JP2013515800A - 熱可塑性エラストマーと部分架橋ブチルゴムの配合物を主成分とする気密層を備えたインフレート可能な物品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、インフレーションガスに対して気密であるエラストマー層を備えた空気圧物品において、エラストマー層は、比率Aを占めるポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーと比率Bを占める部分架橋ブチルゴムの少なくとも1つの混合物を含み、比A/Bは、1〜20であり、A及びBは、重量で表されることを特徴とする空気圧物品に関する。

Description

本発明は、「インフレート可能」な物品、即ち、定義上、空気又は同等のインフレーションガスでインフレートされた場合に使用可能な形態を取る物品に関する。
本発明は、特に、これらインフレート可能物品、特にタイヤのためのインフレート可能物品が気密であるようにする気密層に関する。
チューブレスタイプの従来型タイヤにおいて、半径方向内面は、タイヤをインフレートさせてこれを圧力下に保つことができる気密層(又はより一般的に言えばインフレーションガスに対して気密である層)を有する。その気密特性により、比較的低い圧力低下レベルを保証することができ、それにより通常、数週間又は数ヶ月間の十分な期間にわたり通常の動作条件においてタイヤをインフレート状態に保つことができる。この層の別の役割は、カーカス補強材、より一般的に言えば、タイヤの残部をタイヤ内部の空間に源を発する空気の拡散に起因した酸化の恐れから保護することにある。
気密インナーライナ又は内部ゴムのこの役割は、今日、優れた気密特性があるとしてずっと昔から認識されているブチルゴム(イソブチレンとイソプレンのコポリマー)を主成分とする組成物によって果たされている。
しかしながら、ブチルゴム又はエラストマーを主成分とする組成物の周知の欠点は、これら組成物が広い温度スペクトルにわたって高いヒステリシスロスを呈することであり、このような欠点は、タイヤの転がり抵抗を損なっている。
これらの気密インテーライナのヒステリシスを減少させること、最終的には、自動車の燃料消費量を減少させることが、現在の技術が直面する一般的な課題である。
法人である本出願人名義の国際公開第2008/145277号パンフレットは、インフレーションガスに対して気密である層を備えたインフレート可能な物品を開示しており、インナーライナは、ポリスチレン及びポリイソブチレンブロックを含む少なくとも1つの共重合熱可塑性エラストマーと、ポリブテン油とを含むエラストマー組成物で構成されている。
ブチルゴムと比較して、熱可塑性エラストマーは、その熱可塑性という性質に起因して、溶融(液体)状態のままでの加工が可能であり、その結果、単純化された処理の可能性を提供できるという顕著利点を有する。
欧州特許出願公開第1987962(A1)号明細書は、熱可塑性エラストマー層及び熱可塑性エラストマー層とジエンエラストマーの層、例えば通常タイヤに用いられている天然ゴムを主成分とするカーカスプライの圧延物との密着又は付着を補強するようになった不飽和スチレンブロックコポリマーを含む接着層から成る積層物の気密層としての使用を提供している。
国際公開第2008/145277号パンフレット 欧州特許出願公開第1987962(A1)号明細書
しかしながら、この解決手段は、タイヤの調製のための追加の層が別途設けられるので工業的には費用が高くつく。
本発明の要旨は、インフレーションガスに対して気密であるエラストマー層を備えたインフレート可能な物品において、エラストマー層は、ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーと部分架橋ブチルゴムの少なくとも1つの配合物を含み、熱可塑性エラストマーは、比率Aを占め、部分架橋ブチルゴムは、比率Bを占め、比A/Bは、1〜20であり、A及びBは、重量で表されることを特徴とするインフレート可能物品にある。
気密エラストマー層は、極めて良好な気密度及びジエンエラストマーの層に対する著しく向上した付着力を有する。
本発明は、特に、ゴムで作られたインフレート可能な物品、例えばタイヤ又はインナーチューブ、特にタイヤ用のインナーチューブに関する。
本発明は、特に、次のタイプ、即ち、乗用車、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)、二輪車(特にモーターサイクル)、航空機、例えば、バン、大型車両―即ち、坑内車両、バス、重量物運搬車両(ローリ、牽引車、トレーラ)又はオフロード車、例えば農業車両又は土木車両―又は他の輸送車両又は取扱い車両から選択された産業車両への装着が意図されたタイヤに関する。
本発明及びその利点は、以下の説明及び具体的構成例に照らして、更にこれら例に関する単一の図から容易に理解される。
本発明のタイヤの概略半径方向断面図である。
I.発明の詳細な説明
本明細書において、別段の規定がなければ、表示された全ての百分率(%)は、重量%である。
さらに、「a〜b」という表現によって示される数値の範囲は、aよりも大きく且つbよりも小さい数値の範囲を表し(即ち、端の値a及びbは含まれない)、これに対して、「aからbまで」という表現によって示される数値の範囲は、aからbまでの数値の範囲を意味している(即ち、極値a及びbを含む)。
I‐1.気密エラストマー組成物
本発明のインフレート可能な物品は、インフレーションガスに対して気密であるエラストマー層を備え、エラストマー層は、ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーと部分架橋ブチルゴムの少なくとも1つの配合物を含み、熱可塑性エラストマーは、比率Aを占め、部分架橋ブチルゴムは、比率Bを占め、比A/Bは、1〜20であり、A及びBは、重量で表されるという本質的特徴を有している。
好ましくは、この比A/Bは、1〜5である。
比A/Bが20から5に変化すると、気密エラストマー層中の部分架橋ブチルゴムの含有量の増加は、隣接の配合物に対する気密エラストマー層の付着力の向上が反映された結果である。
比A/Bが1未満の場合、熱可塑性材料に適した手段による気密エラストマー組成物の処理は、より困難になる。
I‐1‐A.ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマー
熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリマーとエラストマーの中間の構造を有する。これら熱可塑性エラストマーは、軟質エラストマーブロック、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン/ブチレン)又はポリイソブチレンにより互いに結合された硬質熱可塑性ブロックで構成されている。これら熱可塑性エラストマーは、軟質セグメントにより互いに結合された2つの硬質セグメントを有するトリブロックエラストマーである場合が多い。硬質セグメント及び軟質セグメントは、直鎖構造であっても良く星型構造であっても良く分枝鎖構造であっても良い。これらのセグメント又はブロックの各々は、典型的には少なくとも5を超え、一般的には10を超える基本単位(構成単位)を有する(例えば、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマーについてスチレン構成単位とイソプレン構成単位)。
好ましくは、本発明の一要旨に従って、ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマー(以下、略して“TPEI”という)は、ポリイソブチレンブロックの末端のうちの少なくとも1つを有し、熱可塑性ブロックは、100℃以上のガラス転移温度を有する。
熱可塑性エラストマーの数平均分子量(Mnによって示される)は、好ましくは、30,000g/モル〜500,000g/モル、より好ましくは40,000g/モル〜400,000g/モルである。示される最小値を下回ると、TPEIの鎖相互間の凝集が、特にTPEIの希釈(エキステンダー油の存在において)の可能性があるので、悪影響を受ける恐れがあり、さらに、使用温度の増大は、機械的性質、特に耐破断性に悪影響を与える恐れがあり、その結果、「高温条件下」における性能の低下が生じる。さらに、分子量Mnが高すぎる場合、これは、気密層の柔軟性を損なう場合がある。50,000g/モルから300,000g/モルまでの範囲にある値が、特にタイヤ組成物中へのポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマー、即ち、TPEIの使用に特に好適であることが判明した。
TPEIの数平均分子量(Mn)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって既知の方法で求められる。サンプルを、あらかじめ濃度約1g/lのテトラヒドロフラン中に溶解させ、次に、その溶液を、注入前に多孔度が0.45μmのフィルタで濾過する。使用する装置は、“Waters Alliance ”クロマトグラフィーラインである。溶出溶媒は、テトラヒドロフランであり、その流量は、0.7ml/分であり、系の温度は、35°Cであり、分析時間は、90分である。商標名“Styragel”(“HMW7”、“HMW6E”及び2つの“HT6E”)を有する4つで1組の直列に配置された“Waters”カラムが用いられる。ポリマーサンプル溶液の注入量は、100μlである。検出器は、“Waters 2410 ”示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するその関連ソフトウェアは、“Waters Millennium ”システムである。算出平均モル質量は、ポリスチレン規格で得られる較正曲線に準拠する。
TPEIの多分散性指数PI (思い起こされるべきこととして、PI=Mw/Mn、Mwは、重量平均分子量である)は、好ましくは3よりも低く、より好ましくは2よりも低く、さらにより好ましくは1.5よりも低い。
エラストマーブロックは、主として、重合イソブチレンモノマーで構成されている。好ましくは、ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、熱可塑性エラストマーに、十分であり且つタイヤのインナーライナ用途と同等の良好なエラストマー特性及び機械的強度を付与するために25,000g/モルから350,000g/モルまで、好ましくは35,000g/モルから250,000g/モルまでの範囲の数平均分子量(Mn)を有する。
好ましくは、ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、−20℃以下、より好ましくは−40℃未満のガラス転移温度 (“Tg”)を有する。これらの最小値よりも高いTgは、極めて低温での使用中における気密層の性能を低下させる場合があり、このような使用のためには、ポリイソブチレンブロックのTgは、さらにより好ましくは−50℃よりも低い。
TPEIのポリイソブチレンブロックは、有利には、ポリマー鎖中に挿入された1つ又は2つ以上の共役ジエンの結果として得られる好ましくはポリイソブチレンブロックの重量に対して最高16重量%までの含有量の構成単位を更に有するのが良い。16%を超えると、熱による酸化及びオゾンによる酸化に対する耐性の低下がタイヤ中に使用されているポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーから成る気密層について観察される場合がある。
イソブチレンと共重合させて“ポリイソブチレン”ブロックを形成させることのできる共役ジエンは、C4〜C14共役ジエンである。好ましくは、これらの共役ジエン類は、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエン又はそれらの混合物から選択される。より好ましくは、共役ジエンは、イソプレン又はイソプレンを含む混合物である。
本発明の1つの有利な観点によれば、ポリイソブチレンブロックをハロゲン化し、ポリイソブチレンブロックがその鎖中にハロゲン原子を有するのが良い。このハロゲン化により、本発明のブロックコポリマーを含む組成物の硬化速度を増大させることができる。このハロゲン化により、気密層とタイヤの他の構成要素との適合性を向上させることができる。ハロゲン化は、臭素又は塩素、好ましくは臭素によって、ポリイソブチレンブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する構成単位上で生じる。これら構成単位の一部分だけがハロゲンと反応する。
第1の実施形態によれば、TPEIは、ポリイソブチレンブロックを含むスチレン熱可塑性エラストマー(“TPSI”)から選択される。
