JP2013508989A - 有機デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機デバイスの製造方法に関し、下記のステップを含む。(i)電気コンタクト構造(4)および絶縁部(3)を備えた表面を有する基板(1)を用意するステップ。(ii)第1仮保護層(9)を、前記電気コンタクト構造(4)の幾つかまたは全ての上に設けるステップ。(iii)第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けること、及び/又は、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けるステップ。(iv)第1仮保護層(9)を除去するステップ。(v)第2表面改質層(5)を、ステップ(ii)で保護された電気コンタクト構造の上に設けるステップ。(vi)前記第1表面改質層(6)を、ステップ(iii)で設けていなければ、絶縁部(3)の上に設けるステップ。(vii)有機半導体層(7)を、前記第1表面改質層(6)の少なくとも一部の上に、および前記第2表面改質層(5)の上に、そして、もし存在すれば、前記第3表面改質層(10)の上に設けて、これにより前記有機デバイスを得るステップ。

Description

本発明は、有機デバイス、詳細には、有機トランジスタの製造方法および、こうした得られた有機デバイス、例えば、有機トランジスタに関する。
有機ボトムコンタクト型トランジスタ(半導体層が、ソース/ドレインコンタクトおよび絶縁(dielectric)層の上部に設置される)、例えば、金のボトムコンタクトと、SiOx(またはAlOx)絶縁層とを備えたペンタセン(pentacene)トランジスタの性能は、シランまたはホスホン酸の層を絶縁層上に供給し、ペンタセン層を堆積する前に自己組織化単分子膜(SAM、典型的にはチオール(thiol))を金コンタクトの上に設けることによって改善できる。文献(S.A. DiBenedetto et al. "Molecular Self-Assembled Monolayers and Multilayers for Organic and Unconventional Inorganic Thin-Film Transistor Applications", Advanced Materials, 2009, 21, 1407-1433)で報告されているように、この手法は、半導体密着性および金属ソース/ドレイン電極に対する成長配向を改善することによって、コンタクト抵抗の減少をもたらす。表面改質が基板の最適な濡れ性をもたらし、有利な大きな結晶粒の第1層成長(ペンタセン)、そして、ペンタセン層内部の良好な結晶形態(morphology)および良好な電荷移動度をもたらし、その結果、ボトムコンタクト型薄膜トランジスタの改善した性能が得られる。
先行技術のプロセスでは、例えば、欧州特許公開第2091077号に記載されているように、絶縁層およびボトムコンタクトを設けた後、クリーニング工程、例えば、UVオゾン・クリーニングを行う。そして、チオールを用いた(金)ボトムコンタクトの表面処理を行い、その後、例えば、シランが絶縁層上に供給される。従って、シランを用いた表面処理の際、チオールは、金の表面に既に存在している。この工程シーケンスの理由は、例えば、(金)ボトムコンタクトを形成した後に行われるUV−オゾン・クリーニング工程の結果、(部分的に)酸化し得る金ボトムコンタクトへのシランの結合を回避することである。
UVオゾン・クリーニングの酸化が、不安定な金酸化物を生じさせることがある(例えば、文献(Tsai et al, Surface Science 537 (2003), L447-L450)に記載)。従って、表面処理工程のシーケンスを逆にした場合(即ち、最初にシラン処理を行い、その後、チオール処理を行う)、シランは(不安定な)金酸化物に結合することがあり、金(酸化物)上にあるシラン層も不安定であろう。しかしながら、シラン堆積は、典型的には約100℃の温度で、低真空の気相から行われる。これらの温度では、チオール(および他のSAM)は、部分的に脱着し得る。シラン処理(silanization)が、ある溶媒中のシラン溶液からでも実施できる。しかしながら、実験は、気相のシラン処理は、液相のシラン処理より良好な結果をもたらすことを示している。液相シラン処理の場合、単分子層だけでなく、ときどき追加のシランが基板上に存在することがあり、あまり均一でない表面になる。
米国公開第2004/161873号において、チオールを供給する前に、シランを供給するプロセスが記載されている。このプロセスでは、金ボトムコンタクトは、二酸化シリコンのUVオゾン・クリーニング後に設けられる。これは、金の酸化を防止できるであろう。しかしながら、クリーニング後に金を堆積することは、シャドーマスク技法の使用を必要とする(金の堆積後にUVオゾン・クリーニング工程の必要性を回避するため)。金属コンタクトを形成するためのシャドーマスク技法の使用が、金属コンタクトの不均一な厚さをもたらすことがある(即ち、エッジでの「スパイク」を伴う)。シャドーマスク技法を用いた場合、得られるチャネル長は比較的大きく(典型的には、数十マイクロメータ)、対応する回路の周波数は制限される。より小さなチャネル長は、例えば、リフトオフ技法を用いて得られる。しかしながら、リフトオフ技法は、フォトレジスト、現像液、溶剤、…を必要とし、その結果、UVオゾン・クリーニングは、全ての汚染物質を除去するために、金属コンタクト形成の後に行う必要がある。
本発明の目的は、有機デバイスを製造するための良好な方法を提供することである。
第1態様において、本発明は、有機デバイスの製造方法に関する。特に、前記方法は、下記ステップを含んでもよい。
(i)電気コンタクト構造(4)および絶縁部(3)を備えた表面を有する基板(1)を用意するステップ。
(ii)第1仮保護層(9)を、前記電気コンタクト構造(4)の幾つかまたは全ての上に設けるステップ。
(iii)第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けること、及び/又は、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けるステップ。
(iv)第1仮保護層(9)を除去するステップ。
(v)第2表面改質層(5)を、ステップ(ii)で保護された電気コンタクト構造の上に設けるステップ。
(vi)前記第1表面改質層(6)を、ステップ(iii)で設けていなければ、絶縁部(3)の上に設けるステップ。
(vii)有機半導体層(7)を、前記第1表面改質層(6)の少なくとも一部の上に、および前記第2表面改質層(5)の上に、そして、もし存在すれば、前記第3表面改質層(10)の上に設けて、これにより前記有機デバイスを得るステップ。あるいは、第1型の有機半導体層(7)を、前記第2表面改質層(5)の上および前記第1表面改質層(6)の少なくとも一部の上に設け、そして、第2型の有機半導体層(8)を、前記第3表面改質層(10)の上および前記第1表面改質層(6)の他の一部の上に設けて、これにより前記有機デバイスを得るステップ。
第1態様の一実施形態では、ステップ(i)が、下記を含んでもよい。
・基板(1)を用意すること。
・絶縁膜(3)を前記基板(1)の上に設けること。
・電気コンタクト構造(4)を、前記絶縁膜(3)の上に設けること。
これにより電気コンタクト構造(4)および絶縁部(3)を含む表面を有する基板(1)を形成する。
第1態様の一実施形態では、ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の全ての上に設けてもよく、その場合、ステップ(iii)は第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けることでもよく、ステップ(vi)を行わず、ステップ(vii)は、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)および前記第2表面改質層(5)の上に設けることでもよく、これにより前記有機デバイスを得る。
代替として、ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上だけに設けてもよく、その場合、ステップ(iii)では第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けてもよく、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けてもよく、ステップ(vi)を行わず、ステップ(vii)では、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)、前記第2表面改質層(5)および前記第3表面改質層(10)の上に設けてもよく、これにより前記有機デバイスを得る。
他の代替として、ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上だけに設けてもよく、その場合、ステップ(iii)は、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けることでもよく、ステップ(vi)は、前記第1表面改質層(6)を、絶縁部(3)の上に設けることでもよく、ステップ(vii)では、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)、前記第2表面改質層(5)および前記第3表面改質層(10)の上に設けてもよく、これにより前記有機デバイスを得る。
さらに他の代替として、ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上に設けてもよく、追加のステップがステップ(ii)とステップ(iii)との間で実施され、その場合、第2仮保護層(12)が、前記第1仮保護層(9,11)を設けていない電気コンタクト構造(4)の上に少なくとも設けられる。
そしてさらに他の代替として、ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の全ての上に設けてもよく、その場合、追加のステップがステップ(ii)とステップ(iii)との間で実施され、その場合、第2仮保護層(12)が、前記第1仮保護層(9,11)で覆われていない電気コンタクト構造(4)の幾つかの上に設けられる。
第1態様の一実施形態では、電気構造(4)を、ステップ(i)において第1フォトリソグラフ・メタライゼーションステップによって設けてもよく、前記第1仮保護層(9)を、ステップ(ii)において第2フォトリソグラフ・メタライゼーションステップによって設けてもよい。
一実施形態では、ステップ(ii)は、例えば、シャドーマスク、前記電気コンタクト構造(4)の一部を用いた、マスキングを含んでもよい。
一実施形態では、ステップ(ii)は、最初に、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の全ての上に設けるステップと、続いて、前記第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つから除去し、これにより第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つかの上に設けるステップとを含んでもよい。
上記実施形態の追加の特徴として、前記第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つからから除去する前記ステップは、ステップ(ii)で除去される前記第1仮保護層(9)を、エッチャント溶液に選択的に接触させることを含んでもよい。
第1態様の一実施形態では、第1仮保護層(9)を設けることは、例えば、電気コンタクト構造(4)の準備の際に、リフトオフプロセスを用いて行ってもよい。
例えば、前記電気コンタクト構造(4)を設けるステップおよび前記第1仮保護層(9)を設けるステップは、前記第1表面改質層(6)を設ける前に、前記電気コンタクト構造(4)および前記第1仮保護層(9)を単一のリフトオフ工程でパターニングするステップを含んでもよい。
代替として、第1仮保護層(9)は、電気コンタクト構造(4)を、例えば、異なる技法を用いて別個のステップで形成する前に設けてもよい。
