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Abstract
【選択図】なし
Description
IJPに用いられるインクには多くの要求の厳しい性能要件がある。例えば、それらは、輪郭がはっきりしていて、毛羽立ちがなく、良好な耐水堅牢度、耐光堅牢度および光学濃度を有する像をもたらすことが望ましい。インクは、不鮮明になるのを防ぐために基材に施用したときに迅速に乾燥することがしばしば必要であるが、インクジェットノズルの先端を覆ってクラスト(crust)を形成すべきではない。これは、クラストにより印刷機の動きが妨げられるためである。インクはまた、分解したり微細ノズルを詰まらせうる沈殿物を形成することなく、長時間にわたる貯蔵に対し安定であるべきである。また、インクは、基材に十分に付着し、良好な耐摩擦性を有するべきであり、これらのことは、基材の多孔性が低いか非孔質である場合(例えば、シャンプー容器に用いられているプラスチックなど)、特に課題になる。
(a)ポリマー封入顔料粒子および水性媒体を含むインクをインクジェット印刷機により基材に施用する段階、ここにおいて、
(i)前記粒子は水性媒体中に分散しており、そして
(ii)前記粒子は、第1の架橋剤により顔料コアの周囲に架橋しているカルボキシ官能性分散剤を含む;
および
(b)ポリマー封入顔料粒子を第2の架橋剤を用いて架橋する段階、
を含む方法を提供する。
(a)0.01〜15部のポリマー封入顔料粒子;および
(b)85〜99.99部の水性媒体;
を含み、ここにおいて、部はすべて重量に基づく。
成分(a)の部数は、好ましくは0.1〜12、より好ましくは0.5〜9、特に1〜5部である。成分(b)の部数は、好ましくは88〜99.9、より好ましくは91〜99.5、特に95〜99部である。
水性媒体(b)が水と有機溶媒の混合物を含む場合、水と有機溶媒の重量比は、好ましくは99:1〜1:99、より好ましくは99:1〜50:50、特に95:5〜80:20である。
インクは、25℃の温度において、好ましくは20〜65ダイン/cm、より好ましくは25〜50ダイン/cmの表面張力を有する。
適したバインダーとしては、天然および合成ポリマーが挙げられる。好ましいバインダーとしては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン系誘導体、ポリエステル、ポリウレタン、アルキド、多糖類(例えばセルロース)およびタンパク質(例えばカゼイン)が挙げられる。
ポリマー封入顔料粒子は、オキセタン、カルボジイミド、ヒドラジド、オキサゾリン、アジリジン、イソシアネート、N−メチロール、ケテンイミン、イソシアヌレートおよびエポキシ基から選択される少なくとも2つの基、特に2以上のエポキシ基を有する第1の架橋剤により顔料コアの周囲に架橋しているカルボキシ官能性分散剤を、含むことが好ましい。
分散剤は、1以上のオリゴマー分散性基を有することが好ましい。
Z−平均粒径は任意の手段により測定することができるが、好ましい方法は、MalvernTMまたはCoulterTMから入手可能な光子相関分光装置による。
顔料は、上記ポリマーの補助なしでは液体媒体に溶解しない任意の有色粒状材料、例えば、有機または無機顔料であることができる。
第1の架橋剤が2つのエポキシ基を有する場合、分散剤は10以上のカルボン酸基を有することが好ましい。
好ましい分散剤は、親水性および疎水性モノマーの両方から誘導される。
好ましい疎水性基は、主に、3個未満の親水性基を含む、より好ましくは親水性基を含まない、炭化水素、フルオロカーボン、ポリC3−4−アルキレンオキシおよびアルキルシロキサンである。疎水性基はC3−C50鎖またはプロピレンオキシドであることが好ましく、これらは、側基であるか疎水性モノマーを伴う鎖中にあることができる。
分散剤は、ランダムポリマー(統計的に短いブロックまたはセグメントを有する)を含むことが好ましいが、ブロックまたはグラフトポリマー(より長いブロックまたはセグメントを有する)を含むことができる。ポリマー分散剤は、交互ポリマーを含むこともできる。ポリマー分散剤は分枝状または星形であることができるが、線状であることが好ましい。ポリマー分散剤は2以上のセグメントを有することができるが(例えばブロックおよびグラフトコポリマー)、ランダムであることが好ましい。
ポリビニル分散剤はコポリマーであることが好ましい。
好ましい非イオン性ビニルモノマーは、サッカリド、グルコシド、アミド、ピロリドン、ならびに特にヒドロキシおよびエトキシ基を含有するものである。