熱可塑性ブロックは、非置換又は置換スチレンを主成分とする少なくとも1つの重合モノマーで構成され、置換スチレンの中で、例えばメチルスチレン(例えば、o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレンまたはp‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、α,2‐ジメチルスチレン、α,4‐ジメチルスチレンまたはジフェニルエチレン)、ブチルスチレン(例えば、パラ‐t‐ブチルスチレン)、クロロスチレン(例えば、o‐クロロスチレン、m‐クロロスチレン、p‐クロロスチレン、2,4‐ジクロロスチレン、2,6‐ジクロロスチレン又は2,4,6‐トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o‐ブロモスチレン、m‐ブロモスチレン、p‐ブロモスチレン、2,4‐ジブロモスチレン、2,6‐ジブロモスチレン又は2,4,6‐トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o‐フルオロスチレン、m‐フルオロスチレン、p‐フルオロスチレン、2,4‐ジフルオロスチレン、2,6‐ジフルオロスチレン又は2,4,6‐トリフルオロスチレン)又はパラ‐ヒドロキシスチレンを挙げることができる。
好ましくは、熱可塑性エラストマーTPSIは、ポリスチレン及びポリイソブチレンブロックコポリマーである。
好ましくは、このようなブロックコポリマーは、スチレン/イソブチレンジブロックコポリマー(略して“SIB”)である。
更により好ましくは、このようなブロックコポリマーは、スチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー(略して“SIBS”)である。
本発明の好ましい実施形態によれば、スチレンエラストマー中のスチレン(非置換又は置換)の重量を基準とした含有量は、5〜50%である。指示した最小値を下回ると、エラストマーの熱可塑性が実質的に減少し、これに対し、推奨最大値を上回ると、気密層の弾性が悪影響を受ける場合がある。これらの理由で、スチレン含有量は、より好ましくは、10〜40%、特に15〜35%である。
TPSIエラストマーは、オプションとして、ポリブテン油で増量されたTPSIエラストマーは、好ましくは、気密エラストマー層の唯一の成分としての熱可塑性エラストマーである。
TPSIエラストマーは、例えばビーズ又は顆粒の形で利用可能な出発材料から始まって、押出又は成形によって従来どおり処理されるのが良い。
TPSIエラストマーは、例えば、SIBS及びIBSに関して、カネカ(Kaneka)社により“Sibster ”の名称(例えば“Sibster 102T”、“Sibster 103T”又は“Sibster 073T”)で市販されている。これらTPSIエラストマーは、これらの合成法と共に、例えば欧州特許第731,112号明細書、米国特許第4,946,899号明細書、同第5,260,383号明細書に記載されている。これらTPSIエラストマーは、まず最初に生物医学的応用に開発され、次に、医療機器、自動車又は家庭用電化製品の部品、電気ワイヤの外装材、気密又は弾性部品として様々な状態でTPSIエラストマーに特有の種々の用途において記載されている(例えば、これについては例えば、欧州特許第1,431,343号明細書、同第1,561,783号明細書、同第1,566,405号明細書及び国際公開第2005/103146号パンフレットを参照されたい)。
第2の実施形態によれば、TPEIエラストマーは、100℃以上のTgを有すると共にスチレンモノマー以外の重合モノマー(略して、“TPNSI”)で形成された熱可塑性ブロックを更に含むのが良い。このようなモノマーは、以下の化合物及びこれらの混合物から選択されるのが良い。
‐アセナフテレン:当業者であれば、例えば、ゼット・フォーダー(Z.Fodor)及びジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy),「ポリマー・ブレティン(Polymer Bulletin)」,1992年,29(6),697‐705を参照されたい。
‐インデン及びその誘導体、例えば、2‐メチルインデン、3‐メチルインデン、4‐メチルインデン、ジメチルインデン、2‐フェニルインデン、3‐フェニルインデン、4‐フェニルインデン:当業者であれば、例えば、米国特許第4946899号明細書(発明者:ケネディー(Kennedy),プスカス(Puskas),カスザス(Kaszas)及びヘーガー(Hager))及びジェイ・イー・プスカス(J.E.Puskas),ジー・カスザス(G.Kaszas),ジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy)及びダブリュー・ジー・ヘーガー(W.G.Hager),「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)」,パートA:ポリマー・ケミストリー(Polymer Chemistry),1992年,30,41及びジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy),エヌ・メグリヤ(N.Meguriya)及びビー・ケツラー(B.Keszler),「マクロモレキュルス(Macromolecules)」,1991年,24(25),6572‐6577を参照されたい。
‐多数のトランス‐1,4‐ポリイソプレン構成単位及び分子内プロセスに従って管轄された構成単位の生成を結果的に生じさせるイソプレン:当業者であれば、例えば、ジー・カスザス(G.Kaszas),ジェイ・イー・プスカス(J.E.Puskas)及びジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy),「アプライド・ポリマー・サイエンス(Applied Polymer Science)」,1990年,39(1),199‐144及びジェイ・イー・プスカス(J.E.Puskas),ジー・カスザス(G.Kaszas)及びジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy),「マクロモレキュラー・サイエンス(Macromolecular Science)」,ケミストリー(Chemistry)A28,1991年,65‐80を参照されたい。