第1態様の一実施形態では、該方法は、ステップ(i)〜(vii)のいずれか1つの後に、クリーニング工程を実施するステップをさらに含んでもよい。例えば、クリーニング工程を、前記第1仮保護層(9)を設けるステップの後で、前記第1仮保護層(9)を除去するステップの前に行ってもよい。他の例では、クリーニング工程は、ステップ(iii)の後で、ステップ(iv)の前に実施できる。さらに他の例では、クリーニング工程は、ステップ(iv)の後でステップ(v)の前、及び/又は、ステップ(v)の後でステップ(vi)の前に実施できる。
一実施形態では、前記第1仮保護層(9)は、電解析出(electrodeposition)または無電解析出(electroless deposition)によって設けてもよい。
一実施形態では、前記第1仮保護層(9)は、有機材料または無機材料を含んでもよい。
追加の特徴として、前記無機材料は、金属、金属塩または金属酸化物であったり、これらを含んでもよい。
追加の特徴として、前記金属は、Al,Cu,Mg,Zn,Ti,Zr,Hfの混合物およびこれらの組合せからなるリストから選択してもよい。従って、実施形態では、前記無機材料は、Al,Cu,Mg,Zn,Ti,Zr,Hf、これらの塩、これらの酸化物、混合物およびこれらの組合せからなるリストから選択してもよい。
前記第1仮保護層が有機材料を含む場合、前記有機材料は、ポリマーであったり、これらを含んでもよい。
追加の特徴として、前記ポリマーは、そのモノマーの電気化学重合によって、前記電気コンタクト構造の上に堆積してもよい。
追加の特徴として、前記モノマーは、水溶液から堆積してもよい。
一実施形態では、前記第1仮保護層(9)は、2つ又はそれ以上の層からなるスタックでもよい。
一実施形態では、前記第1仮保護層(9)は、2〜10nm厚でもよい。
一実施形態では、第1表面改質層(6)の付着は、試薬の蒸気または溶液との表面反応を含んでもよい。
一実施形態では、第1表面改質層(6)の付着は、スピンコーティングまたはスプレーコーティングを含んでもよい。
一実施形態では、第1仮保護層(9)を除去するステップは、第1表面改質層(6)を劣化させない化学処理で行ってもよい。
一実施形態では、前記第1仮保護層は有機でもよく、前記第1仮保護層は有機溶媒への溶解によって除去してもよい。
代替として、前記第1仮保護層が金属を含んだり、金属である実施形態において、前記金属は、電気コンタクト構造(4)の金属の酸化還元電位より低い酸化還元電位を有してもよく、前記金属は、電気化学プロセスで除去してもよい。
一実施形態では、第1表面改質層(6)は、シラン、有機ホスホン酸、またはカルボン酸を含んでもよい。
追加の特徴として、前記シランは、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)およびフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)からなるグループから選択してもよい。
一実施形態では、前記第1表面改質層および前記電気コンタクト構造は、それぞれ互いに疎水性および親水性であってもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、下部接着層と、前記下部接着層に直接に隣接し、前記下部接着層よりも基板(1)から遠くにある上部層とを含んでもよい。
追加の特徴として、前記下部接着層は2〜30nm厚でもよく、前記上部層は10〜40nm厚でもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、12〜70nmの厚さ、好ましくは20〜50nmの厚さを有してもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、Au,Pt,Pd,AgまたはCuを含んだり、これで製作してもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、Au,PtまたはPdを含んだり、これで製作してもよい。
例えば、前記電気コンタクト構造(4)は、金またはチタンの下部接着層と、銀の上部層とを含んでもよい。
他の例では、前記電気コンタクト構造(4)は、下部接着層としてTiWと、下部接着層に直接に隣接し、前記下部接着層よりも基板(1)から遠くにある上部層としてPdとを含んでもよい。
さらに他の例では、前記電気コンタクト構造(4)は、上部層として金を含んだり、金からなるものでもよく、第1表面改質層(6)は、Alを含んでもよい。
前記電気コンタクト構造(4)は、Au,Pt,Pd,AgまたはCuを含んだり、これで製作してもよく、前記第1仮保護層(9)は、Al,MgまたはZnを含んでもよい。一例として、それはAlを含んでもよい。
前記電気コンタクト構造が、Au,PtまたはPdを含んだり、これで製作した実施形態では、前記第1仮保護層(9)は、Cuで製作してもよい。
前記電気コンタクト構造が、Au,PtまたはPdを含んだり、これで製作した実施形態では、例えば、第1および第2仮保護層を設けてもよく、第1仮保護層はCuでもよく、第2仮保護層はAlでもよい。
前記仮保護層がAl,MgまたはZnを含む実施形態では、前記第1仮保護層は、例えば、希釈した酸、例えば、塩酸または硫酸を用いて除去してもよい。
追加の特徴として、前記希釈した酸は、1体積の濃酸と、2〜10体積の水、好ましくは、4〜6体積の水とを含んでもよい。
前記仮保護層がAl含む実施形態では、前記第1仮保護層は、希釈した塩基によって除去してもよい。
前記仮保護層がCuで製作された実施形態では、Cu保護層は、希釈した硝酸を用いて除去してもよい。
例えば、前記希釈した酸は、1体積の濃硝酸と、5〜20体積の水とを含んでもよい。
実施形態において、前記希釈酸または前記希釈塩基との接触時間は、1〜60分であってもよい。
一実施形態では、第1表面改質層(6)は、第2表面改質層及び/又は第3表面改質層とは相違してもよい。
追加の特徴として、前記相違点は、第1表面改質層および第2表面改質層の化学的性質であってもよい。
一実施形態では、前記第2及び/又は第3表面改質層は、チオール(thiol)、有機二硫化物(disulfide)、置換チオ尿素、イソチオシアネート、チオフェン(thiophene)、イミダゾール−2−チオン、セレノール(selenol)、有機二セレン化物(diselenide)、チオ酢酸、ニトリルまたはイソニトリルのうちの1つを含んでもよい。
一実施形態では、前記第2及び/又は第3表面改質層は、電荷移動錯体(complex)を含んでもよい。
例えば、前記電荷移動錯体は、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンであってもよい。
一実施形態では、前記第2表面改質層(5)及び/又は前記第3表面改質層(10)は、自己組織化単分子膜であってもよい。
一実施形態では、前記第3表面改質層(10)は、電気コンタクト構造(4)との結合強度が、電気コンタクト構造(4)との第2表面改質層(5)の結合強度より低くなるように選択された自己組織化単分子膜であってもよい。
例えば、前記第2表面改質層(5)は、ジフェニル二硫化物でもよく、前記第3表面改質層(10)は、ペンタフルオロベンゼンチオールでもよい。
前記第2表面改質層(5)及び/又は前記第3表面改質層(10)が自己組織化単分子膜である一実施形態では、前記第3表面改質層(10)は自己組織化単分子膜でもよく、前記第2表面改質層(5)は、それが設けられた電気コンタクト構造の表面を飽和させるように設けてもよい。
前記第2表面改質層(5)及び/又は前記第3表面改質層(10)が自己組織化単分子膜である一実施形態では、前記第2及び/又は前記第3表面改質層(10)は、ガスとして設けてもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、銅または銀で製作したり、銅または銀の上部層を有してもよく、前記第2表面改質層(5)は、前記銅または銀を、テトラシアノキノジメタン、硫黄、セレンと反応させることによって設けてもよい。
一実施形態では、第1態様の方法は、前記第1表面改質層(6)、第2表面改質層(5)および任意の第3表面改質層(10)を設けた後、前記有機半導体層(7)を設けるステップの前に、クリーニング、好ましくは、溶媒クリーニングを実施するステップを含んでもよい。
一実施形態では、前記有機半導体層は、ペンタセンまたはペンタセン誘導体でもよい。
一実施形態では、前記電気コンタクト構造(4)は、金属で製作してもよく、前記方法は、電気コンタクト構造(4)−半導体層(7)インタフェースにおいて該半導体のドーパントとして機能したり、あるいは、電気コンタクト構造(4)−半導体層(7)インタフェースにおいて半導体への電荷注入を改善する、電子受容体または化合物または化合物の混合物と、電気コンタクト構造を反応させるステップをさらに含んでもよい。
追加の特徴として、前記電気コンタクト構造は、銀または銅からなってもよく、あるいは、上部層として銀または銅を含んでもよく、前記電子受容体は、硫黄またはセレンであってもよい。
代替として、前記電気コンタクト構造は、銅からなってもよく、あるいは、上部層として銅を含んでもよく、前記電子受容体は、テトラシアノキノジメタンであってもよい。
一実施形態では、前記第2表面改質層は、前記電気コンタクト構造を反応物質の溶液と接触させることによって設けてもよい。
追加の特徴として、前記溶液は、絶縁層上の第1表面改質層(6)よりも、電気コンタクト構造についてより多くの親和力を有してもよい。
追加の特徴として、前記溶液は、スピンコーティング、浸漬(dip)コーティング、またはインクジェットによって設けてもよい。
例えば、前記溶液は、プリントヘッドの2つの異なるノズルからのインクジェットによって設けてもよい。
一実施形態では、前記表面改質層は、前記溶液の溶媒を、前記電気コンタクト構造と接触した後に蒸発させることによって設けてもよい。
一実施形態では、前記第1型の有機半導体層(7)は、p型またはn型でもよく、前記第2型の有機半導体層(8)は、存在する場合、前記第1型の有機半導体層(7)がp型であれば、n型であり、前記第1型の有機半導体層(7)がn型であれば、p型である。
一実施形態では、前記有機デバイスは、有機ボトムコンタクト型トランジスタ、トランジスタ−ダイオード、イオン感応性電界効果トランジスタ、有機発光ダイオード、有機ダイオード、および有機CMOS回路からなるリストから選択してもよい。
例えば、前記有機デバイスは、有機ボトムコンタクト型トランジスタであってもよい。
追加の特徴として、前記有機デバイスが有機CMOS回路である場合、ステップ(v)は、第1型の第2表面改質層を、ステップ(ii)で保護された電気コンタクト構造の全てではなく、その幾つかの上に設けるステップと、第2型の第2表面改質層を、ステップ(ii)で保護され、第1型の第2表面改質層が設けられていない電気コンタクト構造の上に設けるステップと、を含んでもよい。
一実施形態では、前記有機デバイスが有機ボトムコンタクト型トランジスタである場合、ステップ(i)は、1つ又はそれ以上のゲート電極(2)を含む基板(1)を用意することと、絶縁層(3)を、前記基板(1)の上および前記1つ又はそれ以上のゲート電極(2)の上に設けることと、コンタクト構造(4)を、前記絶縁層(2)の上に設けることとによって実施してもよく、この場合、前記絶縁層(3)は、ゲート絶縁層(3)であり、前記コンタクト構造(4)は、ソースおよびドレイン電極(4)である。ステップ(ii)は、第1仮保護層(9)を、ソースおよびドレイン電極(4)の幾つかまたは全ての自由表面の上に設けることによって実施してもよい。第1仮保護層(9)を除去するステップ(iv)は、第1表面改質層(6)をゲート絶縁層(3)から除去することなく実施してもよい。第2表面改質層(5)を電気コンタクト構造(4)の上に設けるステップは、第2表面改質層(5)をソースおよびドレイン電極(4)の自由表面の上に設けることを含んでもよい。
第1態様の一実施形態では、該方法は、ステップ(vii)で得られた前記有機デバイスのカプセル封入(encapsulation)をさらに含んでもよい。
第2態様では、本発明は、本発明の第1態様のいずれかの実施形態の方法によって入手可能な有機デバイスに関する。
更なる態様では、本発明は、本発明のいずれかの方法でのいずれかのステップ、例えば、中間ステップの後に得られるようなデバイスに関する。
例えば、一実施形態では、本発明は、下記の構成を備えたデバイスに関するものでもよい。
・電気構造(4)および絶縁部(3)を含む表面を有する基板(1)。
・前記電気コンタクト構造の幾つかまたは全ての上にある第1仮保護層(9)。
