JP2013501169A - L字形薄板部材からなる補強部を備える鉄筋コンクリート構成材 - Google Patents
L字形薄板部材からなる補強部を備える鉄筋コンクリート構成材 Download PDFInfo
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Abstract
少なくとも1つの上方(Bo)縦補強層Boと、少なくとも1つの下方縦補強層(Bu)と、横力補強部(Q)とを備え、該横力補強部(Q)の延長部(L)は最上縦補強部(Boo)と最下縦補強部(Buu)を介して案内されており、前記横力補強部(Q)は、少なくとも20のL字形薄板部材(20)と、これに固定されたフレーム(30)とから形成されている、鉄筋コンクリート構成材。ここで各薄板部材は1つのベンドを有する。
Description
本発明は、少なくとも1つの上方縦補強層と、少なくとも1つの下方縦補強層と、横力補強部とを備える鉄筋コンクリート構成材であって、該横力補強部の延長部が最上補強部及び最下縦補強部を介して案内されている、請求項1の上位概念による鉄筋コンクリート構成材に関する。
鉄筋コンクリート構成材またはプレストレストコンクリート構成材では、支承箇所の領域、特に支持接続の領域に、支持力によってそこに発生する横力を吸収するためにせん断補強部が必要なことがしばしばである。
この種のせん断補強エレメントは、S字ハーケンまたはフレーム、スタッドレール、ダブルヘッドボルト、補強メッシュ、グリッド支持体、トブラーワルム(Tobler Walm)、ガイリンガーカラー(Geilinger Kragen)及びクラック星形材(Riss−Stern)等の形態でよく知られている。
S字ハーケンまたはフレームの形態のせん断補強部は、係留に問題があるため、せん断補強部の引き抜きを阻止するために、通常は存在する湾曲縦補強部を包囲しなければならない。これを敷設することは非常に面倒であり、それによりコストも非常に掛かる。曲げ引張補強部の補強度が高く、せん断補強の割合が大きい場合には、もはや従来のフレームを取り付けることができない。
ドイツ特許公開公報第2727159号からよく知られたスタッドレールでは、スタッドの端部に、拡張されたスタッドヘッドが設けられている。スタッドの他方の端部にはスタッド保持レールが溶接されている。このようなスタッドレールの改善形態は、例えばドイツ実用新案公報第29812676号から知られている。このスタッドレールは互いに間隔を置いて配置された複数のスタッドを有し、スタッドレールはそのスタッドシャフトの一方の端部に、皿状に拡張されたスタッドヘッドを有し、他方の端部は共通のスタッド保持レールに固定されている。それぞれのスタッドシャフトはスタッド保持レールのスタッド孔部を通って伸長しており、リベットヘッドが設けられている。
この種のスタッドレールは以前から多様に使用されているが、このスタッドレールはせん断力が大きい場合には、スタッドが曲がるため破損することが実際には判明している。それによりコンクリートと補強部との間の結合が特に緩み、鉄筋コンクリート構成材の堅牢さがもはや得られない。
ダブルヘッドボルトは1つのシリンダ状のボルトと、このボルトに対して拡大され、その上またはその下に配置されるボルトヘッドとからなり、ボルトヘッドは通常それぞれ円錐台形に構成されている。そのような複数のボルトは、下部または上部のボルトヘッドに固定されたスペースレールを介してせん断補強エレメントに結合されており、このスペースレールによって取付け状態でのダブルヘッドボルトの正しい配向と正しい高さ位置が得られる。
このせん断補強エレメントの欠点は、ダブルヘッドボルトの製造が面倒であり、例えばボルトヘッドの作製のためにボルト端部を圧縮するか、または円錐台形のボルトヘッドをボルトに溶接する。
これに加えてダブルヘッドボルトは通常、上部から星状に縦補強部の上方層と下方層の間に通される。曲げ引張補強部の補強度が高く、上方補強層と下方補強層のメッシュサイズが異なる場合、それにより取付けが非常に困難であり、しばしば不可能でさえある。
トブラーワルム及びガイリンガーカラーは、統合溶接されたスチールプロフィールからなるスチール構成材であり、個々に作製される。構成材の移動は、自重が大きいのでジャッキを用いて行わなければならない。このジャッキ工具は取付けの間には他の建築現場の別の役目のために使用することができず、または特別に用意しなければならないから、作製と取付けが面倒でコストが非常に掛かる。その大きさと重量のため、この解決手段は完成部品として使用することができない。というのは、完成部品として使用すると、建築現場への輸送がもはや経済的ではなくなるからである。従ってこの補強エレメントは、現場打ちコンクリートのやり方で製作される鉄筋コンクリート構成材にしか使用することができない。
