JP2013508344A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬学的に受容可能なガラス質の基剤、および当該基剤の内部にある少なくとも1つの生理活性物質を含んでいる、吸入のための組成物を提供する。上記ガラス質の基剤は金属イオンの塩を含んでいる。上記組成物は、ポリオールを実質的に含んでおらず、粉末の形態である。上記粉末は、10μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいる。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、(1)生理活性物質の投与のために好適な組成物、(2)当該組成物を形成する方法、および(3)粒子、粒子混合物、粉末および/またはマイクロカプセルの、水分および/または熱に対する安定性および/または分散性を向上させるか、および/または、粒子および/または粒子混合物の凝集性を低下させる方法、(4)例えば上記粉末の充填、流動および分散を改善させるための、乾燥粉末の吸入剤の組成物における風解性の塩の使用に関する。本発明の他の利点は以下の記載から明白である。
乾燥粉末の吸入剤(DPI)からのエアロゾルの流動および分散は、種々の成分の存在によって変更され得る。Lucasは、微粒子の賦形剤が、担体に基づくタンパク質乾燥粉末のエアロゾルの性能を向上させるために使用され得ることを記載している(Pharm Res. 1998 Apr;15(4):562-9)。Islamは、分散の挙動が、担体粉末と関連のある付着されている微粒子の存在に関連することを開示している(http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/107613204/ABSTRACT)。Zeng(J Pharm Sci. 2001 Sep;90(9):1424-34.)は、より小さい(5〜10ミクロン)少量(5%w/w)のラクトースを粉末製剤に導入することによって、ラクトースの表面の凹凸または穴の影響が相殺される程度を示した。微細なラクトースは、アルブテロールのFPFおよび分散性を増大させ、再結晶されている針状のラクトース(5〜15ミクロン)の含有は、アルブテロールのエアロゾル化の増進において、微粉化されているラクトースよりも優れていたことが見出された。
EP 1131059(Jago)には、湿度に対する耐性を向上させるための、乾燥粉末の吸入製剤の安定化を目的とするステアリン酸マグネシウムの使用について記載されている。また、請求されている乾燥粉末の特徴点の1つは、非常に微細な粒子の製剤または微細な粒子の部分が、相対的に厳しい温度および湿度の条件において維持され得ることである。
米国特許第6,528,096号(Chiesi)は、活性成分、および0.1〜0.5重量%の少量の滑剤のみを含有している担体粒子を含んでいる粉末状の薬学的組成物を開示しており、当該薬学的組成物は、微粒子の用量を増加させるための乾燥粉末の吸入剤を調製するために使用されている。好ましい滑剤として挙げられるのはステアリン酸マグネシウムなどである。
国際公開第962348号(CDD Ltd)は、活性粒子、担体粒子、および吸入器の動作時における当該活性粒子の放出を促進させる添加物質(例えばロイシン)を含んでいる、乾燥粉末の吸入器における使用のための粉末を開示している。
上述の文献のすべてには、乾燥粉末の吸入製剤の、流動および分散の向上ならびに湿度に対する感度の低下のための親水性の添加物について記載されている。開示されている親水性添加物は、アミノ酸およびその塩のみである。ステアリン酸マグネシウムのみが、市販の2つのDPI製剤(Foradil(登録商標) Certihaler(登録商標)(Novartis)およびChiesi's Pulvinal(登録商標))に存在しており、ステアリン酸マグネシウムは、石鹸であり、味覚の問題がある。
国際公開第96/03978号には、それに組み込まれている分子の徐放のための固体の送達システムについて開示されている。
国際公開第90/11756号には、320℃未満の軟化点を有している水溶性のガラス質の物質を含んでいる、徐放性のガラス質のシステムについて記載されており、水溶性のガラス質の当該物質は、それにおいて混合されている活性物質を有している。
国際公開第95/24183号には、インスリンの肺送達のための方法および組成物について開示されている。
国際公開第98/16205号には、安定なガラス状態の粉末の組成物について記載されている。当該組成物はポリオールを一般的に含んでいる。
EP 0563455には、乳酸カルシウムである、塊状物の形成阻害剤を含有している粉末状の固体生成物について開示されている。この文献には、吸入に適していない1〜5cmの大きさを有している大きな粒子について記載されている。
国際公開第2007/042822号には、単位用量の乾燥粉末の吸入剤と、乾燥剤および生理活性物質を含んでいる吸入用の乾燥粉末の製剤とについて記載されている。国際公開第2007/042822号には、安定化させるポリオールを含んでいない金属イオンの塩から形成されているガラス質の基剤について開示されていない。
国際公開第99/47174号には、1つ以上の単糖の糖アルコール、ならびにガラス質形成体またはガラス質の形成促進剤である少なくとも1つの添加物の存在下において、乾燥中に失活する化合物を乾燥させることについて開示されている。
国際公開第89/06976号には、風解性のアルカリ金属、アンモニウムまたはアルカリ土類金属塩の1つ以上の存在下において製剤化し、それから乾燥させることを包含している、高分子を乾燥させる方法について記載されている。
国際公開第00/18259号には、水を含有している成分の1つ以上から放出され得るいくらかの水を封鎖可能な量における無水化合物の、栄養組成物または薬学的組成物への組込みについて開示されている。
国際公開第2004/060343号には、好適な希釈剤を用いた復元のための、抗体を含有している粒子および組成物について記載されている。
国際公開第03/079993号には、肺投与用のhGH(ヒト成長ホルモン)製剤について開示されている。
これらの文献は、肺投与用の乾燥粉末を提供するために、例えば安定化させるポリオールまたは他のガラス質形成体の非存在下において、ガラス質を形成する金属イオンの塩(例えば風解性の塩)とともに生理活性物質を共乾燥することを開示していない。
より有効かつ安定なDPI製剤を生成するために、不活性な添加物を含んでいる改良された製剤に対する必要性が残っている。
また、複雑な貯蔵の条件を必要とせずにそれらの粒径分布を維持し、充填の間および投与の前に自由流れを示し続ける、相対的に高い温度および/または湿度の条件において安定な組成物、特に吸入に好適な組成物に対する必要性が残っている。
本発明の第1の局面において、薬学的に受容可能なガラス質の基剤および当該基剤の内部にある少なくとも1つの生理活性物質を含んでいる粉末の形態である吸入のための組成物が提供される。上記組成物はポリオールを実質的に含んでいない。上記ガラス質の基剤は金属イオンの塩を含んでおり、上記粉末は10μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいる。
本発明の第2の局面において、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における少なくとも1つの金属イオンの塩を含んでいる組成物が提供される。上記組成物は、約3000μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を好ましく含んでいる。
本発明の第3の局面において、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における少なくとも1つの金属イオンの塩を含んでいる組成物が提供される。当該組成物および/または金属イオンの塩は少なくとも約40℃のTgを有しているか、および/または、当該金属イオンは多価であり、上記組成物は、約3000μm未満(例えば約2000μm未満もしくは1000μm未満、または後述されている直径の幾何中央値の、実施形態のうちのいずれかに規定されている)の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいる。
本発明の第4の局面において、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における少なくとも1つの金属イオンの塩を含んでいる組成物が提供される。当該金属イオンの塩は、水和の程度を低下させるように処理されている。
本発明の第5の局面において、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における少なくとも1つの金属イオンの塩を含んでいる組成物が提供される。上記金属イオンの塩は、少なくとも約1J/(g・℃)のΔCを有している。
本発明の第6の局面において、ガラス質の基剤および少なくとも1つの生理活性物質を含んでいる投与のための組成物が提供される。当該ガラス質の基剤は、多価であることが好ましい金属イオンを含んでいる無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩を含んでいるか、および/または、金属イオンの塩および/または組成物は、少なくとも40℃のTgを好ましく有している。当該組成物は、ポリオールを実質的に含んでおらず、粉末または発泡体の形態である。
本発明の第7の局面において、ガラス質の基剤、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに必要に応じて溶媒および/水および/または緩衝剤から実質的になるか、またはこれらからなる投与のための組成物が提供される。上記ガラス質の基剤は、多価であることが好ましい金属イオンを含んでいる金属イオンの塩から形成されているか、および/または、当該金属イオンの塩および/または組成物は、少なくとも約40℃のTgを好ましく有している。当該組成物は粉末または発泡体の形態である。
本発明の第8の局面において、粒子状の組成物における粒子、粒子混合物、粉末および/またはマイクロカプセルの、凝集性を低下させるか、および/または分散性を維持させる方法が提供される。当該方法は、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩を含んでいる粒子状の組成物を形成する工程を包含している。当該金属イオンの塩は多価であることが好ましい。当該粒子状の組成物および/または金属イオンの塩は、本明細書に規定されているようなTgを好ましく有している。
本発明の第9の局面において、水分および/または熱にさらしたときの、粒子状の組成物の安定性(例えば、分散性の維持および/または凝集性の低下)を向上させる方法が提供される。当該方法は、少なくとも1つの生理活性物質、ならびに非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩を含んでいる粒子状の組成物を形成する工程を包含している。
本明細書に使用されるとき、“安定性”という用語は、(1)組成物の物理的な安定性、および/または、(2)組成物および/または当該組成物における生理活性物質の物理的および/または化学的な安定性の両方または一方を意味し得る。例えば、粒子状の組成物に関して、物理的な安定性は、粒子の集塊化する傾向、および/または粒子の凝集する傾向、したがって吸入剤における分散性を好ましく低下させることを意味し得る。本発明の組成物は、金属イオンの塩を含んでいない組成物、および/または本発明の方法にしたがって調製されていない組成物と比べて、向上した物理的な安定性を有し得る。
例えば、生理活性物質が、不安定(例えば、熱および/または溶媒によって変性され得るタンパク質または酵素、または空気および/または水に対して不安定な小分子など)である場合に、本発明の組成物(例えば、ガラス質の粉末)は、上記生理活性物質の物理的および/または化学的な安定性を維持させ得る。化学的な安定性は、特定の水準に(例えば、組成物に組み込む前の、初期の水準の少なくとも約70、80、90、95もしくは99%、または組成物に組み込む前の生理活性物質と比べて、約10%、5%、2%、1%、0.5%もしくは0.1%未満の凝集量)、上記生理活性物質の活性を維持させることを指し得る。
本発明の一局面において、水を封鎖するガラス質を形成する金属イオンの塩の使用によって、物理的な安定性(例えば分散性)および化学的な安定性(例えば組成物における生理活性物質の活性)の観点から、不安定な生理活性物質に対して、粉末状の組成物の相乗的な向上がもたらされる。例えば、金属イオンの塩は、無水物および/または程度の低い水和物であり得るか、または水和の程度を低下させるように処理され得る。したがって、塩のガラス質を形成し、かつ水を封鎖する金属イオンの活性は、相乗的な利点をもたらし得る。
相乗的な安定性は、不安定な生理活性物質の物理的な安定性(例えば分散性)および化学的な安定性の両方の観点から有益である。
本発明の第10の局面において、(1)粒子状の組成物の凝集性を低下させるか、もしくは分散性を維持させるか、(2)粒子状の組成物の容器への充填を維持させるか、もしくは改善させるか、(3)粒子状の組成物の流動を維持させるか、もしくは向上させるか、および/または、(4)水分および/または熱に対する粒子状の組成物の安定性を向上させるための、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩の使用が提供される。
本発明のさらなる局面において、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における粒子状の金属イオンの塩が提供される。当該金属イオンの塩は少なくとも3水和物から誘導されているか、非晶質の上記塩のΔCは少なくとも約1J/(g・℃)であるか、および/または当該金属イオンの塩は少なくとも約70℃のTgを好ましく有している。上記塩の粒子は、本明細書に規定されているような、直径の幾何中央値およびMMADを有し得るか、および/または肺投与に好適であり得る。上記粒子は、本明細書に規定されているような実施形態のうちのいずれかにおいて使用され得る。上記粒子は乾燥粉末の形態における経肺投与用である。
本発明のさらなる局面において、上述の局面または以下の実施形態のうち、いずれかに係る組成物または粒子状の組成物を生成する方法が提供される。当該方法は、生理活性物質、および例えば溶液、分散物、懸濁物もしくは乳化物などの形態における金属イオンの塩を準備する工程、ならびに噴霧乾燥させる工程を包含している。上記金属イオンの塩は、好ましくは、少なくとも3水和物であるか、多価であるか、および/または本明細書に規定されているようなTgを有している。一実施形態において、結晶の水は、例えば無水塩または初期の塩もしくは出発する塩より程度の低い水和物を形成するために、噴霧乾燥の間に金属イオンの塩から除去される。
さらなる局面において、約0.4g/cm以下のタップ密度を有している粒子を含んでいる上述の局面のうち、いずれかに係る組成物が提供される。
“粉末”または“粒子状の粉末”という用語は、粒子の凝集物または集団を意味すると意図されている。粉末または粒子状の組成物は、吸入投与または肺投与のために一般的に好適である。粒子は、任意の形状を有し得、それらは、例えば中空、中実、多孔質または非多孔質であり得る。例えば、粒子は、針、繊維、円板または球体の形態であり得る。粒子は、例えば微粒子(例えば極微針または超極細繊維)、または例えば国際公開第96/03978号に記載のような、微小球であり得る。粒子は、約3000μm未満、約2000μm未満、または約1000μm未満の直径の幾何中央値を好ましく有している。本発明の一局面において、粒子は、約150μm未満、あるいは約100μm未満、80μm未満、60μm未満、30μm未満、20μm未満もしくは10μmの直径の幾何中央値を有している。例えば、粒子は、約0.1〜5μm、あるいは1〜2μmの直径の幾何中央値を有し得る。
本発明は、少なくとも1つの生理活性物質および非晶質の形態における薬学的に受容可能な金属イオンの塩を含んでいる組成物を提供する。上記組成物は、例えば10重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満または5重量%未満の湿度または含水量において、少なくとも約90℃のTgを有しており、金属イオンは多価であり、当該組成物は、少なくとも1つの生理活性物質および非晶質の形態における少なくとも1つの薬学的に受容可能な金属イオンの塩を含んでいる。上記金属イオンの塩は少なくとも3水和物であり、投与用の上記組成物は、薬学的に受容可能なガラス質の基剤および少なくとも1つの生理活性物質を含んでいる。上記ガラス質の基剤は、多価の金属イオンを含んでいる金属イオンの塩を含んでいるか、および/または上記金属イオンの塩は、少なくとも約110℃のTgを有している。上記組成物は、実質的にポリオールを含んでおらず、粉末または発泡体の形態である。
図1は、噴霧乾燥されたトレハロースおよびインスリンの、粉末のDSCの記録を示す。
図2は、メルトクエンチした乳酸カルシウムのDSCの記録を示す。
図3は、噴霧乾燥された乳酸カルシウムおよびインスリンの、粉末のDSCの記録を示す。
図4および5は、乳酸カルシウムおよびインスリン粉末の安定性を示す図である。
本発明は、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の小さい水和の形態における金属イオンの塩が、特に付加的なガラス質形成体を使用することなく、例えば当該金属イオンの塩を含んでいない製剤と比べて低下した凝集性および/または上昇した分散性の観点から、例えば相対的に小さい粒子を含んでいる粉末の、水分および/または熱に対する予想外の安定性をもたらし得るという知見に、少なくとも部分的に関すると認められ得る。またさらに、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩の使用は、種々の困難な環境条件の全体にわたって、自由流れを示す粉末を提供し得る。理論に縛られることを望むことなく、低分子量および/または塩の水和の低い程度を有している金属イオンの塩の驚くほど高いガラス転移温度および/または高いΔCは、粉末の向上した安定性に寄与し得ると考えられる。例えば、金属イオンの塩の、無水物の形態または程度の低い水和物の形態の水を封鎖する能力は、吸入用の組成物における生理活性物質を用いてともに製剤化される場合に、分散性の向上、分散性の維持および/または凝集性の低下に貢献し得る。
“非晶質の形態”によって、金属イオンの塩が結晶質ではないことを意味すると意図されている。例えば、金属イオンの塩は、非晶質であるガラス質の形態であり得る。本発明に用いられる金属イオンの塩は、ガラス質の物質を形成する塩であり、ガラス質の形態であることが好ましい。ガラス質は生理活性物質用の基剤を形成し得る。代替的に、ガラス質は、粉末組成物において担体または3元成分として存在し得る。
本明細書において使用されるとき、“ガラス質”、“ガラス質の状態”または“ガラス質の基剤”という用語は、流動する能力を喪失している液体(すなわち非常に高い粘度を有している液体)を指し、当該粘度は1010〜1014パスカル秒の範囲にあることが好ましい。それは、分子が、振動運動および低下した回転運動を行っているが、液体状態と比べて非常に緩やかな並進運動を行っている準安定な非晶質系とみなされる。ガラス転移温度より十分に低い温度において貯蔵された場合、それは、準安定状態として長期にわたって安定である。
本発明において、ガラス質の基剤を得るために用いられる過程は、組成物に対する溶媒の蒸発技術(例えば噴霧乾燥など)を一般的に介するが、他の過程によって、許容可能なTgを有しているガラス質の基剤が生成され得る。乾燥されるべき組成物は、例えば溶液、分散物、懸濁物または乳化物の形態であり得る。
また、生理活性物質は金属イオンの塩および当該生理活性物質の溶液から乾燥されて、ガラス質の固溶体において均一に分布されている生理活性物質を含んでいる金属イオンの塩の、担体のガラス質を形成し得る。それから、これらのガラス質は、粉砕されるか、および/または微粒化されて、均一な規定の大きさの微粒子をもたらし得る。そのような固溶体は、投与されると生理活性物質を速やかに放出し、それによって吸収および作用の発現を促進させる。
