JP2013513807A - 位置分解測定結果を可視化する方法、および、相応の測定装置 - Google Patents

位置分解測定結果を可視化する方法、および、相応の測定装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、測定ユニット(1)を備えた測定装置(8)に関する。本発明では、測定ユニット(1)により対象物(16)について検出された位置分解測定結果が偽色画像へ変換され、この偽色画像が表示ユニット(3)によって対象物(16)へ戻るように投影される。

Description

本発明は、位置分解測定結果を可視化する方法であって、測定ユニットにより、対象物についての位置分解測定結果を形成し、この位置分解測定結果から偽色画像を取得する方法に関する。
本発明は、さらに、第1の空間角度領域内の位置分解測定結果を検出するように構成された測定ユニットと、この位置分解測定結果から偽色画像を取得するように構成されたデータ変換処理ユニットと、偽色画像を出力するための表示ユニットとを備えた測定装置に関する。
対象物の位置分解測定結果とは、ここでは、複数の測定値のあらゆる2次元配置のことであると理解されたい。当該2次元配置によって、個々の測定値と対象物の種々の空間領域との対応関係が記述される。位置分解測定結果の例としてサーモグラフ、X線画像、超音波画像などが挙げられる。
所定の距離から非接触で測定を行って、こうした測定結果を取得することが知られている。
ここで、測定結果を取得すると同時ないしほぼ同時にできるだけ明瞭な方式で可視化することが望ましい。
従来の手段は、測定器により、特性を測定して偽色画像へ変換し、その後、通常はこれを小さいディスプレイ上に表示させるかもしくは記憶させるというものである。すなわち、ユーザは、ディスプレイと現実の対象物とに交互に注意を向け、ディスプレイ上の画像を現実の対象物とを頭のなかで一致させることを強いられる。
偽色画像とは、ここでは、色符号化法もしくは輝度符号化法において、個々の測定値にそれぞれ色値および/または輝度値を割り当てた、位置分解測定結果のすべての2次元表示のことである。
対象物には不可視の多数の特性が存在する。こうした特性として、表面温度、ないし、プランクの法則にしたがって有限の温度ですべての物体から放射されている黒体放射が挙げられる。サーモグラフィとは、表面温度を非接触で測定し、測定結果を位置分解画像へ変換して、典型的には表示装置(ディスプレイもしくはモニタ)上に偽色表示させるものである。頻繁に用いられる(ただし任意の)色符号化法は、熱い領域ないし暖かい領域に赤色および黄色を当て、冷たい領域に青色および黒色を当てる方式である。
サーモグラフィ測定は、多くの適用可能性を有しており、その幾つかの例を次に挙げる。すなわち、
・断熱材の欠陥箇所を識別するための建築物調査
・床下もしくは壁内を延在する水道管の不可視ないし接近不能の漏れ位置調査
・カビ害を証明するための建築物調査
・機械装置での、漏れ、機械的接続不良もしくは電気的接続不良などの欠陥を発見するための測定(温度差によって識別可能である場合)
・電子回路での、接触不良もしくは素子の機能不全などの欠陥を追跡するための測定
・ヒトが存在した場所での残留熱を識別するための法医学的調査
・炎症を識別するための医学的調査(この調査は獣医学の分野でもしばしば用いられる)
などに利用される。
これらの適用分野で測定される温度差は、コンマ数度の範囲にあることが多く、カメラによって良好に検出できる。
典型的には、この場合、適切なカメラもしくはスキャナによってサーモグラフ画像が撮影され、続いて、レポートとして処理される。レポートでは、サーモカメラによって撮影された画像が印刷され、これに相応の説明が付されている。こうしたレポートには、いつも、画像の解像度が低いために正しく読み取ることが困難であるという欠点がある。また、装置の動作方式にも、サーモカメラによる測定からレポート作成までのあいだにかなりの時間、特に数日から数週間が経過してしまうという欠点がある。このため、誤った画像を観察対象物に対応させる危険が増大する。
特に、壁内の水道管もしくはヒータ管での管破損による欠陥もしくは漏れの探索のために、時間的にクリティカルな切迫した測定を行う場合、レポートを作成することは適切でない。なぜなら、レポートを作成しているあいだに別の破損が発生しうるからである。建築物の所有者や問題を取り除く作業担当者にとって重要かつ有用なのは、問題箇所を迅速かつ直接に識別し、例えば壁の大きな領域を剥がすことによって生じる付加的な障害ができるだけ少なくて済むうちに、問題を除去することである。また、レポートの印刷画像では、画像の解像度が低いことが多いため、現場でレポートから対象物の位置を特定することが困難である。
なお、サーモグラフの低い解像度は、サーモカメラそのものに付随するシステム上の典型的な欠点である。
他の適用分野として、法医学もしくは犯罪捜査技術における利用が考えられる。この場合、他の波長領域、すなわち、紫外光領域(約400nmよりも短い波長)もしくは近赤外領域(約700nmから約1400nmの波長)も観察される。捜査局による犯行現場の法医学的分析の際には、不可視の種々の痕跡が探索され、前述した波長領域が重要な手がかりとなる。不可視の波長領域の画像を撮影できるカメラや、血痕を識別できるセンサなどが用意される。
この場合の観察対象物は、前述したサーモグラフィ分野での対象物とは異なり、典型的には能動的な放射体でないので、場合によっては、適切な付加的放射源によって活性化させ、観察すべき空間角度領域を相応に照明しなければならない。このため、この場合には反射光も測定される。
