JP2013506684A - マトリックスメタロプロテアーゼ−2阻害剤を用いた、動脈瘤性拡張、血管壁脆弱性、特に腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を治療する方法 - Google Patents

マトリックスメタロプロテアーゼ−2阻害剤を用いた、動脈瘤性拡張、血管壁脆弱性、特に腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を治療する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、MMPおよびADAM−IOの阻害による動脈瘤性拡張、血管壁脆弱性、特に腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤の治療方法を提供する。このような化合物は、生物学的プロセスにおけるMMPおよびADAM−10の役割(および阻害)のin vitro研究において有用である。本発明は、本発明による一つ以上のMMPまたはADAM−10阻害剤を薬学的に許容可能な担体と組み合わせて含む、医薬組成物も含む。このような組成物は、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性、例えば腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤の治療に有用である。本発明は、アンギオテンシンII受容体遮断薬およびアンギオテンシン変換酵素阻害剤を含むアンギオテンシンIIの阻害剤、ならびにサイクロフィリン(cyclophillin)阻害剤と併用して本発明の化合物を利用した、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性、例えば腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤の治療方法も含む。

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2009年10月1日に出願された米国仮特許出願第61/247,843号への優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を阻害する薬剤の使用方法、ならびに、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法の分野である。
(先行技術の要約)
細胞間相互作用は、多細胞生物の発生の間の細胞運命決定およびパターン形成の調節において重要な役割を果たす。局所的細胞相互作用で中心的役割を果たす進化的に保存された経路の一つは、以下で集合的にNOTCH受容体と称するショウジョウバエのNotch(N)遺伝子、C.elegansのlin−12およびglp−1遺伝子、ならびにその脊椎動物のホモログによりコードされた膜貫通受容体により媒介される(Artavanis−Tsakonas,S.他(1995)Notch Signaling.Science 268,225−232に概説)。いくつかの所見は、NOTCH受容体のタンパク分解処理がその機能に重要であることを示唆する。例えば、NOTCH受容体の細胞内ドメインに対する抗体は、全長タンパク質に加えて、100〜120kdのC−末端フラグメントを検出している。例えば、Fehon,R.G.他(1990).Cell 61,523−534;Crittenden,S.L.他(1994).Development 120,2901−2911;Aster,J.他(1994)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.59,125−136;Zagouras,P.他(1995).Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92,6414−6418;およびKopan,R.他(1996).Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93,1683−1688を参照。しかし、NOTCH活性化の機序(単数または複数)はこれまでにほとんど知られていない。
神経発生の間には、新たな神経前駆細胞がその近隣細胞が同じ運命をたどることを妨げる側方抑制プロセスにより、同等の細胞群から単一の神経前駆体が選出される(Simpson,P.(1990).Development 109,509−519に概説)。ショウジョウバエにおける遺伝学的研究により、Nを含む「神経発生遺伝子」群が側方抑制に関連付けられている。神経発生遺伝子のいずれかの機能喪失突然変異は、表皮を犠牲にした神経細胞の肥大をもたらす(Campos−Ortega,J.A.(1993)The Development of Drosophila melanogaster M.BateおよびA.Martinez−Arias編、pp.1091−1129.Cold Spring Harbor Pressに概説)。
Rooke,J.,Pan,D.J.,Xu,T.およびRubin,G.M.(1996).Science 273,1227−1231は、神経発生遺伝子ファミリー(kuzbanian(kuz)を開示する。タンパク質のKUZファミリーのメンバーは、近年同定された膜貫通タンパク質のADAMファミリーに属することが示されており、そのメンバーには、ディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼドメインの両方が含まれる(Wolfsberg,T.G.他(1995).J.Cell Biol.131,275−278に概説、Blobel,C.P.他(1992).Nature 356,248−252,1992;Yagami−Hiromasa,T.他(1995).Nature 377,652−656;Black,R.A.他(1997).Nature 385,729−733,1997;およびMoss,M.L.他(1997).Nature 385,733−736も参照;特許文献1および特許文献2も参照)。
ADAMファミリーの遺伝子は、メタロプロテアーゼおよびディスインテグリンドメインの両方を含む膜貫通タンパク質をコードし(BlackおよびWhite,1998 Curr.Opin.Cell Biol.10,654−659;WolfsbergおよびWhite,1996 Dev.Biol.180,389−401に概説)、受精(Cho他,1998 Science 281,1857−1859)、筋原細胞融合(Yagami−Hiromasa他,1995 Nature 377,652−656)および外部ドメインの切断(Moss他,1997 Nature 385,733−736;Black他,1997 Nature 385,729−733;Peschon他,1998 Science 282,1281−1284)等、哺乳類における多様な生物学的プロセスに関わる。ショウジョウバエkuzbanian(kuz)遺伝子は、無脊椎動物において同定された最初のADAMファミリーメンバーである(Rooke他,1996 Science 273,1227−1231)。過去の遺伝的研究により、kuzがショウジョウバエの神経発生の間の側方抑制および軸索成長に必要であることが分かった(Rooke他,1996;Fambrough他,1996 PNAS.USA 93,13233−13238.;PanおよびRubin,1997 Cell 90,271−280;Sotillos他,1997 Development 124,4769−4779)。具体的には、側方抑制プロセスの間には、kuzがDelta遺伝子によりコードされた側方抑制シグナルの膜貫通受容体をコードするNotchの上流で作用する(PanおよびRubin,1997;Sotillos他,1997)。より近年には、同様の方法でNotchのC.elegansホモログの活性を調節するkuzのホモログ(SUP−17)がC.elegansにおいて同定された(Wen他,1997 Development 124,4759−4767)。
kuzの脊椎動物のホモログが、ツメガエル、ウシ、マウス、ラットおよびヒトにおいて単離されている。KUZのウシホモログ(MADMまたはADAM10とも称される)は最初、ウシKUZプロテアーゼの生理的基質とは考えにくい細胞質タンパク質であるミエリン塩基性タンパク質に対するin vitroタンパク質分解活性に基づいて、偶然に単離された(Howard他,1996 Biochem.J.317,45−50)。ツメガエルにおけるネズミkuzホモログ(mkuz)のドミナントネガティブ型の発現により余剰のニューロンの発生が生じ、脊椎動物の神経発生時のNotchシグナリングの調節におけるmkuzの進化的に保存された役割が示唆される(PanおよびRubin,1997)。2000年10月27日に出願のPan他に対する米国特許出願第09/697,854号は、mkuz変異マウスが、神経系、沿軸中胚葉および卵黄嚢血管の重度の欠陥により胎生期(E)9.5日頃に死ぬことを開示する。神経系においては、mkuz変異胚には異所的神経分化が見られる。沿軸中胚葉においては、mkuz変異胚には体節分化の遅延および不全が見られる。これらの表現型は、Notch−1またはRBP−Jk等のNotch経路の成分を欠くマウスのものと類似し(Conlon他,1995,Development 121,1533−1545;Oka他,1995)、マウスの発生時のNotchシグナリングの調節におけるmkuzの保存された役割が示される。さらに、kuzノックアウト動物のNotchプロセシングにおいては、可視的欠損は検出されなかった。神経発生および体節発生の異常に加え、mkuz変異体マウスは、毛管網の拡張および障害ならびに大きな卵黄血管の欠如を伴う卵黄嚢血管の重度の異常も見られる。このような表現型はNotch−1またはRBP−Jkの欠損マウスでは観察されていないため(Swiatek他,1994 Genes Dev 15,707−719;Conlon他,1995;Oka他,1995 Development 121,3291−3301)、Pan他は、この表現型が、Notchシグナリングの調節における役割とは別のmkuzの新たな機能を明らかにし、特に、哺乳類の血管形成においてkuzがADAMファミリーディスインテグリンメタロプロテアーゼに必須の役割を果たすと決定した。
生物学的プロセスおよび疾病状態におけるKUZ(ADAM−10)の重要な役割からみて、このタンパク質の阻害剤、特に小分子阻害剤が望ましい。
マトリックスメタロプロテイナーゼすなわちMMPは、集合的にあらゆる種類の細胞外基質タンパク質を分解できるが、いくつかの生物活性分子も処理できる、エンドペプチダーゼ(endopepitidases)である。MMPは、細胞増殖、遊走、分化、血管形成、アポトーシス、および宿主防御において主要な役割を果たすと考えられる。MMPはエラスチンおよび間質コラーゲンを分解するが、これらは大動脈壁の強度および弾力を維持する上で重要である。
動脈瘤は、血管壁の疾患または脆弱化により生じる血管の局所的な血液が充満した拡張(dilitation)(バルーン様の膨らみ)である。動脈瘤のサイズが大きくなるにしたがって破裂のリスクが高まり、破裂により大量出血または突然死を含む他の合併症が生じうる。腹部大動脈瘤は、腹部大動脈壁の脆弱であり、65歳より高齢の成人の最大9%に生じ、これらの動脈瘤の破裂は、米国で年間約15,000人の死亡の原因である(Weintraub,2009 NEJM,361;11,1114−1116)。現在では、腹部大動脈瘤の患者の高血圧および高脂血症は、これらの健康状態がそのような動脈瘤のリスク因子であるため、積極的に治療することが標準的技法であるが、そのような積極的療法は、動脈瘤の成長または破裂にほとんど影響しない。
