニングデバイス104に取り付けられて(一体化されて)いてもよい。ある実施形態では、レンズアレイは、個別に空間的に離間したレンズレットであって、各々が以下に詳述するようにパターニングデバイス104の個別にアドレス指定可能な素子に取り付けられた(一体化した)レンズレットであってもよい。
[0070] 任意選択として、リソグラフィ装置は、複数の個別に制御可能な素子102に放射(例えば、紫外線(UV)放射)を供給する放射システムを備えてもよい。パターニングデバイスが放射源、例えば、レーザダイオードアレイ又はLEDアレイそのものである場合、リソグラフィ装置を放射システムなしで、すなわち、パターニングデバイス自体とは別の放射源、又は少なくとも簡易型放射システムなしで設計することができる。
[0071] 放射システムは、放射源から放射を受光するように構成された照明システム(イルミネータ)を含む。照明システムは、以下の素子の1つ以上を含む。放射デリバリシステム(例えば、好適な誘導ミラー)、放射調節デバイス(例えば、ビームエクスパンダ)、放射の角強度分布を設定する調整デバイス(一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ−outer及びσ−innerと呼ばれる)は、調整することが可能である)、インテグレータ及び/又は集光器。照明システムを用いて、個別に制御可能な素子に提供されその断面に所望の均一性及び強度を有するように放射を調節できる。照明システムは、例えば各々が複数の個別に制御可能な素子のうちの1つ以上に関連付けることができる複数のサブビームに放射を分割するように構成できる。例えば、2次元回折格子を用いて放射をサブビームに分割できる。本明細書で、「放射のビーム」及び「放射ビーム」という用語は、上記複数の放射のサブビームから構成されている状況を含むが、これに限定はされない。
[0072] 放射システムは、また、複数の個別に制御可能な素子102に供給する放射、又はそれによって供給される放射を生成する放射源(例えば、エキシマレーザ)を含むことができる。放射源及びリソグラフィ装置100は、例えば、放射源がエキシマレーザの時には別々のエンティティであってもよい。その場合、放射源はリソグラフィ装置100の一部を形成するとは考えられず、放射は放射源からイルミネータまで通過する。別の例では、例えば、放射源が水銀灯の時には、放射源は、リソグラフィ装置100の一体化部分であってもよい。これらのシナリオは、両方共本発明の範囲内に入ることを理解されたい。
[0073] ある実施形態では、ある実施形態では複数の個別に制御可能な素子102であってもよい放射源は、少なくとも5nm、例えば、少なくとも10nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも175nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも275nm、少なくとも300nm、少なくとも325nm、少なくとも350nm、又は少なくとも360nmの波長を有する放射を提供することができる。ある実施形態では、放射は、最大450nm、例えば、最大425nm、最大375nm、最大360nm、最大325nm、最大275nm、最大250nm、最大225nm、最大200nm、又は最大175nmの波長を有する。ある実施形態では、放射は、436nm、405nm、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、126nm、及び/又は13.5nmを含む波長を有する。ある実施形態では、放射は、約365nm又は約355nmの波長を含む。ある実施形態では、放射は、広帯域波長、例えば、365nm、405nm及び436nmを包含する波長を含む。355nmのレーザ源を使用してもよい。ある実施形態では、放射は、約405nmの波長を有する。
[0074] ある実施形態では、放射は、パターニングデバイス104の照明システムから0°〜90°の間、例えば、5°〜85°の間、15°〜75°の間、25°〜65°の間、又は35°〜55°の間の角度で誘導される。照明システムからの放射は、パターニングデバイス104に直接提供できる。代替実施形態では、放射は、照明システムからパターニングデバイス104まで放射が最初ビームスピリッタに反射してからパターニングデバイス104へ誘導されるように構成されたビームスプリッタ(図示せず)によって誘導されてもよい。パターニングデバイス104は、ビームを変調し、ビームスプリッタへ反射する。ビームスプリッタは、基板114へ向けて変調されたビームを透過させる。しかし、代替構成を用いて放射をパターニングデバイス104、次に基板114へ誘導してもよい。特に、透過型パターニングデバイス104(例えば、LCDアレイ)が使用されているか又はパターニングデバイス104が自発光型である(例えば、複数のダイオードである)場合、照明システム構成は必要ない。
[0075] パターニングデバイス104が放射発光型(例えば、LEDを備える)でない場合のリソグラフィ装置100の動作時に、放射は、放射システム(照明システム及び/又は放射源)からパターニングデバイス104(例えば、複数の個別に制御可能な素子)に入射し、パターニングデバイス104によって変調される。パターン付ビーム110は、複数の個別に制御可能な素子102によって生成された後で、投影システム108を通過し、投影システム108は、ビーム110を基板114のターゲット部分120上に合焦させる。
[0076] 位置決めデバイス116(及び任意選択としてベース136上の位置センサ134(例えば、干渉ビーム138を受光する干渉測定デバイス、リニアエンコーダ又は容量性センサ))の助けにより、基板114を正確に移動させて、例えば、異なるターゲット部分120をビーム110の経路内に配置できる。使用時に、複数の個別に制御可能な素子102のための位置決めデバイスを用いて、例えば、スキャン中に、ビーム110の経路に対する複数の個別に制御可能な素子102の位置を正確に補正することができる。
[0077] 本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置100を基板上にレジストを露光するためのものとして説明しているが、装置100を用いてレジストレスリソグラフィで使用するパターン付ビーム110を投影することができる。
[0078] 本明細書に示すように、リソグラフィ装置100は、反射型(例えば、反射型の個別に制御可能な素子を用いる)である。あるいは、装置は、透過型(例えば、透過型の個別に制御可能な素子を用いる)であってもよい。
[0079] 本明細書に示す装置100は、例えば以下の1つ以上のモードで使用できる。
[0080]1.ステップモードでは、個別に制御可能な素子102と基板114は基本的に静止しているが、パターン付放射ビーム110全体は1回で(すなわち、1回の静的露光で)ターゲット部分120に投影される。次に、別のターゲット部分120をパターン付放射ビーム110に露光できるように、基板114がX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で結像されるターゲット部分120のサイズが制限される。
[0081] 2.スキャンモードでは、個別に制御可能な素子102と基板114は同期してスキャンされるが、パターン付放射ビーム110は、ターゲット部分120に投影される(すなわち、1回の動的露光)。個別に制御可能な素子に対する基板の速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び画像反転特性によって決定することができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0082] 3.パルスモードでは、個別に制御可能な素子102は基本的に静止しており、パターン全体は、パルス放射(例えば、パルス放射源によって提供される、又は個別に制御可能な素子をパルス放射することで提供される)を用いて基板114のターゲット部分120上に投影される。基板114は、パターン付ビーム110が基板114全体にわたって線をスキャンするように基本的に一定の速度で移動する。個別に制御可能な素子によって提供されたパターンは、放射パルスの間に適宜更新され、連続したターゲット部分120が基板114上の必要な場所で露光されるようにパルスが調整されている。したがって、パターン付ビーム110は、基板114全体をスキャンして基板114のストリップについて完全なパターンを露光できる。このプロセスは、線ごとに基板114全体が露光されるまで繰り返される。
[0083] 4.連続スキャンモードは、基本的にパルスモードと同じである。異なる点として、基板114は、実質的に一定の速度で変調された放射ビームBに対してスキャンされ、個別に制御可能な素子のアレイ上のパターンは、パターン付ビーム110が基板114全体をスキャンし露光するにつれて更新される。個別に制御可能な素子のアレイ上のパターンの更新に同期した実質的に一定の放射源又はパルス放射源を使用することができる。
[0084] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0085] 図2は、ウェーハ(例えば、300mmウェーハ)と併用する本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略平面図を示す。図2に示すように、リソグラフィ装置100は、ウェーハ114を保持する基板テーブル106を備える。基板テーブル106には、基板テーブル106を少なくともX方向に移動させる位置決めデバイス116が関連付けられている。任意選択として、位置決めデバイス116は、基板テーブル106をY方向及び/又はZ方向に移動させることができる。また、位置決めデバイス116は、基板テーブル106をX、Y、及び/又はZ方向周りに回転させることができる。したがって、位置決めデバイス116は、最大6自由度の移動を提供することができる。ある実施形態では、基板テーブル106はX方向にのみ移動を提供するが、この利点は低コストであることと、複雑さが少ないという点である。ある実施形態では、基板テーブル106はリレー光学系を備える。
[0086] リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別にアドレス指定可能な素子102をさらに備える。フレーム160は、基板テーブル106及びその位置決めデバイス116から機械的に離間していてもよい。機械的な離間は、例えば、フレーム160を地面又は基板テーブル106及び/又はその位置決めデバイス116のためのフレームとは別の堅固なベースに接続することで提供できる。追加的に又は代替的に、フレーム160を接続した構造が地面、又は堅固なベース、又は基板テーブル106及び/又はその位置決めデバイス116を支持するフレームのいずれであっても、フレーム160とその接続先の構造との間にダンパーを提供することができる。
[0087] この実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。図2に示すように、個別にアドレス指定可能な素子102は、Y方向に延在する少なくとも3つの別々の個別にアドレス指定可能な素子のアレイに配置できる。ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイは、隣接する個別にアドレス指定可能な素子102のアレイとX方向に互い違いに配置される。リソグラフィ装置100、特に個別にアドレス指定可能な素子102を以下に詳述するようにピクセル−グリッド結像を提供するように配置できる。
[0088] 個別にアドレス指定可能な素子102のアレイの各々は、複製が容易なように1ユニットとして製造可能な個別の光学エンジンコンポーネントの一部であってもよい。さらに、フレーム160は、伸張可能なように構成でき、任意の数のそのような光学エンジンコンポーネントを容易に採用するように構成可能であってもよい。光学エンジンコンポーネントは、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイとレンズアレイ170(例えば、図8を参照)との組合せを含んでいてもよい。例えば、図2には、3つの光学エンジンコンポーネント(個別にアドレス指定可能な素子102のそれぞれのアレイの各々の下に関連付けられたレンズアレイ170を備える)が示されている。したがって、ある実施形態では、各光学エンジンがカラムを形成するマルチカラム光学構成を提供することができる。
[0089] さらに、リソグラフィ装置100は、アライメントセンサ150を備える。アライメントセンサは、基板114の露光前及び/又は露光中に個別にアドレス指定可能な素子102と基板114との間のアライメントを決定するために使用される。リソグラフィ装置100のコントローラは、アライメントセンサ150の結果を用いて、例えば、基板テーブル106を位置決めしてアライメントを向上させる位置決めデバイス116を制御できる。追加的に又は代替的に、コントローラは、例えば、個別にアドレス指定可能な素子102の1つ以上を位置決めしてアライメントを向上させる個別にアドレス指定可能な素子102に関連付けられた位置決めデバイスを制御できる。ある実施形態では、アライメントセンサ150は、アライメントを実行するためのパターン認識機能/ソフトウェアを含んでいてもよい。
[0090] 追加的に又は代替的に、リソグラフィ装置100は、レベルセンサ150を含む。レベルセンサ150は、基板106が個別にアドレス指定可能な素子102からのパターンの投影に対して面一であるか否かを決定するために使用される。レベルセンサ150は、基板114の露光前及び/又は露光中のレベルを決定できる。リソグラフィ装置100のコントローラは、レベルセンサ150の結果を用いて、例えば、基板テーブル106を位置決めしてレベリングを向上させる位置決めデバイス116を制御できる。追加的に又は代替的に、コントローラは、例えば、投影システム108(例えば、レンズアレイ)の素子を位置決めしてレベリングを向上させる投影システム108(例えば、レンズアレイ)に関連付けられた位置決めデバイスを制御できる。ある実施形態では、レベルセンサは、超音波ビームを基板106に投影することで、及び/又は電磁放射ビームを基板106に投影することで動作できる。
[0091] ある実施形態では、アライメントセンサ及び/又はレベルセンサからの結果を用いて個別にアドレス指定可能な素子102によって提供されたパターンを変更できる。パターンを変更して、例えば、個別にアドレス指定可能な素子102と基板114との間の光学系(もしあれば)から発生し得る歪み、基板114の位置の不規則性、基板114のでこぼこなどを補正することができる。したがって、アライメントセンサ及び/又はレベルセンサからの結果を用いて投影パターンを変更して非直線歪みを補正できる。非直線歪みの補正は、例えば、一様な直線又は非直線歪みを有さない柔軟なディスプレイに有用である。
[0092] リソグラフィ装置100の動作時に、基板114は、例えば、ロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106上にロードされる。次に、基板114は、フレーム160及び個別にアドレス指定可能な素子102の下でX方向に変位する。基板114は、レベルセンサ及び/又はアライメントセンサ150によって測定され、次に、個別にアドレス指定可能な素子102を用いてパターンに露光される。例えば、サブビーム、したがって、画像スポットS(例えば、図12を参照)がパターニングデバイス104によって少なくとも部分的にON又は完全にON又はOFFされる間に、基板114が投影システム108の焦点面(画像面)を通してスキャンされる。パターニングデバイス104のパターンに対応するフィーチャが基板114上に形成される。個別にアドレス指定可能な素子102を動作させて、例えば、本明細書で説明するピクセル−グリッド結像を提供することができる。
[0093] ある実施形態では、基板114をXの正方向に完全にスキャンし、次にXの負方向に完全にスキャンすることができる。そのような実施形態では、Xの負方向のスキャンのために個別にアドレス指定可能な素子102の反対側に追加のレベルセンサ及び/又はアライメントセンサ150が必要になることがある。
[0094] 図3は、本発明のある実施形態による、例えば、フラットパネルディスプレイ(例えば、LCD、OLEDディスプレイなど)の製造で基板を露光するためのリソグラフィ装置の概略平面図を示す。図2に示すリソグラフィ装置100と同様、リソグラフィ装置100は、フラットパネルディスプレイ基板114を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決めデバイス116と、個別にアドレス指定可能な素子102と基板114との間のアライメントを決定するアライメントセンサ150と、基板114が個別にアドレス指定可能な素子102からのパターンの投影に対して面一であるか否かを決定するレベルセンサ150とを備える。
[0095] リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別にアドレス指定可能な素子102をさらに備える。この実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。図3に示すように、個別にアドレス指定可能な素子102は、Y方向に延在する個別にアドレス指定可能な素子102のいくつかの(例えば、少なくとも8つの)静止した別々のアレイ内に配置される。ある実施形態では、アレイは実質的に静止している、すなわち、アレイは投影中に大きく移動しない。さらに、ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102のいくつかのアレイは、個別にアドレス指定可能な素子102の隣接するアレイと交互にX方向に互い違いに配置される。リソグラフィ装置100、特に個別にアドレス指定可能な素子102を配置してピクセル−グリッド結像を提供できる。
[0096] リソグラフィ装置100の動作時に、パネルディスプレイ基板114は、例えば、ロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106上にロードされる。基板114は、次に、フレーム160と個別にアドレス指定可能な素子102との下をX方向に変位する。基板114は、レベルセンサ及び/又はアライメントセンサ150によって測定され、次に、個別にアドレス指定可能な素子102を用いてパターンに露光される。個別にアドレス指定可能な素子102を動作させて、例えば、本明細書に記載するピクセル−グリッド結像を提供できる。
[0097] 図4は、本発明のある実施形態による、ロールトゥロールフレキシブルディスプレイ/エレクトロニクスと併用するリソグラフィ装置の概略平面図を示す。図3に示すリソグラフィ装置100と同様、リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別にアドレス指定可能な素子102を備える。この実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。さらに、リソグラフィ装置は、個別にアドレス指定可能な素子102と基板114との間のアライメントを決定するアライメントセンサ150と、基板114が個別にアドレス指定可能な素子102からのパターンの投影に対して面一であるか否かを決定するレベルセンサ150とを備える。
[0098] リソグラフィ装置は、また、その上部を基板114が移動するオブジェクトテーブル106を有するオブジェクトホルダを備える。基板114は、柔軟で、ロールを回転させるモータであってもよい位置決めデバイス116に接続されたロールに巻き付けられる。ある実施形態では、基板114は、追加的に又は代替的に、ロールを回転させるモータであってもよい位置決めデバイス116に接続されたロールから繰り出してもよい。ある実施形態では、少なくとも2つのロールがあり、一方は基板を繰り出すロールで、もう一方は基板を巻き付けるロールである。ある実施形態では、例えば、基板114がロール間で十分堅固であれば、オブジェクトテーブル106を提供しなくてもよい。その場合でも、オブジェクトホルダ、例えば、1つ以上のロールが存在する。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、基板のキャリアレス(例えば、キャリアレスフォイル(CLF))及び/又はロールトゥロール製造を提供することができる。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、シートトゥシート製造を提供することができる。
[0099] リソグラフィ装置100の動作時に、柔軟な基板114は、フレーム160と個別にアドレス指定可能な素子102の下でX方向に巻き付けられ、及び/又は繰り出される。基板114は、レベルセンサ及び/又はアライメントセンサ150によって測定され、次に、個別にアドレス指定可能な素子102を用いてパターンに露光される。個別にアドレス指定可能な素子102を動作させて、例えば、本明細書で説明するピクセル−グリッド結像を提供することができる。
[00100] 図5は、本発明のある実施形態による、可動式の個別にアドレス指定可能な素子102を有するリソグラフィ装置の概略平面図を示す。図2に示すリソグラフィ装置100と同様、リソグラフィ装置100は、基板114を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決めデバイス116と、個別にアドレス指定可能な素子102と基板114との間のアライメントを決定するアライメントセンサ150と、基板114が個別にアドレス指定可能な素子102からのパターンの投影に対して面一であるか否かを決定するレベルセンサ150とを備える。
[00101] リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別にアドレス指定可能な素子102をさらに備える。この実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードなどのレーザダイオードである。図5に示すように、個別にアドレス指定可能な素子102は、Y方向に延在する個別にアドレス指定可能な素子102のいくつかの別々のアレイ200内に配置される。さらに、ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102のいくつかのアレイ200は、個別にアドレス指定可能な素子102の隣接するアレイ200と交互にX方向に互い違いに配置される。リソグラフィ装置100、特に個別にアドレス指定可能な素子102は、ピクセル−グリッド結像を提供するように配置できる。しかし、ある実施形態では、リソグラフィ装置100は、ピクセル−グリッド結像を提供しなくてもよい。逆に、リソグラフィ装置100は、基板上に投影する個別のピクセルを形成せず、基板上に投影する実質的に連続する画像を形成するような形でダイオードの放射を基板上に投影してもよい。
[00102] ある実施形態では、複数の個別にアドレス指定可能な素子102のうち1つ以上が、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子を用いてビーム110のすべて又は一部が投影される露光領域と上記1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子がいかなるビーム110も投影しない露光領域外の場所との間で移動可能である。ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102が露光領域204(図5の明るい陰影領域)内でONになるか又は少なくとも部分的にONになる、すなわち、放射を放出し、露光領域204外にある時には放射を放出しない放射発光デバイスである。
[00103] ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102は、露光領域204内及び露光領域204外でONになる放射発光デバイスである。そのような状況では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102を露光領域204外でONにして、例えば、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102によって露光領域204内で放射が適切に投影されなかった場合に補償露光を提供できる。例えば、図5を参照すると、露光領域204の反対側のアレイの個別にアドレス指定可能な素子102のうち1つ以上をONにして露光領域204内の失敗したか又は不適切な放射を補正することができる。
[00104] ある実施形態では、露光領域204は細長い線である。ある実施形態では、露光領域204は、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102の1次元アレイである。ある実施形態では、露光領域204は、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102の2次元アレイである。ある実施形態では、露光領域204は細長い。
[00105] ある実施形態では、可動式の個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、別々に移動でき、1つのユニットとして移動しなくてもよい。
[00106] ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子は可動であり、使用時に、少なくともビーム110の投影中にビーム110の伝搬方向を横断する方向に移動する。例えば、ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102は、ビーム110の投影中にビーム110の伝搬方向に実質的に垂直な方向に移動する放射発光デバイスである。
[00107] ある実施形態では、アレイ200の各々は、図6に示すように、それに沿って配置された複数の空間的に離間した個別にアドレス指定可能な素子102を有する横方向に変位可能な板である。使用時に、各板は、方向208に平行移動する。使用時に、個別にアドレス指定可能な素子102の移動は、ビーム110のすべて又は一部を投影するように露光領域204(図6の暗い陰影領域として示されている)内に位置するように適当に調節されている。例えば、ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102は、放射発光デバイスであり、個別にアドレス指定可能な素子102のON又はOFFは、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102が露光領域204内ではONになり、露光領域204外ではOFFになるように調節されている。例えば、図6(A)では、放射発光ダイオードの複数の2次元アレイ200が、方向208に(2つのアレイが正方向208に、2つのアレイの間の中間アレイが負方向208に)平行移動する。放射発光ダイオード102のON又はOFFは、各アレイ200の特定の放射発光ダイオード102が露光領域204内ではONになり、露光領域204外ではOFFになるように調節されている。当然ながら、アレイ200は、逆方向に移動できる。すなわち、例えば、アレイ200がその移動終端に達すると、2つのアレイが負方向208に移動し、2つのアレイの間の中間アレイが正方向208に移動する。別の例では、図6(B)で、放射発光ダイオード200の複数のインタリーブされた1次元アレイが方向208に平行移動する(正方向208と負方向208に交互に)。放射発光ダイオード102のON又はOFFは、各アレイ200の特定の放射発光ダイオード102が露光領域204内ではONになり、露光領域204外ではOFFになるように調節されている。当然ながら、アレイ200は逆方向に移動できる。別の例では、図6(C)で、放射発光ダイオード200の単一のアレイ(1次元アレイとして示されているがそうでなくてもよい)が方向208に平行移動する。放射発光ダイオード102のON又はOFFは、各アレイ200の特定の放射発光ダイオード102が露光領域204内ではONになり、露光領域204外ではOFFになるように調節されている。
[00108] ある実施形態では、アレイ200の各々は、その周囲に配置された複数の空間的に離間した個別にアドレス指定可能な素子102を有する回転式の板である。使用時に、各板は、例えば、図5に矢印で示す方向にそれ自身の軸206を中心に回転する。すなわち、アレイ200は、図5に示すように時計回りと反時計回りに交互に回転することができる。あるいは、アレイ200の各々は、時計回り又は反時計回りに回転してもよい。ある実施形態では、アレイ200は完全に周回する。ある実施形態では、アレイ200は、1周に足りない円弧分回転する。ある実施形態では、例えば、基板がZ方向にスキャンする場合に、アレイ200は、X又はY方向に延在する軸を中心に回転できる。ある実施形態では、図6(D)を参照すると、アレイ200の個別にアドレス指定可能な素子102を縁部に配置して基板114へ向けて半径方向に突き出してもよい。基板114は、アレイ200の側面の少なくとも一部の周囲に延在できる。この例では、アレイ200は、X方向に延在する軸を中心に回転し、基板114はX方向に移動する。
