JP2018509505A - (A−B−(A−co−B))n−B−Cブロックコポリマーの形態の熱可塑性エラストマー製のエラストマー層を備えたタイヤ - Google Patents

(A−B−(A−co−B))n−B−Cブロックコポリマーの形態の熱可塑性エラストマー製のエラストマー層を備えたタイヤ Download PDF

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Abstract

本発明は、膨張ガスに対してシールされたエラストマー層を備えたタイヤであって、前記エラストマー層が、主要エラストマーとして、a)イソブチレンに由来する単位を少なくとも含み、−20℃以下のガラス転移温度を有する、エラストマーブロックと、b)1以上の熱可塑性ブロックであって、1以上の熱可塑性ブロックがそれぞれ、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位から形成された少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含み、前記第2のブロックが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位から形成されたランダムコポリマーである、熱可塑性ブロックとを含むブロックコポリマーの形態で熱可塑性エラストマーを含む、タイヤに関する。本発明は、膨張ガスに対してタイヤをシールするための方法にも関する。

Description

本発明は、「空気入り」物体に関し、即ち、定義によれば、空気または同等の膨張ガスを用いて膨張させたときに、それらの使用可能な形態をとる物体、特に、空気入りタイヤに関する。
より具体的には、本発明は、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を備えた空気入り物体であって、前記エラストマー層が、主要エラストマーとして、特定のブロックコポリマーの形態で、熱可塑性エラストマーを含む、空気入り物体に関する。
本発明は、上記定義の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層によって、空気入り物体を気密性にする方法にも関する。
最後に、本発明は、空気入り物体における、膨張ガスに対して気密性である層としての、上記定義のエラストマー層の使用に関する。
チューブレスタイプの従来型タイヤにおいて、半径方向内面に、空気入りタイヤを膨張させてこれを圧力下に保つことを可能にする気密層(または、より一般的には、任意の膨張ガスに対して気密性の層)を有する。その気密特性によって、比較的低いレベルの圧力低下を保証することを可能にし、通常、数週間または数カ月間の十分な期間にわたって、通常の動作状態においてタイヤを膨張させたまま保つことを可能にする。また、カーカス補強材を、タイヤの内部空間において生じる空気の拡散から保護する機能を有する。
気密性の内部層または気密性の「内部」ゴム(「インナーライナー」)のこの役割は、現在、ブチルゴム(イソブチレンおよびイソプレンのコポリマー)系の組成物によって充足されており、それらの優れた気密特性については、非常に長い間にわたって認識されている。
それにもかかわらず、ブチルゴム系の組成物の周知の欠点は、それらが高いヒステリシス損失を有することであり、また、これは広い温度スペクトルにわたって生じ、空気入りタイヤの転がり抵抗に対して弊害をもたらす欠点である。
これらの気密性の内部層のヒステリシスを減少させること、したがって、最終的には、自動車の燃費を減少させることは、現在の技術が直面する一般的な課題である。
SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレン)タイプの熱可塑性エラストマーは、それらを含有する気密性の内部層のヒステリシス特性を改善するために開発されている。特に、仏国特許出願第08/57844号および仏国特許出願第08/57845号を挙げることができる。
しかしながら、気密性の内部層としてのSIBS系の処方の使用は、欠点がある。
第1に、SIBS系の気密性の内部層は、タイヤの構築中の未硬化状態、およびカーカスプライとの硬化状態の両方において、空気入り物体の他の構成要素に対する接着性を欠く。これは、熱可塑性エラストマー中に二重結合が存在しないことによって、硬化中に、カーカスプライでの共加硫に対して比較的鈍感になるためである。
第2に、これらの熱可塑性エラストマーから得られる空気入り物体は、耐熱性が限られており、このことは、材料を引き裂くことなく、熱硬化プレスから空気入り物体を取り出すことを不可能にし、また、高速走行試験等の熱機械的な観点から応力が生じる耐久試験中に、材料クリープが出現することなどに反映される。
したがって、気密性の内部層として使用することができる熱可塑性エラストマーに基づく新規な空気入り物体を開発する必要性がある。これらの空気入り物体は、良好な気密特性を保持しながら、接着性の点および耐熱性の点で良好な妥協点も有していなければならない。
本出願人は、驚くべきことに、エラストマーブロックおよび1以上の熱可塑性ブロックを含むブロックコポリマーの形態の熱可塑性エラストマーであって、後者自体がブロックコポリマーの形態であり、その少なくとも1つの第1のブロックが、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなり、ならびに、その少なくとも1つの第2のブロックが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位のランダムコポリマーからなり、これは、空気入り物体において、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層として使用することができ、膨張ガスに対して良好な気密性を有する空気入り物体を得ること、また、空気入り物体の互いの構成要素との接着性の点、および耐熱性の点で、良好な妥協点を得ることを可能にすることを見出した。
したがって、本発明の主題は、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を備えた空気入り物体であって、前記エラストマー層が、主要エラストマーとして、
a)イソブチレンに由来する単位を少なくとも含み、−20℃以下のガラス転移温度を有する、エラストマーブロックと、
b)1以上の熱可塑性ブロックであって、熱可塑性ブロックがそれぞれ、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなる少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含み、前記第2のブロックが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマーである、熱可塑性ブロックと
を含むブロックコポリマーの形態で熱可塑性エラストマーを含む、空気入り物体である。
このブロックコポリマーの構造および特定の組成は、空気入り物体における気密層に、構築中の未硬化状態、およびそこに隣接するゴム成分の硬化状態の両方において、特にカーカスプライに対する、良好な接着特性を与えることを可能にする。
この構造およびこの組成は、特に、空気入り物体を熱硬化プレスから取り出すときに材料が引き裂かれること防ぐために、空気入り物体に、良好な耐熱性を与えることも可能にするだけでなく、その使用中に、特に、熱機械的な観点から応力が生じる耐久試験中に、材料クリープを防ぐことも可能にする。
本発明の別の主題は、空気入り物体を膨張ガスに対して気密性にする方法であって、上記定義の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を、その製造中に前記空気入り物体に組み込むか、またはその製造後に前記空気入り物体に加える、方法である。
最後に、本発明の主題は、上記定義のエラストマー層の、空気入り物体における、膨張ガスに対して気密性である層としての使用である。
本発明およびその利点は、以下の説明および例示的な実施形態、ならびに本発明の空気入りタイヤを半径方向の断面において図式的に表す図1に照らして容易に理解されるであろう。
本明細書において、別段の明確な指示がない限り、示された全てのパーセント(%)は、質量%である。
さらにまた、「aおよびbの間」という表現によって表される値の任意の範囲は、aよりも大きく、bよりも小さいことを示す値の範囲を表し(即ち、境界値aおよびbは含まない)、一方「a〜b」という表現によって表される値の任意の範囲は、aからbまでを示す値の範囲を意味する(即ち、厳密に境界値aおよびbを含む)。
本出願において、エラストマーを表す場合の「主要な」とは、このエラストマーがエラストマー組成物またはエラストマー層に存在する全ての他のエラストマーの中で主要であること、即ち、このエラストマーがエラストマー組成物またはエラストマー層に存在する全てのエラストマーの50質量%超を示すことを意味することを意図する。
本出願において、「エラストマーの100部あたりの部」または「phr」という用語は、それらが熱可塑性であるか、または非熱可塑性であるか否かにかかわらず、エラストマーの100質量部あたり、即ち、エラストマーの総質量に対する、成分の質量部を意味する。したがって、60phrの成分は、例えば、エラストマー100gあたり、この成分が60gであることを意味するものとする。
「少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック」とは、このブロックが、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する5つの単位からなる少なくとも1つの配列を含むことを意味することを意図する。
「少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位、およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマー」とは、このポリマーが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位、およびβ−ピネンに由来する単位のランダムな分布からなることを意味することを意図する。
