JP2013519689A - 慢性炎症状態の治療 - Google Patents

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Abstract

患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の患者への投与を含む、患者における慢性炎症状態の治療方法。

Description

本発明は、一般に、慢性炎症状態の治療、および特に患者におけるこのような状態の影響を低減するまたはさもなければ寛解させる方法に関する。1つの特定の実施形態では、本発明は、関節炎、特に、多数の炎症性メディエーターの存在および可動関節の破壊を特徴とする慢性の炎症性疾患である関節リウマチの治療に関する。
インターロイキン−3(IL−3)は、免疫系の一部として疾患に対する身体の自然応答を改善することができるサイトカインである。IL−3は、多分化能造血幹細胞(多能性)から骨髄系前駆細胞への分化を刺激するほか、骨髄細胞系列(赤血球、血小板、顆粒球、単球、および樹状細胞)における全ての細胞の増殖を刺激する。IL−3は活性化T細胞により分泌されて免疫応答における骨髄からのT細胞の増殖および分化を支持する。
IL−3は、インターロイキン−3受容体(IL−3R)として知られる特異的な細胞表面受容体への結合を通じて活性を発揮する。IL−3Rは、70kDa IL−3Rアルファ(CD123)および120〜140kDa IL−3Rベータ(CD131)から構成されたヘテロ二量体構造である。IL−3Rアルファ鎖(IL−3Rα)は極めて短い細胞内ドメインを有するが、IL−3Rベータ鎖(IL−3Rβ)は極めて大きな細胞質ドメインを有する。IL−3Rアルファは、比較的低い親和性でIL−3に結合する。しかし、IL−3Rベータの存在下、IL−3RアルファはIL−3に対しはるかに高い親和性を有する。IL−3結合後にシグナル伝達がどのように生じるかは明らかではないが、最近の研究はシグナル伝達が十二量体を含む高次複合体の形成を必要とすることを示唆している。IL−3Rベータ鎖は、IL−5およびGM−CSFの受容体にも共有される。IL−3受容体を発現することが知られる細胞には、造血前駆細胞、マスト細胞、好塩基球および血中単球のほか、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、マスト細胞、好酸球、巨核球、赤血球細胞、およびCD5 B細胞亜集団を含むさまざまな造血細胞系列のより成熟した細胞が含まれる。非造血細胞も、幾つかの内皮細胞、間質細胞、樹状細胞およびライディッヒ細胞を含め、受容体を発現することが示されている2,3
IL−3は、免疫系と造血系の間の潜在的に重要な関連を提供する。IL−3は、特に免疫反応中のマスト細胞および好塩基球の産生および機能にとって重要であると考えられる。IL−3はまた、マクロファージ系列集団の増殖および活性化を促進することもでき6〜8、樹状細胞の発生を助けることもできる。上述の通り、IL−3シグナル伝達は、共通する受容体ベータサブユニット(IL−3Rβ)および特異的リガンド結合アルファサブユニット(IL−3Rα)により媒介されるが、マウスではさらなるベータサブユニットがある10
関節リウマチ(RA)などの慢性炎症状態におけるIL−3の役割に関しては、ほとんど分かっていない。IL−3 mRNAは、ある研究ではRA患者の滑膜で検出できなかったが11、より後の研究では見出された12。全員ではないが一部のRA患者は、検出可能なIL−3を循環中に有することが見出されており13、IL−3遺伝子プロモーターにおける一塩基多型とRAの間に関連がある14。しかし、IL−3レベルは、ラット関節炎モデルでの関節炎進行中に低下し15、IL−3投与はマウス炎症性関節炎を阻害することが最近報告された16
本発明に至る研究において、本発明者らは、RAなどの慢性炎症状態の影響は、IL−3とIL−3Rの間のリガンド/受容体相互作用を遮断または妨げることにより阻害または低減され得ることを見出した。この知見は、IL−3投与が炎症性関節炎における炎症反応を減少させ、軟骨および骨量減少を間接的に抑止する潜在的可能性を有することを示唆する最近の報告16を考えると、非常に驚きであり、予想外であった。
本明細書で言及された出版物の書誌詳細は、本明細書の最後に言及されている。
いずれかの先行出版物(またはこれから得られた情報)、または既知であるいずれかの事項への本明細書での言及は、その先行出版物(またはこれから得られた情報)または既知の事項が、本明細書が関連する当該分野における共通の一般的知識の一部を形成することの了承もしくは承認、またはいかなる形態の示唆としても受け取られず、受け取られるべきでない。
本明細書およびこれに続く特許請求の範囲を通じて、文脈が特に別途に必要としない限り、単語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形形態は、述べられた整数またはステップまたは整数もしくはステップの群の包含を意味するが、任意の他の整数またはステップまたは整数もしくはステップの群の除外を意味しないと理解されよう。
1つの態様では、本発明は、患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の患者への投与を含む、患者における慢性炎症状態の治療方法を提供する。
別の態様では、本発明は、患者における慢性炎症状態の治療における、または患者における慢性炎症状態を治療する医薬品の製造における、IL−3シグナル伝達事象を遮断もしくは阻害する薬剤の使用を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する、患者における慢性炎症状態を治療する薬剤を提供する。
本発明の他の態様では、薬剤は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤および/または希釈剤と一緒に医薬組成物として製剤化されてもよく、あるいは薬剤は、患者における慢性炎症状態の治療方法に従って薬剤を使用するための説明書を場合により含むキットとして提供されてもよい。
慢性炎症状態は、例えば、関節炎、さらに特定すると、RAなどの炎症性関節炎であってもよい。
好ましくは、薬剤は、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害するものである。好ましくはまた、患者はヒトである。