特に好適な技術は噴霧凍結乾燥技術である。噴霧凍結乾燥の処理は、金属イオンの塩および/または生理活性物質の溶液または分散物の噴霧、それから生じた液滴を、液化ガス(一般的に液体窒素)または極低温の表面に向けることに関する。液滴は、接触によって凍結され、それから、残余の水分を除去するために凍結乾燥する工程を用いて乾燥され得る。生じた微粒子は、金属イオンの塩に分散されている生理活性物質を含んでいる。微粒子の形成前に、生理活性物質は、溶液に存在し得るか、または微粒子またはナノ粒子(任意の安定剤とともに)の分散物として供給原料に存在し得る。
初期の液滴を生成するために使用される装置および処理条件は、当業者にとって明らかである。供給濃度、排出速度、噴霧圧力およびノズルの種類のすべては、従来の処理条件に基づいて選択され得、それから原料濃度および粘度にしたがって最適化され得る。微粒子の大きさは、噴霧凍結乾燥法に使用される噴霧によって部分的に決定され得る。噴霧(atmisation)/噴霧(spraying)の段階は、従来の噴霧処理(例えば、圧力または2流体ノズル)、または超音波噴霧処理(Maa et al., Pharmaceutical Research, 1999; 16(2))を利用し得る。
本発明の粉末または粒子を生成する最も好ましい方法は、参照によってその内容が本明細書に援用される、特に国際公開第92/18164号および国際公開第96/15814号において十分に説明されているような噴霧乾燥を介する。微粒子は、噴霧乾燥され得るが、噴霧乾燥のための原料における発泡剤の含有によって、改質され得る。発泡剤は、噴霧乾燥処理の間に(複数の)気体を放出する揮発性物質である。発泡剤は、より低密度の中空のマイクロカプセルを生成するために、本発明に用いられ得る。好適な発泡剤としては、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、酢酸、ギ酸および塩酸が挙げられる。これらの発泡剤が使用されるpHは変更され得る。これは、pH依存性の溶解性を有している化合物が、好適な発泡剤の添加をともなって、噴霧乾燥され得ることを意味している。例えば、使用される発泡剤は、アンモニア、二酸化炭素および水蒸気を放出する炭酸アンモニウムであり得る。噴霧乾燥の間に、これらの3つの気体は、霧化された液滴に広がり、液滴のサイズを大きくさせて、より薄い壁に囲まれているより大きいマイクロカプセルを生成する。本発明の生成物は、それらの調製条件に依存して種々の特性を有し得る。例えば、大きさの中央値は1〜20μmであり、それらの壁の厚さは500nm(例えば、10〜250nm、より好ましくは100〜150nm)に過ぎない。それらの充填密度は、0.01〜0.15g/cm、より好ましくは0.02〜0.1g/cmであり得るが、最も好ましくは0.04〜0.08g/cmであり得る。
タップかさ填密度、タップ密度(tapped density)またはタップ密度(tap density)は、十分に規定されている外部から加えられた力の影響のもとに得られた粉末(粉末の混合物)の最大圧縮密度である。このようにして得られた最小圧縮密度は、多くの要素(粒度分布、真密度、粒子の形状、および表面力(湿度が挙げられる)による粘着性が挙げられる)に依存する。
一実施形態において、本発明の粒子または微粒子は、約0.4g/cm以下または0.3g/cm以下(例えば、約0.25g/cm未満、例えば、約0.2g/cm未満)のタップ密度を有している。例えば、一実施形態において、本発明の粒子または微粒子は、約0.02〜0.2g/cm、0.05〜0.15g/cmまたは0.07〜0.12g/cm(例えば、約0.08〜0.10g/cm)のタップ密度を有している。
タップ密度は、当業者にとって公知の機器(例えば、これらに限定されないが、Dual Platform Microprocessor Controlled Tap Density Tester(Vankel Technology, Cary, NC)またはGeoPyc(商標)機器(Micrometrics Instrument Corp., Norcross, GA 30093))を用いることによって測定され得る。タップ密度(tap density)は、USP Bulk Density and Tapped Density, United States Pharmacopoeia convention, Rockville, MD, 10th Supplement, 4950-4951, 1999の方法を用いて決定され得る。タップ密度(tap density)は、Tap Density Volumeter(Copley)を用いて好ましく測定される。
微粒子の充填密度は、本明細書の実施形態うちのいずれかにおいて、0.25または0.2g/cm以下(例えば、0.15g/cm未満である)である。一実施形態において、充填密度は、約0.02〜0.15g/cm、0.2〜0.25g/cmまたは約0.05〜0.12g/cmである。
本発明の一実施形態において、微粒子のタップ密度と粒子のかさ密度との間の差異は、約0.07g/cm未満または約0.05g/cm未満(例えば、約0.03g/cm未満)(例えば、約0〜0.05g/cmまたは約0.01〜0.03g/cm)である。
ガラス質の発泡体は、参照によってその内容が本明細書に援用される国際公開第96/40077号に記載の方法を用いて調製され得る。
一実施形態における本発明の組成物は、金属イオンの塩ではない担体材料を含んでいる。好適な担体材料としては、例えば、炭化水素(例えばラクトースまたはグルコース)が挙げられる。
本発明の代替的な実施形態において、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態としての金属イオンの塩は、当該金属イオンの塩が、多価であり、本明細書に記載されているTgを有している場合に好ましく、吸入可能な組成物のための担体材料、好ましくは単独の担体材料として組成物に存在している。その場合に、金属イオンの塩の担体は、吸入可能な組成物における担体材料にとって適切な範囲の大きさ(例えば、約20〜3000μm、約50〜2000μmまたは約100〜1000μm)を有し得る。
組成物における水の量は、例えばTGAまたはカール・フィッシャー滴定によって、測定され得る。本発明の組成物(例えば粉末または発泡体)は、組成物の総質量に基づいて、10重量%未満(例えば、約5、4、3、2または1重量%未満)の水分または含水量を有し得る。典型的な水分量は、組成物の総質量に基づいて、約0.5〜4重量%または約1〜3重量%である。
本明細書における実施形態のうちのいずれかに使用される金属イオンの塩は、塩の総質量に基づいて、例えば、約0〜25重量%(例えば、約3もしくは4〜約23重量%、約5〜約20重量%、約7〜約15重量%、または約8〜約10重量%)の水分または含水量を有し得る(例えば、TGAにより測定される)。本発明の一実施形態において、金属イオンの塩は、塩の総質量に基づいて、約10%未満(例えば、約5、4、3、2または1重量%未満)の水分または含水量を有している。
本発明の一実施形態において、本明細書に規定されている組成物は、金属塩および/または生理活性物質の他にガラス質を形成する材料(すなわちガラス質を形成する他の材料)を実質的に含んでいないか、またはガラス質を形成する他の材料(例えばポリオール)は、実質的に存在していないか、もしくは存在していない。“実質的に含んでいない”は、ガラス質を形成する他の材料が、組成物の質量に基づいて、1または0.1重量%未満の量(例えば0.01重量%未満、0.001重量%未満、0.0001重量%未満(例えば0重量%))において存在していると意図されている。排除され得るガラス質を形成する材料の例としては、例えば、炭化水素(例えば単糖の糖アルコール(例えばマンニトール)、二糖および三糖(例えばトレハロースおよびラフィノース))が挙げられる。また、アミノ酸(例えばグリシン)は、本発明の組成物に存在していないことが好ましい。
例えば、一実施形態において、本発明の組成物は、ポリオール(例えば単糖の糖アルコール、マンニトール、スクロース、トレハロースなど)およびグリシンを含んでいない。安定化させるポリオールは、一般的に本発明の組成物において実質的に存在していない。しかし、一実施形態においてそれらは存在し得る。
一実施形態において、金属イオンの塩は、組成物においてガラス質を形成する単独の物質であるか、またはガラス質を形成する単独の添加物(すなわち生理活性物質に添加される)である。
金属イオンの塩は金属イオンおよびアニオンを含んでいる。アニオンは、無機(すなわち炭素原子を含んでいない)であり得るか、または有機(すなわち炭素原子を含んでいる)であり得る。一般的に、有機アニオンは、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸(例えば、C〜C12のカルボン酸またはC〜Cのカルボン酸)から誘導されるアニオン(例えば、クエン酸塩、酒石酸塩、エデト酸塩、マレイン酸塩、プロピオン酸塩、ヘプタン酸塩、吉草酸塩、カプリン酸塩、フマル酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グリセリン酸塩、アスパラギン酸塩、グルコン酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、フェノールスルホン酸塩およびサリチル酸塩ならびにこれらの組み合わせ)である。
一実施形態において、金属イオンの塩は、1つ以上のヒドロキシ基を用いて置換されているカルボン酸の塩(例えば乳酸塩、グリコール酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、酒石酸塩およびグルコン酸塩ならびにこれらの組み合わせ(例えば乳酸クエン酸塩および乳酸グルコン酸塩))を含んでいる。カルボン酸は、1つ、2つまたは3つのヒドロキシ基(例えば1つのヒドロキシ基)を用いて置換したC〜C12のカルボン酸またはC〜Cのカルボン酸であることが好ましい。
一実施形態において、金属イオンの塩は、クエン酸塩および/またはグルコン酸塩(例えばクエン酸ナトリウムまたはグルコン酸マグネシウム)を含んでいない。他の実施形態において、金属イオンの塩は、乳酸カルシウム、乳酸クエン酸カルシウムおよび乳酸グルコン酸カルシウムから選択される。これら物質は、例えば、商標名PURACAL(登録商標)を付けてPURAC(lllinois、USA)から商業的に入手され得る。
他の実施形態において、金属イオンの塩は水溶性である。“水溶性”によって、25℃の水における塩の溶解度が、少なくとも1g/水100ml(例えば少なくとも2、3、4、5または10g/水100ml)であることを意味すると意図されている。
一実施形態において、金属イオンの塩は、親水性であり、疎水性ではない(例えばステアリン酸マグネシウム)。
本発明の組成物は、1つ以上の金属イオンの塩、または異なる金属イオンの塩の組み合わせを、ガラス質を形成する材料として含み得るが、単一の金属イオンの塩が一般的に好ましい。金属イオンの塩は、ガラス質を形成する材料であるか、または非晶質の形態において入手され得ることが好ましい。
一実施形態において、本発明の粉末は、非晶質もしくは結晶質またはこれらの混合物であり得る粒子を含んでいる。一般的に、個々の粒子の性質に関係なく、少なくとも50質量%の粒子は非晶質の形態であり、結晶質の形態は、粒子の総質量の50重量%未満を構成している。少なくとも75質量%の粒子は、非晶質の形態であることが好ましい。粉末の総質量に基づいて、少なくとも90質量%(例えば95重量%または99重量%)の粒子は、非晶質の形態であることがより好ましい。
一実施形態において、金属イオンの塩は、一価の金属イオン(例えばアルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム))を含んでいる。しかし、金属イオンの塩における金属イオンは、多価の金属イオン(例えば二価の金属イオンなど)であることが好ましい。二価の金属イオンの好ましい例としては、例えば、アルカリ土類金属(例えばカルシウム、バリウムおよびマグネシウム)および遷移金属イオン(例えば銅および亜鉛)が挙げられる。
一実施形態において、金属イオンは、二価の金属イオン(例えばカルシウム、バリウム、銅または亜鉛)である。
一実施形態において、金属イオンの塩は、風解性であるか、および/または分子水ポンプ緩衝剤(molecular water pump buffer)(MWPB)である。MWPBは、周囲湿度における結晶水の蒸気圧が、200℃における少なくとも14mmHg(2000Pa)であり、ビヒクルのガラス質形成を阻害しないような、組成物から水分の減少をもたらす生理学的に受容可能な塩である。MWPBは、例えば吸湿性を低下させて、実質的な凝集を防止し得る。好適な例としては、例えば、硫酸ナトリウム、乳酸カルシウムおよび硫酸カリウムが挙げられる。
本明細書に使用されるとき、“風解性”という用語は、周囲湿度のもとに水分を減少させる塩(例えば、少なくとも15mmHg(2000Pa)の結晶水の蒸気圧を有している塩)を指すために使用されている。風解性の塩の例は、乳酸カルシウムの水和物である。
金属イオンの塩は、亜鉛および無機酸の塩(ハロゲン化亜鉛(例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛)、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛が挙げられる);亜鉛および有機酸の塩(亜鉛の脂肪族カルボン酸塩(例えば炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛)、芳香族性の亜鉛の塩(例えば安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛)が挙げられる);カルシウムおよび無機酸の塩(ハロゲン化カルシウム(例えば塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、フッ化カルシウムなど)、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、チオシアン酸カルシウムが挙げられる);カルシウムおよび有機酸の塩(カルシウムの脂肪族カルボン酸塩(例えば炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、乳酸クエン酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム)および芳香族性のカルシウム塩(例えば安息香酸カルシウム、サリチル酸カルシウム)が挙げられる)の1つ以上から選択され、好ましくは酢酸亜鉛または酢酸カルシウム、最も好ましくは乳酸カルシウムである。
一実施形態において、金属イオンの塩は、C〜C12のカルボン酸またはC〜Cのカルボン酸のカルシウム塩(例えば炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、乳酸クエン酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウムおよびグルコン酸カルシウムならびにこれらの組み合わせ)から選択される。
好適な他の塩としては、金属イオンとオルトリン酸との塩および金属イオンと硫酸との塩;塩化バリウムの2水和物;乳酸カルシウムの5水和物;硫酸銅の5水和物;サリチル酸マグネシウムの5水和物、硫酸マグネシウムの7水和物;硫酸水素カリウム、臭化カリウムおよびオルトリン酸二水素カリウム;酢酸ナトリウムの3水和物、臭化イリジウムナトリウムの12水和物、炭酸ナトリウムの10水和物、フッ化ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムの12水和物、メタ過ヨウ素酸ナトリウムの3水和物、メタリン酸ナトリウムの3水和物、メタリン酸ナトリウムの6水和物、亜硫酸ナトリウムの8水和物、硫酸ナトリウムの8水和物、硫酸ナトリウムの12水和物およびチオ硫酸ナトリウムの5水和物;および硫酸亜鉛の6水和物、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、塩は、リン酸のナトリウム塩および/またはクエン酸のマグネシウム塩および/またはグルコン酸のマグネシウム塩ではない。
多価の金属イオンの塩であることが好ましい金属イオンの塩は、当該塩と会合している結晶水を有し得ない(すなわち無水物である)。例えば、金属イオンの塩は、約0.1もしくは1〜約10重量%、または約0.2もしくは2〜5重量%の水分含量(例えばTGAまたはカール・フィッシャーによって測定される)を有し得る。
しかし、金属イオンの塩は、結晶水を含んでいるか、または少なくとも初期に水和物であることが好ましい。金属カチオン、およびアニオンと会合している水の分子数の化学量論式、または結晶水は、水和物に関して表され得る。当該化学量論式は、[カチオン]x[アニオン]y・ZHOであり、ここで、xおよびyは、カチオンおよびアニオンの価数によって決定される整数であり、Zは水和の程度または水分子の数を表す整数である。例えば、化学量論式またはモル式につき1分子(またはモル)を有している塩は、1水和と呼ばれ、2単位量の水を有している塩は、2水和物など呼ばれる。例えば、NaSO・10HOは10水和物である。
一実施形態において、多価の金属イオンの塩であることが好ましい金属イオンの塩は、初期の金属イオンの塩の水和の度合いまたは程度を低下させるように、処理されるか、または処理されている。例えば、本発明は、金属イオンの塩の水和物(例えば少なくとも3水和物または少なくとも5水和物)を出発物質として好ましく使用し、それから、これは水和の程度を低下させる処理(例えば噴霧乾燥など)に供される。上記処理が実施されるときに、生理活性物質は、存在し得るか、または存在し得ないが、存在することが好ましい。例えば、処理前の出発物質または原料の金属イオンの塩は、少なくとも3の水和の程度(3水和物)を有しており、3未満の水和の程度に低下させるように、処理されるか、または処理されている。したがって、金属イオンの塩は処理済の金属イオンの塩であり得る。
一実施形態において、初期または処理済の金属イオンの塩は、無水物、1水和物、2水和物、3水和物、4水和物、5水和物、6水和物、7水和物、8水和物、9水和物、10水和物または12水和物である。初期または処理済の金属イオンの塩は、少なくとも3水和物であることが好ましく、少なくとも5水和物であることがより好ましい。
本明細書における局面または実施形態のうちのいずれかにおいて、金属イオンの塩は、薬学的または生理学的に受容可能であることが好ましい。金属イオンの塩の金属イオンは多価であり、当該塩は、薬学的もしくは生理学的に受容可能であるか、および/または水和の程度を低下させるように処理されている。
金属イオンの塩の、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態(例えば本明細書に記載されている)は、水和の度合いまたは程度を低下させるように処理されている金属イオンの水和物から、一般的に形成されるか、または誘導される。出発物質である金属イオンの水和物は、1水和物、2水和物、3水和物、4水和物、5水和物、6水和物、7水和物、8水和物、9水和物、10水和物または12水和物であり得る。金属イオンの塩である出発物質は、少なくとも3水和物であることが好ましく、5水和物であることがより好ましい。例えば、金属イオンの塩は、約0まで水和の程度を下げるように処理される(すなわち、乳酸カルシウムは実質的に無水物である)乳酸カルシウムであり得る。
本明細書に使用されるとき、“程度の低い水和物”という用語は、初期の物質、出発物質または原料である金属イオンの塩より水和の程度が低いことを意味すると意図されている。
本発明の他の実施形態において、金属イオンの塩は、組成物の総質量に基づいて、約50、40、30、20または10重量%以下(例えば約5重量%以下、2重量%以下または1重量%以下、例えば、1〜10重量%、2〜8重量%または3〜6重量%)の量において、組成物に存在する。一実施形態において、金属イオンの塩は組成物において微量に存在し得る。