第2のブロックとして示される「ランダムコポリマーであるブロック」とは、このブロックが、5つの単位からなる少なくとも1つの配列を含み、前記配列が、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位の混合物であることを意味することを意図する。
「エラストマーブロック」とは、このブロックが、イソブチレンに由来する5つの単位からなる少なくとも1つの配列を含むことを意味することを意図する。
したがって、本発明の第1の主題は、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を備えた空気入り物体であって、前記エラストマー層が、主要エラストマーとして、
a)イソブチレンに由来する単位を少なくとも含み、−20℃以下のガラス転移温度を有する、エラストマーブロックと、
b)1以上の熱可塑性ブロックであって、熱可塑性ブロックがそれぞれ、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなる少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含み、前記第2のブロックが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマーである、熱可塑性ブロックと
を含むブロックコポリマーの形態で熱可塑性エラストマーを含む、空気入り物体である。
本発明において、ガラス転移温度(Tgで表す)は、温度の関数としての弾性率G’の変化の曲線を確立することからなる、DMA(動的機械分析)法によって測定してもよい。この方法によれば、ガラス転移温度は、ガラス状のプラトーに接する直線と、ガラス状のプラトーおよびゴム状のプラトーの間の遷移領域に接する直線との間の交差が観察される温度に相当する。
したがって、本明細書において、別段の明確な指示がない限り、ガラス転移温度は、正弦応力(周波数10Hz)にさらされた架橋試料(試料サイズ、長さ:6mm、幅:5mm、厚さ:2mm)の温度掃引中の、ガラス状のプラトーに接する直線と、ガラス状のプラトーおよびゴム状のプラトーの間の遷移領域に接する直線との間の交差が観察される温度として定義される。上記に示すように、このTg値は、JIS K 6384(加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムの動的特性の試験方法)の基準に従って、粘度分析器(DVA200、アイティー計測制御社)による動的特性の測定中に測定される。
本発明の第1の変形態様によれば、ブロックコポリマーは、エラストマーブロックがその末端の1つで熱可塑性ブロックと結合した構造を有する。
この第1の変形態様の特定の実施形態において、ブロックコポリマーは、イソブチレンブロック(エラストマーブロック)、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック、およびβ−ピネンに由来する単位および少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位のランダムコポリマーからなるブロックを有する3ブロック構造を有する。
この第1の変形態様の第1の特定の下位実施形態において、ブロックコポリマーは、次の順序:イソブチレンブロック/(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロック/少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロックの3ブロック構造を有する。
この第1の変形態様の第2の特定の下位実施形態において、ブロックコポリマーは、次の順序:イソブチレンブロック/少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック/(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロックの3ブロック構造を有する。
「−co−」という指示は、この指示のいずれかの側にある2つの種が、ランダムコポリマーを構成することを意味する。
本発明の第2の変形態様によれば、ブロックコポリマーは、エラストマーブロックがその末端のそれぞれで熱可塑性ブロックと結合した直鎖状の構造を有する。
この第2の変形態様の特定の実施形態において、ブロックコポリマーは、中央のイソブチレンブロック(エラストマーブロック)、イソブチレンブロックの各末端に、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック、ならびにβ−ピネンに由来する単位および少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位のランダムコポリマーからなるブロックを有する5ブロック構造を有する。
この第2の変形態様の第1の特定の下位実施形態において、ブロックコポリマーは、次の順序:少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック/(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロック/イソブチレンブロック/(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロック/少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロックの5ブロック構造を有する。
この第2の変形態様の第2の特定の下位実施形態において、ブロックコポリマーは、次の順序:(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロック/少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック/イソブチレンブロック/少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック/(β−ピネン−co−少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位)ブロックの5ブロック構造を有する。
本発明の第3の変形態様によれば、ブロックコポリマーは、星形の分岐構造を有し、エラストマーブロックが、中央にあり、かつ3〜12の分岐と結合し、それぞれの分岐が熱可塑性ブロックからなる。ブロックコポリマーの分岐の数は、好ましくは3〜6の範囲である。
本発明の別の変形態様によれば、ブロックコポリマーは、分岐状またはデンドリマー状の形態である。したがって、ブロックコポリマーは、分岐状またはデンドリマー状のエラストマー、および分岐状またはデンドリマー状のエラストマーの分岐の各末端に位置する熱可塑性ブロックで構成される。
ブロックコポリマーは、好ましくは−20℃未満、より好ましくは−40℃未満、さらにより好ましくは−50℃未満のガラス転移温度(Tg、DMA法によって測定)を有する。これらの最低値を超えるTg値は、非常に低温での使用中に、気密層の性能品質を低下させ得る。
好ましくは、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、30〜300kg/mol、好ましくは120〜250kg/molの範囲の質量平均分子量を有する。
指示した最低値を下回ると、エラストマー鎖の間の接着に悪影響を及ぼし得る。さらに、この場合において、動作温度の上昇は、「高温条件下」の性能の低下という結果により、機械的特性、特に、破損時の特性に悪影響を及ぼし得る。
さらに、分子量が高すぎると、気密層の使用にとって有害となり得、これはおそらく使用が困難、またはさらには不可能であることを示す。
本発明に従って使用することができるブロックコポリマーの質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、それ自体公知の手段である、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって、測定してもよい。
GPCユニットは、4つのモジュール:Waters717plusオートサンプラー、Waters515 HPLCポンプ、Waters2487およびWaters2414で構成される。0.05mlの溶液試料を注入し、1.0ml/分の流速、35℃で、溶離液(クロロホルム)によって、カラム(Shodex(登録商標)GPC K−804およびShodex(登録商標)GPC K−802.5)を通過させる。
本発明の空気入り物体の気密性のエラストマー層において使用することができるブロックコポリマーは、通常、3以下、より好ましくは2以下、さらにより好ましくは1.5以下の多分散指数(PDI=Mw/Mn)を有する。
念のために記載すると、本発明の空気入り物体の気密性のエラストマー層において使用することができるブロックコポリマーは、エラストマーブロックおよび1以上の熱可塑性ブロックを含む。
このブロックコポリマーのエラストマーブロックは、少なくともいくつかのイソブチレンに由来する単位を含み、−20℃以下のガラス転移温度(Tg、DMA法によって測定)を有する。
エラストマーブロックは、好ましくは−40℃以下、好ましくは−50℃以下のガラス転移温度を有する。
本発明の好ましい変形態様において、エラストマーブロックは、エラストマーブロックの総質量に対して、0.5〜6質量%、好ましくは1.5〜5質量%の、1種または複数の共役ジエンに由来する単位をさらに含む。
エラストマーブロックを形成するためにイソブチレンと共重合することができる共役ジエンは、C4−C14共役ジエンである。好ましくは、これらの共役ジエンは、イソプレン、1,3−ブタジエン、1−メチルブタジエン、2−メチルブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、3−メチル−1,3−ヘキサジエン、4−メチル−1,3−ヘキサジエン、5−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2−ネオペンチルブタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−ビニル−1,3−シクロヘキサジエン、およびこれらの混合物から選択される。
