JP2013516727A - 気体放電ランプを駆動する装置 - Google Patents
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Abstract
気体放電ランプLにおけるアーク直線度を示す計測信号を生成する方法は、第1のランプ電流INをランプに印加する第1の工程と、第1のランプ電流INに短いパルス電流IPを付加し、ランプ電圧に安定状態を回復させ、その安定状態において結果として得られるランプ電圧の平均値V2を計測する第2の工程と、この第2の工程で計測されたランプ電圧の平均値V2に基づいて、アーク直線度を示す計測信号を生成する工程とを含む。
Description
本発明は、広くは気体放電ランプ、より詳細には高圧または高輝度放電ランプに関するものである。本発明はとりわけ、車載用の分野において使用されるキセノンランプに関するものである。
気体放電ランプは良く知られているので、気体放電ランプ自体に関する説明は、ここでは簡略にする。一般的に、かかるランプは、典型的には石英で作られている容器を含む。この容器はチャンバーを取り囲んでおり、チャンバーは、適切な充填物と、互いに対向するように配され、容器の壁を貫通し、チャンバー内に延設される2つの電極とを有している。高圧点灯を用いると、ガス充填物中で絶縁破壊を起こすことができ、これにより2つの電極間にプラズマアーク放電が生じる。ここで、電気アークは曲線形状(アークの「ボーイング(bowing)」)を呈し得る点が、1つの問題である。垂直配置の動作では、ランプ構造のローレンツ力に起因してボーイングが起こり得る。車載用のキセノンランプにおいて典型であるように、ランプが水平配置にある場合、すなわちアークが水平方向に向けられている場合には、ボーイングは、とりわけ重力および対流に起因して生じる。これは、プラズマは周辺物質よりも高温であり、上昇移動する傾向があるためである。容器の壁はアークを安定させるが、プラズマと容器の壁とが接触するのは、ランプの寿命を縮める可能性があるので望ましくない。
両方の状況において、すなわち垂直配置の動作だけでなく水平配置の動作においても、アークを直線化することは、ランプの長寿命化および/またはより良好なランプの技術特性の取得のための、1つの解決策となる。気体放電ランプおよびアークの曲線化の問題自体はよく知られているので、より詳細な説明はここでは省略する。
アークの直線化は、ランプ電流中に高周波成分を引き起こすことにより可能であることが既に知られている。しかしながら、この技術においては、最適な動作周波数を見つけること、あるいは適した動作周波数を見つけることすら課題である。アークの直線化を実現する厳密な周波数は、異なるタイプのランプに対して同一ではなく、さらにたとえば製造時の許容誤差や経年劣化等のため、同一タイプのランプにおいてさえもランプ間で異なり得る。さらに、高周波電流成分は、望ましくない音響共鳴を生じさせる可能性があり、音響共鳴を生じさせる厳密な周波数もまた、異なるタイプのランプに対して同一ではなく、同一タイプのランプにおいてさえもランプ間で異なり得る。そのため、不利な音響共鳴を生じさせずに有利なアーク直線化を実現するような高周波電流のリップル成分を付加するように、ランプの駆動機構を設計しようとすることは、問題が多い。
本発明の1つの目的は、上記の問題を克服、あるいは少なくとも軽減することである。
上記の問題に鑑みて、高周波電流のリップルのパラメータにつき、1つの固定設定を有するような駆動機構を設計することはできない。そのため、本発明に係る1つの電子駆動機構では、リップル周波数および/またはリップル振幅が制御可能とされ、制御機器が、トライアル・アンド・エラーの手法でこれらのパラメータを設定する。すなわち、制御機器は、これらのパラメータに修正を加え、その加えた修正の効果がどのようなものであるかを観測するために、アークの直線度をモニタリングする。修正がアークの曲線度を増大させる結果を招くものであれば、その修正は改善をもたらすものではないので、拒否される。こうして、トライアル・アンド・エラーにより、制御機器は、リップルパラメータの設定に関する改善を見出すことができ、さらにはアークの曲線度が最小値となるようなこれらのパラメータ最適設定をも見出すことができる。ここで、このアーク曲線度の最小値がゼロであるとは限らない点に留意されたい。
かかるトライアル・アンド・エラーの手法では、アークの直線度または曲線度を示す計測信号が取得され制御機器に供給される、フィードバック機構が必要なことは明らかである。結局のところ、制御機器によりパラメータがどのように変化させられようとも、またこの変化のためにどのようなアルゴリズムが使われようとも、制御機器は、上記のトライアルの結果を「見る」必要がある。現実にアークを「見る」ために光センサを利用することも可能であり、かかるアプローチは国際公開2008/099329号で既に提案されている。しかしながら、このアプローチは、複雑であるという欠点があり、ランプの電気的な挙動をモニタリングする方がずっと好ましい。