‐アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸及びメタクリル酸のエステル、アクリルアミドの誘導体、メタクリルアミドの誘導体、アクリルニトリルの誘導体及びメタクリロニトリルの誘導体並びにこれらの混合物。特に、アダマンチルアクリレート、アダマンチルクロトネート、アダマンチルソルベート、4‐ビフェニルイルアクリレート、t‐ブチルアクリレート、シアノメチルアクリレート、2‐シアノエチルアクリレート、2‐シアノブチルアクリレート、2‐シアノヘキシルアクリレート、2‐シアノヘプチルアクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルアクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルクロトネート、イソボルニルアクリレート、ペンタクロロベンジルアクリレート、ペンタフルオロベンジルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、4‐(t‐ブチル)シクロヘキシルメタクリレート、t‐ブチルメタクリレート、4‐(t‐ブチル)フェニルメタクリレート、4‐シアノフェニルメタクリレート、4‐シアノメチルフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、3,5‐ジメチルアダマンチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、3,3‐ジメチルブチルメタクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、2,3‐キシレニルメタクリレート、2,6‐キシレニルメタクリレート、アクリルアミド、N‐(sec‐ブチル)アクリルアミド、N‐(t‐ブチル)アクリルアミド、N,N‐ジイソプロピラクリルアミド、N‐(1‐メチルブチル)アクリルアミド、N‐メチル‐N‐フェニル‐アクリルアミド、モルフォリニルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N‐(t‐ブチル)メタクリルアミド、4‐ブトキシカーボニルフェニルメタクリルアミド、4‐カーボキシフェニルメタクリルアミド、4‐メトキシカーボニルフェニルメタクリルアミド、4‐エトキシカーボニルフェニルメタクリルアミド、ブチルシアノアクリレート、メチルクロロアクリレート、エチルクロロアクリレート、イソプロピルクロロアクリレート、イソブチルクロロアクリレート、シクロフェニルクロロアクリレート、メチルフルオロメタクリレート、メチルフェニルアクリレート、アクリルニトリル、メタクリロニトリル及びこれらの混合物を挙げることができる。
一変形形態によれば、スチレンモノマー以外の重合モノマーを少なくとも1つの他のモノマーと共重合させると、100℃以上のTgを有する熱可塑性ブロックを形成することができる。この観点によれば、熱可塑性ブロックの構成単位の全総数に対してスチレンモノマー以外の重合モノマーのモル分率は、100℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは、150℃以上、更に確かに、200℃以上のTgを達成するのに十分でなければならない。有利には、この他のコポリマーのモル分率は、0〜90%、より好ましくは0〜75%、更により好ましくは0〜50%であるのが良い。
一例を挙げると、スチレンモノマー以外の重合モノマーと共重合下のこの他のモノマーは、ジエンモノマー、特に4〜14個の炭素原子を有する共役ジエンモノマー及び8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族型のモノマーから選択されるのが良い。
コモノマーが4〜14個の炭素原子を有する共役ジエンである場合、これは、有利には、熱可塑性ポリマーの構成単位の全数に対して0〜25%のモル分率を占める。本発明の要旨に従って熱可塑性ブロックに用いることができる共役ジエンとして適しているものは、上述した共役ジエンであり、即ち、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエン又はこれらの混合物である。
コモノマーがビニル芳香族型のものである場合、これは、有利には、熱可塑性ブロックの構成単位の全数に対して、0〜90%、好ましくは0〜75%、更により好ましくは0〜50%の構成単位のフラクション(画分)を占める。特に、ビニル芳香族化合物として適しているものは、上述のスチレンモノマー、即ち、メチルスチレン、パラ‐(t‐ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン又はパラ‐ヒドロキシスチレンである。好ましくは、ビニル芳香族型のコモノマーは、スチレンである。
非限定的な例ではなく例示として、Tgが100℃以上であり、インデン及びスチレン誘導体、特にパラ‐メチルスチレン又はパラ‐(t‐ブチル)スチレンで構成された熱可塑性ブロックの調製に使用できるコモノマーの混合物を挙げることができる。この場合、当業者であれば、ジェイ・イー・プスカス(J.E.Puskas),ジー・カスザス(G.Kaszas),ジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy)及びダブリュー・ジー・ヘーガー(W.G.Hager),「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)」,パートA:ポリマー・ケミストリー(Polymer Chemistry),1992年,30,41及びジェイ・ピー・ケネディー(J.P.Kennedy),エス・ミドハ(S.Midha)及びワイ・ツンガー(Y.Tsungae),「マクロモレキュルス(Macromolecules)」,1993年,26,429を参照されたい。
好ましくは、TPNSI熱可塑性エラストマーは、ジブロックコポリマー、即ち、熱可塑性ブロック/イソブチレンブロックである。更により好ましくは、このようなTPNSI熱可塑性エラストマーは、トリブロックコポリマー、即ち、熱可塑性ブロック/イソブチレンブロック/熱可塑性ブロックである。
I‐1‐B.部分架橋ブチルゴム
ブチルゴムという用語は、通常、イソブチレンのホモポリマー又はイソブチレンとイソプレン(このブチルゴムは、ジエンエラストマーに含まれる)及びイソブチレン及びイソプレンのこれらホモポリマー及びコポリマーのハロゲン化誘導体、特に一般に臭素化され又は塩素化された誘導体のコポリマーを意味するものと理解される。
ブチルゴムの例として、イソブチレンとイソプレンのコポリマー(IIR)、ブロモブチルゴム、例えばブロモイソブチレン/イソプレンコポリマー(BIIR)及びクロロブチルゴム、例えばクロロイソブチレン/イソプレンコポリマー(CIIR)が挙げられる。
先の定義の拡張によって、「ブチルゴム」という用語は、イソブチレンとスチレン誘導体のコポリマー、例えば臭素化イソブチレンメチルスチレンコポリマー(BIMS)を更に含み、これらのうちで、特に、エクソン(Exxon)社により市販されている“Exxpro”エラストマーが挙げられる。