より好ましくは、共役ジエンは、イソプレンまたはイソプレンを含有する混合物である。
エラストマーブロックは、有利にはハロゲン化される。
このハロゲン化は、ブロックコポリマーを含むエラストマー層の硬化速度を増大させることを可能にする。このハロゲン化は、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を構成する他の構成成分とのブロックコポリマーの相溶性を向上させることを可能にする。ハロゲン化は、エラストマーブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する単位に対して、特に、臭素または塩素、好ましくは臭素を使用して、行われる。これらの単位の一部のみがハロゲンと反応する。それにもかかわらず、共役ジエンに由来する単位のこの反応性の部分は、ハロゲンと反応しない共役ジエンに由来する単位の含有量が、エラストマーブロックの質量に対して、少なくとも0.5質量%であるようでなければならない。
上記で説明したように、本発明の空気入り物体の気密性のエラストマー層において使用することができるブロックコポリマーは、1以上の熱可塑性ブロックも含む。
このブロックコポリマーの熱可塑性ブロックはそれぞれ、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなる少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含み、第2のブロックが、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマーである。
第1の重合性モノマーおよび/または第2の重合性モノマーは、好ましくはスチレンモノマーから選択される。
本明細書において、「スチレンモノマー」という用語は、無置換または置換のいずれかのスチレン系の任意のモノマーを意味することを意図する。
特に、次のモノマーを挙げることができる:スチレン、メチルスチレン、および特に、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンまたはp−メチルスチレン、α,2−ジメチルスチレン、α,4−ジメチルスチレンおよびジフェニルエチレン;ブチルスチレン、例えば、パラ−(tert−ブチル)スチレン;クロロスチレン、例えば、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレンまたは2,4,6−トリクロロスチレン;ブロモスチレン、例えば、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレンまたは2,4,6−トリブロモスチレン;フルオロスチレン、例えば、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレンまたは2,4,6−トリフルオロスチレン、およびパラ−ヒドロキシスチレン。
本発明の第1の重合性モノマーおよび/または第2の重合性モノマーは、好ましくは、スチレン、ジフェニルエチレン、p−メチルスチレン、p−(tert−ブチル)スチレン、p−クロロスチレンおよびp−フルオロスチレンから選択される。
第1の重合性モノマーおよび/または第2の重合性モノマーはまた、インデンモノマーから選択されてもよい。
本明細書において、「インデンモノマー」という用語は、無置換または置換のいずれかのインデン系の任意のモノマーを意味することを意図する。置換インデンの中でも、例えば、アルキルインデンおよびアリールインデンを挙げることができる。
第1および/または第2の重合性モノマーとして、次の化合物およびこれらの混合物を挙げることができる。
・アセナフチレン:当業者であれば、例えば、Z. Fodor, J.P. Kennedy, ポリマーBulletin, 1992, 29(6), 697-705の論文を参照してもよい。
・イソプレン、多数のトランス−1,4−ポリイソプレン単位、および分子内プロセスによって環化された単位の形成が結果的に生じる。当業者であれば、例えば、G. Kaszas, J.E. Puskas, P. Kennedy, Applied ポリマーScience (1990) 39(1) 119-144、およびJ.E. Puskas, G. Kaszas, J.P. Kennedy, Macromolecular Science, Chemistry A28 (1991), 65-80の文献を参照してもよい。
・アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、およびメタクリル酸のエステル、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、アクリロニトリル誘導体、メタクリロニトリル誘導体、ならびにこれらの混合物。より具体的には、アダマンチルアクリレート、アダマンチルクロトネート、アダマンチルソルベート、4−ビフェニリルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シアノメチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−シアノブチルアクリレート、2−シアノヘキシルアクリレート、2−シアノヘプチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルクロトネート、イソボルニルアクリレート、ペンタクロロベンジルアクリレート、ペンタフルオロベンジルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、4−(tert−ブチル)シクロヘキシルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、4−(tert−ブチル)フェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、4−シアノメチルフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、3,3−ジメチルブチルメタクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、2,3−キシレニルメタクリレート、2,6−キシレニルメタクリレート、アクリルアミド、N−(sec−ブチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N−(1−メチルブチル)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N−(tert−ブチル)メタクリルアミド、4−ブトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、4−エトキシカルボニルフェニルメタクリルアミド、ブチルシアノアクリレート、メチルクロロアクリレート、エチルクロロアクリレート、イソプロピルクロロアクリレート、イソブチルクロロアクリレート、シクロヘキシルクロロアクリレート、メチルフルオロメタクリレート、メチルフェニルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびこれらの混合物を挙げることができる。
特に好ましくは、第1の重合性モノマーおよび/または第2の重合性モノマーはスチレンである。
本発明の特定の実施形態において、第1の重合性モノマーおよび第2の重合性モノマーは、同一であり、上記に記載のモノマーから選択されてもよい。
本発明のこの特定の実施形態において、第1の重合性モノマーおよび第2の重合性モノマーは、好ましくはスチレンモノマーから選択される。
本発明のこの特定の実施形態において、第1の重合性モノマーおよび第2の重合性モノマーは、最も特に好ましくはスチレンである。
本発明に従って使用することができるブロックコポリマーにおいて、第1および第2の重合性モノマーは、特に好ましくはβ−ピネンではない。
上記で説明したように、このブロックコポリマーの熱可塑性ブロックはそれぞれ、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなる少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含み、前記第2のブロックは、少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマーである。
前記β−ピネンに由来する単位の含有量は、ブロックコポリマーの単位のモル数に対して、好ましくは0.5〜25mol%、好ましくは0.8〜5mol%の範囲である。
β−ピネンの含有量が25%を超える場合、膨張ガスに対して気密性である層の耐熱性が低下し得る。一方、β−ピネンの含有量が0.5%未満の場合、接着における膨張ガスに対して気密性である層中のβ−ピネンの存在による有利な効果は、実質的に確認できない。
熱可塑性ブロックは、通常、ブロックコポリマーの総質量に対して、5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。
本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、それを含有する、膨張ガスに対して気密性の組成物に、空気入り物体、特に、空気入りタイヤの、それに隣接するゴム成分への大きな接着能力を与える。
さらに、このブロックコポリマーは、その熱可塑性の性質にもかかわらず、特に、150〜200℃の範囲の温度で、それを含有する気密性組成物に、材料の良好な熱接着性をを与える。これらの温度は、空気入りタイヤを硬化するための温度に相当する。この高温での接着性は、特定のブロックコポリマーを含有する気密性の組成物の完全性に悪影響を及ぼすことなく、高温条件下でこれらのタイヤを離型することを可能にする。
したがって、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、驚くべきことに、それを含有する組成物の熱接着性と、空気入り物体においてそれに隣接するゴム成分に対するこの組成物の接着性のしばしば矛盾する特性の間で、妥協点に到達することを可能にする。このブロックコポリマーを含む組成物の気密性および加工性の特性を維持しながら、かつ、空気入りタイヤのためのインナーゴムとして、(ブチルゴムと比較して)改善されたヒステリシス特性も付与しながら、この特性の妥協点に到達する。