例えば、第1態様の一実施形態では、有機ボトムコンタクト型トランジスタ、例えば、良好な電荷移動度、例えば、10−2cm/V・s〜6×10−1cm/V・sの範囲、例えば、5×10−2cm/V・s〜3×10−1cm/V・sの範囲にある電荷移動度を持つ有機ボトムコンタクト型トランジスタを製造する方法が提供され、及び/又は、該方法は、小さなチャネル長、例えば、1マイクロメータ〜10マイクロメータの範囲、例えば、2マイクロメータ〜5マイクロメータの範囲にあるチャネル長を実現できる。
第1態様に係る方法において、基板上に絶縁層を設けた後、そして、例えば、リフトオフ技法または当業者に知られている他の適切な方法によって、ボトムコンタクト構造を設けた後、仮保護層をボトムコンタクト構造の上に設けてもよい。仮保護層を設けることは、例えば、例えば、リフトオフプロセスを用いて、ボトムコンタクト構造の準備の際に実施してもよい。代替として、仮保護層を設けることは、ボトムコンタクト構造を形成した後、別個のステップで実施できる。ボトムコンタクト構造を形成した後、UV−オゾンクリーニングステップを実施してもよい(仮保護層を設ける前または後に)。
次に、第1表面改質層、例えば、シラン層、有機ホスホン酸層、またはカルボン酸層を少なくとも絶縁層表面上に設けてもよい。そして、仮保護層は、第1表面改質層、例えば、シラン層を劣化させない化学処理によって除去してもよい。次のステップでは、第2表面改質層、好ましくは、例えば、チオール(thiol)、有機二硫化物(disulfide)、置換チオ尿素、イソチオシアネート、チオフェン(thiophene)、イミダゾール−2−チオン、セレノール(selenol)、有機二セレン化物(diselenide)、ニトリル、イソニトリル、またはチオ酢酸を含むSAMを、ボトムコンタクトの上に選択的に設けてもよい。その後、良好な結晶形態および良好な移動度を持つ有機半導体層、例えば、ペンタセン層が形成できる。好ましい実施形態では、第1仮保護層及び/又は第2仮保護層は、これらが疎水性表面をもたらすように選択してもよい。
本発明の実施形態に係る方法の利点は、第1表面改質層(例えば、シラン)を設けた後、第2表面改質層(例えば、自己組織化単分子膜、ドーパントまたは、電子受容体とボトムコンタクト金属との部分反応によって(意図的に)作られた化合物)を設けることであり、その結果、第2表面改質層(例えば、自己組織化単分子膜、ドーパントまたは、電子受容体とボトムコンタクト金属との部分反応によって意図的に作られた化合物)の劣化が、第1表面改質層(例えば、シラン)(先行技術の方法のように)を設けることによって回避できることである。
本発明の実施形態に係る方法の利点は、ボトムコンタクト構造、例えば、金のボトムコンタクト構造の上での金属酸化物、例えば、金酸化物の形成が回避できることである。先行技術の方法では、こうした金属酸化物、例えば、金酸化物が、ボトムコンタクトの形成後、UVオゾンクリーニングの際に形成されることがある。本発明の実施形態で記載したように、例えば、仮保護層を設けることによって、ボトムコンタクト構造の上での金属酸化物の形成を回避することは、ボトムコンタクトを形成するための(例えば、金属酸化物層による汚染または劣化なし)リフトオフ技法の使用を可能とし、そして、小さなチャネル長の実現を可能とし、その結果、良好な性能を持つ有機トランジスタをもたらす。本発明の方法が、大きなチャネル長、例えば、数百マイクロメータに達するチャネル長を持つトランジスタを製造するためにも使用可能である。
本発明の実施形態に係る方法の利点は、金以外の他の材料、例えば、UVオゾンクリーニングに耐えられない材料をベースとしたコンタクト、例えば、Ag,Cu,Ni,…,をベースとしたボトムコンタクトを備えたボトムコンタクト型ペンタセントランジスタが製造可能なことである。利点は、これらの材料の価格は、金の価格より低く、より安価な有機回路が製作できることである。ボトムコンタクトは、単一の金属(最終的には、下方に接着層を備える)を備えてもよく、あるいは、ボトムコンタクトは、2つ又はそれ以上の金属、例えば、異なる金属または金属合金を含むスタック層を備えてもよい。
本発明の実施形態では、第1表面改質層を設けることは、好ましくは、絶縁層の表面を親水性から疎水性へ変換する。仮保護層を除去した後、部分的に疎水性で、部分的に親水性である表面が得られる。詳細には、表面は、絶縁層(第1表面改質層を備えた)が存在する場所で疎水性であり、表面は、ボトムコンタクトが存在する場所(即ち、仮保護層を除去した場所)で親水性である。そして、第2表面改質層を設けることは、好ましくは、ボトムコンタクトの表面を疎水性表面に変換し、その結果、表面全体は疎水性になり、良好な結晶形態を備えた有機半導体層の成長を可能にする。
本発明の実施形態の利点は、仮保護層を除去した後、第2表面改質層を設ける前に、疎水性領域(第1表面改質層を備えた絶縁体)と親水性領域(ボトムコンタクト)とを含む表面が利用できることである。表面性質の相違は、例えば、第2表面改質層をボトムコンタクトに選択的に付着させるため、または、試薬を含む溶液または液体をボトムコンタクトに選択的に付着させるために好都合に使用できる。その場合、試薬は、例えば、有機半導体(例えば、プロセスの後の段階でコンタクト上に堆積されるペンタセン)の局所ドーピングのために、または、コンタクト上に注入層を形成するために使用できる。
本発明および、先行技術に対して達成される利点を要約する目的で、本発明の一定の目的および利点を上述している。当然ながら、こうした目的または利点の全てが本発明のいずれか特定の実施形態に従って必ず達成されるわけではないことは理解すべきである。こうして、例えば、本発明が、ここで教示したような1つの利点または複数の利点を達成または最適化するような方法で、ここで教示または提示したような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、具体化または実施できることは、当業者は認識するであろう。さらに、この要約は一例に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。本発明は、添付図面を参照しながら読んだ場合、構成および動作方法の両方にとって、これらの特徴および利点とともに、下記の詳細な説明を参照して最もよく理解できるてあろう。
本発明の特定の好ましい態様は、添付の独立および従属請求項に記述している。従属請求項からの特徴は、適切に、単に請求項に明示的に記述したものとしてでなく、独立請求項の特徴および他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよい。
この分野においてデバイスの一定の改良、変化、進化があるが、本概念は、先の実践からの逸脱を含む実質的に新しく新規な改良を表現していると考えられ、結果として、より有効で、安定した、信頼のあるこの種のデバイスが得られる。
一例として、本発明の原理を図示している添付図面を参照し、下記の詳細な説明から、本発明の上記および他の特性、特徴および利点が明らかになるであろう。この説明は、例示するためだけであり、本発明の範囲を限定していない。下記で引用した参照図面は、添付図面を参照している。
本発明の一実施形態の方法に従って製造できるボトムコンタクト型有機トランジスタを概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。 本発明の方法に従って製造できる、同じ半導体7を用いて2つの異なる種類のソース−ドレインコンタクト(注入層5,10)を持つボトムコンタクト型有機トランジスタを概略的に示す。 本発明の方法に従って製造できる、2つの異なる半導体(7,8)を用いて2つの異なる種類のソース−ドレインコンタクト(注入層5,10)を持つボトムコンタクト型有機トランジスタを概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る方法の際に中間体として得られる、保護されてないソース−ドレインコンタクトおよび保護されたソース−ドレインコンタクト(符号9で覆われた符号4)を備えた基板を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る方法の際に中間体として得られる、ソース−ドレインコンタクトの上部に2つの異なる種類の保護層(11,12)を備えた基板を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係る方法の際に中間体として得られる、単一の保護層12および1つの二重保護層12,11によって保護されたソース−ドレインコンタクトを備えた基板を概略的に示す。 第2表面改質層として1,2−BZDMTチオールを用いた、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したAuボトムコンタクトトランジスタについて、図8(a)は、IDS−VGS特性を示し、図8(b)は、IDS−VDS特性を示す。 第2表面改質層として1,3−BZDMTチオールを用いた、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したAuボトムコンタクトトランジスタについて、図9(a)は、IDS−VGS特性を示し、図9(b)は、IDS−VDS特性を示す。 本発明の一実施形態に係る方法に従って製造した、硫化銀の注入層を備えたAgボトムコンタクトトランジスタについてのIDS−VGS特性を示す。 第1表面改質層としてOTSを用いた、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したPdボトムコンタクトトランジスタについて、図11(a)は、IDS−VGS特性を示し、図11(b)は、IDS−VDS特性を示す。 第1表面改質層としてPETSを用いた、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したPdボトムコンタクトトランジスタについて、図12(a)は、IDS−VGS特性を示し、図12(b)は、IDS−VDS特性を示す。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるペンタフルオロベンゼンチオール系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、先行技術に従って従来のプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるペンタフルオロベンゼンチオール系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるジフェニル二硫化物系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、先行技術に従って従来のプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるジフェニル二セレン化物(diphenyldiselenide)系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるビス(ペンタフルオロフェニル)ジセラン系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、先行技術に従って従来のプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるビス(ペンタフルオロフェニル)ジセラン系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示すもので、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Agの上にある1,2−ベンゼンジチオール系の自己組織化単分子膜とを備えた、Agボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についてのIDS−VGS特性を示す。 図19の同トランジスタについてのIDS−VDS特性を示す。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Agの上にある1,2−ベンゼンジメタンチオール系の自己組織化単分子膜とを備えた、Agボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についてのIDS−VGS特性を示す。 図21の同トランジスタについてのIDS−VDS特性を示す。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Agの上にあるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)系の自己組織化単分子膜とを備えた、Agボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についてのIDS−VGS特性を示す。 図23の同トランジスタについてのIDS−VDS特性を示す。 SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜を備え、Agの上に表面改質層が存在しない、Agボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についてのIDS−VGS特性を示す。 図25の同トランジスタについてのIDS−VDS特性を示す。