本発明の課題は、従来技術のこれらの欠点及びさらなる欠点を克服し、大きなせん断力及び横力でも吸収することのできる鉄筋コンクリート構成材を提供することである。鉄筋コンクリート構成材またはプレストレストコンクリート構成材は、特に安価に作製可能となり、容易に取り付けできるようになる。理想的にはこれは、完成部品として作製可能である。
本発明の主たる特徴は、請求項1及び請求項24の特徴部分に記載されている。構成は請求項2から23、及び請求項25から26の対象である。
少なくとも1つの上方縦補強層と、少なくとも1つの下方縦補強層と、横力補強部とを備え、該横力補強部の延長部が最上縦補強部と最下縦補強部を介して案内される鉄筋コンクリート構成材において、本発明では、建築用鋼材製の少なくとも20のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとからなるから横力補強部が形成されている。少なくとも20のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとからなる横力補強部の本発明による有利な構成では、多数のエレメントによって、コンクリートと補強部との間で良好な結合作用が得られる。このような鉄筋コンクリート構成材は有利に作製され、耐荷重能力が高い。結合作用は、特に薄板部材のL字形及びそれに固定されたフレームによりさらに増強される。なぜなら薄板部材が、コンクリート内でフレームと組み合わさって複雑に互いに食い込むからである。
少なくとも1つの上方縦補強層と、少なくとも1つの下方縦補強層と、横力補強部とを備え、該横力補強部の延長部が最上縦補強部と最下縦補強部を介して案内される鉄筋コンクリート構成材において、本発明では、建築用鋼材製の少なくとも20のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとからなるから横力補強部が形成されている。少なくとも20のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとからなる横力補強部の本発明による有利な構成では、多数のエレメントによって、コンクリートと補強部との間で良好な結合作用が得られる。このような鉄筋コンクリート構成材は有利に作製され、耐荷重能力が高い。結合作用は、特に薄板部材のL字形及びそれに固定されたフレームによりさらに増強される。なぜなら薄板部材が、コンクリート内でフレームと組み合わさって複雑に互いに食い込むからである。
鉄筋コンクリート構成材の製造コストは、横力補強部の本発明の構成により非常に小さい。なぜなら市販の建設用鋼材を使用することができるからである。L字形薄板部材の幾何形状が単純であることにより、L字形薄板部材を大量生産で、自由落下の打ち抜き部材として作製することができる。従って、溶接工程、ねじ接合またはろう付け接合が不要である。本発明の鉄筋コンクリート構成材の製造コストは、この構成により格段に減少し、特にフレームも安価な建設用鋼材から作製される。従って本発明の鉄筋コンクリート構成材の横力補強部は、建築現場で迅速に取り付けられ、製造及び取付けが安価である。なぜなら特別の専門知識または熟練が不要だからである。
鉄筋コンクリート構成材の横力耐荷重能力の他に、押抜きせん断強度も従来の構造に対して同時に格段に向上する。なぜなら横力とトルクがより良好に吸収され、鉄筋コンクリート構成材内でより有利に分散されるからである。従って横力に起因するクラックも小さいままであり、鉄筋コンクリート構成材の最大許容負荷も従来の解決手段に対して有意に上昇させることができる。
さらなる重要な利点は、天井エレメントの場合に設置されることになる接合継目内のせん断力伝達も同じように薄板が引き受けることができることである。
本発明の構成は特に、ただ1つの薄板サイズだけ用意すれば良いという利点を提供する。天井の厚さが異なる場合であって、それにより横力補強部を天井の断面に適合させることが必要な場合でも、同じ薄板部材を使用することができる。すなわちフレーム長を適合させれば良いだけである。これにより、在庫コストが最小になり、建築コストが格段に低下する。