本発明の空気入り物体の気密性のエラストマー層において使用することができるブロックコポリマーは、それ自体公知の合成方法、および特に、本明細書の背景技術の項目で引用された文献に記載されている合成方法によって調製してもよい。当業者には、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーの特定の構造的特徴をもたらすための、適切な重合条件を選択する方法、および重合方法の様々なパラメータを調整する方法は公知であろう。
いくつかの合成戦略を、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーを調製する目的のために、特に使用することができる。
第1の戦略は、当業者に公知の一官能性、二官能性または多官能性開始剤によって重合するモノマーのリビングカチオン重合によってエラストマーブロックを合成する第1ステップと、次いで、第1ステップで得られたリビングエラストマーブロックに対する、少なくとも1種の第1の重合性モノマー、または少なくとも1種の第2の重合性モノマーおよびβ−ピネンのモノマーの混合物のいずれかの重合によって熱可塑性ブロックを合成する第2ステップ、次に、それぞれ、第2のステップから得られたリビングブロックに対する、少なくとも1種の第2の重合性モノマーおよびβ−ピネンのモノマーの混合物、または、少なくとも1種の第1の重合性モノマーのいずれかの重合によって熱可塑性ブロックを合成する第3ステップからなる。
したがって、これらの3つのステップは連続しており、これは、
・イソブチレン単独、または1種もしくは複数の共役ジエンモノマーとの混合物であるエラストマーブロックの調製のために重合するモノマー、
・1種もしくは複数の第1の重合性モノマー、または第2の重合性モノマーおよびβ−ピネンの混合物、
・第2の重合性モノマーおよびβ−ピネンの混合物、または1種もしくは複数の第1の重合性モノマー
の連続的な添加によって表される。
それぞれのステップにおいて、重合されるモノマーは、以下に記載するようなルイス酸もしくはルイス塩基の存在中または不存在中で、以下に記載するような溶媒中の溶液の形態で添加されてもよいし、または添加されなくてもよい。
これらのステップのそれぞれは、同じ反応器内で、または2つの異なる重合反応器内で行うことができる。好ましくは、これらの2つのステップは、単一の反応器内で行われる(ワンポット合成)。
リビングカチオン重合は通常、その場でカルボカチオンを形成するために、開始剤、および任意に、共開始剤として働くルイス酸によって行われる。通常は、電子供与性化合物が、重合に対してリビング特性を付与するために添加される。
例示として、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーの調製のために使用することができる、一官能性、二官能性または多官能性の開始剤は、(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン(クミルメチルエーテル)、(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン(クミルクロリド)、(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン(または、ジクミルメチルエーテル)、1,3,5−トリ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン(または、トリクミルメチルエーテル)、1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン(または、ジクミルクロリド)、1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン(または、トリクミルクロリド)、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリ(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタン、および2,6−ジヒドロキシ−2,4,4,6−ヘプタンから選択されてもよい。
好ましくは、ジクミルエーテル、トリクミルエーテル、ジクミルハライドまたはトリクミルハライドが使用される。
ルイス酸は、一般式MXn(式中、Mは、Ti、Zr、Al、Sn、PまたはBから選択される元素であり、Xは、ハロゲン、例えば、Cl、Br、FまたはIであり、nは、元素Mの酸化度に相当する)の金属ハロゲン化物から選択されてもよい。例えば、TiCl4、AlCl3、BCl3、BF3、SnCl4、PCl3、またはPCl5が挙げられる。化合物TiCl4、AlCl3およびBCl3が好ましく使用され、TiCl4がより好ましく使用される。
電子供与性化合物は、公知のルイス塩基、例えば、ピリジン、アミン、アミド、エステル、スルホキシド等から選択されてもよい。これらの中でも、DMSO(ジメチルスルホキシド)およびDMAc(ジメチルアセトアミド)が好ましい。
リビングカチオン重合は、不活性な非極性溶媒中で、または不活性な非極性溶媒および不活性な極性溶媒の混合物中で行われる。
本発明において使用できるブロックコポリマーの合成のために使用できる非極性溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼンまたはトルエンである。
本発明において使用できるブロックコポリマーの合成のために使用できる極性溶媒は、例えば、ハロゲン化溶媒、例えば、アルキルハライド、例えば、塩化メチル(またはクロロホルム)、塩化エチル、塩化ブチル、塩化メチレン(またはジクロロメタン)またはクロロベンゼン(モノ、ジまたはトリクロロ)である。
当業者には、このポリマーの分子量特性を達成する目的のために、適切な温度条件を選択する方法は公知であろう。
第2の合成戦略は、
・一官能性、二官能性または多官能性開始剤によるリビングカチオン重合によって、任意に、次いで鎖末端で官能化反応された、1以上のその鎖の末端で、テレキーレック性または官能性であるエラストラマーブロック、
・例えば、アニオン重合によるリビング熱可塑性ブロック、
を別々に製造すること、次に、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーを得るために、それらの両方を反応させることからなる。本発明に従って使用することができるブロックコポリマーを得るために、エラストマーブロックの鎖末端のそれぞれでの反応性官能基の性質、およびエラストマーブロックに対するリビング熱可塑性ブロックの割合は、当業者によって選択されるものとする。
合成戦略のいずれか1つに従って得られる本発明に従って使用することができるブロックコポリマーの任意のハロゲン化は、当業者に公知の任意の方法、特に、ブチルゴムのハロゲン化のために使用される方法に従って行われ、エラストマーブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する単位に対して、または、存在する場合にはβ−ピネンに由来する単位に対して、例えば、臭素または塩素によって、好ましくは臭素によって、行うことができる。
ブロックコポリマーが星形の分岐状、またはその他の分岐状である本発明のいくつかの変形態様において、例えば、Puskas, J. Polym. Sci. Part A: ポリマーChemistry, Vol. 36, pp 85-82 (1998)、およびPuskas, J. Polym. Sci. Part A: ポリマーChemistry, Vol. 43, pp 1811-1826 (2005)の論文中に記載された方法は、リビングの星形の分岐状、分岐状、またはデンドリマーの中央のエラストマーブロックを得るために、類似的に使用することができる。したがって、当業者には、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーを調製する目的のために使用されるモノマーの混合物の組成を選択する方法、また、このコポリマーの分子量特性を達成する目的のために、適切な温度条件を選択する方法は公知であろう。
本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、好ましくは、一官能性、二官能性または多官能性開始剤によるリビングカチオン重合によって、または、エラストマーブロックの合成のために重合されるモノマーの添加によって、次に、熱可塑性ブロックの合成のために重合されるモノマーの、第1のブロックのための連続的な添加によって、または、第2のブロックのための連続的な添加によって、調製される。
本発明は、そのようなモノマーの混合物から開始する特定の重合方法に限定されない。この種類の方法は、当業者には周知である。したがって、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーを調製するために、従来技術、特に、欧州特許第731112号明細書、米国特許第4,946,899号明細書、米国特許第5,260,383号明細書の特許文献に記載されている合成を類似的に行うことができる。
ブロックコポリマーは、気密性のエラストマー層を単独で構成してもよいし、またはこのエラストマー層中で、エラストマー組成物を形成するために他の成分と組み合わせてもよい。
特に、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、別の種類の本発明に従って使用することができる別のブロックコポリマーとの混合物であってもよい。