[00109] 使用時に、個別にアドレス指定可能な素子102の移動は、ビーム110のすべて又は一部を投影するために露光領域204内に配置されるように適当に調節される。例えば、ある実施形態では、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102は、放射発光デバイスであり、個別にアドレス指定可能な素子102のON又はOFFは、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子102が、露光領域204内ではONになり、露光領域204外ではOFFになるように調節されている。したがって、ある実施形態では、放射発光デバイス102は、移動中常にONに維持され、放射発光デバイス102のうち特定のデバイスは、露光領域204内でOFFに変調される。露光領域204外のONされた放射発光デバイス102から露光領域204を遮蔽するために、放射発光デバイス102及び基板と露光領域204の外側との間の適当なシールドが必要である。放射発光デバイス102を常にONに維持することで、使用時に放射発光デバイス102を実質的に均一な温度に保つことが容易にできる。ある実施形態では、大半の時間にわたって放射発光デバイス102をOFFに保ち、露光領域204内では放射発光デバイス102の1つ以上をONにすることができる。
[00110] ある実施形態では、回転式の板は、図7に示す構成を有していてもよい。例えば、図7(A)に回転式の板の概略平面図が示されている。回転式の板は、板の周囲に配置された個別にアドレス指定可能な素子102の複数のサブアレイ210を有するアレイ200を有していてもよい(板の周囲に配置された個別にアドレス指定可能な素子102の単一のアレイ200を概略的に示す図5の回転式の板とは対照的である)。図7(A)に示すサブアレイ210は、互い違いに配置され、一方のサブアレイ210の1つの個別にアドレス指定可能な素子102が他方のサブアレイ210の2つの個別にアドレス指定可能な素子102の間に位置する。しかし、サブアレイ210の個別にアドレス指定可能な素子102は、互いに整列していてもよい。個別にアドレス指定可能な素子102を、モータ216によって、この例では、モータ216を通過して図7(A)のZ方向に走る軸を中心に個別に又は一斉に回転させてもよい。モータ216を回転式の板に取り付けて、フレーム、例えば、フレーム160に接続してもよく、又はフレーム、例えば、フレーム160に取り付けて、回転式の板に接続してもよい。ある実施形態では、モータ216(又は、例えば、別の場所の何かのモータ)を用いて個別又は一斉を問わず個別にアドレス指定可能な素子102を移動させてもよい。例えば、モータ216によって個別にアドレス指定可能な素子102の1つ以上をX、Y、及び/又はZ方向に平行移動させてもよい。追加的に又は代替的に、モータ216によって、個別にアドレス指定可能な素子102の1つ以上をX、及び/又はY方向を軸として回転させてもよい(すなわち、Rx及び/又はRy運動)。
[00111] 図7(B)に概略平面図として示される回転式の板のある実施形態では、回転式の板は、中央区域に開口212を有し、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイ200を開口212の外側の板上に配置してもよい。したがって、例えば、回転式の板は、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイ200がその周囲に配置された図7(B)に示す環状の円板を形成してもよい。開口は、回転式の板の重量を低減し、及び/又は個別にアドレス指定可能な素子102の冷却を容易にする。
[00112] ある実施形態では、回転式の板は、支持体214を用いて外周で支持できる。支持体214は、ローラベアリング又はガスベアリングなどのベアリングであってもよい。回転(及び/又はその他の運動、例えば、X、Y、及び/又はZ方向の平行移動及び/又はRx運動及び/又はRy運動)を図7(A)に示すモータ216によって提供することができる。追加的に又は代替的に、支持体214は、個別にアドレス指定可能な素子102を軸Aを中心に回転させる(及び/又はその他の運動、例えば、X、Y、及び/又はZ方向の平行移動及び/又はRx運動及び/又はRy運動を提供する)モータを含んでいてもよい。
[00113] 図7(D)及び図7(E)を参照すると、ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイ200を有する回転式の板を回転式構造218に取り付けてもよい。回転式構造218は、モータ220によって軸Bを中心に回転させることができる。さらに、回転式の板を軸Aを中心に回転させるモータ216によって回転式構造218に対して回転式の板を回転させてもよい。ある実施形態では、回転軸A及びBは一致せず、したがって、各軸は、図7(D)及び図7(E)に示すように空間的に離間していてもよい。ある実施形態では、回転軸A及びBは互いに実質的に平行である。露光中使用時に、回転式構造218と回転式の板の両方が回転する。露光領域204内の個別にアドレス指定可能な素子102が実質的にまっすぐな線に整列するように回転を調整してもよい。これは、例えば、露光領域204内の個別にアドレス指定可能な素子102が実質的にまっすぐな線に整列していない図5の実施形態と比較可能である。
[00114] 上記可動式の個別にアドレス指定可能な素子を有することで、必要な時に個別にアドレス指定可能な素子を露光領域204内へ移動することで個別にアドレス指定可能な素子の数を低減することができる。
[00115] ある実施形態では、理論的に必要な(例えば、回転式の板上で)数より多い可動式の個別にアドレス指定可能な素子を提供することができる。この構成の考えられる利点は、1つ以上の可動式の個別にアドレス指定可能な素子が破損するか又は動作しない場合に、他の1つ以上の可動式の個別にアドレス指定可能な素子を使用できるということである。追加的に又は代替的に、追加の可動式の個別にアドレス指定可能な素子は、個別にアドレス指定可能な素子上の熱負荷を制御する利点を有していてもよい。これは、可動式の個別にアドレス指定可能な素子の数が増えるほど、露光領域204外の可動式の個別にアドレス指定可能な素子が冷却される機会が増すからである。
[00116] ある実施形態では、可動式の個別にアドレス指定可能な素子102は、熱伝導率が低い材料の内部に埋め込まれている。例えば、材料は、セラミック、例えば、コージェライト又はコージェライト系セラミック及び/又はZerodurセラミックであってもよい。ある実施形態では、可動式の個別にアドレス指定可能な素子102は、熱伝導率が高い材料、例えば、金属、例えば、アルミニウム又はチタンなどの比較的軽量の金属の内部に埋め込まれている。
[00117] ある実施形態では、アレイ200は、温度制御構成を含んでいてもよい。例えば、図7(F)を参照すると、アレイ200は、アレイ200上、付近又は内部に冷却流体を移送してアレイを冷却する流体(例えば、液体)導通チャネル222を有していてもよい。チャネル222は、チャネル内の流体を循環させる適当な熱交換器及びポンプ228に接続されていてもよい。チャネル222と熱交換器及びポンプ228との間に接続された供給管224及び戻り管226は、流体の循環と温度制御とを容易にする。センサ234をアレイ内、上又は付近に提供してアレイ200のパラメータを測定し、その測定値を用いて例えば熱交換器及びポンプによって提供される流体フローの温度を制御できる。ある実施形態では、センサ234は、アレイ200の本体の膨張及び/又は収縮を測定でき、その測定値を用いて熱交換器及びポンプによって提供される流体フローの温度を制御できる。そのような膨張及び/又は収縮は、温度のプロキシであってもよい。ある実施形態では、センサ234は、アレイ200と一体化していてもよい(点線の形状のセンサ234で示すように)及び/又はアレイ200とは別であってもよい(ボックスの形状のセンサ234で示すように)。アレイ200とは別のセンサ234は、光センサであってもよい。
[00118] 図7(G)を参照すると、ある実施形態では、アレイ200は、熱放散のための表面積を増大させる1つ以上のフィン230を有していてもよい。フィン230は、例えば、アレイ200の上面及び/又はアレイ200の側面にあってもよい。任意選択として、フィン230と協働して熱放散を容易にする1つ以上の別のフィン232を提供してもよい。例えば、フィン232は、フィン230が発する熱を吸収でき、図7(F)に示し同図に関連して説明したのと同様の流体(例えば、液体)導通チャネルとそれに関連付けられた熱交換器/ポンプを含んでいてもよい。
[00119] 図7(H)を参照すると、ある実施形態では、アレイ200は、流体238をアレイ200の本体に接触させて流体による熱放散を容易に保持するように構成された流体閉じ込め構造236に又はその付近に位置していてもよい。ある実施形態では、流体238は、液体、例えば、水であってもよい。ある実施形態では、流体閉じ込め構造236は、アレイ200の本体との間に封止を提供する。ある実施形態では、封止は、例えば、ガスのフロー又は毛管力によって提供される無接触封止であってもよい。ある実施形態では、流体238は、流体導通チャネル222に関して上述したのと同様、循環して熱放散を促進する。流体238は、流体供給デバイス240によって供給することができる。
[00120] 図7(H)を参照すると、ある実施形態では、アレイ200は、アレイ200の本体へ向けて流体238を放出して流体による熱放散を容易にするように構成された流体供給デバイス240に又はその付近に位置していてもよい。ある実施形態では、流体238は、ガス、例えば、清浄な乾燥空気、N2、不活性ガスなどであってもよい。図7(H)では、流体閉じ込め構造236及び流体供給デバイス240が一緒に示されているが、それらは一緒に提供されなくてもよい。
[00121] ある実施形態では、アレイ200の本体は、例えば、流体導通チャネル222のための空洞を備えた実質的に固体の構造である。ある実施形態では、アレイ200の本体は、ほとんどが開いており、様々なコンポーネント、例えば、個別にアドレス指定可能な素子102、流体導通チャネル222などが取り付けられた実質的にフレーム状の構造である。この開いた類似の構造によってガスフローが容易になり、及び/又は表面積が増大する。ある実施形態では、アレイ200の本体は、ガスフローを容易にするために本体内に又は本体を貫通する複数の空洞を備えた実質的に固体の構造であり、及び/又は表面積が増大する。
[00122] 冷却を提供する実施形態について上記説明してきたが、代替的に又は追加的に、実施形態は加熱を提供してもよい。
[00123] ある実施形態では、露光使用時にアレイ200は、望ましくは実質的に一定の定常状態の温度に保たれる。したがって、例えば、アレイ200の個別にアドレス指定可能な素子102のすべて又は多くを露光前にONして所望の定常状態温度又はそれに近い温度に達するようにでき、露光中、任意の1つ以上の温度制御構成を用いてアレイ200を冷却し、及び/又は加熱して定常状態温度を維持することができる。ある実施形態では、任意の1つ以上の温度制御構成を用いて露光前にアレイ200を加熱して所望の定常状態温度又はそれに近い温度に達するようにできる。次に、露光中、任意の1つ以上の温度制御構成を用いてアレイ200を冷却し、及び/又は加熱して定常状態温度を維持することができる。センサ234からの測定値をフィードフォワード及び/又はフィードバックの形で用いて定常状態温度を維持することができる。ある実施形態では、複数のアレイ200の各々は、同じ定常状態温度を有していてもよく、又は複数のアレイ200の1つ以上のアレイ200は、複数のアレイ200の他の1つ以上のアレイとは異なる定常状態温度を有していてもよい。ある実施形態では、アレイ200は、所望の定常状態温度より高い温度まで加熱され、次に、露光中に温度は下降する。これは、任意の1つ以上の温度制御構成によって施される冷却、及び/又は個別にアドレス指定可能な素子102の使用が不十分であって所望の定常状態温度より高い温度を維持できないことが理由である。
[00124] ある実施形態では、熱制御及び全体の冷却を向上させるために、露光領域に沿って、及び/又はその全体にわたっていくつかのアレイ200の本体の数が増加される。したがって、例えば、図5に示す4個のアレイ200の代わりに、5個、6個、7個、8個、9個、10個又はそれ以上のアレイ200を提供してもよい。4個より少ない数のアレイ、例えば、基板の幅全体を覆う単一の大型アレイなどの1つのアレイ200を提供してもよい。
[00125] ある実施形態では、本明細書に記載するレンズアレイが可動式の個別にアドレス指定可能な素子に関連付けられるか、又はそれと一体化している。例えば、レンズアレイプレートを可動アレイ200の各々に取り付けて、個別にアドレス指定可能な素子102と共に可動式(例えば、回転自在)にすることができる。上記のように、レンズアレイプレートは、個別にアドレス指定可能な素子102に対して変位可能であってもよい(例えば、Z方向に)。ある実施形態では、アレイ200に複数のレンズアレイプレートを提供でき、各レンズアレイプレートを複数の個別にアドレス指定可能な素子102の異なるサブセットに関連付けることができる。
[00126] 図7(I)を参照すると、ある実施形態では、各々の個別にアドレス指定可能な素子102の前面に単一の別々のレンズ242を取り付けて、個別にアドレス指定可能な素子102と共に可動式に(例えば、軸Aを中心に回転自在に)することができる。さらに、レンズ242は、アクチュエータ244を用いて個別にアドレス指定可能な素子102に対して変位可能(例えば、Z方向に)である。図7(J)を参照すると、ある実施形態では、アレイ200の本体246に対してアクチュエータ244によって個別にアドレス指定可能な素子102とレンズ242とを共に変位させることができる。ある実施形態では、アクチュエータ244は、レンズ242のみをZ方向に変位させる(すなわち、個別にアドレス指定可能な素子102に対して又は個別にアドレス指定可能な素子102と共に)ように構成されている。
[00127] ある実施形態では、アクチュエータ244は、レンズ242を最大3自由度(Z方向、X方向周りの回転、及び/又はY方向周りの回転)で変位させるように構成されている。ある実施形態では、アクチュエータ244は、レンズ242を最大6自由度で変位させるように構成されている。レンズ242が個別にアドレス指定可能な素子102に対して移動可能な場合、レンズ242をアクチュエータ244によって移動させて基板に対するレンズ242の焦点位置を変更することができる。レンズ242がその個別にアドレス指定可能な素子102と共に移動可能な場合、レンズ242の焦点位置は実質的に一定であるが、基板に対して変位する。ある実施形態では、レンズ242の移動は、アレイ200の各々の個別にアドレス指定可能な素子102に関連付けられた各レンズ242について個別に制御される。ある実施形態では、複数のレンズ242のサブセットが、複数の個別にアドレス指定可能な素子102のそれに関連付けられたサブセットに対して共に、又は該サブセットと共に移動可能である。この後者の状況では、データオーバヘッドを低減し、及び/又は応答を迅速にするために合焦制御の精密度が犠牲にされる。ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102によって提供される放射スポットのサイズを脱焦によって調整できる。すなわち、脱焦をすればするほど、スポットサイズは大きくなる。
[00128] 図7(K)を参照すると、ある実施形態では、アパーチャを内部に有するアパーチャ構造248をレンズ242の下に配置できる。ある実施形態では、アパーチャ構造248をレンズ242とそれに関連付けられた個別にアドレス指定可能な素子102との間のレンズ242の上方に配置してもよい。アパーチャ構造248は、レンズ242、関連付けられた個別にアドレス指定可能な素子102、及び/又は隣接するレンズ242/個別にアドレス指定可能な素子102の回折効果を制限できる。
[00129] ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102は、放射発光デバイス、例えば、レーザダイオードであってもよい。そのような放射発光デバイスは、高い空間的コヒーレンスを有し、したがって、スペックルの問題を引き起こすことがある。そのようなスペックルの問題を回避するために、他のビーム位置に対するビーム位置の位相をシフトすることで放射発光デバイスによって放出された放射のスクランブリングを実行しなければならない。図7(L)及び図7(M)を参照すると、ある実施形態では、板250は、例えば、フレーム160上にあってもよく、個別にアドレス指定可能な素子102は、板250に対して移動する。個別にアドレス指定可能な素子102は板250に対して、またその上方を移動するため、板250は、個別にアドレス指定可能な素子102によって放出された放射の基板へ向けたコヒーレンスを防止する。ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102は板250に対して、またその上方を移動するため、板250は、レンズ242とそれに関連付けられた個別にアドレス指定可能な素子102との間に位置する。ある実施形態では、板250は、レンズ242と基板との間にあってもよい。
[00130] 図7(N)を参照すると、ある実施形態では、空間的コヒーレンス防止デバイス252を基板と少なくとも露光領域上に放射を投影する個別にアドレス指定可能な素子102との間に配置してもよい。ある実施形態では、空間的コヒーレンス防止デバイス252は、個別にアドレス指定可能な素子102とレンズ242の間に位置し、本体246に取り付けることができる。ある実施形態では、空間的コヒーレンス防止デバイス252は、位相変調装置、振動板、又は回転板である。個別にアドレス指定可能な素子102が基板へ向けて放射を投影すると、空間的コヒーレンス防止デバイス252は、個別にアドレス指定可能な素子102によって放出された放射の空間的コヒーレンスを防止する。
[00131] ある実施形態では、レンズアレイ(一緒にユニットとしてか又は個別のレンズとしてかを問わず)は、望ましくは熱伝導率が高い材料を介してアレイ200に取り付けられ、レンズアレイから冷却がより有利に提供されるアレイ200への熱伝導を容易にする。
[00132] ある実施形態では、アレイ200は、1つ以上の合焦又はレベルセンサ150のようなレベルセンサ254を含む。例えば、センサ254は、アレイ200の各々の個別にアドレス指定可能な素子102又はアレイ200の複数の個別にアドレス指定可能な素子102の合焦を測定するように構成できる。したがって、合焦外れ状態が検出された場合、アレイ200の各々の個別にアドレス指定可能な素子102又はアレイ200の複数の個別にアドレス指定可能な素子102について合焦を補正できる。合焦は、例えば、レンズ242をZ方向(及び/又はX軸周り及び/又はY軸周りに)に動かすことで補正できる。
[00133] ある実施形態では、センサ254は、個別にアドレス指定可能な素子102と一体化している(又はアレイ200の複数の個別にアドレス指定可能な素子102と一体化していてもよい)。図7(O)を参照すると、例示的なセンサ254の概略が示されている。合焦検出ビーム256が基板表面から再誘導され(例えば、反射し)、レンズ242を通過してハーフシルバーミラー258によって検出器262へ誘導される。ある実施形態では、合焦検出ビーム256は、たまたま基板から再誘導された露光に使用される放射であってもよい。ある実施形態では、合焦検出ビーム256は、基板へ誘導される専用ビームであってもよく、基板によって再誘導されるとビーム256になる。ビーム256が検出器262に入射する前に、ナイフエッジ260(アパーチャであってもよい)はビーム256の経路内にある。この例では、検出器262は、検出器262の分割による図7(O)に示す少なくとも2つの放射感応性部分(例えば、区域又は検出器)を備える。基板が合焦すると縁部260に鮮明な画像が形成され、検出器262の放射感応性部分は等しい量の放射を受光する。基板が合焦外れの時には、ビーム256はシフトして、画像は縁部260の前又は後ろに形成される。したがって、縁部260はビーム256のある部分を遮断し、検出器262の1つの放射感応性部分は検出器262の他の放射感応性部分よりも少ない量の放射を受光する。検出器262の放射感応性部分からの出力信号を比較することで、再誘導されたビーム256が所望の位置と異なる量と、方向と、基板平面とが分かる。信号は電子的に処理され、例えば、レンズ242を調整するための制御信号が生成される。ミラー258、縁部260及び検出器262をアレイ200に装着することができる。ある実施形態では、検出器262はクワッドセルであってもよい。
[00134] ある実施形態では、133個が動作中の(任意の瞬間に)400個の個別にアドレス指定可能な素子102を提供することができる。ある実施形態では、600〜1200個の動作中の個別にアドレス指定可能な素子102に、任意選択として、例えば、予備として及び/又は補正露光(例えば上記の)のために追加の個別にアドレス指定可能な素子102を提供してもよい。動作中の個別にアドレス指定可能な素子102の数は、例えば、パターニングのために特定の放射ドーズ量を必要とするレジストに左右されることがある。個別にアドレス指定可能な素子102が回転自在の場合、そのような個別にアドレス指定可能な素子102は、1200個の動作中の個別にアドレス指定可能な素子102について6Hzの周波数で回転できる。個別にアドレス指定可能な素子102の数がこれより少ない場合、個別にアドレス指定可能な素子102は、より高い周波数で回転できる。個別にアドレス指定可能な素子102の数がこれより多い場合、個別にアドレス指定可能な素子102は、より低い周波数で回転できる。
[00135] ある実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の数は、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイと比較して可動式の個別にアドレス指定可能な素子102を用いて低減できる。例えば、600〜1200個の動作中の(任意の瞬間に)個別にアドレス指定可能な素子102を提供することができる。さらに、低減された数は、個別にアドレス指定可能な素子102のアレイと実質的に同様の結果を生むが、1つ以上の利点がある。例えば、青紫色ダイオードのアレイを用いた十分な露光能力のために、例えば、200個のダイオード×500個のダイオードを並べた100,000個の青紫色ダイオードのアレイが必要である。10kHzの周波数で動作する場合のレーザダイオード当たりの光電力は、0.33mWである。レーザダイオード当たりの電力は、150mW=35mA×4.1Vである。したがって、アレイの場合、電力は15kWになる。可動式の個別にアドレス指定可能な素子を用いたある実施形態では、133個が動作中の400個の青紫色ダイオードが提供される。9MHzで動作する場合のレーザダイオード当たりの光電力は、250mWである。レーザダイオード当たりの電力は、1000mW=240mA×4.2Vである。したがって、アレイの場合、電力は133Wになる。したがって、可動式の個別にアドレス指定可能な素子の構成は、例えば図7(P)に示す光出力電力と順方向電流の関係の曲線(240mA対35mA)の急峻な部分で動作可能で、ダイオード当たりの高い出力電力を生むが、複数の個別にアドレス指定可能な素子では低い電力しか生まない(133W対15kW)。したがって、ダイオードをより効率的に使用して消費電力及び/又は熱を低減することができる。
[00136] したがって、ある実施形態では、ダイオードは、電源/順方向電流曲線の急峻な部分で動作する。電源/順方向電流曲線の急峻でない部分で動作すると、放射の非コヒーレンス化を招くことがある。ある実施形態では、ダイオードは、5mWより大きく20mW以下、又は30mW以下、又は40mW以下の光電力で動作する。ある実施形態では、ダイオードは、300mWより大きい光電力では動作しない。ある実施形態では、ダイオードは、多重モードではなく単一モードで動作する。
[00137] アレイ200上の個別にアドレス指定可能な素子102の数は、とりわけ(また上記の程度に関して)、アレイ200が覆うことを意図する露光領域の長さ、露光中にアレイが移動する速度、スポットサイズ(すなわち、個別にアドレス指定可能な素子102から基板上に投影されたスポットの断面寸法、例えば、幅/直径)、個別にアドレス指定可能な素子の各々が提供すべき所望の強度(例えば、基板又は基板上のレジストの損傷を避けるために、基板上のスポットに対する意図したドーズ量を複数の個別にアドレス指定可能な素子に拡大するか否か)、基板の所望のスキャン速度、コストの考慮事項、個別にアドレス指定可能な素子をON/OFFできる周期、及び冗長の個別にアドレス指定可能な素子102(上記のように、例えば、1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子が障害になった場合などに補正露光のために、又は予備として)の要望に依存してもよい。ある実施形態では、アレイ200は、少なくとも100個の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば少なくとも200個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも400個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも600個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも1000個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも1500個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも2500個の個別にアドレス指定可能な素子、又は少なくとも5000個の個別にアドレス指定可能な素子を含む。ある実施形態では、アレイ200は、50000個未満の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば25000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、15000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、10000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、7500個未満の個別にアドレス指定可能な素子、5000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、2500個未満の個別にアドレス指定可能な素子、1200個未満の個別にアドレス指定可能な素子、600個未満の個別にアドレス指定可能な素子、又は300個未満の個別にアドレス指定可能な素子を含む。
[00138] ある実施形態では、アレイ200は、露光領域の長さ10cm当たり(すなわち、アレイ内の個別にアドレス指定可能な素子の数を露光領域の長さ10cmに正規化して)少なくとも100個の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば少なくとも200個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも400個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも600個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも1000個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも1500個の個別にアドレス指定可能な素子、少なくとも2500個の個別にアドレス指定可能な素子、又は少なくとも5000個の個別にアドレス指定可能な素子を含む。ある実施形態では、アレイ200は、露光領域の長さ10cm当たり(すなわち、アレイ内の個別にアドレス指定可能な素子の数を露光領域の長さ10cmに正規化して)50000個未満の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば25000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、15000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、10000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、7500個未満の個別にアドレス指定可能な素子、5000個未満の個別にアドレス指定可能な素子、2500個未満の個別にアドレス指定可能な素子、1200個未満の個別にアドレス指定可能な素子、600個未満の個別にアドレス指定可能な素子、又は300個未満の個別にアドレス指定可能な素子を含む。