研究から、マトリックスメタロプロテアーゼの選択的阻害が重要であることが示唆されている。例えば、いくつかの小分子マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)が、癌および関節リウマチの臨床に進んでいる。MMP−1の阻害は、非選択的TACE阻害剤が使用された場合に、関節痛および腱炎等の副作用の原因として関連付けられている(Barlaam,B他.J.Med.Chem.1999,42,4890参照)。また、「Marimastat」等の広域スペクトルMMP阻害剤の臨床試験も、数週間治療後に筋骨格痛として現れる筋骨格症候群(MSS)により妨げられている。MMP−1の阻害が、MSSの出現に関与するものとして示唆されている。本分野における近年の努力は「MMP−1節約」阻害剤のデザインに向けられており、例えばBA−129566が、第2相臨床試験において報告ではMSSの兆候が見られなかった選択的阻害剤として現れた(Natchus,M.G他.J.Med.Chem.2000,43,4948参照)。
したがって、選択的マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤が必要とされている。
本明細書において引用する全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照により全体として本明細書に組み込まれるものとする。
米国特許第5,922,546号明細書 米国特許第5,935,792号明細書
(発明の要旨)
本発明は、MMPの阻害による疾患の治療方法を含む。このような疾患には、これらの阻害化合物を単独でもしくはACE阻害剤(アンギオテンシン変換酵素阻害剤)、ARB(アンギオテンシンII受容体遮断薬)、および/またはサイクロフィリン阻害剤(例えばサイクロスポリンA)と併用して(同時にまたは順次に)投与することにより、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性が含まれる。
以上は本発明のある態様をまとめたものにすぎず、制限を目的とするものではない。
図1は、単離大動脈エラスターゼ灌流の14日後の、連日強制飼養による実験薬剤の用量を次第に増加させてのマウスにおける大動脈拡張に対する治療効果を示す。結果は、平均±SEとして報告されている。データが治療群間の多重比較のためTukey補正を用いてANOVAと比較された。線の上に有意値を伴う二つの群を結ぶ線により有意差が示される。全ての有意な(P<0.05)比較が示される。 図2は、箱ひげ図のフォーマットで示された図1に記載のデータを示す。実験薬剤の用量の増加は、単離大動脈灌流の14日後の中央値%ΔADに影響する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、これらの阻害剤を利用した、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法を含む。
実施形態1では、本発明は、治療有効量の構造式I:
の化合物ならびにその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、およびプロドラッグを被験体に投与するステップを含む、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張および血管壁脆弱性の治療方法を含み、式中、原子鎖のOまたはSは別のOまたはSに単結合されないという条件で、
は、−C(O)−、−S(O)−、または−(CHであり;
は、−H、−OR11、−(CH11、−C(O)R11、または−NR1213であり;
11、R12、およびR13は独立して
a)R50
b)環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換された、飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビル;
c)R50および環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個または三個のR50置換基により必要に応じて置換された飽和もしくは一価または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルより独立して選択される一個、二個または三個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、または−C(O)H;
もしくは、C−Cヘテロ環が第二の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換された、共有結合したNと一緒になったR12およびR13
であり、
は、−R21−L−R22であり;
21は、環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個、または三個のR50置換基により必要に応じて置換された、飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルであり;
は、−O−、−C(O)−、−CH−、−NH−、−S(O)−または直接結合であり;
22は、環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個、または三個のR50置換基により必要に応じて置換された、飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルであり;
50は、R51−L−(CH−であり;
は、−O−、−NH−、−S(O)0−2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−OC(O)−、−NHC(O)−、−C−、または直接結合であり;
51は、−H、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ、−CF、−OCF、−OH、−NH、モノ−C−Cアルキルアミノ、ジ−C−Cアルキルアミノ、−SH、−COH、−CN、−NO、−SOH、または、環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個、または三個の置換基により必要に応じて置換された飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルであり;
nは、0、1、2、または3である。
実施形態2では、本発明は実施形態1による方法を含み、Lは−C(O)−または−S(O)−である。
実施形態3では、本発明は実施形態2による方法を含み、Lは−C(O)−であり、Rは−OR11または−(CH11、−OC−Cアルキル−モノ−C−Cアルキルアミノ、−OC−Cアルキル−ジ−C−Cアルキルアミノ、−OC−Cアルキル−N−ヘテロシクリル、−C−Cアルキル−モノ−C−Cアルキルアミノ、−C−Cアルキル−ジ−C−Cアルキルアミノ、または−C−Cアルキル−N−ヘテロシクリルである。より具体的な例では、RはC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシであり、さらに具体的な例では、Rはメトキシエトキシである。
実施形態4では、本発明は実施形態3による方法を含み、Lは−S(O)−であり、Rは−NR1213、−(CH11、−C−Cアルキル−モノ−C−Cアルキルアミノ、−C−Cアルキル−ジ−C−Cアルキルアミノ、または−C−Cアルキル−N−ヘテロシクリルである。
実施形態5では、本発明は実施形態3または4による方法を含み、Lは−O−である。
実施形態6では、本発明は実施形態5による方法を含み、Rは、各フェニルが一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換されたフェノキシフェニルである。より具体的な例では、R50置換基はハロである。
実施形態7では、本発明は実施形態6による方法を含み、環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を含む飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルは、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換されたモルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、フリル、チエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、アクリジニル(acrydinyl)、およびフラザニルからなる群より選択される。
実施形態8では、本発明は実施形態6による方法を含み、R12およびR13は、それらが共有結合したNと一緒になって、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換されたモルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、アクリジニル(acrydinyl)、およびフラザニルからなる群より選択されるヘテロ環を形成する。
実施形態9では、本発明は、構造式II:
の絶体立体化学を有する、実施形態1による化合物の利用方法を含む。
実施形態10では、本発明は実施形態1による方法を含み、化合物は構造式III:
の絶体立体化学を有する。
実施形態11では、本発明は実施形態1による方法を含み、−L−Rは表1より選択され;
表1
表中各R14は、−H、−(CH1−3COH、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、およびヘテロアリールアルキルより独立して選択され;
は、表2より選択される;
表2
実施形態12では、本発明は実施形態1による方法を含み、化合物は表3より選択される:
表3
実施形態13では、本発明は、治療有効量の化学式IVの化合物、
もしくはその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、またはプロドラッグを、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を有する被験体に投与するステップを含む、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法を含み、式中、原子鎖のOまたはSは別のOまたはSに単結合されないという条件で、
Zは、−C(R15)=、−C(H)=、または−N=であり;
Arは、それぞれ必要に応じて置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
15は、フルオロであり;
pは、0、1、2、または3であり;
は、−C(O)−、−S(O)−、または−(CH−であり;
は、存在しないかまたは−O−であり;
は、−H、−OR11、−(CH11、−C(O)R11、または−NR1213であり;
11、R12、およびR13は独立して
d)R50
e)環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換された、飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビル;
f)R50および環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個または三個のR50置換基により必要に応じて置換された飽和もしくは一価または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルより独立して選択される一個、二個または三個の置換基によりそれぞれ必要に応じて置換された、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、または−C(O)H;