本発明の構成は特に、ただ1つの薄板サイズだけ用意すれば良いという利点を提供する。天井の厚さが異なる場合であって、それにより横力補強部を天井の断面に適合させることが必要な場合でも、同じ薄板部材を使用することができる。すなわちフレーム長を適合させれば良いだけである。これにより、在庫コストが最小になり、建築コストが格段に低下する。
従って、完成部分品工場での天井エレメントの製造でも同様に、常に同じ薄板部材を使用することができる。そのためには、完成した天井から突き出る薄板の長さを選択する。横力補強部は建築現場でフレームの吊り下げによって初めて完成される。これにより、天井エレメントの構造高さが低減される。従って複数の天井エレメントを同時に搬送することができ、これにより輸送コスト及びロジスティックコストも低減される。
好ましくは、横力補強部は、少なくとも50の薄板部材から形成され、特に、好ましくは、少なくとも70の薄板部材から形成される。鉄筋コンクリート構成材内の応力は、多数の薄板部材により非常に均等に分散することができ、このことは耐荷重能力をさらに高め、さらに構成材の延性も高くなる。
本発明の鉄筋コンクリート構成材において横力補強部の結合作用をさらに高めるために、各薄板は一方の端部にベンドを有する。このベンドは、最下縦補強部まで案内されている。本発明のこの構成により、横力がかかる鉄筋コンクリート構成材のゾーン内で応力がより良好に分散される。なぜなら薄板部材と周囲のコンクリートとの結合が改善されるからである。ここで薄板部材に固定されたフレームは、最上縦補強部を超えて突き出ており、従って自由落下のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとから形成された横力補強部は、最上縦補強部と最下縦補強部を越えて伸長する。従って横力の流れは、鉄筋コンクリート構成材のほぼ全体にわたって分散することができる。
薄板部材のベンドは好ましくはフレームの反対側にあり、最下縦補強部まで案内されている。この本発明の構成により、応力分散がさらに改善される。断面がL字形の薄板部材のベンドは、縦補強層の下方のポールに係合し、これにより、押抜き補強部の、圧縮ゾーンでの滑りの少ない係留が、薄板部材によって達成される。これはコンクリートゾーンではフレームによって達成される。
ここで、特に、好ましくは、2つの円形切欠部がベンド内に形成されている。コンクリートはこの円形切欠部に入り込むことができ、これにより薄板部材とコンクリートとの噛み合いが得られる。これにより鉄筋コンクリート構成材は非常に良く荷重に耐える。さらに薄板部材がこれにより強固に係留され、コンクリートの注入の際に移動しない。
各切欠部を通って案内される下方縦補強部の縦補強ポールによって、本発明の鉄筋コンクリート構成材の耐荷重能力が改善される。なぜなら斜めに導かれる力が、薄板部材と縦補強ポールとの間の結合作用を介して垂直力成分と横力成分に分散されるからである。鉄筋コンクリート構成材はこれにより、さらに向上した延性を有する。
本発明の構成では、ベンドが付加的な溝によって構成されていると特に有利である。これにより鉄筋コンクリート構成材における薄板部材とコンクリートとの結合作用がさらに改善され、鉄筋コンクリート構成材の耐荷重能力がさらに上昇する。
有利には各薄板部材は3mmまたは5mmの厚さを有する。耐荷重能力の理由から実施した実験は、他に選択した厚さでは接合作用を基準にした横力耐荷重能力に最適の関係が達成できないことを示した。特に、2種類の薄板部材だけを用意するので、材料コストの点で特に有利である。薄板部材は特別に適合させる必要はない。むしろ薄板部材は必要に応じて作製することができ、これにより種々異なる薄板部材に対する保管コスト及び準備コストが回避される。
本発明によれば、有利な実施形態では、薄板部材が、これに結合されたフレームも含めて横力負荷の大きい領域を中心に均等に配置されている。これにより鉄筋コンクリート構成材の評価を、簡単な手段及び既存の可能性により行うことができる。従って各個別事例ごとに大量の計算をすることが回避できる。本発明によれば、薄板部材を互いに平行に配置すると特に有利である。これにより鉄筋コンクリート構成材の評価に役立つ単純な幾何形状が実現される。従って鉄筋コンクリート構成材の本発明による構造は簡単でコスト的に有利である。
補強部として用いられる薄板部材の配置は、鉄筋コンクリート構成材の取付けの際にコア領域に集中される。そこに配置され、薄板部材により実現される大きな補強量は、コンクリート構成材の押抜きせん断強度を有意に上昇させる。理想的には横力負荷の最も大きなゾーン、例えば支持領域にあるコア領域までの距離が大きい場合、薄板部材の数を有利に減少することができる。この場合、補強部材の接線間隔は、コア領域からの間隔が増大するとともに拡大することができる。