ここで、従来技術においても、サーモグラフィと同様の動作形式を有するものがある。すなわち、画像を撮影して記憶し、或る程度の時間遅延をともなってレポートとして処理するのである。法的手続に対しては、これで必要充分な保証が得られる。しかし、進行中の捜査作業にとっては、こうした痕跡をできるかぎり明確に、そのうえ直接かつ迅速に可視化しなければならないので、時間遅延は重大な欠点となる。
前述した手法の欠点は、測定からレポート作成まで、さらに、レポートが上がってからこれに基づいて予防措置を採るまでのあいだに、比較的多くの時間(数時間・数日・数週間)がかかることである。
さらに、小さなディスプレイでの表示は、直接的でなく、1つの捜査班の班員など、複数人が一斉に識別することが容易でないという欠点も有する。また、表示が間接的にディスプレイ上に行われる場合、画像と現実の対象物とを頭のなかで重ねなければならない。
また、こうしたレポートは、例えば所定の場所で修繕を行う技術者にとって場合により理解しにくく、どの記録がどこに由来しているのかが不明瞭なために、修繕の実行が困難となるという欠点を有する。壁、部屋の角、発熱体、可動キャビネットなどの室内の物体のディテールが記録される場合、後に混乱を来すおそれも生じる。
直接に現場で相応のカメラによる調査を行った場合でも、画像が間接的となってしまうことがある。これは、カメラはたいてい小さな画面しか有していないのに、画像が不可視の測定パラメータに関連しているせいである。相応の機器で作業したことのある人は、対象物の正確な位置を見出すのが困難であると知っているはずである。例えば、壁において破損した水道管などの障害が推測される箇所を画面に表示されている測定結果によって推測することはとても難しい。
従来技術では、さらに、本発明の方法で使用される表示装置も存在している。この表示装置は次のような特性を有する。
・表示装置は、測定器で測定された信号のための適切な入力端子を有し、所定の空間角度において測定された特性を例えば位置分解の偽色画像として表示する。
・表示装置は、可視光波長領域(約400nmから700nmの波長領域)で、所定の空間角度領域へ、位置分解画像を投影する。
例えば、投影機もしくはプロジェクタは画像データを拡大表示するために利用されることもあり、例として、プレゼンテーションもしくはコンピュータスライドショウなど、多数の実施例が商業的に利用可能である。ハロゲンランプなどの従来の非コヒーレント光源を用いる機器の問題点は、視覚的な適用分野以外では、一般に、平坦な面の調査が基礎とされていないということである。従来の光学にしたがったこうした機器は、動作原理に起因して、たいていの場合、シャープな画像表示が可能となる距離範囲が小さく(つまり鮮鋭度深さが小さく)、このため、所定の平面につき任意の観察角度をともなう分野もしくは平坦でない対象物を調査する分野において、画像の大部分が不鮮明になるという問題があった。
よって、原理的に良好に動作する表示手段は、フィルム用の大きなプロジェクタ、もしくは、携帯電話機などのモバイル電子機器用の小さなプロジェクタとして構成された、レーザーを基礎とする機器であって、既に(2009年12月現在)幾つかが入手可能である。光開度がきわめて小さいというレーザー光の特性により、投影距離に関係なくシャープな表示が得られる。
これは、本発明の意味でのダイナミックな適用が行われる場合、つまり、ユーザが、観察される空間角度領域や、測定ユニットおよび表示ユニットのコンビネーション装置の配置場所ないし空間的配向状態を迅速に変更する場合に、特に有利である。
さらに、レーザーベースの投影機は特に小さく軽いので、例えばバッテリによって駆動でき、このため、本発明の使用時のエネルギ供給部を簡単化することができる。
ここで、本発明の基礎とする課題は、ヒトの目にとって不可視の特性をできるかぎり直接的に可視化できる方法を提供することである。
この課題は、本発明により、冒頭に言及した形式の方法において、表示ユニットにより偽色画像を対象物へ投影することによって、解決される。
偽色画像を調査された対象物へ投影することにより、適切な測定ユニット(例えばサーモカメラもしくは紫外領域カメラもしくは近赤外領域カメラもしくは直接には不可視の対象物特性を位置分解測定によって検出可能な他の測定器)によって測定された位置分解測定結果を可能なかぎり直接に可視化することができる。こうした方法により、不可視の特性を最小限の時間遅延でダイナミックに可視化でき、ユーザの作業が著しく簡単化され、新たな作業方式を展開できるようになる。
本発明の方法のユーザには、測定された特性が直接に可視化され、理解しやすく、かつ、適用分野に応じて迅速かつ精確な応働を行えるという利点が提供される。本発明は、例えば、施設や建築物における隠れた障害位置を簡単に特定し、所望に応じてその障害を排除するというケースに利用される。別の適用手段としては、犯罪捜査技術における調査の分野において、可視領域では識別できない対象物特性が探索されるケースが挙げられる。この場合にも明確な可視化は重要であり所望されている。
産業的な適用手段も技術的課題の定義にしたがって得られ、簡単迅速かつ良好なエラー探索によるコスト節約もしくは例えば法医学的分析手段の改善が達成される。
本発明の方法に基づいて、この方法を簡単に適用可能な機器が実現される。こうした機器は商業的に製造可能であり、相応の機器を製造販売するという形態で直接に産業的に適用可能である。
ただし、本発明の可視化方法は前述した市販入手可能な測定器(サーモカメラ、UVカメラ/IRカメラ)での適用のみに限定されない。基本的には、本発明の方法は、少なくとも次に挙げる特性を有する現在もしくは将来のすべての測定器に適用可能である。
・測定量が所定の距離を置いた箇所から検出される。
・測定は位置分解され、所定の空間角度領域がカバーされる。
・測定量までの距離は、おおよそ数cmから数kmの範囲までである(ただし表示装置もしくは測定器の動作可能範囲は制限されている)。
