JP2013520571A - 高強度、高伝導性銅合金及びその製造方法 - Google Patents

高強度、高伝導性銅合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、伸銅工場で使われているSiを用いて脱酸素を促進させ、Cr、Snなどの元素を含有させても製造に不都合がなく、大気、非酸化または還元雰囲気下でも溶解鋳造が可能であり、引張強度を低下させずに且つ高伝導性を兼備すると共に、適正な高加工性を有する銅合金に関する。また、CrをCuマトリックスに十分に固溶させるための熱間圧延終了後の高温溶体化を行わないことで、工程の短縮化により製造原価を低廉にするのに適した銅合金に関するものである。本発明の組成は、100重量%として、Cr0.2〜0.4重量%、Sn0.05〜0.15重量%、Zn0.05〜0.15重量%、Mg0.01〜0.30重量%、Si0.03〜0.07重量%であり、残部がCu及び不可避的不純物で組成されることを特徴とする、高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金である。また、本発明は、上記した組成の溶湯を得るステップと、鋳塊を得るステップと、前記鋳塊を900〜1000℃で加熱して熱間圧延するステップと、冷間圧延するステップと、400〜500℃で2〜8時間1次時効処理するステップと、冷間圧延するステップと、370〜450℃で2〜8時間2次時効処理するステップと、からなることを特徴とする銅合金の製造方法からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高強度、高伝導性銅合金及びその製造方法に関する。
従来から半導体用リードフレーム材や端子、コネクタ材には電気、熱伝導性に優れた銅系材料が広く使われてきた。銅系材料は、高集積化や小型化が進むにつれ、電気、熱伝導性以外に、加工性に必要な高延伸率、メッキ性などの表面状態に優れた高伝導性銅合金がより強く要求されている。
これに対応するために様々な銅合金が開発されてきたが、高伝導性銅合金として優れたCu−Cr系合金は製造に困難があり、低コスト、高品質及び高収率で容易に製造できないという問題点を含んでいる。
特開2003−89832号公報(以下、“特許文献1”という)において請求項4では、Cr0.02〜0.4重量%、Zn0.01〜0.3重量%であり、Ti、Ni、Fe、Sn、Si、Mn、Co、Al、B、In及びAgのうち1種以上を0.005〜1.0重量%含有し、残部がCuからなっており、このように組成された溶湯を鋳塊として熱間圧延、溶体化処理、冷間圧延、時効処理、冷間圧延、焼鈍工程を経て、前記工程を通じて得られた素材を必要とする厚さに合わせて加工して製品を得ることを開示している。
しかし、上記の先行技術1の銅合金は、成分としてCrとは異なり、Zrを対象としているもので、導電率が高い反面、引張強度が不足し、引張強度を維持しながら加工性に必要な延伸率に対する物性値が不明であり、また、上記した全ての物性値を維持しながら硬度がどのように示されたのかが全く分らない。
また、特開2001−181757号公報(以下、“特許文献2”という)は、Cr0.2〜0.35重量%、Sn0.1〜0.5重量%、Zn0.1〜0.5重量%、Si0.05〜0.1重量%であり、ここに、Pb、Bi、Ca、Sr、Te、Se、希土類元素のうち1種以上を含み、残部がCuで組成された銅合金であって、このような組成の溶湯を鋳塊として880〜980℃で加熱して熱間圧延し、冷間圧延を通じて製造し、前記冷間圧延前または後に360〜470℃の温度で時効処理して、打抜加工性に優れた銅合金を製造することを開示している。
上記先行技術は、熱間圧延、冷間圧延、溶体化及び時効処理などの工程を通じて主にCrまたはCr−Si系化合物の固溶及び析出を制御することによって、強度、導電性などの特性を確保する。
上記先行技術2で、0.3〜0.4重量%前後のCrを含有した銅合金は、高温の溶体化処理を行わずに製造すれば、最終圧延板において数10μmのストリンガー(Stringer)状や数μmの大きさの粒状析出物が多く発生し、これに起因する欠陥や、析出物とCuマトリックスの化学的性質の相違によってメッキ性に悪影響を及ぼしている。