国際公開2008/099329号はまた、ランプ電圧をモニタリングすることも提案しており、ここで、より低い電圧は、より直線度の高いアークを示す。この国際公開で開示されている方法は、ランプ電圧がアークの長さに比例し、アークの曲線度が増大すると、ランプ電圧が増大するという仮定に基づいている。
本発明は、アークの直線度または曲線度を示す計測信号を提供する代替方法であって、上記の仮定が正しいことを要件としない方法を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明は、ランプ電流に短い電流ピークを印加し、この電流ピークの間のランプ電圧と、この電流ピーク前/後のランプ電圧との比を、モニタリングすることを提案する。電流が短い間増大するものであるか減少するものであるかに応じて、上記のピークは、それぞれ正の値または負の値を有し得る。
さらなる有利な改善形態は、従属請求項に記載されている。
本発明の上記およびその他の側面、特徴および利点は、図面を参照しながらの以下の1つまたは複数の好ましい実施形態の解説により、さらに説明される。図中において、同一の参照符号は、同一または類似の部分を指すものとする。
図1は、気体放電ランプLを駆動するための電子駆動機構10の例示的な実施形態を、概略的に示したブロック図である。駆動機構10は、ランプを受容し、ランプの電極に接続するための出力端子7、8を有する。ランプLは、封止されたチャンバー内の両端に2つの電極を有するタイプのランプである。1つの具体的な実施形態では、ランプは、車載用途のキセノン放電ランプとされる。動作中においては、チャンバー内において放電が維持され、放電は電気アークとして示される。
本発明に係る電気ランプ駆動機構内では、ランプに印加された電流は、3つの互いに独立な電流成分を含んでいるものと捉えることができる。このため、以下の説明では、説明の便宜上、ランプ駆動機構が、機能的に独立した3つの電流源であって、各電流源の出力端子がデバイスの出力端子7、8に並列に接続されている電流源を含み、ランプLが、3つの電流源からの3つの電流成分の和を受け取るものと想定する。第1の電流源1(以下では主電流源とも呼ぶ)は、主または基本ランプ電流として示される第1の電流成分を供給する。たとえばランプのタイプ、ランプ用途のタイプ、設計者の嗜好等に応じて、この主ランプ電流は、DC電流、交番DC電流、正弦波電流、三角波電流等とされ得る。図解されている好ましい実施形態では、主ランプ電流は、交番DC電流であり、低周波矩形波電流であるともいえる。交番DC電流の場合、デューティサイクルは50%であってもよいが、デューティサイクルが変化させられることも可能である。主ランプ電流の波形としていかなる波形を選択するかは、本発明の理解には無関係である。所望の波形を有するランプ電流を生成するための電流源自体は知られているので、主電流源1の設計および動作に関する詳細な説明は、ここでは省略する。
第2の電流源2(以下では二次電流源とも呼ぶ)は、第2の電流成分(二次電流またはリップル電流とも呼ぶ)を供給する。この二次電流は、たとえば、正弦波電流、または三角波電流、または矩形波電流であってもよい。アーク直線化の目的のためリップルランプ電流を生成することのできる電流源自体は知られているので、二次電流源2の設計および動作に関する詳細な説明は、ここでは省略する。
リップル電流の周波数は、主ランプ電流の周波数(DC電流の場合はこの周波数はゼロと考えられる)よりも、十分に高い周波数とされる。したがって、交番DC電流の場合には、足し合わせた電流は、図2に示すような、リップルが重畳された矩形波となる。低周波矩形波電流の周期はTで示され、高周波リップル電流の周期はtで示されている。低周波主電流源1と高周波二次電流源2とを、振幅が高周波で変化する低周波電流を生成するように設計された、1つの合成電流源に統合することも可能である点に留意されたい。
第3の電流3(以下ではパルス電流源とも呼ぶ)は、第3の電流成分(パルス電流とも呼ぶ)を供給する。このパルス電流は、実質的に矩形の波形を有する。すなわち、通常はゼロであるが、tよりは十分長くTよりは十分短いような短い持続時間tPに亘っては、一定の非ゼロ値を有する。第3の電流源3が、低周波矩形波電流の各周期T中に1回ずつ(あるいはより多くの回数)、電流パルスを生成するような形態が可能である。
図1に図解した設計は、1つの例示的な実施形態にすぎない。並列接続された3つの別個の電流源に代えて、他の設計も可能である。たとえば、電流源を並列接続するのに代えて、直列接続する設計も可能である。さらに、出力端子を並列接続するのに代えて、結合変成器を用いる形態も可能である。