有利には本発明では、フレームが薄板部材の縦切欠部内に吊り下げられる。縦切欠部は、冒頭に述べたように薄板部材が自由落下の打ち抜き部材として作製されるので、簡単に作製することができる。従って縦切欠部は薄板から簡単に打ち抜くことができる。
さらに、吊り下げは最も速い結合方法であるから、建築現場での迅速な結合が可能である。特に薄板部材とフレームからなる横力補強部の注入による構成材の結合作用が、この縦切欠部によってさらに高まる。なぜなら薄板部材中の縦切欠部に残った中間空間に、コンクリートがコンクリート打ち工程中に流れ込み、コンクリートの硬化後にはこれを完全に塞ぐからである。
本発明の鉄筋コンクリート構成材の製造のためには、薄板部材中の縦切欠部がフレームのための位置確保部を有すると有利である。これにより、コンクリート打ち工程でフレームの位置が薄板部材に対して移動することが回避される。
ここで特に有利には、位置確保部はノッチとして構成されており、このことは迅速な組立て、ひいては作業時間の節約につながる。これにより本発明の鉄筋コンクリート構成材の建築費が減少する。
特に、好ましくは、各薄板部材は、2つのフレームをこれに固定する。これにより、大きな追加の組立て費用なしで高い横力補強度を達成することができる。コンクリート打ちの前に1つではなく2つのフレームが薄板部材の縦切欠部内に挿入される。
本発明において、特に有利には、フレームは直径6mmの建築用鋼材から作製されている。多数の実験で求められた本発明の値は、多数の利点を同時に有する。例えば高い結合安定度を達成できる。同時に建築現場での組立てが簡単である。なぜならこの太さの補強ポールは、数mmは簡単に変形できるからである。これにより複雑な幾何形状も簡単に補強できる。
特に、好ましくは、フレームは単に上方縦補強部の上に載っており、これを通って伸長する。これによりフレームは、横力補強部の一部として必ずしもその位置を追加で確保する必要がない。組立てコストがさらに減少し、これは本発明の鉄筋コンクリート構成材の製造のためのコストを低下させる。
ここで特に有利には、フレームはそれぞれの薄板部材に対して45°まで旋回された角度位置で取り付けられている。これにより本発明では、可能な限り少数のフレームサイズだけを用意すれば良いことが保証される。
従って同じフレームを18cmの厚さまたは例えば20cmの厚さの鉄筋コンクリート天井に使用することができる。これにより、建築現場でのストックを減少することができ、このことは鉄筋コンクリート構成材のさらなるコスト削減に貢献する。
特に好ましくは、この鉄筋コンクリート構成材において、フレーム長(hB)は、構造部材厚(h)が24cm未満のときに、式hB=(h−co−cu−7.5)*1.06の値に対応する。同様に、有利にはフレーム長(hB)は、構造部材厚(h)が24cm以上のときに、式hB=h−co−cu−6.5の値に対応する。ここでcoは上方コンクリート重なりであり、cuは下方コンクリート重なりである。
このように構成された鉄筋コンクリート構成材は、常に最適な支持特性を有する。なぜならフレームが常に有利な角度にあり、従って周囲のコンクリートと良好に結合し、薄板の長穴から引き抜かれることがないからである。
特に有利には本発明は、建築用鋼材製の多数のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとからなる横力補強部が次式を満たすように構成される。
ここでukritは、以下の記載を考慮したDIN1045−1の10.5.2節による臨界円形断面の周囲長であり、DIN1045−1の10.5.2(14)節はここでは適用されない。
臨界円形断面は、内部支持部及びプレート内の開口部近傍にある支持部についてはDIN1045−1の10.5.2節に従って案内すべきである。少なくとも1つのプレート縁部から少なくとも6h未満で離された支持部は、縁部支持部またはコーナー支持部として有効である。これらの支持部について、円形断面をDIN1045−1、図41に依拠して案内すべきであり、この場合は縁部間隔として6hを使用すべきである(図41の3dの代わりに)。DIN1045−1、図39による円形断面案内部が生じた場合、これにより円形断面長が小さくなり、従ってこれが基準となる。
βは、水平に不動に支承された天井システムのための、DIN1045−1、図44またはDAfStbの525冊、10.5.3節に従った負荷上昇係数である。
VEdは、構成材に作用する影響の設計値VRd、max=αBlech・VRd、ctであり、ここでαBlechは、薄板による耐荷重能力上昇を考慮するための係数である。