異なる図面において、同じ参照符号は同じまたは類似の要素を参照する。
本発明は、特定の実施形態に関して一定の図面を参照しながら説明しているが、本発明はこれによって限定されず、請求項によってのみ限定される。
下記の詳細な説明では、本発明および特定の実施形態でどのように実用化されるかの深い理解を提供するために、多数の具体的な詳細を説明している。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細なしで実施してもよいことは理解されよう。別の例では、本開示を曖昧にしないために、周知の方法、手順および技法は詳細には示していない。本発明は、特定の実施形態に関して、一定の図面を参照しながら説明しているが、本発明はこれによって限定されない。ここに含まれ記載した図面は概略的であり、本発明の範囲を限定するものでない。図面において、幾つかの要素のサイズは強調していることがあり、説明目的のため、スケールどおりに描いていないことに留意する。
さらに、説明および請求項での用語「第1」「第2」「第3」などは、類似の要素を区別するために使用しており、必ずしも時間的または空間的な順番をランキングや他の方法で記述するためではない。ここで使用した用語は、適切な状況下で交換可能であり、ここで説明した本発明の実施形態は、ここで説明したり図示したものとは別の順番で動作可能であると理解すべきである。
さらに、説明および請求項での用語「上(top)」、「下(bottom)」、「の上に(over)」、「の下に(under)」等は、説明目的で使用しており、必ずしも相対的な位置を記述するためのものでない。こうして用いた用語は、適切な状況下で交換可能であって、ここで説明した本発明の実施形態がここで説明または図示した以外の他の向きで動作可能であると理解すべきである。
用語「備える、含む(comprising)」は、それ以降に列挙された手段に限定されるものと解釈すべきでなく、他の要素またはステップを除外していないことに留意する。記述した特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を、参照したように特定するように解釈する必要があるが、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップまたは構成要素、あるいはこれらのグループの存在または追加を除外していない。こうして表現「手段A,Bを備えるデバイス」の範囲は、構成要素A,Bのみから成るデバイスに限定すべきでない。
同様に、用語「結合した(coupled)」は、直接接続のみに限定されるものと解釈すべきでないことに留意する。用語「結合した(coupled)」および「接続した(connected)」は、これらの派生語とともに使用しているかもしれない。これらの用語は、互いに同義語としては意図していないことと理解すべきである。こうして表現「デバイスBと結合したデバイスA」の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力と直接に結合されたデバイスまたはシステムに限定すべきでない。それは、Aの出力とBの入力との間の経路が存在し、これが他のデバイスや手段を含む経路でもよいことを意味する。「結合した」とは、2つ又はそれ以上の要素が直接に物理的または電気的に接触していたり、あるいは、2つ又はそれ以上の要素が互いに直接接触していないが、互いに協力したり相互作用することを意味してもよい。
本明細書を通じて「一実施形態」または「実施形態」への参照は、実施形態との関連で記載した特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書を通じていろいろな場所での「一実施形態」または「実施形態」の語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照していないが、そうこともある。さらに、1つ又はそれ以上の実施形態において、本発明から当業者にとって明らかなように、特定の特徴、構造または特性は、いずれか適切な方法で組み合わせてもよい。
同様に、本発明の例示の実施形態の説明において、本開示を合理化し、本発明の1つ又はそれ以上の種々の態様の理解を支援する目的で、単一の実施形態、図面、または説明において、本発明のいろいろな特徴が一緒にグループ化していることがあると理解すべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求項の発明が、各請求項で明示的に記載したものより多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈すべきでない。むしろ下記の請求項が反映しているように、発明の態様は、単一の前述した実施形態の全ての特徴より少ない場合がある。こうして詳細な説明に追従する請求項は、この詳細な説明の中に明示的に組み込まれており、各請求項は、本発明の別々の実施形態として自立している。
さらに、ここで説明した幾つかの実施形態が、他の実施形態に含まれる幾つかの他でない特徴を含むとともに、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組合せが本発明の範囲内にあって、異なる実施形態を構成することを意味する。例えば、下記の請求項において、請求した実施形態の何れも、何れの組合せで使用可能である。
さらに、実施形態の幾つかが、コンピュータシステムのプロセッサによって、または、その機能を実行する他の手段によって実行できる方法または方法の要素の組合せとして、ここでは説明している。こうして、こうした方法または方法の要素を実行するための必要な命令を備えたプロセッサが、方法または方法の要素を実行する手段を形成する。さらに、装置の実施形態についての、ここで説明した要素が、本発明を実行する目的で要素によって実施される機能を実行する手段の一例である。
ここで提供した説明では、多数の具体的な詳細を説明している。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施してもよいことは理解されよう。別の例では、本説明の理解を曖昧にしないために、周知の方法、構造、および技法は詳細には示していない。
本発明は、本発明の幾つかの実施形態の詳細な説明によって説明している。本発明の他の実施形態が、本発明の真の精神または技術的教示から逸脱することなく、当業者の知識に従って構成できることは明らかであり、本発明は、添付の請求項の用語によってのみ限定される。
トランジスタを参照することにする。これらは、第1主電極、例えば、ドレインと、第2主電極、例えば、ソースと、第1主電極と第2主電極との間の電荷の流れを制御するための制御電極、例えば、ゲートとを有する3端子デバイスである。
本発明の方法は、該方法を有機ボトムコンタクト型トランジスタの製造に用いている例示の実施形態について、さらに説明している。しかしながら、本発明の方法は、他のデバイス、例えば、トランジスタ−ダイオード(ゲートとドレインが電気接続されているトランジスタ)や、例えば、ISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ)や、例えば、OLED(有機発光ダイオード)や、例えば、有機ダイオード、などの製造プロセスに使用することも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造できるボトムコンタクト型有機トランジスタを概略的に示す。ボトムコンタクト型有機トランジスタは、基板1の上に、ゲート電極2と、ゲート絶縁層3とを備える。ゲート絶縁層3の上部には、ソースおよびドレイン電極4が存在しており、ゲート絶縁層3と接触していないソースおよびドレイン電極の表面は、第2表面改質層5によって覆われている。ソースおよびドレイン電極4が存在していない場所にあるゲート絶縁層3の表面は、第1表面改質層6で覆われている。第1表面改質層6および第2表面改質層5の上部には、有機半導体層7が存在する。
本発明の一実施形態に係る、有機デバイス、例えば、有機トランジスタを製造する方法が、基板の上に絶縁層を設けること、絶縁層の上にボトムコンタクト構造を設けること、ボトムコンタクト構造の上に仮保護層を設けること、絶縁層の上に第1表面改質層を設けること、仮保護層を除去すること、ボトムコンタクト構造の上に第2表面改質層を設けること、および、有機半導体層を設けること、を含んでもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る有機トランジスタの製造方法を概略的に示す。基板1の上にゲート電極2およびゲート絶縁層3を形成した後、ゲート絶縁層3の上に、ソースおよびドレイン電極4が設けられる。次に、図2(a)に示すように、仮保護層9が、ソースおよびドレイン電極4の自由表面、即ち、ゲート絶縁層3と接触していない、ソースおよびドレイン電極4の表面の上に設けられる。そして、第1表面改質層6が、ゲート絶縁層3の自由表面の上に設けられる(図2(b))。次に、仮保護層9は除去され(仮保護層9の上部に形成されていたであろう第1表面改質層6を含む)(図2(c))、第1表面改質層6をゲート絶縁層3から除去することはない。そして、第2表面改質層5がソースおよびドレイン電極4の自由表面(そこでは、仮保護層9は除去されている)の上に設けられる(図2(d))。次に、図2(e)に示すように、有機半導体層7が設けられる。
仮保護層を設けることは、例えば、リフトオフプロセスを用いて、ボトムコンタクト構造の準備の際に実施できる。代替として、仮保護層を設けることは、ボトムコンタクト構造を形成した後、例えば、電解析出または無電解析出によって、別個のステップにて実施できる。仮保護層は、金属、例えば、Al,Cu,Mg,Zn,Ti,ZrまたはHfなどを含んでもよく、あるいは、有機材料または無機材料、例えば、ポリマーまたは金属塩または金属酸化物などを含んでもよい。仮保護層は、単一層でもよく、あるいは、2つ又はそれ以上の層のスタックであってもよい。
第1表面改質層は、例えば、シラン、有機ホスホン酸、またはカルボン酸を含み、または、これからなるものでもよい。第1表面改質層の付着は、例えば、試薬の蒸気または(希釈)溶液と表面との反応、スピンコーティング、またはスプレーコーティングを含んでもよい。
仮保護層は、好ましくは、第1表面改質層、例えば、シラン層を劣化させない化学処理によって除去される。例えば、Au,Pt,Pd,AgまたはCuのボトムコンタクトの場合、例えば、Al,MgまたはZnを含む仮保護層が、希釈した塩酸または硫酸を用いて除去できる。例えば、Au,PtまたはPdのボトムコンタクトの場合、Cu保護層が希釈した硝酸によって除去できる。好ましくは、仮保護層を除去するために用いた化学処理は、ボトムコンタクトの酸化を生じさせない。
第2表面改質層は、例えば、チオール(thiol)、有機二硫化物(disulfide)、置換チオ尿素、イソチオシアネート、チオフェン(thiophene)、イミダゾール−2−チオン、セレノール(selenol)、有機二セレン化物(diselenide)、チオ酢酸、ニトリルまたはイソニトリルのうちの1つを含み、または、これからなるものでもよい。第2表面改質層は、薄いことが好ましく(そのため良好な電荷注入を維持できる)、好ましくは、再現性があって均質である。従って、好ましい実施形態では、第2表面改質層は、SAM(自己組織化単分子膜)にできる。第2表面改質層はまた、例えば、電子受容体とボトムコンタクト金属との部分反応によって作られた化合物を含んでもよく、あるいは、ボトムコンタクト−半導体インタフェースにおいて該半導体のドーパントとして機能したり、ボトムコンタクト−半導体インタフェースにおいて半導体への電荷注入を改善する、化合物または化合物の混合物を含んでもよい。