[00139] ある実施形態では、アレイ200は、75%未満の冗長の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば67%以下、50%以下、約33%以下、25%以下、20%以下、10%以下、又は5%以下の冗長の個別にアドレス指定可能な素子102を含む。ある実施形態では、アレイ200は、少なくとも5%の冗長の個別にアドレス指定可能な素子102、例えば少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも33%、少なくとも50%、又は少なくとも65%の冗長の個別にアドレス指定可能な素子102を含む。ある実施形態では、アレイは、約67%の冗長の個別にアドレス指定可能な素子102を含む。
[00140] ある実施形態では、基板上の個別にアドレス指定可能な素子のスポットサイズは、10ミクロン以下、5ミクロン以下、例えば3ミクロン以下、2ミクロン以下、1ミクロン以下、0.5ミクロン以下、0.3ミクロン以下、又は約0.1ミクロンである。ある実施形態では、基板上の個別にアドレス指定可能な素子のスポットサイズは、0.1ミクロン以上、0.2ミクロン以上、0.3ミクロン以上、0.5ミクロン以上、0.7ミクロン以上、1ミクロン以上、1.5ミクロン以上、2ミクロン以上、又は5ミクロン以上である。ある実施形態では、スポットサイズは、約0.1ミクロンである。ある実施形態では、スポットサイズは、約0.5ミクロンである。ある実施形態では、スポットサイズは、約1ミクロンである。
[00141] リソグラフィ装置100の動作時に、基板114は、例えば、ロボットハンドラ(図示せず)を用いて基板テーブル106上にロードされる。次に、基板114は、フレーム160及び個別にアドレス指定可能な素子102の下でX方向に変位する。基板114は、レベルセンサ及び/又はアライメントセンサ150によって測定され、次に、上記のように、個別にアドレス指定可能な素子102を用いてパターンに露光される。個別にアドレス指定可能な素子102を動作させて、例えば、本明細書で説明するピクセル−グリッド結像を提供することができる。
[00142] 図8は、本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略側面図を示す。図8に示すように、リソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影システム108とを含む。投影システム108は、2つのレンズ176、172を含む。第1のレンズ176は、パターニングデバイス104からの変調された放射ビーム110を受光して、それをコントラストアパーチャを通してアパーチャストップ内に合焦させるように配置されている。別のレンズ(図示せず)がアパーチャ内に位置していてもよい。次に、放射ビーム110は、発散して第2のレンズ172(例えば、フィールドレンズ)によって合焦する。
[00143] 投影システム108は、変調された放射ビーム110を受光するように構成されたレンズのアレイ170をさらに備える。パターニングデバイス104内の個別に制御可能な素子の1つ以上に対応する変調された放射ビーム110の異なる部分が、レンズのアレイ170内のそれぞれの異なるレンズを通過する。各レンズは、変調された放射ビーム110のそれぞれの部分を基板114上にあるポイントに合焦させる。こうして放射スポットSのアレイ(図12を参照)が基板114上に露光される。図ではレンズのアレイ170のうち5個のレンズだけが示されているが、レンズのアレイは、数百個又は数千個のレンズを含んでいてもよいことは理解されるであろう(同じことがパターニングデバイス104として使用される個別に制御可能な素子にも当てはまる)。
[00144] 図8に示すように、基板114とレンズアレイ170との間に自由動作距離FWDが提供される。この距離があることで基板114及び/又はレンズアレイ170を移動させて、例えば、合焦補正を実行できる。ある実施形態では、自由動作距離は、1〜3mmの範囲内、例えば約1.4mmである。パターニングデバイス104の個別にアドレス指定可能な素子はピッチPで配置され、その結果、基板114の結像スポットは対応するピッチPを有する。ある実施形態では、レンズアレイ170は、0.15又は0.18のNAを提供することができる。ある実施形態では、結像スポットサイズは、1.6μm前後である。
[00145] この実施形態では、投影システム108は、基板114上の画像スポットのアレイ間隔がパターニングデバイス104のピクセルのアレイ間隔と同じである1:1の投影システムである。解像度を向上させるために、画像スポットは、パターニングデバイス104のピクセルよりもはるかに小さくてもよい。
[00146] 図9は、本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略側面図を示す。この実施形態では、パターニングデバイス104と基板114の間にレンズアレイ170以外の光学系はない。
[00147] 図9のリソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影システム108とを備える。この例では、投影システム108は、変調された放射ビーム110を受光するように配置されたレンズのアレイ170だけを含む。パターニングデバイス104内の個別に制御可能な素子の1つ以上に対応する変調された放射ビーム110の異なる部分がレンズのアレイ170内のそれぞれの異なるレンズを通過する。各レンズは、変調された放射ビーム110のそれぞれの部分を基板114上にあるポイントに合焦させる。こうして放射スポットSのアレイ(図12を参照)が基板114上に露光される。図では、レンズのアレイ170のうち5個のレンズだけが示されているが、レンズのアレイは、数百個又は数千個のレンズを含んでいてもよいことは理解されるであろう(同じことがパターニングデバイス104として使用される個別に制御可能な素子にも当てはまる)。
[00148] 図8と同様、基板114とレンズアレイ170との間に自由動作距離FWDが提供される。この距離があることで、基板114及び/又はレンズアレイ170を移動させて、例えば、合焦補正を実行できる。パターニングデバイス104の個別にアドレス指定可能な素子はピッチPで配置され、その結果、基板114の結像スポットは、対応するピッチPを有する。ある実施形態では、レンズアレイ170は、0.15のNAを提供することができる。ある実施形態では、結像スポットサイズは、1.6μm前後である。
[00149] 図10は、図5に関して上述した可動式の個別にアドレス指定可能な素子102を用いた本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略側面図を示す。この実施形態では、パターニングデバイス104と基板114の間にレンズアレイ170以外の光学系はない。
[00150] 図10のリソグラフィ装置100は、パターニングデバイス104と、投影システム108とを備える。この例では、投影システム108は、変調された放射ビーム110を受光するように配置されたレンズのアレイ170だけを含む。パターニングデバイス104内の個別に制御可能な素子の1つ以上に対応する変調された放射ビーム110の異なる部分が、レンズのアレイ170内のそれぞれの異なるレンズを通過する。各レンズは、変調された放射ビーム110のそれぞれの部分を基板114上にあるポイントに合焦させる。こうして、放射スポットSのアレイ(図12を参照)が基板114上に露光される。図では、レンズのアレイ170のうち5個のレンズだけが示されているが、レンズのアレイは、数百個又は数千個のレンズを含んでいてもよいことが理解されるであろう(同じことがパターニングデバイス104として使用される個別に制御可能な素子にも当てはまる)。
[00151] 図8と同様、基板114とレンズアレイ170との間に自由動作距離FWDが提供される。この距離があることで、基板114及び/又はレンズアレイ170を移動させて、例えば、合焦補正を実行できる。パターニングデバイス104の個別にアドレス指定可能な素子はピッチPで配置され、その結果、基板114の結像スポットは、関連するピッチPを有する。ある実施形態では、レンズアレイ170は、0.15のNAを提供することができる。ある実施形態では、結像スポットサイズは、1.6μm前後である。
[00152] 図11は、複数の個別にアドレス指定可能な素子102、特に6個の個別にアドレス指定可能な素子102を示す。この実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。各放射発光ダイオードは、2本の電線をつないで放射発光ダイオードに電流を供給してダイオードを制御する。したがって、各ダイオードは、アドレス指定可能な格子を形成する。2本の電線の間の幅は約250μmで、放射発光ダイオードは、約500μmのピッチを有する。
[00153] 図12は、基板114上のパターンの生成方法を示す。塗りつぶされた円は、投影システム108内のレンズのアレイMLAによって基板114上に投影されたスポットSのアレイを表す。基板上で一連の露光が実行される際に、基板114は投影システム108に対して移動する。白抜きの円は、基板上ですでに実行されているスポット露光SEを表す。図示のように、投影システム108内のレンズのアレイ170によって、基板114上に投影された各スポットは、基板114上にスポット露光の列Rを露光する。基板114の完全なパターンが各々のスポットSによって露光されたスポット露光SEのすべての列Rの総和によって生成される。そのような構成を一般に「ピクセルグリッド結像」と呼ぶ。図12は概略図であり、スポットSは実際には重複していてもよいことは理解されるであろう。
[00154] 放射スポットSのアレイは、基板114に対して角度αをなして配置されている(基板114の各縁部はX及びY方向に平行である)。これは、基板114がスキャン方向(X方向)に移動する時に、各放射スポットが基板の異なる区域の上方を通過して基板全体が放射スポットSのアレイで覆われるようにするためである。ある実施形態では、角度αは、最大20°、10°、例えば最大5°、最大3°、最大1°、最大0.5°、最大0.25°、最大0.10°、最大0.05°、又は最大0.01°である。ある実施形態では、角度αは、少なくとも0.0001°例えば少なくとも0.001°である。傾斜角α及びスキャン方向のアレイの幅は、画像スポットサイズとスキャン方向に垂直の方向のアレイの間隔に従って決定され、基板114の全表面区域が確実にアドレス指定できる。
[00155] 図13は、各々が1つ以上の個別にアドレス指定可能な素子を含む複数の光学エンジンを用いて1回のスキャンで基板114全体を露光する方法を概略的に示す。放射スポットSの8個のアレイSA(図示せず)が、放射スポットSの1つのアレイの縁部が放射スポットSの隣接するアレイの縁部とわずかに重なるように、「チェス盤」又は千鳥格子状に2つの列R1、R2に配置された8個の光学エンジンによって生成される。ある実施形態では、光学エンジンは、少なくとも3つの列、例えば、4つの列又は5つの列に配置される。こうして、放射の帯は基板Wの幅にわたって延在し、1回のスキャンによる基板全体の露光を可能にする。そのような「全幅」の1回の露光によって複数回の露光を結合する場合のつなぎ目の問題が回避され、さらに、基板移動方向を横切る方向に基板を移動させる必要がないため機械の占有面積が低減される。任意の好適な数の光学エンジンを使用できることは理解されるであろう。ある実施形態では、光学エンジンの数は、少なくとも1、例えば少なくとも2、少なくとも4、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、又は少なくとも17である。ある実施形態では、光学エンジンの数は、40未満、例えば30未満又は20未満である。上記のように、各光学エンジンは、別個のパターニングデバイス104と、任意選択として別個の投影システム108及び/又は放射システムを含んでいてもよい。しかし、複数の光学エンジンが、放射システム、パターニングデバイス104、及び/又は投影システム108の1つ以上の一部を共有していてもよい。
[00156] 本明細書に記載する各実施形態では、個別にアドレス指定可能な素子を制御するコントローラが提供される。例えば、個別にアドレス指定可能な素子が放射発光デバイスである例では、コントローラは、個別にアドレス指定可能な素子をいつON又はOFFするかを制御して個別にアドレス指定可能な素子の高周波変調を可能にする。コントローラは、個別にアドレス指定可能な素子の1つ以上によって放出される放射の出力を制御できる。コントローラは、個別にアドレス指定可能な素子のアレイのすべて又は一部の強度の均一性を制御/調整できる。コントローラは、個別にアドレス指定可能な素子の放射出力を制御して結像エラー、例えば、エタンデュ及び光学収差(例えば、コマ収差、非点収差など)を補正できる。
[00157] リソグラフィ分野では、基板上のレジストの層を選択的に露光することで、例えば、レジストの層をパターン付放射に露光することで所望のフィーチャを基板上に作成できる。一定の最小の放射ドーズ(「ドーズしきい値」)を受けるレジストの区域は化学反応を起こすが、その他の区域は変化しない。レジスト層内のこうして生成された化学的な差によってレジストを開発すること、すなわち、選択的に少なくとも最小のドーズを受けた区域を除去するか又は最小のドーズを受けなかった区域を除去するかが可能になる。その結果、基板の一部は依然としてレジストによって保護されているが、レジストが除去された基板の区域は露光され、例えば、基板の選択的エッチング、選択的金属蒸着などの追加の処理ステップが可能になり、それにより所望のフィーチャを生成できる。放射のパターニングは、パターニングデバイス内の個別に制御可能な素子は、パターンフィーチャ内の基板上のある区域に伝達される放射が十分に強度が高く、この区域が露光中にドーズしきい値を超えた放射ドーズを受けるように設定することで実行される。一方、基板上の残りの区域は、対応する個別に制御可能な素子がゼロ又は有意に低い放射強度を提供するように設定することで、ドーズしきい値に満たない放射ドーズを受ける。
[00158] 実際、個別に制御可能な素子がフィーチャの境界の一方の側に最大放射強度を提供し、他方の側に最小放射強度を提供するように設定されている場合であっても、所望のフィーチャの縁部の放射ドーズ量は、所与の最大ドーズ量からゼロドーズ量に急激に変化するわけではない。逆に、回折効果のために、放射ドーズ量のレベルは、遷移域全体にわたって低下する。レジストの現像後に最終的に形成される所望のフィーチャの境界位置は、受光されたドーズ量が放射ドーズしきい値を下回るまで低下する位置によって決定される。遷移域全体にわたる放射ドーズ量の低下のプロファイル、したがって、フィーチャの境界の正確な位置は、フィーチャの境界上又はその付近の基板上のポイントに放射を提供する個別に制御可能な素子を、最大又は最小強度レベルだけでなく、最大及び最小強度レベルの間の各強度レベルに設定することでより正確に制御できる。これを、一般に「グレースケーリング」又は「グレーレベリング」と呼ぶ。
[00159] グレースケーリングは、所与の個別に制御可能な素子によって基板に提供される放射強度が2つの値(すなわち、最大値と最小値のみ)にしか設定できないリソグラフィシステムで可能な制御と比べて、フィーチャの境界位置のより大きい制御を提供できる。ある実施形態では、少なくとも3つの、例えば、少なくとも4つの放射強度値、少なくとも8つの放射強度値、少なくとも16個の放射強度値、少なくとも32個の放射強度値、少なくとも64個の放射強度値、少なくとも100個の放射強度値、少なくとも128個の放射強度値、又は少なくとも256個の異なる放射強度値を基板上に投影できる。パターニングデバイスが放射源そのもの(例えば、発光ダイオード又はレーザダイオードのアレイ)である場合、グレースケーリングは、例えば、伝達される放射の強度レベルを制御することで実行できる。コントラストデバイスがマイクロミラーデバイスの場合、グレースケーリングは、例えば、マイクロミラーの傾斜角を制御することで実行できる。また、グレースケーリングは、コントラストデバイス内の複数のプログラマブル素子をグループ化して所与の時間にオン又はオフされるグループ内の素子の数を制御することで実行できる。
[00160] 一実施例では、パターニングデバイスは、以下の状態を含む一連の状態を有していてもよい。すなわち、(a)提供された放射が、その対応する画素の強度分布へ最小の寄与又はゼロの寄与である黒い状態(black state)と、(b)提供された放射が最大の寄与をする真っ白い状態(whitest state)と、(c)提供された放射が、中間の寄与をする中間の複数の状態と、である。上記の状態は、通常のビームのパターニング/印刷のために使用される通常セットと、欠陥のある素子の作用を補償するために使用される補償セットと、に分割される。通常のセットは、黒い状態と、中間状態の第1のグループとを含む。この第1のグループは、グレー状態として記述され、それらは、最小の黒の値から一定の通常の最大値までの画素の強度に対応する漸進的に増加する寄与を提供するように選択可能である。補償セットは、真っ白い状態と共に残りの中間状態の第2のグループを含む。この中間状態の第2のグループは白い状態として記述され、それらは、真っ白い状態に対応する真の最大値まで漸進的に増加する通常の最大値より大きな寄与を提供するように選択可能である。第2のグループの中間状態は、白い状態として記載されるが、これは、通常及び補償的な露光ステップの間の区別を容易にすることだけを目的とする。あるいは、複数の状態の全体をグレースケール印刷を可能にするために選択できる黒と白との間のグレー状態のシーケンスとして記述してもよい。
[00161] グレースケーリングは、上記に対する追加又は代替目的のためにも使用できることを理解されたい。例えば、露光後の基板の処理は、受光した放射ドーズレベルに応じて基板の領域の3つ以上の潜在的な応答があるように調整できる。例えば、第1のしきい値より下の放射ドーズ量を受ける基板の部分は第1の方法で応答する。第1のしきい値を超えているが第2のしきい値より下の放射ドーズ量を受ける基板の部分は第2の方法で応答する。第2のしきい値を超えた放射ドーズ量を受ける基板の部分は、第3の方法で応答する。したがって、グレースケーリングは、3つ以上の所望のドーズレベルを有する放射ドーズプロファイルを基板全体に提供するために使用できる。ある実施形態では、放射ドーズプロファイルは、少なくとも2つの望ましいドーズレベル、例えば少なくとも3つの望ましいドーズレベル、少なくとも4つの望ましいドーズレベル、少なくとも6つの望ましいドーズレベル、又は少なくとも8つの望ましいドーズレベルを有する。
[00162] さらに、上記のように、放射ドーズプロファイルは、基板上の各ポイントで受ける放射の強度を制御するだけに留まらない他の方法によっても制御することができることを理解されたい。例えば、基板上の各ポイントで受ける放射ドーズ量は、上記ポイントの露光時間を制御することで、代替的に又は追加的に制御できる。別の例として、基板上の各ポイントは、潜在的に複数の連続的な露光で放射を受けることができる。したがって、各ポイントが受ける放射ドーズ量は、上記複数の連続的な露光の選択されたサブセットを用いて上記ポイントを露光することで、代替的に又は追加的に制御できる。
[00163] 基板上にパターンを形成するには、パターニングデバイス内の個別に制御可能な素子の各々を露光プロセス中に各ステージで必要な状態に設定することが必要である。したがって、必要な状態を表す制御信号を個別に制御可能な素子の各々に伝送しなければならない。望ましくは、リソグラフィ装置は、制御信号を生成するコントローラ400を含む。基板上に形成するパターンは、GDSIIなどのベクトル定義形式でリソグラフィ装置に提供される。設計情報を各々の個別に制御可能な素子のための制御信号に変換するために、コントローラは、各々がパターンを表すデータストリームに対する処理ステップを実行するように構成された1つ以上のデータ操作デバイスを含む。これらのデータ操作デバイスを集合的に「データパス」と呼んでもよい。
[00164] データパス上のデータ操作デバイスは、ベクトルベースの設計情報をビットマップパターンデータに変換する機能、ビットマップパターンデータを放射ドーズマップ(すなわち、基板全体にわたる必要な放射ドーズ量プロファイル)に変換する機能、放射ドーズマップを各々の個別に制御可能な素子の必要な放射強度値に変換する機能、及び各々の個別に制御可能な素子の必要な放射強度値を対応する制御信号に変換する機能のうち1つ以上を実行するように構成できる。
[00165] ある実施形態では、有線又は無線通信によって個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に制御信号を供給できる。さらに、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)からの信号をコントローラ400に送信できる。
[00166] 図14(A)を参照すると、無線実施形態では、送受信機(又は単に送信機)406は、送受信機(又は単に送信機)402によって受信された制御信号を具体化する信号を送信する。制御信号は、1つ以上の線404によってそれぞれの個別に制御可能な素子102へ送信される。ある実施形態では、送受信機406からの信号は複数の制御信号を具体化でき、送受信機402は、信号をそれぞれの個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)へ送信する複数の制御信号に分離できる。ある実施形態では、無線送信は、無線周波数(RF)を使用する。
[00167] 図14(B)を参照すると、有線実施形態では、1つ以上の線404は、コントローラ400を個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に接続できる。ある実施形態では、単一の線404を提供して制御信号の各々をアレイ200の本体との間で搬送できる。アレイ200の本体で、制御信号は、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に個々に提供することができる。例えば、無線の例と同様、制御信号を多重化して単一の線上で送信し、次に、分離して個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に提供することができる。ある実施形態では、複数の線404を提供して個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)のそれぞれの制御信号を搬送できる。アレイ200が回転式である実施形態では、線404を回転軸Aに沿って提供することができる。ある実施形態では、モータ216での、又はその周囲の摺接によって、アレイ200の本体との間で信号を提供できる。これは、回転式実施形態にとって有利である。摺接は、例えば、板に接触するブラシを介して可能である。
[00168] ある実施形態では、線404は光線であってもよい。その場合、信号は、例えば、異なる制御信号を異なる波長で搬送できる光信号であってもよい。
[00169] 制御信号と同様、有線又は無線手段によって、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に電力を供給できる。例えば、無線実施形態では、信号を搬送する線と同じか又は別の1つ以上の線404によって電力を供給できる。上述したように、摺接構成を提供して電力を送信することができる。無線実施形態では、電力は、RF接続によって送達できる。
[00170] 以上、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に供給される制御信号に的を絞って説明してきたが、制御信号は、追加的に又は代替的に、適当な構成による個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)からコントローラ400への信号の送信を包含すると理解すべきである。したがって、通信は片方向(例えば、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)への方向又はそこからの方向のみ)又は双方向(すなわち、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)との間の2つの方向)であってもよい。例えば、送受信機402は、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)からの複数の信号を多重化して送受信機406へ送信し、送受信機406で信号を個々の信号に分離できる。
[00171] ある実施形態では、パターンを提供する制御信号を変更して基板上へのパターンの適切な供給及び/又は実現に影響する要因を表すようにできる。例えば、制御信号を補正して1つ以上のアレイ200の加熱を表すようにできる。そのような加熱によって個別に制御可能な素子102のポイント方向を変更し、個別に制御可能な素子102からの放射の均一性を変更するなどの処理が可能である。ある実施形態では、例えばセンサ234からのアレイ200(例えば、個別に制御可能な素子102の1つ以上)に関連付けられた温度及び/又は拡張/収縮測定値を用いてパターン形成のために提供されていたはずの制御信号を変更できる。したがって、例えば、露光中に、個別に制御可能な素子102の温度が変化し、この変化によって単一の一定の温度で提供されていたはずの投影パターンを変えることができる。したがって、制御信号を変更してそのような変化を表すようにできる。同様に、ある実施形態では、アライメントセンサ及び/又はレベルセンサ150を用いて個別に制御可能な素子102によって提供されたパターンを変更できる。パターンを変更して、例えば、個別に制御可能な素子102と基板114との間の光学系(もしあれば)が引き起こす歪み、基板114に位置決めの不規則性、基板114の凹凸などを補正することができる。
[00172] ある実施形態では、制御信号の変更は、測定されたパラメータ(例えば、温度測定値、レベルセンサによる距離測定値など)から生じる所望のパターンに対する物理的/光学的な結果の理論に基づいて決定できる。ある実施形態では、制御信号の変更は、測定されたパラメータから生じる所望のパターンに対する物理的/光学的な結果の実験的又は経験的モデルに基づいて決定できる。ある実施形態では、制御信号の変更は、フィードフォワード及び/又はフィードバック方法で適用できる。
[00173] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、1つ以上の個別に制御可能な素子102によって基板の方へ透過されるか又は透過される予定の放射の特性を測定するセンサ500を備えてもよい。そのようなセンサは、スポットセンサ又は透過イメージセンサであってもよい。センサを用いて、例えば、個別に制御可能な素子102からの放射の強度、個別に制御可能な素子102からの放射の均一性、個別に制御可能な素子102からの放射のスポットの断面サイズ又は面積、及び/又は個別に制御可能な素子102からの放射のスポットの場所(X−Y平面内の)を決定できる。
[00174] 図15は、センサ500のいくつかの場所の例を示す本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略平面図を示す。ある実施形態では、1つ以上のセンサ500が、基板114を保持する基板テーブル106内又は上に提供されている。例えば、センサ500を基板テーブル106の前縁部及び/又は基板テーブル106の後縁部に提供できる。この例では、アレイ200ごとに1つ、計4つのセンサ500が示されている。望ましくは、それらは、基板116によって覆われない位置にある。代替例又は追加の例では、基板テーブル106の側縁部の、望ましくは基板116によって覆われない位置にセンサを提供してもよい。基板テーブル106の前縁部のセンサ500を個別に制御可能な素子102の露光前検出に使用できる。基板テーブル106の後縁部のセンサ500を個別に制御可能な素子102の露光後検出に使用できる。基板テーブル106の側縁部のセンサ500を個別に制御可能な素子102の露光中の検出(「その場での」検出)に使用できる。