抗IL−3 mAbまたはPBS(対照)の投与を受けているマウスにおけるコラーゲン誘導関節炎(CIA)進行(臨床スコア)を示す図である。結果は平均±SEMとして表されている。n=10マウス治療群、n=6マウス対照群。 単球(PBMC由来のCD14+)の細胞生存能に対するIL−3シグナル伝達の影響を示す図である。単球は、6cm IWAKI(低付着性)TC皿1枚あたり約1.8×10細胞の密度で播種され、RPMI+10%FCSおよび:IL−3(3ng/ml)単独、IL−3(3ng/ml)+IL−3R抗体、またはIL−3(0.3ng/ml)単独、またはIL−3(0.3ng/ml)+IL−3R抗体において7日間培養した。IL−3R抗体は、いずれの場合も1μg/mlで使用した。4日目に新たなIL−3およびIL−3R抗体を添加した。7日目に細胞を取り除き、カウントした。 IL−3が好塩基球活性化マーカーCD203cを用量依存的に誘導することを示す図である。蕁麻疹患者(URT)および正常なドナー(NOR)由来のPBMCを単離し、多クローン性IgE、FMLP、FMLPおよびIL−3または漸増濃度のIL−3により刺激した。CD203+ve好塩基球のパーセンテージは、好塩基球を同定するための抗体カクテルによる染色および好塩基球活性化マーカーCD203cに対する抗体による染色、次いでフローサイトメトリーによる分析後に計算した。 抗IL−3R抗体がIL−3誘導好塩基球活性化を遮断することを示す図である。正常なドナー由来のPBMCを単離し、中和抗IL−3R抗体(CSL360)の存在下または非存在下、漸増濃度のIL−3により刺激した。CD203+ve好塩基球のパーセンテージは、好塩基球を同定するための抗体カクテルによる染色および好塩基球活性化マーカーCD203cに対する抗体による染色、次いでフローサイトメトリーによる分析後に計算した。 抗CD123モノクローナル抗体(CSL362)が好塩基球を時間依存的に枯渇させることを示す図である。正常なドナー由来のPBMCを単離し、抗体無しでまたは枯渇抗CD123抗体(CSL362)と共にさまざまな時間(示されているような)にわたりインキュベートした。残存好塩基球のパーセンテージは、好塩基球を同定するための抗体カクテルによる染色およびフローサイトメトリーによる分析後に計算した。 抗CD123 mAbが、24時間以内に好塩基球を再現可能に枯渇させることを示す図である。3名の正常なドナー由来のPBMCを単離し、抗体無しでまたは枯渇抗CD123抗体(CSL362)と共に24時間インキュベートした。残存好塩基球のパーセンテージは、好塩基球を同定するための抗体カクテルによる染色およびフローサイトメトリーによる分析後に計算した。 抗CD123 mAbが、NK細胞を24時間以内に活性化することを示す図である。3名の正常なドナー由来のPBMCを単離し、抗体無しで(実線)または枯渇抗CD123抗体(CSL362、点線)と共に24時間インキュベートした。NK細胞(CD56+ve細胞)の活性化は、CD16ダウンレギュレーションにより判定した。PBMCは、NK細胞を同定するために抗CD56抗体により染色し、抗CD16抗体により染色した。抗体無しの対照と比較したCD16染色の喪失は、フローサイトメトリーにより判定した。 抗IL−3Rα抗体のインビボでの投与による末梢血中のマウス好塩基球の枯渇を示す図である。BALB/cマウスに、抗IL−3Rα抗体(1C2)、抗CD200R3(Ba103)またはアイソタイプ対照抗体マウスIgG2a(mIgG2a)もしくはラットIgG2b(rIgG2b)を静脈内投与した。全ての抗体は、マウス1匹あたり18μgで注射した1C2を除いて、マウス1匹あたり30μgで注射した。末梢血細胞を抗体投与24時間後に単離し、好塩基球を同定するためにFcεR1αおよびCD49b発現について染色した。フローサイトメトリー分析からの代表的な染色プロフィールが示されている(a)。好塩基球集団が枠で囲まれている。マウス1匹あたりの好塩基球のパーセンテージはフローサイトメトリー分析から計算した。1群あたり3匹のマウスの平均(+SEM)が示されている(b)。***:p<0.001、**:p<0.01。
1つの態様では、本発明は、患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の患者への投与を含む、患者における慢性炎症状態の治療方法を提供する。
好ましくは、薬剤は、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害するものである。
本発明に従って治療され得る慢性炎症状態は、当業者によく知られており、特に関節炎、さらに特定すると成人および若年性RAなどの炎症性関節炎を含む。他の適応症には、慢性閉塞性肺疾患(COPD);クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD);慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP);アテローム性動脈硬化;強皮症;全身性エリテマトーデス(SLE);シェーグレン症候群;通風;変形性関節炎;リウマチ性多発筋痛;強直性脊椎炎を含む血清陰性脊椎関節症;ライター病、乾癬性関節炎、混合性結合組織病(MCTD);慢性ライム病関節炎;スティル病;慢性蕁麻疹;関節リウマチに関連したブドウ膜炎、ならびに皮膚筋炎、封入体筋炎、多発性筋炎、およびリンパ脈管筋腫症を含む、随意筋および他の筋肉の炎症をもたらす障害が含まれるが、これらに限定されない。
「治療」への本明細書での言及は、最も幅広い文脈において考えられるべきであり、治療処置および予防(prophylactic)または予防(preventative)対策の両方を含む。治療を必要とする患者には、慢性炎症状態に既に苦しんでいる者のほか、このような状態が予防されるべき者が含まれる。該状態から部分的または完全に回復した患者も、治療を必要とする場合がある。用語「治療」は、患者が完全回復まで治療されることを必ずしも意味しない。したがって、治療には、特定の慢性炎症状態の症状の低減または寛解のほか、特定の慢性炎症状態の発症、発達もしくは進行の停止もしくは少なくとも遅延、特定の慢性炎症状態の重症度の低減、または特定の慢性炎症状態の除去が含まれる。
本発明に従って投与される薬剤は、好ましくはIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害することにより、患者におけるIL−3シグナル伝達事象の活性化を遮断または阻害する。本明細書では、「患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する」への言及は、IL−3開始シグナル伝達のレベルの低下をもたらす任意の介入を包含する。このような介入には、例として、IL−3シグナル伝達事象の活性化を特異的に遮断または阻害する薬剤(例えばIL−3、IL−3Rα、IL−3Rβを標的にする薬剤)の使用のほか、IL−3シグナル伝達することができる細胞を選択的に標的にすることにより細胞死を誘導することを目的とした薬剤(例えばIL−3Rを標的にし、抗細胞部分を保有する薬剤)の使用が含まれる。