もしくは、C−Cヘテロ環が第二環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個または二個のR50置換基により必要に応じて置換された、共有結合したNと一緒になったR12およびR13
であり、
50は、−R51−L−(CH−であり;
は、−O−、−NH−、−S(O)0−2−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−OC(O)−、−NHC(O)−、−C−、または直接結合であり;
51は、−H、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ハロ、−CF、−OCF、−OH、−NH、モノ−C−Cアルキルアミノ、ジ−C−Cアルキルアミノ、−SH、−COH、−CN、−NO、−SOH、または、環あたり一個または二個の環ヘテロ原子を必要に応じて含み、一個、二個、または三個の置換基により必要に応じて置換された飽和もしくは一価不飽和または多価不飽和C−C14−単環式または縮合多環式ヒドロカルビルであり;
nは、0、1、2、または3である。
実施形態14では、本発明は実施形態13による方法を含み、−L−Rは表4より選択され、
表4
表中各R14は、−H、−(CH1−3COH、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、およびヘテロアリールアルキルより独立して選択される。
実施形態15では、本発明は実施形態14による方法を含み、Zは−C(R15)=または−C(H)=であり;Lは−O−であり;pは、少なくとも1である。
実施形態16では、本発明は実施形態15による方法を含み、Arは、それぞれ必要に応じて置換されたフェニル、ビフェニル、ナプチル(napthyl)、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルからなる群より選択される。
実施形態17では、本発明は実施形態16による方法を含み、Arは、少なくとも一つのハロゲンにより必要に応じて置換されたフェニルである。
実施形態18では、本発明は実施形態17による方法を含み、pは少なくとも2である。
実施形態19では、本発明は実施形態18による方法を含み、−L−Rは−C(=O)OR14または−(CHOR14である。
実施形態20では、本発明は実施形態19による方法を含み、化合物は構造:
を有する。
実施形態21では、本発明は実施形態14による方法を含み、Zは−N=であり;Lは−O−である。
実施形態22では、本発明は実施形態21による方法を含み、Arは、それぞれ必要に応じて置換されたフェニル、ビフェニル、ナプチル(napthyl)、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルからなる群より選択される。
実施形態23では、本発明は実施形態22による方法を含み、Arは、必要に応じて置換されたテトラヒドロナフタレンである。
実施形態24では、本発明は実施形態23による方法を含み、−L−Rは−C(=O)OR14または−(CH2−3OR14である。
実施形態25では、本発明は実施形態24による方法を含み、pは0である。
実施形態26では、本発明は構造:
を有する、実施形態25による方法を含む。
実施形態27では、本発明は実施形態14による方法を含み、Zは−N=であり;Lは存在しない。
実施形態28では、本発明は実施形態27による方法を含み、Arは、それぞれ必要に応じて置換されたフェニル、ビフェニル、ナプチル(napthyl)、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルからなる群より選択される。
実施形態29では、本発明は実施形態28による方法を含み、pは0である。
実施形態30では、本発明は実施形態29による方法を含み、Arは必要に応じて置換されたフェニルである。
実施形態31では、本発明は実施形態30による方法を含み、−L−Rは−C(=O)OR14または−(CH2−3OR14である。
実施形態32では、本発明は構造:
を有する、実施形態31による方法を含む。
実施形態33では、本発明は化学式V、
の実施形態14による方法を含む。
実施形態34では、本発明は実施形態33による方法を含み、Arは、それぞれ必要に応じて置換されたフェニル、ビフェニル、ナプチル(napthyl)、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルからなる群より選択される。
実施形態35では、本発明は実施形態34による方法を含み、Arは少なくとも一個のハロゲンで必要に応じて置換されたフェニルである。
実施形態36では、本発明は実施形態34による方法を含み、Arは
より選択される。
実施形態37では、本発明は実施形態35による方法を含み、絶体立体化学は化学式VI、
による。
実施形態38では、本発明は実施形態37による方法を含み、−L−Rは−C(=O)OR14または−(CH2−3OR14である。
実施形態39では、本発明は構造:
を有する、実施形態38による方法を含む。
実施形態40では、本発明は、実施形態1〜39のいずれかに記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む治療有効量の医薬組成物を、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を有する被験体に投与するステップを含む、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法を含む。
実施形態41では、治療有効量の化学式VIII:
によるスルホニルハライドを、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を有する被験体に投与するステップを含む、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法を含み、式中、Xはハロゲンであり;R16、R17、R18、およびR19はそれぞれ独立して−Hまたは−Fであり;Arはそれぞれ必要に応じて置換されたアリールまたはヘテロアリールである。
実施形態42では、本発明は実施形態41による方法を含み、R16およびR18はそれぞれ−Hであり;R17およびR19はそれぞれ−Fである。
実施形態43では、本発明は実施形態42による方法を含み、Arは、それぞれ必要に応じて置換されたフェニル、ビフェニル、ナプチル(napthyl)、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルからなる群より選択される。
実施形態44では、本発明は実施形態43による方法を含み、Arは少なくとも一個のハロゲンで必要に応じて置換されたフェニルである。
実施形態45では、本発明は実施形態44による方法を含み、化合物は化学式IX:
のものである。
実施形態46では、本発明は実施形態45による方法を含み、Xは−Clである。
実施形態47では、本発明は、治療有効量の実施形態40による医薬組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療方法を含む。
本発明の実施形態48は、治療有効量の実施形態40による医薬組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、MMPの活性を調節する方法である。
実施形態49〜98では、本発明は実施形態1〜49のそれぞれを含み、記載の化合物が、治療有効量のACE阻害剤、ARB、またはサイクロフィリン阻害剤(例えばサイクロスポリンA)と組み合わせて(同時または順次に)投与される。
実施形態99では、本発明は実施形態1〜98の方法のいずれか一つを含み、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性は、大動脈瘤または胸部動脈瘤である。
実施形態100では、本発明は実施形態1〜49のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物を含み、化合物は動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療に有効な量存在する。具体的実施形態では、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性は、腹部大動脈瘤または胸部動脈瘤である。
実施形態101では、本発明は実施形態100に記載の医薬組成物を含み、医薬組成物は、ACE阻害剤、ARB、またはサイクロフィリン阻害剤より選択される第二治療薬をさらに含み、化合物および第二治療薬は、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療に有効な量存在する。具体的実施形態では、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性は、腹部大動脈瘤または胸部動脈瘤である。
実施形態102では、本発明は実施形態101の医薬組成物を含み、第二治療薬は、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、およびフォシノプリルより選択されるACE阻害剤である。
実施形態103では、本発明は実施形態101の医薬組成物を含み、第二治療薬は、カンデサルタン、アプロサルタン(aprosartan)、イルベサルタン、バルサルタン、およびロサルタンより選択されるARBである。
多くのACE阻害剤が、従来技術において周知である。これらには、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、およびフォシノプリルが含まれる。
多くのARBも、従来技術において周知である。例えば、カンデサルタン、アプロサルタン(aprosartan)、イルベサルタン、バルサルタン、およびロサルタンが現在入手可能である。
前述の考察からみて、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の有効な療法が望ましいと認識された。
MMPは血管形成、組織修復、肝硬変、関節炎、および転移を含む様々な生理的および病理学的プロセスと関連した組織リモデリングに重要な役割を果たすため、本発明の方法は有効であると期待される。MMPは、エラスチンの破壊および大動脈壁脆弱化にも関係し、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張をもたらす。生物学的プロセスおよび疾病状態におけるMMPの重要性からみて、これらのタンパク質の阻害剤、特に小分子阻害剤が望ましい。
免疫細胞および間質細胞により分泌されるMMPは、中膜変性を引き起こすことが知られ、MMPの血漿レベルの増加は末梢血管疾患の発生および重症度と相関している。さらにMMPは、動脈瘤の発生の間に生じる細胞外基質タンパク質の分解に関与すると考えられる(Sakalihasan他,J Vasc Surg 1996;24:127−33参照)。