例えば、本発明の第1のブロックコポリマーは、イソブチレンブロック(エラストマーブロック)、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック、ならびにβ−ピネンに由来する単位および少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位のランダムコポリマーからなるブロックを有する、直鎖状の3ブロックの形態であってもよい。本発明の第2のブロックコポリマーは、中央のイソブチレンブロック(エラストマーブロック)、ならびにイソブチレンブロックの各末端に、少なくとも1種の第1の重合性モノマーに由来する単位からなるブロック、およびβ−ピネンに由来する単位および少なくとも1種の第2の重合性モノマーに由来する単位のランダムコポリマーからなるブロックを有する5ブロックのポリマーの形態であってもよい。したがって、混合物中で本発明に従って使用することができるこれらの2種のブロックコポリマーは、本発明に従って使用される気密性のエラストマー層を形成してもよい。
任意の他のエラストマーを本組成物中で使用する場合、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、質量において主要なエラストマーを構成し、したがって、それらは、全てのエラストマーの、50質量%超、より好ましくは70質量%超である。そのような少量の補助的なエラストマーは、例えば、それらの微細構造が混合可能である限り、本発明に従って使用することができるブロックコポリマー以外の、ジエンエラストマー、例えば、天然ゴムもしくは合成ポリイソプレン、ブチルゴムまたは熱可塑性スチレン(TPS)エラストマーであってもよい。
本発明に従って使用することができるブロックコポリマー以外のTPSエラストマーとしては、特に、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレンブロックコポリマー、およびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択されるTPSエラストマーを挙げることができる。より好ましくは、前記任意の補助的なTPSエラストマーは、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレンブロックコポリマー、およびこれらのコポリマーの混合物からなる群から選択される。
それにもかかわらず、好ましい実施形態によれば、本発明に従って使用することができるブロックコポリマーは、気密性のエラストマー層中に存在する唯一のエラストマーである。
膨張ガスに対して気密性のエラストマー層は、特に好ましくは、本発明に従って使用することができる単一のブロックコポリマーのみを含み、これは、気密性のエラストマー層中に存在する唯一のエラストマーである。上記に記載のブロックコポリマーは、それが使用されている空気入り物体に関して気密性の役割を果たすだけで十分である。
それにもかかわらず、本発明の好ましい実施形態によれば、後者は、可塑剤として、伸展油(または可塑化油)をさらに含む組成物中で使用され、その機能は、加工性、特に、気密層の係数の低下および粘着力の増加による空気入り物体への組み込みを助けることである。
したがって、本発明のこの好ましい実施形態において、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層は、伸展油をさらに含む。
伸展油としては、好ましくは、弱い極性の性質を有し、エラストマー、特に、熱可塑性エラストマーを伸展または可塑化することができる任意の伸展油を使用してもよい。周囲温度(23℃)では、程度の差はあるが粘性であるこれらの油は液体(即ち、念のために記載すると、最終的にそれらの容器の形状をとる能力を有する物質)であり、本来固体である、特に、樹脂またはゴムとは対照的である。
好ましくは、伸展油は、ポリオレフィン油(即ち、モノオレフィン性またはジオレフィン性のオレフィンの重合から得られるもの)、パラフィン油、(低または高粘度の)ナフテン油、芳香油、鉱油、およびこれらの油の混合物からなる群から選択される。
より好ましくは、伸展油は、オレフィン油から選択され、好ましくは、ポリイソブチレン(PIBと略記する)油である。これは、この油が、試験した他の油、特に、従来のパラフィン系油と比較して、最良の妥協点の特性を実証したことによる。
例示として、ポリイソブチレン油は、特に、ユニバール(Univar)社からDynapak Poly(例えば、Dynapak Poly 190)という名称で、イネオス・オリゴマー(Ineos Oligomer)社からINDOPOL H1200という名称で、および、BASF社からGlissopal(例えば、Glissopal 1000)またはOppanol(例えば、Oppanol B12)という名称で販売されており、パラフィン油は、例えば、エクソン(Exxon)社からTelura 618という名称で、またはレプソル(Repsol)社からExtensol 51という名称で販売されている。
伸展油は、好ましくは350〜4000g/molの範囲、より好ましくは400〜3000g/molの範囲の数平均分子量を有する。
存在する場合、伸展油の数平均分子量(Mn)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定してもよく、試料の油を、約1g/lの濃度で、テトラヒドロフラン中に予め溶解し、次に、その溶液を、注入前に0.45μmの多孔性のフィルターを用いてろ過する。使用する装置は、Waters Allianceクロマトグラフィーラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は1ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は30分である。Styragel HT6Eという名称の2つで1組のWatersカラムを使用する。試料の油の溶液の注入量は、100μlである。検出器は、Waters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを利用するためのその関連ソフトウェアは、Waters Millennium systemである。計算された平均モル質量は、ポリスチレン標準を用いて作成された較正曲線に対する相対的なものである。
実際に、数平均分子量が低すぎる場合、組成物の外側への油の移動の恐れがあり、高すぎる分子量では、この組成物が過度に剛性になるという結果をもたらし得ることが示された。この選択は、目的とする応用のため、特に空気入りタイヤにおける使用のための優れた妥協点をとなることが示された。
がある。
伸展油は、好ましくは、5phr超、好ましくは5および100phrの間の含有量で存在する(総エラストマー、即ち、エラストマー層または組成物中に存在する本発明に従って使用することができるブロックコポリマーおよび他の任意のエラストマーの100部あたりの質量部)。
指示された最低値を下回ると、エラストマー組成物が、ある応用のためには大きすぎる剛性を示す恐れがあり、一方、推奨される最大値を上回ると、考えられる応用に応じて有害になり得る、組成物の接着性不足および気密性低下の恐れが生じる。
これらの理由のため、特に、空気入りタイヤにおける気密性組成物の使用のためには、伸展油の含有量は、10phr超、特に10および90phrの間、さらにより好ましくは20phr超、特に、20および80phrの間であることが好ましい。
さらにまた、上記に記載の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層は、当業者に公知の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層中に通常存在する様々な添加剤を、含んでいてもよい。
例えば、補強充填剤を挙げることができる。
タイヤの製造のために使用することができるゴム組成物を補強するための能力が公知の任意の種類の補強充填剤、例えば、カーボンブラック、無機補強充填剤、例えばシリカ、またはこれらの2種の充填剤の配合物、特にカーボンブラックおよびシリカの配合物を使用してもよい。
個々に、または混合物の形態で使用される全てのカーボンブラック、特に、タイヤにおいて従来から使用されているHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック(「タイヤグレード」ブラック)が、カーボンブラックとして適切である。目的とする応用に応じて、より高次のシリーズであるFF、FEF、GPFまたはSRFブラックもまた、使用してもよい。カーボンブラックは、例えば、グラフト前またはグラフト後、好ましくはグラフト後に、マスターバッチの形態で、ジエンエラストマーに既に組み込むことができる(例えば、国際公開第97/36724号パンフレットまたは国際公開第99/16600号パンフレットの出願を参照)。
カーボンブラック以外の無機補強充填剤は、本出願において、定義によれば、タイヤ製造用を意図するゴム組成物を、中間カップリング剤以外の手段を用いずに、それ自身単独で補強する能力を有する、カーボンブラックとは対照的な、任意の無機充填剤または鉱物充填剤を意味すると理解すべきであり、そのような充填剤は、通常、公知の方法で、その表面のヒドロキシル(−OH)基の存在によって特徴付けられる。
補強充填剤が提供される物理的状態は重要ではなく、粉末の形態、マイクロビーズの形態、顆粒の形態、ビーズの形態または任意の他の適切な高密度形態である。当然ながら、補強充填剤は、異なる補強充填剤、特に、下記に記載するような高分散性のケイ素含有充填剤および/またはアルミニウム含有充填剤の混合物を意味するものとしても理解される。
ケイ素含有タイプの鉱物充填剤、特に、シリカ(SiO2)、またはアルミニウム含有タイプの鉱物充填剤、特にアルミナ(Al23)は、カーボンブラック以外の無機補強充填剤として特に適切である。
好ましくは、気密性のエラストマー組成物中の補強充填剤の含有量は、10〜200phr、より好ましくは30〜150phr、特に50〜120phrで変更され、最適量は、それ自体公知の方法において、目的とする特定の応用に応じて異なる。
1つの実施形態によれば、補強充填剤は、主にシリカを含み、気密性のエラストマー層中に存在するカーボンブラックの含有量は、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば、0.5および20phrの間、特に1〜10phr)である。
補強充填剤は、好ましくは、主にカーボンブラックを含むか、またはカーボンブラックのみからなる。