本発明の1つの実施形態では、薬剤は、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子であってもよい。
本明細書では用語「抗原結合分子」は、キメラ抗体、ヒト化抗体もしくはヒトモノクローナル抗体などのモノクローナル抗体を含むインタクトな免疫グロブリン、または免疫グロブリンの抗原結合フラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’およびF(ab’)フラグメントを含む)および/もしくは可変ドメインを含むフラグメント(インタクトな免疫グロブリンと、免疫グロブリンの結合パートナー(例えば宿主タンパク質)への特異的結合について競合するもの)を指す。構造に関係なく、抗原結合フラグメントは、インタクトな免疫グロブリンにより認識される同じ抗原と結合する。抗原結合フラグメントは、合成的に、またはインタクトな免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断により産生することができ、あるいは抗原結合フラグメントは、組換えDNA技術により遺伝子操作することができる。抗原結合分子およびそのフラグメントの産生方法は、当技術分野でよく知られており、例えば、本明細書に参照により組み込まれているAntibodies、A Laboratory Manual、E. HarlowおよびD. Lane編(1988年)、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、New Yorkに記載されている。
好ましくは、抗原結合分子はモノクローナル抗体である。
本発明のこの実施形態では、抗原結合分子は、修飾Fc領域、さらに特定すると、Fc受容体への増強された結合親和性、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性食作用(ADCP)および補体依存性細胞傷害(CDC)などの増強されたエフェクター機能を提供するために修飾されたFc領域を含むことができる。抗体のIgGクラスに関して、これらのエフェクター機能は、さまざまな免疫細胞上で発現されるFcγ受容体(FcγR)と呼ばれる受容体のファミリーとのFc領域の結合により支配される。Fc/FcγR複合体の形成は、これらの細胞を結合抗原の部位に動員して、典型的にはシグナル伝達およびこれに続く免疫応答をもたらす。エフェクター機能を増強するために、特に「親」Fc領域と比べてADCCおよび/またはCDC活性を変化させるために、FcγRの抗体Fc領域への結合親和性を最適化する方法は、当業者によく知られており、例えば、国際特許公開第WO 2009/070844号に記載されている。これらの方法には、関連するFc受容体との相互作用を増強するための、ならびにADCCおよびADCPを亢進する潜在的可能性を増加させるための抗体のFc領域の修飾が含まれ得る。ADCC活性の増強はまた、IgG1抗体にFc領域の保存Asn297で共有結合したオリゴ糖の修飾後にも記載されている。
本明細書では、抗原結合分子(例えば抗体または抗体フラグメント)、およびこの結合パートナー(例えば抗原)の相互作用に関する用語「選択的に結合する」は、相互作用が、結合パートナーにおける特定の構造(例えば抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味する。言い換えれば、抗体または抗体フラグメントは、結合パートナーが他の分子または生物の混合物中に存在する場合でも、結合パートナーを優先的に結合または認識する。
いかなる特定の理論に縛られることを望むものではないが、本発明のこの実施形態では、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合することにより、抗体または抗体フラグメントなどの抗原結合分子は、リガンド/受容体相互作用を遮断または阻害し、これによりIL−3シグナル活性化を妨げると考えられる。
1つの実施形態では、抗原結合分子は、IL−3Rアルファ(CD123)に選択的に結合するモノクローナル抗体であってもよい。従って、抗原結合分子は、白血病細胞系および初代細胞の両方のIL−3媒介増殖および活性化を阻害することが以前に示されている、CD123に対して惹起されたモノクローナル抗体(MAb)7G3であってもよい(Lopezに対する米国特許第6,177,678号参照)。あるいは、薬剤は、マウスモノクローナル抗体7G3の軽鎖可変(light variable)および重鎖可変(heavy variable)領域をヒトIgG1定常領域に移植して得られるキメラ抗体であるモノクローナル抗体CSL360であってもよい(国際特許公開第WO 2009/070844号参照)。7G3のように、CSL360は、CD123(ヒトIL−3Rα)に高い親和性で結合し、IL−3と受容体への結合において競合し、この生物学的活性を遮断する。CSL360は、ヒト環境においてエフェクター活性を開始することができるであろうヒトIgG1 Fc領域により、ヒト治療剤としての潜在的有用性の利点も有する。さらに、ヒトにおいてCSL360は、マウス7G3等価物と比べてクリアランスの減少を示し免疫原性になりにくい可能性がある。この抗原結合分子のさらなる例には、7G3またはCSL360のヒト化抗体バリアント、完全ヒト抗CD123抗体、および例えば国際特許公開第WO2009/070844号の実施例4に記載されているような増強されたエフェクター機能(ADCC活性など)を有する抗CD123抗体が含まれる。
本発明の別の実施形態では、薬剤は、IL−3Rに結合するが、IL−3シグナル活性化を引き起こさないか、またはIL−3シグナル活性化の減少を少なくとももたらすかのいずれかであるIL−3ムテインであってもよい。一般に、これらの「IL−3ムテイン」には、1つまたは複数の隣接または非隣接アミノ酸残基の付加、欠失および/または置換によって異なる天然または人工変異体が含まれる。IL−3Rに結合するが、IL−3シグナル活性化の減少を示すIL−3ムテインの例は、16/84C→A変異体17である。IL−3ムテインには、1つまたは複数の残基が、例えば、インビボでの半減期を増加するように修飾されている修飾ポリペプチドも含まれ得る。これは、PEG群などの他のエレメントを付加することによって達成することができる。ポリペプチドのペグ化の方法は当技術分野でよく知られている。
本発明の別の実施形態では、薬剤は、IL−3に結合することができる可溶性受容体である。このような可溶性受容体の例には、IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合タンパク質が含まれる。