本発明のMMP阻害剤は、単独でまたは他剤と組み合わせて、腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を含む動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療に有用であると期待される。腹部大動脈瘤に関しては、MMPに加えてアンギオテンシンIIおよびサイクロフィリンを含む他のタンパク質が動脈瘤形成に関与しうることが研究により示唆されている。従って、本発明の併用療法は、疾患プロセスの複数の態様を標的化するのに有効であると期待される。マトリックスメタロプロテアーゼの阻害剤ならびにアンギオテンシンIIおよびサイクロフィリンの阻害剤を組み合わせる療法が、これらの療法を個別に行うよりも有効であることが判明しうると認識された。
併用療法により疾患プロセスの複数の態様の標的化が可能になり、MMP、アンギオンテンシン(angiontensin)IIおよびサイクロフィリンが全てこれらの疾患に関係するため、実施形態49〜98の併用療法は動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性の治療に特に有効であると期待される。例えばサイクロフィリンAは、細胞間マトリックスメタロプロテイナーゼの周知の誘導物質であるCD147に結合する。この結合によりCD147が細胞表面に転位し、マトリックスメタロプロテイナーゼ活性の刺激に重要な役割を果たし、これによりマトリックス分解が生じる結果、腹部大動脈瘤が発生する。サイクロフィリンAを阻害することにより、マトリックス分解が減少されうると考えられる。加えて、アンギオテンシンIIは、マトリックスメタロプロテイナーゼ−2を誘導するサイクロフィリンAの放出を引き起こすように見える。アンギオテンシンIIの阻害は従って、マトリックスメタロプロテイナーゼを阻害し、これによりマトリックス分解を減少させると考えられる。
本明細書に開示される化合物は、過去にADAM−10阻害剤として特定された(米国特許出願公開第20060199820号)。
定義
以下の段落は、本発明の化合物を構成する様々な化学的部分の定義を提供し、特に断りがない限り本明細書および請求項の全体に一様に当てはまることが企図される。
アルキルという用語は、一価C〜C20(特に断りがない限り)飽和直鎖、分岐鎖、環式、およびその組み合わせのアルカン部分を包括的にさし、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルを特に含む。ある場合には、一般的に記載されるアルキル(これもシクロアルキルも含めた解釈を企図する)と区別するために特定のシクロアルキル(例えばC−Cシクロアルキル)が定義される。したがって「アルキル」には、例えばC−Cシクロアルキルを含む。「アルキル」という用語には、例えば、C−Cシクロアルキル末端を有するC−CアルキルであるC−CシクロアルキルC−Cアルキルも含まれる。アルキルは、当業者に知られまたは例えばGreene他,「Protective Groups in Organic Synthesis,」John Wiley and Sons,第二版,1991に教示されるように、保護されないまたは必要に応じて保護された、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、またはホスホネートより選択される一つ以上の部分を含むがこれに限られないいずれかの適切な基により必要に応じて置換されうる。
アルコキシという用語は、基−O−(置換アルキル)をさし、アルキル基の置換には一般に(アルコキシにより定義される)炭素だけよりも多くが含まれる。一個の例示的な置換アルコキシ基は「ポリアルコキシ」または−O−(必要に応じて置換されたアルキレン)−(必要に応じて置換されたアルコキシ)であり、−OCHCHOCH、ならびにポリエチレングリコールおよび−O(CHCHO)CH等のグリコールエーテル等の基を含み、式中xは約2〜約20の間、別の例では約2〜約10の間、さらなる例では約2〜約5の間の整数である。別の例示的な置換アルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシまたは−OCH(CHOHであり、式中yは例えば約1〜約10の間の整数であり、別の例ではyは約1〜約4の間の整数である。
アルケニルという用語は、一価のC−C直鎖、分岐鎖、またはC5−8の場合には少なくとも一つの二重結合を有する環状炭化水素をさす。
アリールという用語は、一価フェニル、ビフェニル、ナフチルなどをさす。アリール基は、当業者に知られ、例えばGreene他,「Protective Groups in Organic Synthesis,」John Wiley and Sons,第二版,1991)に教示されるように、保護されないまたは必要に応じて保護された、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、またはホスホネートより選択される一つ以上の部分を含むがこれに限られないいずれかの適切な基により必要に応じて置換されうる。また、アリールの置換には、テトラヒドロナフタレン、クロメン−2−オン、ジベンゾフラン等の縮合環が含まれうる。そのような場合、例えばテトラヒドロナフタレンでは、テトラヒドロナフタレンのアリール部分は、アリール基を有するものと記載される分子の部分に結合される。
ヘテロ原子という用語は、O、S、P、またはNを意味する。
ヘテロ環という用語は、上に定義される環式アルキル、アルケニル、またはアリール部分であり、一個以上の環炭素原子がヘテロ原子と置き換えられたものをさす。ヘテロ環は、一つの環がs芳香族であり、一つの環が芳香族でなく、環のうちの一つが環ヘテロ原子を含む、縮合二環式または三環式部分もさす。
ヘテロアリールという用語は、硫黄、酸素、および窒素の少なくとも一つを芳香環に含むアリールを特にさす。非限定的な例は、ピリル(pyryl)、フリル、ピリジル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、およびイソオキサゾリルである。
ハロという用語は、クロロ、フルオロ、ヨード、またはブロモをさす。
本明細書で使用されるところの、薬学的に許容可能な塩または複合体という用語は、上に特定された化合物の所望の生物的活性を保持し、望ましくない有害な毒性効果がわずかでありまたは生じない、塩または複合体をさす。このような塩の例には、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)で形成された酸付加塩、ならびに、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロン酸等の有機酸で形成された塩が含まれるがこれに限られない。化合物は、当業者に周知の薬学的に許容可能な第四級塩としても投与でき、これには化学式−NR+Z−の第四級アンモニウム塩が特に含まれ、式中Rは水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、−O−アルキル、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、ホスフェート、またはカルボキシレート(例えばベンゾエート、スクシネート、アセテート、グリコレート、マレエート、マレート、シトレート、タルトレート、アスコルベート、ベンゾエート、シンナモエート(cinnamoate)、マンデロエート(mandeloate)、ベンジロエート(benzyloate)、およびジフェニルアセテート)を含む対イオンである。
「薬学的に活性の誘導体」という用語は、レシピエントへの投与時に本明細書に開示される化合物を直接または間接的に提供できるいずれかの化合物をさす。
いくつかの例では、当業者には当然のことながら、芳香族系の二つの隣接する炭素を含む基が一緒に縮合されて環構造を形成しうる。縮合環構造はヘテロ原子を含み得、一個以上の置換基「R」で置換されうる。シクロアルキル(すなわち飽和環構造)では、各位の炭素が二個の置換基(例えばRとR’)を含みうることにも注意しなければならない。
本発明の化合物のいくつかは、芳香族複素環式環構造から外れてイミノ、アミノ、オキソまたはヒドロキシ置換基を有しうる。本開示の目的上そのようなイミノ、アミノ、オキソまたはヒドロキシ置換基は、それらの対応する互変異性型、すなわちアミノ、イミノ、ヒドロキシまたはオキソの形でそれぞれ存在しうるものと理解される。
本発明の化合物は一般に、ACD/Name(Toronto,CanadaのAdvanced Chemistry Development,Inc.より入手可能)を用いて命名される。このソフトウェアは、International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)、およびChemical Abstracts Service(CAS)により合意された命名法の体系的適用にしたがって、化学構造から名称を導出する。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、不斉炭素原子、酸化硫黄原子または四級化窒素原子を構造中に有しうる。
本発明の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は、単一の立体異性体、ラセミ化合物、およびエナンチオマーとジアステレオマーとの混合物として存在しうる。化合物は、幾何異性体としても存在しうる。全てのこのような単一の立体異性体、ラセミ化合物およびその混合物、ならびに幾何異性体が、本発明の範囲内であることが企図される。
立体異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物から単一の立体異性体を調製および/または分離および単離する方法は、公知技術である。例えば、光学活性の(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製され、または従来技術を用いて分割されうる。必要に応じてR−およびS−異性体は当業者に周知の方法、例えば結晶化により分離されうるジアステレオアイソマー塩または複合体の形成;例えば結晶化、ガス−液体または液体クロマトグラフィにより分離されうるジアステレオアイソマー誘導体の形成;一つのエナンチオマーのエナンチオマー特異的試薬との選択反応、例えば酵素酸化または還元と、これに続く修飾されたエナンチオマーと修飾されていないエナンチオマーとの分離;または、キラル環境における、例えば結合したキラルリガンドを伴うシリカ等のキラル支持体上の、またはキラル溶剤の存在下でのガス−液体または液体クロマトグラフィにより、分割されうる。当然のことながら、所望のエナンチオマーが上記の分離手順の一つにより他の化学物質に変換される場合には、所望のエナンチオマー型を遊離するためにさらなるステップが必要となりうる。別法として、光学活性試薬、基質、触媒または溶媒を用いた不斉合成により、または不斉変換によりオンエナンチオマー(on enantiomer)を他に変換することにより特定のエナンチオマーを合成しうる。特定のエナンチオマーが富化されたエナンチオマーの混合物では、主成分のエナンチオマーが再結晶によりさらに富化されうる(同時に収率の損失を伴う)。
「必要に応じた」または「必要に応じて」とは、後に記載された事象または状況が生じても生じなくてもよく、記載にはその事象または状況が生じる場合および生じない場合が含まれることを意味する。当業者には当然のことながら、一つ以上の置換基を含むいずれ基に関しても、そのような基は、立体配置的に実行不可能および/または合成的に不可能ないかなる置換または置換パターンを導入することも企図するものではない。「必要に応じて置換された」とは、一用語中の全ての後続の修飾語をさし、例えば「必要に応じて置換されたC1−8アルキルアリール」という用語では、分子の「C1−8アルキル」部分および「アリール」部分の両方に必要に応じた置換が生じ得、例えば必要に応じて置換されたアルキルには必要に応じて置換されたシクロアルキル基が含まれ、さらにこれは必要に応じて置換されたアルキル基を含むものとして定義され、潜在的に無限である。