本発明の実施形態では、用語「基板」は、使用したり、その上に有機層またはデバイスが本発明の実施形態に従って形成できるような任意の下地材料を含んでもよい。用語「基板」は、ある層または関心のある部分の下地となる層のための要素を一般に定義するために用いられる、基板は、剛性基板または可撓性基板でもよい。剛性基板の例は、プラスチック、ガラス、鋼、アルミニウム、半導体基板、例えば、Si基板,GaAs基板,SiC基板などである。使用できる可撓性基板は、例えは、PEN箔、PET箔、紙などである。基板の列挙は、限定的なものとは意図しておらず、例示するためだけである。
(例1:Auボトムコンタクト型トランジスタ)
Auボトムコンタクト型有機トランジスタを、ボトム金属コンタクト形成のためにリフトオフを用いた製造プロセスによって準備した。実験では、一般のアルミニウムゲートと、140nm厚の絶縁層(二酸化シリコン)とを備えたシリコン基板を使用した。基板のクリーニング後、パターン化したフォトレジスト層を設け、続いて、20nm厚の金層および5nm厚のアルミニウム層のスパッタリングを含むメタライゼーションステップを行った。次に、リフトオフステップを、アセトンを用いて超音波浴槽の中で行った。トランジスタ構造において、20nm厚の金層は、トランジスタのソースおよびドレインを形成する。5nm厚のアルミニウム層は、本発明の一実施形態に係る仮保護層として機能する。
サンプルのウェットクリーニングおよびUVオゾンクリーニング(15分)の後、シラン処理を行い、PETS(フェニルエチルトリクロロシラン)を140℃の温度で30分間、気相から設けた(第1表面改質層)。次に、5nm厚のアルミニウム保護層を、希塩酸(1体積の濃HCl+5体積のHO)を用いた10分間の反応により除去し、続いて、水中でリンス処理した。次に、Auボトムコンタクトの上に第2表面改質層を設けるために、SAM堆積ステップを行った。第1グループのサンプルでは、チオール(1,2−BZDMT、1,2−ベンゼンジメタンチオール)をエタノール溶液から1200分間で設けた。第2グループのサンプルでは、他のチオール(1,3−BZDMT、1,3−ベンゼンジメタンチオール)をエタノール溶液から1200分間で設けた。次に、サンプルを洗浄し、OMBDを用いてペンタセン層を成長した。
得られたトランジスタデバイスの電流−電圧特性を測定した。図8(a)は、1,2−BZDMTを用いて製造したトランジスタ(上述したような第1グループのサンプル)についてのIDS−VGS特性を示し、図8(b)は、そのIDS−VDS特性を示す。図9(a)は、1,3−BZDMTを用いて製造したトランジスタ(上述したような第2グループのサンプル)についてのIDS−VGS特性を示し、図9(b)は、IDS−VDS特性を示す。これらの電流−電圧特性から、本発明の一実施形態に係る方法を用いて、良好なトランジスタが製造可能であることが判る。達成した移動度(約0.14cm/Vs)は、プロセスの修正(例えば、他のSAMを使用すること)によってさらに改善できる。
(例2:Agボトムコンタクト型トランジスタ)
本発明の一実施形態に係る方法に従って、Agボトムコンタクト型トランジスタを製造する実験を行った。メタライゼーションステップを行って、15nm厚のAu層(接着層として機能する)と20nm厚のAg層(ボトムコンタクト金属として機能し、これからも銀と電子受容体との部分化学反応によって「注入層」が形成できる)のスタック層を設けた。次に、5nm厚のAl保護層をAg層の上に設けた。Au接着層、Ag層およびAl保護層のパターニングを単一リフトオフステップを用いて行った。UVオゾンクリーニングおよびシラン処理(第1表面改質層の形成)の後、Al保護層を希塩酸(1体積の濃HCl+5体積のHO)を用いた10分間の反応により除去した。
次に、Ag層の表面を、電子受容体(硫黄)との化学反応によって改質した。これは、Agコンタクトの表面に硫化銀層(第2表面改質層)を生じさせ、「注入層」を生成する。本発明の文脈において、 注入層は、ボトムコンタクト金属から有機半導体への電荷注入に好都合な層である。
電気測定(IDS−VGS特性)の予備結果を図10に示す。上述した実験から得られた最善のトランジスタの特性を図10に示している。順方向スキャンと逆方向スキャンとの間でヒステリシスが観測された。この結果によれば、トランジスタ特性は、反応時間の増加とともに(硫化銀層の厚さの増加とともに)劣化している。これらのAgボトムコンタクト型トランジスタのトランジスタ特性は、硫黄とAgとの反応時間を減少させて、硫化銀層の厚さを減少させることによって、さらに改善できるであろう。
(例3:Pdボトムコンタクト型トランジスタ)
本発明の一実施形態に係る方法に従って、Pdボトムコンタクト型トランジスタを製造する実験を行った。メタライゼーションステップを行って、5nm厚のTiW層(接着層として機能する)と20nm厚のPd層(ボトムコンタクト金属として機能する)のスタック層を設けた。次に、5nm厚のAl保護層をPd層の上に設けた。UVオゾンクリーニングおよびシラン処理(第1表面改質層の形成)の後、Al保護層を希硫酸(1体積の濃HSO+5体積のHO)を用いた10分間の反応により除去した。シラン処理ステップでは、2つの異なるシランを用いた。第1グループのトランジスタでは、第1表面改質層としてOTS(オクタデシルトリクロロシラン)を用いた。第2グループのトランジスタでは、第1表面改質層としてPETS(フェニルエチルトリクロロシラン)を用いた。
図11(a)は、第1表面改質層としてOTSを用いて、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したPdボトムコンタクトトランジスタについて、IDS−VGS特性を示し、図11(b)は、IDS−VDS特性を示す。図12(a)は、第1表面改質層としてPETSを用いて、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したPdボトムコンタクトトランジスタについて、IDS−VGS特性を示し、図12(b)は、IDS−VDS特性を示す。
測定結果は、先行技術の方法に従って製造したトランジスタと比べて、本発明の一実施形態に係る方法に従って製造したトランジスタではより高い移動度を示している。可能な説明は、このことは、先行技術の製造方法を用いた場合、UVオゾン処理の際の酸化パラジウムの形成に関係しており、一方、本発明の一実施形態に係る仮保護層を使用することは、こうした酸化物の形成を回避していると考えられる。
本発明の一実施形態に係る保護層を使用する更なる利点は、第1表面改質層(例えば、シラン、ホスホン酸、…)との組合せで、第2表面改質層(例えば、ニトリル、イソニトリル)の使用が可能であることである。
(例4:保護層)
Cu保護層を用いて更なる実験を行った。これらの実験は、ブランケット基板(トランジスタが製作されていない)上で行って、本発明の一実施形態に係る方法において、Cuが保護層として使用できるか否かをチェックした。金属(Cu保護層の除去後)と、周囲のSiOの上にあるシラン層との間で疎水性に差があるかを検査することによって、保護層としてのCuの適合性を評価した。次のステップ、即ち、50nm厚のAu層(メタライゼーション)の蒸着、10nm厚のCu層のスパッリング、UV−オゾンクリーニング、シラン処理、および希硝酸(1体積の濃HNO+10体積のHO)を用いた15分間と30分間の反応時間(最適化していない)でのCu保護層の除去、を実施した。
これらの実験から、実際に、金属と、絶縁層上のシラン層との間で疎水性に差があり、Cuが良好な保護層であることを結論できた。Cuは、他の金属、例えば、Au,PtまたはPdを保護するためにも使用してもよい。
(保護層:全体考察)
別の材料が、本発明の実施形態における仮保護層を形成するために使用できる。例えば、Mg,Zn,Ti,ZrまたはHf、有機材料または無機材料、例えば、金属塩または金属酸化物であり、これらはボトムコンタクト金属に対して充分な接着性を有し、該プロセス(例えば、リフトオフ)に適合しており、その後、第1表面改質層に影響を与えずに除去できる。これらの材料の混合物または組合せも仮保護層を形成するために使用できる。仮保護層を形成するために使用される材料は、好ましくは、ボトムコンタクト金属と反応せず、好ましくは、ボトムコンタクト金属を改質したり汚染したりしない。好ましくは、仮保護層は、ボトムコンタクト金属を攻撃しないで除去できる。例えば、Au,Pd,AgおよびPtの上にあるAl保護層は、ボトムコンタクト金属を攻撃しない希釈したHCl,HSO,…、酸によって除去できる。例えば、Auの上にあるCu保護層は、希釈HNOによって除去できるが、Agの上にあるCu保護層は、希釈HNOによって除去できない。理由は、HNOはAgを攻撃できるからである。
本発明の実施形態において、仮保護層は、上述した実験でのように、リフトオフプロセスを用いてボトムコンタクト構造の準備の際に形成できる。しかしながら、本発明の実施形態では、仮保護層は、ボトムコンタクトの形成を仕上げた後に設けてもよい。例えば、仮保護層は、電解析出処理(全てのボトムコンタクトとの電気接続を必要とする)を用いて設けてもよい。電解析出される材料は、金属またはポリマー(例えば、そのモノマーから電気化学重合によって直接製作される)でもよい。ポリマーの場合、モノマー水溶液から電解析出を行ってもよく、仮保護層の除去は有機溶媒中のポリマーの溶解を含んでもよい。
金属の仮保護層の除去は、上述したような希釈した酸を用いて行ってもよい。幾つかの実施形態では、例えば、仮保護層としてアルミニウムを用いた場合、仮保護層は、希釈した塩基によって除去できる。代替として、金属の仮保護層の除去は、選択したボトムコンタクト構造上で電気化学処理によって行ってもよい。こうした処理は、ボトムコンタクト金属が仮保護層の金属よりも「不活性(noble)」であることを必要とするであろう。
本発明の実施形態に係る方法を、例えば、Agボトムコンタクトを用いたトランジスタについて上述したように、電荷注入を改善する目的で(コンタクト抵抗の減少)、ボトムコンタクトの表面改質を提供するために使用できる。その場合、キャリア注入を改善するために、硫化銀が形成される。この方法は、銅ボトムコンタクトを用いて使用でき、電荷移動錯体、例えば、CuTCNQ(TCNQは、テトラシアノキノジメタンを意味する)は、銅ボトムコンタクトから化学反応によって成長できる。先行技術のプロセスにおいて、絶縁層上のシラン層なしで、CuTCNQを使用している。理由は、CuTCNQが、シラン処理の際に化学的に攻撃されることがあるからである。本発明の実施形態では、次のプロセスシーケンス、即ち、絶縁層およびCuボトムコンタクトを用意すること、仮保護層をCuボトムコンタクトの上に設けること、第1表面改質層(例えば、シラン処理)を絶縁層表面に設けること、仮保護層をCuボトムコンタクトから除去すること、TCNQをCuボトムコンタクト上に設けて、CuTCNQを形成すること、最後に、有機半導体層を成長させること、が使用できる。他の電荷移動錯体(例えば、AgTCNQ)および他のイオン性塩(例えば、銅カルコゲニド、銀カルコゲニド)について同様な方法が使用できる。
本発明の一実施形態に係る方法を、コンタクトから有機半導体への電荷注入を改善する目的で、コンタクトの選択的ドーピングのためにも使用できる(即ち、コンタクトのドーピング、チャネルでの無ドーピング)。これは、例えば、溶解処理(例えば、スピンコーティングまたは浸漬(dip)コーティング、)によって達成できる。仮保護層の除去後、金ボトムコンタクトは親水性であり、一方、チャネルでの絶縁体は、シラン処理に起因して疎水性になる。サンプルを溶液(液体)中に浸漬した場合、またはサンプルを液体でコートした場合、液体(例えば、TCNQを含む)が、親水性の金ボトムコンタクトの上に残留し、疎水性の絶縁体表面には残留しない。溶媒を蒸発させることにより、Auの上に薄い層(例えば、TCNQ)を生じさせる。TCNQは、例えば、ペンタセントランジスタの局所ドーパントとして機能する。
同様に、溶解性の電荷移動錯体(例えば、TTF−TCNQ。TTFは、テトラチアフルバレンを意味する)を、スピンコーティングまたは浸漬コーティングによってコンタクトの上に局所的に堆積してもよい。
本発明の一実施形態に係る方法を、有機CMOS回路を製作するためのプロセスで使用してもよい。この場合、例えば、2つの異なるドーパントまたは電荷移動錯体が、異なるボトムコンタクトの上に、親水性のボトムコンタクトに親和性を有し、絶縁層の上にある疎水性のシラン層に親和性がないインク溶液を用いて、インクジェット方式(2つの異なるノズルを持つプリントヘッドを用いて)で設けられる。
