JP2005522442A - 非晶質フルチカゾン2−フロエート、その医薬組成物およびその結晶非溶媒和形態への変換 - Google Patents

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Abstract

本発明の1態様によれば、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物が提供される。

Description

本発明は、アンドロスタン系の新規な抗炎症性化合物および抗アレルギー性化合物、ならびにその製造方法に関する。また、本発明は、該化合物を含む医薬製剤、ならびにその治療目的での使用、特に炎症およびアレルギー性の症状を治療するための使用に関する。
抗炎症特性を有するグルココルチコイドは知られており、喘息や鼻炎などの炎症性の障害または疾患の治療に広く用いられている。例えば、米国特許第4335121号では、6α,9α-ジフルオロ-17α-(1-オキソプロポキシ)-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル(一般名プロピオン酸フルチカゾンで知られている)およびその誘導体が開示されている。グルココルチコイドの使用は、一般には、特に小児において、副作用の可能性があるという懸念から、一部で制限を受けている。グルココルチコイドについて懸念される副作用としては、視床下部−下垂体-副腎(HPA)系の抑制、小児における骨成長および成人における骨密度に対する影響、眼合併症(白内障形成および緑内障)、ならびに皮膚萎縮が挙げられる。また、特定のグルココルチコイド化合物は、複雑な代謝経路を有しており、活性な代謝産物の産生により、そうした化合物の薬物動態学および薬物動力学を理解しにくくしている可能性がある。現在のステロイドは当初に採用されたものよりも非常に安全であるが、それでもなお、優れた抗炎症特性、予測可能な薬物動態学的および薬物動力学的な特性、魅力的な副作用プロファイル、ならびに手頃な治療レジームを備えた新規な分子を製造するための研究、という目的が残されている。
本発明者らは、これらの目的にかなう新規なグルココルチコイド化合物を同定した。
したがって、本発明の1つの態様によれば、実質的に非晶質固体の形態である、式(I):
Figure 2005522442
の化合物が提供される。
式(I)の化合物の化学名は6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルである。
式(I)の化合物およびその製剤は、局所投与した場合に、例えばグルココルチコイド受容体への結合能やその受容体を介する応答の誘導能などにより実証される有益な抗炎症作用および抗アレルギー作用を有しており、しかもそれらが長期作用性である可能性がある。したがって、式(I)の化合物は、炎症性および/またはアレルギー性の障害の治療、特に一日一回療法において有用である。
式(I)の化合物は、好ましくは実質的に非晶質固体粒子の形態で存在する。肺への局所投与を目的とする場合、該非晶質固体粒子の径は、好ましくはこの目的に適した制御粒径とする。気管支系への吸入に最適な粒径は、通常1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に2〜5μmである。好ましくは、式(I)の化合物は、1〜20μm、より好ましくは1〜10μm、特に2〜5μmの範囲の中央粒子径(MMD)を有する実質的に非晶質固体粒子の形態で存在する。
最も好ましくは、式(I)の化合物は、実質的に球状である実質的に非晶質固体粒子の形態で存在する。
実質的に非晶質の粒子とは、その結晶化度が非常に低い粒子、例えば結晶化度が20%未満、好ましくは10%未満、特に5%未満、例えば結晶化度が1%未満の粒子を指す。結晶化度は当業者によく知られた方法を用いて測定することができる。これらの方法としては、限定するものではないが、粉末X線回折、示差走査熱量測定法、力学的蒸気収着法、等温式ミクロ熱量測定法、逆ガスクロマトグラフィー、近赤外分光法および固体NMRが挙げられる。
実質的に球状の粒子は、3種の直交面各々において本質的に同一の(例えば、その最大半径と最小半径との差が最小半径の20%未満、好ましくは10%未満、特に5%未満である)半径測定値を有することによって定義される。
本発明のさらなる態様によれば、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を場合により1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む医薬製剤が提供される。
実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む医薬製剤は、(i)実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる固形の希釈剤もしくは担体と混合すること、または(ii)例えば式(I)の化合物と1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体とを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、1種以上の希釈剤もしくは担体中の式(I)の化合物の固体分散体を製造すること、または(iii)1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体を予め溶解した液体中に懸濁した実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を噴霧乾燥すること(それによりスプレーコーティングされた生成物を得る)、により製造することができる。
従って、本発明の1態様として、本発明者らは、(i) 実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる固形の希釈剤または担体と混合することにより取得可能な、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む医薬製剤、および(ii)式(I)の化合物と1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体とを含有する溶液を噴霧乾燥することにより取得可能な、1種以上の希釈剤または担体中の式(I)の化合物の固体分散体を含む医薬製剤、および(iii) 1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体を予め溶解した液体中に懸濁した実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を噴霧乾燥することにより取得可能な、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む医薬製剤、を提供する。
具体的な希釈剤または担体としては、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、第ニリン酸カルシウム、乳糖、単糖類(例えばマンニトール)、二糖類(例えば乳糖)、デンプン、アミノ酸および類似物質が挙げられる。
肺へ局所投与するための医薬製剤としては、乾燥粉末組成物および噴霧用組成物が挙げられる。
吸入により肺へ局所送達するための乾燥粉末組成物は、例えば、ゼラチン製などの吸入器または注入器で使用するカプセルおよびカートリッジ中に入れてもよい。製剤は一般に、本発明の化合物と乳糖やデンプンなどの適切な粉末基剤(担体物質)との吸入用粉末混合物を含有する。乳糖を使用することが好ましい。各カプセルまたはカートリッジには、一般に、式(I)の化合物20μg〜10mgを、場合により別の治療活性成分と組み合わせて含有させることができる。あるいは、本発明の化合物を賦形剤抜きで使用してもよい。製剤の充填は、単回投与または複数回投与による送達に適したものとすることができる。複数回投与による送達の場合、製剤は予め定量しておくことができるし(例えば、Diskusの場合はGB 2242134を、またDiskhalerの場合はGB 2178965, 2129691および2169265を参照されたい)、あるいは使用時に定量することもできる(例えば、Turbuhalerの場合はEP 69715を参照されたい)。単回投与装置の1例はRotahaler(GB 2064336を参照されたい)である。Diskus吸入装置は、ベースシート(複数の収納部が該シートの長手方向に沿って配置されている)と、該シートを剥離可能に密閉することで複数の容器を形作る蓋シートとから形成される細長いストリップを含み、また該容器は各々がその内部に式(I)の化合物を好ましくは乳糖と一緒に含有する吸入可能な製剤を含んでいる。好ましくは、該ストリップは巻き取ることができるほど柔軟である。蓋シートおよびベースシートは、好ましくは互いが密閉されていない先端部分を有し、またその先端部分の少なくとも一方は巻き取り手段に取り付けられているように構成されている。さらに、好ましくは、底面側と蓋側のシート間の密閉は、それらシートの全幅に及ぶ。蓋シートは、好ましくは、ベースシートから該シートの一端から長手方向へと剥がすことができる。
加圧されておらず、また乾燥粉末として口腔を介して肺へ局所投与されるよう調整された医薬製剤(特に賦形剤を含まないもの、または乳糖やデンプンなどの希釈剤や担体、特に乳糖と共に製剤化したもの)は、とりわけ興味深い。
乳糖などの賦形剤を使用した場合、一般に、該賦形剤の粒径は本発明の範囲内の吸入用薬剤よりもずっと大きい。賦形剤が乳糖である場合、乳糖は典型的には破砕された乳糖として存在するが、その際乳糖粒子の85%以下はそのMMDが60〜90μmとなり、また15%以上はそのMMDが15μm未満となる。
吸入により肺へ局所送達するための噴霧用組成物は、例えば定量噴霧式吸入器などの加圧式パックから送達される水溶液もしくは懸濁液として、またはエアロゾルとして、適切な液化噴射剤を用いて製剤化することができる。吸入に適したエアロゾル組成物は、懸濁液であっても溶液であってもよく、一般に式(I)の化合物を場合により別の治療活性成分および適切な噴射剤(例えば、フルオロカーボンや水素含有クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物、特にハイドロフルオロアルカン類、とりわけ1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンまたはそれらの混合物)と組み合わせて含有する。エアロゾル組成物は、場合により界面活性剤(例えばオレイン酸やレシチン)および共溶媒(例えばエタノール)などの当分野で周知の製剤用賦形剤をさらに含有していてもよい。一例としての製剤は、賦形剤を含まず、式(I)の化合物(場合により、さらなる活性成分を共に含む)と1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンおよびそれらの混合物から選択される噴射剤とから本質的に構成されている(例えば、それらの化合物からなる)。別の例としての製剤は、式(I)の粒子状化合物、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパンおよびそれらの混合物から選択される噴射剤、ならびに該噴射剤に可溶な懸濁化剤(例えば、WO94/21229に記載されているオリゴ乳酸またはその誘導体)を含む。好適な噴射剤は1,1,1,2-テトラフルオロエタンである。加圧式製剤は、一般に、バルブ(例えば定量バルブ)で密閉されかつマウスピースを備えたアクチュエーターに取り付けられているキャニスター(例えばアルミニウム製のキャニスター)中に保持される。