好ましいアニオン性ビニルモノマーは、遊離酸の形にあるかその塩であることができるリン酸基および/またはスルホン酸基を含むものである。塩のタイプは上記したとおりである。好ましい例は、スチレンスルホン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸およびアクリロイルオキシブチルスルホン酸)、メタクリロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、およびメタクリロイルオキシブチルスルホン酸)、2−アクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、2−メタクリルアミド−2−アルキルアルカンスルホン酸(例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸)、モノ−(アクリロイルオキシアルキル)ホスフェート(例えば、モノ(アクリロイルオキシエチル)ホスフェートおよびモノ(3−アクリロイルオキシプロピル)ホスフェート)、およびモノ(メタクリロイルオキシアルキル)ホスフェート(例えば、モノ(メタクリロイルオキシエチル)ホスフェートおよびモノ(3−メタクリロイルオキシプロピル)ホスフェート)である。
好ましい疎水性ビニルモノマーは親水性基を有さない。好ましい疎水性ビニルモノマーとしては、C1−20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート、ブタジエン、スチレンおよびビニルナフタレンが挙げられる。特に好ましいものは、C4−20−ヒドロカルビル(メタ)アクリレート、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレートおよびステアリルアクリレートである。とりわけ好ましい疎水性ビニルモノマーは、2−エチルヘキシルメタクリレートである。これらの疎水性ビニルモノマー中のヒドロカルビル基は、分枝状であってもよいが、線状であることが好ましい。
第1の架橋剤で架橋する前の分散剤の酸価(AV)は、好ましくは130〜320、より好ましくは135〜250mg KOH/gである。われわれは、そのような酸価を有する分散剤により、インク中で良好な安定性を示し、さらにその後の段階(b)での架橋に十分なカルボキシ基を有するポリマー封入顔料粒子が、結果としてもたらされることを見いだした。水性媒体中でのこの安定性は、より分散しにくい粒状固体を含み、オリゴマー分散性基をほとんど、特にまったく有さない架橋剤を含む、インクジェット印刷に用いられる要求の厳しい液状ビヒクルにおいて、特に有用である。
好ましいランダムポリマー分散剤は透明な組成物をもたらす傾向があるが、2以上のセグメントを有するあまり好ましくないポリマー分散剤は、液体媒体中に上記濁った組成物をもたらす傾向がある。
1以上のオリゴマー分散性基を有する架橋剤は、インク中のポリマー封入顔料粒子の安定性を上昇させる。
第1の架橋剤は、少なくとも2つのエポキシ基を有することが好ましい。
第1の架橋剤は、単一の架橋剤であるか、2以上の架橋剤の組み合わせであることができる。1より多くの架橋剤を用いる場合、これらは同じまたは異なる数のエポキシ基を有することができる。
第1の架橋剤中に存在する唯一の架橋性基がエポキシ基であることが好ましい。
インクジェット印刷機は、ノズルを基材と接触させることなく、インクを基材に、ノズルに通して基材上に噴出させる液滴の形で施用することが好ましい。
a)分散剤は、少なくとも1つのカルボン酸基を有し;
b)第1の架橋剤は、少なくとも2つのエポキシ基および1以上のエチレングリコール基を有し;そして
c)カルボン酸とエポキシ基の架橋反応は、100℃未満の温度および/または少なくとも6のpHで実施する。
第1の架橋剤中のオリゴマー分散性基と、少なくとも125mg KOH/gの酸価を有する分散剤の両方からの複合効果により、水性ビヒクル中で優れた安定性を有する封入粒状固体がもたらされる。
段階(b)の架橋は、いくつかの方法で達成することができる。例えば、段階(a)で用いられるインクは、その中に架橋剤(インクに組み込まれる粒子を形成するために用いられる架橋と混同するのを避けるために、第2の架橋剤とよぶ)を包含することができ、段階(b)での架橋は、例えば、熱、pHの変化、水性媒体の蒸発、基材の化学的性質(例えば塩またはpH)、第2の架橋剤の反応性を向上させる化学的開始剤(例えば、架橋剤の反応性を向上させる酸または塩基)の施用により、開始させることができる。段階(b)における化学的開始剤および架橋剤の施用は、いずれかの順で、または両方同時に、好ましくは両方同時に、インクジェット印刷機により行うことができる。
(a)0.1〜15部の第2の架橋剤;および
(b)85〜99.9部の液体媒体;
ここにおいて、すべての部は重量に基づく
を含むことが好ましい。