[00175] 図16(A)を参照すると、本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の一部の概略側面図が示されている。この例では、1つのアレイ200しか示されておらず、リソグラフィ装置のその他の部分は図を見やすくするために省略されている。本明細書に記載するセンサは、アレイ200の各々又はいくつかに適用できる。センサ500の位置のいくつかの追加の例又は代替例が図16(A)に示されている(基板テーブル106のセンサ500に追加して)。第1の例は、ビーム再誘導構造502(例えば、反射ミラー構成)を介して個別に制御可能な素子102からの放射を受けるフレーム160上のセンサ500である。この第1の例では、個別に制御可能な素子102はX−Y平面内を移動し、したがって、異なる個別に制御可能な素子102を配置してビーム再誘導構造502への放射を提供することができる。第2の追加の例又は代替例は、個別に制御可能な素子102から、個別に制御可能な素子102の後ろ側、すなわち、露光放射が提供される側とは反対の側から放射を受けるフレーム160上のセンサ500である。この第2の例では、個別に制御可能な素子102はX−Y平面内を移動し、したがって、異なる個別に制御可能な素子102を配置してセンサ500への放射を提供することができる。第2の例のセンサ500は露光領域204の個別に制御可能な素子102の経路内に示されているが、センサ500はセンサ510が示された位置にあってもよい。ある実施形態では、フレーム160上のセンサ500は、固定位置にあるか又は、例えば、それに関連付けられたアクチュエータのおかげで移動可能である。上記の第1及び第2の例を用いて露光前及び/又は露光後のセンシングに加えて又は代替的に、「その場での」センシングを提供することができる。第3の例は、構造504、506上のセンサ500である。構造504、506は、アクチュエータ508によって移動可能である。ある実施形態では、構造504は、基板テーブルが移動する(図16(A)に示すように)経路の下又は経路の側方に位置する。ある実施形態では、図16(A)で基板テーブル106のセンサ500が示された位置まで構造504をアクチュエータ508によって移動させることができる。基板テーブル106がそこになかった場合、そのような移動は、構造504が経路の側方にあった場合には、Z方向(図16(A)に示すように)又はX及び/又はY方向であってもよい。ある実施形態では、構造506は、基板テーブルが移動する(図16(A)に示すように)経路の上方にあるか又は経路の側方にある。ある実施形態では、構造506は、アクチュエータ508によって、基板テーブルがそこになかった場合に、基板テーブル106のセンサ500が図16(A)に示されている位置まで移動させることができる。構造506はフレーム160に取り付けることができ、フレーム160から取り外すことができる。
[00176] 1つ以上の個別に制御可能な素子102によって基板の方へ透過されるか又は透過される予定の放射の特性を測定する動作中に、センサ500は、センサ500及び/又は個別に制御可能な素子102を移動させることで、センサ500は個別に制御可能な素子102からの放射経路内に位置する。したがって、例えば、図16(A)に示すように、基板テーブル106を個別に制御可能な素子102からの放射経路内で位置センサ500まで移動させることができる。この場合、センサ500は、露光領域204の個別に制御可能な素子102の経路内に配置される。ある実施形態では、センサ500を個別に制御可能な素子102(例えば、ビーム再誘導構造502がそこになかった場合に左手に示された個別に制御可能な素子102)の経路内に配置してもよい。放射経路内に配置されたセンサ500は、放射を検出し、放射の特性を測定できる。センシングを容易にするために、センサ500は、個別に制御可能な素子102に対して移動でき、及び/又は個別に制御可能な素子102をセンサ500に対して移動させることができる。
[00177] 別の例として、個別に制御可能な素子102からの放射がビーム再誘導構造502に入射するように、個別に制御可能な素子102をある位置まで移動させることができる。ビーム再誘導構造502は、フレーム160上のセンサ500へビームを誘導する。センシングを容易にするために、センサ500は、個別に制御可能な素子102に対して移動でき、及び/又は個別に制御可能な素子102をセンサ500に対して移動させることができる。この例では、個別に制御可能な素子102は、露光領域204外で測定される。
[00178] ある実施形態では、センサ500は、固定式であっても可動式であってもよい。固定式の場合、個別に制御可能な素子102は、望ましくは固定式センサ500に対して移動可能でセンシングを容易にする。例えば、アレイ200をセンサ500(例えば、フレーム160上のセンサ500)に対して移動させて(例えば、回転又は平行移動させて)センサ500によるセンシングを容易にできる。センサ500(例えば、フレーム106上のセンサ500)が可動式の場合、センシングに関して個別に制御可能な素子102を静止状態に置くことができ、又は移動させてセンシング速度を上げることができる。
[00179] センサ500を用いて個別に制御可能な素子102の1つ以上を較正できる。例えば、露光前に個別に制御可能な素子102のスポットの場所をセンサ500によって検出でき、それに従ってシステムを較正できる。次に、スポットのこの予想位置に基づいて露光を調整できる(例えば、基板114の位置が制御され、個別に制御可能な素子102の位置が制御され、個別に制御可能な素子102のOFF/ONが制御される等)。さらに、その後較正を実行できる。例えば、較正は、露光直後に、例えば、基板テーブル106の後縁部上のセンサ500を用いて実行してもよい。較正は、各々の露光の前、一定回数の露光の後などに実行してもよい。さらに、個別に制御可能な素子102のスポットの場所をセンサ500を用いて「その場で」検出でき、それに従って露光が調整される。個別に制御可能な素子102はおそらく、「その場での」センシングに基づいて再較正してもよい。
[00180] ある実施形態では、個別に制御可能な素子102の1つ以上をコーディングしてどの個別に制御可能な素子102が一定の位置にあるか又は使用中かを検出できる。ある実施形態では、個別に制御可能な素子102はマーカーを有していてもよく、センサ510は、RFID、バーコードなどのマーカーを検出するために使用できる。例えば、複数の個別に制御可能な素子102の各々をセンサ510に隣接するように移動させてマーカーを読み取ってもよい。どの個別に制御可能な素子102がセンサ510に隣接しているかの情報を用いて、どの個別に制御可能な素子102がセンサ500に隣接しているか、露光領域204内にあるかなどを知ることができる。ある実施形態では、各々の個別に制御可能な素子102を用いて異なる周波数を有する放射を提供でき、センサ500、510を用いてどの個別に制御可能な素子102がセンサ500、510に隣接しているかを検出できる。例えば、複数の個別に制御可能な素子102の各々をセンサ500、510に隣接するように移動させて個別に制御可能な素子102からの放射を受けるようにし、次に、センサ500、510は、受光した放射を分離して特定の時間にどの個別に制御可能な素子102がセンサ500、510に隣接していたかを決定できる。この情報を用いて、どの個別に制御可能な素子102がセンサ500に隣接しているか、露光領域204内にあるかなどを知ることができる。
[00181] 上記のように、ある実施形態では、位置センサを提供して最大6自由度の個別に制御可能な素子102の1つ以上の位置を決定してもよい。例えば、センサ510位置検出に用いてもよい。ある実施形態では、センサ510は干渉計を含んでいてもよい。ある実施形態では、センサ510は、1つ以上の1次元エンコーダ格子及び/又は1つ以上の2次元エンコーダ格子を検出するのに使用されるエンコーダを備えてもよい。
[00182] ある実施形態では、センサ520を提供して基板に透過された放射の特性を決定してもよい。この実施形態では、センサ520は、基板が反射した放射を捕捉する。一例では、センサ520によって捕捉された再誘導放射を用いて個別に制御可能な素子102からの放射のスポットの場所(例えば、個別に制御可能な素子102からの放射のスポットのミスアライメント)の決定を容易にすることができる。特に、センサ520は、基板の露光直後の部分、すなわち、潜像から再誘導された放射を捕捉することができる。このテイル再誘導放射の強度の測定値によってスポットが適切に整列しているか否かが示される。例えば、このテイルの反復測定によって、そこからの偏差がスポットのミスアライメントを示す反復信号が生成される(例えば、位相外れ信号はミスアライメントを示すことができる)。図16(B)は、基板114の露光された領域522に対するセンサ520の検出領域の概略位置を示す。この実施形態では、3つの検出領域が示され、その結果を比較し、及び/又は組み合わせてミスアライメントの認識を容易にできる。使用する必要があるのは、1つの検出領域、例えば、左側の検出領域だけである。ある実施形態では、個別に制御可能な素子102の検出器262をセンサ520と同様に使用できる。例えば、アレイ200の露光領域204外の1つ以上の個別に制御可能な素子102を用いて基板上の潜像から再誘導された放射を検出できる。
[00183] 図17は、リソグラフィ装置のある実施形態を示す。この実施形態では、複数の個別に制御可能な素子102が回転自在の多角形600へ向けて放射を誘導する。放射が入射する多角形600の表面604は、放射をレンズアレイ170へ向けて再誘導する。レンズアレイ170は、基板114へ向けて放射を誘導する。露光中、多角形600は、軸602を中心に回転して複数の個別に制御可能な素子102の各々が発するそれぞれのビームをレンズアレイ170を横切ってY方向に移動させる。特に、ビームは、多角形600の新しい面に放射が入射するたびに、レンズアレイ170全体を正のY方向にスキャンする。個別に制御可能な素子102は、露光中に変調されて本明細書に記載する所望のパターンを提供する。多角形は、任意の数の適当な辺を有していてもよい。さらに、個別に制御可能な素子102は、それぞれのビームがレンズアレイ170の各レンズに入射するように、回転式多角形600と歩調をとって変調される。ある実施形態では、多角形の反対側、すなわち、右側に別の複数の個別に制御可能な素子102を提供して放射を多角形600の表面606に入射させることができる。
[00184] ある実施形態では、多角形600の代わりに振動型光学素子を使用できる。振動型光学素子は、レンズアレイ170に対して一定の固定角度を有し、前後にY方向に平行移動してビームをレンズアレイ170全体にわたって前後にY方向にスキャンすることができる。ある実施形態では、多角形600の代わりに、軸602を中心に前後方向に弧を描いて回転する光学素子を使用してもよい。前後方向に弧を描いて光学素子を回転させることで、ビームをレンズアレイ170全体にわたって前後にY方向にスキャンすることができる。ある実施形態では、多角形600、振動型光学素子、及び/又は回転型光学素子は、プリズムを備える。ある実施形態では、多角形600の代わりに、音響光学変調装置を使用してもよい。音響光学変調装置を用いてレンズアレイ170全体にわたってビームをスキャンできる。ある実施形態では、レンズアレイ170を複数の個別に制御可能な素子102と多角形600、振動型光学素子、回転型光学素子、及び/又は音響光学変調装置との間の放射経路内に配置してもよい。
[00185] したがって、一般に、露光区域(例えば、基板)の幅は、露光区域の幅に分割された放射出力の幅よりも少ない放射出力で覆うことができる。ある実施形態では、これは、露光区域に対してビームの放射源を移動させるステップ又は露光区域に対して放射ビームを移動させるステップを含んでいてもよい。
[00186] 図18は、本発明のある実施形態による可動式の個別に制御可能な素子102を有するリソグラフィ装置の概略断面図を示す。図5に示すリソグラフィ装置100と同様、リソグラフィ装置100は、基板を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決めデバイス116とを含む。
[00187] リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別に制御可能な素子102をさらに含む。この実施形態では、個別に制御可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。個別に制御可能な素子102は、Y方向に延在する個別に制御可能な素子102のアレイ200内に配置される。図では1つのアレイ200しか示されていないが、リソグラフィ装置は、例えば図5に示すように、複数のアレイ200を有していてもよい。
[00188] この実施形態では、アレイ200は、その周囲に配置された複数の空間的に分離した個別に制御可能な素子102を有する回転板である。使用時に、この板は、例えば図5に示す矢印の方向に、専用の軸206を中心に回転する。アレイ200の板は、モータ216を用いて軸206を中心に回転する。さらに、アレイ200の板をモータ216によってZ方向に移動させて個別に制御可能な素子102を基板テーブル106に対して変位させてもよい。
[00189] この実施形態では、アレイ200は、熱放散の表面積を増やすための1つ以上のフィン230を有していてもよい。フィン230は、例えば、アレイ200の上面にあってもよい。任意選択として、1つ以上の別のフィン232を提供してフィン230と協働させて熱放散を容易にすることができる。例えば、フィン232は、フィン230の熱を吸収でき、図7(F)に示し、同図に関連して説明するのと同様の流体(例えば、液体)導通チャネル及びそれに関連付けられた熱交換器及び/又はポンプを含んでいてもよい。
[00190] この実施形態では、各々の個別に制御可能な素子102の前にレンズ242を配置し、個別に制御可能な素子102に対して可動式(例えば、軸Aを中心に回転自在)にしてもよい。図18では、2つのレンズ242が示され、アレイ200に取り付けられている。さらに、レンズ242を個別に制御可能な素子102に対して(例えば、Z方向に)変位可能にしてもよい。
[00191] この実施形態では、内部にアパーチャを備えたアパーチャ構造248をレンズ242とそれに関連付けられた個別に制御可能な素子102との間のレンズ242の上方に配置してもよい。アパーチャ構造248は、レンズ242、それに関連付けられた個別に制御可能な素子102、及び/又は隣接するレンズ242/個別に制御可能な素子102の回折効果を制限できる。
[00192] この実施形態では、センサ254は、1つの個別にアドレス指定可能な素子102(又はアレイ200の複数の個別にアドレス指定可能な素子102)を備えてもよい。この実施形態では、センサ254は、合焦を検出するように構成されている。合焦検出ビーム256は、基板表面から再誘導され(例えば、反射し)、レンズ242を通過して例えばハーフシルバーミラー258によって検出器262へ誘導される。ある実施形態では、合焦検出ビーム256は、たまたま基板から再誘導された露光に使用される放射であってもよい。ある実施形態では、合焦検出ビーム256は基板へ誘導される専用ビームであってもよく、基板によって再誘導されると、ビーム256になる。合焦センサの例は、図7(O)に関連して上述した。ミラー258及び検出器262をアレイ200に装着してもよい。
[00193] この実施形態では、有線又は無線通信によって個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に制御信号を供給できる。さらに、個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)からの信号をコントローラに送信できる。図18に示すように、回転軸206に沿って線404を提供することができる。ある実施形態では、線404は光線であってもよい。その場合、信号は、例えば、異なる制御信号が異なる波長で搬送できる光信号であってもよい。制御信号と同様に、有線又は無線手段によって個別に制御可能な素子102及び/又は1つ以上のその他のデバイス(例えば、センサ)に電力を供給できる。例えば、有線実施形態では、信号を搬送する線と同じか又は別の1つ以上の線404によって電力を供給できる。無線実施形態では、700に示すように、電力は、RF結合によって送達できる。
[00194] この実施形態では、リソグラフィ装置は、1つ以上の個別に制御可能な素子102によって基板の方へ透過されるか又は透過される予定の放射の特性を測定するセンサ500を含んでいてもよい。そのようなセンサは、スポットセンサ又は透過イメージセンサであってもよい。センサを用いて、例えば、個別に制御可能な素子102からの放射の強度、個別に制御可能な素子102からの放射の均一性、個別に制御可能な素子102からの放射のスポットの断面サイズ又は面積、及び/又は個別に制御可能な素子102からの放射のスポットの場所(X−Y平面内の)を決定できる。この実施形態では、センサ500はフレーム160上にあり、基板テーブル106に隣接しているか又は基板テーブル106を通してアクセス可能であってもよい。
[00195] ある実施形態では、個別に制御可能な素子102をX−Y平面内で可動とする代わりに、個別に制御可能な素子102は、基板の露光中にX−Y平面内で実質的に静止している。これは、個別に制御可能な素子102がX−Y平面内で移動できないという意味ではない。例えば、個別に制御可能な素子102は、X−Y平面内で移動してその位置を補正できる。個別に制御可能な素子102を実質的に静止させておくことの利点の1つは、個別に制御可能な素子102への電力及び/又はデータ伝送が容易になることである。別の又は代替の利点は合焦を局所的に調整して、システムの焦点深度を超え、移動する制御可能な素子のピッチよりも高い空間周波数を備えた基板の高さの差を補償する能力が改善されたことである。
[00196] この実施形態では、制御可能な素子102は実質的に静止しているが、個別に制御可能な素子102に対して移動する少なくとも1つの光学素子がある。X−Y平面内で実質的に静止している個別に制御可能な素子102及びそれに対して移動可能な光学素子の様々な構成を以下に説明する。
[00197] 以下の説明では、「レンズ」という用語は、一般に、状況が許せば、基準のレンズと同じ機能を提供する任意の屈折、反射、及び/又は回折光学素子などのような、屈折、反射、磁気、電磁及び静電型光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを含むと理解すべきである。例えば、結像レンズを、光学的パワーを有する従来の屈折レンズの形態で、光学的パワーを有するシュワルツシルト型反射システムの形態で、及び/又は光学的パワーを有するゾーンプレートの形態で具体化できる。さらに、結果として得られる効果が基板上に収束ビームを生成することであるなら、結像レンズは非結像光学系を含んでいてもよい。
[00198] さらに、以下の説明で、ミラーアレイ変調装置のミラー又は複数の放射源などの複数の個別に制御可能な素子102について言及する。しかし、この説明は、より一般的に複数のビームを出力するように構成された変調装置を指すものと考えるべきである。例えば、変調装置は、放射源から提供されたビームから複数のビームを出力する音響光学変調装置であってもよい。
[00199] 図19は、本発明の一態様による、X−Y平面内で実質的に静止した複数の個別に制御可能な素子102(例えば、レーザダイオード)とそれに対して移動可能な光学素子242とを有するリソグラフィ装置の一部の概略平面図を示す。この実施形態では、複数の個別に制御可能な素子102がフレームに取り付けられ、X−Y平面内で実質的に静止し、複数の結像レンズ242がそれらの個別に制御可能な素子102に対して実質的にX−Y平面内で移動し(図19のホイール801の回転表示によって示すように)、基板は方向803に移動する。ある実施形態では、結像レンズ242は、軸を中心に回転することで個別に制御可能な素子102に対して移動する。ある実施形態では、結像レンズ242は、軸を中心に回転する(例えば、図19に示す方向に)構造上に装着され、円形に配置されている(例えば、図19に部分的に示すように)。
[00200] 個別に制御可能な素子102の各々は、可動式結像レンズ242にコリメートされたビームを提供する。ある実施形態では、個別に制御可能な素子102は、コリメートされたビームを提供する1つ以上のコリメートレンズに関連付けられている。ある実施形態では、コリメートレンズはX−Y平面内で実質的に静止し、個別に制御可能な素子102が取り付けられたフレームに取り付けられている。
[00201] この実施形態では、コリメートされたビームの断面の幅は、結像レンズ242の断面の幅よりも小さい。したがって、コリメートされたビームが結像レンズ242の光学的透過部分内に完全に収まると直ちに、個別に制御可能な素子102(例えば、レーザダイオード)をオンできる。ビームが像レンズ242の光学的透過部分の外に移動すると、個別に制御可能な素子102(例えば、レーザダイオード)をオフできる。したがって、ある実施形態では、個別に制御可能な素子102からのビームは、任意の1つの時間に単一の結像レンズ242を通過する。その結果としての個別に制御可能な素子102からのビームの結像レンズ242の横断によって、オンされた各々の個別に制御可能な素子102から基板上に関連付けられた結像線800が生成される。図19に、図19の個別に制御可能な素子102の3つの例に関連して3本の結像線800が示されている。しかし、図19のその他の個別に制御可能な素子102が基板上に関連付けられた結像線800を生成できることは明らかである。
[00202] 図19のレイアウトでは、結像レンズ242のピッチは、1.5mm、個別に制御可能な素子102の各々からのビームの断面幅(例えば、直径)は、0.5mmよりわずかに小さい。この構成によって、各々の個別に制御可能な素子102を用いて、長さが約1mmの線を書き込むことができる。したがって、ビーム径が0.5mmで結像レンズ242の直径が1.5mmのこの構成では、デューティサイクルは67%に達する。結像レンズ242に対する個別に制御可能な素子102の適当な位置決めによって、基板の幅全体を完全に覆うことができる。したがって、例えば、標準の5.6mm径のレーザダイオードだけを使用する場合、図19に示すレーザダイオードのいくつかの同心円のリングを用いて基板の幅全体を完全に覆うことができる。したがって、この実施形態では、個別に制御可能な素子102の固定アレイを用いる場合、あるいはおそらく本明細書に記載する可動式の個別に制御可能な素子102を用いる場合よりも使用する個別に制御可能な素子102(例えば、レーザダイオード)の数は少なくて済む。
[00203] この実施形態では、各々の個別に制御可能な素子102はすべての可動式結像レンズ242によって結像されるため、結像レンズ242の各々は同一でなければならない。この実施形態では、よりNAが大きい、例えば、0.3より大きい、0.18より大きい、又は0.15より大きいレンズが必要であるが、すべての結像レンズ242が視野を結像する必要はない。この単一素子の光学系によって、回折が制限された結像が可能である。
[00204] 基板上のビームの焦点は、コリメートされたビームがレンズのどこに入射するかにかかわらず結像レンズ242の光軸に固定されている(例えば、図19のリソグラフィ装置の一部の概略3次元図である図20を参照)。この構成の欠点は、結像レンズ242から基板へ向けたビームがテレセントリックでなく、その結果、合焦エラーが発生してオーバレイエラーを引き起こす可能性があるということである。
[00205] この実施形態では、X−Y平面内を移動しない素子を用いて合焦を調整する(例えば、個別に制御可能な素子102に)ことによって口径食が発生することがある。したがって、合焦の所望の調整は、可動式結像レンズ242内に行うべきである。そのため、可動式結像レンズ242よりも周波数が高いアクチュエータが必要になる場合がある。
[00206] 図21は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部と、個別に制御可能な素子に対する結像レンズ242のセットの3つの異なる回転位置とを示す概略側面レイアウトを示す。この実施形態では、図19及び図20のリソグラフィ装置は、結像レンズ242に個別に制御可能な素子102からのコリメートされたビームを受光する2つのレンズ802、804を持たせることで拡張されている。図19と同様、結像レンズ242は、X−Y平面内で個別に制御可能な素子102に対して移動する(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転する)。この実施形態では、個別に制御可能な素子102からのビームはレンズ806によってコリメートされた後で結像レンズ242に達するが、ある実施形態では、そのようなレンズを提供する必要はない。レンズ806は、X−Y平面内に実質的に静止している。
[00207] 2つのレンズ802、804は、個別に制御可能な素子102から基板への光路内に配置されて基板へ向かうビームをテレセントリックにする。個別に制御可能な素子102とレンズ804との間のレンズ802は、焦点距離が実質的に等しい2つのレンズ802A、802Bを含む。個別に制御可能な素子102からのコリメートされたビームは、2つのレンズ802A、802Bの間で合焦し、レンズレンズ802Bが結像レンズ804へ向かうビームをコリメートする。結像レンズ804は、基板上にビームを結像する。
[00208] この実施形態では、レンズ802は、X−Y平面内で一定速度で(例えば、一定の毎分回転数(RPM)で)個別に制御可能な素子102に対して移動する。したがって、この実施形態では、レンズ802からの出射コリメートされたビームは、結像レンズ804の移動速度が結像レンズ802と同じであったと仮定すると、X−Y平面内で移動する結像レンズ804の2倍の速度を有するであろう。したがって、この実施形態では、結像レンズ804は、個別に制御可能な素子102に対してレンズ802の速度と異なる速度で移動する。特に、ビームが基板上でテレセントリックに合焦するように、結像レンズ804は、レンズ802の速度の2倍の速度で(例えば、レンズ802のRPMの2倍の速度で)X−Y平面内を移動する。レンズ802からの出射コリメートされたビームの結像レンズ804へのアライメントの概略を図21の3つの位置の例で示す。さらに、基板上への実際の書き込みは図19の例の2倍の速度で実行されるため、個別に制御可能な素子102の電力も2倍にしなければならない。
[00209] この実施形態では、X−Y平面内を移動しない素子を用いて合焦を調整する(例えば、個別に制御可能な素子102に)ことによって口径食が発生することがある。したがって、合焦の所望の調整は、可動式結像レンズ242内に行うべきである。
[00210] さらに、この実施形態では、すべての結像レンズ242が視野を結像する必要はない。この単一素子の光学系を用いて、回折が制限された結像が可能である。65%のデューティサイクルが可能である。ある実施形態では、レンズ806、802A、802B及び804は、2つの非球面及び/又は2つの球面レンズを含んでいてもよい。
[00211] ある実施形態では、約380個の個別に制御可能な素子102(例えば、標準のレーザダイオード)を使用できる。ある実施形態では、約1400個の結像レンズ242のセットを使用できる。標準のレーザダイオードを使用するある実施形態では、約4200個の結像レンズ242のセットを使用でき、それらをホイール上の6つの同心円の環状に配置できる。ある実施形態では、結像レンズの回転ホイールは、約12,000RPMで回転する。
[00212] 図22は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部と、個別に制御可能な素子に対する結像レンズ242のセットの3つの異なる回転位置とを示す概略側面レイアウトを示す。この実施形態では、図22に示すように、図21に関連して説明したように異なる速度でレンズを移動させることを回避するため、結像レンズ242を移動させるためのいわゆる4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムを使用できる。可動式結像レンズ242は、X−Y平面内で実質的に同じ速度で移動し(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転し)、入力としてテレセントリックビームを受光し、テレセントリック結像ビームを基板へ出力する2つの結像レンズ808、810を含む。倍率が1のこの構成では、基板上の画像は、可動式結像レンズ242の2倍の速度で移動する。基板はX方向に移動する。この構成では、光学系は、比較的大きいNA、例えば、0.3より大きい、0.18より大きい、又は0.15より大きいNAで視野を結像する必要がある。この構成は、2つの単一素子の光学系では不可能な場合がある。回折が制限された結像を得るには、極めて正確なアライメント許容差を備えた6つ以上の素子が必要である。約65%のデューティサイクルが可能である。この実施形態では、可動式結像レンズ242に沿って、又はそれと連携して移動しない素子を用いて局所的に合焦することも比較的容易である。
