JP2013258087A - 速結端子装置 - Google Patents

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Yoko Fujiwara
洋子 藤原
Hirohisa Okuno
裕寿 奥野
Kiwamu Shibata
究 柴田
Takashi Kusakawa
隆司 草川
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Abstract

【課題】電線を引き抜くために様々な大きさのねじ回しなどの工具が使用されたとしても、工具の先端部が解錠釦と係合されうる速結端子装置を提供する。
【解決手段】電線60と接続される電線接続面12aがベース板11bに対して垂直となるように端子板12を保持するボディ11と、電線60を電線接続面12aに押しつける錠ばね15と、錠ばね15の接触部15aを弾性変形させる解錠釦16を備え、ボディ11のベース板11bのうち解錠釦16の一部分に対向する位置に、解錠釦16をボディ11の長手方向に平行移動させるために、工具61又は62の先端が挿入される工具挿入穴17が形成され、解錠釦16の本体部16aには、工具挿入穴17からボディ11の内部に挿入された工具61又は62の先端部が挿入されうる係合穴16dが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばコンセントやスイッチなどの配線器具に使用される速結端子装置に関する。
本出願人が製造販売している配線器具(非特許文献1参照)などに使用されている速結端子装置(従来例)の構成について、図4乃至図7を参照しつつ説明する。図4において、(a)は速結端子装置(完成品)の正面図であり、(b)は端子板を取り外した状態、(c)はさらに錠ばね及び解錠釦を取り外し、ボディのみとなった状態を示す。また、図5において、(a)は速結端子装置の側部断面図であり、(b)は速結端子装置に電線を接続した状態、(c)は速結端子装置から電線を引き抜く状態を示す。図6は速結端子装置の背面図である。なお、端子板、錠ばね、解錠釦などの位置及び形状を理解しやすくするため、図5においてボディのガイド溝や側壁などの図示を省略している。
図4(a)に示すように、速結端子装置50のボディ51の内部において、2つの端子板52及び53が所定の位置関係に保持されている。ボディ51の長手方向(X方向)の中央部には、スイッチ素子などを収納するための収納空間51aが形成されている。端子板52及び53は、ボディ51の長手方向における収納空間51aの両側に配置されている。また、ボディ51の底部のベース板51bには、屋内配線用のビニル絶縁電線60のうち絶縁被覆されていない先端部(以下、単に「電線60」とする:図5(b)参照)を挿入するための電線挿入穴54が、端子板52及び53に対応してそれぞれ2箇所ずつ、合計4箇所に設けられている。
図4(b)に示すように、端子板52及び53の下方で、且つ、電線挿入穴54の長手方向の内側には、合計4個の錠ばね55が設けられている。錠ばね55は、ボディ51の底部から電線挿入穴54に差し込まれた電線60を端子板52及び53の電線接続面52a及び53aにそれぞれ押し付けるためのものである。図5に示すように、錠ばね55は、ボディ51のベース板51bに垂直な方向(上下方向(Z方向))において、下方に位置する第1接触部55aと上方に位置する第2接触部55bを有している。下方の第1接触部55aは、電線60を引き抜く方向に引っ張り力が加えられたときに、引き抜きを防止するために、電線60の表面に食い込み、楔効果を発揮する。
ボディ51の幅方向(Y方向)中央部で、且つ、長手方向における錠ばね55よりも外側には、錠ばね55を解錠するための解錠釦56が設けられている。解錠釦56は、長手方向に平行移動及び回転されることによって錠ばね55に当接し、それによって、施錠状態を解除する。1つの解錠釦56で2つの錠ばね55の第1接触部55aを撓ませるために、ボディ51の幅方向における解錠釦56の両側部には、錠ばね55の第1接触部55aと接触するための当接部56bが形成されている。
