JP2013513400A - 核酸物質を分離する方法および物質 - Google Patents

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Abstract

核酸物質は、液体を、核酸物質を結合する正に荷電したポリマーと第1に接触させることによって、液体から効果的に分離することができる。その後、核酸物質を結合したポリマーをアルカリ物質およびグリコールの溶液を含む放出剤と接触させる。溶液はpH12を超えず、比較的低い温度条件下で、典型的には50℃を超えず、および特定の実例において40℃を超えないで、ポリマーから核酸物質を放出するように作動する。グリコール物質は、エチレングリコール、プロピレングリコールまたは同種のもの等のモノマーのグリコールを含むことができるか、またはポリエチレングリコール等のポリマーのグリコールを含むことができる。分離プロセスにおいて用いることができる新規の正に荷電したポリマーも開示される。このポリマーは、カップリング反応において非酸性化ポリエチレンイミンと反応する、ポリエチレンイミン等の酸性化ポリアミンを含む。酸性化ポリエチレンイミンは、カルボキシル化ポリエチレンイミンおよび/またはスルホン化ポリエチレンイミンであり得る。
【選択図】 なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月14日に出願され、「核酸物質を分離する方法および物質(Method and Materials for Separating Nucleic Acid Materials)」という表題の米国仮特許出願第61/286,082号の優先権を請求し、この開示は参照として本明細書に援用される。
(技術分野)
本発明は、全血、血清、血漿、固形組織、体液、組織、髪、爪物質、頬腔細胞、培養された細胞、膣スワブ、細菌、真菌、および植物組織等の様々なサンプル物質からの核酸物質の分離に関する。より具体的には、本発明は、穏やかな温度およびpH条件下で核酸物質の効果的で迅速な分離を可能にする方法および物質に関する。
様々な生物学的サンプルならびに細胞ライセート、合成反応混合物、PCR反応混合物および同種のもの等の他の液体から、DNA、RNA、オリゴヌクレオチドおよび同種のもの等の合成の核酸物質および天然に存在する核酸物質を分離することが多くの場合必要である。かかる分離は、様々な分析手順、合成手順および研究活動の非常に重要なステップであり得る。任意のかかる方法は信頼でき効果的であり、実施することが容易であるべきであり、核酸物質を破壊するべきでない。
多くの実例において、ポリリジンおよびポリエチレンイミンに基づく物質等の正に荷電したポリマーは、これらのタイプの分子が負に荷電した核酸物質を効果的に捕捉し保持することができるので、遺伝子送達および様々な核酸精製プロセスにおいて使用されてきた。かかるプロセスにおいて、荷電ポリマーは典型的には磁気粒子、ポリスチレン粒子または同種のもの等の固体表面上に固定化される。次いで、荷電ポリマーを、典型的には8未満のpHで、核酸物質を含むサンプルと接触させる。これは核酸物質を正に荷電したポリマーに結合させる。タンパク質および炭水化物等の不純物は結合せず、サンプルから洗浄することができる。次いで、結合した核酸物質は、精製を達成するように高いpH条件下でポリマーから放出される。しかしながら、多くの実例において、核酸物質はポリマーに非常に強く結合し、その結果として結合した核酸をポリマーから放出するために高pHおよび高温の条件の使用を必要とする。しかしながら、核酸物質はかかる高温およびアルカリ反応条件によって恒久的に変性され得る。それゆえ、比較的穏やかなpHおよび温度条件下で核酸物質の分離および精製を可能にする方法および物質が必要である。詳細に以下で説明されるように、本発明は、室温で穏やかなアルカリ性条件下で核酸物質の結合、分離および放出を可能にする。本発明のこれらのおよび他の長所は続く考察および説明から明らかになる。
生物学的サンプルまたは他の液体混合物から核酸物質を分離する方法が開示される。方法によれば、核酸物質を有するサンプルは、生菌を含む実例では、溶解バッファーで最初に溶解されて核酸物質を放出し;生菌を含まないサンプルでは、このステップを省くことができる。続いて、ポリリジン、ポリエチレンイミン、または他のかかるポリアミン等の正に荷電したポリマーを単独または組み合わせで使用して、液体と接触させる。未結合の不純物を洗浄バッファーで洗浄する。正に荷電したポリマーは核酸物質を結合し;本発明の第2のステップにおいて、核酸物質を結合したポリマーを、アルカリ物質およびグリコールの溶液を含む放出剤と接触させる。溶液はpH12を超えず(pH of no more than 12)、溶液はポリマーから核酸物質を放出させるのに効果的である。放出溶液はバッファーをさらに含むことができ、特定の実例において溶液はpH11を超えない。アルカリ物質は水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等のI族の金属水酸化物を含むことができ、アルカリ物質の濃度はいくつかの実例におい50mMを超えない。