[00213] 図23は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部と、個別に制御可能な素子に対する結像レンズ242のセットの5つの異なる回転位置とを示す概略側面レイアウトを示す。この実施形態では、図21に関連して説明したように異なる速度でレンズを移動させることを回避し、図22に関連して記述したように光学系に視野の結像をさせないために、X−Y平面内で実質的に静止したレンズの組合せを可動式結像レンズ242と組み合わせる。図23を参照すると、X−Y平面内で実質的に静止した個別に制御可能な素子102が提供される。X−Y平面内で実質的に静止した任意選択としてのコリメートレンズ806が提供され、個別に制御可能な素子102からのビームがコリメートされ、コリメートされたビーム(例えば、断面幅(例えば、直径)が0.5mmの)がレンズ812に提供される。
[00214] レンズ812も、X−Y平面内で実質的に静止し、可動式結像レンズ242の視野レンズ814(例えば、断面幅(例えば、直径)が1.5mmの)にコリメートされたビームを合焦させる。レンズ814は、比較的大きい焦点距離(例えば、f=20mm)を有する。
[00215] 可動式結像レンズ242の視野レンズ814は、個別に制御可能な素子102に対して移動する(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転する)。視野レンズ814は、ビームを可動式結像レンズ242の結像レンズ818へ誘導する。視野レンズ814同様、結像レンズ818は、個別に制御可能な素子102に対して移動する(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転する)。この実施形態では、視野レンズ814は、結像レンズ818と実質的に同じ速度で移動する。視野レンズ814と結像レンズ818とのペアが互いに整列する。基板はX方向に移動する。
[00216] 視野レンズ814と結像レンズ818との間にレンズ816がある。レンズ816はX−Y平面内に実質的に静止し、視野レンズ814から結像レンズ818へのビームをコリメートする。レンズ816は、比較的大きい焦点距離(例えば、f=20mm)を有する。
[00217] この実施形態では、視野レンズ814の光軸は、対応する結像レンズ816の光軸と一致しなければならない。視野レンズ814は、ビームが折り畳まれてレンズ816によってコリメートされたビームの主光線が結像レンズ818の光軸に一致するように設計されている。こうして基板へ向かうビームはテレセントリックである。
[00218] レンズ812及び816は、大きいf数のために簡単な球面レンズである。視野レンズ814は画像品質に影響してはならず、球面レンズであってもよい。この実施形態では、コリメートレンズ806と結像レンズ818は、視野を結像する必要がないレンズである。この単一素子の光学系を用いて、回折が制限された結像が可能である。約65%のデューティサイクルが可能である。
[00219] 可動式結像レンズ242が回転自在であるある実施形態では、レンズの少なくとも2つの同心円のリングと個別に制御可能な素子102が提供されて基板の幅全体を覆う。ある実施形態では、これらのリング上の個別に制御可能な素子102は、1.5mmのピッチで配置されている。直径が5.6mmの標準のレーザダイオードを使用する場合、基板の幅全体を覆うには少なくとも6つの同心円のリングが必要である。図24及び図25は、これらの構成による個別に制御可能な素子102の同心円のリングの構成を示す。その結果、ある実施形態では、X−Y平面内で静止した対応するレンズを備えた約380個の個別に制御可能な素子102が配置される。可動式の結像レンズ242は、700×6個のリング=4200セットのレンズ814、818に達する。この構成によって、各々の個別に制御可能な素子102を用いて、長さが約1mmの線を書き込むことができる。ある実施形態では、約1400個の結像レンズ242のセットを使用できる。ある実施形態では、レンズ812、814、816及び818は、4つの非球面レンズを含んでいてもよい。
[00220] この実施形態では、X−Y平面内で移動しない素子を用いて合焦を調整する(例えば、個別に制御可能な素子102に)ことによってテレセントリシティが失われ、口径食が発生することがある。したがって、合焦の所望の調整は、可動式結像レンズ242内に行うべきである。そのため、可動式結像レンズ242よりも周波数が高いアクチュエータが必要になる場合がある。
[00221] 図26は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部を示す概略側面レイアウトを示す。この実施形態では、光デロテータを用いてX−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子102を可動式結像レンズ242に接続する。
[00222] この実施形態では、個別に制御可能な素子102と光学コリメートレンズがリング状に配置される。2つのパラボラミラー820、822が個別に制御可能な素子102からのコリメートされたビームのリングをデロテータ824にとって許容範囲の直径に低減する。図26では、デロテータ824としてペシャンプリズムが使用される。デロテータが結像レンズ242の速度の半分の速度で回転する場合、各々の個別に制御可能な素子102は、それぞれの結像レンズ242に対して実質的に静止しているように見える。2つの別のパラボラミラー826、828がデロテータ824からのデロテートされたビームのリングを可動式結像レンズ242にとって許容範囲の直径に拡張する。基板はX方向に移動する。
[00223] この実施形態では、各々の個別に制御可能な素子102は、結像レンズ242と組み合わされる。したがって、個別に制御可能な素子102を同心円のリング上に装着できず、基板の幅全体を完全に多くことができない場合がある。約33%のデューティサイクルが可能である。この実施形態では、結像レンズ242は、視野を結像する必要がないレンズである。
[00224] 図27は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部を示す概略側面レイアウトを示す。この実施形態では、結像レンズ242は、X−Y平面内に延在する方向を中心に回転するように構成されている(例えば、例えば、図19〜図26に関連して述べた回転ホイールではなく回転ドラムである)。図27を参照すると、可動式結像レンズ242は、例えば、Y方向を中心に回転するように構成されたドラム上に配置される。可動式結像レンズ242は、ドラムの回転軸と可動式結像レンズ242との間にY方向に1列に延在する個別に制御可能な素子102からの放射を受光する。原則として、そのようなドラムの可動式結像レンズ242によって書き込まれる線は、基板のスキャン方向831に平行である。したがって、結像された線が基板のスキャン方向に対して垂直になるようにドラムの可動式結像レンズ242によって90°だけ線を回転するように、デロテータ830は、45°の角度をもって装着されている。基板はX方向に移動する。
[00225] 基板上のストライプの各々について、可動式結像レンズ242の円がドラム上に必要である。そのような1つの円が基板上に3mm幅のストライプを書き込むことができ、基板の幅が300mmである場合、700(ドラムの外周の光学系)×100=70000個の光アセンブリがドラム上に必要である。ドラム上に円筒形の光学系を使用する場合、その個数は少なくてもよい。さらに、この実施形態の結像光学系はある種の視野を結像する必要があり、それがこの光学系をより複雑にしている。約95%のデューティサイクルが可能である。この実施形態の利点は、結像されたストライプが実質的に同じ長さで実質的に平行で直線的であるということである。この実施形態では、可動式結像レンズ242に沿って、又はそれと連携して移動しない素子を用いて局所的に合焦することが比較的容易である。
[00226] 図28は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有するリソグラフィ装置の一部と、個別に制御可能な素子に対する結像レンズ242のセットの5つの異なる回転位置とを示す概略側面レイアウトを示す。
[00227] 図28を参照すると、X−Y平面内で実質的に静止した個別に制御可能な素子102が提供される。可動式結像レンズ242は複数のレンズセットを含み、各々のレンズセットは、視野レンズ814と結像レンズ818とを含む。基板はX方向に移動する。
[00228] 可動式結像レンズ242の視野レンズ814(例えば、球面レンズ)は、個別に制御可能な素子102に対して方向815に移動する(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転する)。視野レンズ814は、ビームを可動式結像レンズ242の結像レンズ818(例えば、二重非球面レンズなどの非球面レンズ)へ誘導する。視野レンズ814同様、結像レンズ818は、個別に制御可能な素子102に対して移動する(例えば、結像レンズ242が少なくとも部分的に円形に配置された軸を中心に回転する)。この実施形態では、視野レンズ814は、結像レンズ818と実質的に同じ速度で移動する。
[00229] 視野レンズ814の焦点面は、ロケーション815で結像レンズ818の後部焦点面と一致してテレセントリックイン/テレセントリックアウトシステムを構成する。図23の構成とは逆に、結像レンズ818は、ある種の視野を結像する。視野レンズ814の焦点距離は、結像レンズ818の視野のサイズが2〜3度の半角より小さくなるような値である。この場合、単一素子の光学系(例えば、二重非球面単一素子)を用いて、回折が制限された結像が依然として可能である。視野レンズ814は、個別の視野レンズ814の間にスペースを空けずに装着されるように構成されている。この場合、個別に制御可能な素子102のデューティサイクルは、約95%であってもよい。
[00230] 結像レンズ818の焦点距離は、基板のNAが0.2の場合、これらのレンズが視野レンズ814の直径以下であるような値である。結像レンズ818の焦点距離が視野レンズ814の直径に等しい場合、結像レンズ818の直径は、結像レンズ818を装着するのに十分なスペースを確保できる。
[00231] 視野角のために、視野レンズ814のピッチよりもわずかに大きい線を書き込むことができる。これによって、結像レンズ818の焦点距離に応じて、基板上の隣接する個別に制御可能な素子102の結像された線が重なり合う。したがって、個別に制御可能な素子102をリング上の結像レンズ242上に装着することができる。
[00232] 図29は、図28のリソグラフィ装置の一部の概略3次元図を示す。この図では、5つの個別に制御可能な素子102が5つのそれに関連付けられた可動式結像レンズ242のセットと共に示されている。別の個別に制御可能な素子102とそれに関連付けられた可動式結像レンズ242のセットとを提供できることは明らかである。基板は、矢印829で示すようにX方向に移動する。ある実施形態では、視野レンズ814は、その間にスペースを空けずに配置される。瞳面は817にある。
[00233] 比較的小さい二重の非球面結像レンズ818を回避し、可動式結像レンズ242の光学系の量を低減し、個別に制御可能な素子102として標準のレーザダイオードを使用するために、この実施形態では、可動式結像レンズ242の単一のレンズセットで複数の個別に制御可能な素子102を結像することができる。個別に制御可能な素子102が各可動式結像レンズ242の視野レンズ814上にテレセントリックに結像される限り、それに対応する結像レンズ818は、個別に制御可能な素子102からのビームを基板上にテレセントリックに再結像する。例えば、8つの線を同時に書き込む場合、視野レンズ814の直径と結像レンズ818の焦点距離を同じスループットを保ちながら8倍に増やし、一方で可動式結像レンズ242の量を8分の1に低減することができる。さらに、X−Y平面内で実質的に静止した光学系を低減できる。これは、視野レンズ814上の個別に制御可能な素子102を結像するのに必要な光学系の一部を共通化できるためである。単一の可動式結像レンズ242のセットによって8つの線を同時に書き込むそのような構成を、結像レンズ242のセットの回転軸821及び回転軸821からの結像レンズ242のセットの半径823と共に、図30に概略的に示す。ピッチを1.5mmから12mmに変更した(単一の可動式結像レンズ242のセットによって8つの線を同時に書き込む時に)ことで、個別に制御可能な素子102として標準のレーザダイオードを装着するのに十分なスペースが確保できる。ある実施形態では、224個の個別に制御可能な素子102(例えば、標準のレーザダイオード)を使用できる。ある実施形態では、120個の結像レンズ242のセットを使用できる。ある実施形態では、28個の実質的に静止した光学系のセットを224個の個別に制御可能な素子102と併用できる。
[00234] この実施形態では、可動式結像レンズ242に沿って、又はそれと連携して移動しない素子を用いて局所的に合焦することも比較的容易である。視野レンズ814上の個別に制御可能な素子102のテレセントリックな画像が光軸に沿って移動し、テレセントリックである限り、基板上の画像の合焦が変化するだけで、画像はテレセントリックなままである。図31は、図28及び図29の構成の可動式の屋根によって合焦を制御する概略構成を示す。屋根(例えば、プリズム又はミラーセット)834を有する2つの折り畳み式ミラー832が視野レンズ814の前の個別に制御可能な素子102からのテレセントリックなビーム内に配置される。屋根834を方向833に折り畳み式ミラー832から遠ざけ又は近づけることで、画像は光軸に沿って、したがって、基板に対して移動する。軸方向の焦点の変化はF/数値の二次率に等しいため、光軸に沿った倍率が大きいので、基板でのF/2.5ビームによる25μmの脱焦によって視野レンズ814でのf/37.5ビームによる5.625mm(37.5/2.5)2の移動が生じる。これは、834をその半分だけ移動させなくてはならないということを意味する。
[00235] 図32は、本発明のある実施形態による、X−Y平面内に実質的に静止した個別に制御可能な素子とそれに対して移動可能な光学素子とを有する本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置の概略断面図を示す。図32は図23と同様の構成を示すが、図19〜図22及び/又は図24〜図31の実施形態のいずれかにふさわしいように修正可能である。
[00236] 図32を参照すると、リソグラフィ装置100は、基板を保持する基板テーブル106と、基板テーブル106を最大6自由度で移動させる位置決めデバイス116とを備える。
[00237] リソグラフィ装置100は、フレーム160上に配置された複数の個別に制御可能な素子102をさらに含む。この実施形態では、個別に制御可能な素子102の各々は、放射発光ダイオード、例えば、青紫色レーザダイオードである。個別に制御可能な素子102は、フレーム838上に配置され、Y方向に延在する。図では1つのフレーム838が示されているが、リソグラフィ装置は、例えば図5に示すように、アレイ200に示すと同様に複数のフレーム838を有していてもよい。フレーム838上には、レンズ812と816とがさらに配置されている。フレーム838、したがって、個別に制御可能な素子102及びレンズ812と816は、X−Y平面内で実質的に静止している。フレーム838、個別に制御可能な素子102及びレンズ812及び816は、アクチュエータ836によってZ方向に移動させることができる。
[00238] この実施形態では、回転自在のフレーム840が提供される。フレーム840上には、視野レンズ814と結像レンズ818とが配置され、ここで視野レンズ814と結像レンズ818との組合せが可動式結像レンズ242を形成する。使用時に、この板は、例えば図5に示す矢印の方向に、アレイ200に対して専用の軸206を中心に回転する。フレーム840は、モータ216を用いて軸206を中心に回転する。さらに、フレーム840をモータ216によってZ方向に移動させて可動式結像レンズ242を基板テーブル106に対して変位させてもよい。
[00239] この実施形態では、内部にアパーチャを有するアパーチャ構造248をレンズ812とそれに関連付けられた個別に制御可能な素子102との間のレンズ812の上方に配置してもよい。アパーチャ構造248は、レンズ812、それに関連付けられた個別に制御可能な素子102、及び/又は隣接するレンズ812/個別に制御可能な素子102の回折効果を制限できる。
[00240] ある実施形態では、リソグラフィ装置100は、光学素子、例えば、レンズを備える1つ以上の可動式の板890(例えば、回転自在の板、例えば、回転自在の円板)を備える。図32の実施形態では、視野レンズ814を有する板890と結像レンズ818を有する板890が示されている。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、使用時に回転するいかなる反射型光学素子も含まない。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、使用時に回転する個別に制御可能な素子102のいずれか又はすべてからの放射を受光するいかなる反射型光学素子も含まない。ある実施形態では、1つ以上の(例えば、すべての)板890が実質的に平坦である、例えば、板の1つ以上の表面の上部又は下部に突き出した光学素子(又は光学素子の一部)を有さない。これは、例えば、板890が十分に厚いことを確保する(すなわち、少なくとも光学素子の高さよりも厚く光学素子が突き出さないように光学素子を位置決めする)ことで、又は板890(図示せず)上に平坦な板カバーを提供することで達成できる。板の1つ以上の表面が実質的に平坦であることを確保することで、例えば、装置の使用時の雑音の低減を助けることができる。
[00241] 図33は、リソグラフィ装置の一部の側断面図を概略的に示す。ある実施形態では、リソグラフィ装置は、以下に詳述するように、X−Y平面で実質的に静止した個別に制御可能な要素を有するが、これはそうでなくてもよい。リソグラフィ装置900は、基板を保持する基板支持体902と、最大6自由度で基板支持体902を移動させる位置決めデバイス904とを備える。基板は、レジストコート基板(例えば、シリコンウェーハ又はガラス板)又はフレキシブル基板(例えば、フォイル)であってもよい。
[00242] リソグラフィ装置900は、複数のビームを発光するように構成された個別に制御可能な複数の自発光型コントラストデバイス906をさらに備える。ある実施形態では、自発光型コントラストデバイス906は、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、ポリマーLED(PLED)、又はレーザダイオード(例えば、固体レーザダイオード)などの放射発光ダイオードである。ある実施形態では、個別に制御可能な要素906は、青紫レーザダイオード(例えば、サンヨーモデルNo.DL−3146−151)である。そのようなダイオードは、サンヨー、日亜、オスラム、及びナイトライドなどの会社から供給されてもよい。ある実施形態では、ダイオードは、約365nm又は約405nmの波長を有する放射線を発光する。ある実施形態では、ダイオードは、0.5〜200mWの範囲から選択される出力電力を提供できる。ある実施形態では、レーザダイオード(ネイキッドダイ)のサイズは、100〜800μmの範囲から選択される。ある実施形態では、レーザダイオードは、1〜5μm2の範囲から選択される発光区域を有する。ある実施形態では、レーザダイオードは、7〜44度の範囲から選択される発散角を有する。ある実施形態では、ダイオードは、約6.4×108W/(m2.sr)以上の総輝度を提供する構成(例えば、発光区域、発散角、出力電力など)を有する。
[00243] 自発光型コントラストデバイス906はフレーム908上に配置され、Y方向及び/又はX方向に沿って延在できる。1つのフレーム908が図示されているが、リソグラフィ装置は複数のフレーム908を有してもよい。フレーム908上にはレンズ920が配置されている。フレーム908、したがって、自発光型コントラストデバイス906及びレンズ920は、X−Y平面で実質的に静止している。フレーム908、自発光型コントラストデバイス906及びレンズ920は、アクチュエータ910によってZ方向に移動可能である。代替的に又は追加的に、レンズ920は、この特殊レンズ920に対してアクチュエータによってZ方向に移動可能であってもよい。任意選択として、各レンズ920は、アクチュエータを備えてもよい。
[00244] 自発光型コントラストデバイス906はビームを発光するように構成でき、投影システム920、924及び930は基板のターゲット部分上にビームを投影するように構成してもよい。自発光型コントラストデバイス906及び投影システムは、光学カラムを形成する。リソグラフィ装置900は、光学カラム又はその一部を基板に対して移動させるアクチュエータ(例えば、モータ918)を備えてもよい。フィールドレンズ924と結像レンズ930を装着したフレーム912は、アクチュエータを中心に回転自在であってもよい。フィールドレンズ924と結像レンズ930との組合せは、可動光学部品914を形成する。使用時に、フレーム912は、例えば、図34に矢印で示す方向にそれ自身の軸916を中心に回転する。フレーム912は、アクチュエータ、例えば、モータ918を用いて軸916周りに回転する。さらに、フレーム912は、可動光学部品914が基板支持体902に対して変位できるようにZ方向に移動できてもよい。
[00245] 内部にアパーチャを有するアパーチャ構造922をレンズ920と自発光型コントラストデバイス906の間のレンズ920上方に配置してもよい。アパーチャ構造922は、レンズ920、自発光型コントラストデバイス906、及び/又は隣接するレンズ920/自発光型コントラストデバイス906の回折効果を制限することができる。図33では、2つの光学カラムがリソグラフィ装置の反対の側に図示されている。実際、リソグラフィ装置は、例えば、リソグラフィ装置の周囲などに分散した3つ以上の光学カラムを備えてもよい。各光学カラムは、1つ以上の自発光型コントラストデバイス906と、投影システム920の固定部分とを含む。レンズ924、930を含む光学カラムの回転自在部分を、例えばフレーム912の回転時に複数の光学カラムに対して使用できる。
[00246] 図示の装置は、フレーム912を回転させ、同時に光学カラムの下の基板支持体902上で基板を移動させることで使用できる。自発光型コントラストデバイス906は、レンズが互いに実質的に整列しているときにレンズ920、924、及び930を通してビームを発光することができる。レンズ924、及び930を動かすことで、基板上のビームの像が基板の一部にわたってスキャンされる。同時に光学カラムの下の基板テーブル902上で基板を移動させることで、自発光型コントラストデバイス906の像が照射される基板の部分も移動する。コントローラの制御下で高速で自発光型コントラストデバイス906の「オン」と「オフ」とを切り替える(例えば、「オフ」時には出力を有さず、又はしきい値を超えない出力を有し、「オン」時にはしきい値を超える出力を有する)し、光学カラム又はその一部の回転を制御し、自発光型コントラストデバイス906の強度を制御し、基板の速度を制御することで、所望のパターンを基板上のレジスト層に結像できる。
[00247] 図34は、自発光型コントラストデバイス906を有する図33のリソグラフィ装置の概略平面図を示す。図33に示すリソグラフィ装置900と同様に、リソグラフィ装置900は、基板928を保持する基板支持体902と、基板支持体902を最大6自由度で移動させる位置決めデバイス904と、自発光型コントラストデバイス906と基板928との間のアライメントを判定し、基板928が自発光型コントラストデバイス906の投影と同水準であるか否かを判定するアライメント/レベルセンサ932とを備える。図示のように、基板928は矩形形状を有するが、円形形状の基板も処理できる。
[00248] 自発光型コントラストデバイス906は、フレーム926上に配置される。自発光型コントラストデバイス906は、例えば、青紫レーザダイオード、レーザダイオードなどの放射発光ダイオードであってもよい。図34に示すように、コントラストデバイス906は、1つ以上のコントラストデバイス906が各光学カラムに関連付けられたX−Y平面に延在するアレイとして配置してもよい。アレイは細長い線であってもよい。ある実施形態では、アレイは、自発光型コントラストデバイス906の一次元アレイであってもよい。ある実施形態では、アレイは、自発光型コントラストデバイス906の二次元アレイであってもよい。図34に示すように、コントラストデバイス906は、4つのリソグラフィホイールにわたって分割されてもよい。各リソグラフィホイールは、静止したフレーム908と回転自在のフレーム912上に装着された幾つかの光学カラムを含む。リソグラフィホイール内では、光学カラムは、レンズ924、930などの回転自在のフレーム912上に装着された光学カラムの一部を共有してもよい。すなわち、フレームが回転すると、その後、リソグラフィホイールの異なる光学カラムによってレンズ924、930が使用される。
[00249] それぞれの矢印で示す方向に回転する回転自在のフレーム912を提供できる。回転自在のフレームは、自発光型コントラストデバイス906の各々の像を提供するレンズ924、930(図33に示す)を備えてもよい。本願では、「径方向の」及び「正接の」という用語は、回転自在のフレーム912とその縦方向の軸916に関連して使用される。装置は、回転自在のフレーム912を回転させるアクチュエータを備え、それと共に、レンズ924、930を含む光学カラムの回転部分を備えてもよい。
[00250] リソグラフィ装置は、例えば、フラットパネルディスプレイ又はチップが製造される生産プロセスの一部である。生産プロセスを合理化するために、リソグラフィ装置の生産時間、すなわち、基板の全表面にパターンを作成する時間が最適化されることが望ましい。多くの生産プロセスでは、生産プロセスの単一のステージの生産時間は、例えば、60秒といった期間に制限されている。この期間内に、所望の解像度を備えたパターンを基板全体に提供しなければならない。
[00251] パターンの作成中、基板は、望ましくはスキャン方向に実質的に一定のスキャン速度Vscanで移動する。基板を実質的に一定の速度で移動させるには、基板を加速及び減速する必要がある。加速及び減速にかかる時間を最小限にするため、基板は基板の単一のスキャン運動でパターンを作成するビームに露光されることが望ましい。
[00252] したがって、基板は、スキャン方向に垂直の方向に、各々が幾つかの自発光型コントラストデバイス906と投影システム920の静止部分とを備える専用の光学カラムに各々関連付けられた幾つかのストリップ934に分割できる。レンズ924、930を含む光学カラムの回転自在部分を回転自在のフレーム912によって覆われた他のストリップ934に対して使用できる。各ストリップは、スキャン方向に幾つかの隣接し部分的に重なるターゲット部分936に分割される。基板のスキャン運動中、単一のストリップ934のターゲット部分936は、その後関連付けられた光学カラムの自発光型コントラストデバイス906のビームに露光される。望ましくは、スキャン方向に垂直の方向のすべてのストリップに光学カラムを提供し、単一のスキャンで基板上にパターンを作成することができる。
[00253] 図35は、基板928に投影された、又は投影される予定の幾つかのターゲット部分936を概略的に示す。回転自在のフレーム912の周縁が概略的に示されている。スキャン速度Vscanで示すスキャン方向に垂直の方向に、基板は、各々が光学カラム又は少なくともその静止部分に関連付けられた幾つかのストリップ934に分割される。これらのストリップ934上に、幾つかのターゲット部分936が示されている。ターゲット部分936は、隣接するストリップ934の隣接するターゲット部分との重畳部938と、同じストリップ934内の隣接するターゲット部分936との重畳部940とを有する。この重畳部は、基板表面全体にわたって信頼できるパターンを得るために必要である。
[00254] レンズ924、930を含む各光学カラムの投影システムの一部が回転自在のフレーム912上に装着されている。実際、回転自在のフレーム912の周縁にわたって複数のレンズ924、930が分割され、周縁上の隣接するレンズ924、930は望ましくは互いに近い位置にある。投影中、回転自在のフレーム912は回転し、各ターゲット部分について、パターンの投影のために異なるレンズセット924、930が使用される。したがって、各ストリップ934は、特に1つ以上の自発光型コントラストデバイス906と静止フレーム926上に装着された投影システムの部分とに関連付けられている。一方、レンズ924、930は、それぞれの回転自在のフレーム912に関連付けられた異なるターゲット部分936上のパターンの投影中に、より多くの、望ましくはすべての自発光型コントラストデバイス906によって使用される。
[00255] 単一のスキャン運動に必要な時間は露光時間Texpと呼ばれる。基板は、長さLsubと、幅とを有する。基板長がスキャン方向と同じ方向にあるように基板がリソグラフィ装置内に配置されていると仮定すると、基板の露光時間Texpは少なくとも基板長Lsubをスキャン速度Vscanで除した値である。