・測定データは、伝送可能かつ処理可能な形態で、例えば適切に符号化された電気信号として、供給される。有利には、例えばビデオ信号により時間的に繰り返し更新されて供給される。
本発明によれば、ヒトの目に直接には可視でない特性の位置分解測定結果の可視化方法が提供される。当該位置分解測定結果は、まず、測定装置8の適切な測定ユニット1、例えば測定器によって、所定の空間角度領域R1において所定の距離から検出され、場合により、測定装置8のデータ変換処理ユニット2での測定データの一時記憶、変換もしくはデータ技術的自動処理の後、任意に選択可能な色符号化法もしくは輝度符号化法にしたがって偽色画像へ変換される。この偽色画像は測定装置8の表示ユニット3、例えばプロジェクタもしくは投影機もしくはレーザーベースの投影ユニットへ伝送され、測定からできるだけ短時間で、測定値の変換画像として、ヒトの目に可視の波長領域で直接に空間角度領域R3へ投影される。これにより、観察対象物は色つきで照明され、ここで、局所色もしくは局所輝度が測定値によって定められる。このようにして測定結果が直接に可視化されるが、このとき、空間角度領域R1,R3が有利には精確に一致し、これらの空間角度領域R1,R3の重なった共通の空間角度領域R2がなるべく大きくなることが重要である。
空間角度領域R1,R3をできるだけ精確に一致させるために、測定ユニット1および表示ユニット3(例えば表示装置)を空間的にできるだけ小さい距離範囲内に配置して、障害的な視差を回避すると有利である。さらに、空間角度を定める測定ユニット1および表示ユニット3の開放角もできるだけ相互に正確に一致させなければならない。
特性の例として、例えばサーモカメラによって不可視の熱放射(しばしば波長領域8μmから12μmの赤外放射)に基づいて非接触で測定される表面温度が挙げられる。有利には、可視領域に対するカメラユニット4の信号が偽色画像を決定する際にデータ変換処理ユニット2によって用いられ、これにより観察対象物の可視領域での光学特性が考慮および補償される。
なお、図示の測定装置8では、各コンポーネントをつなぐ接続線が測定装置8でのデータフローを表している。
適切な測定器に対して位置分解測定のために所定の距離から供給される放射のその他の例として、基本的には、紫外放射、近赤外放射、無線波、マイクロ波などの電磁放射、または、放射線、音波などの他の放射が挙げられる。
測定されるのは、サーモカメラの実施形態の場合には、熱放射の放出であり、また、近赤外光カメラまたは紫外光カメラの実施形態の場合には、既存の放射の反射もしくは適切な光源によって対象物が照明される際の反射である。
重要なのは、位置分解測定が所定の空間角度領域にわたって所定の距離から行われ、これにより静止画像もしくは有利には動画像が得られることである。画像情報は、従来の方法のようにディスプレイ上に表示されて記憶されるだけでなく、直接に観察対象物の箇所で可視化される。ただし、もちろん、記憶およびディスプレイへの表示もいっそう最適に可能となる。
有利な実施形態では、偽色画像は連続的または再帰的に更新される。こうすれば、新たな空間角度領域を連続的に照明および撮影することができる。
投影を、更新された位置分解測定結果の形成と同時に行うと、特に良好な利用可能性を達成することができる。
もちろん、投影に加えて測定信号をディスプレイもしくは画面5に表示することも任意に行える。表示は多くの状況で依然として必須であり、従来の作業方式および例えばレポートの作成も可能となる。この場合、測定データの記憶および場合により可視光カメラのデータの記憶も適している。
本発明の方法は、前述した各要素が1つのケーシング内に集積されているか、または、目的に応じてデータ交換のための接続手段を介してモジュラー状に配置されているかにかかわらず、適用可能である。前述した各要素は有利には相互に機械的に接続されている。
本発明は広汎な適用スペクトルにおいて利用できる。例えば、位置分解測定結果を形成するために、ヒトの目にとって直接に可視でない対象物の物理的特性が検出され、評価される。ここでの物理的特性を列挙するなら、放射される電磁波フィールドおよび/または放射される音波フィールドおよび/または放射されるイオン波フィールドである。
特に有利には、偽色画像のうち、位置分解測定結果によって対象物の各対象物領域に対応する画像領域が、各対象物領域へ投影される。これにより、観察シーンを直接に調査することができる。
調査を支援するため、表示ユニットにより付加情報が対象物へ投影される。
シーン背景による障害を補償するために、偽色画像に対して、対象物の色特性および/または輝度特性を考慮した色符号化および/または輝度符号化のプロセスが用いられる。
このために、例えば、可視波長領域での対象物の付加的な画像が撮影される。この画像を評価することにより、色特性および/または輝度特性に関する情報、例えば、放出値および/または透過値および/または反射値が得られる。この色特性および/または輝度特性に関する情報の検出は、表示ユニットによって対象物を均等に照明することにより、簡単に達成される。
良好な測定値検出のために、放射源を用いて、ヒトの目に直接に可視でない対象物の特性が活性化される。
別の有利な実施形態では、投影はレーザー光によって行われる。この場合、投影画像によって高度な鮮鋭性が得られるので有利である。
前述した課題を解決するため、冒頭に言及した形式の測定装置では、偽色画像を第2の空間角度領域へ投影するように構成された表示ユニットが設けられており、この表示ユニットは、偽色画像を、第1の空間角度領域に重なるかもしくは一致する第2の空間角度領域内へ投影するように構成されている。第1の空間角度領域が第2の空間角度領域内に含まれてもよいし(逆も可)、第1の空間角度領域と第2の空間角度領域とが共通の空間角度領域を有してもよい。
本発明の方法を実行するために、可視波長領域で撮影を行うためのカメラユニットが設けられている。