いくつかの実例において、グリコールはポリエチレングリコール等のポリマーのグリコールであり、200〜2000の範囲の分子量を有することができる。ポリマーを放出剤と接触させるステップは、特定の実例において40℃を超えない温度で実行される。
いくつかの実例において、正に荷電したポリマーはカルボキシル化ポリアミンである。正に荷電したポリマーは、ビーズ、シート、スライド、チューブ、ピペット、スワブ、磁気粒子および同種のものとしてすべてまたは部分的に構成されたマトリックスを含むことができる。本発明の方法は、自動システムまたは手動ベースで実行することができる。
部分的に正に荷電したポリエチレンイミンポリマーを調製する方法がさらに開示される。方法によれば、ポリエチレンイミンポリマーをカルボキシル化剤またはスルホン化剤等の酸性化剤と反応させて酸性化ポリエチレンイミンを産生し、次いでこの酸性化ポリエチレンイミンを第2の体積のポリエチレンイミンと反応させて第2の体積のポリエチレンイミンに酸性化ポリエチレンイミンの少なくともいくらかをカップリングさせる。特定の実例において、酸性化剤はクロロ酢酸ナトリウムであるカルボキシル化剤であり得る。
本発明の方法を行なうためのシステムに加えて、本発明の方法を行なうためのキットのパーツがさらに開示される。
本発明によれば、正に荷電したポリマー等の分離試薬に結合された核酸物質は、アルカリ物質およびグリコールを含む放出試薬と接触させることによって、分離試薬から放出される。放出溶液はpH12を超えず、いくつかの実例において11を超えない。50℃を超えない温度等の比較的低い温度で核酸物質を放出するのに効果的である。特定の実例において、核酸物質の放出は室温(一般的には40℃を超えない温度であると理解される)で行なわれる。典型的には、放出は10分を超えずに、および特定の実例において5分を超えずに達成される。これらの穏やかな条件は、核酸物質に対する損傷を回避または大幅に最小化する。
具体的な実例において、放出剤中のアルカリ物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは同種のもの等のI族の金属水酸化物である。グリコール物質はエチレングリコールを含むことができるが、いくつかの具体的な実例において、ポリエチレングリコールポリマー等のポリマーのグリコール物質が本発明の実行に非常に効果的であることが見出されている。具体的な実例において、アルカリ物質の濃度は50mM未満であり、グリコール成分の濃度は重量ベースで1〜40%の範囲である。特定の実例において、ポリエチレングリコールポリマーの分子量は200〜2000の範囲であり得る。
本発明の実行において有用性を有する1つの具体的な試薬は、重量で約30%のポリエチレングリコール(PEG 600)を含む約8mMの水酸化ナトリウム水溶液からなる。他の類似の組成物は当該技術分野の当業者に容易に明らかである。このタイプの組成物は一般的にはpH12を超えず、典型的には11を超えないことが見出され、これらの組成物は、50℃を超えずに、典型的には40℃(室温)を超えない温度で、4分または5分以内に、カルボキシル化ポリエチレンイミン(PEI)等の正に荷電したポリマーから核酸物質を効率的に放出することが示されている。これらの穏やかなpHおよび温度条件は、核酸物質に対する損傷を最小限にする。放出試薬は、適切なpHレベルを維持するように作動するバッファー、界面活性剤に加えて、粘性制御剤および同種のもの等の補助成分等のさらなる成分を含むことができると理解されるべきである。
本発明において使用される正に荷電したポリマーはバルクポリマー物質を含むことができるか、またはビーズ、粒子、ストリップ、スライド、チューブまたはピペット等の基質上のコーティングを含むことができる。基質は、スワブ、スポンジまたは同種のもの等の吸収性物質も含むことができる。いくつかの実例において、正に荷電したポリマー物質は、誘導体化、グラフト、またはバルクのポリマー素地を他の方法で修飾することによって調製することができる。いくつかの実例において、正に荷電したポリマーは、磁気手段によって粒子の採取を促進するように、磁気粒子または磁気感受性のある粒子上にコートされる。