さらなる別の実施形態では、薬剤は、IL−3シグナル伝達することができる細胞を標的にして細胞死を誘導することができる抗細胞部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、薬剤は、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子にコンジュゲートした抗細胞部分を含むことができる。他の実施形態では薬剤は、IL−3ムテインにコンジュゲートした抗細胞部分を含むことができる。適切な抗細胞部分の例には、化学療法薬、放射性同位体または細胞毒素が含まれる。化学療法薬には、ステロイドなどのホルモン;シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、メトトレキサートまたはアミノプテリンなどの代謝拮抗剤;アントラサイクリン;マイトマイシンC;ビンカアルカロイド;デメコルシン;エトポシド;ミトラマイシン;カリケアマイシン、CC−1065およびその誘導体、またはクロラムブシルもしくはメルファランなどのアルキル化剤、凝固剤、サイトカイン、増殖因子、細菌内毒素もしくは細菌内毒素の脂質A部分が含まれる。放射性同位体には、例えば、211アスタチン、212ビスマスおよび213ビスマスなどのα放射体のほか、例えば、131ヨウ素、90イットリウム、177ルテチウム、153サマリウムおよび109パラジウムなどのβ放射体、ならびに例えば、111インジウムなどのオージェ放射体が含まれる。細胞毒素には、一般に、ほんの数例を述べるだけでも、A鎖毒素、リボソーム不活化タンパク質、α−サルシン(a-sarcin)、アスペルギリン、レストリクトシン、リボヌクレアーゼ、ジフテリア毒素もしくは緑膿菌外毒素などの植物、真菌または細菌に由来する毒素のほか、例えば、カハラリドF、エクテナサイジン(Yondelis(商標))、またはバリオリンBなど、海綿などの海洋生物に由来する細胞毒素が含まれる。
薬剤は、有効量で投与される。「有効量」は、少なくとも部分的には所望の応答を達成するのに、または進行を遅延もしくは阻害するのに、または治療される特定の状態の進行を完全に停止するのに必要な量を意味する。該量は、治療される個体の健康および身体状態、治療される個体の人種的背景、所望の保護の程度、組成物の処方、医学的状況の評価、ならびに他の関連する要因に応じて変わる。該量は、日常的な試行を通じて決定することができる比較的広範な範囲になると予想される。必要ならば、薬剤の投与は、1回または複数回繰り返してもよい。投与される実際の量は、治療されている状態の性質および薬剤が投与されている速度の両方により決定されるであろう。
好ましくは、患者はヒトであるが、本発明は、霊長類、家畜動物(例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ)、実験室試験動物(例えばマウス、ウサギ、ラット、モルモット)、コンパニオン動物(例えばイヌ、ネコ)および捕獲野生動物を含む他の哺乳動物患者の治療および/または予防にまで及ぶ。
本発明によれば、薬剤は好ましくは、非経口投与経路により患者に投与される。非経口投与には、注射、点滴等による投与を含む、消化管を通じてではない(すなわち、腸内ではない)任意の投与経路が含まれる。注射による投与には、例として、静脈の中(静脈内)、動脈の中(動脈内)、筋肉の中(筋肉内)および皮膚の下(皮下)が含まれる。薬剤は、デポまたは徐放製剤として、例えば、皮下、皮内または筋肉内に、所望の薬理効果を得るのに十分である投与量で投与することもできる。
別の態様では、本発明は、患者における慢性炎症状態の治療における、または患者における慢性炎症状態を治療する医薬品の製造における、IL−3シグナル伝達事象を遮断もしくは阻害する薬剤の使用を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する、患者における慢性炎症状態を治療する薬剤を提供する。
本発明のこの態様では、上記のような薬剤は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤および/または希釈剤と一緒に医薬組成物として製剤化することができる。
非経口投与に適切な組成物は、好都合には、レシピエントの血液と好ましくは等張である、有効成分の滅菌水性製剤を含む。この水性製剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて既知の方法により処方することができる。滅菌注射可能製剤はまた、例えばポリエチレングリコールおよび乳酸中の溶液のような無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液であってもよい。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液、適切な炭水化物(例えばスクロース、マルトース、トレハロース、グルコース)および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した不揮発性油が溶媒または懸濁媒体として好都合には使用される。この目的のため、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製での使用が見出される。
このような治療組成物の処方は、当業者によく知られている。適切な薬学的に許容可能な担体および/または希釈剤には、ありとあらゆる従来の溶媒、分散媒、充填剤、固体担体、水溶液、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤等が含まれる。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野でよく知られており、例として、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Company、Pennsylvania、USAに記載されている。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、本発明の医薬組成物におけるこの使用が企図される。補足的活性成分もまた、組成物に組み込むことができる。
本発明のさらなる態様では、(i)上記のような薬剤、および場合により(ii)患者における慢性炎症状態の治療方法に従って薬剤を使用するための説明書を含むキットが提供される。
本発明は、以下の非限定的実施例によりさらに例示される。