本発明の一実施形態において、金属イオンの塩は、組成物の質量に基づいて、約50、60、70、80、90、95または99.9重量%以上(例えば50〜99.5重量%、60〜95重量%または70〜90重量%)の量において、組成物に存在し得る。金属イオンの塩は、例えば、0.1〜99.9重量%(例えば5〜90重量%)の量において、組成物に存在し得る。
本発明の他の実施形態において、ガラス質の基剤および当該基剤の内部にある少なくとも1つの生理活性物質を含んでいる、経口吸入および/または経鼻吸入のための乾燥粉末の組成物が提供される。上記生理活性物質は、液体ではなく、固体の形態であることが好ましい。上記ガラス質の基剤は、金属イオンの塩および/または水分もしくは溶媒を含んでいるか、当該塩および/または水分もしくは溶媒から実質的になるか、または当該塩および/または水分もしくは溶媒からなるか、または上記ガラス質の基剤は金属イオンの塩から形成されている(それによって、基剤形成体としてガラス質を形成する他の材料を排除している)。上記組成物は、ポリオールを実質的に含んでいない。上記金属イオンの塩は、C〜C12のカルボン酸またはC〜Cのカルボン酸の、多価の金属イオンの塩、好ましくはカルシウム塩(例えば炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、エデト酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ヘプタン酸カルシウム、吉草酸カルシウム、カプリン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、マロン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、グリコール酸カルシウム、グリセリン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸クエン酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウムおよびこれらの組み合わせ)から選択される。組成物および/または金属イオンの塩のTg、ならびに粒子の大きさは、本明細書における実施形態のうちのいずれかに規定されている通りであり得る。
組成物における生理活性物質に対する添加物は、生理学的または薬学的に受容可能な金属イオンの塩からなることが好ましい。添加物質が血流に吸収され得るか、または肺から除去され得る(例えば粘液繊毛エスカレーターによって)場合に、少量の添加物質のみが下肺に到達することが好ましく、また、添加物質が下肺に安全に吸入され得る材料であることが非常に好ましい。本発明の金属イオンの塩は、特に吸湿剤および水分に対する感度の高い他の物質(例えば加水分解しやすい物質)をともなった使用に特に適している。
一実施形態において、上記組成物は、少なくとも1つの生理活性物質およびガラス質を形成する付加的な物質を含んでおり、当該物質は、好ましくは薬学的に受容可能な、少なくとも1つの金属イオンの塩からなる。当該組成物、および/または初期の水和された形態もしくは処理されている形態における金属イオンの当該塩は、少なくとも約50℃(例えば少なくとも60、70、80、90、100、110または120℃)のTgを有していることが好ましく、当該金属イオンは多価であることが好ましい。金属イオンの当該塩は、組成物の総質量に基づいて、50、40、30、20もしくは10重量%以下(例えば約5重量%以下、2重量%以下または1重量%以下)、例えば1〜10重量%、2〜8重量%または3〜6重量%の量において組成物に存在していることが好ましい。
一実施形態において、上記組成物は、少なくとも1つの生理活性物質およびガラス質を形成する付加的な物質を含んでおり、当該物質は、好ましくは薬学的に受容可能な、少なくとも1つの金属イオンの塩からなる。当該組成物、および/または処理されている形態における金属イオンの当該塩は、少なくとも約50℃(例えば少なくとも60、70、80、90、100、110または120℃)のTgを有していることが好ましく、当該金属イオンは多価であることが好ましい。金属イオンの当該塩は、組成物の総質量に基づいて、約50、60、70、80、90、95、または99.9重量%以上(例えば、50〜99.5重量%、60〜95重量%、または70〜90重量%)の量おいて組成物に存在していることが好ましい。
本発明の組成物の投与は、粘膜投与、経口投与、局所投与、皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、静脈内投与、または経口吸入および/または経鼻吸入によるものであり得る。本発明の組成物は、例えば比較的に均一なサイズ分布の繊維、球体、平板、円板、粒子および針から選択される、固形の投与形態であり得る。投与形態は、典型的に微細であり、巨視的ではない。しかし、組成物は、約1mmを超える(例えば約1mm〜50mmまたは5〜15mm)幅、または断面の直径を有している巨視的な形態(トローチ剤または埋込みの形態)であり得る。好ましい微細および巨視的な投与形態は、参照によってその内容が本明細書に援用される例えば国際公開第96/03978号に記載されている。
他の実施形態において、組成物は、本明細書における実施形態のうちのいずれかに規定されているように、少なくとも1つの生理活性物質および担体材料を含んでいる、経口吸入および/または経鼻吸入のための粉末である。当該担体材料は少なくとも1つの金属イオンの塩からなり、金属イオンの当該塩は、薬学的に受容可能であるか、および/または多価であることが好ましく、当該担体材料は、分離した粒子の形態である。組成物のTgおよび/または金属イオンの塩は、本明細書に規定されている通りであることが好ましい。金属イオンの塩は、非晶質、無水および/または程度の低い水和物、もしくは水和の程度を低下させるように処理されている水和物である。
塩の担体の形態は、従来のDPIラクトースに対して、同様のサイズ分布およびしわ(rugosity)を示し得る。
本発明の他の実施形態において、組成物は、本明細書のいずれかの実施形態に規定されているように、少なくとも1つの生理活性物質、担体材料および添加物を含んでいる、経口吸入および/または経鼻吸入のための粉末であり、当該添加物は少なくとも1つの金属イオンの塩からなり、当該担体材料は、分離した粒子、好ましくは孤立した粒子の形態である。当該組成物および/または金属イオンの塩のTgは、本明細書に記載されている通りであることが好ましい。金属イオンの上記塩は、非晶質、無水および/または程度の低い水和物、もしくは水和の程度を低下させるように処理されている水和物である。
例えば、上述の実施形態のいずれかに規定されているような塩は、乾燥粉末の吸入の粉末組成物における使用のための三元混合物を形成するために、任意の順序において、生理活性物質および担体と組み合わせられ得る。上記塩は、したがって、ラクトース微粒子の代替物として作用し得る。さらに、高エネルギーのラクトース部位を占める作用だけでなく、周囲から水分を吸収することによって混合物に耐湿性を与えて、凝集を防止させる作用の相乗的な作用があり得る。一実施形態において、粉末における塩の量は、粉末の総質量に基づいて、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下であり、ほとんどの材料について2重量%未満である。
ガラス質の基剤または組成物を形成するために、生理活性物質および塩は、例えばポリオールの非存在下において、ともに処理され得る。例えば、噴霧乾燥された医薬品(例えばインスリンなど)は、本明細書に記載されているような塩(例えばMWPB、好ましくは硫酸ナトリウムまたは乳酸カルシウム)の低レベルな含有によって改良され得る。好ましい生理活性物質:塩の比率は、0.1:99.9〜99.9:0.1である。組成物および金属イオンの塩のTgは、本明細書に規定されている通りであることが好ましい。金属イオンの塩は、非晶質、無水および/または程度の低い水和物、もしくは水和の程度を低下させるように処理されている水和物であり得る。金属イオンの塩は、組成物の総質量に基づいて、好ましくは約40、30、20または10重量%以下(例えば約5重量%以下、2重量%以下または1重量%以下)、例えば1〜10重量%、2〜8重量%または3〜6重量%の量において、組成物に存在している。一実施形態において、金属イオンの塩は、組成物の総質量に基づいて、約50、60、70、80、90、95または99.5重量%以上(例えば50〜99.5重量%、60〜95重量%または70〜90重量%)の量において、組成物に存在している。金属イオンの塩は、例えば0.1〜99.9重量%(5〜90重量%など)の量において、組成物に存在し得る。
塩が三元の添加剤または担体である場合に、当該塩は、非晶質、部分的な結晶または結晶の状態の組成物に存在し得る。金属イオンの塩は、代替的に、非晶質、無水および/または程度の低い水和物、もしくは水和の程度を低下させるように処理されている水和物であり得る。三元の添加剤または担体の塩の粒子のサイズは、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満、および最も好ましくは5ミクロン未満である。当該塩は、結晶化、超臨界処理(例えばSEDS、GAS、泡乾燥など)、噴霧乾燥、噴霧、微粉化または当該技術において公知の他の方法によって、この状態において生成される。
金属イオンの塩の残余の水分含量は、塩の質量に基づいて、0重量%(完全な無水)〜50重量%(十分に水和されている)であることが好ましい。例えば乳酸カルシウムにとって、好ましい水分含量は、塩の質量に基づいて、約2〜25重量%、好ましくは約10〜20重量%または4〜20重量%である。
担体としての塩にとって、粒子は、20μm〜1000μm、より好ましくは、50μm〜1000μmにある直径を有していることが好ましい。実質的にすべて(質量について)の担体粒子の直径は、300μm未満であり、20μm〜250μmにあることが好ましい。担体粒子の少なくとも90重量%は、50μm〜120μmの直径を有していることが好ましい。
本発明の一実施形態において、組成物は、非晶質であるか、および/または低下した吸湿性を有しているか、および/または金属イオンの塩を含んでいない組成物と比べて、周囲条件においてより吸湿性が低いか、および/または組成物は、生理学的また薬学的に受容可能であるか、および/または組成物にポリオールもしくはガラス質を形成する他の化合物が実質的に存在していないか、および/またはガラス質の基剤はガラス質形成体としての多価の金属イオンからなる。
本発明の他の実施形態において、組成物は、非晶質の粉末、好ましくは噴霧乾燥された非晶質の粉末である。典型的に、少なくとも50質量%の粒子は非晶質の形態であり、結晶の形態は、個々の粒子の性質に関係なく、粒子の総質量の50重量%未満を構成している。粒子の質量の少なくとも75%は非晶質の形態であることが好ましい。粉末の総質量に基づいて、粒子の質量の少なくとも90%(例えば95重量%または99重量%)は、非晶質の形態であることが好ましい。本発明の組成物は、例えば、成分を分けて噴霧乾燥すること、すなわち続いて当該技術における工程の方法にしたがって混合することによって生成され得る。生理活性物質を含んでいるガラス質の基剤にとって好適な条件は、当該技術において公知である。
一実施形態において、組成物は肺投与に好適である。本発明の組成物は、例えば、肺に対して局所的に生理活性物質を送達させるため、または肺から全身に生理活性物質を送達させるために好適である。本発明の組成物は、肺の深部の領域への浸透にとって好適なサイズ分布を有している粒子を含んでいることが好ましい。
Tgは、示差走査熱量測定(DSC)またはDERによって測定されるようなガラス転移温度を指す。本発明において、Tgは、DSCまたはDERを用いる場合の推移の全体を走査することによる、組成物の熱容量(Cp)の変化の変曲の中間と解釈されることが好ましい。ガラス転移温度は、組成物が、ガラス質またはガラスの状態からシロップ状またはゴムの状態に変化する温度領域を指す。Tgは、組成物の初期Tg(例えば環境にさらされる前)を好ましく指す。典型的に、Tgの値は、例えば、組成物の総質量に基づいて、10重量%未満(例えば9、8、7、5、4、3または2重量%未満)または約1〜5重量%(例えば2〜4重量%)の、残余の水分量または含水量において測定されるTgを指す。
一実施形態において、組成物のガラス転移温度Tgは、少なくとも約40℃(例えば少なくとも50、60、70、80、90、100、110または120℃)、例えば40〜200℃であり、好ましくは約80〜150℃または約110〜130℃である。
他の実施形態において、金属イオンの塩のガラス転移温度Tgは、初期または処理後において、少なくとも約60℃(例えば約70〜200℃)、約110〜190℃または約120〜180℃である。金属イオンの塩のモル質量は、一般的に、約550g/mol未満または400g/mol未満(例えば300g/mol未満)である。低分子量の塩が高いTgをもたらし得ることは、予測されていない。
本発明の一実施形態において、25℃/60%の相対湿度における24時間にわたる曝露後における組成物のTgの変化は、25℃未満(例えば20℃未満、15℃未満または約10℃以下)、例えば約5〜15℃である。
熱容量であるCp J/(g・℃)は、失透の相変化に対する組成物(ガラス質の組成物の場合における)の耐性の基準をもたらす。Cpは、示差走査熱量測定法(DSC)を用いて測定され得る。ガラス質の状態から非ガラス質の状態へのCpの変化はΔCとして表され得る。一般的に、本発明の組成物は、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.5、2または2.5J/(g・℃)(例えば約1〜4J/(g・℃)または約2〜約3.5J/(g・℃))のΔCを有している。
金属イオンの塩は、上述のように初期または処理後のいずれかにおいて、一般的に、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.5、2または2.5J/(g・℃)(例えば約1〜4J/(g・℃)または約2〜約3.5J/(g・℃))のΔCを有している。
本発明の組成物は、例えば粉末または発泡体の形態(例えば泡状のガラス質の基剤)であり得る。粉末は、例えば中空の球、円板または針の形態における、粒子を含み得る。粉末は、本明細書に規定されているように粒子または微粒子を含んでいることが好ましい。
本発明の一実施形態において、粒子または微粒子は多孔質である。本発明の粒子または微粒子の壁は、孔(例えば隙間、空洞、空間または裂溝)を含み得る。
一実施形態において、粒子または微粒子は1つ以上の壁を含んでいる。粒子または微粒子の(複数の)壁は、多孔質であり得る。例えば、粒子または微粒子の(複数の)壁は、国際公開第98/17257号に記載されているような多孔質であり得る。本発明に係る粒子または微粒子は、500nm(例えば約10〜250nmまたは約100〜150nm)に過ぎない壁の厚さを有し得る。
一実施形態において、本発明の粒子または微粒子の壁は、非多孔質であり(すなわち、実質的に孔(例えば隙間、空洞、空間または裂溝)がない)、例えば、当該孔は微粒子の表面積の約20%未満または約10%未満を構成する。このように、本発明の粒子または微粒子は、その内容が本明細書に援用される国際公開第98/17257号に記載されているような多孔質ではない。本発明の一実施形態において、本発明の粒子または微粒子の壁は、付加的な成分を含んでおらず、当該付加的な成分は、例えば当該付加的な成分のための溶媒を用いて形成された粒子または微粒子を処理することによって、上記壁から後に除去され得る。他の実施形態において、上記壁はこのような付加的な成分を含み得る。
一実施形態において、本明細書のいずれかの実施形態に記載されているように、本発明の粒子、微粒子または粉末は、送達される用量の約20%もしくは25%を超える、約35%を超える、または約40%、50%、60%または70%を超えるエアロゾル化が続いて、微細な粒子の画分(6.5μm未満または5.8μm未満)をもたらす。Andersen Cascade ImpactorまたはNGIが使用され得、結果が、種々の切断直径(例えば<6.5ミクロン、<5.8ミクロン、<5ミクロン、<3.3ミクロン、および<3ミクロン)における微細な粒子の画分および微細な粒子の質量を決定するためのCopley CITDASソフトウェアを用いて分析された。微細な粒子の画分は、4kPaの圧力低下の全体にわたって一般的に測定される。
本発明の一実施形態において、微細な粒子の画分(6.5μm未満または5.8μm未満)は、送達される用量の約20〜90%(例えば70または80〜90%)、約30〜70%もしくは約40〜60%であるか、および/または微細な粒子の画分(5μm未満)は、送達される用量の約30〜60%もしくは約40〜50%であるか、および/または微細な粒子の画分(3.3μm未満または3μm未満)は、送達される用量の約10〜90%、約15〜40、50%、60%もしくは70%(例えば約20〜30%または50〜80%)であり得る。
一実施形態において、微細な粒子の用量(6.5μm未満または5.8μm未満)は、初期の用量の約20〜90%、約30〜70%もしくは約40%〜60%(例えば約70または80〜90%)であるか、および/または微細な粒子の画分(5μm未満)は、初期の用量の約30〜60%もしくは約40〜50%であるか、および/または微細な粒子の画分(3.3μm未満または3μm未満)は、例えばブリスター(blister)または他の容器における、初期の用量の約10〜90%、約15〜40、50%、60%もしくは70%(例えば約20〜30%または50〜80%)である。
本発明の一実施形態において、粒子、微粒子または粉末は、機械または自動充填によるブリスターもしくは他の容器または貯蔵器への充填に適している。本発明の粒子、微粒子または粉末は、機械充填または自動充填に適合され得る。また、上記粒子、微粒子または粉末は、本発明に基づかない粒子、微粒子または粉末と比べて、ブリスター、貯蔵所または他の容器からの向上した取り出し性能を有し得る。
本発明の粒子または微粒子は、取り囲んでいる壁を形成する材料を有して、中空であり得る(すなわち、ガスまたは空気を用いて満たされる空洞を含んでいる)。壁を形成する材料は、本明細書に記載されているように、生理活性物質および金属イオンの塩を含み得る。好ましい実施形態において、中空のマイクロカプセルは、maltesersにみられるようなハニカムではない。代替的に、中空のマイクロカプセルは、例えば、マイクロカプセルが乳化物から調製される場合に、ハニカムまたはマルチチャンバーである。
“微粒子”という用語は、一実施形態において、ガスまたは蒸気(任意の個体材料ではない)を用いて満たされている空間を囲んでいる中空の微粒子を意味する。“Maltesers”(登録商標)としてUKにおいて販売されている菓子の中実物に類似のハニカムの粒子は、形成されない。上記空間は、全体的に囲まれている(これが好ましい)必要はなく、微粒子は、厳密に球体である必要はないが、一般的には球体である。微粒子が球体ではない場合に、上述した直径は、非球形の微粒子と同じ質量を有しており、同じ体積の中空の空間を囲んでいる、対応する球形の微粒子の直径に関する。
本発明の微粒子は、1つ以上の空間を囲んでいる少なくとも1つの壁を含んでいる中空の粒子であることが好ましく、1つの空間を囲む1つの壁であることが好ましい。
一実施形態において、本発明の微粒子は、水溶性である(すなわち、25℃の温度の水における、少なくとも約0.1mg/cm、少なくとも約0.5、mg/cmまたは少なくとも約1.0mg/cmの溶解性を有している)。
一実施形態において、組成物は、約10μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいる。任意の実施形態における本発明の粒子は、約10μm以下(例えば約10μm未満または5μm未満)の直径の幾何中央値を有し得る。本発明の一実施形態において、粒子は、約0.1、1もしくは2〜10μm(例えば約1〜2μm、1〜5μm、または1.5〜4.5、1.75〜4、2〜3もしくは3.5μm)、3.5〜9μmまたは約4〜8μm(例えば約4〜5、6または7μm)の直径の幾何中央値を有している。直径の幾何中央値は、特に断りがなければ、1.0バールの分散圧力において測定される。