式(I)の化合物が有する望ましい生物学的特性を、以下に記載する。
化合物(I)は、ラットおよびヒトのin vitro系において、高度に効率的な肝代謝を受けて、唯一の主要な代謝産物として17-βカルボン酸(X)を生じる。この代謝産物は合成されており、in vitroでの機能的グルココルチコイドアッセイにおいて親化合物よりも1000倍以上低い活性を示すことが実証済みである。
Figure 2005522442
この効率的な肝代謝は、ラットにおけるin vivoでのデータによって裏付けられており、そこでは、血漿クリアランスが肝血流に近い速度であり、経口アベイラビリティが1%未満であり、広範な初回通過代謝と一致していることが示されている。
ヒト肝細胞におけるin vitroでの代謝研究から、化合物(I)がプロピオン酸フルチカゾンと同じ様式で代謝されるが、(I)の不活性な酸代謝産物への変換はプロピオン酸フルチカゾンの場合よりも5倍以上速く起こることが示されている。この非常に効率的な肝不活性化は、ヒトにおける全身暴露を最低限に抑えて、安全性プロファイルを向上させると予想される。
吸入されたステロイドもまた肺から吸収され、この吸収経路は全身暴露にかなりの影響を及ぼす。したがって、肺での吸収が低下すれば、安全性プロファイルが向上し得る。化合物(I)を用いた研究から、麻酔したブタの肺へ乾燥粉末として送達した後では、化合物(I)への暴露が、プロピオン酸フルチカゾンの場合よりも有意に低いことが示された。
本発明の化合物に用途がある疾患状態の例としては、喘息(アレルゲン誘導性喘息反応を含む)、鼻炎(枯草熱を含む)、鼻茸、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、および線維症などの鼻、喉または肺の炎症性症状が挙げられる。
式(I)の化合物は、気道の炎症性障害、例えば喘息やCOPD、特に喘息の治療に最も有用であると予想される。
当業者であれば、本明細書中で治療に関して言及する場合、確立された症状の治療だけではなく予防をも意味することが理解されよう。
前述したように、式(I)の化合物は、ヒト用または獣医用の医薬において、特に抗炎症剤および抗アレルギー剤として有用である。
従って、本発明のさらなる態様として、ヒト用または獣医用の医薬において、特に炎症性および/またはアレルギー性症状を呈する患者の治療に使用するための、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物が提供される。
本発明の別の態様によれば、炎症性および/またはアレルギー性症状を呈する患者の治療用医薬を製造するための、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物の使用が提供される。
さらに別の、または代替的な態様では、炎症性および/もしくはアレルギー性症状を呈するヒトまたは動物の被験体を治療するための方法であって、かかるヒトまたは動物の被験体に有効量の実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を投与することを含む前記方法が提供される。
さらに、前記成分を混合することを含む、かかる医薬組成物を製造する方法が提供される。
本発明の局所用組成物に占める式(I)の活性化合物の割合は、製造される製剤の正確なタイプに依存するが、一般には0.001〜10重量%の範囲内である。しかし一般に、ほとんどのタイプの製造物に対して都合良く用いられる割合は0.005〜1%および好ましくは0.01〜0.5%の範囲内である。しかしながら、吸入または通気法用粉末の場合に用いられる割合は、通常0.1〜5%の範囲内である。
エアロゾル製剤は、好ましくは、各定量用量すなわち「一吹き(puff)」のエアロゾルが1μg〜2000μg、例えば20μg〜2000μg、好ましくは約20μg〜500μgの式(I)の化合物を、場合により別の治療活性成分と組み合わせて含有するように調整されている。投与は1日1回または1日数回、例えば2,3,4または8回としてもよく、またその各回に1,2または3用量分を投薬してもよい。好ましくは、式(I)の化合物を1日1回または2回送達する。エアロゾルを用いた場合の全1日用量は、典型的には10μg〜10mg、例えば100μg〜10mg、好ましくは200μg〜2000μgの範囲内である。
式(I)の化合物は長期作用性であるため、好ましくは該化合物を1日1回送達し、また該化合物が呼吸器系障害(例えば、喘息またはCOPD、特に喘息)の治療に際し24時間以上にわたって治療効果を発揮するようにその用量を選択する。
また、本発明の医薬組成物を、別の治療活性薬剤(例えばβ2アドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤または抗アレルギー剤)と組み合わせて使用してもよい。従って、本発明はさらなる態様において、式(I)の化合物を別の治療活性薬剤(例えばβ2アドレナリン受容体アゴニスト、抗ヒスタミン剤または抗アレルギー剤)と共に含む組み合わせを提供する。
β2アドレナリン受容体アゴニストの例としては、サルメテロール(例えばラセミ体やR-エナンチオマーなどの単一のエナンチオマーとして)、サルブタモール、ホルモテロール、サルメファモール、フェノテロールまたはテルブタリンおよびそれらの塩、例えばサルメテロールのキシナホ酸塩、サルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基またはホルモテロールのフマル酸塩が挙げられる。長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニストが好ましく、24時間以上にわたって治療効果を発揮するもの、例えばサルメテロールやホルモテロールが特に好ましい。
好適な長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニストとしては、WO 02066422、WO02070490およびWO02076933に記載されたものが挙げられる。
特に好適な長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニストとしては、下記式(X)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が挙げられる:
Figure 2005522442

〔式中、
mは2〜8の整数であり、
nは3〜11の整数であるが
ただしm+nは5〜19であり、
R11は-XSO2NR16R17 であって、ここでXは-(CH2)p- またはC2-6アルケニレンであり、
R16およびR17は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C(O)NR18R19、フェニル、およびフェニル(C1-4アルキル)-から独立して選択されるか、
またはR16およびR17はそれらが結合している窒素と共に5-,6-,もしくは7-員窒素含有環を形成し、またR16およびR17は各々が場合によりハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ置換C1-6アルコキシ、-CO2R18、-SO2 NR18R19、-CONR18R19、-NR18C(O)R19、もしくは5-,6-もしくは7員複素環から選択される1種または2種の基で置換されており、
R18およびR19は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、およびフェニル(C1-4アルキル)-から独立して選択され、さらに
pは0〜6、好ましくは0〜4の整数であり、
R12およびR13は水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロ、フェニル、およびC1-6ハロアルキルから独立して選択され、さらに
R14およびR15は水素およびC1-4アルキルから独立して選択されるが、ただしR14とR15における炭素原子の総数は4個以下とする〕。
式(I)の化合物は長期作用性であるため、好ましくは式(I)の化合物と長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニストとを含む組成物を1日1回送達し、また該組成物が呼吸器系障害の治療(例えば、喘息またはCOPD、特に喘息の治療)に際し24時間以上にわたって治療効果を発揮するように各用量を選択する。
抗ヒスタミン剤の例としては、メタピリレンまたはロラタジンが挙げられる。
他の適切な組み合わせとしては、例えばNSAID(例えばPDE4阻害剤、ロイコトリエン・アンタゴニスト、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤、β2インテグリン・アンタゴニストならびにアデノシン2aアゴニスト)などの他の抗炎症剤または抗感染剤(例えば抗生物質、抗ウイルス剤)が挙げられる。
特に興味深いのは、式(I)の化合物をホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤と組み合わせた使用である。本発明のこの態様において有用なPDE4特異的阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られているかまたはPDE4阻害剤として作用することが見出されており、かつ単なるPDE4阻害剤であって、PDE4だけでなくPDEファミリーの他のメンバーも阻害するものではない、任意の化合物であればよい。一般に、ロリプラムに高い親和性で結合するPDF4触媒形態のIC50を、ロリプラムに低い親和性で結合する形態のIC50で割った場合に、約0.1以上のIC50比を有するPDE4阻害剤を使用することが好ましい。これを明示するため、RおよびSロリプラムに低い親和性で結合するcAMP触媒部位を「低親和性」結合部位(LPDE4)と命名し、またロリプラムに高い親和性で結合するこの触媒部位の他の形態を「高親和性」結合部位(HPDE4)と命名する。この「HPDE4」という用語は、ヒトPDE4を表示する際に用いる「hPDE4」と混同すべきではない。