「置換された」アルキル、アリール、およびヘテロシクリルはそれぞれ、例えば、一個以上(例えば約5個まで、別の例では約3個まで)の水素原子が、必要に応じて置換されたアルキル(例えばフルオロアルキル)、必要に応じて置換されたアルコキシ、アルキレンジオキシ(例えばメチレンジオキシ)、必要に応じて置換されたアミノ(例えばアルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、必要に応じて置換されたアミジノ、必要に応じて置換されたアリール(例えばフェニル)、必要に応じて置換されたアリールアルキル(例えばベンジル)、必要に応じて置換されたアリールオキシ(例えばフェノキシ)、必要に応じて置換されたアリールアルキルオキシ(例えばベンジルオキシ)、カルボキシ(−COOH)、カルボアルコキシ(すなわちアシロキシまたは−OOCR)、カルボキシアルキル(すなわちエステルまたは−COOR)、カルボキシアミド、アミノカルボニル、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ−アミノ)、シアノ、カルボニル、ハロゲン、ヒドロキシ、必要に応じて置換されたヘテロシクリルアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、およびチオより独立して選択されるがこれに限られない置換基で置き換えられたアルキル、アリール、およびヘテロシクリルをさす。
「プロドラッグ」とは、例えば血液中の加水分解によりin vivoで(通常急速に)変換されて上式の親化合物を産生する化合物をいう。一般的な例には、カルボン酸部分をもつ活性型を有する化合物のエステルおよびアミド形が含まれるがこれに限られない。本発明の化合物の薬学的に許容可能なエステルの例には、アルキル基が直鎖または分岐鎖であるアルキルエステル(例えば約1個〜約6個の炭素を伴う)が含まれるがこれに限られない。許容可能なエステルには、ベンジル等であるがこれに限られないシクロアルキルエステルおよびアリールアルキルエステルも含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容可能なアミドの例には、第一級アミド、ならびに第二および第三アルキルアミド(例えば約1個〜約6個の炭素を伴う)が含まれるがこれに限られない。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来法に従って調製されうる。プロドラッグに関する完全な議論が、T.HiguchiおよびV.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems,」A.C.S.Symposium SeriesのVol14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供されており、これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
「代謝産物」とは、動物またはヒトの体内の代謝または生体内変換、例えば酸化、還元、または加水分解等によるより極性の分子への、または接合体への生体内変換により生産される化合物またはその塩の分解または最終産物をさす(生体内変換に関する議論についてはGoodmanおよびGilman,「The Pharmacological Basis of Therapeutics」8.sup.th Ed.,Pergamon Press,Gilman他.(編),1990を参照)。本明細書において用いられるところの、本発明の化合物またはその塩の代謝産物は、体内の化合物の生物活性型でありうる。一例では、生物活性型、代謝産物がin vivoで放出されるように、プロドラッグが合成されうる。別の例では、生物活性代謝産物が偶然に発見される、つまりプロドラッグのデザイン自体は行われなかった。本発明の化合物の代謝産物の活性についてのアッセイは、本開示を考慮した当業者に明らかである。
「治療有効量」は、患者が患っていることが分かっておりまたは患っていると思われる疾患に関し、患者の健康および福利に対して、治療的または緩和的でありうる有益効果を有する薬剤の量をさす。治療有効量は、単回ボーラスとして、断続的ボーラス量として、短期、中期または長期持続的放出製剤として、またはこれらのいずれかの組み合わせとして投与されうる。
「治療」、「治療方法」、および「治療する」は、動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を含む疾患、例えば腹部大動脈瘤および胸部動脈瘤を患っていると分かっておりまたは患っていると思われる患者に対する、治療有効量の薬剤の投与をさす。そのような治療は、治療的でも緩和的でもよい。本発明で有用な薬剤は、本明細書に記載される。
治療「薬剤」は、疾患を患う患者に治療有効量で投与されたときに、患者の健康および福利に治療上有益効果をもつ生物活性薬剤をさす。患者の健康および福利への治療上有益効果には、(1)疾患を治癒させること、(2)疾患の進行を遅延させること、(3)疾患の退行を引き起こすこと、または(4)疾患の一つ以上の症状を軽減することが含まれるがこれに限られない。
生物活性薬剤は、患者に投与されたときに、疾患または障害の発生を防ぎ、または疾患または障害の再発を遅延させる薬剤もさす。このような生物活性薬剤は、予防生物活性薬剤と呼ばれることが多い。
「哺乳類」は、哺乳類の患者をさし、ヒト患者を含むがこれに限られない。
加えて、本発明の化合物は、水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和形だけでなく非溶媒和形で存在しうる。一般に、溶媒和形は本発明の目的上非溶媒和形と等価であるとみなされる。
加えて、本発明は、コンビナトリアル化学を含む標準の有機合成技術を用いて、または微生物消化、代謝、酵素変換等の生物学的方法により作られる化合物をカバーすることが企図される。
実験セクション
本発明の化合物は、以下の一般的説明に従い、以下の実施例のセクションに提供される教示および通常の技術を有する当業者にとってのルーチン方法に従って作製できる。実施例は例示的なものにすぎず、限定を目的とするものではない。
本発明のN−ヒドロキシ−1,4−二置換ピペラジン−2−カルボキサミドは、以下に記載の方法を用いて合成できる。方法Aは、ピペラジン−2−(R)−カルボン酸ジヒドロクロリド(1)の、例えばジ−tert−ブチルジカーボネートとの反応により、ビス−Boc保護中間体2を産生することから始まり、これが例えばヨウ化メチルにより炭酸セシウムの存在下でエステル化されてメチルエステル3が形成される。それからBoc基が3から除去されて、ピペラジンジヒドロクロリド中間体4が産生される。
方法A
ワンポットで4のN4窒素が選択的にアシル化、カルバミル化、スルホニル化、アルキル化されるなどした後、N1窒素のスルホニル化により二置換ピペラジン5が形成される。それから5のメチルエステル基が、例えば、DMFおよび50%水性ヒドロキシルアミンの混合物においてヒドロキサメートに転換され、対応する化学式IによるN−ヒドロキシ−1,4二置換ピペラジン−2−(R)−カルボキサミド6が得られる。
方法Bは、例えば、トリメチルシリルクロリドおよび適切なスルホニルクロリド(以下の合成を参照)を用いたモノ−Boc保護ピペラジン−2−(R)−カルボン酸7のN1窒素のスルホニル化により、中間体8を形成することから始まる。それから中間体8が、TMS−ジアゾメタンによりエステル化されてメチルエステル9が形成された後、TFAによるBoc基の脱保護により10のTFA塩が形成される。あるいは、メタノール中HClを用いて化合物8が同時にエステル化およびBoc脱保護されて、10のHCl塩が形成されうる。10のN4窒素がアシル化、カルバミル化、スルホニル化、アルキル化されるなどして、メチルエステル5が形成され、これがDMFおよび50%水性ヒドロキシルアミンの混合物を上述のように用いて、または代替的に塩基性条件下(MeOH中KOH)でのヒドロキシルアミン処理により、ヒドロキサメート6(方法Aの記載中の構造を参照)に転換される。
方法B
方法Cは、ジヒドロクロリド1からの二置換ピペラジン−2−(R)−カルボン酸8のワンポット合成から始まる。まず、ショッテン−バウマン条件下で、1のN4窒素が選択的にBoc保護された後、トリエチルアミンおよび適切なスルホニルクロリドが加えられてN1窒素がスルホニル化されて、8が形成される。中間体8から、方法Bに記載のように所望のヒドロキサメート6が形成される。
方法C
(実施例1)
N−ヒドロキシ−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニル−カルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミド(方法A)
ステップ1−1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−2−(R)−カルボン酸の形成。ピペラジン−2−(R)−カルボン酸ジヒドロクロリド(16.6g、82mmol)およびジオキサン(120ml)を合わせ、氷浴で冷却した。5NのNaOH(60ml、300mmol)の後、(Boc)O(41.8g、191mmol)を加えた。反応混合物を数時間撹拌しながら室温に温まらせてから、真空濃縮した。得られた水性混合物をEtOで洗浄し(3×)、氷浴で冷却し、濃塩酸でpH2〜3に酸性化し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、水(1×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−2−(R)−カルボン酸を白色固体として得た(27.0g、100%)。[M−H]のLC/MS計算値329.2、実測値329.2。
ステップ2−メチル1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−2−(R)−カルボキシレートの形成。1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−2−(R)−カルボン酸(70g、212mmol)を、アセトニトリル(1.3L)に溶解した。CsCO(110g、340mmol)を加え、混合物を30分間室温で撹拌した後、ヨウ化メチル(28ml、450mmol)を加えた。反応混合物を一晩室温で撹拌し、固体を濾過し、濾液を真空濃縮した。得られた油をEtOAcに溶解し、一切の不溶性物質を濾過した。濾液を真空濃縮して、メチル1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−2−(R)−カルボキシレート(69g、95%)を得た。[M+H]のLC/MS計算値345.2、実測値145.1(−Boc X 2)。
ステップ3−メチルピペラジン−2−(R)−カルボキシレートジヒドロクロリドの形成。メチル1,4−ジ−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−2−(R)−カルボキシレート(2.9g、8.5mmol)をジオキサン(30ml)中の4MのHClに溶解し、30〜60分間室温で撹拌して、濃い白色の沈殿物を形成させた。反応混合物を真空濃縮し、得られた白色固体を高真空下で乾燥させてメチルピペラジン−2−(R)−カルボキシレートジヒドロクロリド(1.9g、100%)を得た。[M+H]のLC/MS計算値145.1、実測値145.1。