投影画像と空間角度領域内で検出されたシーンとを良好に一致させるために、測定ユニットおよび表示ユニットは、特に第1の空間角度領域および第2の空間角度領域を有し、視差が最小化されるように相互に配置もしくは配向されている。
偽色画像の投影のために、表示ユニットはプロジェクタもしくは投影機、特にレーザープロジェクタもしくはレーザー投影機を有する。
撮影結果を改善するために、照射を受ける対象物の物理的特性を活性化するように構成された放射源が設けられており、測定器は物理的特性に対して感応性を有する。
測定ユニット、表示ユニット、放射源、データ変換処理ユニット、カメラユニットおよび/またはディスプレイユニットが、共通のケーシング内に特にハンドヘルド機器として配置されている場合、良好な利用可能性が達成される。
その他の実施形態
本発明により、以下に説明する幾つかの実施形態も実現される。なお参照する図示内容および番号は本発明を限定するものでなく、説明のための例示である。
実施形態1:本発明の、ヒトの目に直接に可視でない特性に関する位置分解測定結果の可視化方法の第1の実施形態では、まず、所定の特性が測定ユニット1もしくは測定器1により、空間角度領域R1において所定の距離から測定され、測定データが場合により一時記憶もしくは変換もしくはデータ技術的に自動処理され、続いて、データ処理変換ユニット2もしくはデータ変換処理装置2により、任意に選択可能な色符号化プロセスもしくは輝度符号化プロセスにしたがって偽色画像へ変換される。変換された測定データはデータ処理ユニット3へ伝送され、ついで、できるだけ測定に時間的に近接して、測定値の変換画像として、ヒトの目に可視の波長領域で、空間角度領域R3へ直接に投影される。これにより、観察対象物は色つきで照明される。ここでは、局所色もしくは局所輝度が測定値によって定められている。このようにして測定結果が観察対象物上で直接に可視化され、このとき、有利には、空間角度領域R1,R3ができるだけ正確に一致し、測定ユニット1もしくは測定器1から表示ユニット3もしくは表示装置3までの空間的距離ができるだけ小さくなって、測定画像と投影画像とのあいだの障害視差が最小化されるようにしなければならない。また、データ変換処理ユニット2もしくはデータ変換処理装置2は、測定結果およびその他の情報の揮発性記録、不揮発性記録もしくは記憶を行い、データをコンピュータネットワークなどの他の機器へ伝送することができる。
実施形態1によれば、次のような付加的な利点が得られる。犯罪捜査技術もしくは法医学的分析における有利な適用の際に、捜査班にとって、ヒトの目に直接には不可視の特性を直接に現場で測定し、これを対象物上で直接かつ容易に可視化することができる。本発明の方法によれば、きわめて迅速かつ簡単に現場および周囲を調査できる。「簡単に」とは、本発明の方法を例えばモバイルのバッテリ駆動型機器によって適用する場合、"マジックポケットランプ"に類似した方式で、観察される空間角度を、本発明の方法を実行するための機器の旋回によって変化させ、潜在している痕跡を探索できることを意味する。ここで1人もしくは複数人のユーザは、測定された特性が偽色画像の投影によって可視化されるので、小さなディスプレイを注視しなくてよく、調査すべき対象物に集中できる。特に、前述した適用分野では、被疑者が逃亡したり余人の生命が脅かされたりすることがあり、痕跡を迅速に識別できることは重要である。
また、本発明の有利な実施形態では、サーモグラフィ測定器を用いて、床下のヒータ管の隠れた漏れ位置や欠陥を探索する際に、相応の位置を直接に可視化でき、これにより、当該位置を簡単にペンでマークし、その後で修繕作業を開始できる。修繕作業中の事後的測定も可能であり、そのつど直接に問題箇所を表示できる。
空間角度領域R1,R3の一致は、理論的には些末事であるが、市販入手可能な既存の機器を使用する場合、投影機もしくはプロジェクタの光学系が、例えばサーモカメラによって標準的に測定される角度領域とはほぼ完全に異なる角度領域を検出してしまうので、重大な問題である。表示ユニット3もしくは表示装置3として適合化された専用レンズ系もしくはレーザーベースの専用機器が必要となるか、または、測定ユニット1ないし測定器1に対して専用光学系が必要となる。
別の有利な適用分野として、(位置分解測定装置を前提とした)放射能の可視化が考えられる。これは、場所によって汚染された地域を移動する人にとって、生命にかかわる利点となりうる。なぜなら、その人が強く汚染された場所を移動していることを直接に理解できるからである。
別の適用分野として、超音波を利用した相応の位置分解測定装置により、対象物の硬度を求め、例えば学術的適用分野のために、飛翔ないし漂遊している対象物を可視化できるようにすることが挙げられる。
付加的手段として、画像データを記憶し、さらに、画像付きレポートを測定器1の測定データから形成することによって、従来の作業方式が簡単化される。ここで説明している方法は従来の作業方式を完全には置換しないが、これまでに比べてこれを改善する。レポート作成のためには、特に、データ変換処理ユニット2による測定データの記憶が有利である。
実施形態2:実施形態1では、さらに、ヒトの目に可視の波長領域に対するカメラユニット4もしくはカメラ装置4が利用される。このカメラは、有利には表示ユニット3もしくはディスプレイユニット3によって照明される空間角度領域R3もしくはその一部にできるだけ正確に一致する空間角度領域R4を検出し、画像信号をデータ変換処理ユニット2へ伝送する。ここで、画像信号は、表示ユニット3もしくはディスプレイユニット3による表示の修正ないし改善のために、観察対象物の色特性および輝度特性を自動的に考慮ないし補償することによって、利用される。ここでの補償とは、例えば、暗い対象物を明るい対象物よりも大きな光強度で照明して、ユーザに対して、測定される特性ができるだけ均等に、可視領域の光学特性による強い影響なく可視となるようにすることを意味する。カメラユニット4は、有利には、空間的に測定ユニット1もしくは測定器1および表示ユニット3のできるだけ近傍に配置される。カメラの信号は連続的に補正に使用されてもよいし、適切な時間間隔で、もしくは、他の空間角度領域が観察される際にそのつど撮影されてもよい。一方、表示ユニット3もしくはディスプレイユニット3には光が短時間投影されないかもしくは完全な白色光が投影され、観察対象物の色特性および輝度特性ならびに照明状況が検出される。