微粒子の直径の幾何中央値は、実施例1に記載されているようにレーザー回折装置(例えばSympatec(Clausthal-Zellerfeld, Germany)によって製造されているHelos KF)を用いて測定され得る。粒子の幾何学的直径を測定する他の装置は、当該技術において周知である。サンプルにおける粒子の直径は、要因(例えば粒子状の組成物および合成方法)に応じて変動し得る。サンプルにおける粒子の大きさの分布は、気道内の標的部位に対する最適な堆積を可能にするために選択され得る。
任意の実施形態において、本発明の粒子は、一般的に、10μm以下(例えば約0.1〜10μm)の空気力学的質量中央径(MMAD)を有している。
一実施形態において、MMADは約1μm〜約5または6μmである。本発明の他の実施形態において、MMADは約1μm〜約3μmである。さらなる実施形態において、MMADは、約2、3または4μm〜約5または6μm(例えば2〜4または2〜3μm)である。
空気力学的径は、ある距離を決定する粒子の集合にとっての時間が、粒子の空気力学的径を直接的に推測するために用いられる重力沈降法を用いることによって実験的に決定され得る。空気力学的質量中央径(MMAD)を測定する間接的な方法は、Andersen Cascade Impactor(ACI)である。また、粒子径はNext Generation Impactor(NGI)を用いて決定され得る。
他の実施形態において、組成物は、自由流れを示す乾燥粉末の形態であることが好ましい。例えば、組成物は、長期間(例えば少なくとも24時間)、25℃/60%の相対湿度(RH)、および/または少なくとも30分、もしくは少なくとも1、2、4時間以上、好ましくは6時間を超える期間にわたって40℃/75%の相対湿度において、自由流れを示す。
カールのインデックスは、タッピングの間における粉末の体積の低下に基づいており、流動性を予測するために使用され得る(R.L. Carr, (1965), Chem Eng. 72, 163-168)。その数値が低いほど、その粉末はより自由流れを示す。数値の増加は、粉末の粘着性および摩擦係数((誘引性の)電気摩擦的な帯電が挙げられる)に比例する。
カールのインデックス(またはカールの圧縮率インデックス)、Cは以下の式:
C=100×(V−V)/V、または100×(D−D)/D
を用いて計算され得る。“V”および“D”のそれぞれは、粉末の体積および密度を表しており、下付き文字“o”は、初期状態またはタップされていない状態を表し、“f”は、最終的な状態またはタップされた状態を表している。
本発明の粒子または粉末は、約30%未満(例えば約26%未満、25%未満もしくは23%未満、約5%〜30%、約10%〜23%もしくは26%、約15もしくは19〜23もしくは26%、または約20〜26%)のカール・インデックスを有しており、必要に応じて、粒子は、約1もしくは2〜10μm、約2もしくは3.5〜9μm、または約3もしくは4〜8μm(例えば約1〜5μm、1.5〜4.5、1.75〜4、2〜3もしくは3.5μm、2〜2.7μmまたは4〜5、6、7もしくは8μm)の直径の幾何中央値を有している。
組成物において、非晶質の塩および/または無水の塩および/または程度の低い水和物の塩は、生理活性物質の粒子から識別可能または分離可能な、分離した粒子の形態において存在し得る。この実施形態は、塩が、生理活性物質のための担体材料として存在しており、組成物は吸入用である場合に特に好適である。代替的に、金属イオンの塩は、薬学的に受容可能なガラス質の基剤を形成可能であり、少なくとも1つの生理活性物質は、ガラス質の基剤の内部にある。
基剤は少なくとも1つの生理活性物質の固溶体を含み得、上記生理活性物質は基剤物質において効率的に溶解するか、または上記生理活性物質は、基剤において懸濁物として存在し得る。例えば、生理活性物質はガラス質における固体の分散物として存在し得る。
一般的に、生理活性物質は、基剤または組成物において、液体ではなく、固体の形態において存在しており、固体の形態として一般的に送達される。例えば、本発明の組成物は、溶液または液体(例えば復元または組成物を溶解させることによって調製される)として送達されないことが好ましい。
一実施形態において、組成物は粉末または発泡体の形態である。吸入のために組成物は、一般的に粉末の形態である。粉末は乾燥粉末であり得る。“乾燥”は、粉末の水分が約10重量%未満(例えば約5、4、3、2または1重量%未満)であることを意味すると意図されている。一般的な湿度は、粉末の質量に基づいて、約0.5〜4重量%または1〜3重量%である。
また、本発明の組成物は、機械化学結合(MCB)または当業者に公知の他の方法を用いて、生理活性物質を、金属イオンを用いて被覆することによって調製され得る。代替的に、生理活性物質および金属イオンの塩は、複合物としてともにジェットミル加工され得る。生理活性物質または当該生理活性物質の表面は、金属イオンの塩、好ましくは水を封鎖する金属イオンの塩を用いて被覆され得る。
一実施形態において、組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤を含み得るか、または含み得ない薬学的組成物である。組成物は賦形剤を一般的に含んでいない。
生理活性物質の例としては、薬学的に有効な物質(以下に限定されないが、抗炎症薬、鎮痛剤、抗関節炎剤、抗がん剤、抗凝固剤、鎮痙剤、抗うつ剤、抗精神病剤、精神安定剤、抗不安剤、麻薬拮抗剤、抗パーキンソン薬、コリン作動薬、化学療法薬、免疫抑制剤、抗ウイルス薬、抗菌薬、抗真菌薬、食欲抑制剤、抗コリン作動薬、制吐薬、制ヒスタミン薬、片頭痛薬、冠拡張薬、脳血管拡張薬、末梢血管拡張剤、ホルモン剤、避妊薬、抗血栓薬、利尿薬、血圧降下薬、心臓脈管薬、オピオイド、抗肥満薬、診断的治療薬および遺伝子治療薬等が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
本発明の一実施形態において、組成物は、13−シス−レチノイン酸、5−フルオロウラシル、2−ペンテニルペニシリン、L−アルファアセチルメタドール、アブルカスト、S−アデノシルメチオニン、アセブトロール、アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アセタフェナジン、アセトフェナジン、アクリジニウム、アクリバスチン、アシクロビル、アデメチオニン、アデノシン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト(例えばアデノシン2αアゴニスト)、アジナゾラム、アドラフィニル、アフノトリプタン、アルブテロール、アルブテロール硫酸塩、アルフェンタニル、アルフェンタニル HCl、アリザプリド、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アルペロプリド、アルファ−インターフェロン、アルファプロジン、アルピデン、アルプラゾラム、アルセロキシロン、アマンタジン、アンブリセンタン、アメセルギド、アンフェナク、アミノグリコシド、アミノプロピロン、アミオダロン HCl、アミスルプリド、アミトリプチリン、アミキセトリン、アムロジピン、アモクサピン、アモキシシリン、アンペロジド、アンペニドン、アンフェタミン、アンホテリシンB、アンピシリン、アミルペニシリン、アンドラスト、アンドロピニロール、アニレリジン、アントラサイクリン、抗菌薬ならびに嚢胞性繊維症および/または結核症のための対する薬剤(例えば緑嚢菌感染症ワクチン(例えばAerugen(登録商標)))、マンニトール、デヌフォゾール、グルタチオン、N−アセチルシステイン、アミカシン、ヅラマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ドルナーゼ アルファ、アルファ 1−アンチトリプシン、へパリン、デキストラン、カプレオマイシン、バンコマイシン、メロペネム、シプロフロキサシン、ピペラシリン、アパゾン、アポモルフィン、アポモルフィン塩酸塩、アポモルフィン二酢酸塩、アステミゾール、アテノロール、アトロピン硫酸塩、アザシクロノール、アザセトロン、アザタジン、アザチオプリン、アゼラスチン、アジドシリン、アズトレオナム、カルメット−ゲラン菌、バクロフェン、バンブテロール、ベクロメタゾン、二プロピオン酸塩、ベミパリン、ベナクチジン、ベンモキシン、ベノクサプロフェン、ベンペリドール、ベンセラジド、ベンズピペリロン、ベンズキナミド、ベンズトロピン、ベンジドラミン、ベンジルモルフィン、ベンジルペニシリン、ベータ−2インテグリンアンタゴニスト、ベータ−ラクタム、ベータ−インターフェロン、ベンジトラミド、ビネダリン、ビペリデン、ビトルテロール、ビトルテロールメタンスルホン酸塩、血液因子および血液因子構築物(例えばFVIII−FcおよびFIX−Fc);ブロファロミン、ブロムフェナク、ブロムイソバルム、ブロモクリプチン、ブロモプリド、ブロムペリドール、ブロムフェニルアミン、ブロキサテロール、ブルシン、ブクリジン、ブデソニド、ホルモテロール、フマル酸塩、ブジピン、ブフェキサマク、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブラメート、ブスピロン、ブタクラモール、ブタペラジン、ブチキソコルト、ブトルファノール、ブトリプチリン、カベルゴリン、カフェイン、カルシウム−N−カルボアモイルアスパラギン酸塩、カルシウムチャネル遮断薬(例えばガロパミル)、カンナビノイド、カプトジアミン、カプリド、カルバマゼピン、カルブクロラル、カルベニシリン、カルビドーパ、カルビフェン、カルブロマール、カルフェシリン、カリンダシリン、カルモテロール、カロキサゾン、カルフェナジン、カルピプラミン、カルプロフェン、セファゾリン、セフィネタゾール、セフメタゾール、セフォキシチン、セフタジダイム、セファセトリル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン C、セファロスポリン、セファロチン、セファロマイシン A、セファロマイシン B、セファロマイシン C、セファロマイシン、セファリン、セファラジン、セリクラミン、セトリジン、セチリジン、クロラルベタイン、クロルジアゼポキシド、クロロブチンペニシリン、クロロフェニラミン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロリン、シアリス、シクレソニド、シドフォビル、シラザプロール、シロスタゾール、シンコフェン、シンメタシン、シンナリジン、シプラマドール、シプロフロキサシン、シスプラチン、シタロプラム、クレボプリド、クレマスチン、クロブテロール、クロバザム、クロベンゼパム、クロカプラミン、クロマクラン、クロメタシン、クロメトシリン、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロニタゼン、クロニキシン、クロペンチキソール、クロプリアク、クロスピラジン、クロチアピン、クロボキサミン、クロキザシリン、クロザピン、コデイン、コリスチメテート、コチニン、クロモグリケート、クロモリンナトリウム、シアメマジン、シクラシリン、シクリジン、シクロベンザプリン、シクロスポリン A、シプロヘプタジン、サイトカインアンタゴニスト(例えばケモカインアンタゴニストならびにサイトカイン合成の阻害剤および調節剤(炎症誘発性の転写因子であるNFκBの阻害剤および調節剤が挙げられる));デプレニル、デスフルラン、デシプラミン、デキサメタゾンナトリウムリン酸塩、デスロラチジン、デキフェンフルラミン、デキメデトミジン、デキソメタゾン、デキトロアンフェタミン、デキトロモラミド、デキトロプロポキシフェン、ジアモルフィン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジクロキサシリン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロエルゴタミン、ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ジフェニシリン、ジフェニドール、ジフェノキシレート、ジピパノン、ジスルフィラム、ドセタキセル、ドラセトロンメタンスルホン酸塩、ドメリドン、ドリペネム、ドルナーゼ アルファ、ドスレピン、ドクセピン、ドキソルビシン、ドキシラミン、ドロナビノール、ドロペリドール、ドロプレニラミン HCl、デュロクセチン、エレトリプタン、エリプロジル、エナラプリル、エンシプラジン、エンドテリン−受容体アンタゴニスト(例えばLU−135252)、エンフラン、エノキサパリン、エンタカポン、エントノックス、酵素、エフェドリン、エピネフリン、エピルビシン、エプタスチグミン、エルゴリンプラミペキソール、エルゴタミン、エルゴタミン酒石酸塩、エタミフィリン、エタクアロン、エタムブトール、エトヘプタジン、エチルノルエピネフリン、エトドラク、エキセンジン、factor VII、factor VIII、factor IX、factor XIII、ファムシクロビル、ファモチジン、フェンフルラミン、フェンロイトン、フェノテロール、フェンタニル、フェキソフェナジン、フィブリノゲン、フィエンタニル、フレシノキサン、フルコナゾール、フルニソリド、フルオロキノロン、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルピルチン、フルラゼパム、フルスピリレン、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フルボキサミン、ホルモテロール、フマル酸塩、フォスカルネット、フロバトリプタン、ギャバペンチン、ガランタミン、ガンマ−インターフェロン、ガンシクロビル、ゲピロン、グレリン、グルカゴン、GLP−1、グルタチオン、グリコピロロレート、グリコピロロニウム、グラニセトロン、ハロペリドール、ハロタン、ヘリオックス、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、ヘパリン硫酸塩、ヘプチルペニシリン、ヘタシリン、hGH、ヒドロモルフォン、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシジン、ヒオスシン、イブプロフェン、イダルビシン、イダジキサン、IGF−1、イロプロスト、イミプラミン、インダカテロール、インドプロフェン、誘導性の一酸化窒素の合成酵素(iNOS)阻害剤;インスリン(ヒトの組換え体)、インスリンアスパルト、インスリングルリシン;インスリンリスプロ、可溶性および中性の即効型インスリン、イソファンインスリン、インスリン亜鉛、プロタミン亜鉛インスリン、インスリン類似物、アシル化インスリン、インスリングラルジン、インスリンデテミル、インターロイキンおよびインターロイキンの阻害剤(例えばアルデスロイキン);イプラトロピウム臭化物、イプロニアジド、イプサピラオン、イラルカスト、イソカルボキサジド、イソエタリン塩酸塩、イソフルラン、イソメタプテン、イソニアジド、リファンピン、パラチロイドホルモンおよび類似物(例えばオスタボリン−C);ピラジナミド、エタンブトール、イコデキトリン、インダカテロール、インジナビル、イソプレナリン、イソプロテレノール塩酸塩、イソプロテレノール酒石酸水素塩、イソソルビド二硝酸塩、イトラコナゾール、ケタミン、ケトプロフェン、ケトロラク、ケトチフェン、キタンセリン、ラザベミド、レプチン、レゾピトロン、レバルブテロール塩酸塩、レボカバスチン、レボドーパ、レフルノミド、ロイプロリド、レボフロキサシン、レボファノール、リドカイン、リシノプリル、リスライド、ロフェンタニル、ロフェプラミン、ロムスチン、ロプラゾラム、ロラチジン、ロラゼパム、ロレゼパム、ロキサピン、マクロライド、マプロトリン、マジンドール、マジプレドン、メクロフェナメート、メクロクアロン、メデトミジン、メジフォキサミン、メルペロン、メマンチン、メントール、メペリジン、メペリジン HCl、メプタジノ−ル、メロペネム、メソリダジン、メタンピシリン、メタプロテレノール、メタプロテレノール硫酸塩、メタクロリン塩化物、メタドン、メタクアロン、メチシリン、メトトレキセート、メトプリロン、メトスクシミド、メチフェニデート、メチプリロン、メチセルジド、メトクロプラミド、メトフェナゼート、メトミデート、メトピマジン、メトポン、メトプロロール、メトラリンドール、ミアンセリン、ミダゾラム、ミルナプリン、ミルタザピン、ミゾラスチン、モクロベミド、モフェジリン、モリンドロン、モメタゾン、モメタゾンフロエート、モンテロイカスト、モルフィン、ムスカリンの受容体(M1、M2およびM3)アンタゴニスト;COPDおよび嚢胞性繊維症の処置のための粘液溶解薬(例えばN−アセチルシステインおよびアンブロキソール);マイコフェノレートモフェチル、ナセステリン、ナビロン、ナドロール、ナフシリン、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナラトリプタン、ナファゾリン、ナタマイシン、ネドクロミルナトリウム、ネファゾドン、ネフォパム、ネルフィナビル、ニセルゴリン、ニコチン、ニコチン、ニフェジピン、ニソキセチン、亜酸化窒素、ニトログリセリン、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン、およびジドブジン)および非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えばネビラピンおよびエファビレンズ);核酸、NVA237、ニスタチン、オベスタチン、オランザピン、オモコナゾール、オンダンセトロン、オンタゾラスト、オルシプレナリン、オルフェナドリン、オセルタミビル、骨粗しょう症薬(例えばビスホスホネート);オキトロピウム、オキプレノール、オキシブチニン、オキシコドン、オキシメタゾリン、パクリタキセル、パロノセトロン、パパベレタム、パパベリン、パロキセチン、ペモリン、ペンフリドール、ペニシリン、ペニシリン N、ペニシリン O、ペニシリン S、ペニシリン V、ペンタミジン、イセチオネート、ペンタゾーシン、ペンテテート、カルシウムトリナトリウム、ペンテテート、亜鉛3ナトリウム、ペントバルビタール、ペプチド、ペラミビル、ペルゴライク、ペリシアジン、ペルフェナジン、ペチジン、フェナゾーシン、フェネルジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、フェントラミン、フェニルヒドラジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ホスホジエステラーゼ−5、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えばメチルキサンチン、テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリネート、および選択的なPDEイソ酵素阻害剤(PDE3阻害剤(例えばミルリノンおよびモタピゾン);PDE4阻害剤(例えばロリプラム、シロミラスト、ロフルミラスト、オグレミラストおよびONO6126);