ステップ4−メチル1−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニルカルボニル)ピペラ−ジン−2−(R)−カルボキシレートの形成。メチルピペラジン−2−(R)−カルボンキシレートジヒドロクロリド(676mg、3.1mmol)を、CHCl(7ml)およびDIEA(2.1ml、12.4mmol)に溶解し、氷浴で冷却した。塩化メチレン(2.5ml)に溶解したモルホリンカルボニルクロリド(450mg、3.0mmol)を、撹拌しながら滴下して加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温に温まらせ、さらに2〜3時間撹拌した。さらにDIEA(0.6ml、3.4mmol)の後、4−(4−フルオロフェノキシ)フェニルスルホニルクロリド(904mg、3.1mmol)を加え、反応混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、得られた残留物をEtOAcに再溶解し、水(1×)、1.0NのHCl(2×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(3:1 EtOAc:ヘキサン)で精製して、メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニルカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートを得た(1.11g、70%)。[M+H]のLC/MS計算値508.1、実測値508.1。
ステップ5−N−ヒドロキシ−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニルカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボクス−アミドの形成。メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニルカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキシレート(1.11g、2.2mmol)をDMF(17ml)に溶解し、50%NHOH水溶液(20ml)を加え、反応混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を冷たい1.0NのHCl(100〜120ml)に注入し、EtOAc(4×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、10%LiCl水溶液(4×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc)により精製し、得られた精製油を1:1のアセトニトリル:水に溶解し、凍結乾燥させて、N−ヒドロキシ−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)フェニル)]スルホニル−4−(4−モルホリニル−カルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミドを白色固体として得た(659mg、59%)。[M+H]のLC/MS計算値509.1、実測値509.1。HNMR(400MHz,CDOD):δ7.69(d,2H,J=9.2Hz),7.04(m,4H),6.95(d,2H,J=9.2Hz),4.30(m,1H),3.76(m,1H),3.50(m,7H),3.10(m,4H),2.90(dd,1H,J=13.2,4.4Hz),2.72(m,1H)。
(実施例2)
N−ヒドロキシ−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミド(方法B)
ステップ1−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボン酸の形成。4−Boc−ピペラジン−2−(R)−カルボン酸(933mg、4.05mmol)、CHCl(12ml)、DMF(6ml)、およびDIEA(2.5ml、14.3mmol)をN下で合わせた。TMS−Cl(810μl、6.38mmol)をゆっくり加え、混合物をおよそ2時間室温で撹拌した。少量のCHClに溶解した4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニルクロリド(1.43g、4.43mmol)を加え、混合物をさらに2時間室温で撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、0.5NのHCl(3×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。得られた粗製油をフラッシュクロマトグラフィ(6:4のヘキサン:EtOAc+1%AcOH)で精製して、所望の生成物(1.37g、65%)を得た。[M+H]のLC/MS計算値517.1、実測値417.0(−Boc)。
ステップ2−メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートの形成。1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボン酸(1.37g、2.65mmol)を、CHCl(40ml)およびMeOH(10ml)に溶解した。ヘキサン中の2MのTMS−CHN(2.5ml、5mmol)とCHCl(10ml)との混合物を撹拌しながら滴下して加えた後、反応物のTLCを行った。反応が終了したらAcOH(1.0ml)を撹拌しながら滴下して加えた。反応混合物をCHClでさらに希釈し、水(1×)、飽和NaHCO(2×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。粗製油をフラッシュクロマトグラフィ(3:1のヘキサン:EtOAc)で精製して、所望の生成物(1.10g、78%)を得た。[M+H]のLC/MS計算値531.1、実測値431.0(−Boc)。
ステップ3−メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートTFA塩の形成。メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレート(1.10g、2.07mmol)を少量のCHClに溶解し、ニートTFA(10ml)を加えた。混合物をおよそ30分間室温で撹拌し、真空濃縮し、高真空下で数時間さらに乾燥させ、さらなる精製なしで使用した。[M+H]のLC/MS計算値431.1、実測値431.0。
ステップ4−メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートの形成。N下のメチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートTFA塩(344mg、0.63mmol)、CHCl(10ml)、およびDIEA(250μl、1.43mmol)の混合物に、エチルクロロホルメート(65μl、0.68mmol)を加えた。混合物を1.5時間室温で、N下で撹拌してから、1.0NのHCl(2×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(3:1のヘキサン:EtOAc)で精製して、所望の生成物(218mg、69%)を得た。[M+H]のLC/MS計算値503.1、実測値503.0。
ステップ5−N−ヒドロキシ−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]スルホニル−4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミドの形成。MeOH(7.0ml)中KOH(2.80g、50.0mmol)の溶液をMeOH(12.0ml)中NHOH HCl塩(2.40g、34.5mmol)の熱溶液と混合し、生じた固体を室温に冷却後濾過することにより、MeOH中のNHOHの1.7Mの溶液を調製した。メチル1−[4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニル)]−スルホニル−4−(エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキシレート(218mg、0.43mmol)を、MeOH溶液(4.0ml)中の1.7MのNHOHに溶解し、30〜45分間室温で撹拌した。それから反応混合物を1.0NのHClで希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。得られた粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(1:1のEtOAc:ヘキサン)で精製して無色のフィルムを得、これを1:1のAcCN:HOから凍結乾燥して、所望の生成物を白色固体として得た(136mg、62%)。[M+H]のLC/MS計算値504.1、実測値504.0。HNMR(400MHz,CDOD):δ7.58(m,2H),7.03(m,4H),4.27(m,2H),4.07(m,3H),3.75(m,2H),3.30(m,1H),3.06(m,1H),1.22(m,3H)。
(実施例3)
N−ヒドロキシ−1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−4−(2−メトキシ−1−エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミド。
(方法C)
ステップ1−1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボン酸の形成。ピペラジン−2−(R)−カルボン酸ジヒドロクロリド(1.25g、6.1mmol)、ジオキサン(15ml)、および水(6.0ml)を合わせ、氷浴で冷却した。9NのNaOH(2.0ml、18mmol)を撹拌しながらゆっくり加えた後、(Boc)O(1.35g、6.2mmol)を加えた。反応混合物を室温に温まらせ、さらに3〜4時間撹拌した。EtN(1.8ml、13mmol)の後、4−シアノフェノキシ−3−フルオロフェニルスルホニルクロリド(2.00g、6.4mmol)を加えた。反応混合物を1〜2時間室温で撹拌してから、真空濃縮する。得られた残留物を、1.0NのHClとEtOAcとの間で分配した。相を分離し、さらに水相をEtOAc(2×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、1.0NのHCl(1×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(7:3のヘキサン:EtOAc+1%AcOH)で精製して、所望の生成物(1.1g、35%)を得る。[M−H]のLC/MS計算値504.1、実測値504.3。
ステップ2。メチル1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−4−boc−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートを、フラッシュクロマトグラフィ(chromotography)による精製が不要であることを除き実施例2、ステップ2と同様の様式で作製した。1.10gを回収した(97%)。[M+H]のLC/MS計算値520.1、実測値420.1(−Boc)。
ステップ3。メチル1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートTFA塩を、実施例2、ステップ3と同様の様式で作製した。[M+H]のLC/MS計算値420.1、実測値420.2。