初期実験を行うことにより、[3H]-ロリプラム結合アッセイを確立し、その妥当性を調べた。この作業の詳細については、後述の結合アッセイ中に記載する。
本発明で使用するのに好適なPDE4阻害剤は、有益な治療比を有する化合物、すなわちcAMPがロリプラムに低親和性で結合する形態である場合にこの酵素の触媒活性を選択的に阻害し、それによりロリプラムに高い親和性で結合する形態を阻害することと明らかに関連している副作用を低減する化合物である。これを言い換えると、好適な化合物は、ロリプラムに高い親和性で結合するPDE4触媒形態のIC50を、ロリプラムに低い親和性で結合する形態のIC50で割った場合に、約0.1以上のIC50比を有するということである。
この基準のさらなる改良は、PDE4阻害剤が約0.1以上のIC50比を有するような改良である。つまりこの比は、1μMの[3H]-cAMPを基質として用いて、ロリプラムに高い親和性で結合するPDE4形態への1nMの[3H]R-ロリプラムの結合と競合させた場合のIC50値の、ロリプラムに低い親和性で結合する形態のPDE4の触媒活性を阻害した場合のIC50値に対する比である。
最も好適なのは、0.5より高いIC50比を有するPDE4阻害剤、特に1.0より高い比を有するそれらの化合物である。好適な化合物は、シス4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オンおよびシス-[4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]であり、これらは親和性の低い結合部位に選択的に結合し、かつ0.1以上のIC50比を有する化合物の例である。
他の興味深い化合物としては、以下のものが挙げられる:
1996年9月3日に発行された米国特許第5,552,438号に記載の化合物。この特許および該特許が開示している化合物は、参照によりその全てが本明細書中に組み込まれるものとする。米国特許第5,552,438号に開示されている特に興味深い化合物は、シス-4-シアノ-4-[3- (シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸(シロマラスト[cilomalast]としても知られている)およびその塩、エステル、プロドラッグまたは物理的形状である;
エルビオン由来のAWD-12-281(Hofgen, N. ら、15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98)、NCS-613と命名された9-ベンジルアデニン誘導体(INSERM)、Chiroscience and Schering-Ploughから入手可能なD-4418、CI-1018と特定されたベンゾジアゼピンPDE4阻害剤(PD-168787; Parke-Davis/Warner-Lambert)、協和発酵がWO 9916766において開示したベンゾジオキソール誘導体、Napp由来のV-11294A (Landells, L.J. ら、 Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12(Suppl. 28): Abst P2393)、Byk-Guldenから入手可能なロフルミラスト(CAS照会番号162401-32-3)およびフタラジノン(WO 9947505)、またはT-440として特定された化合物 (田辺製薬; Fuji, K. ら、J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)。
有利なことに、前記の組み合わせは、医薬製剤の形態で使用するために提供することができる。従って、前記の組み合わせを生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む医薬製剤は本発明のさらなる態様を成す。
前記の別の治療活性成分と組み合わせた本発明の化合物は、任意の好都合な方法で投与するために製剤化することができる。このため、本発明はその範囲内に、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を別の治療活性成分と組み合わせて(所望により1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体との混合物として)含む医薬組成物も含む。気道の炎症性障害に好適な投与経路は、一般には吸入による投与である。
さらに、前記成分を混合することを含む、かかる医薬組成物を製造する方法が提供される。
治療薬剤の組み合わせはいずれの形態であってもよく、例えば組み合わせが個々の治療薬の別個の粒子、および場合により賦形剤材料を含有する単回用量を含んでいてもよい。あるいは複数の治療薬から、例えば共沈により形成される、場合により賦形剤材料を含有する個々の多成分系粒子を形成してもよい。
かかる組み合わせの個々の化合物は、別個の医薬組成物として逐次投与しても、また複合医薬製剤として同時に投与してもよい。公知治療薬剤の適切な用量は、当業者であれば容易に理解されよう。
実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物は、本発明のさらなる態様を構成する、以下に記載の方法論により製造することができる。
実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物は、式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥することにより製造することができる。式(I)の化合物を溶解し、かつ噴霧乾燥工程で安全に蒸発させうる溶媒であればいずれも使用することができる。前記溶液を作成するのに適切な溶媒としては、限定するものではないが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、2-ブタノン、3-ペンタノン、4-メチル-2-ペンタノン、エタノール、メタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、特にメチルエチルケトン(2-ブタノン)が挙げられる。溶液の濃度は、典型的には0.5〜15%、通常は0.5〜10%、特に2〜6%、例えば3.5〜4%w/wである。使用しうる濃度は溶媒の溶解能力によって決まる。メチルエチルケトンは式(I)の化合物を比較的高い濃度で溶解して生産上の利益をもたらすため、好適である。式(I)の化合物の溶媒に対する溶解度は、この溶液を加熱することで高めることができる。この場合、冷却時に不要な固体が析出するのを避けるため、装置の適切な部位(例えば給水管)の加熱が必要な場合もある。式(I)の化合物は、非溶媒和形態または溶媒和物の形態(例えばアセトンとの)で使用することができる。好ましくは、非溶媒和形態1多形として使用する。噴霧乾燥は、例えばBuchiまたはNiroより提供される器具を用いて実施することができる。例えば0.04インチ(約0.7〜1.0mm)の空気圧式噴霧ノズルオリフィスが適切であるが、回転式および加圧式ノズルなどの代替噴霧方法を使用することもできる。溶液の流速は、典型的には1〜100mL/分、特に15〜30 mL/分の範囲内である。吸込温度と流速との組み合わせは、溶媒を完全に蒸発させることにより溶媒が粒子内に閉じ込められる危険性を最小限に抑え、非晶質から結晶への移行を促進するのに適したものとすべきである。吸込温度は50〜250℃、典型的には100〜200℃の範囲をとりうる。
本発明の1態様として、本発明者らはさらに、前記方法を行うことにより取得可能な、実質的に非晶質の粒子である式(I)の化合物を提供する。
式(I)の化合物の製造方法を以下に説明する。
式(I)の化合物の製造方法は、式(II):
Figure 2005522442
のチオ酸またはその塩のアルキル化を含む。
この方法において、式(II)の化合物は、式:FCH2L[式中、Lは適当な脱離基(例えばハロゲン原子、メシルもしくはトシル基など)を表わす]の化合物、例えば適当なハロゲン化フルオロメチルと、標準的な条件下で反応させることができる。好ましくは、そのハロゲン化フルオロメチル試薬はブロモフルオロメタンである。好ましくは、式(II)の化合物は、塩、特にはジイソプロピルエチルアミンとの塩として用いられる。
式(I)の化合物の好ましい製造方法では、場合により相間移動触媒の存在下で、式(II)の化合物またはその塩をブロモフルオロメタンと反応させる。好ましい溶媒は、場合により水の存在下での酢酸メチル、さらに好ましくは酢酸エチルである。水を存在させると、出発物質と生成物の両者の溶解性が向上し、相間移動触媒を用いると、反応速度が増大する。使用可能な相間移動触媒の例としては、(それらに限定するものではないが)テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド,ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、メチルトリブチルアンモニウムクロライドおよびメチルトリオクチルアンモニウムクロライドが挙げられる。THFもまた、上記の反応の溶媒として成功裏に用いられており、その場合も、相間移動触媒を存在させると、反応速度が有意に速くなる。好ましくは、有機相中に存在する生成物は、まず酸水溶液(例えば希HCl)で洗浄して、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミンなどのアミン化合物を除去し、次に塩基水溶液(例えば重炭酸ナトリウム)で洗浄して、未反応の式(II)の前駆化合物を除去する。
非溶媒和形態の式(I)の化合物は、
(a)エタノール、メタノール、水、酢酸エチル、トルエン、メチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物などの非溶媒和性溶媒の存在下で、式(I)の化合物を結晶化させること;あるいは
(b)例えば加熱により、溶媒和形態(例えばアセトン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、DMFまたはテトラヒドロフランとの溶媒和の形態)の式(I)の化合物を脱溶媒和化すること
を含む方法により製造可能である。
ステップ(b)において、脱溶媒和化は、一般に、50℃よりも高い温度、好ましくは100℃よりも高い温度で行われる。一般に、加熱は減圧下で行われる。
非溶媒和形態の式(I)の化合物は、形態1、形態2および形態3の3種の結晶多形の形態で存在することが判っているが、形態3は、形態2の不安定な異型である。これらの形態は、図4に示すXRPDパターンにより特性付けされる。一般に、それらの形態は、X線回析プロファイルで次のように特性付けられる。
形態1:18.9°(2θ)付近のピーク
形態2:18.4°および21.5°(2θ)付近のピーク
形態3:18.6°および19.2°(2θ)付近のピーク