[00256] しかし、スキャン方向(図34を参照)の同じ位置のすべての光学カラムを配置する必要はないため、基板がスキャン方向に第1の光学カラムから最後の光学カラムへ移動するのに必要な余分な時間がある。この距離をピッチ長Lpitch(図34を参照)と呼ぶ。露光時間Texpは、実質的に、基板長Lsubの総計プラスピッチ長Lpitchをスキャン速度Vscanで除した値に対応する。したがって、
[00257] ターゲット部分936上のビームの露光に必要な時間は、スキャン方向のターゲット部分の高さHtpをスキャン速度Vscanで除した値に等しい。この時間の間、ビームは、ターゲット部分の幅Wtpにわたってレンズ924、930の位置で回転速度Vwheelで走る。この回転速度は、回転自在のフレーム912上のレンズ924、930の半径Rwheelをpiの2倍に乗算した値、すなわち、光学カラムの中心軸の半径をホイールの回転周波数ωwheelで乗算した値によって決定される。
[00258] スキャン方向の隣接するターゲット部分の相対的な重畳が大きすぎないように、光学カラム当たり複数の自発光型コントラストデバイスを有することが望ましい。同時に、カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数は、実際には、増加する光学カラム内の自発光型コントラストデバイスのために必要なレンズシステムのサイズと複雑さとによって制限されている。
[00259] ターゲット部分の高さHtpは、主として光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイス906の数と、光学カラム内の自発光型コントラストデバイスの間の径方向のピッチと、画像平面の外側の自発光型コントラストデバイスのスポット幅とによって決定される。
[00260] 基板上の投影平面の径方向のピッチLradpitchは、リソグラフィ装置の投影解像度の50%〜95%の範囲、70%〜90%の範囲、又は75%〜85%の範囲から選択される。以前のリソグラフィシステムでは、径方向のピッチは投影解像度に実質的に等しいように選択されなければならないと考えられていた。予想外であるが、上記範囲内の光学カラムの自発光型コントラストデバイスの間の径方向のピッチは結果として得られる品質に大きい影響を与える。上記の範囲内の径方向のピッチによって、所望の解像度がより確実に入手できる。
[00261] リソグラフィ装置の投影解像度は、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下である。ある実施形態では、投影解像度は約1μmで、径方向のピッチLradpitchは約0.8μmである。
[00262] 同じ露光時間Texp内により大きい基板長Lsubを有するより大きい基板上にパターンを作成したとき、又は同じ露光時間Texp内で解像度を上げたいときには、リソグラフィ装置の上記の幾つかのパラメータを適合させてそのような要件を満たすことができる。
[00263] 一般に、相対露光時間、すなわち、露光時間を基板長で除した値を低減することが望ましい。相対露光時間の低減は、同じ処理時間内により多くの基板長を処理できるということを意味する。
[00264] 例えば、光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数を増すことができる。これは、スキャン方向の隣接するターゲット部分の間の重畳を小さくでき、またターゲット部分の高さHtpが大きくなるという利点を有する。実際、より大きい数、例えば、20より大きい数への自発光型コントラストデバイスの数の増加の結果、光学カラム当たり比較的大きく複雑なレンズシステムが得られる。
[00265] 光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数は、望ましくは、光学カラム当たり2〜40ダイオードの範囲内、光学カラム当たり5〜20ダイオードの範囲内、又は光学カラム当たり8〜15ダイオードの範囲内である。
[00266] 光学カラム内の自発光型コントラストデバイス間の径方向のピッチを増大させると、ターゲット部分の高さHtpが増大する。これは、露光時間に肯定的な低減効果を有する。しかし、径方向のピッチも基板上に投影されるパターンの投影解像度に関連する。したがって、相対露光時間を低減するために径方向のピッチを増大させることは普通行わない。
[00267] 回転自在のフレーム912の直径を増大させるか、又は回転周波数ωwheelを増加させることでも相対露光時間を低減することができる。しかし、これらのパラメータを増加させると、回転自在のフレーム912の周縁部、特にレンズ924、930での相対回転速度が増加する。そのような大きい回転速度Vwheelの結果、レンズ924、930で乱流又は熱が生成され、投影システムの投影品質に大幅にマイナスの影響を与えかねない。したがって、回転自在のフレーム912の最大サイズは、リソグラフィ装置の寸法によって制約される。回転自在のフレーム912の直径を大きくすると、スキャン方向の回転自在のフレーム912の光学カラムの間の距離が増大し、相対露光時間に逆の影響を与えることがある。
[00268] 回転自在のフレーム912の回転周波数ωwheelは、望ましくは、2500〜10000rpmの範囲内、4000〜6000rpmの範囲内、又は4500〜5000rpmの範囲内に収まり、一方、レンズ924、930の半径Rwheel、すなわち、回転自在のフレーム912上の光学カラムの位置、特に中心軸は、望ましくは50〜500mmの範囲内、100〜350mmの範囲内、又は200〜250mmの範囲内にある。
[00269] その結果として得られるレンズ924、930の回転速度Vwheelは、望ましくは、25〜400m/sの範囲内、50〜200m/sの範囲内、又は75〜140m/sの範囲内にある。
[00270] 相対露光時間を低減する別の方法は、ストリップ934の幅を低減し、それによって、正接方向のターゲット部分の幅Wtpを低減する方法である。しかし、ストリップ幅を低減する場合、スキャン方向に垂直の方向のストリップの数が増加するため、必要な光学カラムの数が増加する。実際、光学カラムの数を制限することが望ましい。
[00271] ターゲット部分の幅Wtpは、望ましくは5〜40mmの範囲内、8〜20mmの範囲内、又は10〜15mmの範囲内である。
[00272] 各光学カラムは、望ましくは10〜100個の範囲内の静止した光学カラム、20〜50個の範囲内の静止した光学カラム、又は25〜30個の範囲内の静止した光学カラムを備える。
[00273] 各回転自在のフレーム912は、望ましくは、回転自在のフレーム912の周縁部にわたって分割された25〜400個の範囲内のレンズ924、930、回転自在のフレーム912の周縁部にわたって分割された50〜200個の範囲内のレンズ924、930、又は回転自在のフレーム912の周縁部にわたって分割された80〜110個の範囲内のレンズ924、930を備える。レンズ924、930は、好ましくは直接互いに隣接して配置されている。
[00274] 小さい相対露光時間を得るために、スキャン方向の光学カラムの間の距離Lpitchをできるだけ小さくしてスキャン長、すなわち、基板長Lsubプラスピッチ長Lpitchができるだけ小さく維持されることが望ましい。
[00275] 投影解像度を上げたいときに、光学カラム内の自発光型コントラストデバイスの間の径方向のピッチを低減してもよい。しかし、その結果、さらに測定せずとも、ターゲット部分の高さHtpが小さくなり、相対露光時間が長くなる。
[00276] 上記のように、相対露光時間は、光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数を増加させ、光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数を増加させ、回転自在のフレーム912の直径を増加させ、回転自在のフレーム912の回転周波数ωwheelを増加させ、及び/又はターゲット部分の幅Wtpを低減して投影解像度の低下による相対露光時間の低減を補償することで低減することができる。
[00277] また、以下の番号を振った条項において実施形態を提供する。
1.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームに前記基板の露光区域を露光するように構成された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成され、前記複数のビームを受光するレンズのアレイを備える投影システムであって、前記露光区域の露光中に前記変調装置に対して前記レンズのアレイを移動させるように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
2.各レンズが、前記変調装置から前記基板に至る前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの経路に沿って配置された少なくとも2つのレンズを含む、実施形態1に記載のリソグラフィ装置。
3.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズが、視野レンズを含み、前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズが、結像レンズを含む、実施形態2に記載のリソグラフィ装置。
4.前記視野レンズの焦点面が、前記結像レンズの後部焦点面と一致する、実施形態3に記載のリソグラフィ装置。
5.前記結像レンズが、二重非球面レンズを含む、実施形態3又は実施形態4に記載のリソグラフィ装置。
6.前記視野レンズの焦点距離が、前記結像レンズの視野のサイズが2〜3度の半角より小さくなるような値である、実施形態3〜5のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
7.前記結像レンズの焦点距離が、前記基板の開口数が0.2の場合、前記結像レンズが前記視野レンズの直径以下であるような値である、実施形態3〜6のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
8.前記結像レンズの焦点距離が、前記視野レンズの直径に等しい、実施形態7に記載のリソグラフィ装置。
9.複数の前記ビームが、前記視野レンズと前記結像レンズの単一の組合せで結像される、実施形態3〜8のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
10.前記変調装置から前記視野レンズに至る前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの経路に沿って配置された合焦制御デバイスをさらに備える、実施形態3〜9のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
11.前記合焦制御デバイスが、折り畳み式ミラーと、可動式の屋根とを備える、実施形態10に記載のリソグラフィ装置。
12.前記第1のレンズから前記第2のレンズに至る前記ビームをコリメートする前記経路内のレンズをさらに備える、実施形態3に記載のリソグラフィ装置。
13.前記ビームをコリメートする前記経路内の前記レンズが、前記変調装置に対して実質的に静止している、実施形態12に記載のリソグラフィ装置。
14.前記変調装置と前記第1のレンズとの間にある、前記第1のレンズへ向かう前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームを合焦させる前記経路内のレンズをさらに備える、実施形態3、12又は13に記載のリソグラフィ装置。
15.前記ビームを合焦させる前記経路内の前記レンズが、前記変調装置に対して実質的に静止している、実施形態14に記載のリソグラフィ装置。
16.前記視野レンズの光軸が、前記結像レンズの光軸に一致する、実施形態3又は12〜15のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
17.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズが、少なくとも2つのサブレンズを含み、前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームが、前記2つのサブレンズの間で合焦する、実施形態2に記載のリソグラフィ装置。
18.前記少なくとも2つのサブレンズの各々が、実質的に等しい焦点距離を有する、実施形態17に記載のリソグラフィ装置。
19.前記第1のレンズが、前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズへ向けてコリメートされたビームを出力するように配置される、実施形態2、17又は18のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
20.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズを前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズとは異なる速度で移動させるように構成される、実施形態2又は17〜19のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
21.前記第2のレンズの速度が、前記第1のレンズの速度の2倍である、実施形態20に記載のリソグラフィ装置。
22.各レンズが、4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムを含む、実施形態1に記載のリソグラフィ装置。
23.前記4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムが、少なくとも6つのレンズを備える、実施形態22に記載のリソグラフィ装置。
24.前記変調装置と前記レンズアレイとの間にデロテータをさらに備える、実施形態1に記載のリソグラフィ装置。
25.前記デロテータが、ペシャンプリズムを備える、実施形態24に記載のリソグラフィ装置。
26.前記デロテータが、前記レンズアレイの半分の速度で移動するように配置される、実施形態24又は実施形態25に記載のリソグラフィ装置。
27.前記変調装置と前記デロテータとの間の前記ビームのサイズを低減するパラボラミラーをさらに備える、実施形態24〜26のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
28.前記デロテータと前記レンズアレイとの間の前記ビームのサイズを増大させるパラボラミラーをさらに備える、実施形態24〜27のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
29.前記レンズアレイが、前記変調装置に対して回転する、実施形態1〜28のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
30.前記変調装置が、電磁放射を放出する複数の個別に制御可能な放射源を備える、実施形態1〜29のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
31.前記変調装置が、マイクロミラーアレイを備える、実施形態1〜29のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
32.前記変調装置が、放射源と、音響光学変調装置とを備える、実施形態1〜29のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
33.所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するステップと、
前記複数のビームを受光するレンズのアレイを用いて基板上に前記複数のビームを投影するステップと、
前記投影中に前記ビームに対して前記レンズのアレイを移動させるステップと、
を含むデバイス製造方法。
34.各レンズが、前記基板への前記少なくとも1つのビームの放射源からの前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの経路に沿って配置された少なくとも2つのレンズを備える、実施形態33に記載の方法。
35.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズが、視野レンズを備え、前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズが、結像レンズを備える、実施形態34に記載の方法。
36.前記視野レンズの焦点面が、前記結像レンズの後部焦点面と一致する、実施形態35に記載の方法。
37.前記結像レンズが、二重非球面レンズを含む、実施形態35又は実施形態36に記載の方法。
38.前記視野レンズの焦点距離が、前記結像レンズの視野のサイズが2〜3度の半角より小さくなるような値である、実施形態35〜37のいずれか1項に記載の方法。
39.前記結像レンズの焦点距離が、前記基板の開口数が0.2の場合、前記結像レンズが前記視野レンズの直径以下であるような値である、実施形態35〜38のいずれか1項に記載の方法。
40.前記結像レンズの焦点距離が、前記視野レンズの直径に等しい、実施形態39に記載の方法。
41.複数のビームが、前記視野レンズと前記結像レンズの単一の組合せで結像される、実施形態35〜40のいずれか1項に記載の方法。
42.前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの放射源と前記視野レンズとの間の合焦制御デバイスを使用するステップをさらに含む、実施形態35〜41のいずれか1項に記載の方法。
43.前記合焦制御デバイスが、折り畳み式ミラーと、可動式の屋根とを備える、実施形態42に記載の方法。
44.レンズを用いて前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の少なくとも1つのビームをコリメートするステップをさらに含む、実施形態35に記載の方法。
45.前記少なくとも1つのビームをコリメートする前記レンズが、前記少なくとも1つのビームに対して実質的に静止している、実施形態44に記載の方法。
46.前記第1のレンズへ向かう前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームをレンズを用いて前記少なくとも1つのビームの放射源と前記第1のレンズとの間の経路内で合焦させるステップをさらに含む、実施形態35、44又は45に記載の方法。
47.前記少なくとも1つのビームを合焦させる前記レンズが、前記少なくとも1つのビームに対して実質的に静止している、実施形態46に記載の方法。
48.前記視野レンズの光軸が、それに対応する結像レンズの光軸に一致する、実施形態35又は44〜47のいずれか1項に記載の方法。
49.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズが、少なくとも2つのサブレンズを含み、前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームが、前記2つのサブレンズの間で合焦する、実施形態34に記載の方法。
50.前記少なくとも2つのサブレンズの各々が、実質的に等しい焦点距離を有する、実施形態49に記載の方法。
51.前記第1のレンズが、前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズへ向けてコリメートされたビームを出力するように配置される、実施形態34、49又は50のいずれか1項に記載の方法。
52.前記少なくとも2つのレンズのうち第1のレンズを前記少なくとも2つのレンズのうち第2のレンズとは異なる速度で移動させるステップを含む、実施形態34又は49〜51のいずれか1項に記載の方法。
53.前記第2のレンズの速度が、前記第1のレンズの速度の2倍である、実施形態52に記載の方法。
54.各レンズが、4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムを備える、実施形態33に記載の方法。
55.前記4fテレセントリックイン/テレセントリックアウト結像システムが、少なくとも6つのレンズを備える、実施形態54に記載の方法。
56.前記ビームの放射源と前記レンズアレイとの間のデロテータを用いて前記ビームをデロテートするステップをさらに含む、実施形態33に記載の方法。
57.前記デロテータが、ペシャンプリズムを備える、実施形態56に記載の方法。
58.前記デロテータを前記レンズアレイの半分の速度で移動させるステップを含む、実施形態56又は実施形態57に記載の方法。
59.パラボラミラーを用いて前記ビームの放射源と前記デロテータとの間の前記ビームのサイズを低減するステップをさらに含む、実施形態56〜58のいずれか1項に記載の方法。
60.パラボラミラーを用いて前記デロテータと前記レンズアレイとの間の前記ビームのサイズを増大させるステップをさらに含む、実施形態56〜59のいずれか1項に記載の方法。
61.前記ビームに対して前記レンズアレイを回転させるステップを含む、実施形態33〜60のいずれか1項に記載の方法。
62.複数の個別に制御可能な放射源の各々が、前記複数のビームの各々を放出する、実施形態33〜61のいずれか1項に記載の方法。
63.マイクロミラーアレイが、前記複数のビームを放出する、実施形態33〜61のいずれか1項に記載の方法。
64.放射源及び音響光学変調装置が、前記複数のビームを生成する、実施形態33〜61のいずれか1項に記載の方法。
65.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
電磁放射を放出する複数の個別に制御可能な放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで前記基板の露光区域を露光するように構成された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成され、前記複数のビームを受光するレンズのアレイを備える投影システムであって、前記露光区域の露光中に前記個別に制御可能な放射源に対して前記レンズのアレイを移動させるように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
66.複数の個別に制御可能な放射源を用いて所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するステップと、
前記複数のビームを受光するレンズのアレイを用いて基板上に前記複数のビームを投影するステップと、
前記投影中に前記個別に制御可能な放射源に対して前記レンズのアレイを移動させるステップと、
を含むデバイス製造方法。
67.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームに前記基板の露光区域を露光するように構成された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成され、複数のビームを受光するレンズのアレイを備える投影システムであって、前記アレイの各々が、前記複数のビームのビーム経路に沿って別々に配置された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
68.前記投影システムが、前記変調装置に対して前記レンズアレイを移動させるように構成される、実施形態67に記載のリソグラフィ装置。
69.各アレイの前記レンズが、単一の本体内に配置される、実施形態67又は実施形態68に記載のリソグラフィ装置。
70.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
電磁放射を放出する複数の個別に制御可能な放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで前記基板の露光区域を露光するように構成された変調装置であって、前記複数の放射源のすべてに満たない放射源しか前記露光区域を一度に露光できないように前記露光区域の露光中に前記露光区域に対して前記複数の放射源を移動させるように構成された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
71.所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源であって、前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源が、放射を放出する場所と放出しない場所との間で移動可能である放射源と、
基板を保持するように構築された基板ホルダと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
72.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
電磁放射を放出する複数の個別に制御可能な放射源を備え、所望のパターンに従って変調された複数のビームで前記基板の露光区域を露光するように構成された変調装置であって、前記少なくとも1つの放射源からの放射が、同時に前記複数の放射源のうち他の少なくとも1つの放射源からの放射と衝突するか重なり合うように前記露光区域の露光中に前記露光区域に対して前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源を移動させるように構成された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
73.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源であって、前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源が、前記露光区域に対して放射を放出する場所と前記露光区域に対して放射を放出しない場所との間で移動可能である放射源と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
74.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域の露光中に前記露光区域に対して前記複数の放射源を移動させるように構成され、前記露光区域への前記複数のビームの出力を有し、該出力が前記複数の放射源の出力の区域よりも小さい区域を有する変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
75.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板のそれぞれの露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、それぞれの露光区域に対して各アレイを移動させ、又はそれぞれの前記露光区域に対して各アレイから前記複数のビームを移動させ、又はそれぞれの前記露光区域に対して前記アレイと前記複数のビームの両方を移動させるように構成され、使用時に、前記複数のアレイのうち1つのアレイのそれぞれの露光区域が前記複数のアレイのうち別の1つのアレイのそれぞれの露光区域と衝突するか重なり合う変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
76.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させ、又は前記露光区域に対して前記複数のビームを移動させ、又は前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々と前記複数のビームの両方を移動させるように構成され、使用時に、放射源の各々がそれぞれの電源/順方向電流曲線の急峻な部分で動作する変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
77.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させ、又は前記露光区域に対して前記複数のビームを移動させ、又は前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々と前記複数のビームの両方を移動させるように構成され、前記個別に制御可能な放射源の各々が青紫レーザダイオードを備える変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
78.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が少なくとも2つの同心円状のアレイに配置された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
79.前記円形のアレイのうち少なくとも1つの円形のアレイが、前記円形のアレイのうち少なくとも1つの他のアレイと互い違いに配置される、実施形態78に記載のリソグラフィ装置。