PDE3/4阻害剤8(例えばザルダベリンおよびトラフェントリン);HDAC2の誘導物質(例えばテオフィリン)));ピクメテロール、ピロカルピン、ピモジド、ピパメロン、ピペラセタジン、ピポチアジン、ピルブテロール酢酸塩、ピレンジピン、ピルブテロールナロキソン、ピロキシカム、ピルプロフェン、ピタバスタチン、ピゾチフェン、ピゾチリン、プレコンナリル、ポリペプチド、ポリペプチドYY、ポサコナゾール、プラミキセロール、プランルカスト、プレントキサフィリン、プロカイン、プロカテロールHCl、プロクロルペラジン、プロシクリドン、プロマジン、プロメタジン、プロパセタモール、プロパノロール、プロペントフィリン、プロポフォール、プロポキシフェン、プロプラノロール、プロピルヘキシジン、タンパク質、プロトリプチン、エフェドリンの異性体、クエチアピン、キニン、ラサジリン、レボキセチン、レマセミド、レミフェンタニル、レモキシプリド、レプロテロール、レチノール、レバビリン、リミテロール、レマンタジン、リモナバント、リスペリドン、リタンセリン、リトドリン、リトノアビル、リザトリプタン、レフレポニド、ロキシンドール、ルプリントリビル、サリチル酸塩、サルブタモール、サルメテロール、シナホン酸塩、サルメテロール、サキナビル、スコポラミン、セレジリン、セルチンドール、セルトラリン、セボフルラン、シブトラミン、シルデナフィル、シロリムス、スフェラミン、スピペロン、ストレプトマシシン、スルホンアミド、スフェンタニル、スルピリド、スマトリプタン、タクロリムス、タダラフィル、タンドスピロン、タキサン、テレンジピン、テルブタリン、テルグリド、テストステロン、テストステロン酢酸塩、エストステロンエナンテート、テルフェナジン、テポキサリン、テリルフルノミド、テストステロンプロピオン酸塩、テトラサイクリン、テトラヒドロカンナビノール、テトラヒドロゾリン、チオリダジン、チオチキセン、トロンビン、チアガビン、チアネプチン、チモロール、臭化チオトロピウムの1水和物、チオトロピウム、チザニジン、トブラマイシン、トフェナシン、トルカポン、トルフェナメート、トルフェナミカシド、トピラメート、トラマドール、トラマゾリン、トラニルシプロミン、トラザドン、トレハロース、トリアムシノロンアセトニド、トリエチルペラジン、トリフルオペラジン、トリフルペリドール、トリフルプロマジン、トリヘキシフェニジル、トリメプラジン、トリメトベンザミド、トリミプラミン、トロピセトロン、トリプターゼおよびエラスターゼの阻害剤、トリプトファン、ワクチン抗原、バラシクロビル、バルプロイカシド、バルデナフィル、ベンラファキシン、ベラパミル、ベルルカスト、ビガバトリン、ビロキサジン、ビンカアルカロイド、ビンクリスチン、ボリコナゾール、VR776、vWF、キシロメタゾリン、ヨヒンビン、ザフィルルカスト、ザロスピロン、ザナミビル、ジロイトン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、ゾピクロン、ゾテピン、ズクロペンチキソール、ならびにそれらの塩およびそれらの組み合わせから選択される1つ以上の治療薬を含み得る。
薬物が、当該薬物の活性および/または安定性を最適化するために、(複数の)担体分子と連結され得ること、および/またはプロドラッグ、塩、エステルもしくは溶媒和物の形態において使用され得ることは、当業者にとって明らかである。
また、本発明に係る組成物は、2つ以上の異なる薬物の組み合わせを送達するために用いられ得る。挙げられ得る2つの薬物の特定の組み合わせとしては、ステロイドおよびβ−アンタゴニストの組み合わせが挙げられる。そのような組み合わせの例は、ベクロメタゾンおよびホルモテロール;ベクロメタゾンおよびサルメテロール;フルチカゾンおよびホルモテロール;フルチカゾンおよびサルメテロール;ブデソニドおよびホルモテロール;ブデソニドおよびサルメテロール;フルニソリドおよびホルモテロール;フルニソリドおよびサルメテロール;シクレソニドおよびサルメテロール;シクレソニドおよびホルモテロール;モメタゾンおよびサルメテロール;グリコピロレートおよびインダカテロール;モメタゾンおよびインダカテロール;ならびにモメタゾンおよびホルモテロールである。特に、本発明に係る組成物はまた、3つの異なる薬物の組み合わせを送達するために用いられ得る。
また、薬学的組成物は、必要に応じて薬学的に受容可能な添加剤と組み合わせて、1つ以上、好ましくは1つの抗コリン作動薬1を含み得ることが認識される。
抗コリン作動薬1は、以下の(a)〜(f)からなる群から選択され得る。
(a)チオトロピウム塩 1a。
(b)式1c:
Figure 2013508344
の化合物。
式1cにおいて、
Aは、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は、1つの負電荷を有している陰イオン、好ましくはフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択される陰イオンを示し;
同じか、または異なり得るRおよびRは、ヒドロキシまたはフッ素(好ましくは非置換のメチル)によって必要に応じて置換され得る、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルから選択される基を示し;
同じか、または異なり得るR、R、RおよびRは、水素、メチル、エチル、メチロキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CFまたはNOを示し;
は、水素、メチル、エチル、メチロキシ、エチロキシ、−CH−F、−CH−CH−F、−O−CH−F、−O−CH−CH−F、−CH−OH、−CH−CH−OH、CF、−CH−OMe、−CH−CH−OMe、−CH−OEt、−CH−CH−OEt、−O−COMe、−O−COEt、−Q−COCF、−Q−COCF、フッ素、塩素または臭素を示す。
(c)式1d:
Figure 2013508344
の化合物。
式1dにおいて、
A、X−、およびRは、上述の通りの意味をを有し得、
ここで、同じか、または異なり得るR、R、R、R10、R11およびR12は、R、R、R、R10、R11およびR12基のうちの少なくとも1つが水素ではない条件のもとに、水素、メチル、エチル、メチロキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CFまたはNOを示す。
(d)式1e:
Figure 2013508344
の化合物。
式1eにおいて、AおよびXは、上述の通りの意味をを有し得、
ここで、R15は、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、−CF、−CHFまたはフッ素を示し;
同じか、または異なり得るR1’およびR2’は、C〜Cシクロアルキル、ヒドロキシもしくはハロゲンによって必要に応じて置換され得るC〜Cアルキルを示すか、またはR1’およびR2’はともに、−C〜Cアルキレン−の架橋を示し;
同じか、または異なり得るR13、R14、R13’およびR14’は、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NOまたはハロゲンを示す。
(e)式1f:
Figure 2013508344
の化合物。
式1fにおいて、Xは、上述の通りの意味をを有し得、
ここで、同じか、または異なり得、同じであることが好ましいDおよびBは、−O、−S、−NH、−CH、−CH=CH、または−N(C〜Cアルキル)−を示し;
16は、水素、ヒドロキシ、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、−C〜Cアルキレン−ハロゲン、−O−C〜Cアルキレン−ハロゲン、−C〜Cアルキレン−OH、−CF、−CHF、−C〜Cアルキレン−C〜Cアルキロキシ、−O−CO−C〜Cアルキレン−ハロゲン、−C〜Cアルキレン−C〜Cシクロアルキル、−O−COCFまたはハロゲンを示し;
同じか、または異なり得るR1’’およびR2’’は、−C〜Cシクロアルキル、ヒドロキシまたはハロゲンによって必要に応じて置換され得る−C〜Cアルキルを示すか、または
1’’およびR2’’はともに−C〜Cアルキレン−の架橋を示し;
同じか、または異なり得るR17、R18、R17’およびR18’は、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NOまたはハロゲンを示し;
同じか、または異なり得るRおよびRx’は、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NOまたはハロゲンを示すか、または
およびRx’はともに、−O、−S、−NH、−CH、−CH−CH−、−N(C〜Cアルキル)、−CH(C〜Cアルキル)−および−C(C〜Cアルキル)の架橋から選択される架橋基、または単結合を示す。
(f)式1g:
Figure 2013508344
の化合物。
式1gにおいて、Xは、上述の通りの意味をを有し得、
ここで、A’は、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
19は、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、エチル、−CF、−CHFまたはフッ素を示し;
同じか、または異なり得るR1’’’およびR2’’’は、C〜Cシクロアルキル、ヒドロキシまたはハロゲンによって必要に応じて置換され得るC〜Cアルキルを示すか、または
1’’’およびR2’’’はともに、−C〜Cアルキレン架橋を示し;
同じか、または異なり得るR20、R21、R20’およびR21’は、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NOまたはハロゲンを示している。
式1cの化合物は、当該技術において公知である(国際公開第02/32899号)。
本発明の好ましい実施形態において、上記方法は、式1cの化合物の投与を包含しており、ここで、
は、臭化物を示し;
同じか、または異なり得るRおよびRは、メチルおよびエチルから選択される基、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR、R、RおよびRは、水素、メチル、メチロキシ、塩素またはフッ素を示し;
は、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、水素、メチルまたはフッ素を示す。
特に重要であるのは一般式1cの化合物であり、ここで、Aは、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示す。
式1cの化合物は、個々のその光学異性体、個々のその鏡像異性体の混合物、またはそのラセミ体の形態において、必要に応じて投与され得る。
本発明に係る方法の範囲において特に重要であるのは、式1cの以下の化合物:
トロペノール2,2−ジフェニルプロピオン酸エステルのメトブロミド、
スコピン2,2−ジフェニルプロピオン酸エステルのメトブロミド、
スコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸エステルのメトブロミド、および
トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸エステルのメトブロミドである。
式1dの化合物は、当該技術において公知である(国際公開第02/32898号)。
本発明の好ましい実施形態において、上記方法は、式1dの化合物の投与を包含しており、ここで、
Aは、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は臭化物を示し;
同じか、または異なり得るRおよびRは、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR、R、R、R10、R11およびR12は、薬学的に受容可能な添加剤をともなって、R、R、R、R10、R11およびR12の基のうちの少なくとも1つが水素ではない条件のもとに、水素、フッ素、塩素または臭素、好ましくはフッ素を示す。
本発明に係る方法において、特に重要であるのは、式1dの以下の化合物:
トロペノール3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸エステルのメトブロミド、
スコピン3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸エステルのメトブロミド、
スコピン4,4’−ジフルオロベンジル酸エステルのメトブロミド、
トロペノール4,4’−ジフルオロベンジル酸エステルのメトブロミド、
スコピン3,3’−ジフルオロベンジル酸エステルのメトブロミド、および
トロペノール3,3’−ジフルオロベンジル酸エステルのメトブロミドである。
本発明に係る薬学的な組成物は、式1dの化合物を、個々のその光学異性体、個々のその鏡像異性体の混合物またはそのラセミ体の形態において含み得る。
式1eの化合物は、当該技術において公知である(国際公開第03/064419号)。
本発明の好ましい実施形態において、上記方法は、式1eの化合物の投与を包含しており、ここで、
Aは、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は、塩化物、臭化物およびメタンスルホン酸塩から選択される陰イオン、好ましくは臭化物を示し;
15は、ヒドロキシ、メチルまたはフッ素、好ましくはメチルまたはヒドロキシを示し;
同じか、または異なり得るR1’およびR2’は、メチルおよびエチルから選択される基、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR13、R14、R13’およびR14’は、学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、水素、−CF、−CHFまたはフッ素、好ましくは水素またはフッ素を示す。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1eの化合物の投与を包含しており、ここで、
Aは、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は臭化物を示し;
15はヒドロキシまたはメチル、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR1’およびR2’は、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR13、R14、R13’およびR14’は、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、水素またはフッ素を示す。
本発明に係る方法において特に重要であるのは、式1eの以下の化合物:
トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミドである。
本発明に係る薬学的な組成物は、式1eの化合物を、個々のその光学異性体、個々のその鏡像異性体の混合物またはそのラセミ体の形態において含み得る。
式1fの化合物は、当該技術において公知である(国際公開第03/064418号)。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1fの化合物の投与を包含しており、ここで、
は、臭化物またはメタンスルホン酸塩、好ましくは臭化物を示し;
同じか、または異なり得るDおよびBは、−O、−S、−NHまたは−CH=CH−を示し;
16は、水素、ヒドロキシ、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、−CF、−CHF、フッ素、塩素、臭素を示し;
同じか、または異なり得るR1’’およびR2’’は、水素、フッ素、塩素または臭素によって必要に応じて置換され得る−C〜Cアルキルを示すか、または;
1’’およびR2’’はともに、−C〜Cアルキレン−架橋を示し;
同じか、または異なり得るR17、R18、R17’およびR18’は、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NO、フッ素、塩素または臭素を示し;
およびRx’は同じか、または異なり得る、水素、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルキロキシ、ヒドロキシ、−CF、−CHF、CN、NO、フッ素、塩素もしくは臭素を示すか、または
およびRx’はともに、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、−O、−S、−NH−および−CH−の架橋から選択される架橋基、または単結合を示す。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1fの化合物の投与を包含しており、ここで、
は、塩化物、臭化物またはメタンスルホン酸塩、好ましくは臭化物を示し;
同じか、または異なり得、同じであることが好ましいDおよびBは、−Sまたは−CH=CH−を示し;
16は、水素、ヒドロキシまたはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR1’’およびR2’’は、メチルまたはエチルを示し;
同じか、または異なり得るR17、R18、R17’およびR18’は、水素、−CFまたはフッ素、好ましくは水素を示し;
同じか、または異なり得るRおよびRx’は、水素、−CFまたはフッ素、好ましくは水素を示すか、または
およびRx’はともに、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、単結合または−O−の架橋基を示す。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1fの化合物の投与を包含しており、ここで、
は、臭化物を示し;
DおよびBは、−CH=CH−を示し;
16は、水素、ヒドロキシまたはメチルを示し;
1’’およびR2’’は、メチルを示し;
同じか、または異なり得るR17、R18、R17’およびR18’は、水素またはフッ素、好ましくは水素を示すか、または
同じか、または異なり得るRおよびRx’は、水素、−CFまたはフッ素、好ましくは水素を示すか、または
およびRx’はともに、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、単結合または−O−の架橋基を示す。
本発明に係る方法において特に重要であるのは、式1fの以下の化合物:
シクロプロピルトロピンベンジル酸のメトブロミド;
シクロプロピルトロピン2,2ジフェニルプロピオン酸のメトブロミド;
シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド
シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸のメトブロミド;
シクロプロピルトロピンメチル4、4’−ジフルオロベンジル酸のメトブロミドである。
本発明に係る薬学的な組成物は、式1fの化合物を、個々のその光学異性体、個々のその鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形態において含み得る。
式1gの化合物は、当該技術において公知である(国際公開第03/064417号)。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1gの化合物の投与を包含しており、ここで、
A’は、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は、塩化物、臭化物またはメタンスルホン酸塩、好ましくは臭化物を示し;
19は、ヒドロキシまたはメチルを示し;
1’’およびR2’’は、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR20、R21、R20’およびR21’は、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、水素、−CF、−CHFまたはフッ素、好ましくは水素またはフッ素を示す。
本発明の他の好ましい実施形態において、上記方法は、式1gの化合物の投与を包含しており、ここで、
A’は、
Figure 2013508344
から選択される二重に結合されている原子団を示し;
は、臭化物を示し;
19は、水素、ヒドロキシまたはメチル、好ましくはメチルを示し;
1’’およびR2’’は、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
同じか、または異なり得るR、R、R3’およびR4’は、薬学的に受容可能な添加剤を必要に応じてともなって、水素またはフッ素を示す。
本発明に係る方法において特に重要であるのは、式1gの以下の化合物:
トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミド;
スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボン酸のメトブロミドである。
本発明に係る薬学的な組成物は、式1gの化合物を、個々のその光学異性体、個々のその鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形態において含み得る。
使用されるアルキル基は、特に断りがない限り、1〜5の炭素原子を有している分枝鎖状または非分枝鎖状のアルキル基である。一例としては、メチル、エチル、プロピルまたはブチルが挙げられる。また、メチル、エチル、プロピルまたはブチル基は、Me、Et、PropまたはBuの略語によって言及され得る。また、特に断りがない限り、プロピルおよびブチルの定義は、考えられる当該基のすべての異性体を包含している。したがって、例えば、プロピルは、n−プロピルおよびイソ−プロピルを包含しており、ブチルは、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルなどを包含している。