(例5:異なる特性を持つトランジスタ(例えば、CMOS回路)の製造への本発明の応用)
本発明の一実施形態に係る方法は、電気的特性で相違点がある2つの異なる種類のトランジスタ(図3)または、図4に示すようなCMOSタイプ(8=他の半導体、例えば、7=p型であれば、8=n型。その逆も同様)を備えた基板の準備のために使用できる。
(原理)
本発明の一実施形態では、保護層が、ボトムゲートトランジスタのボトムS/Dコンタクトの一部の上に存在するのみである。これは、例えば、2つの異なるメタライゼーションを用いて2つの連続的なフォトリソグラフ工程を行うことによって実現できる。一方のメタライゼーションは、S/Dコンタクトの一部についてであり、他方のメタライゼーションは、追加の保護層(9)を用いたS/Dコンタクトの一部についてである。代替として、マスク(および回路)設計に依存して、1つのフォトリソグラフ工程だけが必要になる。メタライゼーションでの相違は、最初にS/Dボトムコンタクト金属をいずれの場所にも堆積して、そして、保護層の堆積(これはリフトオまたはエッチングの前に行う必要がある)前に、基板のエリアを選択的にマスキング(例えば、シャドーマスクによる)を行うことによって得られる。代替として、1つのフォトリソグラフ工程だけを使用すると、S/Dコンタクト金属および保護層がいずれの場所にも堆積され、その結果、選択した場所にある保護層の部分除去(例えば、ウエハの限定された部分のみをエッチャント溶液の中に浸漬することによって)が行われる。
図5に示すように、同じウエハ(またはダイ)上に保護および未保護のS/Dボトムコンタクトを備えた基板を準備した後、プロセスは、次のように続く。最初に基板を溶媒クリーニングによって洗浄し、もしS/Dメタライゼーションの化学安定性と適合しない場合は、基板はUV/O3または酸素プラズマ等によってさらに洗浄する。そして、第1自己組織化単分子膜5を、保護していないS/Dボトムコンタクトの上に堆積する(溶液または気相から)。その後、自己組織化単分子膜5を除去することなく、保護されたS/Dボトムコンタクトの保護9を除去する(典型的には溶液から)。そして、第1自己組織化単分子膜5に著しい影響を与えることなく(交換反応が無いか、制限されたもの)、基板は、現段階で保護されていない金属の上に選択的に第2自己組織化単分子膜10を形成する化合物が設けられる。基板の溶媒系クリーニング(短いリンス処理)の後、ゲート絶縁体の上での他の自己組織化単分子膜の堆積と、1つの半導体7を堆積し(図3)、(任意のカプセル封入の後)トランジスタを測定する。他の実施形態では、2つの異なる半導体を2種類のボトムコンタクトの上に選択的に(シャドーマスクを用いて)蒸着できる(図4)。
ここで、自己組織化単分子膜の交換反応について可能性のある課題を解決する方法についての一般的な考察を説明する。
第1表面改質層(例えば、自己組織化単分子膜SAM1)の顕著な置換なしで、第2表面改質層(例えば、自己組織化単分子膜SAM2)の選択的堆積のために異なる方策が採用できる。
・第2表面改質層(例えば、SAM2)が選択でき、その結果、金属との結合強度は、金属との第1表面改質層(例えば、SAM1)の結合強度より低い(第1表面改質層(例えば、SAM1)−金属および第2表面改質層(例えば、SAM2)−金属結合の熱力学的安定性の差)。
・金属との第1表面改質層(例えば、SAM1)結合が、地の金属上での第2表面改質層(例えば、SAM2)の固定と比べて、第2表面改質層(例えば、SAM2)による置換が極めてゆっくり生ずるだけであるような高密度な層を形成することができる(反応速度論での差)。
・基板は、第2表面改質層(例えば、SAM2)ガスと接触できる。これは、第1表面改質層(例えば、SAM1)と第2表面改質層(例えば、SAM2)との間の運動交換を低速にするであろう。
可能性のある処理フロー(図3と図4に示す)は、下記のようになる。
1.金属としてAuを備えたボトム・ゲート・ボトムコンタクト型トランジスタの準備。
2.選択したS/Dコンタクトを、アルミニウム保護層で部分的に覆う。
3.洗浄。アセトン、IPAのリンス処理、UV/Oを用いたクリーニング。
4.ゲート絶縁体の堆積(必要に応じて。例えば、SiO上のシラン)。
5.保護層の除去を回避する方法でのSAM1の堆積(チオールの幾つかの溶液が、アルミニウムを攻撃するのに充分な酸となり得る)。可能性1:SAM1(例えば、チオール)を気相から堆積する(アルミニウムの完全な攻撃を回避すべき)。可能性2:有機の二硫化物(disulfide)または二セレン化物(diselenide)(アルキル二硫化物、アリール二硫化物、アルキル二セレン化物、アリール二セレン化物など)を使用し、チオール(およびセレノール)の二硫化物および二セレン化物と接触させる。典型的には、保護層を攻撃できる酸水素(acid hydrogen)を保有していない。
5’.必要に応じたリンス処理
6.希釈した酸を用いて保護層を除去する。金属上に固定されたSAM1の攻撃を回避するために充分に希釈する。アルミニウムを保護層として使用した場合、希釈した塩基も作用するかもしれない。
6’.必要に応じたリンス処理
7.SAM1の除去なしで、地の金属の上での溶液または気相からのSAM2の堆積(例えば、ジフェニル二硫化物を用いて、フェニル硫化物−Au結合(SAM1)および、SAM2としてエタノール溶液からペンタフルオロベンゼンチオールを作製する場合に、可能になるであろう。説明:フッ素原子は強い電気陰性度であり、フッ素原子が不在の場合よりもS−Au結合の結合電子をSに引き寄せ、そのため、S−Au結合は、フッ素化分子にとってより弱くなってしまう)。
7’.必要に応じたリンス処理
8.絶縁体上の自己組織化単分子膜の堆積(必要に応じて、ポイント4の下でまだ行っていない場合)。
9.1つの半導体(図3)または2つの異なる半導体(図4)の堆積。
本発明の更なる実施形態では、2つの異なる保護層を使用してもよく、自己組織化単分子膜(例えば、SiO上のシラン)による絶縁体の改質の際に生ずる可能性のある変化に対して、S/Dボトムコンタクト金属を保護する。基板は、図6に示すように、第1保護層11を一方のグループのS/Dボトムコンタクトの上に、第2(異なる)保護層12を他方のS/Dボトムコンタクトの上に堆積することによって製作できる。第2保護層はまた、図7に示すように、第1保護層の上部に堆積できる。この種類の保護は、例えば、保護層材料の1つが、例えば、UV/Oを含むクリーニングステップから損傷を受ける場合に有用であろう。この場合、追加の保護層を第1保護層の上部に堆積できる。
例えば、AuのS/Dボトムコンタクト基板が製作でき、その場合、ボトムコンタクトの一部がアルミニウムによって覆われ、他の部分が銅によって覆われて(図6と類似)、あるいは、銅によって全てが覆われ、さらにアルミニウムによってその幾つかが覆われている(図7と類似)。溶媒クリーニングおよびUV/O露出の後、自己組織化単分子膜をゲート絶縁体の上に堆積する(例えば、シラン)。そして、アルミニウムは、銅を腐食しない希釈した酸(例えば、希塩酸または希硫酸)または塩基溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)によって除去される。そして、自己組織化単分子膜(例えば、チオール)を地のAuボトムコンタクトの上に堆積する。その後、残りのAuのS/Dボトムコンタクト上にある銅保護層が、希硝酸を用いた処理によって除去される。そして、他の自己組織化単分子膜(例えば、チオールまたは二硫化物から)を、現時点で保護されていないAuボトムコンタクトの上に堆積する。そして、単一の半導体の堆積は、異なる電気的特性を備えた2種類のトランジスタをもたらすであろう。一方、p型半導体およびn型半導体を選択的に(例えば、シャドーマスク技法を用いて)、ボトムコンタクト上に異なる自己組織化単分子膜を備えたトランジスタの上に堆積する場合、CMOS回路ブロックの構築が可能であろう。
本発明の他の実施形態では、選択的な脱保護(deprotection)を許容するために、多重保護層が使用できる。例えば、同じ基板上で、3つの異なる種類のボトムコンタクト、即ち、保護していない金属、アルミニウム保護層で保護された金属、銅保護層で保護された金属、が存在できる。これにより、次のプロセスが可能になる。(クリーニングおよび任意であるゲート絶縁体へのSAMの堆積の後):地の金属の上でのSAM1の堆積、Alで保護された金属の選択的な脱保護(例えば、銅を攻撃しない希塩酸または希硫酸を用いる)、現時点で保護されていない金属上でのSAM2の堆積、Cuで保護された金属の脱保護(希硝酸を用いる。SAM1とSAM2の選択肢に制限を付与するであろう。これらは、この酸に対して安定である必要がある)、SAM3の堆積、絶縁体へのSAMの堆積(必要に応じて)、半導体の堆積。
(例6:ペンタセン・ボトムコンタクト型トランジスタの特性の改善)
本発明の実施形態に従って得られた、ペンタセン・ボトムコンタクト型トランジスタの特性の改善は、金ボトムコンタクト上で自己組織化した有機硫黄または有機セレンの単分子膜、およびSiOゲート絶縁体上で自己組織化したシラン単分子膜を用いた、先行技術の従来の方法で得られるペンタセントランジスタの比較によって示した。こうしたトランジスタは、次の2つの異なる方法で準備した。(a)金ボトムコンタクト上で有機硫黄または有機セレンの自己組織化単分子膜の溶液堆積と、続いてSiOゲート絶縁体上でシラン系の自己組織化単分子膜の気相堆積による「先行技術」の方法。(b)自己組織化単分子膜の各堆積のシーケンスを反転した(シラン処理工程の際、Auボトムコンタクト上の追加の表面改質層を用いて)、本発明の一実施形態に係る方法。
(実験)
Auボトムコンタクト有機トランジスタを、ボトム金属コンタクトの形成のためにリフトオフを用いた製造プロセスによって準備した。実験では、一般のアルミニウムゲートと、140nm厚の絶縁層(二酸化シリコン)とを備えたシリコン基板を使用した。基板のクリーニング後、パターン化したフォトレジスト層を設け、続いて、50nm厚の金層および5nm厚のアルミニウム層のスパッタリングを含むメタライゼーションステップを行った。次に、リフトオフステップを、アセトンを用いて超音波浴槽の中で行った。トランジスタ構造において、50nm厚の金層は、トランジスタのソースおよびドレインを形成する。5nm厚のアルミニウム層は、本発明の一実施形態に係る仮保護層として機能する。
サンプルのウェットクリーニングおよびUVオゾンクリーニング(15分)の後、シラン処理を行い、PETS(フェニルエチルトリクロロシラン)を140℃の温度で30分間、気相から設けた(第1表面改質層)。次に、5nm厚のアルミニウム保護層を、希塩酸(1体積の濃HCl+5体積のHO)を用いた10分間の反応により除去し、続いて、水中でリンス処理した。次に、Auボトムコンタクトの上に第2表面改質層を設けるために、SAM堆積ステップを行った。次のこれら異なる種類の自己組織化単分子膜を試験した。(a)ペンタフルオロベンゼンチオール(CSH、Au−S−C結合で固定)。エチルアルコール中のペンタフルオロベンゼンチオールの10ミリモル溶液から堆積した(1時間の反応時間)。(b)ジフェニル二硫化物(C−Se−Se−C、Au−Se−C結合で固定)。アセトニトリル中の5ミリモル溶液から堆積した(4時間の反応時間)。(c)ビス(ペンタフルオロフェニル)ジセラン(C−Se−Se−C、Au−Se−C結合で固定)。アセトニトリル中の5ミリモル溶液から堆積した(4時間の反応時間)。
堆積の後、基板を無水エチルアルコールを用いてリンス処理し、窒素フローで慎重に乾燥した。そして、OMBDを用いてペンタセン層を成長した。
比較のため、先行技術に係るペンタセントランジスタ((a)〜(c)で説明したように堆積した有機硫黄または有機セレンの単分子膜を用いてAu\SiO基板で製作し、続いて、140℃で30分間のPETSを用いたシラン処理を行った)を準備した。
全ての調査した組合せ(表1を参照)について、本発明の実施形態に従って準備したペンタセントランジスタの移動度は、先行技術に従って処理したものより高い。
表1:先行技術プロセスおよび本発明の実施形態に従って、Auボトムコンタクト上の種々の自己組織化単分子膜を用いて、PETSを用いたシラン処理(140℃、30分間)で準備した、ペンタセントランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)の移動度と閾値電圧。示した値は、同じ基板上で5つの異なるトランジスタの測定時に得られた平均値±標準偏差として表記している。