さらに、3つの電流源が統合されてもよい。たとえば、駆動機構が、ハーフブリッジまたはフルブリッジの配列(これらの配列自体は知られている)を有していてもよい。その場合、リップル電流成分と、主電流成分の交番とは、ブリッジトランジスタの適切なタイミングにより制御することができる。また、入力制御信号に基づいて電流の強さを高周波で変化させることができ、かかる入力制御信号が制御機器のソフトウェアにより生成されるような、1つの制御可能な電流源を用いることも可能である。
第2および第3の電流源2および3は、制御可能な電流源であり、駆動機構10は、第3の電流源3を制御するための制御信号Sp、および第2の電流源2を制御するための制御信号SfならびにSmを生成するための制御機器5、たとえば適切にプログラミングされたマイクロコントローラをさらに含んでいる。以下では、この制御機器は、単に「コントローラ」と呼ぶこととする。上記に代えて、第3の電流源3が主電流源1と統合された形態、または主電流源1が制御可能な電流源とされ、コントローラ5が主電流を一時的に増加もしくは減少させるように主電流源1の出力電流の強さを制御するような形態も可能である。しかし、ここで説明する例示的な実施形態では、主電流源1は、固定された設定を有するものとする。この説明におけるこの例示的な実施形態では、主電流は交番DC電流であってもよく、その場合、交番周波数および電流の強さは固定されているものとする。典型的には、交番周波数は、275Hz−750Hzの範囲内とされ得るものであり、典型的には約400Hzのオーダーの周波数とされる。ランプのタイプに応じて、典型的なランプ電圧は約45Vのオーダーとされ、その場合、35Wのランプであれば、ランプ電流の強さは約0.78Aとなる。
リップル電流については、典型的には1kHzから100kHzの範囲内のリップル周波数を有する。第2の電流源2は制御可能な電流源であり、コントローラ5は、リップル電流のリップルパラメータを制御する。たとえば、リップル周波数がコントローラ5からの制御信号Sfに依存したものとされ、かつ/またはリップル電流の振幅もしくは変調深さがコントローラ5からの制御信号Smに依存したものとされる。ここで、リップル電流の振幅は、変調深さMにより表現され、この変調深さMは、リップル電流の振幅を主電流の振幅で割った値として定義されるものである点に留意されたい。典型的には、変調深さMは、0から40%の範囲内の値とされる。
リップル周波数および変調深さの他にも、リップル電流はさらなる特徴を有し得る。たとえば、リップル電流の周波数は、ある周波数下限からある周波数上限までの掃引範囲内で掃引されてもよく、その場合、掃引周波数、掃引範囲、および掃引形状(三角波、正弦波等)がさらなるパラメータとなる。原理上は、これらのパラメータもコントローラ5により制御することが可能であり、その場合、以下で説明する最適化と類似の手法で、これらのパラメータの最適化も、コントローラ5により実行され得る。しかしながら、設計の簡素化の観点から好ましい実施形態では、これらのパラメータは、予め決められた設計の考察に従って固定されたパラメータとされる。これら固定パラメータの設定が異なると、コントローラ5による制御設定も異なるものになるという意味では、これらのパラメータはその後のコントローラ5の設定に影響を及ぼすかもしれないが、上記の固定パラメータはコントローラへの入力パラメータではなく、当然のものとして想定されているパラメータである点に留意されたい。そのため、以下の説明では、これらの固定パラメータは無視することとする。
図3は、パルス持続時間tPよりは長いが主電流の周期Tよりは短い時間スケールでのグラフを示している。グラフAはランプ電流を示している。上記の説明でも触れたように、「通常の」電流INは、第1の電流発生器1からの主電流IMと、第2の電流発生器2からのリップル電流IRとの重畳からなる。主電流IMは、約0.7Aの一定の電流レベルである。リップル電流IRは、約0.2Aの振幅を有する高周波電流リップルである。アークの形状を示す計測信号を取得するため、第3の電流源3からの電流パルスIPが、時刻t1からt2の間の「通常の」電流バックグラウンドに重畳される。図示の例における電流パルスIPは、約0.7Aの一定の電流強さを有し、tP=t2−t1の持続時間を有する。パルスの強さに加え、この電流パルスのタイミングt1、t2は、コントローラ5からのパルス制御信号Spにより制御されている点に留意されたい。電流パルスの厳密なタイミングは重要ではないが、交番DC電流の場合には、図示の例のように、電流パルスのタイミングが交番タイミングの少し前に設定されていることが好ましい。