また、特開平7−54079号公報(以下、“特許文献3”という)は、Cr0.01〜0.2重量%、Zr0.005〜1重量%であり、ここに、その他の元素として、Ni、Sn、Znそれぞれ0.005〜10重量%、Fe、Co、Te、Nbそれぞれ0.005〜5重量%、Be、Mg、Mo、W、Y、Ta、希土類元素それぞれ0.001〜2重量%、Mn、Alそれぞれ0.001〜10重量%、Si、Ge、V、Cd、Hf、Sb、Gaそれぞれ0.001〜5重量%、Ag0.001〜3重量%、B、Pそれぞれ0.001〜1重量%からなる組成を開示している。
上記した組成の溶湯を鋳塊として熱間圧延、冷間圧延、溶体化及び時効処理などの工程を通じて析出物を生成させることで、強度及び電気伝導度を向上させようとしている。上記した先行技術3は、25種のその他の元素を構成成分としている。
周期律表上に示された族は、IA族〜V族(8個の族)及びB族〜VIIA族(7個の族)の総15族となっているが、そのうち、先行技術3は、A族(アルカリ金属)、A(アルカリ土類金属:Be、Mgを除外した4個の元素)、VA(ハロゲン族)、VA族(酸素族)、VA族(窒素族)を除外した10族に属する元素を網羅して対象としている。しかし、実施例を示している表1では、Cu−Cr系またはCu−Zr系、Cu−Cr−Zr系を対象として、Cu−Cr系(実施例1〜5)にNi、B、Fe、Pをその他の元素として、Cu−Zr系(実施例6〜9)にMg、Ag、Beをその他の元素として、Cu−Cr−Zr系(実施例10〜22)ではその他の元素として1種(実施例11〜15、実施例22)、2種(実施例16〜17)、3種(実施例18〜21)を対象として加え実施しているだけでなく、引張強度に対する情報は全く示されておらず、導電率に対しても非常に不明に示されているだけである。
上記のように先行技術3は、その他の元素として25種を網羅しているため、まるで25種の全ての元素が均等物として同一ないしは類似した作用効果を伴うものと記載しているという問題点がある。上記した実施例で明らかにしたように、先行技術3の実質的な技術的構成は、実施例に限定して判断しなければならないことが明らかである。
したがって、先行技術3では、引張強度を向上させたり、または維持しながら高伝導性及び高延伸率を同時に兼備するのに限界があり、また、銅合金素材を製造するにおいて溶体化工程を伴うことによって、製造コストの上昇要因が発生するなどの問題点があった。
一方、韓国公開特許第10−2009−0004626号公報(以下、“特許文献4”という)では、Cr0.2〜0.4重量%、Sn0.05〜0.4重量%、Zn0.05〜0.4重量%、Si0.01〜0.05重量%、P及びMn0.003〜0.02重量%であり、残部がCuからなる合金組成を開示している。
本発明では、上記先行技術4の合金の強度及び電気伝導度の特性よりも優れた特性の合金を開発するために、先行技術の実施例に例示されている成分にMgを添加し、高強度、高加工性及び高伝導性を有する銅合金の製造方法を発明しようとした。
特開2003−89832号公報 特開2001−181757号公報 特開平7−54079号公報 韓国公開特許第10−2009−0004626号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するために案出されたもので、伸銅工場で使われているSiを用いて脱酸素を促進させ、Cr、Snなどの合金を構成する元素を含有させても製造に不都合がなく、大気、非酸化または還元雰囲気下でも溶解鋳造が可能な成分として組成して、引張強度を低下させずに且つ高伝導性を兼備すると共に、適正な高加工性を有するようにする。また、銅合金素材を製造する際に、CrをCuマトリックスに十分に固溶させるための熱間圧延終了後の高温溶体化を行わないことで、工程の短縮化により製造原価を低廉にするのに適した銅合金組成及びその製造方法を提供することにその目的がある。
上記目的を達成するために本発明は、100重量%として、Cr0.2〜0.4重量%、Sn0.05〜0.15重量%、Zn0.05〜0.15重量%、Mg0.01〜0.30重量%、Si0.03〜0.07重量%であり、残部がCu及び不可避的不純物で組成されることを特徴とする高伝導性銅合金である。