Figure 2013508989
図13と図14は、SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるペンタフルオロベンゼンチオール系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示している。図13では、先行技術に従って従来のプロセスを使用し、図14では、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。
図15と図16は、SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるジフェニル二硫化物系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示している。図15では、先行技術に従って従来のプロセスを使用し、図16では、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。
図17と図18は、SiOゲート絶縁体の上にあるフェニルエチルトリクロロシラン(PETS)系の気相堆積した自己組織化単分子膜と、Auの上にあるビス(ペンタフルオロフェニル)ジセラン系の自己組織化単分子膜とを備えた、Auボトムコンタクトトランジスタ(W/L=5000/10 μm/μm)についての典型的なIDS−VGS特性を示している。図17では、先行技術に従って従来のプロセスを使用し、図18では、本発明の一実施形態に係るプロセスを使用した。
(例7)
サンプルを、本願で前述した方法に従って準備した。Si上のAl裏面、SiO絶縁体(約127nm厚)、および5nmのTi(蒸着(evap))、25nmのAg(蒸着)、5nmのAl(蒸着)からなるメタライゼーションを備えたトランジスタ基板を、前述したようなフォトリソグラフィおよびリフトオフによって準備した。アセトン、イソプロピルアルコールを用いたクリーニングの後、窒素を用いて乾燥し、フェニルエチルトリクロロシラン(PETS)単分子膜を気相から堆積した。そして、1体積のHClと5体積の脱イオン水とを混合した溶液で、5分間、Al保護層を除去した。脱イオン水、アセトン、、イソプロピルアルコールを用いてリンス処理した後、窒素フロー下で乾燥し、サンプルを下記のように処理した。
・1つのサンプルを、無水エタノール中の1,2−ベンゼンジチオールの5ミリモル溶液の中に10分間置いて、その後、無水エタノールを用いてリンス処理し、窒素フロー下で乾燥した(最終トランジスタの対応する結果を図19と図20に示す)。
・第2サンプルを、無水エタノール中の1,2−ベンゼンジメタンチオールの5ミリモル溶液の中に10分間置いて、その後、無水エタノールを用いてリンス処理し、窒素フロー下で乾燥した(最終トランジスタの対応する結果を図21と図22に示す)。
・第3サンプルを、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS。文献(H.C. Stark, Clevios P VP A1 4083)から)を用いてスピンコーティング(6000rpm、60秒)で被覆した(最終トランジスタの対応する結果を図23と図24に示す)。
・最後のサンプルを表面改質なしで用いた(最終トランジスタの対応する結果を図25と図26に示す)。
そして、前述のように、ペンタセンを気相から堆積し、得られたトランジスタを窒素充填グローブボックス内で測定した。
図19〜図24に示した対応する結果は、使用したトランジスタ基板の短いチャネル長(10μm)で比較的高い飽和移動度を示している。チオールで修飾した銀コンタクトによるペンタセンの中への注入は良好であり、飽和移動度は、0.1〜0.2cm/(V・s)の範囲であった(図19,図20,図21,図22)。PEDOT:PSSで修飾した銀コンタクトを持つトランジスタ(図23と図24)でも、未処理の銀コンタクト(0.02cm/(V・s)、図25と図26)より著しく高い飽和移動度(0.05cm/(V・s)を示した。
本発明に係るデバイスについて好ましい実施形態、特定の構造および構成、そして材料をここで議論したが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、形態および詳細について種々の変化または変更が可能であると理解すべきである。例えば、上述したいずれの方法は、使用できる手順の代表的なものに過ぎない。機能性は、ブロック図に追加したり、ブロック図から削除してもよく、機能ブロック間で交換してもよい。ステップは、本発明の範囲内で、説明した方法に追加または削除してもよい。

Claims (83)

  1. 有機デバイスを製造する方法であって、
    (i)電気コンタクト構造(4)および絶縁部(3)を備えた表面を有する基板(1)を用意するステップと、
    (ii)第1仮保護層(9)を、前記電気コンタクト構造(4)の幾つかまたは全ての上に設けるステップと、
    (iii)第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けること、及び/又は、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けるステップと、
    (iv)第1仮保護層(9)を除去するステップと、
    (v)第2表面改質層(5)を、ステップ(ii)で保護された電気コンタクト構造の上に設けるステップと、
    (vi)前記第1表面改質層(6)を、ステップ(iii)で設けていなければ、絶縁部(3)の上に設けるステップと、
    (vii)有機半導体層(7)を、前記第1表面改質層(6)の少なくとも一部の上に、および前記第2表面改質層(5)の上に、そして、もし存在すれば、前記第3表面改質層(10)の上に設けて、これにより前記有機デバイスを得るステップ、あるいは、第1型の有機半導体層(7)を、前記第2表面改質層(5)の上および前記第1表面改質層(6)の一部の上に設け、そして、第2型の有機半導体層(8)を、前記第3表面改質層の上および前記第1表面改質層(6)の他の一部の上に設けて、これにより前記有機デバイスを得るステップと、を含む方法。
  2. ステップ(i)は、
    ・基板(1)を用意することと、
    ・絶縁膜(3)を前記基板(1)の上に設けることと、
    ・電気コンタクト構造(4)を、前記絶縁膜(3)の上に設けることと、を含み、
    これにより電気コンタクト構造(4)および絶縁部(3)を含む表面を有する基板(1)を形成する、請求項1記載の方法。
  3. ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の全ての上に設けており、その場合、ステップ(iii)は第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設けることを含み、ステップ(vi)を行わず、ステップ(vii)は、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)および前記第2表面改質層(5)の上に設けることを含み、これにより前記有機デバイスを得ている請求項1または2記載の方法。
  4. ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上だけに設けており、その場合、ステップ(iii)では第1表面改質層(6)を絶縁部(3)の上に設け、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けており、ステップ(vi)を行わず、ステップ(vii)では、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)、前記第2表面改質層(5)および前記第3表面改質層(10)の上に設けており、これにより前記有機デバイスを得ている請求項1または2記載の方法。
  5. ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上だけに設けており、その場合、ステップ(iii)は、第3表面改質層(10)を、ステップ(ii)で保護されていない前記電気コンタクト構造(4)の上に設けることを含み、ステップ(vi)は、前記第1表面改質層(6)を、絶縁部(3)の上に設けることを含み、ステップ(vii)では、有機半導体層(7)を前記第1表面改質層(6)、前記第2表面改質層(5)および前記第3表面改質層(10)の上に設けており、これにより前記有機デバイスを得ている請求項1または2記載の方法。
  6. ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上に設けており、追加のステップがステップ(ii)とステップ(iii)との間で実施され、その場合、第2仮保護層(12)が、前記第1仮保護層(9)を設けていない電気コンタクト構造(4)の上に少なくとも設けられる請求項1または2記載の方法。
  7. ステップ(ii)において、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造(4)の全ての上に設けており、その場合、追加のステップがステップ(ii)とステップ(iii)との間で実施され、その場合、第2仮保護層(12)が、前記第1仮保護層(9)で覆われていない前記電気コンタクト構造(4)の幾つかの上に設けられる請求項1または2記載の方法。
  8. 電気構造(4)を、ステップ(i)において第1フォトリソグラフ・メタライゼーションステップによって設けており、前記第1仮保護層(9)を、ステップ(ii)において第2フォトリソグラフ・メタライゼーションステップによって設けている請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ステップ(ii)は、例えば、シャドーマスク、前記電気コンタクト構造(4)の一部を用いた、マスキングを含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. ステップ(ii)は、最初に、第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の全ての上に設けるステップと、続いて、前記第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つから除去し、これにより第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つかの上に設けるステップとを含む請求項4〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第1仮保護層(9)を前記電気コンタクト構造の幾つからから除去する前記ステップは、ステップ(ii)で除去される前記第1仮保護層(9)を、エッチャント溶液に選択的に接触させることを含む請求項10記載の方法。
  12. 第1仮保護層を設けることは、リフトオフプロセスを用いて行う請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記第1仮保護層を設けることは、電気コンタクト構造(4)の準備の際に行う請求項12記載の方法。
  14. 前記電気コンタクト構造(4)を設けるステップおよび前記第1仮保護層(9)を設けるステップは、前記第1表面改質層(6)を設ける前に、前記電気コンタクト構造(4)および前記第1仮保護層(9)を単一のリフトオフ工程でパターニングするステップを含む請求項12または13記載の方法。
  15. 第1仮保護層(9)は、電気コンタクト構造(4)を形成した後に設けている請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  16. 前記第1仮保護層(9)を設けるステップの後で、前記第1仮保護層(9)を除去するステップの前に、クリーニング工程を行うステップをさらに含む請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第1仮保護層(9)は、電解析出または無電解析出によって設けている請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記第1仮保護層(9)は、有機材料または無機材料を含む請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記無機材料は、金属、金属塩または金属酸化物である請求項18記載の方法。