シクロアルキル基は、特に断りがない限り、3〜6の炭素原子を有している脂環式の基である。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基がある。本発明によれば、シクロプロピルは本発明の範囲において特に重要である。
使用されるアルキレン基は、特に断りがない限り、1〜5の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状の二重に結合されているアルキルの架橋構造である。一例としては、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンが挙げられる。
使用されるアルキレン−ハロゲン基は、特に断りがない限り、ハロゲンによって一置換、二置換または三置換され得る、好ましくは二置換され得る、1〜4の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状の二重に結合されているアルキルの架橋構造である。したがって、特に断りがない限り、アルキレン−OH基という用語は、ヒドロキシによって一置換、二置換または三置換され得る、好ましくは一置換され得る、1〜4の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状の二重に結合されているアルキルの架橋構造である。
使用されるアルキロキシ基は、特に断りがない限り、酸素原子を介して連結されている1〜5の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状のアルキル基である。例えば、メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシが挙げられ得る。また、メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシ基は、MeO、EtO、PropOまたはBuOの略語によって必要に応じて言及される。また、特に断りがない限り、プロピロキシおよびブチロキシの定義は、考えられる当該基のすべての異性体を包含している。したがって、例えば、プロピロキシは、n−プロピロキシおよびイソ−プロピロキシを包含しており、ブチロキシは、イソ−ブチロキシ、sec−ブチロキシ、およびtert−ブチロオキシなどを包含している。アルコキシという用語は、本発明の範囲においてアルキロキシという用語の替わりに場合によって使用される。メチロキシ、エチロキシ、プロピロオキシまたはブチロキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシとして必要に応じて言及される。
使用されるアルキレン−アルキロキシ基は、特に断りがない限り、アルキロキシ基によって一置換、二置換または三置換され得る、好ましくは一置換され得る、1〜5の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状の二重に結合されているアルキルの架橋構造である。
使用される−O−CO−アルキル基は、特に断りがない限り、エステル基を介して結合されている1〜4の炭素原子を有している分枝鎖状および非分枝鎖状のアルキル基である。アルキル基はエステル基のカルボニル炭素と直接的に結合されている。−O−CO−アルキルハロゲン基という用語は同様に理解されるべきである。−O−CO−CFはトリフルオロ酢酸を示す。
本発明の範囲においてハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。特に断りがない限り、フッ素および臭素が好ましいハロゲンである。CO基はカルボニル基を示す。
本発明のある局面は、複数回の用量が1つの貯蔵器に収納されている、吸入装置に関する。本発明の他の局面において、上記吸入装置は、複数回の投与のブリスター包装において複数回の用量を含んでいる。本発明の他の局面において、上記吸入装置は、ブリスターストリップの形態において複数回の用量のブリスター包装を含んでいる。
本発明に係る吸入装置は、粉末状の混合物を形成するために、薬学的に受容可能な添加剤をともなった混合物として好ましく、式1の化合物を含んでいる。薬学的に受容可能な以下の添加剤:単糖(例えばグルコースまたはアラビノース)、二糖(例えばラクトース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖および多糖(例えばデキストラン)、多価アルコール類(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、または互いに用いたこれらの添加剤の混合物は、本発明に係るこれらの吸入可能な粉末の混合物を調製するために用いられ得る。単糖または二糖の使用が好ましく、ラクトースまたはグルコースの、排除はしないが、特に水和物の形態における使用が好ましい。本発明の目的にとって、ラクトースおよびトレハロースが特に好ましい添加剤であり、このうちラクトースが好ましく、ラクトースの1水和物が最も好ましい。
式1の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体またはそれらの混合物の形態において用いられ得る。ラセミ体からの鏡像異性体の分離は、当該技術において公知の方法を用いて(例えばキラル相におけるクロマトグラフィーなどによって)実施され得る。
必要に応じて、本発明に係る吸入装置は、式1の1つの化合物に加えて、他の活性成分を含んでいる粉末の形態における薬剤の複数の用量を含んでいる。
さらなる活性成分はベータアゴニスト2であることが好ましい。当該ベータアゴニスト2は、以下の群:
アルブテノール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファロール、ソテレノット、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUl−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、5−[2−(5,6−ジメチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−lH−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(l−ベンズイミダゾイル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンズイミダゾイル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−l,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(l−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−l,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノールおよび1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらから選択される。
本発明によれば、より好ましいベータ作用薬2は、以下の群:バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、サルメテロール、スルホンテロール、テルブテロール、トルブテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−l−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−lH−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、l−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(l−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4−[ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,ベンゾキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−チアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノールおよび1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらから選択される。
より好ましくは、本発明に係る組成物において使用されるベータミメティクス2は、フェノテロール、ホルモテロール、サルメテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、5−[2−(5,6−ジメチル−インダン−2−イルアミノ)−l−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−lH−キノリン−2−オン、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(l−ベンズイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、l−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、l−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチロキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、l−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−l,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらから選択される。上述のミメティクスのうち、ホルモテロール、サルメテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−へキシロキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、および5−[2−(5,6−ジメチル−インダン−2−イルアミノ)−l−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−lH−キノリン−2−オンの化合物が、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態において、特に好ましい。上述のミメティクスのうち、ホルモテロールおよびサルメテロールが、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態において、特に好ましい。
本発明に係るベータミメティクス2の薬学的に受容可能な酸添加塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、l−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、4−フェニル桂皮酸、5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸またはマレイン酸の塩から選択される薬学的に受容可能な塩である。また、所望される場合には、上述の酸は塩2を調製するために用いられ得る。
本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、4−フェニル桂皮酸塩、5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸塩、マレイン酸塩およびキシナホ酸塩から選択されるベータミメティクス2の塩が好ましい。特に好ましいものは、塩酸塩、硫酸塩、4−フェニル桂皮酸塩、5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸塩、およびキシナホ酸塩のなかから選択されるサルメテロールの場合における2の塩であり、なかでも4−フェニル桂皮酸塩、5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸塩、およびとりわけキシナホ酸塩は、特に重要である。特に好ましいものは、塩酸塩、硫酸塩およびフマル酸塩から選択されるホルモテロールの場合における2の塩であり、なかでも塩酸塩およびフマル酸塩が特に好ましい。本発明の非常に重要なものはホルモテロールフマル酸塩である。
サルメテロール、ホルモテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−へキソロキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、および5−[2−(5,6−ジメチル−インダン−2−イルアミノ)−l−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−lH−キノリン−2−オンの塩は、本発明のベータミメティクス2として好適に使用される。本発明に係る特に重要なものは、サルメテロールおよびホルモテロール塩である。また、ベータミメティクス2という用語に対する任意の言及は、関連する鏡像異性体またはその混合物に対する言及を包含している。本発明の薬学的な組成において、化合物2は、当該化合物のラセミ体、鏡像異性体、またはその混合物の形態において存在し得る。ラセミ体からの鏡像異性体の分離は、当該技術において公知の方法(例えばキラル相におけるクロマトグラフィーなど)によって実施され得る。化合物2が当該化合物の鏡像異性体の形態において使用される場合、C−OH基のR立体配置における鏡像異性体を用いることが特に好ましい。
必要に応じて、本発明に係る吸入装置は、式1の1つの化合物に加えて、他の活性成分としてステロイド3を含んでいる粉末の形態における薬剤の複数の用量を含んでいる。
そのような薬剤の組み合わせにおいて、ステロイド3は、プレドニソロン、プレドニソン、ブチキソコートプロピオン酸塩、RPR−106541、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST−126、デキサメタゾン、(S)−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11[ベータ]−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸塩、(S)−(2−オキソ−テトラハイドロ−フラン−3S−イル)6α,9α−ジフルオロ−l1β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸塩、ならびにエチプレドノール−ジクロロ酢酸塩(BNP−166)、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらから好適に選択される。
特に好ましい薬物の組み合わせにおいて、ステロイド3は、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST−126、デキサメタゾン、(S)−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11a−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−l,4−ジエン−17β−カルボチオン酸塩、(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6α,9α−ジフルオロ−11βヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオン酸塩およびエチプレニドール−ジクロロ酢酸塩、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらを含んでいる群から選択される。
特に好ましい薬物の組み合わせにおいて、ステロイド3は、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、(S)−フルオロメチル6α,9α−ジフルオロ−11a−[(2−フラニルカブボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−l,A−ジエン−17β−カルボチオン酸塩、およびエチプレニドール−ジクロロ酢酸塩、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態におけるこれら、ならびに必要に応じて薬学的に受容可能な酸添加塩および水和物の形態におけるこれらを含んでいる群から選択される。
ステロイド3に対する任意の言及は、存在し得る当該化合物の任意の塩または誘導体、溶媒和化合物および/または水和物に対する言及を包含している。ステロイド3の考えられる塩および水和物の例は、金属塩(例えばナトリウムまたはカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩または分岐状のもの)であり得る。
必要に応じて、本発明に係る吸入装置は、式1の1つの化合物に加えて、上述のベータミメティクス2の1つ、および上述のステロイド3の1つの両方をさらに含んでいる、粉末の形態における薬剤の複数の用量を含んでいる。
したがって、本発明の好ましい実施形態において、本発明は、筐体およびブリスターストリップ(当該ストリップは、使用者が上記用量を吸入することを可能にするためのブリスター包装を開封する手段によって、それぞれのブリスターを連続的に整列させるために移動可能である)、およびストリップを受け取り、巻きつけるためのらせん形の巻線要素を含んでいる吸入装置に関し、ここで、それぞれのブリスターは、粉末の形態において薬学的な組成物を含んでおり、当該薬学的な組成物は、1つ以上、好ましくは1つの式1の化合物を含んでいる。
他の実施形態において、筐体およびブリスターストリップを含む吸入装置であって、当該ストリップは、使用者が上記用量を吸入することを可能にするためのブリスター包装を開封する手段によって、それぞれのブリスターを連続的に整列させるために移動可能であり、当該筐体は、ブリスターストリップおよび当該ストリップの破られたブリスターの1巻きを受け取るための共通の槽を含んでおり、当該槽は、より多くのブリスターのストリップが破られるように、最初にブリスターストリップに占められている、より多くの槽内の空間を、破られたブリスターの1巻きが占めるように設計されており、ここで、それぞれのブリスターは粉末の形態において薬学的な組成物を含んでおり、薬学的な組成物は1つ以上、好ましくは1つの式1の化合物を含んでいる。
本発明に係る吸入可能な粉末の範囲において、添加剤は、250μm以上好ましくは10〜150μmの間であり、最も好ましくは15〜80μmの間の最大平均粒子径を有している。上述の添加剤に対して、1〜9μmの平均粒子径を有しているより微細な分画を添加することがときに適切であり得る。また、これらのより微細な添加剤は、上述の考えられる添加剤の群から選択される。最後に、本発明に係る吸入可能な粉末を調製するために、微粉状にした活性物質1、ならびに必要に応じて活性物質2および/または活性物質3が混合物に添加され、ここで、活性物質1、活性物質2および活性物質3は、0.5〜10μmの平均粒子径を有していることが好ましく、1〜6μmの平均粒子径を有していることがより好ましい。粉砕し、微細化し、最終的に互いの成分を混合することによって、本発明に係る吸入可能な粉末を製造する処理は、従来技術に基づいて公知である。
粉末の形態における薬学的な組成物を調製する方法は、例えば、国際公開第02/30390号、国際公開第03/017970号、または国際公開第03/017979号の開示を参照してなされ得る。国際公開第02/30390号、国際公開第03/017970号、および国際公開第03/017979号の開示内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