実施形態2によれば、次のような付加的な利点が得られる。すなわち、カメラユニット4の信号をデータ変換処理ユニット2において利用して、本発明の方法の適用分野における以下の状況、すなわち、サーモグラフィ測定器を使用して、床下のヒータ管路の漏れ位置の探索を行うケース、および、スペクトルの可視領域の種々の色を有する複数のタイルから成る床で、タイルの浮きを探索するケースにおいて明らかである。この場合、反射により可視となる表示ユニット3の投影画像はそれぞれのタイルの色に依存して変化する。これらがカメラによって検出される場合、データ変換処理ユニット2は例えば自動的に他のタイプの偽色表示を利用でき、また、投影画像の輝度ないし色を自動で局所的に適合化できる。これにより、ユーザに対する可視表示は観察対象物のスペクトルの可視領域のもとの色から独立して表示可能となる。
実施形態3:実施形態1,2では、さらに、測定ユニット1および表示ユニット3に測定結果を表示するための付加的なディスプレイユニット5を設けることができる。この付加的なディスプレイユニット5では、場合により、測定データの付加情報、ステータス情報、システム構成情報、および、ユーザインタラクション情報も表示可能である。
実施形態3によれば、次のような付加的な利点が得られる。すなわち、周囲輝度が大きすぎたり、対象物が投影によって可視とならないほど暗かったり(もしくは黒かったり)、対象物からあまりに離れていたりするなど、周囲条件が劣悪な場合にも、ディスプレイユニット5での表示が有意なものとなる。ディスプレイは測定される特性の偽色画像を対象物の光学特性による修正なしに表示する。さらに、ディスプレイは測定ユニット1の撮影パラメータに対する設定の際にも有効である。
実施形態4:実施形態1−3では、さらに、可視の波長領域に対する付加的なカメラ装置を利用して、少なくとも観察される空間角度領域R1の全体もしくは一部を、測定結果の偽色画像の投影をともなう照明におけるのと同様に記録することができる。この場合、カメラ画像は、選択的かつ任意に、データ変換処理ユニット2によって記憶され、もしくは、ディスプレイユニット(ディスプレイ)5に表示可能となる。または、これに代えて、カメラユニットに直接に記憶されたり、他の機器へ伝送されたりしてもよい。カメラユニットは有利には実施形態2のカメラユニット4と同一に構成されるが、付加的な装置ないし従属的装置を有していてもよい。
実施形態4によれば、次のような付加的な利点が得られる。すなわち、付加的なカメラユニット4を利用することによって、レポート作成を拡張し、完全にすることができる。このレポートは、本発明の方法によって可視化される対象物が、正確な形状で、例えばデータ変換処理ユニット2による検出ないし付加的な記憶と同時に作成されるので、有利である。
特に、今日の従来技術にしたがって光学カメラに比べて小さな解像度しか有さないサーモセンサを用いた本発明の方法が適用される場合にも、通常の安価な光学カメラによって、格段に高い解像度を有する画像を形成することができる。これにより、測定器の空間的分解能を低コストのまま大幅に向上させることができる。
特に、サーモグラフィ測定器を用いた前述の実施形態では、このタイプの解像度の増大法が多くのケースで許容可能である。なぜなら、熱には熱平衡を目指す性質があり、時間とともに分散していくので、これにより、最初ははっきりした差があっても時間が経つにつれて消えてしまい、ディテールがほとんど失われないからである。
実施形態5:実施形態1−4では、さらに、表示ユニット3もしくは表示装置3が、1つまたは複数のレーザー光源からのレーザー光による投影を行う装置(例えばレーザー投影機もしくはレーザープロジェクタ)として構成される。このため、動作原理に基づいて、投影距離に関係なくつねに空間角度領域R3の全体にわたってシャープな画像を形成することができる。
実施形態5によれば、次のような付加的な利点が得られる。表示ユニット3においてレーザーベースの手法を用いる場合、特に、非直交投影が行われるケース、もしくは、湾曲面への投影が行われるケース、もしくは、表示ユニット3からの距離がそれぞれ異なる複数の対象物が同時に調査ないし測定されて一斉に投影が行われるケースにおいて、全体にシャープな投影画像が得られるという大きな利点が達成される。また、画像のフォーカシングに光学系もその他の機構も必要ないので、表示ユニット3が簡単化される。なお、基本的には、強いレーザーを利用するので、この方法はきわめて大きな距離に対して適用可能である。ただし、もちろん、相応の安全距離には注意しなければならない。
実施形態6:実施形態1−5では、さらに、表示ユニット3もしくは表示装置3をプロジェクタもしくは投影機として構成することができる。
実施形態6によれば、次のような付加的な利点が得られる。投影機もしくはプロジェクタはきわめて高い光強度を利用可能であるため、周囲光が強い場合、もしくは、大きな距離から投影を行う場合にも、投影画像がより明るくはっきりと可視化され、表示ユニット3としてこれらの機器を備えた本発明の方法が適用可能となる。さらに、距離が大きくなる傾向にあっても適用可能であり、その際にもレーザーを使用する際の安全距離による制限を受けなくて済む。