駆動機構10はさらに、ランプの電極に接続された入力端子を含むランプ電圧センサ4を備えており、このランプ電圧センサ4は、計測されたランプ電圧を示す計測信号SVを、コントローラ5に供給する。図3のグラフBは、計測されたランプ電圧を示している。「通常の」ランプ電流に付随するランプ電圧は、約12Vの電圧リップルが重畳された、約47Vの実質的に一定の「通常」電圧V1であることが見て取れる。t1における階段状の電流の増加に応答して、ランプ電圧も階段状に増加し、同様に、t2における階段状の電流の減少に応答して、ランプ電圧も階段状に減少する。t1からt2の時間フレーム内では、ランプ電流は一定のレベルを維持するが、ランプ電圧は、電圧レベルV2がV1よりも大きい安定状態を回復するため、大なり小なり指数関数的に落ち込んでいく。
この挙動の説明は、以下のようにできると考えられる。階段状の電流増加の直後において、陰極降下の増大に対応する、階段状の電圧増加が生じる。そのいくらか後、熱の発生の増加が、電極の温度上昇を生じさせ、したがって陰極降下を低下させる。その一方、熱の発生の増加はさらに、プラズマ温度の上昇を生じさせ、したがってプラズマ伝導性の増加を引き起こし、したがってプラズマ電圧を低下させる。その少し後は、温度は一定を保ち、したがって電圧も一定を保つ。
上記の挙動に関しては、以下のようにして、アークの位置による影響を受けると考えられる。アークが曲線状であれば、アークと容器の壁との間の距離が減り、したがってアークのプラズマと容器の壁との間の熱伝導が増大する。それにより、プラズマの温度が高まるのにより長い時間がかかり、プラズマが最終的に到達する温度はより低くなり、結果として、最終的なランプ電圧はより高くなる。これに対して、直線状のアークの場合には、プラズマはより早くより高い温度に達し、したがってランプ電圧はより低くなる。
こうして、本発明の発明者は、ランプ電圧が到達する安定状態の値V2が、アークの形状、換言するとアークの曲線度あるいは逆にアークの直線度の、良好な指標となることを見出した。無次元のパラメータによってこの安定状態の値を表現する1つの良いやり方は、R=V2/V1の比を計算することである。この無次元のパラメータは、一定値である「通常の」電圧V1にもはや依存しない。
ランプの動作中において、制御機器5は、最適化されるべきパラメータ(たとえば高周波電流リップルの周波数)について第1の値X1を選択し、電流パルスを印加し、この第1の値X1に対する電圧応答パラメータR(R1(X1)と表記される)を計測する。その後、制御機器5は、この最適化されるべきパラメータについて第2の値X2を選択し、電流パルスを印加し、この第2の値X2に対する電圧応答パラメータR(R2(X2)と表記される)を計測する。R2がR1より小さい場合は、X1よりもX2の方が、そのパラメータに関するより良好な動作値であり、その逆もまたいえる。こうして、当業者にとっては明らかなように、Rが最小値を持つような最適なパラメータを見出すことが可能となる。
このように、本発明により提案される方法は、アークのプラズマと容器の壁との間の熱抵抗を利用したものであることが分かる。結果として、本発明により提案される方法は、プラズマと容器の壁との間の熱交換が強い場合に、よりよく作用する。すなわち、本発明により提案される方法は、より大きなランプに対してよりも、より小さなランプに対して、よりよく作用する。さらに、本発明により提案される方法は、容器中の充填ガスが良好な断熱物質である場合には、良好に作用する度合いが比較的低い。すなわち、充填ガスが水銀等の断熱成分をより多く含む場合には、本発明により提案される方法は、良好に作用する度合いが比較的低い。
上記では、アーク直線化のためのHF電流成分と、LF主電流成分とが、ランプに同時に供給される実施形態に関連して、本発明を説明してきた。しかしながら、本発明は、アーク直線化のためのHF電流成分と、LF主電流成分とが、交互にランプに供給される場合にも、実装することができる。図4Aは、図2と対比可能なグラフであって、ランプ電流が常に同一の強さを有する例示的な実施形態につき、ランプ電流を時間の関数で概略的に示したグラフである。時刻t1からt3の間は、電流は比較的低い周波数で交番している。より詳細に述べると、時刻t1からt2の間は、電流は第1の方向(正の電流として示されている)を有し、一方、時刻t2からt3の間は、電流は反対の方向(負の電流として示されている)を有する。期間(t2−t1)は、期間(t3−t2)に等しい。その後、時刻t3からt4の間は、電流は比較的高い周波数で交番する。上記のパターンが反復される。すなわち、高周波電流の期間と、低周波電流の期間とが、交互に現れる。かかる電流パターンは、ランプを駆動し、かつアークの直線化を誘引するのに適している。周波数は低い値と高い値との間で交番させられる一方、ランプ電流は常に一定であるので、このような駆動方式は周波数シフトキーイング(FSK)動作とも呼ばれる。FSK周期の厳密なタイミングおよび/または周波数は、ランプのタイプに依存する点に留意されたい。