本発明の原理を例証する1シリーズの実験を行った。第1の実験において、DNAサンプルは、核酸物質の分離での使用のための当該技術分野において公知のタイプのPEIで修飾した磁気粒子上に吸収された。これに関しては、PEIで修飾した磁気粒子を、30マイクロリットルのpH7.5の50mMトリスHClを含み1%のトリトンX−100をさらに含むバッファー溶液中の200ngの精製マウスゲノムDNAのサンプルと最初にインキュベーションした。室温で2分間インキュベーションを行った。サンプルを含む1シリーズのチューブを磁気分離機に置き、上清をピペットで慎重に取り出して、粒子は残した。結合DNAを粒子から放出させた。第1の実例において、放出は、10マイクロリットルの20mM NaOHを含む先行技術の試薬溶液を利用して実行した。第2の実例において、放出試薬は、本発明に沿って、8mM NaOHおよび30%のPEG 600の混合物を含んでいた。どちらの実例においても、インキュベーションは室温で4分間行なわれた。結果として生じた溶液を10マイクロリットルの100mMトリスHCl(pH8.0)で中和した。次いで、各々のサンプルの一部をアガロースゲル電気泳動によって分析した。電気泳動分析から、本発明の8mM NaOH/PEG溶液は室温条件でPEIポリマーから効率的にDNAを遊離するが、先行技術の高pH溶液は遊離しないことが示された。
第2の実験のシリーズにおいて、凍結ヒト末梢血を、100mM KCl、1% トリトンX−100および0.5% SDSを含む50mMトリスHCl(pH7.5)バッファーからなる75マイクロリットルの溶解バッファー中で最初に溶解した。溶解を室温で2分間行った。PEIで修飾した磁気粒子(10マイクロリットル、1.6%v/v)をライセートに添加して放出されたDNAを結合した。結合DNAは、磁気分離機の中へチューブを2分間置くことによって回収した。上清中の細胞残屑を除去し、DNAを結合した磁気粒子を、20mMトリスHCl(pH8.0)、0.5% SDSおよび200マイクログラムのプロテイナーゼKを含む200マイクロリットルの洗浄バッファーにより60℃で10分間インキュベーションした。次いで、磁気粒子を同一のバッファー溶液(プロテイナーゼKを含まない)で洗浄した。その後粒子を10mMトリス(pH8.0)を含む200マイクロリットルの溶液で洗浄した。次いで、8mM NaOHおよび30% PEG 600を含む16マイクロリットルの本発明の放出溶液中で室温で4分間DNAを放出させた。次いで放出されたDNAを、4マイクロリットルの100mMトリスHCl(pH8.0)バッファーで中和した。比較は、グリコール不含有で20mM NaOH溶液を含む先行技術の放出剤を利用して実行した。実験1におけるように、結果として生じた物質をゲル電気泳動によって分析し、この実験は、本発明の溶液が結合DNAを放出するのに非常に効果的であるが、先行技術の溶液は効果的ではないことを実証した。
さらなる実験シリーズを行い、結合RNAの放出についての本発明の組成物の有効性を実証した。この実験において、約4×106の293の細胞を、遠心分離によって10センチメートルの組織培養プレートから迅速に採取した。上清液を廃棄し、細胞ペレットを使用前に−80℃で保存した。RNAを単離するために、400マイクロリットルの溶解バッファー(25mMクエン酸ナトリウム、4Mグアニジンイソチオシアネート、5mM EDTA、2% TX−100)を、凍結した細胞ペレットに添加した。混合後に、20マイクロリットルのPEI磁気ビーズを溶解バッファーに添加し混合した。混合物を含むサンプルチューブを磁気ラックの上に置いて、磁気ビーズのペレットを形成させた。上清液を廃棄し、ビーズを400マイクロリットルの洗浄バッファー(2mM クエン酸ナトリウム、pH6.0)で1回洗浄し、次いで100マイクロリットルのDNase I溶液(40mMトリス(pH7.5)、8mM MgCl2、5mM DTTおよび50単位のDNase I)により15分間37℃でインキュベーションした。次いでビーズをDNase I処理後洗浄バッファーで2回洗浄した。次いで結合RNAを0.1M ビス−トリス(pH9.5)および30% PEG 600を含む60マイクロリットルの放出バッファーによりビーズから放出させた。10マイクロリットルの放出されたRNAを、Takara Bio社から購入したM−MLV逆転写酵素によるcDNA合成のために使用した。50マイクロリットルの反応からの2マイクロリットルの合成cDNAを、ヒトβ−アクチンcDNAについてのプライマーによるPCRのために使用した。それにより調製したcDNAを対照サンプルと比較してゲル電気泳動によって分析した。分析から、本発明の放出剤が磁気粒子からのRNAの遊離に非常に効果的であることが確認された。