実施形態7:実施形態1−6では、さらに、測定ユニット1もしくは測定器1を、例えば波長範囲約8μmから12μmの電磁スペクトルの遠赤外領域の放射に感応するサーモカメラとすることができる。
実施形態7によれば、次のような付加的な利点が得られる。すなわち、熱放射はヒトの目に直接には不可視であるので、サーモカメラは、既存の可視化方法に代わる本発明の方法の有利な測定器に適している。有利な適用分野は、例えば、施設ないし建築物での隠れた管の漏れ位置もしくは欠陥位置の探索である。
別の手段として、例えば建築物の全体もしくはその一部に対してサーモグラフ画像を投影し、市販のカメラでこれをさらに光学撮影して、サーモグラフ情報を含む高解像度の画像を低コストに形成できることが挙げられる。最近のサーモカメラは従来のディジタルカメラに比べて何倍も高価となっているが、サーモグラフィ測定器にはピクセル解像度の数分の1しか設けられていないことが多いためである。
典型的には、この種のサーモグラフィ測定では、多くの場合、このタイプの画像の解像度の増大は許容される。なぜなら、熱は熱平衡に向かう性質を有しており分散していくので、時間の経過にともなって目立つ差が消えていき、熱特性のディテールがほとんど失われないからである。よって、当該画像と通常の可視画像とが組み合わされれば、きわめて高い解像度が得られる。
実施形態8:実施形態1−7では、さらに、測定ユニット1もしくは測定器1が無線波もしくはマイクロ波もしくはテラヘルツ放射もしくは放射線もしくはX線もしくは音波の画像を記録するように構成できる。場合により付加的に、少なくとも空間角度領域R1を適切な波長領域の電磁放射によって照明する放射源6ないし適切な周波数の音波を放射する送信機が使用されれば、測定器1は充分に強い(反射)信号を得ることができる。
実施形態8によれば、次のような付加的な利点が得られる。すなわち、位置分解画像を記録可能な適切な測定ユニット1もしくは測定器1が存在する場合、ヒトの目に直接には可視でないために本発明の可視化方法に対する放射として適した電磁スペクトルの他の領域や音波もしくは(放射性)粒子線も適用可能となる。
対象物が放射を送信しない場合もしくは他の源に由来する放射によって充分な強さの信号が測定ユニット1へ送信されない場合、調査すべき対象物を適切な放射源6によって照明し、充分な強さの信号が測定器で得られるようにするとよい。
有利な実施形態では、(位置分解測定器を前提とした)放射能の可視化も考えられる。これは、場所によって汚染された地域を移動する人にとって、場合によっては生命にかかわる利点となりうる。もちろん、移動中、測定器のディスプレイでなく、実際に周囲を眺めることができることも同様に有利である。
別の適用分野として、超音波を利用した相応の位置分解測定装置を用いて、対象物の硬度を求め、例えば学術的適用分野のために、飛翔ないし漂遊している対象物を可視化できるようにすることが挙げられる。
実施形態9:実施形態1−8では、さらに、測定ユニット1もしくは測定器1を、400nmより波長の短い紫外光もしくは700nmより波長の長い近赤外光を検出するセンサと少なくとも空間角度領域R1を適切な波長領域の電磁放射で照明するための付加的な放射源6とを用いたカメラとすることができる。こうした放射源6により、測定ユニット1もしくは測定器1は充分に強い(反射)信号を得ることができる。
実施形態9によれば、次のような付加的な利点が得られる。紫外光はヒトの目に直接に可視でないので、当該スペクトル領域に適したカメラを、本発明の可視化方法を実行するのに適した測定ユニットとして有利に利用できる。
同様に、近赤外光もヒトの目に直接に可視でないので、当該スペクトル領域に適したカメラも、本発明の可視化方法を実行するのに適した測定ユニットとして有利に利用できる。
周囲からの紫外領域もしくは近赤外領域の放射が不充分で測定ユニット1により良好な画像を得られない場合、適切な人工放射源6を用いて、充分な照明、ひいては、測定ユニット1による検出が可能となる充分な反射信号を得るとよい。
実施形態10:実施形態1−9では、さらに、測定ユニット1、表示ユニット3、放射源6、データ変換処理ユニット2、カメラユニット4およびディスプレイユニット5が、任意の組み合わせで個別機器として構成されるか、または、部分的に組み合わされて共通のケーシング内に構成される。各機器はそれぞれ相互の信号伝送のための適切な装置とともに構成されるので、そのつど関連データを送受信できる。有利には、各機器は、少なくとも測定ユニット1、表示ユニット3、および、付加的なカメラユニット4が空間的にできるだけ近くに配置され、空間角度領域R1,R3および場合によりR4が良好に一致するように、機械的に構成される。特に有利には、データ変換処理ユニット2は表示ユニット3に組み合わされて共通のケーシングへ収容され、この場合、当該ケーシングが種々の測定ユニット1もしくは測定器1に組み合わされる。
ここで、有利には、1つのケーシング内に配置することによって空間的近傍性が特に良好に保証される。つまり、構造によって、空間角度領域R1,R3および場合によりR4が良好に一致することが保証されるのである。また、こうした配置により取り扱いが特に容易となる。
部分的に別個のケーシングを構成する場合には、表示ユニット3と比較的高価な等級の種々の測定器との組み合わせが可能となる。個々の機器はモジュラー状に組み合わされ、各部分が種々の適用分野に対して用いられる。機器の修理は最大限簡単かつ低コストに行える。例えば、表示ユニット3と、サーモグラフィ測定装置および紫外光カメラの双方を備えたデータ変換処理ユニット2とを同時に使用することができる。