また、好適な生理活性物質としては、治療薬および予防薬(例えばワクチン)が挙げられる。これらは、治療に有効な生物学的な任意の調節剤を包含している、これらに限定されない。そのような物質としては、細胞より小さい組成物、細胞、細菌、ウイルスおよび分子(脂質、有機物、タンパク質およびペプチド(合成および天然)、ペプチドミメティクス、ホルモン(ペプチド、ステロイド、コルチコステロイド)、DおよびLアミノ酸重合体、オリゴ糖、多糖、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび核酸(DNAおよびRNAが挙げられる)、タンパク質核酸混成物、小分子、およびその生理学的に活性状態の類似物が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、当該調節剤は、天然資源から入手されるか、または組換えもしくは合成手段によって作製され、当該調節剤としては、類似物、アゴニストおよび相同物が挙げられ得る。
また、本明細書に使用されるとき、“タンパク質”は、ペプチドおよびポリペプチドを指す。当該タンパク質としては、酵素、生物薬剤、成長ホルモン、成長因子、インスリン、モノクローナル抗体およびその断片、ポリクローナル抗体およびその断片、インターフェロン、インターロイキンならびにサイトカインが挙げられるが、これに限定されない。有機物としては、芳香族、カルボニル、アミノ、イミノおよびグアニジド基を有している薬学的に活性な部分が挙げられるが、これらに限定されない。好適なステロイドホルモンとしては、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンおよびその生理学的に活性状態の類似物が挙げられるが、これらに限定されない。多数のステロイドホルモン類似物が当該技術において公知であり、当該類似物としては、エストラジオール、SH−135およびタモキシフェンが挙げられるが、これらに限定されない。多くのステロイドホルモン(プロゲストロン、テストステロンおよびその類似物)は、本発明における使用に特に好適である。本明細書に使用されるとき、“核酸”としては、DNA、RNAおよびその生理学的に活性状態の類似物が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術において公知の任意の処置上効果的な核酸が挙げられる。ヌクレオチドは、遺伝子をコードし得るか、または組換えDNA(プラスミド、レトロウイルス、およびアデノ随伴ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない)の当該技術において公知の任意のベクターであり得る。好ましくはヌクレオチドは組成物の粉末の形態において投与される。
また、予防的に活性状態である薬剤および基剤は、したがって、本発明の組成物、粒子、微細粒子、または粉末にとって好適である。一実施形態において、組成物、粒子、微細粒子または粉末は、免疫原(例えばワクチン)を含んでいる。好適なワクチンとしては、生ワクチンおよび弱毒化されたワクチン、抗原をコードしているヌクレオチドベクター、生の細菌および弱毒化された細菌、抗原、抗原+基剤に結合されているアジュバントおよびハプテンが挙げられるが、これらに限定されない。
予防的な生理活性物質および基剤を含んでいる組成物はしたがって、本発明によってさらに包含されている。好ましい組成物としては、免疫原(例えばワクチン)が挙げられる。好ましいワクチンとしては、生ワクチンおよび弱毒化されたワクチン、抗原をコードしているヌクレオチドベクター、細菌、抗原、抗原+基剤に結合されているアジュバントおよびハプテンが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいものは、ジフテリア、破傷風、百日咳、ボツリヌス、コレラ、デング、A,CおよびE型肝炎、フェモフィルスインフルエンザb、ヘルペスウイルス、ヒロバクテリウム(Hylobacterium)ピロリ、インフルエンザ、日本脳炎、A型髄膜炎、B型髄膜炎、C型髄膜炎、はしか、流行性耳下腺炎、乳頭腫ウイルス、肺炎球菌、ポリオ、風疹、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、赤痢菌、結核菌、黄熱病およびそれらの組み合わせに対して有効なワクチンである。
本発明の一実施形態において、生理活性物質は、吸湿性であるか、および/または水分に対して高感度であるか、および/または不安定である。生理活性物質は、抗体および/またはヒト成長ホルモンを含み得るか、または含み得ない。
本発明の一実施形態において、生理活性物質は、22000Da未満(例えば約15000Da未満または約10000Da未満)の分子量または平均分子量を有している。例えば、生理活性物質は、一実施形態において、タンパク質性であり得るか、非タンパク質性であり得るか、巨大分子であり得るか、または巨大分子ではあり得ない。
本発明の他の実施形態において、生理活性物質は、呼吸器疾患の処置に好適である。例えば、生理活性物質は、へパリン、へパリンナトリウム、免疫抑制剤(例えばタクロリムスおよびシクロスポリン)ならびに抗真菌剤のうちの1つ以上から選択され得る。
一実施形態において、生理活性物質は治療薬または予防薬を含んでいる。
他の実施形態では、生理活性物質は、タンパク質、酵素、ペプチド、ポリペプチドまたはワクチンから選択される。生理活性物質は好ましくはタンパク質(例えばインスリン)である。
本発明の組成物、粉末、発泡体および粒子は医薬として用いられ得る。例えば、組成物、粉末、発泡体および粒子は、治療的または診断的な用途に好適であり得る。診断的な用途としては、例えば音波を発生する造影剤としての、超音波映像における微粒子の使用が挙げられ得る。
組成物、粉末、発泡体または粒子は、それらを必要としている哺乳類(例えばヒト)の処置のための薬物の製造に用いられ得る。また、“哺乳類”という用語は、例えば、獣医学に関する動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジおよびブタ)、ならびに愛玩動物(例えばイヌ、ネコおよびハムスター)を包含している。処置される症状は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、嚢胞性繊維症および他の肺疾患ならびに急性の肺移植拒絶反応および/または慢性の肺移植拒絶反応および/またはBOおよび/またはBOSのうちの1つ以上であり得る。
本明細書に使用されるとき、“呼吸器系”という用語は、気道のすべての部分、すなわち、鼻から肺胞までの、呼吸の間における空気の通路を指す。呼吸器系としては、呼吸に関与する組織(鼻、咽喉、喉頭、気管、気管支および肺)が挙げられる。
本明細書に使用されるとき、“呼吸器系の疾患、障害および/または症状”という用語は、呼吸器系の閉塞性または拘束性の症状に関連する疾患、障害および/または症状を指す。呼吸器系の拘束性の症状は、肺の内部への気流および外部への気流の速度を低下させる任意の状態を包含している。呼吸器系の拘束性の症状は、肺の機能的な体積の低下を引き起こす任意の症状を包含している。気道の閉塞または拘束は、喘鳴、呼吸の短縮、呼吸困難、胸苦しさ、および咳といった症候を引き起こす。呼吸器系の疾患、障害および/または症状は、例えば、気道炎症疾患、気道狭窄症、または鼻腔炎症疾患であり得る。
呼吸器系の疾患、障害および/または症状の例としては、肺障害(ALI)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、反応性気道疾患(RADS)、鼻炎、気管支炎、細気管支炎、鬱血、副鼻腔炎、扁桃腺炎、喉頭炎、後鼻漏(PND)、ならびに任意およびすべての以下の同じ要因に依存する合併症;炎症性脱顆粒の肥満細胞活性、非脱顆粒の肥満細胞活性;呼吸困難、拘束および/または閉塞をもたらす杯細胞または他の部位からの刺激誘因性の粘液分泌;気道狭窄または封鎖または気道の粘液妨害;睡眠時無呼吸;いびき;任意の風媒性物質または他のアレルゲンまたは刺激原に対する炎症性または非炎症性の応答;任意の他の体の領域の問題によって引き起こされる鼻腔または他の気道の炎症または刺激;呼吸器系への物理的障害(例えば鼻出血、外科処置、外傷性の傷害);風媒性物質または季節的なアレルゲンまたは刺激原によって引き起こされる呼吸器官の疾患、障害および/または症状、上記の任意のものによって起こされる組織の膨張などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるとき、“喘息”という用語は、慢性的な状態を指し、ほとんどの場合において、可逆的な気道の閉塞および/または狭窄によって特徴づけられている。喘息にとっての1つ以上の要因にしばしば応じて、気道は炎症を起こし、過剰な量の粘液によって満たされる。喘息にとっての要因としては、環境的な刺激物(例えばアレルゲン(ブタクサ、ハウスダスト、動物の毛、花粉など)、冷気、暖気、湿潤空気、気温または湿度の変化、上気道感染、運動、激しい活動、身体的または感情的なストレス、煙、ウイルス性の病気(例えば一般的な風邪によって引き起こされるもの))が挙げられるが、これらに限定されない。“喘息”という用語は、脂肪細胞の関与の有無、脱顆粒の有無、粘液の滲出の有無、悪化要因(exacerbant)が同定されているか否か、原因が風媒性であるか否かにかかわらず、一次作用が細胞性の炎症および/または過敏である任意の原因によって引き起こされる喘息を包含している。“喘息”という用語は、もっとも広い範囲を網羅しており、わずかに認識可能な程度から深刻な程度までのすべての程度の呼吸困難を包含している。喘息の例としては、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、ステロイド難治性喘息、非−アレルギー性喘息、内因性の喘息、外因性の喘息、アスピリン喘息、心性喘息、運動−誘導性喘息、感染性喘息、気道の制限または狭窄によって誘引される任意の喘息が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本明細書に使用されるとき、“慢性閉塞性肺疾患”または“COPD”(慢性閉塞性気道疾患(COAD)としても知られている)は、気道における十分に可逆的ではない気流の制限によって特徴づけられている進行性の呼吸器疾患を指す。
COPDは、しばしば呼気流が低速化される恒常的なまたは一時的な小気管支の狭窄に関与している。COPDの例としては、慢性の気管支炎、肺気腫および病因のない、または他のより特定の用語が適用され得る種々の他の障害が挙げられる。COPDは、喫煙を最大の原因としているが、他の風媒物質(例えば炭塵、アスベストまたは溶媒)ならびに亜硝酸塩を含んでいる保存された食肉によって引き起こされ得る。
本明細書に使用されるとき、“活性気道疾患(RAD)”という用語は、高レベルの要因(刺激性の蒸気、煙霧または煙)に対する単回の曝露後に罹患した喘息様症候群を指す。本発明の特定の実施形態では、RADという用語は、診断学的な検査への参加に十分な年齢となったときに喘息であると後に確認され得る、小児における喘息様症候群を含んでいる。
例えば糖(例えばヘパリンナトリウム)を含んでいる、本発明の組成物は、以下の状態:成人呼吸窮迫症候群;アレルギー性脳脊髄炎、アレルギー性鼻炎、関節炎、喘息;癌;遅延型過敏症反応;炎症性腸疾患;間質性膀胱炎;上昇したレベルの、および/または粘性の、粘液または他の肺分泌物(CAL、肺炎、副鼻腔炎、副鼻腔鬱血、嚢胞性繊維症および喘息、ここで処置される対象は以下の気道感染を有し得る(例えば細菌性またはウイルス性の感染(例えばインフルエンザまたは風邪)));粘液の過剰分泌を伴う慢性の気流制限(CAL)を含む呼吸器障害または疾患;内因性の細胞外DNAの存在によって特徴付けられる障害(例えば嚢胞性繊維症、CAL、肺炎または全身性エリテマトーデス(SLE));移植の拒絶;および肺動脈高血圧症(PAH)の1つ以上の処置に用いられ得る。
本発明の調合物は、粘液の過剰分泌を示している慢性の気流制限(CAL)にかかっているヒト対象の、中枢および末梢の気道からの粘液の除去を促進するために用いられ得る。
また、調合物は肺疾患(例えば粘液の過剰分泌または粘液の異常な粘弾性に関与する肺疾患)の処置のために用いられ得る。
一実施形態において、肺疾患は、気管支炎、急性喘息、嚢胞性繊維症(CF)、慢性閉塞性気道疾患(COAD)または気管支拡張症の1つ以上から選択される。
本発明の組成物は、以下の状態:凝血塊の形成および血中の凝血塊の存在の拡張を防ぐ抗凝固剤として;以下の症状に対する抗凝固として:急性環状動脈症候群(例えばNSTEMI心房細動)、深部静脈血栓および肺塞栓、心臓手術のための人工心肺の処置のために用いられ得る。
ヘパリンおよびその誘導体(エノキサパリン、ダルテパリンなど以下)は、リスクのある患者における深部静脈血栓および肺塞栓を予防するために有効であり得る。
一実施形態において、本明細書の任意の実施形態に規定されている発明の組成物を含んでいる乾燥粉末の吸入器が提供される。
本発明の、組成物、発泡体、粉末または粒子は、単回用量の形態として提供され得る。本発明の組成物、発泡体、粉末または粒子は、例えば、容器に入れて提供され得る。一実施形態において、本発明に係る粉末または微粒子を含んでいる容器が提供される。容器は、カプセル、ブリスター、貯蔵器または他の粉末を収納するための入れ物であり得る。本発明の組成物は、貯蔵器に基づく使用、または複数回の用量の乾燥粉末の他の吸入器における使用にとって特に好適である。
本発明の方法において、粒子の組成物は、約10μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいることが好ましい。また、粒子組成物は、例えば、吸入による投与のためのものである。
一実施形態において、粒子の組成物は、粒子を含んでおり、当該粒子は、金属イオンの塩および生理活性物質を含んでいる。
一実施形態において、本発明に係る組成物は、溶液または分散物としての生理活性物質および金属イオンの塩を、準備し、噴霧乾燥させる工程を包含している方法によって調製される。上記溶液または分散物は、水溶性の溶液または分散物であることが好ましい。組成物は水より揮発性が高い液体(例えばエタノール)を典型的に含んでいない。一実施形態において、組成物(すなわち溶液または分散物)は、揮発性の高い溶媒(水より揮発性の高い溶媒または液体(例えばエタノール))を含み得る。
噴霧乾燥のための好適な吸入口の温度は、例えば90〜180℃(例えば110℃〜140℃(例えば約130℃))である。排気口の温度は、例えば40〜100℃の範囲(例えば60〜90℃(例えば約80〜90℃))である。
噴霧化の圧力は、例えば1〜5バールg(例えば2〜4バールg、すなわち約3バールg)であり得る。本発明のある実施形態において、吸入口の温度は約90〜180℃であり、排気口の温度は約40〜100℃であり、噴霧化の圧力は1〜5バールgである。
溶液または分散物における金属イオンの塩に対する生理活性物質の重量比率は、例えば1:99〜30:70、または70:30〜99:1であり得、例えば80:20〜98:2、90:10〜98:2、または95:5〜98:2、または2:98〜5:95、2:98〜10:90、2:98〜20:80であり得る。
明らかに以前に公開されている文献の、本発明における列挙または考察は、当該文献が最新技術の一部であるか、または一般的な常識であることの承認であると必ずしも解釈されない。
非限定的な以下の実施例は、本発明を例証しており、本発明の範囲をなんら限定していない。実施例および本明細書の全体を通して、すべてのパーセンテージ、部および比率は、特に断りがない限り、質量に基づいている。平均分子量は、特に断りがない限り質量に基づいている。本発明の生成物に存在している異なる成分(選択可能な任意の成分が挙げられる)の種々のパーセントの量は、100%以下であることが明らかである。
〔実施例1:トレハロース:インスリンの供給材料〕
80:20%(w/w)のトレハロース:インスリン、および20:80%(w/w)の供給原料を調製し、噴霧乾燥させた。インスリンを0.01MのHClに溶解させた。トレハロースを脱イオン水において別に溶解させ、上記複数の溶液を混合させた。
インスリンはBioconから入手した。80:20の供給原料のために使用された噴霧乾燥の条件は、以下の通りであった。
(噴霧乾燥条件)
Figure 2013508344
得られた粉末は黄白色であった。粉末を低湿度の条件(〜25%RH)において回収した。
〔実施例2:乳酸カルシウム:インスリンの供給原料〕
乳酸カルシウムは、商品名PURCAL(登録商標)の5水和物としてPURAC(illinois、USA)から入手した。
80:20(w/w)(乳酸カルシウム:インスリン)の供給原料および20:80(乳酸カルシウム:インスリン)の供給原料を、乳酸カルシウムの5水和物およびインスリンを用いて調製した。インスリンを0.01MのHClに溶解させた。乳酸カルシウムの5水和物を脱イオン水において別に溶解させ、上記複数の溶液を混合させた。インスリンは直ちに沈降した。5MのHClを、溶液が透明になるまで滴下して加えた。
(噴霧乾燥条件)
使用された噴霧乾燥の条件は以下の通りである。
Figure 2013508344
粉末は両方の供給原料について黄白色であり、当該粉末を低湿度の条件(〜25%RH)において回収した。
〔実施例3:安定性試験−トレハロースと乳酸カルシウムの効果〕
実施例1および実施例2において調製された80:20の粉末が試験された。
以下の試験が実施された:
・R2レンズを有しているSympatec laser diffraction systemを用いた粒度分布測定、
・Perkin Elmer Diamond DSC(示差走査熱量計)を用いたガラス転移温度(Tg)が測定された。
これらの2つのバッチは、25℃/60%RHの安定な保管庫において、開口したガラスのペトリ皿に入れられた。定期的なサンプルが取られ、R2レンズを有しているSympatec diffraction systemを用いて粒度が分析された。
新しいサンプルは、40℃/75%RHの安定な保管庫において、開口したペトリ皿に入れられた。
すべてのサンプルは、さらなるパラフィルムの保護を用いて、ねじ蓋のビンに密閉され、さらなる任意の分析のために、制御された低湿度の条件において保存された。
結果は以下の表に示されている。
Figure 2013508344
Figure 2013508344
Figure 2013508344
25℃/60%RHにおいて22時間にわたって保存されたサンプルついての粒度分布に有意な差はなかった。
Figure 2013508344
25℃/60%RHにおける40時間にわたる保存後において、X99に認められる最初の凝集の兆候がある。しかし、93時間後においてさえ、粉末は高い流動性を維持し、X50の粒度は、T0から0.5μmまで増大していただけであった。
93時間後におけるさらなる試験は実施されなかった。
Figure 2013508344
40℃/75%RHの30分後における粒度分布に有意な差はなかった。1時間後に、X99において凝集の最初の兆候があり、これは、1.5時間後にX90において68.2μmまで進行している。X50の値は、いまだに相対的に低いままである。40℃/75%RHについての2時間におけるサンプルは分析しなかった。サンプルは分析され得ない融合したガラス層と認められた。
利用可能な材料の不足のために、2つ一組の評価は1.5時間において実施された。ペトリ皿におけるほとんどのサンプルはガラスと融合していた。
乳酸カルシウム調合物の安定性試験の結果は図4および図5に示されている。
Figure 2013508344
〔実施例4:示差走査熱量測定〕
示差走査熱量測定(DSC)は、実施例1および実施例2から得られた以下の粉末に対して実施された。
80:20(w/w)トレハロース:インスリン(図1を参照)、
80:20(w/w)乳酸カルシウム:インスリン(図3を参照)。
図1および図3についてのDSC走査速度は、1)1分にわたる0.00℃における保持、2)50.00℃/分における0.00℃から250.00℃への加熱、3)1分にわたる250.00℃における保持であった。
図2におけるDSC走査速度は、1)10.00℃/分における25.00℃から200.00℃までの加熱、2)1分にわたる200.00℃における保持、3)40.00℃/分における200.00℃から0.00℃への冷却、4)1分にわたる0.00℃における保持、5)10.00℃/分における0.00℃から200.00℃への加熱であった。