マウスIL−3に対する中和モノクローナル抗体(mAb)の疾患進行に対する効果を、関節リウマチに関して最も幅広く使用されているマウスモデルであるコラーゲン誘導関節炎(CIA)モデルで試験した。
オスDBA/1マウス(8〜12週齢、1群あたり10匹のマウス)を、0および21日目にアジュバント中のII型コラーゲンで皮内免疫化した18
マウスは、四肢の発赤および腫脹について評価し、臨床スコアは肢ごとに、確立された採点システムを用いて以下のように割り当てた:0−正常;1−軽度の腫脹および/または紅斑;2−広範な腫脹および/または紅斑;3−重度の腫脹;4−重度の腫脹および/または硬直。関節炎の重症度は、全四肢について合計した平均臨床スコア(マウス1匹あたり範囲0〜16)を単位として表される。
マウスは、21、23、25、28および30日目に250μg抗IL−3 mAb(Southern Biotech)/マウスまたはPBSで治療した。図1に見ることができるように、疾患重症度の抑制が抗IL−3治療群においてあった。
この実験は特に有望であり、この理由は、この特定の実験では極めて重度の疾患の極めて迅速な誘導があり、対照マウスではすぐにプラトーに達したためである。このプラトーは、通常、約1週間後に達する。
比較的急性のマウスCIAに関する文献データは、中和抗IL−3 Abは疾患誘導後すぐに必要とされ、疾患発症後遅延した場合は効果がないことを示している19。これは、IL−3が炎症において標的にならないであろうことを必ずしも意味しない。われわれは、関節リウマチ(RA)などの疾患の促進に関与する背景にある炎症性/自己免疫事象、およびこれらの事象が動物モデルにおいていかに密接に反映されるかをまだ理解していない。RAなどの慢性状態についてさえ、「急性発症」疾患を有する患者がいる。また、抗IL−3療法は、例えばRAにおいて依然として有益である可能性があり、この理由は、該疾患は再発することが多いので、この増悪を抑制する機会を提供するためである。一般的に使用される抗炎症性グルココルチコイドは、炎症性メディエーター遺伝子発現を転写レベルでダウンレギュレートすることによって作用する−抗炎症性グルココルチコイドは、刺激を誘発した後で添加された場合、代理炎症アッセイではインビトロで働かないと広く考えられていることも留意されたい。
CD14+単球における炎症促進性サイトカインとしてのIL−3シグナル伝達の役割を調査した。末梢血単核細胞(PBMC)は、赤十字ドナーバフィーパック(buffy pack)から単離した。CD14+単球は次いで、フローサイトメトリーにより評価した細胞の約80%がCD14+となるように、ネガティブ選択により精製した(MACS分離)。単球を、6cm IWAKI(低付着性)TC皿1枚あたり約1.8×10細胞の密度で播種し、RPMI+10%FCSおよび:IL−3(3ng/ml)単独、IL−3(3ng/ml)+IL−3R抗体、IL−3(0.3ng/ml)単独、またはIL−3(0.3ng/ml)+IL−3R抗体において7日間培養した。IL−3R抗体は、いずれの場合も1ug/mlで使用した。4日目に新たなIL−3およびIL−3R抗体を添加した。7日目に細胞を取り除き、RNA溶解緩衝液で溶解する前にカウントした。結果は、IL−3が、単球に生存促進性刺激を用量依存的に提供すること、およびこの効果は抗IL−3R抗体により克服されたことを示している(図2)。従って、CD14+単球においてIL−3シグナル伝達を遮断または阻害することは、炎症の部位でのCD14+単球の生存および蓄積を防ぎ、このため炎症を制御する手段を提供する。
一般的に蕁麻疹(hives)として知られる蕁麻疹(urticaria)は、サイズが数センチメートルからほんの数ミリメートルまでに及ぶ反復する膨疹として現れる炎症状態である。一般に、膨疹はピンク色であり中心の色が薄く、ヒリヒリまたはチクチクする感覚を伴う場合がある。蕁麻疹は、何歳でも呈す可能性があり、集団の1%〜5%は、生涯におけるある時期に蕁麻疹を呈すであろう。慢性蕁麻疹は、重度のアトピー性皮膚炎、乾癬または座瘡を有する患者と類似して、生活の質に多大な影響を及ぼす。慢性蕁麻疹のほとんどのケースは、本来は突発性であるが、多くのケース(35%〜50%)で高親和性IgE受容体(FcεR1)に対する自己抗体またはIgE自体が存在することが徐々に明らかになりつつあり、これは慢性蕁麻疹が自己免疫疾患であり得ることを示唆している。マスト細胞および好塩基球は、FcεR1を発現する主な細胞型であり、蕁麻疹患者において自己抗体に応答する。活性化された場合、マスト細胞および好塩基球は、蕁麻疹の膨疹形成を促進する主なエフェクター分子である大量のヒスタミンを放出する。マスト細胞および好塩基球は両方ともIL−3受容体を発現し、IL−3は、IgEおよびC5aなどのトリガーに曝露された場合、増加されたレベルのヒスタミンなどのエフェクター分子を産生するようにこれらの細胞を刺激することができる。
7名の蕁麻疹患者試料および4名の正常なドナー試料由来のPBMCを分析した。IL−3は、ヒト好塩基球をエクスビボで活性化することができ(図3)、中和抗IL−3Rα抗体(CSL360−国際特許公開第WO2009/070844号参照)は、IL−3誘導ヒト好塩基球活性化を阻害することができる(図4)。ADCC最適化抗IL−3Rα抗体(CSL362−国際特許公開第WO 2009/070844号に記載されているような、ヒト化および親和性成熟抗CD123 mAb 168−26のフコシル化(afucosylated)バリアント)は、PBMC由来のヒト好塩基球を時間依存的に枯渇させることができる(図5)。完全なまたは完全に近い好塩基球枯渇は、CSL362添加の24時間以内に3名の独立したドナーにおいて観察された(図6)。NK細胞活性化は、CSL362の添加の24時間以内に観察され、これは好塩基球の枯渇がNK細胞媒介ADCCを介することを示唆している(図7)。
この実施例は、抗IL−3R抗体が、インビボでの好塩基球の活性化の数およびレベルにも影響し得ることを示す。メスBALB/cマウス(10〜12週齢)を、抗IL3Ra抗体1C2(実施例5参照)または対照マウスIgG2aの尾静脈静脈内注射で治療した。CD200R3に対して標的にし、マウス好塩基球を特異的に枯渇させることが示されている市販の抗体Ba10320、およびこの対照抗体ラットIgG2bを、対照として一緒に試験した。全ての抗体は、18μgで投与した1C2を例外として、200μlのPBS中30μgで注射した。1日後、末梢血および腹膜細胞を単離し、細胞の単一懸濁液を調製した。細胞は、非特異的結合を防ぐため抗FcγRII−IIIと共に前インキュベートした。細胞を、FITCコンジュゲート抗FcεRIαモノクローナル抗体およびPEコンジュゲート抗CD49bモノクローナル抗体で染色して好塩基球(FcεRIα CD49b)を同定した。FITCハムスターIgGおよびPEラットIgMを、それぞれFcεRIαおよびCD49b抗体のアイソタイプ対照として使用した。残屑は、前方散乱(FSC)対側方散乱(SSC)を用いて除外(gated out)し、死細胞は、7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)染色により区別した。染色細胞を次いでFACSCanto(商標)(BD Biosciences)により分析し、データはFlowJoソフトウェアを用いて解析した。