上記組成においてCrを0.2〜0.4重量%に限定したことは、0.2重量%未満では引張強度が満足されず、0.4重量%を越える場合にはCuマトリックス中にCrまたはCr化合物が多くなりメッキ性に悪影響を及ぼすためである。
Snを0.05〜0.15重量%に限定したことは、0.05重量%未満では高温でのCr析出の抑制効果や引張強度向上の効果がなく、0.15重量%を超える場合には導電率の大幅な低下及び耐応力腐食性が劣るためである。
Znを0.05〜0.15重量%に限定したことは、0.05重量%未満では溶解鋳造において脱ガス及びメッキの耐熱剥離性を改善する効果がなく、0.15重量%を越える場合には上記した効果に対するこれ以上の改善効果がないと共に、導電率の低下が大きくなるためである。
Siを0.03〜0.07重量%に限定したことは、0.03重量%未満では溶解鋳造時において脱酸素及び鋳塊加熱後の製造工程のCr化合物(CrSiなど)の生成が不十分であるため強度に寄与できず、またCr系析出物の形成に作用せず、0.07重量%を越える場合にはCr化合物が過剰に生成するため、析出物が多くなるだけでなく、固溶Siも増加して導電率を低下させるためである。
Mgを0.01〜0.30重量%に限定したことは、0.01重量%未満ではMg系析出物の生成が不充分であるため強度の向上に寄与できず、0.3重量%を超える場合には鋳造時にMgの酸化性及び揮発性が強いため、鋳造時間によって鋳造後半に行くほどMgの含量が減少するという問題があるためである。
本発明は、上記組成においてCr、Mg及びSiの比率が(Cr+Mg)/Si=2〜10になるようにすることが好ましい。
また、本発明は、上記した素材の所望の強度及び高伝導度を得るための製造工程を説明する。
本発明は、高強度、高電導性の銅合金を得るための方法であり、上記組成になるように溶解、鋳造して鋳塊を得るステップと、前記鋳塊を900〜1000℃で加熱して熱間圧延するステップと、冷間圧延するステップと、400〜500℃で2〜8時間1次時効処理するステップと、冷間圧延するステップと、370〜450℃で2〜8時間2次時効処理するステップとからなる。
上記した本発明では、鋳塊加熱に対しては特に制約はないが、900℃未満で熱間圧延すると、Cr及びCr化合物の析出が多くなるため、900℃未満で熱間圧延することは好ましくない。
本発明の高伝導性銅合金は、通常の近代的設備を有する伸銅工場が鋳塊加熱炉や熱間圧延機を使用する範囲内において根本的に問題なく製造可能である。
熱間圧延の開始から最終パスまで通常10分前後で終了し、水冷などの冷却後、熱間圧延条をコイル状に巻き取る。析出物が大量に粗大化しないように、例えば、1℃/秒のような徐冷は避けることが好ましい。前記水冷に続けて一定の厚さになるように冷間圧延した後時効処理する。
上記した1次時効処理条件において低温−長時間または高温−短時間で最適の時効硬化を実現でき、400℃未満では時効時間が長いため経済的ではなく、500℃を越える場合には過時効になりやすいため最適の時効硬化を実現できない。
上記した2次時効処理条件においては370℃未満では時効時間が長いため経済的ではなく、450℃を越える場合には過時効になりやすいため最適の時効硬化を実現できない。
上記した1次時効処理及び2次時効処理は、バッチ(batch)式焼鈍炉にて行なうことが好ましい。
上記した1次時効処理及び2次時効処理を通じてCr−Si系析出物及びMg−Si系析出物を形成させることで、高引張強度を確保することができる。
図1は、Cr−Si系析出物及びMg−Si系析出物の走査電子顕微鏡写真を示し、図2は、Cr−Si系析出物に対するEDS分析図を、図3は、Mg−Si系析出物に対するEDS分析図を示す。
以上のように、本発明は、伸銅工場で使われているZn、Sn、Si及びMgを用いて、表面欠陥がなく、最終合金の特性である引張強度を低下させずに、且つ、高伝導性及び加工性に必要とされる延伸率を兼備すると共に、銅合金素材を製造する際に、CrをCuマトリックスに十分に固溶させるための熱間圧延終了後の高温溶体化を行わないことで、工程の短縮化により製造原価を低廉にするのに適した銅合金の組成及びその製造方法を提供することにより、工業上顕著な効果を奏することができる。