第4の実験において、新規の正に荷電したPEI物質を本発明の別の態様に沿って調製した。プロセスの第1のステップにおいて、クロロ酢酸ナトリウムカルボキシル化剤を使用して、PEI物質(分子量200,000)のサンプルをカルボキシル化した。このプロセスは、Miroslav Macka et al.「New isoelectric buffers for capillary electrophoresis: N-carboxymethylated polyethyleneimine as a macromolecular isoelectric buffer」、Analyst, 2001, 126, 421-425によって記述された方法によって実行した。その後、100mgのこのように調製したカルボキシル化PEIを1ミリリットルのエタノール中で溶解し、10〜50マイクロリットルの範囲の様々な体積のカルボキシル化PEIを、カルボジイミドおよびN−ヒドロキシスクシンイミドを含む50mM MESバッファー(pH6.1)中の100マイクロリットルのPEI磁気粒子に添加した。このように調製した磁気粒子を室温で2時間振盪した。その後、サンプルを磁気分離機中に置き、脱カップリングされたカルボキシル化PEIを除去した。このように産生した磁気粒子を50mM MESで2回洗浄し、100マイクロリットルの50mM MES+0.1%トリトンX−100中に保存した。この方法を使用して、他のタイプの正に荷電した(酸性化された)ポリマーを調製できることが理解される。例えば、PEIをスルホン化試薬と反応させて、スルホン化PEIを産生し、次いでそれはある体積の非スルホン化PEIとカップリングされる。
後続の実験において、このように調製したカルボキシル化PEI磁気粒子をDNAの捕捉に利用した。これに関しては、様々なカルボキシル化PEI磁気粒子の結合能力を、実施例1に関して記述されたものに概して類似したプロセスで、200〜500ナノグラムの精製マウスゲノムDNAを用いて試験した。これに関しては、50mMトリスHCl(pH7.5)および1%トリトンX−100を含む30マイクロリットルのバッファー中でカルボキシル化PEI磁気粒子とDNAを室温条件下で2分間インキュベーションした後に、上清を回収した。室温条件下で、8mM NaOHおよび30%PEG 600を含む本発明に沿った試薬を利用して結合DNAを放出させた。結合DNAおよび未結合DNAの両方を、エチジウムブロマイド染色を利用する0.8%アガロースゲル上で可視化した。カルボキシル化PEI磁気粒子物質は上清中にDNAを残さないことが見出され、この新規カルボキシル化物質は核酸物質の分離のための正に荷電したポリマーとして有効であることが実証された。
後続の実験において、様々な放出溶液を、本発明のカルボキシル化PEI物質および先行技術の非カルボキシル化PEIからのDNAの放出における有効性について評価した。ポリマーがカルボキシル化されてないならば、放出がやや難しいことが見出された。特に、非カルボキシル化PEIポリマーに関して、結合DNAの90%を超える回収には水酸化ナトリウムおよびPEG 600(pH11〜12)の組成物が必要であるが、100mMビス−トリス(pH9.0)溶液等のより穏やかな(より低いpH)放出剤は同じほどには効果的でないことが見出された。カルボキシル化PEIポリマーを用いた実例において、100mMビス−トリス(pH9.0)溶液を含む放出剤は室温でDNAの約90%の放出を効果的に引き起こすことができることが見出された。
追加実験において、RNAをカルボキシル化PEIポリマーを利用して分離した。これに関しては、RNAをCos7細胞から抽出した。そして次いで500ナノグラムの抽出したRNAをカルボキシル化PEI磁気粒子と共に室温で2分間インキュベーションした。次いで結合RNAは、1つの実例においてビス−トリス(pH9.0)バッファー、および別の実例においてポリエチレングリコールを含む同一のビス−トリスバッファーを利用して放出された。放出は42℃で3分間実行した。このように放出されたRNAで、サルサイクロフィリンAに特異的なプライマーによる定量的SYBRグリーンPCRを行った。バッファーへのPEGの添加がRNA回収を有意に改善することが見出された。
前述したものは、本発明のいくつかの実施形態を例証する。その他の実施形態および修飾は、本明細書において提供された教示を考慮して当該技術分野の当業者に容易に明らかになる。例えば、本発明の放出剤は記述された水酸化ナトリウム以外のアルカリ物質を利用して調製することができる。ポリマーおよびオリゴマーのグリコールに加えて、モノマーのグリコールを含む他のグリコール物質を、本発明の実行において使用することができる。さらに、本発明は自動化様式に加えて、手動式様式で実施できることが理解される。および、本発明に沿って方法を行なうためのキットを調製することができる。かかる修飾および変形はすべて本発明の範囲内である。すべての同等物を含む以下の請求項が本発明を定義する。

Claims (20)

  1. 液体から核酸物質を分離する方法であって、