形態1は、熱動力学的に最も安定な形態であると思われる。何故ならば、形態2および3は、加熱により形態1へと変換されるからである。
結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物の製造方法は、式(I)の化合物をメチルイソブチルケトン、酢酸エチルまたは酢酸メチルに溶解し、イソオクタンまたはトルエンなどの非溶媒和性貧溶媒を添加することにより式(I)の化合物を非溶媒和形態1として得ることを含む。
この方法の第1の好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物は、酢酸エチルに溶解させることができ、非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物は、貧溶媒としてトルエンを添加することにより得ることができる。収率を上げるために、酢酸エチル溶液は温かいものとし、トルエンを添加したら混合物を蒸留して、酢酸エチルの含有量を低下させる。
この方法の第2の好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物は、メチルイソブチルケトンに溶解させることができ、結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物は、貧溶媒としてイソオクタンを添加することにより得ることができる。
本発明者らは、実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物の治療における用途だけでなく、他の幾つかの有益な用途についても評価を行った。
本発明のさらなる態様として、本発明者らはさらに、実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物から結晶非溶媒和形態(典型的には形態1の多形)としての式(I)の化合物を製造するための新規方法を発明した。従って、該方法は、(i)実質的に非晶質の固体を、特に90℃と160℃の間の温度で、変換が完了するまで加熱すること、または(ii)実質的に非晶質の固体を、非溶媒和性溶媒の蒸気に、変換が完了するまで接触させること、を含む。ステップ(i)で90℃未満の温度を使用した場合、変換は生じないか、または不完全に生じる可能性がある。160℃を越えると化学分解が起きる可能性がある。好適な温度は90℃と100℃の間、特に95℃前後である。変換を達成するのに必要な時間は温度に依存するが、典型的には95℃で1〜3時間、例えば2時間である。好ましくは、制御された湿度環境にて加熱を行う。非晶質から結晶への移行を完了させるのに要する時間と温度は、非晶質生成物を生成させるために使用するプロセス・パラメーターと、得られる生成物の熱的性質とに依存する。
変換工程の温度的および時間的制約は、実質的に非晶質の固体を非溶媒和性溶媒(例えばメントール、酢酸エチル、エタノールまたはメチルイソブチルケトン(MIBK))の蒸気に接触させることにより緩和することができる。
従って、非溶媒和多形への変換は、実質的に非晶質固体としての式(I)の化合物を非溶媒和性溶媒(例えばメントール、酢酸エチル、エタノール、またはメチルイソブチルケトン(MIBK))の蒸気に工程(ii)の通りに接触させることにより、加熱抜きで達成することができる。この工程により、通常は(例えば酢酸エチルやMIBKを使用した場合に)多形形態1が生成する。しかしエタノールを使用した場合には、該工程により多形形態2を生成することができる。水はこの工程には不適切である。実際、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物は、水分存在下で極めて安定であると考えられる。工程(ii)は、通常は例えば70℃前後まで加熱することにより促進できる。例えば、メントールの蒸気をこの工程で用いる場合、非溶媒和多形形態1への変換には室温で24〜48時間かかるところが、50℃に加熱すると1時間未満まで促進される。
振動、混合または流動化を含むがこれらに限定されない方法による粉体層の攪拌を工程(i)および/または(ii)で利用することにより、粒子間の接触を最小限に抑えて、架橋ならびにその後の粒径の増大および表面結晶化工程中の制御喪失の危険性を減らすことができる。
適当な結晶化温度および速度は、個々の粒子の径および表面制御を維持できるように選択すべきである。結晶化を緩やかに引き起こすパラメーターを使用すると、より少数でより大きな個々の結晶が生成されるため、球形状が損なわれる(図7を参照されたい)。このため、迅速な結晶化条件が好まれる(図8を参照されたい)。粒子を過熱することも、それによって不純物が生成しうるので避けたほうがよい。
結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物を製造するための特に好適な方法は、
(a) 式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥することにより、実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物を製造すること、および
(b) 前記の実質的に非晶質の固体を、結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物への変換が完了するまで加熱すること、
を含む。
ステップ(a)で好ましいのは、実質的に非晶質粒子の形態である式(I)の化合物であり、最も好ましくは吸入に適した制御粒径を有する粒子である。好ましくは、粒子は実質的に球状である。
有利なことに、本発明者らは、吸入に適した制御粒径を有する実質的に非晶質の粒子が、方法ステップ(b)に供した場合にその径および形状を保持すること、および粗面を発達させるという点でのみ改変されるらしいということを見出した。従って、この方法は、吸入に適した制御粒径を有する粒子の形態である結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物を製造するのに特に適している。吸入に適した制御粒径を有する粒子を製造するこの方法では、特別な結晶化条件を用いる湿式処理、またはやはり結晶多形形態1の結晶化度を下げる可能性がある、無駄の多い微細化処理を利用する必要が無い。
本発明の1態様として、本発明者らは、かかる方法により取得可能な、結晶非溶媒和形態1多形の形態である制御粒径を有する粒子としての式(I)の化合物について権利を主張する。また本発明者らは、かかる化合物および粒子を含有する医薬製剤を提供する。かかる医薬製剤は、上記疾患などの炎症性またはアレルギー性疾患を治療するための療法において使用することができる。
実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物、例えば式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥などして形成される実質的に非晶質の固体としての式(I)の粒子は、式(I)の化合物を含有する溶液、特に式(I)の化合物の水溶液を調製する際に使用することもできる。かかる溶液は、上記疾患などの炎症性またはアレルギー性疾患を治療するための療法においても使用しうる医薬製剤の基礎とすることができる。実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物、例えば式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥するなどして形成される実質的に非晶質の固体としての式(I)の粒子は、可溶化を支援する薬剤の有無に関わらず、結晶形態である式(I)の化合物、特にその非溶媒和多形形態1よりも急速におよび/または多量に水に溶解すると考えられる。
非溶媒和形態2多形としての式(I)の化合物を製造する方法は、非溶媒和形態である式(I)の化合物をメタノールまたは乾燥ジクロロメタン中に溶解すること、および非溶媒和形態2多形としての式(I)の化合物を再結晶化させること、を含む。典型的には、式(I)の化合物を熱メタノールまたは乾燥ジクロロメタン中に溶解し、冷却する。
非溶媒和形態3多形としての式(I)の化合物を製造する方法は、特にアセトン溶媒和物としての式(I)の化合物を水の存在下(典型的には体積含水率1〜3%)でジクロロメタン中に溶解すること、および非溶媒和形態3多形としての式(I)の化合物を再結晶化させること、を含む。
溶媒和形態である式(I)の化合物は、式(I)の化合物をアセトンやテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒和性溶媒から結晶化させることにより製造することができる。
溶媒和形態(例えばアセトンとの溶媒和物の形態)である式(I)化合物を製造するための別の方法は、実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物を溶媒和性溶媒の蒸気(例えばアセトンの蒸気)に接触させることを含む。
式(II)の化合物は、式(III):
Figure 2005522442
の対応する17α-ヒドロキシ誘導体から、例えばG. H. Phillippsら, (1994) Journal of Medicinal Chemistry, 37, 3717-3729に記載の方法論を用いて製造できる。例えば、このステップは、典型的には、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、エステル化を行うのに適する試薬、例えば、2-フロ酸の活性型誘導体(例えば活性化エステル)、好ましくはハロゲン化2-フロイル(例えば塩化2-フロイル)(式(III)の化合物に対して少なくとも2倍のモル量で用いる)を添加することを含む。2モル目の塩化2-フロイルは、式(III)の化合物のチオ酸部分と反応し、例えばジエチルアミンなどのアミンとの反応により除去する必要がある。
しかし、この方法には、得られる式(II)の化合物が副生成物2-フロイルジエチルアミドの混入から容易に精製されない、という欠点がある。したがって、本発明者らは、この変換を行うための幾つかの改良方法を発明した。
第1のそうした改善方法において、本発明者らは、より極性のアミン(例えばジエタノールアミン)を用いると、より水溶性の副生成物が得られ(この場合は2-フロイルジエタノールアミド)、これにより、式(II)の化合物またはその塩が高純度で得られることを見出した。これは、その副生成物が水による洗浄で効率的に除去できるからである。
したがって、式(II)の化合物の製造方法であって、
(a)式(III)の化合物を、2-フロ酸の活性誘導体と、式(III)の化合物1モル当たり活性誘導体を少なくとも2モルの量で反応させて、式(IIA):
Figure 2005522442
の化合物を得ること、および