Cr−Si系析出物及びMg−Si系析出物の走査電子顕微鏡写真である。 Cr−Si系析出物に対するEDS分析図である。 Mg−Si系析出物に対するEDS分析図である。
以下、実施例を通じて本発明を説明する。
下記表1に示す成分組成を有する合金成分を高周波溶解炉にて溶解し、酸化防止のために溶湯を木炭やアルゴンガスで被覆しながら、半連続鋳造装置を用いて厚さ200mm、幅600mm、長さ7000mmの鋳塊を製造した。
鋳塊のトップ(Top)とボトム(Bottom)の鋳造が不安定な部分を切断し、鋳塊加熱後、熱間圧延開始温度960℃で熱間圧延を行った。
熱間圧延終了厚さ12mmの熱間圧延条を迅速にスプレーによる水冷を行って常温まで冷却した後、コイル状に巻き取った。その後、表面のスケールを除去するために両面1mmを面削した。そして、厚さ0.2mmになるように冷間圧延し、475℃で6時間の時効処理を行い、また、厚さ0.2mmになるように冷間圧延し、425℃で4時間の引張焼鈍処理を行って圧延条を製造した。
また、表面の洗浄のために選択的な時効処理を行った後に、酸洗研磨を行うと共に、1番目の熱処理後にはテンションレベラ(tension leveler)で矯正加工を行った。
本発明の好ましい実施形態による製造工程はこれに限定されるものではなく、個別顧客が要求する品質に対応するために、通常、伸銅工場で行われているように、熱間圧延後に対して冷間圧延、時効処理、表面クリーニング(酸洗研磨)、引張焼鈍、テンションレベリングなどの工程を取捨選択して、必要によって対応して組み合わせても良い。
上記した組成及び製造工程を通じて得た試験片を切り出して、表面欠陥、張強度度(TS)、延伸率(El)、ビッカース硬度(Hv)、電気伝導度(EC)を調べて実験結果を表2に示した。
引張強度及び延伸率はKS B0802に準じて、熱及び電気の伝導性に関連する電気伝導度はKS D0240に準じて測定した。
表面欠陥は、圧延条の幅及び長さ方向のいずれも中央に該当する部位から、幅30mm、長さ10mmの試験片を切り出して、肉眼で観察し、長さ1mm以上の欠陥を数えて評価した。
ただし、根本的に合金自体の健全性と関係ないロールマーク、凹み、スクラッチ、異物などは計数から除外した。
上記表1及び表2から分かるように、本発明の試料1〜10は、比較例1〜10及び従来発明である韓国公開特許第10−2009−0004626号公報の実施例の番号(1)〜(4)、(10)〜(13)に比べて強度及び電気伝導度に優れ、且つ、強度と電気伝導度との調和がとれた優れた合金と評価され、表面欠陥は、比較例2及び従来発明である試料番号(12)でのみ発生した。
各特性を説明すると、比較例及び従来発明の試料番号(13)、(14)、(16)は、本発明の引張強度において最下である490N/mmよりも小さく、従来発明の試料番号(10)、(13)〜(16)は、本発明の最小ビッカース硬度である164よりも小さく、比較例及び従来発明の試料番号(11)、(12)、(15)、(16)は、本発明の最小導電率である78%IACSよりも小さいものであることが示された。
上記した結果から分かるように、いくつかの特性が比較例及び従来発明は本発明に比べて劣っている。
一方、先行技術である特開2003−89832号公報の全ての試料は、本発明の組成範囲と一致することがないので、PまたはMnをそれぞれ使用している例である試料番号(14)、(15)、(18)について本発明と比べた。
特開2003−89832号公報は、本発明より電気伝導度において劣るが、強度は多少優れたものを示している。これは、本発明と異なる元素の添加による特性と見える。また、特開2003−89832号公報は、本発明に示した硬度及び加工性を要する延伸率に対するデータが示されていない。
さらに、上記で言及したように、日本特開2003−89832号は、溶体化処理工程が伴われることによって、製造コストの上昇要因が伴われるという問題がある。
先行技術の特開平7−54079号では、試料番号(16)、(17)は本発明に比べて硬度及び導電率が劣った。また、引張強度及び延伸率に関するデータが示されていない。
以上のように、本発明は、引張強度を増大ないしは維持しながら、高伝導性と高加工性に必要とする延伸率を兼備すると共に、銅合金素材を製造する際に、CrをCuマトリックスに十分に固溶させるための熱間圧延終了後の高温溶体化を行わないことによって、工程の短縮化により低廉な銅合金組成及びその製造工程を有するようにすることにその特徴がある。