他の態様において、段階(b)は、インクのpHを変化させる(好ましくは少なくとも0.5、より好ましくは少なくとも1pH単位で)ことを含む。そのようなpHの変化は、第2の架橋剤の反応性を劇的に向上させるのに有用な方法であることができる。
段階(b)で用いられる架橋剤の役割は、ポリマー封入顔料粒子の調製に用いられるものとは完全に異なる。ポリマー封入顔料粒子の調製に用いられる架橋は、例えばカルボキシ基の存在により水分散性の粒子を作り出す(水性インクに配合するために)ことを意図している。対照的に、段階(b)の架橋は、最初のポリマー封入顔料粒子中に存在していたカルボキシ基の架橋により、水溶性が低いか水溶性を有さないポリマーを得ることを意図している。
な量の好ましくは1.1〜5、より好ましくは1.2〜3、特に1.2〜2.5倍である。すべてのカルボキシ基と反応するのに必要な架橋剤の量は、架橋剤中の反応性基の数とポリマー封入顔料粒子の酸価から計算することができる。
段階(b)での使用に適したエポキシ架橋剤の例は、上記したもの、特にオリゴマー分散性基を有さないものである。
(a)第1のチャンバーおよび本発明の第1の観点に関し定義したインク、ここにおいて、前記インクは第1のチャンバー内に存在する;ならびに
(b)架橋剤および水性媒体を含み顔料を含まない配合物を含む、第2のチャンバー。
インク受容性コーティングをもたらすのに適した配合物は、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸の水性混合物を、分散相に疎水性ポリマーを含有し7以下のpHで安定化されている水性エマルションと一緒に包含する。適した疎水性水性エマルションの例は、Flexobond 325(ビニル−アクリルコポリマー−pH4〜5)、Walpol 40−136(ビニル−アクリルコポリマー−pH5.0)、およびFlexobond 381(ビニルアクリルpH4〜6)などのアクリルタイプの材料である。
第2の架橋剤を含み顔料を含まない配合物は、表1に示すように調製することができる:
表1
インクの調製
ポリマー封入顔料粒子を含む以下のインクを、規定の構成成分を表2に示した量で混合することにより調製することができる。“Ex”は国際公開WO2006/064193号に開示されている同じ数字の封入粒状固体分散物をさし、例えばEx2は、国際公開WO2006/064193号の20頁、表5の第2行に開示されている封入粒状固体分散物の2番をさす。ポリマー封入顔料粒子の部数は、固形分100%基準である(例えば、分散物が20%の固形分を有する場合、表2での3部は、分散物の15部と同等である)。界面活性剤はSurfynolTM 465である:
表2
以下の表3に示した組み合わせを用いて、インク1〜9および配合物F1〜F15をインクジェット印刷機用カートリッジの別個の空のチャンバーに入れ、Epsonからの圧電インクジェット印刷機に装填することができる。インクおよび配合物を、インクと配合物が重なり合うように基材上に発射させることができる。その後、望ましい場合は、例えば赤外線光源または温風送風機を用いて、得られたプリントを60〜70℃に加熱することができる。
表3
非孔質支持体およびインク受容性コーティングを含む3つの基材PE1〜PE3を、以下のように調製することができる:
PE1
以下の構成成分を含む組成物を2時間ボールミル粉砕した後、クリアーな175ミクロンのポリエステル上にワイヤーロッドコーティングする。
PE2
以下の構成成分を含む組成物を2時間ボールミル粉砕して分散させた後、クリアーな175ミクロンの透明ポリエステル上にワイヤーロッドコーティングする。
PE3
以下の構成成分を含む組成物を2時間ボールミル粉砕して分散させた後、クリアーな175ミクロンの透明ポリエステル上にワイヤーロッドコーティングする。
原料の供給源:
米国ノースカロライナ州Research Triangle ParkのReichold Inc.からのWalpolTM 40−136。
ドイツ、Wesel、私書箱100245、BYK−Chemie GmbHからのBYKTM 346。
米国デラウェア州ウィルミントンのHercules Inc.のKlucelTM E。
印刷方法
以下の表4に示す組合わせを用いて、インク1〜9および配合物F1〜F15をインクジェット印刷機用カートリッジの別個の空のチャンバーに入れ、Epsonからの圧電インクジェット印刷機に装填することができる。インクおよび配合物を、インクと配合物が重なり合うように基材上に発射させることができる。その後、望ましい場合は、例えば赤外線光源または温風送風機を用いて、得られたプリントを60〜70℃に加熱することができる。
表4
Claims (21)
- 基材上に像を印刷するための方法であって、
(a)ポリマー封入顔料粒子および水性媒体を含むインクをインクジェット印刷機により基材に施用する段階、ここにおいて、