(b)ステップ(a)の生成物を水溶性2-フロイルアミドを形成することができる有機第一級もしくは第二級アミン塩基と反応させることにより、式(IIA)の化合物からイオウ結合2-フロイル部分を除去すること
を含む上記方法が提供される。
また、この方法の2つの特に好都合の実施形態において、最終生成物の効率的な精製方法であって、
(c1)ステップ(b)の生成物が実質的に非水混和性有機溶媒に溶解する場合には、ステップ(b)のアミド副生成物を水性洗浄液で洗浄することにより式(II)の化合物を精製すること、または
(c2)ステップ(b)の生成物が水混和性溶媒に溶解する場合には、ステップ(b)の生成物を水性溶媒で処理して、純粋な式(II)の化合物またはその塩を析出させることにより、式(II)の化合物を精製すること
のいずれか一方を含む上記方法も提供される。
ステップ(a)において、好ましくは、2-フロ酸の活性誘導体は、2-フロ酸の活性エステルとすることができるが、さらに好ましくはハロゲン化2-フロイル、特には塩化2-フロイルである。この反応に適する溶媒は、酢酸エチルもしくは酢酸メチル(好ましくは酢酸メチル)(続いてステップ(c1)を行うことができる場合)またはアセトン(続いてステップ(c2)を行うことができる場合)である。通常、トリエチルアミンなどの有機塩基が存在する。ステップ(b)において、好ましくは、有機塩基はジエタノールアミンである。この塩基は、適切にはメタノールなどの溶媒に溶解することができるものである。一般に、ステップ(a)および(b)は、低温、例えば0〜5℃で行われる。ステップ(c1)において、水性洗浄液は水とすることができるが、食塩水を用いると、より高い収率となり、したがって好ましい。ステップ(c2)において、水性溶媒は、例えば希HClなどの希酸水溶液である。
また、式(II)の化合物の別の製造方法であって、
(a)式(III)の化合物を2-フロ酸の活性誘導体と、式(III)の化合物のモル当たり活性誘導体を少なくとも2モルの量で反応させて、式(IIA)の化合物を得ること:および
(b)ステップ(a)の生成物をさらにもう1モルの式(III)の化合物と反応させることにより、式(IIA)の化合物からイオウ結合2-フロイル部分を除去して、式(II)の化合物を2モル得ること
を含む上記方法も提供される。
ステップ(a)において、好ましくは、2-フロ酸の活性誘導体は、2-フロ酸の活性エステルとすることができるが、さらに好ましくはハロゲン化2-フロイル、特には塩化2-フロイルである。このステップに適する溶媒はまたはアセトンである。通常、トリエチルアミンなどの有機塩基が存在する。ステップ(b)において、好適な溶媒はDMFまたはジメチルアセトアミドである。通常、トリエチルアミンなどの有機塩基が存在する。一般に、ステップ(a)および(b)は、低温、例えば0〜5℃で行われる。生成物は、酸で処理し、水で洗浄することにより精製できる。
上記のこの方法は、過剰モルのフロイル部分がもう1モルの式(II)の化合物との反応により除去されて、さらにもう1モルの式(II)の化合物を形成するので、フロイルアミド副生成物を生じない(したがって、特に環境上の利点を付与する)、という点で非常に効率的である。
上で記載した2つの方法において式(III)の化合物を式(II)の化合物へと変換するためのもう1つの一般的な条件は、当業者には周知であろう。
しかし、好ましい条件のセットによれば、式(II)の化合物は、有利にも固体結晶塩の形態で単離できることが判明した。好ましい塩は、トリエチルアミン、2,4,6-トリメチルピリジン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN-エチルピペリジンなどの塩基と形成される塩である。そのような塩形態の式(II)の化合物は、遊離チオ酸よりも安定で、より容易に濾過され乾燥されて、より高純度で単離できる。最も好ましい塩は、ジイソプロピルエチルアミンと形成される塩である。このトリエチルアミン塩にも関心が持たれる。
式(III)の化合物は、GB 2088877Bに記載されている手順に従って製造できる。また、式(III)の化合物は、次のステップを含む方法によっても製造できる。
Figure 2005522442
ステップ(a)は、式(V)の化合物を含む溶液の酸化を含む。好ましくは、ステップ(a)は、メタノール、水、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジエチルグリコールジメチルエーテルを含む溶媒の存在下で行われる。収率および処理能を増大させるために、好ましい溶媒はメタノール、水またはテトラヒドロフランであり、さらに好ましくは水またはテトラヒドロフランであり、特には溶媒として水およびテトラヒドロフランである。また、ジオキサンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルも好ましい溶媒であり、それらは場合により(好ましくは)水と共に用いることができる。好ましくは、溶媒は、出発物質(1wt)の量に対して3〜10倍容量、好ましくは4〜6倍容量、特には5倍容量の量で存在する。好ましくは、酸化剤は、出発物質の量に対して1〜9モル当量の量で存在する。例えば、50%w/wの過ヨウ素酸水溶液が用いられる場合、酸化剤は、出発物質(1wt)の量に対して1.1〜10wt、さらに好ましくは1.1〜3wt、特には1.3wtの量で存在することができる。
好ましくは、酸化ステップは、化学的酸化剤の使用を含む。さらに好ましくは、酸化剤は過ヨウ素酸またはヨウ素酸またはその塩である。最も好ましくは、酸化剤は過ヨウ素酸または過ヨウ素酸ナトリウムであり、特には過ヨウ素酸である。あるいはまた(またはさらに)、酸化ステップは、任意の好適な酸化反応、例えば空気および/または酸素を用いる酸化反応を含み得ることが理解されよう。酸化反応が空気および/または酸素を用いる場合、その反応において用いられる溶媒は、好ましくはメタノールである。好ましくは、ステップ(a)は、室温またはそれよりやや温かい温度(すなわち約25℃)で、例えば2時間にわたり試薬をインキュベートすることを含む。式(IV)の化合物は、反応混合物から貧溶媒の添加による再結晶化により単離することができる。式(IV)の化合物の好適な貧溶媒は水である。驚くべきことに、本発明者らは、式(IV)の化合物が貧溶媒(例えば水)の添加により析出する条件を制御することが非常に望ましいことを見出した。再結晶化が冷水(例えば0〜5℃の水/氷混合物)を用いて行われる場合、より良好な貧溶媒特性が予想されるが、本発明者らは、生じる結晶生成物は非常に嵩高く、軟質ゲルに類似しており、非常に濾過しにくいことを見出した。理論に拘束されるものではないが、この低密度の生成物が結晶格子内に多量の溶媒和性溶媒を含んでいると考えられる。これに対して、約10℃以上(例ば周囲温度前後)の条件を用いた場合、非常に濾過しやすい砂様の粘稠度をもつの顆粒状生成物が得られる。これらの条件下では、結晶化は、典型的には、約1時間後に始まり、典型的には数時間(例えば2時間)以内に完了する。理論に拘束されるものではないが、この顆粒状生成物は、結晶格子内に溶媒和性溶媒をほとんど、または全く含んでいないと考えられる。
ステップ(b)は、典型的には、例えば適切な溶媒(例えばジメチルホルムアミド)の存在下で好適なカップリング剤(例えばカルボニルジイミダゾール(CDI))と共に、例えば硫化水素ガスを用いて、カルボン酸をカルボチオ酸へと変換するのに適する試薬の添加を含む。
実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物の利点としては、この物質が優れた抗炎症特性を示し、かつ予測可能な薬物動態学的および薬物動力学的挙動、魅力的な副作用プロファイル、作用の長期持続性を備えていると考えられ、またヒト患者において都合のよい治療レジメに適合しうる(特に1日1回投与に適する)という事実が挙げられる。さらなる利点としては、この物質が、即時製造および貯蔵を可能とする望ましい物理的および化学的特性を有するという事実が挙げられる。特に、非晶質固体は驚くほど結晶形態への変換が生じにくく、また特に湿潤空気の存在下で比較的高温まで、そして長期にわたって安定である。その一方で、有用な代替結晶形態への変換を必要に応じて制御条件下で達成することにより、実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を、他の形態の式(I)の化合物を製造するための製造中間体として有用なものとすることができる。
以下の非限定的な実施例により、本発明を説明する。
実施例
共通
1H-nmrスペクトルを400MHzにて記録し、化学シフトはテトラメチルシランに対するppmで表わす。シグナルの多重度を記載するのに、以下の略語を用いる:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、dd(二重項の二重項)、ddd(二重項の二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)、およびb(ブロード)。バイオテージ(Biotage)とは、フラッシュ12iクロマトグラフィーモジュールで流すKP-Silを含むプレパック式シリカゲルカートリッジをいう。LCMSは、Supelcosil LCABZ+PLUSカラム(3.3cm×直径4.6mm)を用い、水中の0.1%のHCO2Hおよび0.01Mの酢酸アンモニウム(溶媒A)ならびにアセトニトリル中の0.05%のHCO2Hおよび5%の水(溶媒B)で、次の溶出勾配:0%のBで0〜0.7分、100%のBで0.7〜4.2分、0%のBで4.2〜5.3分、0%のBで5.3〜5.5分を用い、3ml/分の流速で溶出させた。質量スペクトルは、Fisons VG Platformスペクトロメーターで、正および負のモードのエレクトロスプレー(ES+veおよびES-ve)を用いて記録した。
図4に示すXRPD解析は、Phillips X'pert MPD粉末回折装置(シリアルナンバーDY667)で実施した。該方法は、2〜45°(2θ)の範囲で、0.02°(2θ)のステップサイズ及び各ステップにつき1秒の回収時間で実施した。図5に示すXRPD解析はScintag PAD V粉末回折装置(シリアルナンバー40-6086)で実施した。X線源は、DGMシンチレーション検出器を有する銅陽極型X線管とした。該方法は2〜50°(2θ)の範囲で、1°(2θ)/分の連続走査で実施した。
中間体
中間体1:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸ジイソプロピルエチルアミン塩