補強充填剤が、充填剤およびエラストマーの間の結合を確立するために、カップリング剤の使用を必要とする充填剤を含む場合、気密性のエラストマー層は、通常、この結合を効果的にもたらすことができる薬剤をさらに含む。シリカが補強充填剤として気密性のエラストマー層中に存在する場合、公知の方法で、無機充填剤(その粒子の表面)および熱可塑性エラストマーの間で、化学的および/または物理的性質の十分な結合をもたらすことを意図する、少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)、特に、二官能性のオルガノシランまたはポリオルガノシロキサンが使用される。
本発明に従って使用することができる気密性のエラストマー層において、カップリング剤の含有量は、好ましくは、0.5〜12phrで変更され、通常、その可能な限り少量を使用することが望ましいことが理解される。カップリング剤の存在は、カーボンブラック以外の無機補強充填剤の存在に依存する。その含有量は、この充填剤の含有量に従って、当業者によって容易に調整され、カーボンブラック以外の無機補強充填剤の量に対して、典型的には、0.5〜15質量%程度である。
当業者であれば、カーボンブラック以外の無機補強充填剤と同等の充填剤として、別の性質の充填剤を使用してもよく、ただし、この補強充填剤は、シリカ等の無機層で被覆されるか、または、充填剤および熱可塑性エラストマーの間で結合を形成するために、カップリング剤の使用を必要とするその表面に、官能性部位、特にヒドロキシル部位を含むことを理解するであろう。
本発明に従って使用することができる気密性のエラストマー層は、上記に記載のカーボンブラックまたは他の無機補強充填剤の全てまたは一部と置き換え可能な、有機補強充填剤をさらに含有することができる。有機補強充填剤の例としては、国際公開第2006/069792号パンフレット、国際公開第2006/069793号パンフレット、国際公開第2008/003434号パンフレットおよび国際公開第2008/003435号パンフレットの出願に記載されたような、官能化ポリビニル有機充填剤を挙げることができる。
膨張ガスに対して気密性である当業者に公知のエラストマー層中に通常存在する他の添加剤としては、例えば、非補強または不活性充填剤、組成物を着色するために有利に使用することができる着色剤、気密性をさらに改善する板状充填剤(例えば、カオリン、タルク、マイカ、グラファイト、クレイ、またはオルガノクレイ等のフィロシリケート)、上述の伸展油以外の可塑剤、抗酸化剤またはオゾン劣化防止剤等の保護剤、UV安定剤、様々な加工助剤もしくは他の安定剤、あるいは空気入り物体の構造の残部に対する接着を促進することを可能にする促進剤が挙げられる。
上記に記載の 気密性のエラストマー層は、固体(23℃)で、かつ弾性化合物であり、これは、特に、その特定の処方によって、非常に高い柔軟性および非常に高い変形性によって特徴付けられる。
本発明の好ましい実施形態によれば、この気密性のエラストマー層は、10%伸長(M10で表す)で、2MPa未満、より好ましくは1.5MPa未満(特に、1MPa未満)である割線係数を有する。この大きさは、温度23℃、引張り速度500mm/分(標準ASTM D412)で、最初の伸長(即ち、順応サイクルなし)で測定され、試験片の初期断面に関する。
上記に記載の気密性のエラストマー層は、任意の種類の空気入り物体における気密層として使用することができる。例示し得るそのような空気入り物体の例としては、空気入りのボート、およびゲームまたはスポーツで使用されるボールが挙げられる。
特に、空気入り物体、またはゴム製の完成品もしくは半完成品、特に、自動車、例えば二輪車、乗用車または産業車両のための空気入りタイヤにおける気密層(または、あらゆる他の膨張ガス、例えば、窒素に対して気密性である層)としての使用に好適である。そのような気密層は、好ましくは、空気入り物体のインナーウォールに配置されるが、その内部構造中に全体的に組み込まれてもよい。
気密層は、好ましくは、0.05mm以上、好ましくは0.1〜10mmの範囲、より好ましくは0.1〜2mmの範囲の厚さを有する。
特定の応用分野、関連する寸法および圧力に応じて、本発明の実施形態を変化させることができ、したがって、気密のエラストマー層は、幾つかの好ましい厚さの範囲を有することは容易に理解されるであろう。
したがって、例えば、乗用車の空気入りタイヤに関して、それらは、少なくとも0.4mm、好ましくは0.8および2mmの間の厚さを有し得る。別の例によれば、大型または農業車両の空気入りタイヤに関して、好ましい厚さは、1および3mmの間であり得る。別の例によれば、土木工学分野における車両、または航空機用の空気入りタイヤに関して、好ましい厚さは、2および10mmの間であり得る。
本発明の空気入り物体は、 好ましくは空気入りタイヤである。
一般に、本発明の空気入り物体は、乗用車、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)、二輪車(特に、オートバイ)、飛行機、ならびにバン、大型車両、および他の輸送用または材料運搬用車両などの産業車両に装備することを意図している。
大型車両は、特に、坑内車両、バス、ならびにトラック、トラクター、トレーラー等の重量物輸送車両、農業車両または土木車両などのオフロード車両等を含んでいてもよい。
本発明は、空気入り物体を膨張ガスに対して気密性にする方法であって、上記定義の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を、その製造中に前記空気入り物体に組み込むか、またはその製造後に前記空気入り物体に加える、方法にも関する。
気密性にするこの方法において、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層は、好ましくは、空気入り物体のインナーウォールに配置される。
本方法の特定の変形態様において、空気入り物体は、空気入りタイヤである。
この特定の変形態様において、第1ステップ中に、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層をタイヤ成形ドラム上に平らに積層してから、空気入りタイヤの構造の残部で、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を被覆する。
最後に、本発明は、上記定義のエラストマー層の、空気入り物体における、膨張ガスに対して気密性である層としての使用に関する。
本発明およびその利点は、本発明による空気入りタイヤ、および以下の例示的な実施形態を、半径方向の断面において図式的に表す図1に照らしてより完全に理解されるであろう。
添付の図1は、本発明による空気入りタイヤの半径方向の断面を非常に概略的に(特定の縮尺に従うことなく)表す。
この空気入りタイヤ1は、クラウン補強材またはベルト6によって補強されたクラウン2、2つのサイドウォール3および2つのビード4を有し、これらのビード4のそれぞれは、ビードワイヤ5で補強されている。クラウン2にこの概略図には表されていないトレッドが載せられている。カーカス補強材7がそれぞれのビード4内の2本のビードワイヤ5の周囲に巻かれ、この補強材7の上方折り返し8は、例えば、タイヤ1の外側に面して配置され、これは、その車輪リム9に合わせて表される。カーカス補強材7は、それ自体公知の方法において、「ラジアル」コード、例えば、テキスタイルコードまたは金属コードによって補強された少なくとも1枚のプライで構成され、即ち、これらのコードは、実質的に互いに平行に配置され、かつメジアン周平面(2つのビード4の間の中間に位置し、クラウン補強材6の中央を通る、タイヤの回転軸に垂直な平面)と80°および90°の間の角度を形成するように、一方のビードから他方のビードまで延びている。
タイヤ1のインナーウォールは、例えば、空気入りタイヤ1の内部空間11の側に、約0.9mmに等しい厚さの気密層10を有する。
この内側層(または「インナーライナー」)は、空気入りタイヤのインナーウォール全体を覆い、空気入りタイヤが装着位置にある場合に、一方のサイドウォールから他方のサイドウォールまで、少なくともリムフランジの高さまで延びている。カーカス補強材を、タイヤの内部空間11において生じる空気の拡散から保護することを意図する前記タイヤの半径方向の内側面を定義する。これは、空気入りタイヤを膨らませて、圧力下にそれを維持することを可能にし、その気密特性により、比較的低いレベルの圧力損失を保証し、通常、数週間または数カ月にわたる十分な期間、タイヤを通常の動作状態で膨らんだまま保つことを可能にする。
ブチルゴム系組成物を使用する従来の空気入りタイヤとは違って、本実施例において、本発明による空気入りタイヤは、膨張ガスに対して気密性である層10として、上記に記載のブロックコポリマーの形態で、熱可塑性エラストマーを使用する。
上記に記載の気密層10を備えたタイヤは、加硫(または硬化)前または後に製造することができる。
測定方法
1)気密性試験
この分析のために、オーブン(この場合は60℃の温度)内に置かれた、相対圧力センサ(0〜6バールの範囲で較正)を備え、かつ膨張弁を備えた管に接続された剛性壁浸透計を使用した。浸透計は、円盤形態(例えば、この場合は直径65mm)で、1.5mmまでの範囲であり得る均一な厚さ(この場合は0.5mm)の標準の試験片を受け入れることができる。圧力センサを、0.5Hzの周波数(2秒ごとに1ポイント)で連続的に収集を行うコンピュータに接続されたナショナル・インストルメンツ(National Instruments)データ収集カード(0〜10Vアナログ4チャンネル収集)に接続する。透過係数(K)を、システムの標準化後、即ち、圧力が時間の関数として直線的に減少する安定的な条件に到達後、時間の関数として、試験された試験片による圧力損失の勾配αを与える線形回帰線から測定する。対照の気密性について100という任意の値を付与し、100を超える結果は、気密性の増大を示し、したがって、透過性の減少を示す。
2)接着(または剥離)試験:膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層/ジエンエラストマー系の層
硬化後、ジエンエラストマー層に、より正確には、(解膠された)天然ゴムおよびカーボンブラックN330(天然ゴム100部あたり65質量部)をベースとし、通常の添加剤(硫黄、促進剤、ZnO、ステアリン酸、酸化防止剤)をさらに含む、空気入りタイヤのカーカス補強のための通常のゴム組成物に、接着する気密性のエラストマー層の能力を試験するために、接着試験(剥離試験)を行った。