18μg抗IL3Rα抗体1C2の単回静脈内注射は、アイソタイプ対照(マウスIgG2a)治療マウスにおけるレベルの約23%まで、末梢血中の好塩基球頻度の劇的な減少を誘導した(図8)。この枯渇効率は、30μg Ba103の投与からのものに匹敵した。好塩基球に対する効果とは違い、抗IL3RαまたはBa103抗体で治療したマウスでは腹膜マスト細胞の頻度に有意な減少は見られなかった(データ不図示)。マスト細胞に関するBa103抗体での観察は、Obataおよび同僚らによる研究と一致する20
1)マウスIL3受容体特異的モノクローナル抗体の生成
マウスIL−3Rアルファ(mIL3Rα)を特異的に認識した抗体配列を、糸状バクテリオファージM13(Dyax Corp.)の表面でgIIIタンパク質に融合したFabフラグメントとして発現されるヒト抗体配列のライブラリーから単離した。抗mIL3Rαファージディスプレイ抗体フラグメントは、ヒトIgG1(Fcフラグメント)の残基100〜330に短いポリペプチドリンカー(配列:IEGRID)により融合したmIL3Rαのアミノ酸17〜331から成る市販の精製組換え融合タンパク質(R&D systems Inc.による供給)と共に、ファージライブラリーをインキュベートすることによって単離した。特異的に結合したファージを濃縮し、標準的方法を用いて個々のクローンとして単離した。個々のクローンは、もともとの標的(mIL3Rα−Fc融合)、およびC末端ヘキサヒスチジンタグ(msIL−3R−6His)を有する残基1〜331として発現されるmIL3Rαの細胞外ドメインの両方に対する特異的結合について試験した。これらの標的に結合したが対照タンパク質に結合しなかったファージクローンを、さらなる分析のため選択した。固有のクローンを、コードされた抗体の両方のポリペプチド鎖のDNA配列決定により同定し、mIL−3R−6Hisに対するこれらのクローンの結合親和性を競合ELISAにより定量化した。許容可能な親和性を有するクローンを、さらなる分析のための再操作(re-engineering)およびキメラ抗体(ヒト可変領域およびマウスIgG2a/カッパ定常領域)としての発現のために選択した。
2)一過性発現のための哺乳動物発現ベクター構築
mIL3Rα特異的抗体の重鎖および軽鎖可変領域を、標準的な分子生物学技術を用いてファージミドベクターからPCR増幅した。重鎖可変領域は、次いで、マウスIgG2a定常領域および末端終止コドンを含むように修飾されたpcDNA3.1(+)発現ベクター(Invitrogen)に基づく、哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(+)−mIgG2aにクローン化した。軽鎖可変領域は、マウスカッパ定常領域を含むように修飾されたpcDNA3.1(+)発現ベクターに基づく、発現ベクターpcDNA3.1(+)−mκにクローン化した。発現ベクターは、コザック翻訳開始配列、ATG開始コドンおよび適切なシグナルペプチドも含有した。
3)細胞培養
無血清懸濁液適応293−T細胞をGenechoice Inc.から得た。細胞は、ペニシリン/ストレプトマイシン/ファンギゾン試薬(Invitrogen)を補充したFreeStyle(商標)発現培地(Invitrogen)で培養した。トランスフェクション前に細胞を、8%CO2の雰囲気で加湿インキュベーター中、37℃で維持した。
4)一過性トランスフェクション
293−T細胞を用いた抗mIL3Rα発現プラスミドの一過性トランスフェクションは、293フェクチントランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて製造者の指示に従い行った。軽鎖および重鎖発現ベクターを組み合わせ、293−T細胞にコトランスフェクトした。細胞(1000ml)に、1×106生細胞/mlの最終濃度でトランスフェクトし、2/10 Wave Bioreactorシステム2/10または20/50(Wave Biotech/GE Healthcare)において8%CO2の雰囲気で、37℃、5日間、Cellbag 2L(Wave Biotech/GE Healthcare)中でインキュベートした。培養条件は、8°の角度で1分あたり35振動(rock)であった。Pluronic(登録商標)F−68(Invitrogen)を、0.1%v/vの最終濃度まで、トランスフェクション4時間後に添加した。トランスフェクション24時間後、細胞培養物に、0.5%v/vの最終濃度までTryptone N1(Organotechnie、フランス)を補充した。細胞培養上清を2500rpmでの遠心分離により回収し、次いで精製前に0.45μMフィルター(Nalgene)に通した。
5)タンパク質発現の分析
5日後、20μlの培養上清を4〜20%トリス−グリシンSDSポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、抗体をクマシーブルー試薬による染色により可視化した。
6)抗体精製
抗mIL3Rα抗体を、MabSelect樹脂(5ml、GE Healthcare、UK)が30ml Poly−Prep空カラム(Bio−Rad、CA)にパックされたプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、4℃で精製した。樹脂を、10カラム容量のパイロジェンフリーのGIBCO蒸留水(Invitrogen、CA)で最初に洗浄して貯蔵エタノールを除去し、次いで5カラム容量のパイロジェンフリーリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(GIBCO PBS、Invitrogen、CA)で平衡化した。濾過した馴化細胞培養培地(1L)を、重力送りにより樹脂に添加した。樹脂を、次いで5カラム容量のパイロジェンフリーのPBSで洗浄して非特異的タンパク質を除去した。結合抗体を2カラム容量の0.1Mグリシン pH2.8(Sigma、MO)で、0.2カラム容量の2M トリス−HCl pH8.0(Sigma、MO)を含有する画分に溶出して低pHを中和した。溶出された抗体は、5L PBSに対して12ml Slide−A−LyzerカセットMWカットオフ3.5kD(Pierce、IL)中、4℃で18時間透析した。抗体濃度は、Ultraspec 3000(GE Healthcare、UK)分光光度計を用いて280nmでの吸光度を測定して判定した。抗体の純度は、SDS-PAGEにより分析した。SDS-PAGEでは、還元試料緩衝液(Invitrogen、CA)中2μgタンパク質をNovex 10〜20%トリスグリシンゲル(Invitrogen、CA)に添加し、150Vの定電圧を、トリスグリシンSDSランニング緩衝液によりXCell SureLock Mini-Cell(Invitrogen、CA)に90分間適用した後、製造者の指示に従って、クマシー染色を使用して可視化した。