図4(c)に示すように、ボディ51のベース板51bの幅方向の中央部で、且つ、長手方向における電線挿入穴54よりも外側、すなわち解錠釦56の下方には、いわゆるマイナスねじ回しの先端部を差し込むための工具挿入穴57が形成されている。図6に示すように、解錠釦56の下端56aが工具挿入穴57から露出しており、工具挿入穴57の長手方向の外側の端面と解錠釦56の下端56aとの間にねじ回しの先端部61を差し込むことができる(図5(c)参照)。
電線60を電線挿入穴54に挿入すると、電線60の先端部が錠ばね55の第1接触部55a及び第2接触部55bと順に接触する。このとき、錠ばね55の第1接触部55aは、電線60の表面を滑るので、比較的小さい力で電線60を端子板52又は53と錠ばね55との間に挿入することができる。この状態、すなわち、解錠釦56に力が作用していない状態で、電線60を引き抜く方向に引っ張り力が加えられると、錠ばね55の第1接触部55aの端面が電線60の表面に楔のように食い込み、電線60は容易には引き抜くことができない。
一方、配線工事の際、配線間違いなどの理由で一旦接続した電線60を電線挿入穴54から引き抜く必要が生じる。その場合、図5(c)に示すように、ボディ51の工具挿入穴57からマイナスねじ回し61の先端部を差し込む。そうすると、ねじ回し61の先端部が解錠釦56の下端56aの斜面に沿って工具挿入穴57の端面と解錠釦56の下端56aとの間に楔のように食い込む。それによって、解錠釦56がボディ51の長手方向の内側に移動すると共に、端子板52やボディ51の側壁などに接触し、接触点を支点として回転する。さらに、解錠釦56の当接部56bが錠ばね55の第1接触部55aと接触し、第1接触部55aの端面が電線60の表面から離れるように、第1接触部55aを湾曲させる。この状態で、電線60を引き抜く方向に引っ張り力を加えれば、電線60をスムーズに端子板52又は53と錠ばね55の間から引き抜くことができる。
松下電工 コスモシリーズワイド21配線器具(カタログ) 2007年3月発行 第17頁
ところで、電線60を電線挿入穴54から引き抜く際、どのような大きさのねじ回し61が工具挿入穴57から挿入されるか予測できない。上記従来の速結端子装置50においては、工具挿入穴57からボディ51の内部に挿入されたねじ回し61の先端部を、解錠釦56の下端56aに形成された斜面上を滑らせることによって、解錠釦56を操作している。マイナスねじ回し61の場合、ねじの頭部に形成された溝の幅に適合するように、その先端部分の厚みが設定されているが、呼び径の小さなねじを回すことを目的とする小型のねじ回しは、その先端部の厚みは非常に薄い。そのため、図7に示すように、小型のねじ回し62の先端部が工具挿入穴57の端面と解錠釦56の間に挟まってしまい、そのままでは解錠釦56を長手方向に平行移動させられなくなることもありうる。このとき、ねじ回し61の先端部分は、工具挿入穴57の端面と解錠釦56の間の隙間を完全に埋めてしまっているので、ねじ回し61の柄の部分と工具挿入穴17の端面との接点を支点としてねじ回し61の柄を回転させることもできなくなる。その結果として、ねじ回し61を別のものと取り替えるなどして、電線60の引き抜き作業をやり直さなければならず、作業性が低下する。
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、電線を引き抜くために様々な大きさのねじ回しなどの工具が使用されたとしても、工具の先端部が解錠釦と係合されうる速結端子装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る速結端子装置は、
電線の絶縁被覆されていない先端部分(以下、電線とする)と接続される電線接続面を有する端子板と、
ベース板を有し、該ベース板に前記電線が挿入される電線挿入穴が形成され、前記電線接続面が前記ベース板に対して略垂直となるように前記端子板を所定位置に保持するボディと、
前記電線挿入穴の近傍において前記ボディに保持され、前記電線が前記電線挿入穴から前記ボディの内部に挿入されたときに、前記電線の外周面に当接して前記電線を前記電線接続面に押しつけると共に、前記電線を前記電線接続面に押しつけられている状態で前記電線に前記電線挿入穴から引き抜く方向の引っ張り力が加えられたときに、前記電線の表面に食い込んで楔効果を発揮する接触部を有する、板状の錠ばねと、
前記錠ばねにより前記電線が前記電線接続面に押しつけられている状態でユーザによって操作されることにより、前記錠ばねの接触部を前記電線の表面から離れる方向に弾性変形させる解錠釦を備えた速結端子装置であって、