酢酸メチル(500ml)中の6α,9α-ジフルオロ-11β,17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(GB 2088877Bに記載されている手順に従って調製したもの)(49.5g)の撹拌懸濁液を、反応温度を0〜5℃の範囲に維持しながらトリエチルアミン(35ml)で処理する。塩化2-フロイル(25ml)を添加し、混合物を0〜5℃で1時間撹拌する。メタノール(50ml)中のジエタノールアミン(52.8g)の溶液を添加し、混合物を0〜5℃で少なくとも2時間撹拌する。反応温度を15℃未満に維持しながら希塩酸(約1M、550ml)を添加し、混合物を15℃で撹拌する。有機相を分離し、水相を酢酸メチル(2回×250ml)で逆抽出する。全ての有機相を合わせ、食塩水(5回×250ml)で順次洗浄し、ジイソプロピルエチルアミン(30ml)で処理する。反応混合物を大気圧にて蒸留により約250mlの容量になるまで濃縮し、25〜30℃まで冷却する(通常は、蒸留/後続の冷却の間に、目的とする生成物の結晶化が起こる)。第三級ブチルメチルエーテル(TBME)(500ml)を添加し、そのスラリーをさらに冷却し、0〜5℃で少なくとも10分間熟成する。生成物を濾別し、冷TBME(2回×200ml)で洗浄し、約40〜50℃で減圧乾燥する(75.3g、98.7%)。NMR (CDCl3)δ: 7.54-7.46 (1H, m), 7.20-7.12 (1H, dd), 7.07-6.99 (1H, dd), 6.48-6.41 (2H, m), 6.41-6.32 (1H, dd), 5.51-5.28 (1H, dddd 2JH-F 50Hz), 4.45-4.33(1H, bd), 3.92-3.73 (3H, bm), 3.27-3.14 (2H, q), 2.64-2.12 (5H, m), 1.88-1.71 (2H, m), 1.58-1.15 (3H, s), 1.50-1.38 (15H, m), 1.32-1.23 (1H, m), 1.23-1.15 (3H s), 1.09-0.99 (3H, d)
中間体2:6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルの非溶媒和形態1
酢酸エチル(230ml)および水(50ml)中の中間体1(12.61g、19.8mmol)の可動懸濁液を、相間移動触媒(ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、10mol%)で処理し、3℃まで冷却し、ブロモフルオロメタン(1.10ml、19.5mmol、0.98当量)で処理し、予冷(0℃)した酢酸エチル(EtOAc)(20ml)で洗浄する。この懸濁液を一夜撹拌し、17℃まで放置して温める。水層を分離し、有機相を1M HCl(50ml)、1%w/v NaHCO3溶液(3回×50ml)および水(2回×50ml)で順次洗浄する。この酢酸エチル溶液を、蒸留物が約73℃の温度に達するまで大気圧で蒸留し、その時点でトルエン(150ml)を添加する。残留しているEtOAcが全て除去されるまで、蒸留を大気圧で継続する(およその蒸留温度は103℃)。得られた懸濁液を冷却し、10℃未満で熟成し、濾別する。ベッドをトルエン(2回×30ml)で洗浄し、生成物を一定重量になるまで減圧下で60℃にてオーブン乾燥して、標題化合物(8.77g、82%)を得る。LCMS保持時間3.66分、m/z 539 MH+、NMRδ(CDCl3)は7.60 (1H, m), 7.18-7.11 (2H, m), 6.52 (1H, dd, J 4.2Hz), 6.46 (1H, s), 6.41 (1H, dd, J 10, 2Hz), 5.95および5.82 (2H dd, J 51, 9Hz), 5.48および5.35 (1H, 2m), 4.48 (1H, m), 3.48 (1H, m), 1.55 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.06 (3H, d, J 7Hz)を含む。
中間体3:6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸
アセトン(10倍容量)中6α, 9α-ジフルオロ-11β, 17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1, 4-ジエン-17β-カルボチオ酸(GB 2088877Bに記載の手順に従って調製したもの)(1wt、49.5g)の攪拌懸濁液を0〜5℃に冷却し、温度を5℃未満に維持しながらトリエチルアミン(0.51wt、2.1当量)で処理し、さらに0〜5℃で5分間攪拌する。次いで、塩化2-フロイル(0.65wt、2.05当量)を、反応温度を0〜5℃に維持しながら、最低でも20分かけて添加する。反応温度を0〜5℃の範囲に維持しながら、反応混合物を少なくとも30分間攪拌し、水(10倍容量)で希釈する。得られた析出物を濾過により回収し、アセトン/水(50/50、2倍容量)および水(2×2倍容量)で順次洗浄する。生成物を約55℃にて一夜減圧下で乾燥し、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-イル S-(2-フラニルカルボニル) チオ無水物を白色固体として得る(70.8g、98.2%)。(NMRδ(CD3CN) 0.99 (3H, d) (J = 7.3Hz), 1.24 (3H, s), 1.38 (1H, m) (J = 3.9Hz), 1.54 (3H, s), 1.67 (1H, m), 1.89 (1H, ブロード d) (J = 15.2Hz), 1.9-2.0 (1H, m), 2.29-2.45 (3H, m), 3.39 (1H, m), 4.33 (1H, m), 4.93 (1H, ブロード s), 5.53 (1H, ddd) ( J = 6.9,1.9Hz; JHF = 50.9Hz), 6.24 (1H, m), 6.29 (1H, dd) (J = 10.3, 2.0Hz), 6.63 (2H, m), 7.24-7.31 (3H, m), 7.79 (1H, dd) (J = <1Hz), 7.86 (1H, dd) (J = <1Hz))。生成物の一部(0.56g)をDMF(総ステロイド投入量に対して10倍容量)中で6α, 9α-ジフルオロ-11β, 17α-ジヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(0.41g)とモル比1:1にて混合する。反応混合物をトリエチルアミン(約2.1当量)で処理し、この混合物を約20℃で約6時間攪拌する。過剰な濃HCl(0.5倍容量)を含有する水(50倍容量)を反応混合物に添加し、得られた析出物を濾過により回収する。層を水(2×5倍容量)で洗浄し、約55℃で一夜減圧乾燥することにより、表題の化合物を白色固体として得る(0.99g、102%)。
中間体4:6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
アセトン溶媒和物
中間体3(530.1g、1wt)のジメチルホルムアミド(DMF)(8倍容量)溶液を炭酸水素カリウム(0.202wt、1.02当量)で処理し、この混合物を攪拌しながら-17±3℃まで冷却する。次に、ブロモフルオロメタン(BFM)(0.22wt、0.99当量)を添加し、反応物を-17±3℃で少なくとも2時間攪拌する。次いで、この反応混合物を5±3℃で約10分間かけて水(17倍容量)に添加し、その後水(1倍容量)でライン洗浄する。懸濁液を5〜10℃で少なくとも30分間攪拌し、次いで濾過する。濾過ケーキ(6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルのDMF溶媒和物)を水(4×4倍容量)で洗浄し、生成物をフィルター上で吸引乾燥する。この湿ったケーキを容器に戻し、アセトン(5.75倍容量)を添加して2時間加熱還流する。混合物を52±3℃まで冷却し、温度を52±3℃に維持しながら水(5.75倍容量)を添加する。次に、この混合物を20±3℃まで冷却し、濾過してから60±5℃で一夜減圧乾燥することにより、表題の化合物を白色固体として得る(556.5g、89%)。NMR δ(CDCl3)は、中間体2の所で記載した非溶媒和化合物のピークと、その後さらに別の溶媒のピークとを含む:2.17 (6H, s)。
薬理活性
in vitro薬理活性
薬理活性は、in vivoでの抗炎症活性または抗アレルギー活性を大まかに予測するグルココルチコイドアゴニスト活性の機能的in vitroアッセイで評価した。
このセクションの実験では、式(I)の化合物は非溶媒和形態1(中間体2)として用いた。
この機能的アッセイは、K.P.Rayら, Biochem J. (1997), 328, 707-715により記載されているものに基づくものとし、sPAP(分泌型アルカリホスファターゼ)に結合させたELAM遺伝子プロモーター由来のNF-κB応答エレメントを含むレポーター遺伝子で安定にトランスフェクトしたA549細胞を、適当な用量の試験化合物で37℃で1時間処理した。次に、細胞を腫瘍壊死因子(TNF、10ng/ml)で16時間刺激し、その時点で、産生されたアルカリホスファターゼの量を、標準的な比色アッセイにより測定する。用量応答曲線を作成し、そこからEC50値を見積もった。
この試験において、式(I)の化合物は1nM未満のEC50値を示した。
グルココルチコイド受容体(GR)は、GRが遺伝子プロモーター内の特定の配列に直接結合することにより遺伝子発現をアップレギュレートすることによるもの、および他の転写因子(例えばNFκBまたはAP-1)がGRと直接相互作用することによりそれら転写因子によって駆動される遺伝子発現をダウンレギュレートすることによるもの、という少なくとも2つの異なる機構で機能できる。
上記の方法の1つの変法において、これらの機能をモニターするために、2つのレポータープラスミドを作製し、個々にトランスフェクションによりA549ヒト肺上皮細胞に導入した。第1の細胞系は、TNFαで刺激されると転写因子NFκBの活性化に特異的に応答する合成プロモーターの制御下にあるホタル・ルシフェラーゼのレポーター遺伝子を含む。第2の細胞系は、コンセンサスグルココルチコイド応答エレメントの3コピーを含んで、グルココルチコイドによる直接的な刺激に応答する合成プロモーターの制御下にあるウミシイタケ・ルシフェラーゼのレポーター遺伝子を含む。転写活性化と転写抑制の同時測定は、94ウェルプレートでそれら2種の細胞系を1:1の割合で混合し(細胞40,000個/ウェル)、37℃で一夜増殖させることにより行った。試験化合物をDMSOに溶解し、最終DMSO濃度0.7%で細胞に添加した。1時間インキュベートした後、0.5ng/mlのTNFα(R&D Systems)を添加し、37℃でさらに15時間後、ホタルとウミシイタケのルシフェラーゼのレベルを、Packard Fireliteキットを用い、製造元の説明書に従って測定した。用量応答曲線を作成し、そこからEC50値を求めた。
Figure 2005522442
in vivo薬理活性