ステップ4。メチル1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−4−(2−メトキシ−1−エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキシレートを、実施例2、ステップ4と同様の様式で作製した。438mgを回収した(83%)。[M+H]のLC/MS計算値522.1、実測値522.2。
ステップ5。N−ヒドロキシ−1−[4−(4−シアノフェノキシ)−3−フルオロフェニル)]スルホニル−4−(2−メトキシ−1−エトキシカルボニル)ピペラジン−2−(R)−カルボキサミドを、実施例2、ステップ5と同様の様式で作製した。46mgを回収した(10%)。[M−H]のLC/MS計算値521.1、実測値521.2。HNMR(400MHz,CDOD):δ7.73(m,3H),7.65(m,1H),7.34(m,1H),7.19(d,2H,J=8.4Hz),4.29(m,2H),4.14(m,3H),3.74(m,2H),3.55(m,2H),3.33(s,3H),3.25(m,1H),3.04(m,1H)。
(実施例4)
スルホニルクロリド中間体の合成
実施例4a:4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニルスルホニルクロリド。
ステップ1。3,4,5−トリフルオロニトロベンゼン(20.0g、113mmol、Durham,North CarolinaのAsymChemより市販)、乾燥DMF(100ml)、4−フルオロフェノール(13.9g、124mmol)、およびCsCO(56g、172mmol)の混合物を、60〜70℃で、N下で1〜2時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をHOとEtOAcとの間で分配した。相を分離し、水相をEtOAc(2×)でさらに抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaCl(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して、4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(32.0g、105%)を得、これを次のステップでさらなる精製を行わずに使用した。H NMR(DMSO−d):δ7.15(m,2H),7.22(m,2H),8.31(d,2H,J=7.6Hz)。
ステップ2。4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロ−ニトロベンゼン(30.4g、113mmol)、EtOAc(300ml)、10%Pd/C(2.6g)の混合物を、H雰囲気下で室温および室内圧力でおよそ6時間撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、真空濃縮して、4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロアニリン(26.5g、98%)を得、これをさらなる精製を行わずに次のステップで使用した。H NMR(CDCl):δ3.82(s,2H),6.26(d,2H,J=8.4Hz),6.88(m,2H),6.93(m,2H)。
ステップ3。HO(20ml)中のNaNO(8.4g、122mmol)の溶液を、氷/NaCl/HO浴中で冷却した4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロアニリン(26.5g、111mmol)、AcOH(160ml)、および濃塩酸(160ml)の混合物に滴下して加えた。添加が完了した後、混合物をさらに20〜30分撹拌した後、AcOH(140ml)中のSO(74g、1.15mol)およびHO(16ml)中のCuCl−2HO(11.1g、65mmol)の混合物を加えた。反応混合物を氷浴から除去し、1〜2時間室温で撹拌した。反応混合物を氷水に注入し、CHCl(3×)で抽出した。合わせたCHCl抽出物を、飽和NaCl(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。得られた粗製油をフラッシュクロマトグラフィ(9:1のヘキサン:EtOAC)で精製して、4−(4−フルオロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニルスルホニルクロリド(29.8g、83%)を得た。H NMR(CDCl):δ6.94(m,2H),7.10(m,2H),7.71(d,2H,J=6.4Hz)。
実施例4b:4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニルスルホニルクロリド
ステップ1。3,4,5−トリフルオロニトロベンゼン(6.6g、37mmol)、乾燥DMF(30ml)、4−クロロフェノール(5.26g、41mmol)、およびCsCO(18.8g、58mmol)の混合物を、60〜70Cで、N下で1〜2時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をHOとEtOAcとの間で分配した。相を分離し、水相をEtOAc(2×)でさらに抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaCl(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して、4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(11.3g、106%)を得、これをさらなる精製を行わずに次のステップで使用した。H NMR(CDCl):δ6.90(d,2H,J=7.6Hz),7.28(d,2H,J=7.6Hz),7.94(d,2H,J=6.4Hz)。注:CsCO/DMFの代わりにKCO/アセトニトリルが使用されてもよい。
ステップ2。4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロニトロベンゼン(10.6g、37mmol)、トルエン(150ml)、HO(150ml)、鉄粉末(6.9g、124mmol)、および酢酸アンモニウム(9.3g、120mmol)の混合物を2〜3時間撹拌しながら加熱還流した。室温に冷却後、反応混合物をセライトで濾過し、HOおよびEtOAcで十分に洗浄した。濾液を分液漏斗に移し、相を分離した。水相を、EtOAc(2×)でさらに抽出した。合わせた有機相をHO(1×)、飽和NaCl(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮して、4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロアニリン(10.8g、113%)を得、これをさらなる精製を行わずに次のステップで用いた。H NMR(CDCl):δ3.81(s,2H),6.27(d,2H,J=9.2Hz),6.85(d,2H,J=9.2Hz),7.21(d,2H,J=9.2Hz)。
ステップ3。HO(7.0ml)中のNaNO(2.8g、41mmol)の溶液を、氷/NaCl/HO浴で冷却した4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロアニリン(9.5g、37mmol)、AcOH(50ml)、および濃塩酸(50ml)の混合物に滴下して加えた。添加が完了した後、混合物をさらに20〜30分撹拌した後、AcOH(50ml)中のSO(25g、290mmol)およびHO(6.0ml)中のCuCl−2HO(3.8g、22mmol)の混合物を加えた。反応混合物を氷浴から除去し、1〜2時間室温で撹拌した。反応混合物を氷水に注入し、CHCl(3×)で抽出した。合わせたCHCl抽出物を飽和NaCl(1×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。得られた粗製油をフラッシュクロマトグラフィ(9:1のヘキサン:EtOAC)で精製して、4−(4−クロロフェノキシ)−3,5−ジフルオロフェニルスルホニルクロリド(11.0g、87%)を得た。H NMR(CDCl):δ6.92(d,2H,J=7.2Hz),7.30(d,2H,J=7.2Hz),7.72(d,2H,J=4.8Hz)。
実施例4c:3,4,5−トリフルオロベンゼンスルホニルクロリド
2000mL丸底フラスコに、800mLの蒸留HOおよび撹拌棒を入れた。撹拌の際にフラスコを氷−アセトン浴中で−10℃に冷却した。フラスコに500mLの滴下漏斗を取り付け、SOCl(300mL、4.1mol、10当量)を1時間にわたり滴下して加えた。添加が完了した後、溶液を室温に温めながら4時間撹拌した。
一方で、別の500mLナスフラスコに、3,4,5−トリフルオロアニリン(61g、0.41mol、1.0当量)、濃塩酸(150mL)、および撹拌棒を入れた。得られた懸濁液を激しく撹拌し、−10℃に冷却した。フラスコに250mLの滴下漏斗を取り付け、HO(125mL)中のNaNO(34.3g、0.50mol、1.2当量)の溶液を10分間にわたり懸濁液に滴下して加えた。反応混合物はほぼ均一になり、橙黄色である。反応混合物を、温度を−10℃に慎重に維持しながら、さらに30分間撹拌した。
SOCl/HO溶液を含むフラスコを再び−10℃に冷却し、触媒量のCu(I)Cl(約50mg)を加えた。溶液は濃緑色となる。フラスコに500mLの滴下漏斗(予め0℃に冷却)を取り付け、3,4,5−トリフルオロジアゾベンゼン溶液を素早く漏斗に移した。溶液を直ちに3分間にわたり滴下して加えた。添加後、反応混合物はゆっくりとより濃い緑色になるが、5分間撹拌後には明るいライムグリーンになる。反応物を、室温に温めながらもう一時間撹拌した。反応混合物を分液漏斗へ移し、CHCl(3×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、暗青銅色の油(79.5g、83%)を得る。
(実施例5)
酵素アッセイ
mADAM−10またはhADAM−10の活性を、10−残基ペプチド(DABCYL−Leu−Leu−Ala−Gln−Lys−−Leu−Arg−Ser−Ser−Arg−EDANS)を切断する能力として測定した。このペプチドは、TNF−α切断部位(Leu62−Arg71)に基づいたが、Ala76−Val77のLys−Leuでの代替により天然TNF−αペプチドよりもADAM−10に対する5倍大きな親和性を有するペプチドが生じることが分かった。酵素を、バッファーA(50mM HEPES8.0、100mM NaCl、1mM CaCl2および0.01%NP−40)中5nMの最終活性濃度に希釈した。ポリプロピレンプレート(Greiner)でBeckman Biomek2000を用いて、100μM〜0.5nMにわたって化合物の系列希釈を行った。20μlの酵素溶液をバッファーA中の10μlの化合物に加え、384ウェルブラック、Greiner、マイクロタイタープレート(#781076)中で15分間インキュベートさせた。それから20μlの基質(バッファーA中12.5μM)を加え、最終反応条件2nM ADAM−10、5μM基質、および化合物濃度20μM〜0.1nMを生じた。反応物をRTで2時間インキュベートし、Ex355、Em460でWallac Victor2蛍光リーダーで蛍光を測定した。強力阻害剤の最終分析では、最終活性ADAM−10濃度0.1nMで類似の反応物を作製した。この反応物をRTで16時間インキュベートし、同一条件を用いて蛍光を読み取った。