(参考文献)
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の患者への投与を含む、患者における慢性炎症状態の治療方法。
[2]
薬剤が、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、上記[1]に記載の方法。
[3]
薬剤が、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、上記[1]または上記[2]に記載の方法。
[4]
抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、上記[3]に記載の方法。
[5]
抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[4]に記載の方法。
[6]
抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[4]に記載の方法。
[7]
薬剤が抗細胞部分を含む、上記[1]に記載の方法。
[8]
抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、上記[7]に記載の方法。
[9]
薬剤が、IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、上記[1]または上記[2]に記載の方法。
[10]
薬剤が、IL−3に結合することができる可溶性受容体である、上記[1]または上記[2]に記載の方法。
[11]
薬剤が、IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、上記[10]に記載の方法。
[12]
慢性炎症状態が関節炎、特に炎症性関節炎である、上記[1]から[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13]
慢性炎症状態が関節リウマチ(RA)である、上記[12]に記載の方法。
[14]
患者がヒトである、上記[1]から[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15]
患者における慢性炎症状態の治療における、または患者における慢性炎症状態を治療する医薬品の製造における、IL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の使用。
[16]
薬剤が、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、上記[15]に記載の使用。
[17]
薬剤が、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、上記[15]または上記[16]に記載の使用。
[18]
抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、上記[17]に記載の使用。
[19]
抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[18]に記載の使用。
[20]
抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[18]に記載の使用。
[21]
薬剤が抗細胞部分を含む、上記[15]に記載の使用。
[22]
抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、上記[21]に記載の使用。
[23]
薬剤が、IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、上記[15]または上記[16]に記載の使用。
[24]
薬剤が、IL−3に結合することができる可溶性受容体である、上記[15]または上記[16]に記載の使用。
[25]
薬剤が、IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、上記[24]に記載の使用。
[26]
患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する、患者における慢性炎症状態を治療する薬剤。
[27]
患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、上記[26]に記載の薬剤。
[28]
IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、上記[26]または上記[27]に記載の薬剤。
[29]
抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、上記[28]に記載の薬剤。
[30]
抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[29]に記載の薬剤。
[31]
抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、上記[29]に記載の薬剤。
[32]
抗細胞部分を含む、上記[26]に記載の薬剤。
[33]
抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、上記[32]に記載の薬剤。
[34]
IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、上記[26]または上記[27]に記載の薬剤。
[35]
IL−3に結合することができる可溶性受容体である、上記[26]または上記[27]に記載の薬剤。
[36]
IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、上記[35]に記載の薬剤。
[37]