有利な実施形態では、測定装置8は、図1,図2の方法ないしこれに類似した図3,図4の方法を実行する集積装置として示されている。測定装置8には、サーモカメラなどの測定ユニット1,レーザーベースのプロジェクタなどの表示ユニット3,可視領域の視覚的対象物を補償するための可視光カメラユニット4,および,測定データを偽色画像へ変換して相応に補正するデータ変換処理ユニット2が設けられている。なお、データ変換処理ユニット2は例えばプログラミング可能な電子回路の形態でケーシング内に実現することができる。ユーザに面した後面側にはディスプレイユニット5が測定結果および付加情報を直接に表示しかつユーザとのインタラクション機能を提供するディスプレイとして配置されている。有利にはここに適切なスイッチエレメントも設けられる。測定装置8は市販入手可能なディジタルカメラなどと同等の寸法を有しており、ユーザは容易にこれを携帯して移動することができる。理想的には、モバイル使用を可能にするために、電流供給部、例えばバッテリが設けられ、測定データの記憶は例えばフラッシュメモリカードによって行われるとよい。
本発明の方法の第1の実施例を示す図である。 本発明の方法の第2の実施例を示す図である。 本発明の装置のケーシングの一方側を示す図である。 本発明の装置のケーシングの他方側を示す図である。
図には本発明の方法を説明するための実施例が示されているが、空間的に相互に固定および配向された各部品を含む機械的装置群は図示されていない。これはこうした部品が本発明の方法にとってはさほど重要でないからである。各部品は例えば適切なケーシングもしくは支承装置内に配置されていてよい。同様に本発明の方法にとってさほど重要でないユーザとのインタラクションのためのスイッチないし操作素子や、種々の部品へ必要なエネルギ供給を行う装置も図示されていない。なお、全図を通して同じ要素および同じ空間角度には同じ参照番号を付しており、例えば測定ユニット1は全図に示されている。
図1には、本発明の方法を実行する測定装置8の主要な要素の側面図が示されている。センサユニットを含む測定ユニット1は、ここでは、図示されている対物レンズ9もしくはセンサ開口部9を備えたセンサの観察方向が上方へ配向されるように配置されている。観察される空間角度は、ここでは2次元で示されている空間角度領域R1である。適切な伝送線路を介して、測定ユニット1のセンサユニットの測定データが中間接続された要素であるデータ変換処理ユニット2へ供給される。このデータ変換処理ユニット2により、測定データのデータ技術的処理および偽色画像への変換が行われる。偽色画像は、さらに、測定ユニット1と並んで配置されかつ測定ユニット1と同様に上方へ配向された表示ユニット3へ伝送され、これにより空間角度領域R3が照明される。ここで、空間角度領域R1は空間角度領域R3とほぼ等しいかもしくは完全に一致する。空間角度領域R1,R3の重なっている共通の部分が空間角度領域R2である。なお、測定ユニット1のセンサユニットと表示ユニット3とが有限の距離を置いて位置していることから、望ましくない視差が生じることがわかる。測定ユニット1および表示ユニット3の対物レンズ9,10どうしが近づくほど、視差は小さくなる。
図2には、別の請求項に記載される拡張された実施例が示されている。個々の要素はデータ交換11のために接続されており、そのことが線路によって示されている。詳細に云えば、有利には空間角度領域R1,R3とほぼ等しいかもしくは完全に一致する空間角度領域R4を検出する可視光カメラとしてカメラユニット4が設けられており、さらに、測定結果を付加的にもしくは選択的に表示し、かつ、あらゆるタイプの設定操作および設定支援のためのユーザとのインタラクションを実現するディスプレイを備えたディスプレイユニット5も設けられている。データ変換処理ユニット2は、特に市販入手可能なフラッシュメモリカードや、データ処理を行う他の機器へ例えば無線網コネクションを介してデータを伝送できるデバイスなどの、揮発性もしくは不揮発性の記憶手段7によって拡張された装置となっている。放射源6は、場合により、観察対象物を適切なスペクトル領域の放射15によって照明して、測定ユニット1のセンサが充分に良好な測定信号(反射信号)を測定できるようにする。
図3には、具体的なケーシングの実施例が示されている。ここでの構造は、市販入手可能なディジタルカメラにしたがって選択される。ケーシング13に収容されている測定装置8の前面17に、測定ユニット1のセンサに対する対物レンズ9または開口部9、レーザーベースの表示ユニット3に対する対物レンズ10または開口部10、および、カメラユニット4としての可視光カメラという3つの主要な要素が存在することが示されている。表示ユニット3は、レンズ系を必要としないことを表すために、長方形のブロックで示されている。カメラユニット4は、例えば前述した有利な実施形態1,2によれば、背景にしたがって投影の色および輝度を補正する。図3と図4との配向状態の理解を容易にするために、図3,図4ともに操作エレメント12(例えばスイッチ)が上面14に示されている。
ケーシング13、特にその上面14には、ディジタルカメラから公知の構成の、操作支援のためおよび/または測定装置8の動作状態を表示するための別の表示ユニットが設けられている。
図4には、図3の実施例のケーシングの後面18が示されている。ディスプレイユニット5のディスプレイや、空間的近傍に配置されているために比較的寸法の小さいセンサおよび表示ユニットの空間角度領域R1,R3も示されている。なお、わかりやすくするために、可視光カメラユニットの空間角度領域R4は図示されていない。図3の実施例に対する空間的配向状態がわかりやすくなるよう、操作エレメント12(例えばスイッチ)も示されている。
まとめると、本発明は次のように実行される。
1.可視化方法
2.1 ヒトの目には不可視であるが位置分解測定の可能な対象物の特性が複数存在し、これらは従来典型的にはディスプレイに表示されてきた。本発明の方法はこうした特性をこれまでより良好にかつ直接に可視化しようとするものである。