本発明の一態様は、例えば化学式Iによるピペラジン由来のヒドロキシメート(hydroximates)であり、これは選択的ADAM−10阻害剤である。一実施形態では、このような阻害剤は、−R(−R21−L−R22、R21はフェニレンであり、Lは酸素であり、R22はフェニルである)にビス−アリールエーテル置換基を含み、その近位の環(R21)は具体的に一個以上のハロゲンにより、より具体的には一個以上のフロウリン(flourines)により、さらに具体的には二個以上のフロウリン(flourines)により、置換される。例えば、このような基を適切な置換基−L−Rおよび−R22と組み合わせることにより、ADAM−10につき選択的な阻害剤が生産される。
下表5は、様々なメタロプロテアーゼによりin vitroでテストしたときの、選択された本発明の化合物の構造活性相関データを示す。阻害は、以下のキーを伴ってIC50として示される:A=50nM未満のIC50、B=50nMより大きいが1000nM未満のIC50、C=1000nMより大きいが20,000nM未満のIC50、D=20,000nMより大きいIC50。空白のセルは、データの欠如のみを示す。表5中の省略語は、以下のように定義される:TACEは、TNF−アルファ変換酵素を表し(別名ADAM−17;MMP−1は、線維芽細胞コラゲナーゼを表し;MMP−2は72kDaゲラチナーゼ(ゲラチナーゼA)を表し;MMP−3は、ストロメライシン−1を表し;MMP−8は、好中球コラゲナーゼを表し;MMP−9は、92kDaゲラチナーゼ(ゲラチナーゼB)を表し;MMP−13は、コラゲナーゼ−3を表す。
表5
表6は、選択された本発明の化合物の物理的解析データを含む。Varian AS400 Spectrometer(400MHz,Varian GmbH,Darmstadt,Germanyより入手可能)でH−NMRデータを取った。表6中の番号は、表5のもの(ならびにその対応する構造)に対応する。
表6
(実施例6)
In Vivoアッセイ
本発明のMMP阻害剤を、(MMP活性の阻害を介してモデルの動脈瘤発現を有効に阻害することが示されている)ドキシサイクリンによる治療と比較して有効性を測定するために、AAAの確立したマウスモデル(標準エラスターゼ−灌流モデル)において評価した。実験で使用した全てのマウスは、購入したC57/Bl6近交系マウスである。実験過程の全体を通して、マウスに食餌および水を自由に摂取させた。動物を制御された動物施設に収容し、全てのマウスのケアおよび治療を承認されたプロトコル下で行った。
エラスターゼ灌流モデル:
合計89匹のC57/Bl6マウスに、公知技術のプロトコルに従って、腹部大動脈の一時的灌流を行った。簡潔に言うと、鎮静および準備の後、正中開腹法により大動脈にアプローチした。インフラ腎臓(infrarenal)大動脈を解離し、生理学的血圧下で直径を測定した。インフラ腎臓(infrarenal)大動脈のセグメントを分離し、100mmHgでタイプI豚膵臓エラスターゼ(PPE0.16U/mL)を含む溶液を用いて動脈切開によりこのセグメントの5分間の灌流を行った。全ての実験を、同じ市販の供給源およびロットに由来する単一のPPE調製物で実行した。
大動脈の灌流後に、動脈切開を修復し、開腹を閉じ、動物を完全に回復させた後、標準の収容に戻した。
実験的治療:
大動脈灌流後、動物を5つの治療群のうちの一つに入れた。実験薬剤(表5の化合物15)で治療した全動物には、非イオン性のヒマシ油ベースの可溶化剤クレモフォール(Cremophor)および乳化剤(BASF)に希釈した薬剤を強制飼養で毎日与えた。50mg/kg/日(n=17)、125mg/kg/日(n=17)、および250mg/kg/日(n=18)の、三つの異なる薬剤用量を用いた。大動脈灌流後に死亡したマウスが各群二匹おり、他は全て分析で利用可能だった。対照動物(n=18)は、クレモフォール希釈液だけ毎日強制飼養することにより同様に治療した。これらのマウスのうち16匹が大動脈灌流後の二週間を生存し、最終的な大動脈測定および採取を行った。第五マウス群には、強制飼養治療を行わず、動物の既知の水消費量に基づいて100mg/kg/日を送達することを企図した濃度の飲料水中のドキシサイクリンで治療した。この群においては、4匹のマウスが二週目の採取前に死亡し、他は全て動脈瘤成長の分析で使用した。
最終大動脈直径測定および標本収集:
エラスターゼ灌流の二週後にマウスを再び麻酔し、開腹切開部を再び開き、屠殺前にin vivoで最終大動脈直径を測定した。動物を人道的に屠殺し、循環血液および大動脈の全灌流セグメントをRNA抽出、タンパク質抽出または組織学のために収集した。
光学顕微鏡検査:
各実験群からの数匹のマウスからの大動脈を、10%中性緩衝ホルマリンで灌流固定し、除去し、追加のホルマリン中に最低24時間置いた後、パラフィン包埋を行った。パラフィン包埋後、大動脈標本を5μmのセクションに切り、ガラススライドに載せた。各標本を、炎症性細胞浸潤を評価するためにヘマトキシリン−エオジンで、エラスチン分解の程度を評価するためにAccustain(登録商標)Elastic Stainキットで染色した。CV12ビデオキャプチャカメラを備えたOlympus BX60光顕を使用して、連続切片の顕微写真を得た。
結果
採取時の大動脈直径に対する化合物15の効果:
結果は、ベースラインと比較した2週目の大動脈直径(AD)の増加率として表される(%ΔAD)。担体クレモフォール溶液の一日二回の強制飼養を行っただけの対照動物(n=16)においては、平均%ΔADは158.5±4.3%(図1)であり、全動物の%ΔADが100%(本モデルの動脈瘤発生の定義)より大きかった。ドキシサイクリン(n=15)による治療からは、112.2±2.0%(P<0.0001)の対照動物より有意に低い平均%ΔADが生じた。またドキシサイクリン治療では、13%の動物が当該モデルにおいて動脈瘤に指定される閾値に達なかった。この差は、対照と比較して統計的有意差に達しなかった。
実験薬剤による全用量の治療で、採取時の大動脈直径が対照動物より有意に小さくなることが分かった。治療は用量反応相関を有することが分かった。最高用量の実験薬剤(250mg/kg/日)で治療した動物は、対照動物より有意に低く(119.2±14.1%、P<0.0001)、ドキシサイクリンで治療した動物と有意に異ならない大動脈直径増大を有することが分かった。動脈瘤を発症しない動物が12%おり、これはドキシサイクリン治療で見られたのと同様であるが、対照と統計学的に異ならなかった。
より低用量の薬剤による動物の治療は、採取時により大きい大動脈直径を生じた。125mg/kg/日での実験薬剤による治療は、対照マウスより有意に小さい(P<0.0001)と同時にドキシサイクリン治療より大きい(P<0.02)、129.3±5.1%の平均%ΔADを生じた。同様に、最低用量の薬剤による治療は、140.4±3.2%の平均%ΔADを生じ、これは対照治療より有意に小さい(P<0.01)と共に、ドキシサイクリン(P<0.0001)または最高用量の実験薬剤(P<0.002)による治療のいずれよりも大きかった。低用量および中用量の実験薬剤用量群の全動物が、100%より大きい最大直径を呈した。
図2は、箱ひげ図を示す。中央値%ΔADは実験薬剤の投与量の増加に伴って減少した。各治療の結果の変動性はかなり小さかった。実験薬剤(125mg/kg用量)で治療した一匹の動物だけが対照動物の中央値を超える%ΔADを有した。結果からは、本研究で使用した最高投与量で薬剤の最大効果に達するという証拠も示されない。
大動脈組織学:
各群からの代表的な大動脈を、大動脈採取後ホルマリン固定し、パラフィンブロックに処理した。採取の間には大動脈の最も拡張したセグメントだけを採取し、大動脈の最も拡張したセグメントが撮像されるようにブロックの連続切片を作製した。これらの最大拡張セグメントを、ヘマトキシリン−エオジン染色ならびにエラスチン染色(Verhoff−Von Giesen[VVG])で染色した。
MMP−阻害剤療法の非存在下では、対照動物からの大動脈には、相当の単核球浸潤を伴って重度の中膜弾性線維の破壊が見られた。エラスターゼ灌流後のドキシサイクリンによる治療の結果、中膜エラスチンの保存が生じたが、少量の細胞浸潤が存在し続けた。実験薬剤による治療では、エラスチン損傷および炎症細胞炎症の程度は、投与した薬剤の用量と逆相関した。平均大動脈拡張が増加するに伴い、弾性繊維のより広範な破壊があり、これは特に外膜中のより広範な炎症細胞浸潤にも関連するように見える。

Claims (13)

  1. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を治療する方法であって、治療有効量の構造:
    を有する化合物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  2. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を治療する方法であって、治療有効量の構造:
    を有する化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  3. MMPの活性を調節する方法であって、治療有効量の構造:
    を有する化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  4. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱を治療する方法であって、アンギオテンシン変換酵素阻害剤と併用して、治療有効量のMMP阻害剤を、そのような治療を必要とする哺乳類を投与するステップを含む、方法。
  5. 前記アンギオテンシン変換酵素阻害剤が、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、およびフォシノプリルのうちの一つより選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を治療する方法であって、アンギオテンシンII受容体遮断薬と併用して、治療有効量のMMP阻害剤を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  7. 前記アンギオテンシンII受容体遮断薬が、カンデサルタン、アプロサルタン(aprosartan)、イルベサルタン、バルサルタン、およびロサルタンのうちの一つより選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を治療する方法であって、サイクロフィリンAの阻害剤と併用して、治療有効量のMMP阻害剤を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  9. 前記MMP阻害剤が、構造:
    の化合物である、請求項4に記載の方法。
  10. 前記MMP阻害剤が、構造:
    の化合物である、請求項6に記載の方法。
  11. 動脈瘤性拡張または血管壁脆弱性を治療する方法であって、アンギオテンシンII受容体遮断薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤と併用して、治療有効量の構造:
    の前記化合物を、そのような治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む、方法。
  12. 前記MMP阻害剤が、構造:
    の化合物である、請求項8に記載の方法。
  13. 前記動脈瘤性拡張または前記血管壁脆弱性が、腹部大動脈瘤または胸部動脈瘤である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
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