上記[26]から[36]のいずれか一項に記載の薬剤を、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤および/または希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
[38]
(i)上記[26]から[36]のいずれか一項に記載の薬剤、および場合により(ii)患者における慢性炎症状態の治療方法に従って前記薬剤を使用するための説明書を含むキット。
(参考文献)

Claims (38)

  1. 患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の患者への投与を含む、患者における慢性炎症状態の治療方法。
  2. 薬剤が、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、請求項1に記載の方法。
  3. 薬剤が、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、請求項3に記載の方法。
  5. 抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項4に記載の方法。
  6. 抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項4に記載の方法。
  7. 薬剤が抗細胞部分を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、請求項7に記載の方法。
  9. 薬剤が、IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  10. 薬剤が、IL−3に結合することができる可溶性受容体である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  11. 薬剤が、IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、請求項10に記載の方法。
  12. 慢性炎症状態が関節炎、特に炎症性関節炎である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 慢性炎症状態が関節リウマチ(RA)である、請求項12に記載の方法。
  14. 患者がヒトである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 患者における慢性炎症状態の治療における、または患者における慢性炎症状態を治療する医薬品の製造における、IL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する薬剤の使用。
  16. 薬剤が、患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、請求項15に記載の使用。
  17. 薬剤が、IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、請求項15または請求項16に記載の使用。
  18. 抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、請求項17に記載の使用。
  19. 抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項18に記載の使用。
  20. 抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項18に記載の使用。
  21. 薬剤が抗細胞部分を含む、請求項15に記載の使用。
  22. 抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、請求項21に記載の使用。
  23. 薬剤が、IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、請求項15または請求項16に記載の使用。
  24. 薬剤が、IL−3に結合することができる可溶性受容体である、請求項15または請求項16に記載の使用。
  25. 薬剤が、IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、請求項24に記載の使用。
  26. 患者におけるIL−3シグナル伝達事象を遮断または阻害する、患者における慢性炎症状態を治療する薬剤。
  27. 患者におけるIL−3/IL−3RまたはIL−3/IL−3Rアルファ相互作用を遮断または阻害する、請求項26に記載の薬剤。
  28. IL−3、またはIL−3R、IL−3RアルファもしくはIL−3Rベータに選択的に結合する抗原結合分子である、請求項26または請求項27に記載の薬剤。
  29. 抗原結合分子が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントおよび/もしくは可変ドメインを含むそのフラグメントである、請求項28に記載の薬剤。
  30. 抗原結合分子が、IL−3に選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項29に記載の薬剤。
  31. 抗原結合分子が、IL−3Rアルファに選択的に結合するモノクローナル抗体である、請求項29に記載の薬剤。
  32. 抗細胞部分を含む、請求項26に記載の薬剤。
  33. 抗細胞部分が、α放射体、特に211アスタチン、β放射体、特に131ヨウ素、およびオージェ放射体から選択される放射性同位体である、請求項32に記載の薬剤。
  34. IL−3Rに結合するがIL−3シグナル活性化を引き起こさないIL−3ムテインである、請求項26または請求項27に記載の薬剤。
  35. IL−3に結合することができる可溶性受容体である、請求項26または請求項27に記載の薬剤。
  36. IL−3Rアルファの細胞外部分、またはIL−3Rベータの細胞外部分に融合したIL−3Rアルファの細胞外部分を含む融合ポリペプチドである、請求項35に記載の薬剤。
  37. 請求項26から36のいずれか一項に記載の薬剤を、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤および/または希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
  38. (i)請求項26から36のいずれか一項に記載の薬剤、および場合により(ii)患者における慢性炎症状態の治療方法に従って前記薬剤を使用するための説明書を含むキット。
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