VEdは、構成材に作用する影響の設計値VRd、max=αBlech・VRd、ctであり、ここでαBlechは、薄板による耐荷重能力上昇を考慮するための係数である。
VRd、ctは以下のようにして内部支持部、縁部支持部、及びコーナー支持部に対して求められる。
臨界円形断面では、最大耐荷重能力を求めるためのプレートの横力耐荷重能力VRd、ctが次式のようになる。
臨界円形断面では、最大耐荷重能力を求めるためのプレートの横力耐荷重能力VRd、ctが次式のようになる。
κは、DIN1045−1の式(106)による尺度係数、
ρlは、注目する円形断面内の平均縦補強度、
dは、静的な構成材高さである。
ρlは、注目する円形断面内の平均縦補強度、
dは、静的な構成材高さである。
さらに、建築用鋼材製のこのような多数のL字形薄板部材と、これに固定されたフレームとから形成される横力補強部が式β・VEd≦VRd,sy,Lを満たすと有利である。
ここで、
βは、DIN1045−1、図44またはDAStb、525冊、10.5.3節によるものであり、
VRd、sy、Lは、L字形薄板の押抜きせん断抵抗に相当し、
VRd、sy、L=k1・VRd、ct・ui+2・nBugel・k2・As,Bugel・fyd・nBlecheであり、
k1=1.70は支持縁部から間隔0.5dの円形断面に対するもの、
k1=1.35は支持縁部から間隔1.25dの円形断面に対するもの、
k1=1.00は支持縁部から間隔2.0d以上の円形断面に対するものであり、
uiは、注目する証明断面での円形断面の周囲長であり、
nBugelは、各スチール板のフレーム数(1または2)であり、
k2は、結合係数であり、
k2=0.8は、t=5mm及び2φ12mmに対するものであり、
k2=0.7は、t=5mm及び2φ10mm、ならびにt=3mm及び2φ12mmに対するものであり、
k2=0.5は、t=3mm及び2φ10mmに対するものであり、
As,Bugelは、フレーム脚部の断面積であり、
fydは、フレーム応力の評価値であり、
nBlecheは、注目する円形断面におけるスチール板の数である。
ここで、
βは、DIN1045−1、図44またはDAStb、525冊、10.5.3節によるものであり、
VRd、sy、Lは、L字形薄板の押抜きせん断抵抗に相当し、
VRd、sy、L=k1・VRd、ct・ui+2・nBugel・k2・As,Bugel・fyd・nBlecheであり、
k1=1.70は支持縁部から間隔0.5dの円形断面に対するもの、
k1=1.35は支持縁部から間隔1.25dの円形断面に対するもの、
k1=1.00は支持縁部から間隔2.0d以上の円形断面に対するものであり、
uiは、注目する証明断面での円形断面の周囲長であり、
nBugelは、各スチール板のフレーム数(1または2)であり、
k2は、結合係数であり、
k2=0.8は、t=5mm及び2φ12mmに対するものであり、
k2=0.7は、t=5mm及び2φ10mm、ならびにt=3mm及び2φ12mmに対するものであり、
k2=0.5は、t=3mm及び2φ10mmに対するものであり、
As,Bugelは、フレーム脚部の断面積であり、
fydは、フレーム応力の評価値であり、
nBlecheは、注目する円形断面におけるスチール板の数である。
このように構成された鉄筋コンクリート構成材は、従来技術で公知の同等のすべての解決手段よりも強い押抜きせん断特性を有する。
さらに、負荷がかかる面(支持部)から出る半径srの方向(半径方向)での薄板の間隔が、以下の値を越えないことが有利である。
・先行のまたは次の円形断面までの薄板の間隔が0.75dを越えてはならない。
・2つの薄板の最小間隔が3cmを下回ってはならない。
さらに、負荷がかかる面(支持部)から出る半径srの方向(半径方向)での薄板の間隔が、以下の値を越えないことが有利である。
・先行のまたは次の円形断面までの薄板の間隔が0.75dを越えてはならない。
・2つの薄板の最小間隔が3cmを下回ってはならない。
特に、円形断面stの経過方向(接線方向)での薄板の互いの間隔は有利には次の値以下である。
st≦0.75×d×0.8×i≦3.5×d
i 円形断面の番号
d 静的な構成材高さ。
st≦0.75×d×0.8×i≦3.5×d
i 円形断面の番号
d 静的な構成材高さ。
従って本発明により最大の耐荷重能力が達成される。