気密性組成物の薄層を、最初がSIBSエラストマー(1.5mm)および他方が検討中のジエン混合物(1.2mm)の2つのカレンダー加工したファブリックの間に積層することによって、剥離試験片(180°タイプの剥離用)を調製した。初期亀裂を、薄層の端部で2つのカレンダー加工したファブリックの間に挿入する。
組立後の試験片を、加圧下で10分間、180℃で加硫した。切断機を使用して幅30mmのストリップを切り出した。初期亀裂の両側を、次に、Instron(登録商標)ブランドの引張り試験機のジョーに置いた。試験は、室温で、100mm/分の引張り速度で行う。引張応力を記録し、その後、試験片の幅に対して標準化する。引張試験機の可動クロスヘッドの変位(0および200mmの間)の関数として、単位幅あたりの強度曲線(N/mm)を得る。選択された接着性の値は、試験片の破壊開始、したがって、この曲線の最大値に相当する。
対照の接着性について100という任意の値を付与し、100を超える結果は、接着性の増大を示す。
3)耐熱性の試験(または軟化点を測定するための試験)
エラストマー組成物の軟化点を明らかにするために、以下の試験を使用する。
・装置:TAインストルメンツ(TA Instruments)社により販売されている動的機械分析装置(DMA Q800)。
・試料:管状型、穴開けパンチを使用して製造し、平均で、直径13mm、厚さ2mmにで測定する。
・応力:試料ホルダは圧縮ジョーの形態である。この部分は、可動する上板(直径15mm)と固定された下板(直径15mm)からなる。試料を、これらの2つの板の間に置く。可動部は、1Nの試料に対する所定の応力を適用することを可能にする。3℃/分で、周囲温度から180℃までの温度勾配を生じさせることを可能にするオーブンに組立物を入れ、その間に試料の変形を記録する。
・解釈:結果は、温度の関数として、試料の変形に関する曲線の形式でもたらされる。材料が、その厚さが10%減少した点を軟化点とみなす。
対照の耐熱性について100という任意の値を付与し、100を超える結果は、耐熱性の向上を示す。
(例1)
参照のブロックコポリマー(ポリマー1)−スチレン/イソブチレン/スチレンブロックコポリマーの調製
ブロックコポリマー(ポリマー1)を以下のようにして合成する。
500mlのセパラブル丸底フラスコ(重合容器)を窒素下にして、次に、n−ヘキサン(モレキュラーシーブで乾燥、23.8ml)および塩化ブチル(モレキュラーシーブで乾燥、214.4ml)をシリンジで添加する。次に、重合容器を、−70℃のドライアイス/メタノール浴に浸けることによって冷却する。三方活栓を取り付けた、イソブチレン(75ml、794mmol)入りの耐圧性ガラスのコレクションフラスコに、テフロン(登録商標)供給チューブを接続し、イソブチレンを窒素圧によって重合容器に添加する。次に、p−ジクミルクロリド(0.1248g、0.540mmol)およびα−ピコリン(0.1026g、1.10mmol)を添加する。次に、四塩化チタン(0.84ml、7.70mmol)を添加して、重合を開始する。同じ温度(−70℃)で1時間撹拌後、重合溶液の試料(約1ml)を、全重合溶液から取り出す。
次に、予め−70℃に冷却したスチレン(9.79g、94.1mmol)を重合容器に添加する。スチレン添加45分後に、反応を停止させるために重合溶液を温水(500ml)に注ぎ、次に、この混合物を30分間撹拌する。次に、重合溶液を脱イオン水(3×500ml)で洗浄する。洗浄した粗反応生成物から、減圧下、80℃で24時間、溶媒および類似物を留去して、ブロックコポリマーを得る。中央ブロック(ポリイソブチレン)および全ブロックコポリマーの質量平均分子量を、上記定義のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ガラス転移温度を、上記定義のDMA法に従って測定する。これらのデータを以下の表Iに示す。
(例2)
比較のブロックコポリマー(ポリマー2)−β−ピネン−co−スチレン/イソブチレン/β−ピネン−co−スチレンブロックコポリマーの調製
ブロックコポリマー(ポリマー2)を以下のようにして合成する。
2リットルのセパラブル丸底フラスコ(重合容器)を窒素下にして、次に、n−ヘキサン(モレキュラーシーブで乾燥、192ml)および塩化ブチル(モレキュラーシーブで乾燥、768ml)をシリンジで添加する。次に、重合容器を、−70℃のドライアイス/メタノール浴に浸けることによって冷却する。三方活栓を取り付けた、イソブチレン(175ml、1852mmol)入りの耐圧性ガラスのコレクションフラスコに、テフロン(登録商標)供給チューブを接続し、イソブチレンを窒素圧によって重合容器に添加する。次に、p−ジクミルクロリド(0.1413g、0.611mmol)およびα−ピコリン(1.709g、18.3mmol)を添加する。次に、四塩化チタン(5.36ml、48.9mmol)を添加して、重合を開始する。同じ温度(−70℃)で65分間撹拌後、重合溶液の試料(約1ml)を、全重合溶液から取り出す。
次に、スチレン(28.9ml、251mmol)を添加する。スチレンの添加が終了したら、β−ピネン(3.64ml、23.2mmol)を40分間、滴下添加する。β−ピネンの添加が終了したら、四塩化チタン(1.79ml、16.3mmol)を再度一度に添加し、混合物を50分間撹拌する。その後、反応を停止させるために重合溶液を温水(2リットル)に注ぎ、次に、この混合物を30分間撹拌する。次に、重合溶液を脱イオン水(3×2リットル)で洗浄する。洗浄した粗反応生成物から、減圧下、80℃で24時間、溶媒および類似物を留去して、ブロックコポリマーを得る。中央ブロック(ポリイソブチレン)および全ブロックコポリマーの質量平均分子量を、上記定義のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ガラス転移温度を、上記定義のDMA法に従って測定する。これらのデータを以下の表Iに示す。
(例3)
比較のブロックコポリマー(ポリマー3)−β−ピネン/スチレン/イソブチレン/スチレン/β−ピネンブロックコポリマーの調製
ブロックコポリマー(ポリマー3)を以下のようにして合成する。
2リットルのセパラブル丸底フラスコ(重合容器)を窒素下にして、次に、n−ヘキサン(モレキュラーシーブで乾燥、192ml)および塩化ブチル(モレキュラーシーブで乾燥、768ml)をシリンジで添加する。次に、重合容器を、−70℃のドライアイス/メタノール浴に浸けることによって冷却する。三方活栓を取り付けた、イソブチレン(175ml、1852mmol)入りの耐圧性ガラスのコレクションフラスコに、テフロン(登録商標)供給チューブを接続し、イソブチレンを窒素圧によって重合容器に添加する。次に、p−ジクミルクロリド(0.1413g、0.611mmol)およびα−ピコリン(1.7091g、18.3mmol)を添加する。次に、四塩化チタン(5.36ml、48.9mmol)を添加して、重合を開始する。同じ温度(−70℃)で90分間撹拌後、重合溶液の試料(約1ml)を、全重合溶液から取り出す。
次に、スチレン(28.9ml、251mmol)を添加し、媒体を、スチレンの変換率が70%に達するまで撹拌する。スチレンの変換をガスクロマトグラフィーによってモニターする。次に、予め−70℃に冷却したβ−ピネン(3.64ml、23.2mmol)を重合容器に添加する。
30分後、四塩化チタン(0.30ml、2.74mmol)を再度添加し、媒体を20分間撹拌する。次に、反応を停止させるために重合溶液を温水(2リットル)に注ぎ、次に、この混合物を30分間撹拌する。次に、重合溶液を脱イオン水(3×2リットル)で洗浄する。洗浄した粗反応生成物から、減圧下、80℃で24時間、溶媒および類似物を留去して、ブロックコポリマーを得る。中央ブロック(ポリイソブチレン)および全ブロックコポリマーの質量平均分子量を、上記定義のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ガラス転移温度を、上記定義のDMA法に従って測定する。これらのデータを以下の表Iに示す。
(例4)
本発明の空気入り物体において使用することができるブロックコポリマー(ポリマー4)−スチレン/(β−ピネン−co−スチレン)/イソブチレン/(β−ピネン−co−スチレン)/スチレンブロックコポリマーの調製
ブロックコポリマー(ポリマー7)を以下のようにして合成する。
2リットルのセパラブル丸底フラスコ(重合容器)を窒素下にして、次に、n−ヘキサン(モレキュラーシーブで乾燥、176ml)および塩化ブチル(モレキュラーシーブで乾燥、706ml)をシリンジで添加する。次に、重合容器を、−70℃のドライアイス/メタノール浴に浸けることによって冷却する。三方活栓を取り付けた、イソブチレン(175ml、1848mmol)入りの耐圧性ガラスのコレクションフラスコに、テフロン(登録商標)供給チューブを接続し、イソブチレンを窒素圧によって重合容器に添加する。次に、p−ジクミルクロリド(0.1447g、0.626mmol)およびα−ピコリン(1.750g、18.8mmol)を添加する。次に、四塩化チタン(5.49ml、50.1mmol)を添加して、重合を開始する。同じ温度(−70℃)で75分間撹拌後、重合溶液の試料(約1ml)を、全重合溶液から取り出す。
スチレン(14.8ml、129mmol)およびβ−ピネン(3.8ml、24.4mmol)を連続的に添加し、媒体を、スチレンの変換率が90%に達するまで撹拌する。スチレンの変換をガスクロマトグラフィーによってモニターする。次に、予め−70℃に冷却したスチレン(14.8ml、129mmol)を重合容器に添加する。スチレンの変換をガスクロマトグラフィーによってモニターする。
スチレンの変換率が95%に達したら、次に、反応を停止させるために重合溶液を温水(2リットル)に注ぎ、次に、この混合物を30分間撹拌する。次に、重合溶液を脱イオン水(3×2リットル)で洗浄する。洗浄した粗反応生成物から、減圧下、80℃で24時間、溶媒および類似物を留去して、ブロックコポリマーを得る。中央ブロック(ポリイソブチレン)および全ブロックコポリマーの質量平均分子量を、上記定義のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ガラス転移温度を、上記定義のDMA法に従って測定する。これらのデータを以下の表Iに示す。