本発明の実施に特に適しているのは、部分架橋された上述のブチルゴムである。
ブチルゴムの部分架橋は、ブチルゴム鎖相互間の共有結合を作ることができる任意の手段によって実施できる。一例を挙げると、遊離基発生器、加硫剤等の使用を挙げることができる。部分架橋は、それにもかかわらずブチルゴムが相溶性、即ち、組成物中における可溶性を保つために制限されなければならない分子量の著しい増大によって反映される。好ましくは、部分架橋ブチルゴムの多分散性指数PIは、4を超える。好ましくは、部分架橋ブチルゴムの重量平均分子量は、500,000g/molを超え、最適には1,000,000g/molを超える。
一例として、ロイヤル・エラストマー(Royal Elastomer)社から入手できる“Kalar5210”を挙げることができる。この部分架橋ブチルゴムは、手順を実質的に変更することなく、TPEIエラストマーを主成分とする調合物中へのその導入を容易にするペレットの形態で供給される。
この材料は、5.1のPI及び109,6000g/molの重量平均分子量Mwを示す。
I‐1‐C.エキステンダー油(増量油)
2つの先のエラストマーは、これら自体、これらが用いられるインフレート可能物品に関して気密機能及び隣接のゴム層への付着性を満たすのに十分である。
しかしながら、本発明の好ましい一実施態様によれば、上述のエラストマー組成物は、可塑剤として、エキステンダー(増量)油(又は可塑化油)を含み、その役割は、特に弾性率の低下及び粘着性の増大によって気密層の処理、特にインフレート可能物品中へのその混入を容易にするにある。
好ましくは極性が弱くしかもエラストマー,特に熱可塑性エラストマーを増量させ又は可塑化することのできる任意のエキステンダー油を用いることができる。周囲温度(23°C)では、幾分なりとも粘性であるこれらの油は、本来固定である特に樹脂又はゴムとは対照的に、液体(即ち、繰り返し述べると、最終的に容器の形をとる能力を有する物質)である。
好ましくは、エキステンダー油は、ポリオレフィン油(即ち、オレフィン、モノオレフィン又はジオレフィンの重合から得られるもの)、パラフィン系オイル、(低又は高粘度の)ナフテン油、芳香油、鉱油及びこれらの油の混合物からなる群より選ばれる。
油の添加が、一般に認められているように、実際に、用いられる油の種類と量によって異なる場合のある気密性の或る程度の低下を代償にして行われていることが見受けられるが、気密性の低下を主として、特に板状充填剤の添加によって軽減することができる。
好ましくは、ポリブテン油、特にポリイソブチレン(PIB)油が用いられ、これは、試験した他の油と比較して、特にパラフィンタイプの従来の油と比較して性質の最善の妥協点が見いだされることを実証した。
ポリイソブチレン油の例としては、特にユニバール(Univar)社から品名“Dynapak Poly”(例えば“Dynapak Poly 190”)で、イネオス・オリゴマー(Ineos Oligomer)社から品名“Indopol H1200 ”で、ビーエーエスエフ(BASF)社から品名“Glissopal”(例えば“Glissopal 1000”)及び“Oppanol”(例えば、“Oppanol B12 ”)として市販され、パラフィン系オイルは、例えば、エクソン(Exxon)社から品名“Telura 618”として又はレプソル(Repsol)社から品名“Extensol 51”として市販されている。
エキステンダー油の数平均分子量(Mn)は、好ましくは200g/モル〜35p000g/モル、より好ましくは300g/モル〜25,000g/モルである。分子量Mnが低すぎる場合、これは、組成物の外部への油の移動の恐れがあり、これに対して、分子量Mnが高すぎる場合、その結果として、この組成物が過度に剛性になる場合がある。350g/モル〜4000g/モル、特に400g/モル〜3000g/モルのMn値は、意図された用途に対して、特にタイヤへの使用に対して優れた妥協点なることが判明した。
エキステンダー油の数平均分子量(Mn)は、SECによって求められ、サンプルを、あらかじめ濃度約1g/lのテトラヒドロフラン中に溶解させ、次に、その溶液を、注入前に多孔度が0.45μmのフィルタで濾過する。使用する装置は、“Waters Alliance ”クロマトグラフィーラインである。溶出溶媒は、テトラヒドロフランであり、その流量は、1ml/分であり、系の温度は、35°Cであり、分析時間は、30分である。品名“Styragel HT6E ”を有する2つで1組の“Waters”カラムが用いられる。ポリマーサンプル溶液の注入量は、100μlである。検出器は、“Waters 2410 ”示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するその関連ソフトウェアは、“Waters Millennium ”システムである。算出平均モル質量は、ポリスチレン規格で得られる較正曲線に準拠する。
当業者は、以下の説明及び実施態様を考慮して、エラストマー気密層の、特に、使用することが意図されるインフレート可能物品の特定の使用条件に従ってエキステンダー油の量を調整することができるであろう。
エキステンダー油含有量が、5phrを超え、好ましくは5phr〜100phr(全エラストマー、即ち、エラストマー組成物又は層中に存在するブロックTPEIエラストマーに部分架橋ブチルゴムを加えたもの、例えばSIBS100部に対する重量部)であることが好ましい。
示された最小値を下回ると、エキステンダー油の存在は、認識できない。推奨最大値を上回ると、組成物の凝集力不足及び検討対象の用途に応じて有害であり得る気密性の低下という恐れに見舞われる。
これらの理由のために、特に空気入りタイヤの気密組成物の使用については、エキステンダー油含有量は、好ましくは10phrを超え、特に10phr〜130phr、更により好ましくは20phrを超え、特に20phr〜100phrである。
I‐1‐D.板状充填剤
板状充填剤の使用により、有利には、透過性係数を低下させる(及び気密度を増大させる)ことができ、その場合、その弾性率を過度に増大させることはなく、それによりインフレート可能物品中への気密層の組み込みやすさを保持することができる。
「板状」充填剤は、当業者には周知である。これら板状充填剤は、特に、ブチルゴムを主成分とする従来の気密層の透過性を減少させるためにタイヤに用いられている。これら板状充填剤は、一般に10〜15phrを超えない比較的低い含有量でこれらブチルを主成分とする層に用いられる(これについては、例えば米国特許特許出願公開第2004/0194863号明細書及び国際公開第2006/047509号パンフレットを参照されたい)。