    核酸物質を有する液体を正に荷電したポリマーと接触させて、それによって該核酸物質が該正に荷電したポリマーに結合するステップと;
    結合した該核酸物質を有する該ポリマーを放出剤と接触させ、該放出剤がアルカリ物質およびグリコールの溶液を含み、該溶液が12をpH超えないpHを有し、それによって該放出剤が該ポリマーから該核酸物質を放出させるステップと
    を含む方法。
  2. 前記放出剤が11を超えないpHを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記放出剤がバッファーを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記アルカリ物質がI族の金属水酸化物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記アルカリ物質が50mMを超えない濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記グリコールがポリマーのグリコールである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ポリマーのグリコールがポリエチレングリコールである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ポリエチレングリコールが200〜2000の範囲の分子量を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリマーを前記放出剤と接触させる前記ステップが、40℃を超えない温度で実行される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記液体を前記ポリマーと接触させる前記ステップが、10分を超えない間に実行される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記正に荷電したポリマーがポリアミンからなる群から選択されたメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記正に荷電したポリマーがカルボキシル化ポリアミンである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記正に荷電したポリマーが、1つまたは複数のビーズ、シート、スライド、チューブ、ピペット、スワブおよび磁気粒子を含むマトリックスの一部である、請求項1に記載の方法。
  14. 部分的に正に荷電したポリエチレンイミンポリマーを調製する方法であって、
    第1の体積のポリエチレンイミンポリマーを提供するステップと;
    該第1の体積のポリエチレンイミンポリマーを酸性化剤と反応させて酸性化ポリエチレンイミンを産生するステップと;
    第2の体積のポリエチレンイミンポリマーを提供するステップと;
    該第2の体積のポリエチレンイミンを該酸性化ポリエチレンイミンと反応させて該第2の体積の該ポリエチレンイミンに該カルボキシル化ポリエチレンイミンを少なくともいくらかをカップリングさせるステップと
    を含む方法。
  15. 前記酸性化剤がカルボキシル化剤またはスルホン化剤である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記酸性化剤がクロロ酢酸ナトリウムである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1の体積のポリエチレンイミンおよび/または前記第2の体積のポリエチレンイミンが約400〜200,000の分子量を有する、請求項14に記載の方法。
  18. 液体から核酸物質を分離するためのシステムであって、
    該核酸物質の結合に作用する正に荷電したポリマーと;
    放出剤
    とを含み、
    該放出剤はアルカリ物質およびグリコールの溶液を含み、
    該溶液は12を超えないpHを有し、
    該放出剤は該ポリマーからの該核酸物質の放出に作用する、システム。
  19. 前記ポリエチレンイミン誘導体化固体マトリックス物質がカルボキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含む、請求項18に記載のシステム。
  20. 非カルボキシル化ポリエチレンイミンポリマーと反応させて、カルボキシル化ポリエチレンイミンポリマーを該非カルボキシル化ポリエチレンイミンポリマーにカップリングさせたカルボキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含む、部分的に正に荷電したポリエチレンイミンポリマー。
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