図4Bは、本発明に係る方法が実施される際の電流を示した、図4Aと対比可能なグラフである。低周波電流の期間、すなわちt1とt2との間、またはt2とt3との間、またはその両方(図示の場合)の期間中において、短い電流パルスが、他の部分においては一定である電流に付加される。ランプ電圧による応答は、当然ながら図3中の高周波成分に関しては異なるが、その他の部分については図3に図示した応答に類似する。アークの直線化を最適化するために変更可能なパラメータとしては、たとえば、時刻t3からt4の第3の期間中における高周波電流の周波数、またはこの第3の期間のタイミングならびに/もしくは相対的な持続時間が挙げられる。
アークの直線化を実現するための方策は、必ずしも高周波電流成分を包含している必要はない。本発明は、原理的には、かかる方策のいかなるものとも組み合わせて適用可能である。1つの例では、アークの直線化は、ランプの近傍に磁石を配置し、デューティサイクルが制御される低周波矩形波電流でランプを駆動することにより実現される。図5Aは、そのようなケースにおけるランプ電流を時間の関数として概略的に示した、図4Aと対比可能なグラフである。このグラフにおいては、デューティサイクルは0.4となる。ランプ電流がオフセットを有し、そのオフセットが、磁場と協働して、平均するとアークにかかる重力を補償するような正味の力をもたらす結果、アークの直線化がもたらされる。
図5Bは、本発明に係る方法が実施される際の電流を示した、図5Aと対比可能なグラフである。正の電流の期間中(図示の場合)、または負の電流の期間中、またはその両方において、短い電流パルスが、他の部分においては一定である電流に付加される。ランプ電圧による応答は、当然ながら図3中の高周波成分に関しては異なるが、その他の部分については図3に図示した応答に類似する。アークの直線化を最適化するために、たとえばデューティサイクルを変化させることが可能である。
要約すると、本発明は、気体放電ランプLにおけるアーク直線度を示す計測信号を生成する方法であって、
第1のランプ電流INをランプに印加する第1の工程と、
第1のランプ電流INに短いパルス電流IPを付加し、ランプ電圧に安定状態を回復させ、その安定状態において結果として得られるランプ電圧の平均値V2を計測する第2の工程と、
上記の第2の工程で計測されたランプ電圧の平均値V2に基づいて、アーク直線度を示す計測信号を生成する工程とを含む方法を提供する。
第1のランプ電流INをランプに印加する第1の工程と、
第1のランプ電流INに短いパルス電流IPを付加し、ランプ電圧に安定状態を回復させ、その安定状態において結果として得られるランプ電圧の平均値V2を計測する第2の工程と、
上記の第2の工程で計測されたランプ電圧の平均値V2に基づいて、アーク直線度を示す計測信号を生成する工程とを含む方法を提供する。
以上、図面および上記の説明において、本発明を詳細に図解および説明してきたが、かかる図解および説明は、説明目的または例示目的のものとして捉えられるべきであり、限定目的のものとして捉えられるべきではないことは、当業者には明らかである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で規定される本発明の保護範囲内において、いくつかのバリエーションおよび変更が可能である。
開示された実施形態に対する他のバリエーションは、特許請求の範囲記載の発明を実施する分野における当業者であれば、図面、明細書および特許請求の範囲を読むことにより、理解でき実施できるであろう。特許請求の範囲において、「含む」または「備える」との語の使用は他の要素または工程の存在を排除するものではなく、「1つの」との不定冠詞の使用は複数であることを排除するものではない。単一のプロセッサその他のユニットが、請求項中に列挙されている複数の項目の機能を満たす場合もある。特定の施策が単に互いに異なる従属請求項に記載されているという事実は、それらの施策の組合せを有利に利用することができない旨を示すものではない。特許請求の範囲中にある参照符号はいずれも、本発明の技術的範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
上記においては、本発明に係る装置の機能ブロックを図解したブロック図を参照して、本発明を説明してきた。これらの機能ブロックのうちの1つまたは複数がハードウェア内に実装され、かかる機能ブロックの機能が個々のハードウェア構成要素により実行されてもよいが、これらの機能ブロックのうちの1つまたは複数がソフトウェア内に実装され、かかる機能ブロックの機能が、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ等のプログラミング可能な装置、またはコンピュータプログラムの1つもしくは複数のプログラムラインによって実行されることも可能である点を理解されたい。