  20. 前記金属は、Al,Cu,Mg,Zn,Ti,Zr,Hfの混合物およびこれらの組合せからなるリストから選択される請求項19記載の方法。
  21. 前記有機材料は、ポリマーである請求項18記載の方法。
  22. 前記ポリマーは、そのモノマーの電気化学重合によって、前記電気コンタクト構造の上に堆積される請求項21記載の方法。
  23. 前記モノマーは、水溶液から堆積される請求項22記載の方法。
  24. 前記第1仮保護層(9)は、2つ又はそれ以上の層からなるスタックである請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記第1仮保護層(9)は、2〜10nm厚である請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 第1表面改質層(6)の付着は、試薬の蒸気または溶液との表面反応を含む請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 第1表面改質層(6)の付着は、スピンコーティングまたはスプレーコーティングを含む請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 第1仮保護層(9)を除去するステップは、第1表面改質層(6)を劣化させない化学処理で行う請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記第1仮保護層(9)は有機であり、前記第1仮保護層は有機溶媒への溶解によって除去される請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記第1仮保護層(9)は、電気コンタクト構造(4)の金属の酸化還元電位より低い酸化還元電位を有する金属を含み、
    前記金属は、電気化学プロセスで除去される請求項19記載の方法。
  31. クリーニング工程は、ステップ(iii)の後で、ステップ(iv)の前に実施する請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
  32. 第1表面改質層(6)は、シラン、有機ホスホン酸、またはカルボン酸を含む請求項1〜31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記シランは、オクタデシルトリクロロシランおよびフェニルエチルトリクロロシランからなるグループから選択される請求項32記載の方法。
  34. 前記第1表面改質層および前記電気コンタクト構造は、それぞれ互いに疎水性および親水性である請求項1〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記電気コンタクト構造(4)は、下部接着層と、前記下部接着層に直接に隣接し、前記下部接着層よりも基板(1)から遠くにある上部層とを含む請求項1〜34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記下部接着層は2〜30nm厚であり、前記上部層は10〜40nm厚である請求項35記載の方法。
  37. 前記電気コンタクト構造(4)は、12〜70nmの厚さ、好ましくは20〜50nmの厚さを有する請求項1〜36のいずれかに記載の方法。
  38. 前記電気コンタクト構造(4)は、Au,Pt,Pd,AgまたはCuを含み、またはこれで製作される請求項1〜37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記電気コンタクト構造(4)は、金またはチタンの下部接着層と、銀の上部層とを含む請求項38記載の方法。
  40. 前記電気コンタクト構造(4)は、Au,PtまたはPdを含み、またはこれで製作される請求項38記載の方法。
  41. 前記電気コンタクト構造(4)は、下部接着層としてTiWと、下部接着層に直接に隣接し、前記下部接着層よりも基板(1)から遠くにある上部層としてPdとを含む請求項40記載の方法。
  42. 前記電気コンタクト構造は、上部層として金を含み、または金からなり、第1表面改質層はAlを含む請求項40記載の方法。
  43. 前記第1仮保護層(9)は、Al,MgまたはZnを含む請求項38記載の方法。
  44. 前記第1仮保護層(9)は、Alを含む請求項39または43記載の方法。
  45. 前記第1仮保護層(9)は、Cuで製作される請求項40記載の方法。
  46. 第1および第2仮保護層(12)が設けられ、前記第1仮保護層(9,11)はCuであり、前記第2仮保護層(12)はAlである請求項40記載の方法。
  47. 前記第1仮保護層(9,11)は、希釈した酸、例えば、塩酸または硫酸を用いて除去される請求項42,43または44記載の方法。
  48. 前記第1仮保護層(9,11)は、希釈した塩基によって除去される請求項42または44記載の方法。
  49. 前記希釈した酸は、1体積の濃酸と、2〜10体積の水、好ましくは、4〜6体積の水とを含む請求項47記載の方法。
  50. Cu保護層は、希釈した硝酸を用いて除去される請求項45記載の方法。
  51. 前記希釈した酸は、1体積の濃硝酸と、5〜20体積の水とを含む請求項50記載の方法。
  52. 前記希釈酸または前記希釈塩基との接触時間は、5〜60分である請求項47〜51のいずれかに記載の方法。
  53. クリーニング工程は、ステップ(iv)の後でステップ(v)の前に実施する請求項1〜52のいずれかに記載の方法。
  54. クリーニング工程は、ステップ(v)の後でステップ(vi)の前に実施する請求項1〜53のいずれかに記載の方法。
  55. 前記第1表面改質層(6)は、前記第2表面改質層(5)及び/又は前記第3表面改質層(10)とは相違している請求項1〜54のいずれかに記載の方法。
  56. 前記相違点は、第1表面改質層および第2表面改質層(5)の化学的性質である請求項55記載の方法。
  57. 前記第2表面改質層(5)及び/又は第3表面改質層(10)は、チオール、有機二硫化物、置換チオ尿素、イソチオシアネート、チオフェン、イミダゾール−2−チオン、セレノール、有機二セレン化物、チオ酢酸、ニトリルまたはイソニトリルのうちの1つを含む請求項1〜56のいずれかに記載の方法。
  58. 前記第2表面改質層(5)は、電荷移動錯体を含む請求項1〜57のいずれかに記載の方法。
  59. 前記電荷移動錯体は、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンである請求項58記載の方法。
  60. 前記第2表面改質層(5)及び/又は前記第3表面改質層(10)は、自己組織化単分子膜である請求項1〜59のいずれかに記載の方法。
  61. 前記第3表面改質層(10)は、電気コンタクト構造(4)との結合強度が、電気コンタクト構造(4)との第2表面改質層(5)の結合強度より低くなるように選択された自己組織化単分子膜である請求項60記載の方法。
  62. 前記第2表面改質層(5)は、ジフェニル二硫化物であり、前記第3表面改質層(10)は、ペンタフルオロベンゼンチオールである請求項61記載の方法。
  63. 前記第3表面改質層(10)は自己組織化単分子膜であり、
    前記第2表面改質層(5)は、それが設けられた電気コンタクト構造の表面を飽和させるように設けられる請求項60または61記載の方法。
  64. 前記第2及び/又は前記第3表面改質層(10)は、ガスとして設けられる請求項60記載の方法。
  65. 前記電気コンタクト構造(4)は、銅または銀で製作され、あるいは、銅または銀の上部層を有し、
    前記第2表面改質層(5)は、前記銅または銀を、テトラシアノキノジメタン、硫黄、セレンと反応させることによって設けられる請求項1〜56のいずれかに記載の方法。
  66. 前記第1表面改質層(6)、第2表面改質層(5)および任意の第3表面改質層(10)を設けた後、前記有機半導体層(7)を設けるステップの前に、クリーニング、好ましくは、溶媒クリーニングを実施するステップをさらに含む請求項1〜65のいずれかに記載の方法。
  67. 前記有機半導体層は、ペンタセンまたはペンタセン誘導体である請求項1〜66のいずれかに記載の方法。
  68. 前記電気コンタクト構造(4)は、金属で製作され、
    前記方法は、電気コンタクト構造(4)−半導体層(7)インタフェースにおいて該半導体のドーパントとして機能したり、あるいは、電気コンタクト構造(4)−半導体層(7)インタフェースにおいて半導体への電荷注入を改善する、電子受容体または化合物または化合物の混合物と、電気コンタクト構造を反応させるステップをさらに含む請求項1〜67のいずれかに記載の方法。
  69. 前記電気コンタクト構造は、銀または銅からなり、あるいは、上部層として銀または銅を含み、
    前記電子受容体は、硫黄またはセレンである請求項68記載の方法。
  70. 前記電気コンタクト構造は、銅からなり、あるいは、上部層として銅を含み、
    前記電子受容体は、テトラシアノキノジメタンである請求項68記載の方法。
  71. 前記第2表面改質層(10)は、前記電気コンタクト構造(4)を反応物質の溶液と接触させることによって設けられる請求項1〜70のいずれかに記載の方法。
  72. 前記溶液は、絶縁層上の第1表面改質層(6)よりも、電気コンタクト構造についてより多くの親和力を有する請求項71記載の方法。
  73. 前記溶液は、スピンコーティング、浸漬コーティング、またはインクジェットによって設けられる請求項71記載の方法。
  74. 前記溶液は、プリントヘッドの2つの異なるノズルからのインクジェットによって設けられる請求項73記載の方法。
  75. 前記表面改質層は、前記溶液の溶媒を、前記電気コンタクト構造と接触した後に蒸発させることによって設けられる請求項71記載の方法。
  76. 前記第1型の有機半導体層(7)は、p型またはn型であり、
    前記第2型の有機半導体層(8)は、存在する場合、前記第1型の有機半導体層(7)がp型であれば、n型であり、前記第1型の有機半導体層(7)がn型であれば、p型である請求項1〜75のいずれかに記載の方法。
  77. 前記有機デバイスは、有機ボトムコンタクト型トランジスタ、トランジスタ−ダイオード、イオン感応性電界効果トランジスタ、有機発光ダイオード、有機ダイオード、および有機CMOS回路からなるリストから選択される請求項1〜76のいずれかに記載の方法。
  78. 前記有機デバイスは、有機CMOS回路であり、
    ステップ(v)は、第1型の第2表面改質層を、ステップ(ii)で保護された電気コンタクト構造の全てではなく、その幾つかの上に設けるステップと、
    第2型の第2表面改質層を、ステップ(ii)で保護され、第1型の第2表面改質層が設けられていない電気コンタクト構造の上に設けるステップと、を含む請求項77記載の方法。
  79. 前記有機デバイスは、有機ボトムコンタクト型トランジスタである請求項77記載の方法。
  80. ステップ(i)は、1つ又はそれ以上のゲート電極(2)を含む基板(1)を用意することと、絶縁層(3)を、前記基板(1)の上および前記1つ又はそれ以上のゲート電極(2)の上に設けることと、コンタクト構造(4)を、前記絶縁層(2)の上に設けることとによって実施され、
    前記絶縁層(3)は、ゲート絶縁層(3)であり、前記コンタクト構造(4)は、ソースおよびドレイン電極(4)であり、
    ステップ(ii)は、第1仮保護層(9)を、ソースおよびドレイン電極(4)の幾つかまたは全ての自由表面の上に設けることによって実施され、
    第1仮保護層(9)を除去するステップ(iv)は、第1表面改質層(6)をゲート絶縁層(3)から除去することなく実施され、
    第2表面改質層(5)を電気コンタクト構造(4)の上に設けるステップは、第2表面改質層(5)をソースおよびドレイン電極(4)の自由表面の上に設けることを含む請求項79記載の方法。
  81. ステップ(vii)で得られた前記有機デバイスのカプセル封入をさらに含む請求項1〜80のいずれかに記載の方法。
  82. 請求項1〜81のいずれかに記載の方法によって入手可能な有機デバイス。
  83. ・電気構造(4)および絶縁部(3)を含む表面を有する基板(1)と、
    ・前記電気コンタクト構造(4)の幾つかまたは全ての上にある第1仮保護層(9)と、を備えたデバイス。
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