2.2 測定ユニット1もしくは測定器1により、表面温度などの特性が位置分解測定され、偽色画像へ変換される。偽色画像は、その後、表示ユニット3へ伝送され、観察対象物上へ投影されるので、対象物の箇所で直接に可視となる。
2.3 事件現場の痕跡を探索する犯罪捜査官は、例えば"マジックポケットランプ"を利用する場合と同様に、紫外光カメラ付き機器を測定器として利用して本発明の方法を実行する。この場合、捜査官は小さなディスプレイを注視する必要はない。これは、ふつうならば不可視の痕跡をプロジェクタによって視覚的に強調して、直接に調査すべき領域に集中できるからである。
測定ユニット1を備えた測定装置8が提供される。測定ユニット1によって対象物16に関して検出された位置分解測定結果が偽色画像へ変換され、この偽色画像が表示ユニット3によって対象物16上に投影されるのである。

Claims (17)

  1. 位置分解測定結果を可視化する方法であって、
    測定ユニット(1)により、対象物(16)についての位置分解測定結果を形成し、該位置分解測定結果から偽色画像を取得し、
    該偽色画像を表示ユニット(3)により前記対象物(16)へ投影する
    ことを特徴とする、位置分解測定結果を可視化する方法。
  2. 前記偽色画像を連続的または反復的に更新する、請求項1記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  3. 前記投影を、更新された前記位置分解測定結果の形成と同時に行う、請求項1または2記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  4. 前記位置分解測定結果を形成するために、ヒトの目に直接には可視でない前記対象物(16)の物理的特性、例えば放射される電磁波フィールドおよび/または放射される音波フィールドおよび/または放射されるイオン波フィールドを検出し、評価する、請求項1から3までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  5. 前記偽色画像のうち、前記位置分解測定結果によって前記対象物(16)のそれぞれの対象物領域に対応する画像領域を、該それぞれの対象物領域へ投影する、請求項1から4までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  6. 前記表示ユニット(3)により付加情報を前記対象物(16)へ投影する、請求項1から5までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  7. 前記偽色画像に対して、前記対象物(16)の色特性および/または輝度特性を考慮した色符号化法および/または輝度符号化法を用いる、請求項1から6までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  8. さらに、前記対象物(16)の可視波長領域での画像を撮影する、請求項1から7までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  9. 前記色特性および/または前記輝度特性を検出するために、有利には前記表示ユニット(3)によって、前記対象物を均等に照明する、請求項1から8までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  10. 放射源(6)を用いて、ヒトの目に直接には可視でない前記対象物(16)の特性を活性化する、請求項1から9までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  11. 前記投影をレーザー光によって行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の位置分解測定結果を可視化する方法。
  12. 第1の空間角度領域(R1)内の位置分解測定結果を検出するように構成された測定ユニット(1)と、
    前記位置分解測定結果から偽色画像を取得するように構成されたデータ変換処理ユニット(2)と、
    前記偽色画像を出力するための表示ユニット(3)と
    を備えた測定装置(8)において、
    前記表示ユニット(3)は、前記偽色画像を、前記第1の空間角度領域(R1)に重なるかもしくは一致する第2の空間角度領域(R3)へ投影するように構成されている
    ことを特徴とする、測定装置(8)。
  13. 可視波長領域で撮影を行うためのカメラユニット(4)が設けられている、請求項12記載の測定装置(8)。
  14. 前記測定ユニット(1)および前記表示ユニット(3)は、例えば第1の空間角度領域(R1)および第2の空間角度領域(R3)とともに、視差が最小化されるように相互に配置もしくは配向されている、請求項12または13記載の測定装置(8)。
  15. 前記表示ユニット(3)はプロジェクタもしくは投影機であり、例えばレーザープロジェクタもしくはレーザー投影機を有する、請求項12から14までのいずれか1項記載の測定装置(8)。
  16. 照射を受ける対象物(16)の物理的特性を活性化するように構成された放射源(6)が設けられており、前記測定ユニット(1)は前記物理的特性に対して感応性を有する、請求項12から15までのいずれか1項記載の測定装置(8)。
  17. 前記測定ユニット(1)、前記表示ユニット(3)、放射源(6)、前記データ変換処理ユニット(2)、カメラユニット(4)および/またはディスプレイユニット(5)が、共通のケーシング(13)内に、例えばハンドヘルド機器として、配置されている、請求項12から16までのいずれか1項記載の測定装置(8)。
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