このような板状充填剤は、一般に、幾分かの顕著なアンイソメトリー(anisometry)を備えた状態で積み重ねられるプレート、ウェーハ、シート又はフレークの形態をしている。これらの形状比(F=L/E)は、一般に、3を超え、通常5を超え又は10を超え、Lは、長さ(又は最も長い寸法)を表し、Eは、これら板状充填剤の平均厚さを表し、これら手段は、平均された数値である。数十又は数百という高い形状比は、珍しくない。これら平均長さは、好ましくは、1μmを超え(このことは、これら板状充填剤は、この場合、マイクロメトリック(micrometric)板状充填剤と呼ばれることを意味している)、代表的には数μm(例えば、5μm)〜数百μm(例えば500又は800μm)である。
好ましくは、本発明に従って用いられる板状充填剤は、黒鉛、板状シリケート(珪酸塩)及びこのような充填剤の混合物で構成された群から選択される。板状シリケートのうち、特に、クレー、タルク、マイカ、カオリンが挙げられ、これら板状シリケートは、場合によっては、例えば表面処理剤で改質され又は改質されず、このような改質板状シリケートの例としては、特に、酸化チタンで覆われたマイカ及び表面活性剤により改質されたクレー(「有機クレー(又はオルガノクレー)」)が挙げられる。
好ましくは、表面エネルギーの小さい、即ち、比較的無極性の板状充填剤が用いられ、このような板状充填剤は、例えば、黒鉛、タルク、マイカ及びこのような充填剤の混合物から成る群から選択され、このような充填物は、改質される場合もあればそうでない場合もあり、板状充填剤は、より好ましくは、黒鉛、タルク及びこのような充填剤の混合物から成る群から選択される。黒鉛カテゴリーの中で、天然黒鉛及び合成黒鉛を用いることができる。
マイカの例として、シーエムエムピー(CMMP)により市販されているマイカ(例えば、Mica-MU(登録商標)、Mica-Soft(登録商標)、Briomica(登録商標))、YAMAGUCHI によって市販されているマイカ(A51S、A41S、SYA−21R、A21S、SYA−41R)、バーミキュライト(特に、CMMPにより市販されているShawatec(登録商標)バーミキュライト又はダブリュ・アール・グレース(W.R. Grace)により市販されているMicrolite(登録商標)バーミキュライト)、改質又は処理済みマイカ(例えば、メルク(Merck)により市販されているIriodin(登録商標)シリーズ)が挙げられる。黒鉛の例として、ティムカル(Timcal)により市販されている黒鉛(Timrex(登録商標)シリーズ)が挙げられる。タルクの例として、ルゼナック(Luzenac)により市販されているタルクが挙げられる。
上述の板状充填剤は、種々の含有量、エラストマー組成物の体積を基準として特に2〜30体積%、好ましくは3〜20体積%で使用されるのが良い。
熱可塑性エラストマー組成物中への板状充填剤の導入は、種々の公知のプロセスに従って、例えば、溶液混合、密閉式混合機でのバルク混合又は押し出し混合によって実施されるのが良い。
I‐1‐E.種々の添加剤
上述の気密層又は組成物は、当業者に知られている気密層中に通常存在する種々の添加剤を更に含むのが良い。例えば補強充填剤、例えばカーボンブラック又はシリカ、上述の板状充填剤以外の非補強又は不活性充填剤、有利には組成物を着色するために使用することができる着色剤、上述のエキステンダー油以外の可塑剤、粘着性樹脂、保護剤、例えば老化防止剤又はオゾン劣化防止剤、UV安定剤、種々の加工助剤若しくは他の安定剤又はインフレート可能物品の構造体の残部に対する付着性を促進することのできる促進剤が挙げられる。
上述のエラストマー(TPEI、TPSI、TPNSI、部分架橋ブチルゴム)に加えて、気密組成物は、常にブロックエラストマーに対して僅かな重量フラクションに従って、エラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーを更に含む場合がある。
I‐2.タイヤ中への気密層の使用
上述のTPEIエラストマーを主成分とする組成物は、気密層として、任意のタイプのインフレート可能物品中に使用できる。このようなインフレート可能物品の例として、ゲーム又はスポーツに用いられる空気注入式ボート、バルーン又はボールを挙げることができる。
上述の組成物は、インフレート可能物品、ゴムで作られた完成品又は半完成品、最適には自動車、例えば二輪車、乗用車又は産業車両用のタイヤに気密層(又は任意他のインフレーションガス、例えば、窒素に対して気密である層)として用いるのに特に好適である。
このような気密層は、好ましくは、インフレート可能物品の内壁上に配置されるが、内部構造体中に完全に組み込まれてもよい。
気密層の厚さは、好ましくは0.05mmを超え、より好ましくは0.1mm〜10mm(特に0.1mm〜1.0mmの間に)である。
容易に理解されるように、特定の用途分野並びに使用時における寸法及び圧力に応じて、本発明の実施形態は、様々であって良く、気密層は、幾つかの好ましい厚さ範囲を有する。
例えば、乗用車型タイヤの場合、少なくとも0.05mm、好ましくは0.1〜2mmの厚さを有するのが良い。別の例によれば、大型車両又は農業車両用のタイヤの場合、好ましい厚さは、1mm〜3mmであるのが良い。別の例によれば、土木工学分野の車両又は航空機用のタイヤの場合、好ましい厚さは、2mm〜10mmであるのが良い。
国際公開第2008/145277(A1)号パンフレットに開示されている気密層と比較して、本発明の気密層は、以下の実施例の具体化で実証されるように少なくとも等しいガスに対する気密度を保持しながら隣接のジエン層への付着力の著しい向上を達成するという利点を有する。
II.本発明の具体化の実施例
上述の気密層は、有利には、全ての形式の車両、特に乗用車又は産業車両、例えば大型車両用のタイヤに使用できる。
一例を挙げると、単一の添付の図面は、本発明のタイヤの半径方向断面を極めて概略的に示している(特定の縮尺に合わせて記載されている訳ではない)。
このタイヤ1は、クラウン補強材又はベルト6によって補強されたクラウン2、2つのサイドウォール3及び2つのビード4を有し、これらビード4の各々は、ビード細線5で補強されている。クラウン2の上にこの概略図には図示されていないトレッドが載っている。カーカス補強材7が各ビード4内の2本のビード細線5周りに巻かれ、この補強材7の上折り返し部又は巻き上げ部8は、例えば、タイヤ1の外側寄りに配置され、タイヤは、この場合、そのホイールリムに装着されている。カーカス補強材7は、それ自体知られるように、「ラジアル」ケーブル、例えば、テキスタイル(繊維)ケーブル又は金属ケーブルによって補強された少なくとも1枚のプライで構成され、即ち、これらケーブルは、事実上互いに平行に配置されると共に周方向平面(2つのビード4から見て中間距離のところに位置すると共にクラウン補強材6の中間を通るタイヤの回転軸線に垂直な平面)と80°〜90°の角度をなすよう一方のビードから他方のビードまで延びている。