本発明の鉄筋コンクリート構成材の製造方法では、まずL字形薄板部材が縦補強部の最下層に通される。続いて薄板部材は、これが縦補強部の切欠部を形状的に包囲し、転倒が阻止されるので上方に起立する。このとき、薄板部材は下方の縦補強層を越えて突き出ているが、上方の縦補強層の領域にはまだ接しない。続いてフレームが薄板部材の縦切欠部に吊り下げられ、フレームのショルダが縦補強部の最上層の上に載せられる。続いてチャージ内の補強部にコンクリートが注入される。コンクリートが硬化すると、鉄筋コンクリート構成材は完成し、負荷をかけることが可能である。
本発明の鉄筋コンクリート構成材の製造方法では、まずL字形薄板部材が縦補強部の最下層に通される。続いて薄板部材は、これが縦補強部の切欠部を形状的に包囲し、転倒が阻止されるので上方に起立する。このとき、薄板部材は下方の縦補強層を越えて突き出ているが、上方の縦補強層の領域にはまだ接しない。続いてフレームが薄板部材の縦切欠部に吊り下げられ、フレームのショルダが縦補強部の最上層の上に載せられる。続いてチャージ内の補強部にコンクリートが注入される。コンクリートが硬化すると、鉄筋コンクリート構成材は完成し、負荷をかけることが可能である。
特に、有利には、注入は2つの工程で行われる。ここでは例えば薄板部材を最下縦補強部に通した後、下方の縦補強部を薄板部材とともに注入することができる。これは完成部分品工場で行うことができる。硬化の後、このように作製されたプレートを建築現場に輸送することができる。ここでは上方縦補強層の取付け、及び薄板部材の切欠部へのフレームの吊り下げが行われる。続いて上方補強層が、所望の天井厚に達するまで充填される。コンクリートが硬化すると、本発明の鉄筋コンクリート構成材が完成する。
特に、有利には、フレームは切欠部に、コンクリートを完全に注入する前に係留される。これによりコンクリート打ち過程中にフレームが薄板部材に対して位置変化することがない。
本発明のさらなる特徴、詳細及び利点は、請求項の文言、及び図面に基づく実施例の以下の説明から明らかとなる。
図1は、少なくとも1つの上方縦補強層Boと、少なくとも1つの下方縦補強層Buと、横力補強部Qとを備える鉄筋コンクリート構成材の断面を示し、横力補強部Qの延長部Lは最上縦補強部Booと最下縦補強部Buuを介して案内されており、横力補強部Qは自由落下の薄板部材20と、これに固定されたフレーム30とから形成されている。ここで各薄板部材20はベンド40を有する。ここでベンド40は、フレームとは反対の薄板部材20の側に配置されている。各薄板部材20は3mmまたは5mmの厚さを有する。鉄筋コンクリート構成材の厚さhは、断面全体を越えて延在している。上方コンクリート重なりcoは上方の構成材端部からフレーム30の始部までにより形成され、下方コンクリート重なりcuは薄板20の端部から下方の構成材端部まで延在している。
特に、図1は、薄板部材20が互いに平行に配置されていることを示す。ここでフレーム30は薄板部材20の縦切欠部22に吊り下げられている。クリップ薄板部材24は、薄板部材20の縦切欠部22内にフレーム30をしっかり固定する。ここでクリップ薄板部材24は、フレーム30が薄板部材20の縦切欠部22から誤って外れて落ちるのを阻止するラッチとして機能する。
薄板部材20とは反対のフレーム30の側が、近似的に直角に形成された湾曲を介して縦補強部Boの最上層Booの上に載っている。本発明によれば、特に、フレーム30は近似的にT字形に構成されており、曲げ技術により作製される。
図2aは、縦切欠部22及びそれに固定されたクリップ薄板部材24を備える薄板部材20を示す。薄板部材20の下方領域にはベンド40が形成されている。ベンド40には円形の切欠部50が続いている。
図2bは、ベンド40に溝52が配置されている薄板部材20を示し、溝52はコンクリート中の薄板部材20の結合を格段に向上させる。
図2cは、フレーム30がはめ込まれたL字形薄板部材20の、コンクリート注入前の立面図である。ここで薄板部材20は縦補強部の最下層Buuを介して案内されており、ベンド40が下方の縦補強ポールSを把持している。各2つの縦補強ポールSが切欠部50を貫通して案内されており、これにより縦補強ポールSは薄板部材20と下方の縦補強層Buuとを確実に結合する。クリップ薄板部材24は、薄板部材20の縦切欠部22内にフレーム30を保持する。フレーム30は2つのショルダ32を有し、これらは上方の縦補強部Boの最上層Booの上に載っている。