実施例
上記結果から分かるように、いくつかの特性に関して比較例は本発明に比べて劣っている。
一方、先行技術の特開2003−89832号公報の全ての試料は、本発明の組成範囲と一致することがないので、PまたはMnをそれぞれ使用している例である試料番号(14)、(15)、(18)に対して本発明と比べた。
特開2003−89832号は、本発明より電気伝導度において劣るが、強度は多少優れたものと示された。これは、本発明と異なる元素の添加による特性と見える。また、本発明に示した硬度及び加工性を要する延伸率に対するデータが示されていない。
さらに、上記で言及したように、特開2003−89832号公報は溶体化処理工程が伴われることによって、製造原価の上昇要因が伴われるという問題がある。
先行技術として特開平7−54079号公報では、試料番号(16)、(17)は本発明に比べて硬度及び導電率が劣っている。また、引張強度及び延伸率に関するデータが示されていない。
以上のように、本発明は、引張強度を増大ないしは維持しながら、高伝導性と高加工性に必要とする延伸率を兼備すると共に、銅合金素材を製造する際に、CrをCuマトリックスに十分に固溶させるための熱間圧延終了後の高温溶体化を行わないことによって、工程の短縮化により低廉な銅合金組成及びその製造工程を有するようにすることにその特徴がある。
本発明は、半導体用リードフレーム材や端子、コネクタ材などの電気及び電子材料などとして引張強度を低下させずに、且つ、高伝導性及び加工性に必要とする延伸率を兼備した銅合金素材に広く使用することができる。

Claims (7)

  1. 100重量%として、Cr0.2〜0.4重量%、Sn0.05〜0.15重量%、Zn0.05〜0.15重量%、Mg0.01〜0.30重量%、Si0.03〜0.07重量%であり、残部がCu及び不可避的不純物で組成されることを特徴とする、高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金。
  2. Cr、Mg及びSiの比率が(Cr+Mg)/Si=2〜10であることを特徴とする、請求項1に記載の高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金。
  3. 高引張強度が490〜570N/mm、高伝導性が78〜89%IACS、延伸率が10〜12%であることを特徴とする、請求項1に記載の高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金。
  4. 100重量%として、Cr0.2〜0.4重量%、Sn0.05〜0.15重量%、Zn0.05〜0.15重量%、Mg0.01〜0.30重量%、Si0.03〜0.07重量%であり、残部がCu及び不可避的不純物で組成された溶湯を得るステップと、鋳塊を得るステップと、前記鋳塊を900〜1000℃で加熱して熱間圧延するステップと、冷間圧延するステップと、400〜500℃で2〜8時間1次時効処理するステップと、冷間圧延するステップと、370〜450℃で2〜8時間2次時効処理するステップと、からなることを特徴とする、高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金の製造方法。
  5. 前記熱間圧延後に水冷処理し、冷間圧延することを特徴とする、請求項4に記載の高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金の製造方法。
  6. 前記1次時効処理及び2次時効処理が、バッチ(batch)式焼鈍炉にて行われることを特徴とする、請求項4に記載の高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金の製造方法。
  7. 前記1次時効処理及び2次時効処理を通じてCr−Si系析出物及びMg−Si系析出物を形成させることで、高引張強度を確保することを特徴とする、請求項4又は6に記載の高引張強度、高加工性、高伝導性を有する銅合金の製造方法。
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