in vivoでの薬理活性は、オボアルブミンで感作したBrown Norwayラットの好酸球増加症モデルで行った。このモデルは、喘息における肺炎症を主に構成するアレルゲン誘導型肺好酸球増加症を模倣するように設計されている。
このセクションの実験では、式(I)の化合物は非溶媒和形態1として用いた。
式(I)の化合物は、このモデルにおいて、オボアルブミンによるチャレンジの30分前に食塩水中の気管内(IT)用懸濁液として投与した後に、肺の好酸球増加症の用量依存型抑制を示した。30μgの式(I)の化合物を1回投与した後で有意な抑制が達成され、その応答は、同じ研究において同じ用量のプロピオン酸フルチカゾンの場合に見られたものよりも有意に(p=0.016)に高いものであった(式(I)の化合物では69%の抑制率であり、プロピオン酸フルチカゾンでは41%の抑制率)。
ラットの胸腺退縮モデルにおいて、100μgの式(I)の化合物を一日当たり3回IT投与したところ、同じ研究において同じ用量のプロピオン酸フルチカゾンの場合よりも有意に小さい胸腺重量の低下(p=0.004)を引き起こした(化合物(I)では67%の胸腺重量の低下率であり、プロピオン酸フルチカゾンでは78%の抑制率)。
これらの結果を総合すると、化合物(I)はプロピオン酸フルチカゾンと比較して優れた治療指数を有することが判る。
ラットおよびヒトの肝細胞におけるin vitro代謝
化合物(I)をラットまたはヒトの肝細胞と共にインキュベートしたところ、この化合物がプロピオン酸フルチカゾンと同じに代謝されることが示され、その場合、17-βカルボン酸(X)が産生される唯一の重要な代謝産物である。化合物(I)をヒト肝細胞と共にインキュベート(37℃、10μMの薬物濃度、3人の被験体からの肝細胞、0.2および0.7×106個/mLの細胞)してこの代謝産物の出現率を調べたところ、化合物(I)がプロピオン酸フルチカゾンよりも約5倍速く代謝されることが示される。
Figure 2005522442
代謝産物産生の中央値は、化合物(I)では102-118pmol/時であり、プロピオン酸フルチカゾンでは18.8-23.0pmol/時。
ラットにおいて静脈内(IV)および経口投与した後における薬物動態論
化合物(I)を、雄性Wistar Hanラットに経口(0.1mg/kg)およびIV(0.1 mg/kg)投与し、薬物動態パラメーターを求めた。化合物(I)は、ごく僅かな経口バイオアベイラビリディ(0.9%)および47.3mL/分/kgの血漿クリアランスを示し、これはほぼ肝臓血流に近いものであった(プロピオン酸フルチカゾンの血漿クリアランス=45.2mL/分/kg)。
ブタにおいて乾燥粉末として気管内投与した後の薬物動態論
麻酔をかけたブタ(2頭)に、化合物(I)(1mg)とプロピオン酸フルチカゾン(1mg)との均一な混合物を、乳糖中の乾燥粉末ブレンド物(10%w/w)として気管内投与した。投与後8時間まで、一連の血液サンプルを採取した。抽出後に化合物(I)およびプロピオン酸フルチカゾンの血漿レベルを測定し、LC-MS/MSの方法論を用いて分析したところ、この方法の定量の下限は、化合物(I)およびプロピオン酸フルチカゾンについてそれぞれ10および20pg/mLであった。これらの方法を用いると、化合物(I)は投与後2時間まで定量可能であり、プロピオン酸フルチカゾンは投与後8時間まで定量可能であった。投与後15分以内に、それら2つの化合物について最大血漿濃度を観察した。IV投与(0.1mg/kg)から得られた血漿半減期のデータを用いて、化合物(I)のAUC(0〜無限大)値を算出した。これは、IT投与後2時間までにのみ確定される化合物(I)の血漿プロファイルを補い、化合物(I)とプロピオン酸フルチカゾンとの間のデータが限られていることに起因するあらゆるバイアスを取り除くものである。
CmaxおよびAUC(0〜無限大)の値から、化合物(I)への全身暴露が、プロピオン酸フルチカゾンと比較して著しく低下したことが示される。
Figure 2005522442
化合物(I)とプロピオン酸フルチカゾン両者の薬物動態パラメーターは、それら2つの化合物の混合物を0.1mg/kgで静脈内投与した後の麻酔したブタでは、同じであった。これら2つのグルココルチコイドのクリアランスは、この実験ブタモデルではほぼ同じである。
実施例
実施例1A:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
中間体2(30.04g)をメチルエチルケトン(850mL)中に溶解して3.5%溶液を得た。この溶液を、Niro Mobile Minorスプレードライヤー(Niro Inc, Columbia, MD, USA)を用いて噴霧乾燥した。噴霧オリフィスは直径0.04インチのオリフィスを備えた二流体空気圧式ノズル(Spraying Systems Inc, Wheaton, IL, USA)とした。その他の噴霧乾燥パラメーターは以下の通りであった:
温度:150℃、吹出温度98℃
溶液の流速:Isco 260Dシリンジポンプ(Isco Inc, Lincoln, NE, USA)を用いて30mL/分
噴霧圧:2バール
白色粉末を回収した。系の収率は61%であった。
Fisher Klosterman XQ120-1.375高性能サイクロン(Fisher-Klosterman Inc, Louisville, KY, USA)を使用し、従来のやり方で粒子を回収した。噴霧乾燥工程では、滑らかで球状の非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルを生成することに成功した。
実施例1B:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
中間体4(1.26g)をメチルエチルケトン(30mL)中に溶解し、3.8%溶液を得た。この溶液を、直径1.0mmの噴霧ノズルオリフィスを備えたBuchi B-191を用いて噴霧乾燥した。その他の噴霧乾燥パラメーターは以下の通りであった:
温度:150℃、吹出温度106℃
溶液の流速:15mL/分
噴霧圧:2バール
プロセス・ガスの流速:14立方フィート/分(CFM)
サイクロンおよび回収容器から白色粉末を回収した(収率37%)。
実施例1C:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル
中間体4(10.03g)をメチルエチルケトン(200mL)中に溶解し、室温で攪拌した。得られた懸濁液を濾過して飽和溶液を得た。この溶液を、直径0.7mmの噴霧ノズルオリフィスを備えたBuchi B-191を用いて噴霧乾燥した。その他の噴霧乾燥パラメーターは以下の通りであった:
温度:200℃、吹出温度133℃
溶液の流速:15mL/分
噴霧圧:4バール
プロセス・ガスの流速:20立方フィート/分(CFM)
サイクロンおよび回収容器から白色粉末を回収した(収率58%)。
出発材料(中間体4)と非晶質生成物(実施例1B)について、Zeiss-Leo DSM 960走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡走査することにより調査した。試料は、アルミニウム試料台に貼り付けたカーボンテープ上に約50mgを載せることにより調製した。これらの試料を、金を用いて20mAにて4分間スパッタ被膜した。試料を、15kV、77μAおよび15mmの作動距離を用いてSEMで解析した。5000×倍率の画像を図1に示す。噴霧乾燥工程では、滑らかで、かつ球状の非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステルを生成することに成功した。大部分の粒子は0.5〜4μmであった。
出発材料(中間体4)および非晶質生成物(実施例1B)を、Scintag XDS2000回折装置を用いて粉末X線回折(XRD)により調査した。X線源はDGM-105シンチレーション検出器を備えた銅陽極型X線管とした。使用したスリット幅は、入射発散、入射散乱、回折散乱および受信それぞれに対して1mm、2mm、0.5mmおよび0.3mmとした。試料は、シリコンウエハーに粉末を軽くまぶし、さらにその表面を顕微鏡用スライドガラスで軽く押し潰すことにより調製した。ウエハーを温度コントロールホルダーに組み込み、試料を毎分1°ずつ2〜50°(2θ)の範囲で走査した。XRDパターンを図2に示す。上のパターンはアセトン溶媒和物である出発材料を表しており、結晶化度が高い。下のパターンで表される噴霧乾燥粉末は、極めて不規則な(非晶質の)分子配置に特有の円光(halo)を有する。
非晶質生成物(実施例1B)を高温X線粉末回折により調査し、該生成物の熱的安定性を調べた。試料を50℃に加熱し、そのまま5分間維持してから解析を行った。この試料を毎分3°(2θ)ずつ7〜17°(2θ)の範囲で解析することにより、装置の作動開始から終了までの間に起こりうる変化を最小限に抑えた。総作動時間は、加熱から解析終了までで約9分とした。各作動終了時に温度を25℃上げて、この手順を200℃まで繰り返した。各温度の時間枠において、試料は100〜125℃の間で結晶形態へと変換された(図3を参照されたい)。その時点で試料を室温まで冷却し、2〜50°(2θ)を徹底的に走査することにより、高解像度でより大きな格子面間隔(d-spacing)範囲を捕らえた。結晶形態から得られた粉末パターンは出発時のアセトン溶媒和物とは一致しないため、これを非溶媒和形態1とした。
さらなる研究により、非晶質生成物は湿っぽい空気中で安定であることが示唆された。非晶質生成物(実施例1B)を高い湿度に曝露した場合(湿度を0〜90%RHの間で10%RHずつ段階的に変化させて、各段階を1時間維持し、サイクルを2回繰り返して総作動時間を42時間前後とした)、その後比較的わずかな水分(1.6%w/w前後)が吸収されたが、SEMによる生成物の外観や結晶化エンタルピーには何の変化も見られなかった。
非晶質生成物(実施例1B)を95℃で最長2時間加熱した。結晶溶媒和形態1多形への変換は、図5に示したXRPDパターンの変遷により立証されている。図5中一番上のトレースは、比較目的のための結晶多形形態1のものである。粗面を有する球体として現れる結晶生成物を図6に示す。その径と形状は、図1に示した非晶質出発生成物と比較しても本質的には変更されていないように見える。
図7および8には、変換速度が最終的に得られる粒子にどのように影響を及ぼしうるかということの実例を示す。図7中の粉末は、前記粉末(実施例1C)を70℃に24時間曝露することにより製造した。得られた粉末は、非晶相中に残存する滑らかな球状の粒子および針状の大結晶から構成されている。形状および径の制御能力は、この方法では失われていた。図8の粉末は、前記粉末(実施例1C)を140℃に10分間曝露することにより製造した。核形成が生じたと考えられる。
非晶質生成物(実施例1C)の粒径分布を、乾燥粉末分散装置(RODOS)を備えたレーザー回折粒度測定装置(Sympatec (Princeton, NJ))を使用し、3ミリバール/100ミリバールの分散条件を使用して調査した。結果を図9に示す。この生成物のD50は1.9μm前後であった。