表I
この表は、質量平均モル質量(Mw)の値、ブロックコポリマーの単位のモル数に対するβ−ピネンに由来する単位のモルでの含有量(%β−ピネン)、およびブロックコポリマーの総質量に対する熱可塑性ブロックの質量パーセント(%TPブロック)を示す。
Figure 2018509505
(例5)
本発明の空気入り物体において使用することができる、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層の調製および評価(マトリックス100%ブロックコポリマー)
得られたブロックコポリマー(ポリマー1〜4)を、100%のブロックコポリマーからなる、膨張ガスに対して気密性である層に成形した(それぞれ、層1〜4)。
従来の方法、例えば、ブロックコポリマーを2軸押出機に投入して、マトリックスを溶融させ、次いで、熱可塑性の層を調製するためにフラットダイを使用することによって、本発明の気密性エラストマーの熱可塑性層を調製する。より一般的には、熱可塑性の層は、当業者に公知の任意の方法、押出成形、カレンダー成形、押出ブロー成形、射出成形またはキャスト膜によって形成してもよい。
次に、これらの気密性の層の特性を評価した。
データを以下の表IIに示す。
表II
この表は、前記で合成した上記のブロックコポリマーによって調製されたエラストマー層の気密性、接着性および耐熱性の標準値(層1に対する相対値)を示す。
Figure 2018509505
本発明に従って使用することができるエラストマー層(層4)は、特に、気密性に関して、予想外の相乗効果を有する。
特に、比較の層2および3と、β−ピネンの含有量が同じで、熱可塑性ブロックが同じ質量パーセントである場合、層2および3は既に良好な結果を示しているが、本発明に従って使用することができる層4は、同等の接着性および耐熱性を有するが、より良好な気密性を有する。これは、本発明に従って使用することができるエラストマー層を構成するブロックコポリマーの特定の構造の効果を表す。

Claims (25)

  1. 膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を備えた空気入り物体であって、前記エラストマー層が、主要エラストマーとして、
    a)イソブチレンに由来する単位を少なくとも含み、−20℃以下のガラス転移温度を有する、エラストマーブロックと、
    b)1以上の熱可塑性ブロックであって、前記熱可塑性ブロックがそれぞれ、少なくとも1の第1の重合性モノマーに由来する単位からなる少なくとも1つの第1のブロックと、少なくとも1つの第2のブロックとを含み、前記第2のブロックが、少なくとも1の第2の重合性モノマーに由来する単位およびβ−ピネンに由来する単位からなるランダムコポリマーである、前記熱可塑性ブロックと
    を含むブロックコポリマーの形態で熱可塑性エラストマーを含む、前記空気入り物体。
  2. ブロックコポリマーが、エラストマーブロックがその末端の1つで熱可塑性ブロックと結合した構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の物体。
  3. ブロックコポリマーが、エラストマーブロックがその末端のそれぞれで熱可塑性ブロックと結合した直鎖状の構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の物体。
  4. ブロックコポリマーが星形の分岐構造を有し、エラストマーブロックが、中央にあり、かつ3〜12の分岐と結合し、それぞれの分岐が熱可塑性ブロックからなることを特徴とする、請求項1に記載の物体。
  5. 第1の重合性モノマーが、スチレンモノマーから選択され、好ましくは、第1の重合性モノマーが、スチレンであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の物体。
  6. 第2の重合性モノマーが、スチレンモノマーから選択され、好ましくは、第2の重合性モノマーが、スチレンであることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の物体。
  7. ブロックコポリマーが、30〜300kg/mol、好ましくは、120〜250kg/molの範囲の質量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の物体。
  8. β−ピネンに由来する単位の含有量が、ブロックコポリマーの単位のモル数に対して0.5〜25mol%。好ましくは、0.8〜5mol%の範囲であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の物体。
  9. 熱可塑性ブロックが、ブロックコポリマーの総質量に対して5〜30質量%、好ましくは、10〜20質量%であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の物体。
  10. エラストマーブロックが、−40℃以下、好ましくは−50℃以下のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の物体。
  11. エラストマーブロックが、エラストマーブロックの総質量に対して0.5〜6質量%、好ましくは、1.5〜5質量%の1以上の共役ジエンに由来する単位を含むことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の物体。
  12. 共役ジエンが、イソプレン、1,3−ブタジエン、1−メチルブタジエン、2−メチルブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、3−メチル−1,3−ヘキサジエン、4−メチル−1,3−ヘキサジエン、5−メチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,4−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2−ネオペンチルブタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−ビニル−1,3−シクロヘキサジエン、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の物体。
  13. 膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層が、伸展油をさらに含むことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の物体。
  14. 伸展油が、ポリオレフィン油、パラフィン油、ナフテン油、芳香油、鉱油、およびこれらの油の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の物体。
  15. 伸展油が、オレフィン油から選択され、好ましくはポリイソブチレン油であることを特徴とする、請求項14に記載の物体。
  16. 伸展油が、350〜4000g/molの範囲、好ましくは400〜3000g/molの範囲の数平均分子量を有することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項に記載の物体。
  17. 伸展油が、5phr超、好ましくは5および100phrの間の含有量を有することを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項に記載の物体。
  18. 膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層が、0.05mm以上、好ましくは0.1〜10mmの範囲、より好ましくは0.1〜2mmの範囲の厚さを有することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の物体。
  19. 膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層が、空気入り物体のインナーウォールに配置されていることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の物体。
  20. 前記物体が、空気入りタイヤであることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の物体。
  21. 空気入り物体を膨張ガスに対して気密性にする方法であって、請求項1から18までのいずれか1項に記載の膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を、その製造中に前記空気入り物体に組み込むか、またはその製造後に前記空気入り物体に加える、前記方法。
  22. 膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層が、空気入り物体のインナーウォールに配置されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 物体が、空気入りタイヤであることを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
  24. 第1ステップ中に、膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を、タイヤ成形ドラム上に平らに敷いたあと、空気入りタイヤの構造の残部で、前記膨張ガスに対して気密性であるエラストマー層を被覆することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 第1の空気入り物体における膨張ガスに対して気密性である層としての、請求項1から18までのいずれか1項に記載のエラストマー層の使用。
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