タイヤ1の内壁は、タイヤ1の内部キャビティ11の側から見て例えば厚さが約0.9mmに等しい厚さを備えた気密層10を有している。
この内側層は、タイヤの内部壁全体を覆い、タイヤが装着位置にあるとき、一方のサイドウォールから他方のサイドウォール、少なくともリムフランジの高さ位置まで延びている。この内側層は、カーカス補強材をタイヤの内部空間11に源を発する空気の拡散から保護するようになったタイヤの半径方向内面を構成する。この内側層は、タイヤのインフレーション及び圧力下におけるタイヤの保守を可能にし、即ち、その気密特性は、圧力低下レベル比較的僅かな状態にすると共に通常の使用状態ではタイヤを十分な期間にわたって、通常は数週間又は数カ月にわたってインフレート状態に保つことができなければならない。
ブチルゴムを主成分とする組成物を用いた従来型タイヤとは対照的に、本発明のタイヤは、この実施例では、気密層10、SIBSエラストマー(スチレン含有量が約15%、Tgが約−60℃、Mnが約90,000g/molの“Sibstar 102T”)及び例えばPIB油(例えば、Mnが2,100g/molの油“Indopol H1200”)で増量された部分架橋ブチルゴム(ロイヤル・エラストマー社から入手できる“Kalar5210”(登録商標)を含むエラストマー組成物及び更に板状充填剤(ヤマグチ(Yamaguchi)社から入手できる“SYA41R”)を用いている。
特に欧州特許出願公開第2072219(A1)号明細書に記載されている装置を用いて気密層の層(スキム)を作ることができる。この装置は、押し出しツール、例えばツインスクリュー式押し出し機、ダイ、液体冷却浴及び可動レベル支持体を有する。
上述した気密層10を備えたタイヤは、好ましくは、加硫(又は硬化)前に製作される。
気密層は、従来通り、層10の形成のために所望のスポットに単に被着する。次に、加硫を従来通り実施する。ブロックエラストマーは、加硫段に関連した応力に十分耐える。
当業者にとって有利な製造の変形形態では、例えば、第1段階の際、気密層を適当な厚さの層(スキム)の形態で成型ドラム上に平らに載せ、その後、このような層(スキム)を当業者に周知の製造方法に従ってタイヤの構造の残部で被覆する。
II‐1.試験
気密エラストマー組成物及びこれらの成分のうちの幾つかの性質は、以下に示すように特徴付けられる。
気密層/ジエン層付着力試験
気密層が硬化後、ジエンエラストマー層、特に、天然(解凝固)ゴム及びカーボンブラックN330(天然ゴムの100部当たり65重量部)を主成分とし、更に、通常の添加剤(硫黄、促進剤、ZnO、ステアリン酸、老化防止剤)を含むタイヤカーカス補強材用の標準型ゴム組成物に付着する性能を試験するために付着力試験(剥離試験)を実施した。
2つの圧延ファブリック相互間の薄い気密組成物層をまず最初にSIBSエラストマー(1.5mm)と積み重ね、次に検討対象のジエン配合物(1.2mm)とを積み重ねることによって剥離試験用試験体(180°剥離型のもの)を作製した。初期亀裂を薄い層の端部のところで2つの圧延ファブリック相互間に入れる。
組み立て後、試験体を圧力下で10分間180℃で加硫した。幅30mmのストリップを切断機械の使用により切断した。次に、初期亀裂の2つの側部を“イントロン(登録商標)”という商標名の引張り試験装置のジョー内に配置した。試験は、周囲温度及び100mm/分の引張り速度で実施した。引張り試験を記録し、このような記録を試験体の幅によって標準化した。引張り試験装置の可動クロスレール変位(0〜200mm)の関数としての単位幅当たりの強度(単位は、N/mm)の曲線を得た。選択した接着強さは、試験体の破損の開始及びこの曲線の最大値に対応している。
凝集力試験
TPEIを主成分とする気密組成物の凝集力を試験するために同様な剥離試験を実施した。
2つの圧延ファブリック相互間の薄い気密組成物層をまず最初にSIBSエラストマー(1.5mm)と積み重ねることによって凝集力試験用試験体(180°剥離型のもの)を作製した。初期亀裂を薄い層の端部のところで2つの圧延ファブリック相互間に入れる。
組み立て後、試験体を圧力下で10分間180℃で加硫した。幅30mmのストリップを切断機械の使用により切断した。次に、初期亀裂の2つの側部を“イントロン(登録商標)”という商標名の引張り試験装置のジョー内に配置した。試験は、周囲温度及び100mm/分の引張り速度で実施した。引張り試験を記録し、このような記録を試験体の幅によって標準化した。引張り試験装置の可動クロスレール変位(0〜200mm)の関数としての単位幅当たりの強度(単位は、N/mm)の曲線を得た。選択した接着強さは、試験体の破損の開始及びこの曲線の最大値に対応している。
気密度試験
この分析のため、オーブン(この場合、60℃の温度)内に配置され、相対圧力センサ(0〜6バールの範囲に較正されている)を備えると共にインフレーション弁付きの鞍に連結された剛性壁浸透計を用いた。浸透計は、円盤形態(例えば、この場合、直径65mm)をしていて、最高で1.5mmまでの範囲であるのが良い一様な厚さ(この場合、0.5mm)の標準型試験体を受け入れることができる。圧力計をナショナル・インストロメンツ(National Instruments)データ収集カード(0〜10Vアナログ4チャンネル収集)に連結し、この収集カードは、0.5Hzの周波数(2秒ごとに1ポイント)で連続収集を実施するコンピュータに接続されている。透過性係数(K)を線形回帰線から測定し、この線形回帰線は、システムの標準化後、即ち、圧力が時間の関数として直線的に減少する安定した条件の達成後に、時間の関数として試験された試験体中の圧力の低下勾配αを与える。
II‐2.試験
欧州特許出願公開第2072219(A1)号明細書の装置を用いてSIBSエラストマー(カネカ(Kaneka)社から入手できる“Sibstar 102T”)、PIB油(INEOS・オリゴマー(INEOS Oligomer)社から入手できる“Indopol H1200”)及び板状充填剤(ヤマグチ社から入手できる“SYA41R”)を含む気密組成物を調製した。基準(コントロール)組成物C‐1は、エラストマーとしてSIBSのみを含む。組成物C‐2は、4に等しいA/B比のSIBSとSISの配合物(クレートン(Kraton)社から入手できる“Kraton D1161”)を含む。組成物C‐3は、これ又4に等しいA/B比のSIBSと部分架橋ブチルゴム(ロイヤル・エラストマー社から入手できる“Kalar5210”)の配合物を含む。組成物C‐4は、1に等しいA/B比のSIBSと部分架橋ブチルゴムの配合物を含む。