80.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源がある構造の中心の周囲に配置され、前記構造が前記複数の放射源の内側に前記構造を通って延在する開口を有する変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
81.前記放射源又はその外部の支持構造を保持する支持体をさらに備える、実施形態80に記載のリソグラフィ装置。
82.前記支持体が、前記構造の移動を可能にするベアリングを備える、実施形態81に記載のリソグラフィ装置。
83.前記支持体が、前記構造を移動させるモータを備える、実施形態81又は実施形態82に記載のリソグラフィ装置。
84.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源がある構造の中心の周囲に配置された変調装置と、
前記放射源又はその外側の前記構造を支持する支持体であって、前記構造を回転させ又は回転を可能にするように構成された支持体と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
85.前記支持体が、前記構造の回転を可能にするベアリングを備える、実施形態84に記載のリソグラフィ装置。
86.前記支持体が、前記構造を回転させるモータを備える、実施形態84又は実施形態85に記載のリソグラフィ装置。
87.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造上に配置され、前記可動構造が可動板上に配置された変調装置と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
88.前記可動式構造が、回転自在である、実施形態87に記載のリソグラフィ装置。
89.前記可動式の板が、回転自在である、実施形態87又は実施形態88に記載のリソグラフィ装置。
90.前記可動式の板の回転の中心が、前記可動式構造の回転の中心と一致しない、実施形態89に記載のリソグラフィ装置。
91.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造内又は上に配置された変調装置と、
温度制御流体を前記複数の放射源の少なくとも近辺に提供するように構成された前記可動構造内に配置された流体チャネルと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
92.前記可動式構造内又は上に位置するセンサをさらに備える、実施形態91に記載のリソグラフィ装置。
93.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源に隣接する位置にあるが前記可動式構造内又は上にはないセンサをさらに備える、実施形態91又は実施形態92に記載のリソグラフィ装置。
94.前記センサが、温度センサを備える、実施形態92又は実施形態93に記載のリソグラフィ装置。
95.前記センサが、前記構造の拡張及び/又は収縮を測定するように構成されたセンサを備える、実施形態92〜94のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
96.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造内又は上に配置された変調装置と、
前記構造の温度制御を提供する前記可動構造内又は上に配置されたフィンと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
97.前記可動式構造内又は上のフィンと協働する静止フィンをさらに備える、実施形態96に記載のリソグラフィ装置。
98.前記可動式構造内又は上に少なくとも2つのフィンを備え、前記可動式構造内又は上の前記フィンのうち少なくとも1つのフィンと前記可動式構造内又は上の前記フィンのうち少なくとも1つの他のフィンとの間に前記静止フィンが位置する、実施形態97に記載のリソグラフィ装置。
99.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造内又は上に配置された変調装置と、
前記構造の外面に流体を供給して前記構造の温度を制御するように構成された流体供給デバイスと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
100.前記流体供給デバイスが、ガスを供給するように構成される、実施形態99に記載のリソグラフィ装置。
101.前記流体供給デバイスが、液体を供給するように構成される、実施形態99に記載のリソグラフィ装置。
102.前記液体を前記構造に接触させておくように構成された流体閉じ込め構造をさらに備える、実施形態101に記載のリソグラフィ装置。
103.前記流体閉じ込め構造が、前記構造と前記流体閉じ込め構造との間に封止を維持するように構成される、実施形態102に記載のリソグラフィ装置。
104.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記複数の放射源の各放射源に又はその近辺に取り付けられ、放射源に対して移動可能な構造的に分離したレンズと、
を備えるリソグラフィ装置。
105.それぞれの放射源に対してレンズを変位させるように構成されたアクチュエータをさらに備える、実施形態104に記載のリソグラフィ装置。
106.レンズ及びそれぞれの放射源を支持する構造に対してレンズとそれぞれの放射源とを変位させるように構成されたアクチュエータをさらに備える、実施形態104又は実施形態105に記載のリソグラフィ装置。
107.前記アクチュエータが、前記レンズを最大3自由度で移動させるように構成される、実施形態105又は実施形態106に記載のリソグラフィ装置。
108.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源の下流側のアパーチャ構造をさらに備える、実施形態104〜107のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
109.前記レンズが、前記レンズ及びそれぞれの放射源を支持する構造に熱伝導率が高い材料で取り付けられる、実施形態104〜107のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
110.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源からの放射を撹乱するように構成された空間的コヒーレンス防止デバイスと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
111.前記空間的コヒーレンス防止デバイスが、静止した板を備え、少なくとも前記放射源が、前記板に対して移動可能である、実施形態110に記載のリソグラフィ装置。
112.前記空間的コヒーレンス防止デバイスが、位相変調装置、回転板又は振動板から選択した少なくとも1つを備える、実施形態110に記載のリソグラフィ装置。
113.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源に関連付けられた合焦を測定するように構成されたセンサであって、その少なくとも一部が前記少なくとも1つの放射源内又は上にあるセンサと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
114.前記センサが、前記放射源の各々に関連付けられた合焦を個別に測定するように構成される、実施形態113に記載のリソグラフィ装置。
115.前記センサが、ナイフエッジ合焦検出器である、実施形態113又は実施形態114に記載のリソグラフィ装置。
116.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を備える変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記複数の放射源に信号及び/又は電力を無線で送信して前記複数の放射源についてそれぞれ制御及び/又は給電を実行するように構成された送信機と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
117.前記信号が、複数の信号を含み、リソグラフィ装置が、それぞれの放射源へ向けて前記複数の信号の各々を送信するデマルチプレクサをさらに備える、実施形態116に記載のリソグラフィ装置。
118.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造内又は上に配置された変調装置と、
前記可動構造にコントローラを接続して前記複数の放射源に複数の信号及び/又は電力を送信して前記複数の放射源についてそれぞれ制御及び/又は給電を実行するように構成された単一の線と、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
119.前記信号が、複数の信号を含み、リソグラフィ装置が、それぞれの放射源へ向けて前記複数の信号の各々を送信するデマルチプレクサをさらに備える、実施形態118に記載のリソグラフィ装置。
120.前記回線が、光回線を含む、実施形態118又は実施形態119に記載のリソグラフィ装置。
121.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源によって前記基板の方へ透過されるか又は透過される予定の放射の特性を測定するセンサと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
122.前記センサの少なくとも一部が、前記基板ホルダ内又は上にある、実施形態121に記載のリソグラフィ装置。
123.前記センサの前記少なくとも一部が、前記基板が前記基板ホルダ上に支持された区域外の前記基板ホルダ内又は上の位置にある、実施形態122に記載のリソグラフィ装置。
124.前記センサの少なくとも一部が、使用時に前記基板のスキャン方向に実質的に延在する前記基板の側面に位置する、実施形態121〜123のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
125.前記センサの少なくとも一部が、前記可動式構造を支持するフレーム内又は上に装着される、実施形態121〜124のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
126.前記センサが、前記露光区域外の前記少なくとも1つの放射源からの放射を測定するように構成される、実施形態121〜125のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
127.前記センサの少なくとも一部が、可動式である、実施形態121〜126のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
128.前記センサの結果に基づいて前記少なくとも1つの放射源を較正するように構成されたコントローラをさらに備える、実施形態121〜127のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
129.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源が可動構造内又は上に配置された変調装置と、
前記可動構造の位置を測定するセンサと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
130.前記センサの少なくとも一部が、前記可動式構造を支持するフレーム内又は上に装着される、実施形態129に記載のリソグラフィ装置。
131.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成され、前記複数の放射源の各々が識別を有するか又は提供する変調装置と、
前記識別を検出するように構成されたセンサと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
132.前記センサの少なくとも一部が、前記複数の放射源を支持するフレーム内又は上に装着される、実施形態131に記載のリソグラフィ装置。
133.前記識別が、それぞれの放射源からの放射の周波数を含む、実施形態131又は実施形態132に記載のリソグラフィ装置。
134.前記識別が、バーコード、無線周波数識別、又はマスクから選択した少なくとも1つを含む、実施形態131〜133のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
135.基板を保持するように構築された基板ホルダと、
所望のパターンに従って変調された複数のビームを前記基板の露光区域に提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む変調装置であって、前記露光区域に対して前記複数の放射源の各々を移動させるように構成された変調装置と、
前記基板によって再誘導される、前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源からの放射を検出するように構成されたセンサと、
前記変調ビームを前記基板上に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置。
136.前記センサが、前記再誘導された放射から前記基板上に入射する前記少なくとも1つの放射から前記放射のスポットの場所を決定するように構成される、実施形態135に記載のリソグラフィ装置。
137.前記変調装置が、前記複数のビームの伝搬方向に実質的に平行な軸を中心に少なくとも1つの放射源を回転させるように構成される、実施形態70〜136のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
138.前記変調装置が、前記複数のビームの伝搬方向を横切る方向に少なくとも1つの放射源を平行移動させるように構成される、実施形態70〜137のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
139.前記変調装置が、前記複数のビームを移動させるように構成されたビームデフレクタを備える、実施形態70〜138のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
140.前記ビームデフレクタが、ミラー、プリズム、又は音響光学変調装置からなるグループから選択される、実施形態139に記載のリソグラフィ装置。
141.前記ビームデフレクタが、多角形を含む、実施形態139に記載のリソグラフィ装置。
142.前記ビームデフレクタが、振動するように構成される、実施形態139に記載のリソグラフィ装置。
143.前記ビームデフレクタが、回転するように構成される、実施形態139に記載のリソグラフィ装置。
144.前記基板ホルダが、前記複数のビームが提供される方向に前記基板を移動させるように構成される、実施形態70〜143のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
145.前記基板の移動が、回転である、実施形態144に記載のリソグラフィ装置。
146.前記複数の放射源が、共に移動可能である、実施形態70〜145のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
147.前記複数の放射源が、円形に配置される、実施形態70〜146のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
148.前記複数の放射源が、板内に配置され、互いに離間している、実施形態70〜147のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
149.前記投影システムが、レンズアレイを備える、実施形態70〜148のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
150.前記投影システムが、基本的にレンズアレイからなる、実施形態70〜149のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
151.前記レンズアレイの1つのレンズが、大きい開口数を有し、リソグラフィ装置が、前記レンズに関連付けられた放射の焦点の外に前記基板を配置して前記レンズの開口数を効果的に低減するように構成される、実施形態149又は実施形態150に記載のリソグラフィ装置。
152.前記放射源の各々が、レーザダイオードを備える、実施形態70〜151のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
153.各レーザダイオードが、約405nmの波長を有する放射を放出するように構成される、実施形態152に記載のリソグラフィ装置。
154.前記複数の放射源を露光中に実質的に一定の温度に維持するように構成された温度コントローラをさらに備える、実施形態70〜153のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
155.前記コントローラが、露光前に前記複数の放射源を実質的に一定の温度又はその近くまで加熱するように構成される、実施形態154に記載のリソグラフィ装置。
156.ある方向に配置された少なくとも3つの別々のアレイを含み、前記アレイの各々が、複数の放射源を備える、実施形態70〜155のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
157.前記複数の放射源が、少なくとも約1200個の放射源を含む、実施形態70〜156のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
158.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源と前記基板との間のアライメントを決定するアライメントセンサをさらに備える、実施形態70〜157のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
159.前記複数のビームのうち少なくとも1つのビームの焦点に対する前記基板の位置を決定するレベルセンサをさらに備える、実施形態70〜158のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
160.アライメントセンサの結果及び/又はレベルセンサの結果に基づいて前記パターンを変更するように構成されたコントローラをさらに備える、実施形態158又は実施形態159に記載のリソグラフィ装置。
161.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源の温度又はそれに関連付けられた温度の測定値に基づいて前記パターンを変更するように構成されたコントローラをさらに備える、実施形態70〜160のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
162.前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源によって前記基板の方へ透過されるか又は透過される予定の放射の特性を測定するセンサをさらに備える、実施形態70〜161のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
163.所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源と、
複数のレンズレットを備えるレンズアレイと、
基板を保持するように構築された基板ホルダと、
を備えるリソグラフィ装置であって、
使用時に、前記複数の放射源と前記基板との間に前記レンズアレイ以外の光学系がないリソグラフィ装置。
164.少なくとも1つの方向に離間した放射発光ダイオードのアレイをその上に有する基板と、
前記放射発光ダイオードの放射の下流側のレンズアレイと、
を備えるプログラマブルパターニングデバイス。
165.前記レンズアレイが、複数のマイクロレンズアレイを有するマイクロレンズアレイを含み、前記マイクロレンズの数が、放射発光ダイオードの数に対応し、前記レンズアレイが、それぞれの放射発光ダイオードによってマイクロスポットのアレイ内の選択的に渡される放射を合焦させる位置にある、実施形態164に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
166.前記放射発光ダイオードが、少なくとも直交する2方向に離間している、実施形態164又は実施形態165に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
167.前記放射発光ダイオードが、熱伝導率が低い材料に組み込まれた、実施形態164〜166のいずれか1項に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
168.複数の個別に制御可能な放射源を用いて、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光区域に提供するステップと、
前記複数の放射源のすべてに満たない放射源しか前記露光区域を一度に露光できないように前記複数のビームを提供しながら前記複数の放射源の少なくとも1つを移動させるステップと、
前記複数のビームを前記基板上に投影するステップと、
を含むデバイス製造方法。
169.複数の個別に制御可能な放射源を用いて、所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するステップと、
前記複数の放射源の少なくとも1つの放射を放出する場所と放出しない場所との間で移動させるステップと、
前記複数のビームを基板上に投影するステップと、
を含むデバイス製造方法。
170.複数の個別に制御可能な放射源を用いて、所望のパターンに従って変調された複数のビームを基板の露光区域に提供するステップと、前記複数の個別に制御可能な放射源からの前記変調ビームをレンズアレイのみを用いて基板に投影するステップとを含むデバイス製造方法。
171.複数の個別に制御可能な放射源を用いて、所望のパターンに従って変調された電磁放射の複数のビームを提供するステップと、
少なくとも1つの放射源からの放射が、同時に前記複数の放射源のうち他の少なくとも1つの放射源からの放射と衝突するか重なり合うように露光区域の露光中に露光区域に対して前記複数の放射源のうち少なくとも1つの放射源を移動させるステップと、
前記複数のビームを基板上に投影するステップと、
を含むデバイス製造方法。
172.前記移動ステップが、前記複数のビームの伝搬方向に実質的に平行な軸を中心に少なくとも1つの放射源を回転させるステップを含む、実施形態168〜171のいずれか1項に記載の方法。
173.前記移動ステップが、前記複数のビームの伝搬方向を横切る方向に少なくとも1つの放射源を平行移動させるステップを含む、実施形態168〜172のいずれか1項に記載の方法。
174.ビームデフレクタを用いて前記複数のビームを移動させるステップを含む、実施形態168〜173のいずれか1項に記載の方法。
175.前記ビームデフレクタが、ミラー、プリズム、又は音響光学変調装置からなるグループから選択される、実施形態174に記載の方法。
176.前記ビームデフレクタが、多角形を含む、実施形態174に記載の方法。
177.前記ビームデフレクタが、振動するように構成される、実施形態174に記載の方法。
178.前記ビームデフレクタが、回転するように構成される、実施形態174に記載の方法。
179.前記複数のビームが提供される方向に前記基板を移動させるステップを含む、実施形態168〜178のいずれか1項に記載の方法。
180.前記基板の移動が、回転である、実施形態179に記載の方法。
181.前記複数の放射源を共に移動させるステップを含む、実施形態168〜180のいずれか1項に記載の方法。
182.前記複数の放射源が、円形に配置される、実施形態168〜181のいずれか1項に記載の方法。
183.前記複数の放射源が、板内に配置され、互いに離間している、実施形態168〜182のいずれか1項に記載の方法。
184.前記投影ステップが、レンズアレイを用いて前記基板上に前記ビームの各々の画像を形成するステップを含む、実施形態168〜183のいずれか1項に記載の方法。
185.前記投影ステップが、基本的に1つのレンズアレイだけを用いて前記基板上に前記ビームの各々の画像を形成するステップを含む、実施形態168〜184のいずれか1項に記載の方法。
186.前記放射源の各々が、レーザダイオードを備える、実施形態168〜185のいずれか1項に記載の方法。
187.各レーザダイオードが、約405nmの波長を有する放射を放出するように構成される、実施形態186に記載の方法。
188.実施形態168〜187のいずれか1項に記載の方法に従って製造されるフラットパネルディスプレイ。
189.実施形態168〜187のいずれか1項に記載の方法に従って製造される集積回路デバイス。
190.各々が所望のパターンに従って変調された複数のビームを提供するように構成された複数の個別に制御可能な放射源を含む複数の可動の放射アレイと、
前記放射アレイの各々を移動させるように構成されたモータと、
を備える放射システム。
191.前記モータが、前記複数のビームの伝搬方向に実質的に平行な軸を中心に前記放射アレイの各々を回転させるように構成される、実施形態190に記載の放射システム。
192.前記モータが、前記複数のビームの伝搬方向を横切る方向に前記放射アレイの各々を平行移動させるように構成される、実施形態190又は実施形態191に記載の放射システム。
193.前記複数のビームを移動させるように構成されたビームデフレクタをさらに備える、実施形態190〜192のいずれか1項に記載の放射システム。
194.前記ビームデフレクタが、ミラー、プリズム、又は音響光学変調装置からなるグループから選択される、実施形態193に記載の放射システム。
195.前記ビームデフレクタが、多角形を含む、実施形態193に記載の放射システム。
196.前記ビームデフレクタが、振動するように構成される、実施形態193に記載の放射システム。
197.前記ビームデフレクタが、回転するように構成される、実施形態193に記載の放射システム。
198.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源が、共に移動可能である、実施形態190〜197のいずれか1項に記載の放射システム。
199.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源が、円形に配置される、実施形態190〜198のいずれか1項に記載の放射システム。
200.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源が、板内に配置され、互いに離間している、実施形態190〜199のいずれか1項に記載の放射システム。
201.前記放射アレイの各々に関連付けられたレンズアレイをさらに備える、実施形態190〜200のいずれか1項に記載の放射システム。
202.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源の各々が、前記放射アレイに関連付けられたレンズアレイのレンズに関連付けられた、実施形態201に記載の放射システム。
203.前記放射アレイの各々の前記複数の放射源の各々が、レーザダイオードを備える、実施形態190〜202のいずれか1項に記載の放射システム。
204.各レーザダイオードが、約405nmの波長を有する放射を放出するように構成される、実施形態203に記載の放射システム。
205.基板を放射で露光するリソグラフィ装置であって、100〜25000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を有するプログラマブルパターニングデバイスを備えるリソグラフィ装置。
206.少なくとも400個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態205に記載のリソグラフィ装置。
207.少なくとも1000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態205に記載のリソグラフィ装置。
208.10000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態205〜207のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
209.5000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態205〜208のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
210.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、レーザダイオードである、実施形態205〜209のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