Claims (10)
- 気体放電ランプにおけるアーク直線度を示す計測信号を生成する方法であって、
第1のランプ電流を前記ランプに印加する第1の工程と、
前記第1のランプ電流に短いパルス電流を付加し、ランプ電圧に安定状態を回復させ、該安定状態において結果として得られる前記ランプ電圧の平均値を計測する第2の工程と、
前記第2の工程で計測された前記ランプ電圧の前記平均値に基づいて、アーク直線度を示す計測信号を生成する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記第1の工程において結果として得られる前記ランプ電圧の平均値が計測され、前記第1の工程で計測された前記ランプ電圧の前記平均値と、前記第2の工程で計測された前記ランプ電圧の前記平均値との比が計算され、該比に基づいて、アーク直線度を示す前記計測信号が計算されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 気体放電ランプの駆動方法であって、
少なくとも1つの可変パラメータに関してアーク直線化のための方策を実行しながら、前記ランプにランプ電流を印加する工程と、
前記可変パラメータにつき第1の値を設定し、該第1の値に対するアーク直線度を、請求項1記載の方法を用いて計測する工程と、
前記可変パラメータにつき第2の値を設定し、該第2の値に対するアーク直線度を、請求項1記載の方法を用いて計測する工程と、
上記により得られた計測結果に基づいて、前記可変パラメータの最適な設定を計算する工程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記ランプ電流が一定値の電流を包含することを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記ランプ電流が低周波矩形波電流を包含し、前記電流の方向が一定に保たれている間において、前記短いパルス電流が付加されることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記アーク直線化のための方策が、前記低周波矩形波電流に重畳される高周波リップル成分を、前記ランプに印加する処理を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
- 前記ランプ電流が低周波矩形波電流を包含し、前記アーク直線化のための方策が、前記低周波矩形波電流と交番する高周波電流を、前記ランプに印加する処理を含み、前記電流の方向が一定に保たれている時間部分において、前記低周波矩形波電流と同時に発生する前記短いパルス電流が印加されることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 前記ランプ電流が低周波矩形波電流を包含し、前記アーク直線化のための方策が、前記アークを外部磁場に曝し、前記低周波矩形波電流のデューティサイクルを変化させる処理を含み、前記電流の方向が一定に保たれている時間部分において、前記短いパルス電流が印加されることを特徴とする請求項3記載の方法。
- 気体放電ランプ、とりわけキセノンランプを駆動するランプ駆動装置であって、
前記ランプのランプ電極に接続するための出力端子と、
前記出力端子において、通常のランプ電流と、スイッチング可能なパルス電流成分とを供給することのできる、制御可能な電流発生手段と、
制御可能なアーク直線化手段と、
前記アーク直線化手段の1つ以上のパラメータを変化させ、前記パルス電流成分をON/OFF切換えするように、前記電流発生手段および前記アーク直線化手段を制御する制御機器と、
ランプの電圧を計測し、ランプ電圧計測信号を前記制御機器に供給するために、前記出力端子に接続された電圧センサとを含み、
前記制御機器が、
前記アーク直線化手段の少なくとも1つのパラメータにつき、少なくとも2つの異なるパラメータ設定で、前記ランプを駆動し、
各パラメータ設定において、請求項1記載の方法を用いて、前記ランプのアーク直線度を示す計測信号を生成し、
上記の計測結果に基づいて、前記少なくとも1つのパラメータの最適設定を選択するように設計されていることを特徴とするランプ駆動装置。 - 前記制御機器が、請求項3から8いずれか1項記載のランプ駆動方法を実行するように設計されていることを特徴とする請求項9記載のランプ駆動装置。
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