図2cは、フレーム30がはめ込まれたL字形薄板部材20の、コンクリート注入前の立面図である。ここで薄板部材20は縦補強部の最下層Buuを介して案内されており、ベンド40が下方の縦補強ポールSを把持している。各2つの縦補強ポールSが切欠部50を貫通して案内されており、これにより縦補強ポールSは薄板部材20と下方の縦補強層Buuとを確実に結合する。クリップ薄板部材24は、薄板部材20の縦切欠部22内にフレーム30を保持する。フレーム30は2つのショルダ32を有し、これらは上方の縦補強部Boの最上層Booの上に載っている。
図3aは、側面図に図2cと同じ取付け状況を示す。フレーム30は、垂直軸に対して角度aで任意に取り付けることができる。これにより、フレーム30を薄板部材20に対して配向することが面倒ではない。
フレーム30は縦切欠部22内にクリップ薄板部材24により、固定領域BFに保持される。特に図3aは、縦補強部Buの最下補強層Buuが切欠部50を通して案内されていることを示す。ベンド40は有利には切欠部50の近傍に配置されている。薄板部材20及びフレーム30は本発明によれば、本発明の鉄筋コンクリート構成材10に対する横力補強部Qを形成する。
図3bは例として、2つのフレーム30を各1つの薄板部材20に使用できることを示している。ここで2つのフレーム30は、クリップ薄板部材24により固定領域BF内で確実に位置が保持されている。それぞれのショルダ32は、最上縦補強層Booの上に載っている。フレーム30は薄板部材20と関連して、横力補強部Qを形成する。
図4は、建設用鋼材から自由落下で作製された少なくとも20のL字形薄板部材20と、これに固定されたフレーム20とを使用した補強部配置BAを示す。薄板部材20がコア領域Kを中心に同心に配置されていることが分かる。ここで薄板部材20は1つまたは2つのフレーム30と対応しており、従ってそれらの全体が横力補強部Qqを形成する。
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、多種多様に組み合わせることができる。
請求の範囲、明細書及び図面から明らかとなるすべての特徴及び利点は、構造的な詳細、空間的な配置及び方法工程も含めて、それ自体でも、様々に組み合わせても、本発明に重要なものとなり得る。
[符号の説明]
BA 補強部配置
BF 固定領域
K コア領域
Bu 下方の縦補強層
Buu 最下縦補強層
Bo 上方の縦補強層
Boo 最上縦補強層
L 延長部
S 補強ポール
Q 横力補強層
h 構成材の厚さ
HB フレーム長
10 鉄筋コンクリート構成材
20 薄板部材
22 縦切欠部
24 クリップ薄板部材
30 フレーム
32 ショルダ
40 ベンド
50 切欠部
52 溝
請求の範囲、明細書及び図面から明らかとなるすべての特徴及び利点は、構造的な詳細、空間的な配置及び方法工程も含めて、それ自体でも、様々に組み合わせても、本発明に重要なものとなり得る。
[符号の説明]
BA 補強部配置
BF 固定領域
K コア領域
Bu 下方の縦補強層
Buu 最下縦補強層
Bo 上方の縦補強層
Boo 最上縦補強層
L 延長部
S 補強ポール
Q 横力補強層
h 構成材の厚さ
HB フレーム長
10 鉄筋コンクリート構成材
20 薄板部材
22 縦切欠部
24 クリップ薄板部材
30 フレーム
32 ショルダ
40 ベンド
50 切欠部
52 溝
Claims (26)
- 少なくとも1つの上方(Bo)縦補強層Boと、少なくとも1つの下方縦補強層(Bu)と、横力補強部(Q)とを備え、該横力補強部(Q)の延長部(L)は最上縦補強部(Boo)と最下縦補強部(Buu)を介して案内されている鉄筋コンクリート構成材(10)であって、
前記横力補強部(Q)は、少なくとも20のL字形薄板部材(20)と、これに固定されたフレーム(30)とから形成されていることを特徴とする、鉄筋コンクリート構成材(10)。 - 前記横力補強部(Q)は、好ましくは少なくとも50のL字形薄板部材(20)と、これに固定されたフレーム(30)とから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記横力補強部(Q)は、好ましくは少なくとも70のL字形薄板部材(20)と、これに固定されたフレーム(30)とから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 各薄板部材(20)はベンド(40)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記ベンド(40)は、フレームとは反対の薄板部材(20)の側に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 