両方の粉末は時点T0に試験された。80%トレハロースのバッチは82℃のTgを有しており、一方、乳酸カルシウムのバッチは、はるかに高い121℃のTgを有している。
それから両方の粉末は、25℃/60%RHにおいて一晩にわたって開口したペトリ皿に入れられた。16時間後にトレハロースを含んでいるバッチは、分析され得ない高粘度のペーストに融合していた。乳酸カルシウムのバッチは、自由に流動する粉末状に留まっており、93時間にわたって25℃/60%RHにおいて安定な保管庫に保存された。DSC分析は再度行われ、中間点(44時間)にも行われた。
25℃/60%RHにおける44時間=87℃(Tg)
25℃/60%RHにおける93時間=87℃(Tg)。
93時間後の負荷条件でさえ、乳酸カルシウムのサンプルのTgは、T0(負荷なし)におけるトレハロースのバッチのTgに比べて、より高いままであった。粒度のデータは、93時間後における乳酸カルシウムのサンプルについて粒度分布が、どれだけ相対的に一定なままであるかを示す。また、当該サンプルは、自由流れの白い粉末のままであった。
(要約)
生成されたDSCデータは、約4%の残余の水分量におけるトレハロース:インスリン(80:20)について約80℃のTgを示す。
生成されたDSCデータは、約3.5%の残余の水分量における乳酸カルシウム:インスリン(80:20)について、約2.652の大きなΔCとともに、122℃のTgを示す。
25℃/60%RHにおいて、乳酸カルシウム組成物は依然として安定であり、自由流れを示す。同じ条件においてトレハロース組成物は、融合し、溶融した小球体の外観を有している。
40℃/75%RHにおいて、乳酸カルシウムの粉末は、30分後にまだ1.5ミクロンの大きさである。その大きさは、1時間後に1.84ミクロンになり、1.30時間後に2.81ミクロンになった。同じ条件下においてトレハロース組成物は融合する。
〔実施例5〕
(塩の安定化特性の評価)
目的
臭化チオトロピウムを含んでいる噴霧乾燥された調合物において、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム塩の安定化特性を評価すること。
方法
前述のように噴霧乾燥された調合物は調製された。調合物は、20/80の臭化チオトロピウム/安定化剤の比において調製された。調合物は、24時間にわたる40℃における75%の相対湿度という環境条件に置かれた。また、チオトロピウム/トレハロース調合物は、塩の安定化特性の、糖との比較を可能にするために評価された。サンプルは、最初に採取され、引き続き2時間ごとに採取され、TSI(登録商標)-aerodynamic particle size analyzer(TSI-APS)を用いた粒度分布測定(PSD)に供された。TSI-APSは以下の初期設定にセットされた。
粒子密度=1.00g/cc;側方散乱データタイプ=チャンネルデータおよび選択された未加工のデータ;選択された補正サンプルモード;5000#/ccに設定された高濃度限界。
粒度データは、サンプルとして採取された空気の単位体積あたりの、サイズチャンネルあたりの、粒子のカウントの数に基づいている。
各サンプルは2回にわたって測定された。各測定から得られた粒度の算出された平均値および幾何学標準偏差は表7に示されている。
Figure 2013508344
4時間の時点において、チオトロピウム/トレハロースのサンプルは、TSI-APSの入口開口部を通過しないほどに大きく固い粒子を形成し、このため、さらなる分析は不可能であった。
6時間の時点を経過してもチオトロピウム/乳酸カルシウムのサンプルはその粒度を保持した。24時間の時点までに、当該サンプルはTSI-APSによる分析に適さない大きく固い粒子を形成した。
6時間の時点において、チオトロピウム/クエン酸ナトリウムのサンプルは、TSI-APSを用いた分析に適さない大きく固い粒子を形成した。
チオトロピウム/乳酸ナトリウムのサンプルは処理が困難であった。最初のサンプルは、TSI-APSの入口にサンプルを加えるために使用されるブラシの毛に粘着する、粘着性の大きな1つの凝集体を形成した。最初のサンプルは処理されたが、当該データは、変則的であり、材料の粒度の正確な反映ではないと見做された。2時間および4時間の時点において採取されたさらなるサンプルは、粘着性があるだけでなく、塩の潮解性を示す水分が認められた。
データは、塩が水分の吸収に対する耐性の順に順位付けされ得ることを示す。乳酸カルシウムは、6時間後から24時間に達するまでの時点に生じる固い凝集体への、脆い凝集体からの外観の変化をともなう、最良の耐湿特性を有している。乳酸カルシウムの耐湿特性のより明確な指示を可能にするために、乳酸カルシウムとクエン酸ナトリウムとの比較が繰り返された。繰り返し試験の結果は表8に示されている。
Figure 2013508344
チオトロピウム/クエン酸ナトリウムのサンプルにおける凝集体は5時間において凝固した。
チオトロピウム/乳酸カルシウムのサンプルは8時間において脆い凝集体を含んでいた。
9時間の時点において凝集体はより小さい脆弱性を示した。サンプルにおける凝集体は24時間において凝固した。
〔実施例6〕
乳酸カルシウムを含んでいる噴霧乾燥された調合物についてAPIの防湿を評価するために、調合物のバッチは異なるAPIと賦形剤との組み合わせにおける乳酸カルシウムを用いて調製された。
プロピオン酸フルチカゾン(FP)
作業の最初の段階は、以下の比:
100%のFP
50/40/10%のFP/トレハロース/乳酸カルシウム
50/40/10%のFP/トレハロース/クエン酸ナトリウム
においてFPを含んでいる噴霧乾燥されたバッチの製造物を調べた。
3つすべての混合物は、2、4、6および24時間後、それから2および6日後の分析のため採取されたサブサンプルとともに、25℃/60%RHに設定された安定な保管庫に入れられた。
空気力学的粒度分布を測定するために、TSI-aerodynamic particle sizer(APS)を用いて分析が実施された。吸湿からAPIを保護するための賦形剤なしのサンプルについて、粒度の増大が予想された。
APSパラメーター:粒子密度=1.00g/cc;側方散乱データタイプ=チャンネルデータおよび選択された未加工のデータ;選択された補正サンプルモード;5000#/ccに設定された高濃度限界。サンプルは2回にわたって測定された。
表9は、各時点において得られた、測定されたaPSDデータの要約を示す。
5日後において、APSによって測定された粒度に認識し得る変化はなかった。FPの非常に低い本来の水溶性のために、水分を吸収する賦形剤の作用を模倣するための使用には、FPは不適当なAPIであることが結論付けられた。
Figure 2013508344
サルブタモール硫酸塩
APIと混合されたときに乳酸カルシウムの作用を模倣するための適切な候補物にさせるその優れた水溶性のために、サルブタモール硫酸塩が次に選択された。以下の混合物は噴霧乾燥された。
100%のサルブタモール硫酸塩
90/10(w/w)のサルブタモール硫酸塩/乳酸カルシウム
50/40/10(w/w)のサルブタモール硫酸塩/トレハロース/乳酸カルシウム。
3つのすべての混合物は、25℃/60%RHに設定された保管庫に、2、4、6および24時間、それから5および6日後の分析のために採取されたサブサンプルとともに入れられた。次いで、サンプルは6日の時点の後に40℃/75%RHの保管庫に移され、それから、24および48時間後の分析のためサンプルが採取された。
分析は、以前の通りの条件をともなってTSI-APSを用いて実施された。表10を参照。
Figure 2013508344
24時間後における40℃/75%RHにおいて、100%のAPIは、TSI-APSの内部の入口における開口部に対して大きすぎる、大きく固い結晶質の粒子を形成し、当該粒子は、装置を閉塞させ、必要とされる読取りを不可能にさせた。
48時間後において、3つのすべてのサンプルは、APS装置にサンプルを挿入するための標準的なサンプルの準備方法を用いて粉砕され得ない、大きい結晶質の粒子を形成した。このため、分析は実施できなかった。
しかし、より積極的な40℃/75%RHにおいてサンプルを保管することが、水分を吸収する賦形剤の作用を模倣するためのより良好な方法であったことをこの試験は証明している。
さらなる2つのバッチが製造された。
90/10(w/w)のサルブタモール硫酸塩/クエン酸ナトリウム
50/40/10(w/w)のサルブタモール硫酸塩/トレハロース/クエン酸ナトリウム。
これらは40℃/75%RHに設定された安定な保管庫に入れられた。サブサンプルが、いくつかの時点における分析のために採取され、前述のようにAPSを用いてaPSDについて測定された。表11参照。
Figure 2013508344
7時間の時点において、90/10(w/w)のAPI/クエン酸ナトリウムのサンプルは、APSにおける使用のために適さない大きな結晶質の粒子を形成し、それらの粒度が測定され得ないことを意味する。
24時間の時点において、50/40/10の(w/w)API/トレハロース/クエン酸ナトリウムのサンプルはまた、大きな結晶質の粒子を形成した。
サルブタモール硫酸塩との使用から、クエン酸ナトリウムは、水分からのAPIの保護において、乳酸カルシウムほどに有効ではない。
噴霧乾燥したトレハロースおよびインスリン粉末のDSCトレースを示す。 メルトクエンチの乳酸カルシウムのDSCトレースを示す。 噴霧乾燥した乳酸カルシウムおよびインスリン粉末のDSCトレースを示す。 乳酸カルシウムおよびインスリン粉末の安定性を示す図である。 乳酸カルシウムおよびインスリン粉末の安定性を示す図である。

Claims (26)

  1. 薬学的に受容可能なガラス質の基剤、および当該基剤の内部にある少なくとも1つの生理活性物質を含んでおり、粉末の形態である吸入のための組成物であって、
    当該組成物はポリオールを実質的に含んでおらず、上記ガラス質の基剤は金属イオンの塩を含んでおり、上記粉末は10μm未満の直径の幾何中央値を有している粒子を含んでいる、組成物。
  2. 上記金属イオンの塩は、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態に処理されている金属イオンの塩であり、当該処理されている金属イオンの塩は、水和の程度を低下させるように処理されている少なくとも2水和物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 上記金属イオンの塩を含んでいない組成物と比べて、周囲条件の下に、低下した吸湿性を有しているか、および/または低い吸湿性であり;
    生理学的および/または薬学的に受容可能であるか;
    ポリオールもしくは他のガラス質の物質を形成する化合物が実質的に存在しないか;および/または、
    上記ガラス質の基剤は、ガラス質形成体としての多価の金属イオンからなる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 上記生理活性物質は、非タンパク質性であるか、またはヘパリン、ヘパリンナトリウム、免疫抑制剤(例えばタクロリムスおよびシクロスポリン)の1つ以上から選択されるか;または、
    上記生理活性物質は、呼吸器疾患の処置に好適である(例えばステロイド、およびβ2−アゴニストもしくは臭化チオトロピウムの組み合わせ)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 非晶質の粉末、好ましくは噴霧乾燥されている粉末であるか、または肺投与用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 上記ガラス質の基剤、必要に応じて溶媒および/または水、ならびに少なくとも1つの生理活性物質からなり、当該ガラス質の基剤は上記金属イオンの塩から形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 上記組成物および/または金属イオンの塩のTgは、少なくとも約70℃または100℃(例えば100〜150℃、好ましくは110〜130℃)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 上記金属イオンの塩は多価の金属イオン(例えば2価の金属イオン)を含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 上記組成物および/または上記金属イオンの塩は、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.5または2J(g・℃)のΔCを有している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 0.4g/cm以下のタップ密度を有している粒子を含んでいるか、および/または粒子の壁は多孔質であるか、および/または粒子の壁は非多孔質であるか、および/または粒子は中空である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 乾燥粉末の形態、好ましくは自由流れを示す乾燥粉末の形態である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 上記金属イオンの塩は薬学的に受容可能なガラス質の基剤を形成している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 上記基剤は少なくとも1つ上記生理活性物質の固溶体を含んでいる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 上記金属イオンの塩は、亜鉛と無機酸との塩(ハロゲン化亜鉛(例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛)、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛が挙げられる);亜鉛と有機酸との塩(亜鉛の脂肪族カルボン酸塩(例えば炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛)、芳香族性の亜鉛の塩(例えば安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フノールスルホン酸亜鉛)が挙げられる);カルシウムと無機酸との塩(ハロゲン化カルシウム(例えば塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、フッ化カルシウムなど)、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、チオシアン酸カルシウムが挙げられる);カルシウムと有機酸との塩(カルシウムの脂肪族カルボン酸塩(例えば炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、エデト酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ヘプタン酸カルシウム、吉草酸カルシウム、カプリン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、グルタル酸カルシウム、マロン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、グリコール酸カルシウムカルシウム、グリセリン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸クエン酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウム)および芳香族性のカルシウムの塩(例えば安息香酸カルシウム、サリチル酸カルシウム)が挙げられる)、およびこれらの組み合わせ、好ましくは酢酸亜鉛または酢酸カルシウム、最も好ましくは乳酸カルシウムの1つ以上から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 上記金属イオンの塩は、金属イオンとオルトリン酸の塩および金属イオンと硫酸の塩;塩化バリウムの2水和物;乳酸カルシウムの5水和物;硫酸銅の5水和物;サリチル酸マグネシウムの5水和物、硫酸マグネシウムの7水和物;硫酸水素カリウム、臭化カリウムおよびオルトリン酸二水素カリウム;酢酸ナトリウム3水和物、臭化イリジウムナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、フッ化ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウム12水和物、メタ過ヨウ素酸ナトリウム3水和物、メタリン酸ナトリウム3水和物、メタリン酸ナトリウム6水和物、亜硫酸ナトリウム8水和物、硫酸ナトリウム8水和物、硫酸ナトリウム12水和物およびチオ硫酸ナトリウム5水和物;および硫酸亜鉛6水和物、ならびにこれらの組み合わせの1つ以上を任意に含んでいる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 上記金属イオンの塩は、クエン酸塩またはグルコン酸塩(例えばクエン酸ナトリウムまたはグルコン酸マグネシウム)を含んでいない、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 上記生理活性物質は治療薬または予防薬を含んでいる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 上記生理活性物質は、タンパク質、酵素、ペプチド、ポリペプチド、ワクチンまたは10000Da未満の分子量を有している分子から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 粒子状の組成物における単一および/または複数の粒子の混合物の、凝集性を低下させるか、および/または分散性を維持させる方法であって、
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の粒子状の組成物を形成する工程を包含している、方法。
  20. 水分および/または熱にさらしたときの粒子状の組成物の物理的および/または化学的な安定性(例えば分散性の維持および/または凝集性の低下)を向上させる方法であって、
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の粒子状の組成物を形成する工程を包含している、方法。
  21. 上記粒子状の組成物は、約10μm未満の直径の幾何中央値および/または0.1〜10μmのMMADを有している粒子を含んでいる、請求項19または20に記載の方法。
  22. 上記粒子状の組成物は、経口または経鼻の吸入による投与用である、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 上記粒子状の組成物は、上記金属イオンの塩および生理活性物質を含んでいる粒子を含んでいる、請求項19〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 水分および/または熱に対する粒子状の組成物の物理的および/または化学的な安定性を向上させるためか、ポリオールを含んでおらずかつ生理活性物質を含んでいる粒子状の組成物における凝集性を低下させるためか、当該組成物における分散性を維持させるための、非晶質の形態、無水の形態および/または程度の低い水和物の形態における金属イオンの塩の、使用。
  25. 上記生理活性物質は上記金属イオンの塩のマトリクス内にあるか、および/または上記粒子状の組成物は非晶質である、請求項24に記載の使用。
  26. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、
    生理活性物質、および例えば溶液、分散物、懸濁物もしくは乳化物の形態における、金属イオンの塩を準備する工程、ならびに噴霧乾燥させる工程を包含しており、
    上記金属イオンの塩は多価であることが好ましく、上記組成物はポリオールを含んではない、方法。
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