211.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、前記基板上に0.1〜3ミクロンの範囲から選択されたスポットサイズを有するように配置される、実施形態205〜209のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
212.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、前記基板上に約1ミクロンのスポットサイズを有するように配置される、実施形態205〜209のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
213.基板を放射で露光するリソグラフィ装置であって、10cmの露光フィールド長に正規化された100〜25000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を有するプログラマブルパターニングデバイスを備えるリソグラフィ装置。
214.少なくとも400個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態213に記載のリソグラフィ装置。
215.少なくとも1000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態213に記載のリソグラフィ装置。
216.10000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態213〜215のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
217.5000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態213〜215のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
218.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、レーザダイオードである、実施形態213〜217のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
219.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、前記基板上に0.1〜3ミクロンの範囲から選択されたスポットサイズを有するように配置される、実施形態213〜217のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
220.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、前記基板上に約1ミクロンのスポットサイズを有するように配置される、実施形態213〜217のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
221.回転式ディスクを備えるプログラマブルパターニングデバイスであって、前記ディスクが、100〜25000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を有するプログラマブルパターニングデバイス。
222.前記ディスクが、少なくとも400個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態221に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
223.前記ディスクが、少なくとも1000個の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態221に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
224.前記ディスクが、10000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態221〜223のいずれか1項に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
225.前記ディスクが、5000個未満の自発光型の個別にアドレス指定可能な素子を備える、実施形態221〜223のいずれか1項に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
226.前記自発光型の個別にアドレス指定可能な素子が、レーザダイオードである、実施形態221〜225のいずれか1項に記載のプログラマブルパターニングデバイス。
227.フラットパネルディスプレイの製造での1つ以上の本発明の使用。
228.集積回路の実装での1つ以上の本発明の使用。
229.自発光型素子を有するプログラマブルパターニングデバイスを用いて基板を放射で露光するステップを含むリソグラフィ方法であって、露光中に前記自発光型素子を動作させるためのプログラマブルパターニングデバイスの消費電力が10kW未満であるリソグラフィ方法。
230.前記消費電力が、5kW未満である、実施形態229に記載の方法。
231.前記消費電力が、少なくとも100mWである、実施形態229又は実施形態230に記載の方法。
232.前記自発光型素子が、レーザダイオードである、実施形態229〜231のいずれか1項に記載の方法。
233.前記レーザダイオードが、青紫レーザダイオードである、実施形態232に記載の方法。
234.自発光型素子を有するプログラマブルパターニングデバイスを用いて基板を放射で露光するステップを含むリソグラフィ方法であって、発光素子当たりの光出力が少なくとも1mWであるリソグラフィ方法。
235.前記光出力が、少なくとも10mWである、実施形態234に記載の方法。
236.前記光出力が、少なくとも50mWである、実施形態234に記載の方法。
237.前記光出力が、200mW未満である、実施形態234〜236のいずれか1項に記載の方法。
238.前記自発光型素子が、レーザダイオードである、実施形態234〜237のいずれか1項に記載の方法。
239.前記レーザダイオードが、青紫レーザダイオードである、実施形態238に記載の方法。
240.前記光出力が、5mWより大きく20mW以下である、実施形態234に記載の方法。
241.前記光出力が、5mWより大きく30mW以下である、実施形態234に記載の方法。
242.前記光出力が、5mWより大きく40mW以下である、実施形態234に記載の方法。
243.前記自発光型素子が、単一モードで動作する、実施形態234〜242のいずれか1項に記載の方法。
244.自発光型素子を有するプログラマブルパターニングデバイスと、
自発光型素子からの放射を受光する屈折型光学素子を有する回転式フレームとを備えるリソグラフィ装置。
245.自発光型素子を有するプログラマブルパターニングデバイスと、
自発光型素子からの放射を受光する光学素子を有し、任意又はすべての自発光型素子からの放射を受光する反射型光学素子を有しない回転式フレームと、
を備えるリソグラフィ装置。
246.プログラマブルパターニングデバイスと、
光学素子を備えた板を備え、光学素子を備えた板の表面が平坦である回転式フレームと、
を備えるリソグラフィ装置。
247.フラットパネルディスプレイ製造における1つ以上の本発明の使用。
248.集積回路の実装における1つ以上の本発明の使用。
249.前記方法のいずれかによって製造されたフラットパネルディスプレイ。
250.前記方法のいずれかによって製造された集積回路デバイス。
251.装置であって
基板のターゲット部分上にビームを投影できる光学カラムであって、前記ターゲット部分上に前記ビームを投影するように構成された投影システムを備える光学カラムと、
前記光学カラムに対してスキャン方向にスキャン速度で前記基板を移動させるスキャン移動アクチュエータと、
ある回転周波数で前記光学カラム又はその一部を回転させて前記ターゲット部分の前記ビームの正接方向の回転を得る回転移動アクチュエータと
を備える装置であって、
前記ターゲット部分は、前記スキャン方向の高さと前記スキャン方向にほぼ垂直の正接方向の幅とを有し、前記スキャン速度を前記高さで除した値は、前記ビームの前記回転速度を前記正接方向の幅で除した値に実質的に対応する、装置。
252.前記回転自在のカラム又はその一部の回転周波数は、2500〜10000rpmの範囲、4000〜6000rpmの範囲、又は4500〜5000rpmの範囲から選択される、実施形態251に記載の装置。
253.前記光学カラムは、前記ビームを発光するように構成された自発光型コントラストデバイスを備える、実施形態251又は252に記載の装置。
254.前記自発光型コントラストデバイスは、前記光学カラムの静止部分に装着される、実施形態253に記載の装置。
255.前記光学カラムは、径方向のピッチで配置された複数の自発光型コントラストデバイスを備える、実施形態253又は254に記載の装置。
256.光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数は、2〜40の範囲内、5〜20の範囲内、又は8〜15の範囲内から選択される、実施形態255に記載の装置。
257.前記基板上の前記投影画像平面の径方向のピッチは、前記装置の投影解像度の50%〜95%の範囲、70%〜90%の範囲、又は75%〜85%の範囲から選択される、実施形態254〜256のいずれかに記載の装置。
258.前記投影解像度は、10μm以下、又は5μm以下、又は2μm以下である、実施形態257に記載の装置。
259.レンズを備える前記光学カラムの中心軸の半径は、50〜500mmの範囲、100〜350mmの範囲、又は200〜250mmの範囲から選択される、実施形態251〜258のいずれかに記載の装置。
260.前記ターゲット部分上の前記ビームの回転速度は、25〜400m/sの範囲、50〜200m/sの範囲、又は80〜140m/sの範囲から選択される、実施形態251〜259のいずれかに記載の装置。
261.前記ターゲット部分の前記正接方向の幅は、5〜40mmの範囲、8〜20mmの範囲、又は10〜15mmの範囲から選択される、実施形態251〜260のいずれかに記載の装置。
262.各光学カラムがそれぞれのターゲット部分上にビームを投影するように構成された1つ以上の自発光型コントラストデバイスを有する複数の光学カラムを備え、前記複数の光学カラムのそれぞれのターゲット部分は、前記スキャン方向に垂直の方向に離間している、実施形態251〜261のいずれかに記載の装置。
263.前記それぞれのターゲット部分は、前記スキャン方向に前記垂直の方向に基板の寸法をカバーする、実施形態262に記載の装置。
264.複数の回転自在の光学カラム又はその一部を備える、実施形態251〜261のいずれかに記載の装置。
265.前記スキャン方向及び/又は前記スキャン方向に垂直の方向の前記ターゲット部分は、部分的に重なる、実施形態251〜264のいずれかに記載の装置。
266.露光時間を実施形態251に記載のリソグラフィ装置内の基板長で除した値を低減する方法であって、
光学カラム当たりの自発光型コントラストデバイスの数を増加させるステップと、
回転自在の部分上の前記光学カラムの中心軸の半径を増大させるステップと、
前記回転部の回転周波数を増加させるステップと、
ターゲット部分の幅を低減するステップと、
前記スキャン方向の複数の光学カラムの間の距離を最小限にするステップと、
前記正接方向のターゲット部分の幅を低減するステップと
から選択される1つ以上のステップを含む方法。
[00278] 本文では特定のデバイス又は構造(例えば、集積回路又はフラットパネルディスプレイ)の製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置が他の用途を有していてもよいことを理解されたい。用途としては、集積回路、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCD、OLEDディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、マイクロ電子機械デバイス(MEMS)、マイクロ光電子機械システム(MOEMS)、DNAチップ、実装(例えば、フリップチップ、再配布など)、フレキシブルディスプレイ又は電子回路(紙のようにロール可能、折り曲げ可能で、変形せず、コンフォーマブルで、堅牢で、薄く、及び/又は軽量なディスプレイ又は電子回路、例えば、フレキシブルプラスチックディスプレイ)の製造などを含むが、これらに限定はされない。また、例えば、フラットパネルディスプレイでは、本発明の装置及び方法を用いて多種多様な層、例えば、薄膜トランジスタ層及び/又はカラーフィルタ層を製造することができる。そのような代替用途においては、本明細書での「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用はそれぞれ「基板」又は「ターゲット部分」というより一般的な用語と同義であると考えられることは当業者には明らかであろう。本明細書で言及する基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(例えば通常、レジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)又はメトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理できる。適宜、本明細書の開示は、上記及びその他の基板処理ツールに適用できる。さらに、基板は、例えば多層ICを作成するために複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理された層を含む基板を指してもよい。
[00279] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00280] フラットパネルディスプレイ基板は、矩形の形状であってもよい。このタイプの基板を露光するように構成されたリソグラフィ装置は、矩形の基板の全幅を覆うか又は幅の一部(例えば幅の半分)を覆う露光領域を提供することができる。基板を露光領域の下でスキャンしている間にパターン付ビームによってパターニングデバイスをスキャンでき又はパターニングデバイスが様々なパターンを提供する。こうして、所望のパターンのすべて又は一部が基板に転写される。露光領域が基板の全幅を覆う場合、基板は1回のスキャンで完了できる。露光領域が、例えば基板の幅の半分を覆う場合は、最初のスキャンの後に基板を横方向に移動させ、通常はさらにスキャンを実行して基板の残りの部分を露光する。
[00281] 本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、放射ビームの断面を変調して例えば基板(の一部)内にパターンを生成するための任意のデバイスを指すものと広義に解釈すべきである。放射ビームに付与されるパターンは、例えば、パターンが移相フィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分の所望のパターンに正確に対応しないことがあることに留意されたい。同様に、基板上に最終的に生成されるパターンは、個別に制御可能な素子のアレイ上に任意の瞬間に形成されるパターンに対応しないことがある。これは、所与の期間にわたって、又は個別に制御可能な素子のアレイ上のパターン及び/又は基板の相対位置が変化する所与の露光回数にわたって、基板の各部分に形成される最終的なパターンが構築される構成に当てはまる。一般的に、基板のターゲット部分上に生成されるパターンは、集積回路又はフラットパネルディスプレイなどのターゲット部分(例えばフラットパネルディスプレイのカラーフィルタ層又はフラットパネルディスプレイの薄膜トランジスタ層)に生成されているデバイス内の特定の機能層に対応する。そのようなパターニングデバイスの例は、レチクル、プログラマブルミラーアレイ、レーザダイオードアレイ、発光ダイオードアレイ、格子光弁、及びLCDアレイなどを含む。放射ビームの隣接部分に対して放射ビームの一部の位相を変調することで放射ビームにパターンを付与する複数のプログラマブル素子を有する電子的プログラマブルパターニングデバイスを含む放射ビームの一部の強度を各々が変調できる複数のプログラマブル素子を含むパターニングデバイス(例えばレチクルを除いて前の文章に記載したすべてのデバイス)などの電子デバイス(例えばコンピュータ)の助けによりプログラム可能なパターンを備えたパターニングデバイスは、本明細書では集合的に「コントラストデバイス」と呼ぶ。ある実施形態では、パターニングデバイスは、少なくとも10個のプログラマブル素子、例えば少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10000個、少なくとも100000個、少なくとも1000000個、又は少なくとも10000000個のプログラマブル素子を含む。これらのいくつかのデバイスの実施形態について以下に詳述する。
[00282] プログラマブルミラーアレイ:プログラマブルミラーアレイは、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリクスアドレス指定可能な表面を含んでいてもよい。そのような装置の基本的原理は、例えば、反射性表面のアドレス指定された区域が入射放射を回折放射として反射し、アドレス指定されない区域が入射放射を非回折放射として反射するというものである。適当な空間フィルタを使用して、反射ビームから非回折放射を除去し、回折放射だけを基板に到達させることができる。こうして、マトリクスアドレス指定可能表面のアドレス指定パターンに従ってビームにパターンが形成される。代替策として、フィルタは回折放射を除去し、非回折放射だけを基板に到達させることもできることは理解されるであろう。回折光学MEMSデバイスのアレイも同様の方法で使用できる。回折光学MEMSデバイスは、互いに変形して入射放射を回折放射として反射する格子を形成できる複数の反射リボンを含んでいてもよい。プログラマブルミラーアレイの別の実施形態は、小型ミラーのマトリクス構成を使用する。ミラーの各々は、好適な局所的電界を加えるか、又は圧電起動手段を使用することによって、軸周りに個別に傾斜させることができる。傾斜の程度が各ミラーの状態を定義する。素子に欠陥がない場合、コントローラからの適当な制御信号によってミラーは制御可能である。各々の欠陥がない素子を制御して一連の状態のうち任意の状態に置き、投影される放射パターン内の対応するピクセルの強度を調整できる。この場合も、ミラーはマトリクスアドレス指定が可能で、したがってアドレス指定されたミラーは入射する放射ビームをアドレス指定されていないミラーとは異なる方向に反射する。こうして、マトリクスアドレス指定可能ミラーのアドレス指定パターンに従って反射ビームをパターニングすることができる。必要なマトリクスのアドレス指定は好適な電子的手段を用いて実行できる。本明細書で言及するミラーアレイに関する詳細情報は、例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許第US5,296,891号及び米国特許第US5,523,193号並びにPCT特許出願公開WO98/38597号及びWO98/33096号から収集することができる。
[00283] プログラマブルLCDアレイ:このような構成の一例が参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許第US5,229,872号に記載されている。
[00284] リソグラフィ装置は、1つ以上のパターニングデバイス、例えば、1つ以上のコントラストデバイスを含んでいてもよい。例えば、リソグラフィ装置は、各々が互いに独立して制御される個別に制御可能な素子の複数のアレイを有していてもよい。そのような構成では、個別に制御可能な素子のアレイの一部又はすべては、共通の照明システム(又は照明システムの一部)、個別に制御可能な素子のアレイに共通の支持構造及び/又は共通の投影システム(又は投影システムの一部)のうち少なくとも1つを有していてもよい。
[00285] フィーチャのプリバイアス処理、光学近接効果補正用フィーチャ、移相技術及び/又は多重露光技術を利用する場合、例えば、個別に制御可能な素子のアレイ上に「示される」パターンは、基板の層又は基板上の層に最終的に転写されるパターンと実質的に異なることがあることを理解されたい。同様に、基板上に最終的に生成されるパターンは、任意のある瞬間に個別に制御可能な素子のアレイ上に形成されるパターンに対応しないことがある。これは、所与の期間にわたって、又は個別に制御可能な素子のアレイ上のパターン及び/又は基板の相対位置が変化する所与の露光回数にわたって、基板の各部分に形成される最終的なパターンが構築される構成に当てはまる。
[00286] 投影システム及び/又は照明システムは、放射ビームを誘導、整形又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組合せなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[00287] リソグラフィ装置は、2つの基板テーブル(例えば、デュアルステージ)又は3つ以上の基板テーブル(及び/又は複数のパターニングデバイステーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「複数ステージ」型の機械では、追加のテーブルを並列に使用できる。すなわち、1つ以上のテーブルで準備ステップを実行しながら、1つ以上の他のテーブルを使用して露光を行うことができる。
[00288] リソグラフィ装置は、基板が比較的高屈折率の「液浸液」(例えば、水)に覆われて、投影システムと基板の間の空間を充填するタイプのものであってもよい。液浸液は、リソグラフィ装置の別の空間、例えば、パターニングデバイスと投影システムとの間に注入してもよい。液浸技術は投影システムの開口数を増加させるために使用される。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に浸漬しなければならないという意味ではなく、露光時に投影システムと基板との間に液体があるということを意味するにすぎない。
[00289] さらに、装置には(例えば、化学物質を基板に付着させるか、基板の表面構造を選択的に修正するために)流体と基板の照射部分の間の相互作用を可能にする流体処理セルを設けてもよい。
[00290] ある実施形態では、基板は実質的に円形の形状を有し、任意選択として、その周囲の一部に沿って切り欠き及び/又は平坦にした縁部がある。ある実施形態では、基板は、多角形の形状、例えば矩形の形状を有する。基板が実質的に円形の形状を有する実施形態は、基板が少なくとも25mm、例えば少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも125mm、少なくとも150mm、少なくとも175mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、又は少なくとも300mmの直径を有する実施形態を含む。ある実施形態では、基板は、最大500mm、最大400mm、最大350mm、最大300mm、最大250mm、最大200mm、最大150mm、最大100mm、又は最大75mmの直径を有する。基板が多角形、例えば長方形である実施形態は、基板の少なくとも1辺、例えば少なくとも2辺又は少なくとも3辺が、少なくとも5cm、例えば25cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも150cm、少なくとも200cm、又は少なくとも250cmの長さを有する実施形態を含む。ある実施形態では、基板の少なくとも1辺は、最大1000cm、例えば最大750cm、最大500cm、最大350cm、最大250cm、最大150cm、又は最大75cmの長さを有する。ある実施形態では、基板は、約250〜350cmの長さと約250〜300cmの幅とを有する矩形の基板であってもよい。基板の厚さは変動してよく、ある程度は例えば基板の材料及び/又は基板の寸法に依存していてもよい。ある実施形態では、厚さは、少なくとも50μm、例えば少なくとも100μm、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、又は少なくとも600μmである。一実施形態では、基板の厚さは、最大5000μm、例えば最大3500μm、最大2500μm、最大1750μm、最大1250μm、最大1000μm、最大800μm、最大600μm、最大500μm、最大400μm、又は最大300μmである。本明細書で言及する基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(例えば通常、レジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)内で処理できる。基板の特性は、露光前又は露光後に、例えば、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで測定できる。
[00291] ある実施形態では、基板上にレジスト層が提供される。ある実施形態では、基板はウェーハ、例えば半導体ウェーハである。ある実施形態では、ウェーハ材料は、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge、GaAs、InP、及びInAsで構成されたグループから選択される。ある実施形態では、ウェーハはIII/V族化合物の半導体ウェーハである。ある実施形態では、ウェーハはシリコンウェーハである。ある実施形態では、基板はセラミック基板である。ある実施形態では、基板はガラス基板である。ガラス基板は、例えば、フラットパネルディスプレイ及び液晶ディスプレイパネルの製造で有用である。ある実施形態では、基板はプラスチック基板である。ある実施形態では、基板は(人間の肉眼には)透明である。ある実施形態では、基板は着色される。ある実施形態では、基板は色がない。
[00292] ある実施形態では、パターニングデバイス104が基板114の上方にあるものとして説明し及び/又は示しているが、代替的に又は追加的に、パターニングデバイス104は基板114の下にあってもよい。さらに、ある実施形態では、パターニングデバイス104及び基板114を横に並べてもよく、例えば、パターニングデバイス104及び基板114は垂直に延在し、パターンは水平に投影される。ある実施形態では、パターニングデバイス104が提供されて、基板114の少なくとも2つの対向する辺が露光される。例えば、基板114の対向する辺の各々に、それらの辺を露光する少なくとも2つのパターニングデバイス104があってもよい。ある実施形態では、基板114の1つの辺を投影する単一のパターニングデバイス104と、単一のパターニングデバイス104からパターンを基板114の別の辺に投影する適当な光学系(例えば、ビーム誘導ミラー)があってもよい。
[00293] 以上、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は上記とは別の方法で実施することもできる。例えば、本発明は上で開示した方法を記述する機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラム又はそのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとってもよい。
[00294] さらに、ある種の実施形態及び例として本発明を開示してきたが、本発明は上記の開示された特定の実施形態を超えて別の代替形態及び/又は本発明の使用法並びにその明らかな変形版及び同等物に適用されることは当業者には明らかであろう。さらに、本発明のいくつかの変形形態を図示し詳述してきたが、当業者であれば、本開示に基づいて本発明の範囲を逸脱しないその他の変形形態を容易に思い付くであろう。例えば、各実施形態の具体的な特徴及び態様の様々な組合せ又は副次的な組合せも可能であり、本発明の範囲内である。したがって、開示された実施形態の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせ、又は交換して開示された発明の多様な形態を形成することができる。例えば、ある実施形態では、図5の可動式の個別に制御可能な素子の実施形態を個別に制御可能な素子の非可動式アレイと組み合わせて、例えば、バックアップシステムを提供するか、又は有してもよい。
[00295] したがって、本発明の様々な実施形態について上に説明してきたが、上記実施形態は例示に過ぎず、限定的なものではないことを理解されたい。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本発明の形態及び内容を様々に変更できることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の精神及び範囲は上記のいかなる例示的な実施形態によっても限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲とその同等物のみによって定義されるものである。