(i)前記粒子は水性媒体中に分散しており、そして
(ii)前記粒子は、第1の架橋剤により顔料コアの周囲に架橋しているカルボキシ官能性分散剤を含む;
および
(b)ポリマー封入顔料粒子を第2の架橋剤で架橋する段階、
を含む方法。 - 第1の架橋剤が少なくとも2つのエポキシ基を有する、請求項1に記載の方法。
- 架橋前の分散剤が135〜250mg KOH/gの酸価を有する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の架橋剤が、架橋剤とポリマー封入顔料粒子の間に永続的な共有結合を形成することによりポリマー封入顔料粒子を架橋する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- インクがさらに第2の架橋剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 段階(a)で用いられるインクが架橋剤を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の架橋剤を含み顔料を含まない配合物を基材に施用し、これにより、ポリマー封入顔料粒子を第2の架橋剤により架橋する段階を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- インクと第2の架橋剤との最初の接触が、(a)それらを異なるノズルから基材上に噴射させたときに空中で起こるか;または(b)基材上で起こる、請求項1〜4、6および7のいずれか一項に記載の方法。
- 段階(b)の架橋を、熱、pHの変化、水性媒体の蒸発、基材の化学的性質、または第2の架橋剤の反応性を向上させる化学的開始剤の施用により開始させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- インクが、
(a)0.01〜15部のポリマー封入顔料粒子;および
(b)85〜99.99部の水性媒体;
ここにおいて、すべての部は重量に基づく
を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。 - 顔料を含まない配合物が架橋剤および液体媒体を含む、請求項7に記載の方法。
- 顔料を含まない配合物が、架橋剤、およびインクと混和する非水性液体媒体を含む、請求項11に記載の方法。
- 基材に施用する架橋剤の量が、ポリマー封入顔料粒子上に存在するすべてのカルボキシ基と反応するのに必要な量より多い、請求項7または11に記載の方法。
- 基材に施用する架橋剤の量が、ポリマー封入顔料粒子上に存在するすべてのカルボキシ基と反応するのに必要な量の1.1〜5倍である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- さらに、印刷された基材を加熱する段階を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 第1の架橋剤が水分散性基を含み、第2の架橋剤が水分散性基を含まない、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の架橋剤が、エポキシ、オキセタン、カルボジイミド、ヒドラジド、オキサゾリン、アジリジン、イソシアネート、N−メチロール、ケテンイミンおよびイソシアヌレート基から選択される2以上の基を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 基材を粗くしてある、および/または基材がインク受容性コーティングを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- インク受容性コーティングが親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーを含む、請求項18に記載の方法。
- 以下を含むインクジェット印刷機またはインクジェット印刷機用カートリッジ:
(a)第1のチャンバーおよび本発明の第1の観点に関し定義したインク、ここにおいて、前記インクは第1のチャンバー内に存在する;ならびに
(b)架橋剤および水性媒体を含み顔料を含まない配合物を含む、第2のチャンバー;
ここにおいて、該インクはポリマー封入顔料粒子および水性媒体を含み、これに関し、
(i)前記粒子は水性媒体に分散しており;そして
(ii)前記粒子は、架橋剤により顔料コアの周囲に架橋しているカルボキシ官能性分散剤を含む。 - さらに、インクおよび顔料を含まない配合物を施用した基材を加熱するための手段を含む、請求項20に記載の印刷機。
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