前記錠ばねの前記接触部は、前記電線の直径よりも大きな幅を有し、
前記解錠釦は、ユーザによって操作される本体部と、前記本体部と一体的に形成され、前記錠ばねの前記接触部の前記電線の表面からはみ出している部分と接触する当接部を有し、少なくとも前記電線接続面に対して垂直な方向に平行移動され、
前記ボディの前記ベース板のうち前記解錠釦の一部分に対向する位置に、前記解錠釦を平行移動させるために、工具の先端が挿入される工具挿入穴が形成され、
前記解錠釦の前記本体部には、前記工具挿入穴から前記ボディの内部に挿入された工具の先端部が挿入されうる係合穴が形成されていることを特徴とする。
前記ベース板の前記工具挿入穴に対向する位置に、前記工具挿入穴から前記ボディの内部に挿入された工具の先端部と当接しうるストッパが設けられていることが好ましい。
また、前記ストッパの前記工具と当接する面は、前記工具の先端部を前記錠ばね側に摺動させるようにテーパ状に形成されていることが好ましい。
前記電線挿入穴及び前記錠ばねは、前記端子板の前記電線接続面と平行な方向に2組ずつ設けられており、
前記解錠釦の前記本体部は、前記ボディの前記ベース板の前記端子板側の面に形成されたガイド溝を前記端子板の前記電線接続面に対して垂直な方向に摺動することが好ましい。
上記のような構成によれば、工具挿入穴からボディの内部に挿入された工具の先端部の大きさが、解錠釦の本体部に形成された係合穴の開口よりも大きい場合は、工具の先端部が工具挿入穴の端面と解錠釦の下端との間に楔のように食い込むことはなく、解錠釦の下端の斜面に沿って解錠釦を平行移動させることができる。一方、工具の先端部の大きさが、解錠釦の本体部に形成された係合穴の開口よりも小さい場合は、工具の先端部が係合穴の内部に挿入される。一般的に、ねじ回しやピンセットなどの工具は、先端部から根元部にかけて厚み又は幅が徐々に大きくなるように形成されている。そのため、工具の厚み又は幅と係合穴のいずれかの方向の寸法が一致したところで工具と係合穴が係合され、それによって、確実に工具と解錠釦が係合される。その際、工具の先端部が工具挿入穴の端面と解錠釦の下端との間に楔のように食い込むことはないので、例えば工具の柄の部分を回転させることにより、解錠釦を平行移動させることができる。
本発明の一実施形態に係る速結端子装置の構成を示す正面図であって、(a)は端子板を取り付けた完成品状態を示し、(b)は端子板を取り外した状態、(c)はさらに錠ばね及び解錠釦を取り外し、ボディのみとなった状態を示す。 上記実施形態に係る速結端子装置の構成を示す側部断面図であって、(a)は電線を接続していない状態を示し、(b)はボディの工具挿入穴に先端部が厚い工具を挿入して電線を引き抜こうとしている状態を示し、(c)は工具挿入穴に先端部が薄い工具を挿入して電線を引き抜こうとしている状態を示す。 上記実施形態における速結端子装置の解錠釦の外観形状を示す斜視図である。 従来の速結端子装置の構成を示す正面図であり、(a)は端子板を取り付けた完成品状態を示し、(b)は端子板を取り外した状態、(c)はさらに錠ばね及び解錠釦を取り外し、ボディのみとなった状態を示す。 従来の速結端子装置の構成を示す側部断面図であり、(a)は電線を接続していない状態を示し、(b)は電線を接続した状態を示し、(c)は接続した電線を引き抜くときの状態を示す。 従来の速結端子装置の背面図である。 従来の速結端子装置の課題を示す側部断面図である。
本発明の一実施形態に係る速結端子装置について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1において、(a)は速結端子装置(完成品)の正面図であり、(b)は端子板を取り外した状態を示し、(c)はさらに錠ばね及び解錠釦を取り外し、ボディのみとなった状態を示す。また、図2において、(a)は速結端子装置の側部断面図であり、(b)はボディの工具挿入穴に先端部が厚い工具を挿入して電線を引き抜こうとしている状態、(c)は工具挿入穴に先端部が薄い工具を挿入して電線を引き抜こうとしている状態を示す。また、図3は速結端子装置の解錠釦の外観形状を示す。