各薄板部材(20)は、ベンド(40)にある2つの円形切欠部(50)を有することを特徴とする、請求項4または5に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記各切欠部(50)を通して縦補強ポール(S)が案内されていることを特徴とする、請求項6に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記ベンド(40)は付加的な溝(52)により形成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 各薄板部材(20)は3mmまたは5mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 薄板部材(20)は、領域(BA)を中心に均等に配置されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 薄板部材(20)は互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記フレーム(30)は、薄板部材(20)の縦切欠部(22)に吊り下げられていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 縦切欠部(22)は、フレーム(30)のための位置確保部を有することを特徴とする、請求項12に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記位置確保部はノッチとして構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記ノッチはクリップ薄板部材(24)として構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 2つのフレーム(30)は、それぞれ薄板部材(20)に固定されていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- フレーム(30)は、直径6mmの建築用鋼材から作製されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- フレーム(30)は、上方縦補強部(Bo)の上に載せられていることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- フレーム(30)は、それぞれの薄板部材(20)に対して最大45°まで旋回して取り付けられていることを特徴とする、請求項1から18のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- フレーム長(HB)は、構成材厚(h)が24cm未満のときに、式HB=(h−co−cu−7.5)*1.06の値に対応することを特徴とする、請求項1から19のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- フレーム長(HB)は、構成材厚(h)が24cm以上のときに、式HB=h−co−cu−6.5の値に対応することを特徴とする、請求項1から20のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 前記横力補強部(Q)は、式β・VEd≦VRd、sy、Lが満たされるように、多数のL字形薄板部材(20)と、これに固定されたフレーム(30)とから形成されていることを特徴とする、請求項1から22のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート構成材(10)。
- 請求項1に記載の本発明の鉄筋コンクリート構成材(10)の製造方法であって、
L字形薄板部材(20)を縦補強部の最下層(Buu)に通すステップと、
フレーム(30)を薄板部材(20)の切欠部(22)に吊り下げ、このときにフレーム(30)のショルダ(32)が縦補強部の最上層(Boo)の上に載るようにするステップと、
コンクリートを注入するステップと
を有する、製造方法。 - コンクリートを完全に注入する前に、フレーム(30)を薄板の切欠部(22)に係留することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
- コンクリートによる注入を2つの工程で行うことを特徴とする、請求項24または25に記載の方法。
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