上述した気密度、付着力及び凝集力試験をこれら組成物について実施した。組成物並びに付着力、凝集力及び気密度の結果が全て表1に記載されている。組成物C‐1が基準として取られている。
表 1
Figure 2013515800
4に等しいA/B比のSIBSとSISの配合物を含む組成物C‐2は、優れた相対付着力を示すが、凝集力結果が、極めて悪い。
本発明の要旨としての組成物C‐3は、同じ4に等しいA/B比のSIBSと部分架橋ブチルゴムの配合物を含んでいる。部分架橋ブチルゴムの存在により、相対気密度及び凝集力性能の低下を僅かにした状態で相対付着力の相当な向上が可能になった。
本発明の要旨である組成物C‐4は、1に等しいA/B比のSIBSと部分架橋ブチルゴムの配合物を含む。相対凝集力性能の低下を生じない状態で、相対付着力が激増し、それに伴う相対気密度性能の減少は僅かであることが記録された。

Claims (22)

  1. インフレーションガスに対して気密であるエラストマー層を備えたインフレート可能な物品において、前記エラストマー層は、ポリイソブチレンブロックを含む熱可塑性エラストマーと部分架橋ブチルゴムの少なくとも1つの配合物を含み、前記熱可塑性エラストマーは、比率Aを占め、部分架橋ブチルゴムは、比率Bを占め、比A/Bは、1〜20であり、A及びBは、重量で表される、インフレート可能物品。
  2. 比A/Bは、1〜5である、請求項1記載のインフレート可能物品。
  3. 前記部分架橋ブチルゴムの多分散性指数(PI)は、4を超える、請求項1又は2記載のインフレート可能物品。
  4. 前記部分架橋ブチルゴムの重量平均分子量は、500,000g/molを超える、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  5. 前記部分架橋ブチルゴムは、イソブチレンとイソプレンのコポリマーである、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  6. 前記部分架橋ブチルゴムは、ブロモイソブチレン/イソプレンコポリマーである、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  7. 前記部分架橋ブチルゴムは、クロロイソブチレン/イソプレンコポリマーである、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  8. 前記部分架橋ブチルゴムは、臭素化イソブチレンメチルスチレンコポリマーである、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  9. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーは、前記ポリイソブチレンブロックの末端のうちの少なくとも1つを有し、熱可塑性ブロックが100℃以上のガラス転移温度を有する、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  10. 前記熱可塑性ブロックは、スチレン、メチルスチレン、パラ‐(t‐ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン及びパラ‐ヒドロキシスチレンから成る群から選択された少なくとも1つの重合モノマーで構成されている、請求項9記載のインフレート可能物品。
  11. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーは、スチレン‐イソブチレンジブロックコポリマー(“SIB”)及びスチレン‐イソブチレン‐スチレントリブロックコポリマー(“SIBS”)から成る群から選択される、請求項10記載のインフレート可能物品。
  12. ポリイソブチレンブロックを含む前記熱可塑性エラストマーは、スチレン‐イソブチレン‐スチレントリブロックコポリマー(“SIBS”)である、請求項11記載のインフレート可能物品。
  13. 前記熱可塑性ブロックは、アセナフテレン、インデン、2‐メチルインデン、3‐メチルインデン、4‐メチルインデン、ジメチルインデン、2‐フェニルインデン、3‐フェニルインデン、4‐フェニルインデン、イソプレン、アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸及びメタクリル酸のエステル、アクリルアミドの誘導体、メタクリルアミドの誘導体、アクリルニトリルの誘導体及びメタクリロニトリルの誘導体から成る群から選択された少なくとも1つの重合モノマーで構成されている、請求項9記載のインフレート可能物品。
  14. 前記熱可塑性ブロックを構成する前記モノマーは、4〜15個の炭素原子を有する共役ジエンモノマー及び8〜20個の炭素原子を有するビニル芳香族型のモノマーから選択されたコモノマーと共重合される、請求項13記載のインフレート可能物品。
  15. 前記コモノマーは、スチレンである、請求項14記載のインフレート可能物品。
  16. 前記気密エラストマー層は、組成物の重量を基準として5phr〜150phrの含有量のエキステンダー油を更に含む、請求項1〜15のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  17. 前記エキステンダー油は、ポリブテン、好ましくはポリイソブチレンである、請求項16記載のインフレート可能物品。
  18. 前記気密エラストマー層は、好ましくは2体積%〜30体積%の含有量の板状充填剤を更に含む、請求項1〜17のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  19. 前記物品は、ゴムで作られている、請求項1〜18のうちいずれか一に記載のインフレート可能物品。
  20. ゴムで作られている前記物品は、タイヤである、請求項19記載のインフレート可能物品。
  21. 前記インフレート可能物品は、インナーチューブである、請求項19記載のインフレート可能物品。
  22. 前記インナーチューブは、タイヤのインナーチューブである、請求項21記載のインフレート可能物品。
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