実施例2:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルを含有する乾燥粉末組成物
乾燥粉末製剤は、次のように製造することができる:
実施例1Cに従って製造した非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステル:0.20mg
破砕乳糖 (ここで、粒子の85%以下はそのMMDが60〜90μmであり、また粒子の少なくとも15%はそのMMDが15μm未満である):12mg
前記製剤をそれぞれに充填した60個のブリスターを含有する、剥離可能なブリスターストリップを製造することができる。
実施例3:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルおよび長期作用性β 2 アドレナリン受容体アゴニストを含有する乾燥粉末組成物
乾燥粉末製剤は、次のように製造することができる:
実施例1Cに従って製造した非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル:0.20mg
長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニスト(MMDが3μmとなるまで微細化したもの):0.02mg
破砕乳糖(ここで、粒子の85%以下はそのMMDが60〜90μmであり、また粒子の少なくとも15%はそのMMDが15μm未満である):12mg
前記製剤をそれぞれに充填した60個のブリスターを含有する、剥離可能なブリスターストリップを製造することができる。
実施例4:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルを含有するエアロゾル製剤
アルミニウム製キャニスターには、次のような製剤:
実施例1Cに従って製造した非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル:250μg
1,1,1,2-テトラフルオロエタン:50μLまで
(噴霧操作1回当たりの量)
を、120回の噴霧操作に適した総量にて充填することができ、またこのキャニスターには、1回の噴霧操作当たり50μLを投与するのに適した定量バルブを取り付けることができる。
実施例5:非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-フルオロメチルエステルおよび長期作用性β 2 アドレナリン受容体アゴニストを含有するエアロゾル製剤
アルミニウム製キャニスターには、次のような製剤:
実施例1Cに従って製造した非晶質粒子6α, 9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸 S-フルオロメチルエステル:250μg
長期作用性β2アドレナリン受容体アゴニスト(MMDが3μmとなるまで微細化したもの):25μg
1,1,1,2-テトラフルオロエタン:50μLまで
(噴霧操作1回当たりの量)
を、120回の噴霧操作に適した総量にて充填することができ、またこのキャニスターには、1回の噴霧操作当たり50μLを投与するのに適した定量バルブを取り付けることができる。
本明細書およびこれに伴う特許請求の範囲全般にわたって、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語および「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」などの語尾変化形は、記載されている整数またはステップまたは整数群を包含することを意味するものであって、それ以外の整数またはステップまたは整数もしくはステップ群を排除しようとするものではないと理解されたい。
本出願において記載した特許および特許出願は、参照により本明細書中に組み込まれるものとする。
結晶アセトン溶媒和形態1である式(I)の化合物のSEM画像(上部画像)と噴霧乾燥により得た非晶質材料である式(I)の化合物のSEM画像(下部画像)との比較。 結晶アセトン溶媒和物である式(I)の化合物のXRPDプロファイル(上部トレース)と非晶質材料である式(I)の化合物のXRPDプロファイル(下部トレース)との比較。 非晶質材料である式(I)の化合物のXRPDプロファイルの温度依存性。 式(I)の非溶媒和化合物の形態1、形態2および形態3多形のXRPDプロファイルを重ねたもの。 非晶質材料のXRPDプロファイルと95℃で1および2時間維持した後の該材料のXRPDプロファイル、ならびに結晶多形形態1の比較用トレース 非晶質材料を加熱して得た(急速な結晶形成による)結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物の粒子のSEM画像。 緩やかな変換工程により生じる大結晶発達の一例である、非晶質材料を加熱して得た結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物の粒子のSEM画像。 非晶質材料を加熱して得た結晶非溶媒和形態1多形としての式(I)の化合物の粒子のSEM画像。急速な小結晶形成と球状粒子形態維持の一例。 非晶質生成物の粒経分布。

Claims (21)

  1. 実質的に非晶質固体の形態である式(I):
    Figure 2005522442
    の化合物。
  2. 実質的に非晶質固体粒子の形態である、請求項1記載の式(I)の化合物。
  3. 前記粒子が吸入に適した制御粒径を有する、請求項2記載の実質的に非晶質固体粒子の形態である式(I)の化合物。
  4. 前記粒子が実質的に球状である、請求項2記載の実質的に非晶質固体粒子の形態である式(I)の化合物。
  5. 請求項2記載の式(I)の化合物を場合により1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤または担体と共に含む、肺または鼻への局所投与に適した医薬製剤。
  6. 粉末基剤を含有する乾燥粉末組成物の形態である、請求項5記載の医薬製剤。
  7. 前記粉末基剤が乳糖である、請求項6記載の医薬製剤。
  8. 加圧式エアロゾル製剤の形態である、請求項6記載の医薬製剤。
  9. 液化フルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤またはそれらの混合物を含有する、請求項8記載の医薬製剤。
  10. 式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥することを含む、請求項1記載の実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を製造する方法。
  11. 溶媒がメチルエチルケトンである、請求項10記載の方法。
  12. 前記溶液の濃度が2〜4%である、請求項10記載の方法。
  13. 請求項12記載の方法を実施することにより取得可能な、実質的に非晶質の粒子である式(I)の化合物。
  14. 請求項1記載の実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を患者の肺または鼻に局所的に投与することを含む、呼吸器系障害の治療方法。
  15. 結晶非溶媒和形態としての式(I)の化合物を製造する方法であって、(i)実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を、結晶非溶媒和形態1多形への変換が完了するまで加熱すること、または(ii)実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物を、非溶媒和性溶媒の蒸気に、変換が完了するまで接触させること、を含む上記方法。
  16. 結晶非溶媒和形態としての式(I)の化合物を製造する方法であって、
    (a) 式(I)の化合物を含有する溶液を噴霧乾燥することにより、実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物を製造すること、および
    (b) (i) 実質的に非晶質の固体を、結晶非溶媒和形態としての式(I)の化合物への変換が完了するまで加熱すること、または(ii)実質的に非晶質の固体としての式(I)の化合物を、非溶媒和性溶媒の蒸気に、変換が完了するまで接触させること
    を含む上記方法。
  17. ステップ(b)の(ii)を熱の存在下で行う、請求項15記載の方法。
  18. ステップ(i)において前記化合物を90〜160℃の温度まで加熱する、請求項15記載の方法。
  19. ステップ(a)において、実質的に非晶質の固体が、吸入に適した制御粒径を有する実質的に非晶質粒子の形態である、請求項15記載の方法。
  20. 請求項5記載の製剤を製造する方法であって、(i)実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる固形の希釈剤もしくは担体と混合すること、または(ii)式(I)の化合物と1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体とを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、1種以上の希釈剤もしくは担体中の式(I)の化合物の固体分散体を製造すること、または(iii)1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体を予め溶解した液体中に懸濁した実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を噴霧乾燥すること、を含む上記方法。
  21. (i)実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる固形の希釈剤もしくは担体と混合することにより取得可能な、または(ii)式(I)の化合物と1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体とを含有する溶液を噴霧乾燥することにより取得可能な、または(iii)1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体を予め溶解した液体中に懸濁した実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を噴霧乾燥することにより取得可能な、請求項5記載の実質的に非晶質固体の形態である式(I)の化合物を1種以上の生理学的に許容しうる希釈剤もしくは担体と共に含む医薬製剤。
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