また、端子板、錠ばね、解錠釦などの位置及び形状を理解しやすくするため、図2においてボディのガイド溝や側壁などの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、速結端子装置10は、銅などの良導電性金属で形成された2つの端子板12及び13を所定の位置関係に保持するための、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂で成型されたボディ11を有している。ボディ11の長手方向(X方向)の中央部には、例えばシーソースイッチや、プッシュオン/プッシュオフスイッチや、トライアックを用いた電子スイッチなどのスイッチ素子を収納するための収納空間11aが形成されている。この速結端子装置10の上からこれらのスイッチ素子を取り付けることによって、様々な種類のスイッチを構成することができる。
ボディ11の底部のベース板11bには、屋内配線用のビニル絶縁電線60のうち、絶縁被覆されていない(絶縁被覆を剥がされた)電線の先端部分(以下、単に「電線60」とする:図2(b)参照)を挿入するための電線挿入穴14が、端子板12及び13に対応してそれぞれ2箇所ずつ、合計4箇所に設けられている。端子板12及び13は、ボディ11の長手方向において、収納空間11aの両側に配置され、電線接続面12a及び13aがベース板11bに対して略直交するように、ボディ11上の所定の位置に保持されている。端子板12及び13は、シャーシ11のベース板11bに保持される部分及び電線60と接続される部分の形状は共通であるが、速結端子装置10に取り付けられるスイッチ素子などの種類に応じて、その他の部分の形状は適宜変更される。
また、ボディ11のベース板11bの幅方向中央部で、且つ、長手方向における電線挿入穴14よりも外側、すなわち解錠釦16の下方には、電線60を電線挿入穴14から引き抜く際にマイナスねじ回し61などの工具の先端部を差し込むための工具挿入穴17が形成されている。また、図1(a)においては、ボディ11のベース板11bとは反対側の面に、工具挿入穴17に対向するように、後述するストッパ18が設けられている。
図1(b)に示すように端子板12及び13とストッパ18を取り外すと、端子板12及び13の下方で、且つ、長手方向における電線挿入穴14の内側に合計4個の錠ばね15が設けられている。各錠ばね15は、ボディ11に形成されたガイド部11cに収納され、保持されている。錠ばね15は、ボディ11の底部から電線挿入穴14に差し込まれた電線60を端子板12及び13の電線接続面12a及び13aにそれぞれ押し付けるためのものであり、弾性変形しやすい材料で形成されている。図2に示すように、錠ばね15は、ボディ11のベース板11bに対して垂直な方向(上下方向(Z方向))において下方に位置する第1接触部15aと上方に位置する第2接触部15bを有している。上方の第2接触部15bは、電線60との接触をスムーズにするために、接触面が湾曲している。それに対して、下方の第1接触部15aは、一端が開放された片持ちばね状であり、電線60を引き抜く方向に引っ張り力が加えられたときに、引き抜きを防止するために、電線60の表面に楔のように食い込むように、片持ちばねの開放端面の全ての辺が互いに略直角となるように形成されている。また、錠ばね15の第1接触部15a及び第2接触部15bは、それぞれ電線60の直径よりも大きな幅を有している。
電線60を電線挿入穴14に挿入すると、絶縁被覆されていない先端部が錠ばね15の第1接触部15a及び第2接触部15bと順に接触する。このとき、錠ばね15の第1接触部15aは、電線60の表面を滑るので、比較的小さい力で電線60を端子板12又は13と錠ばね15との間に挿入することができる。この状態、すなわち、解錠釦16に力が作用していない状態で、電線60を引き抜く方向に引っ張り力が加えられると、錠ばね15の第1接触部15aの開放端部が電線60の表面に楔のように食い込み、電線60は容易には引き抜くことができない。
ボディ11の幅方向(Y方向)中央部で、且つ、長手方向における錠ばね15よりも外側には、錠ばね15を解錠するための解錠釦16が設けられている。第1実施形態における解錠釦16は、例えば熱硬化性樹脂で一体的に成型され、図3に示すように、略直方体状の本体部16aと、本体部16aから錠ばね15側に突出するように形成された当接部16bを有している。一方、図1(c)に示すように、ボディ11のベース板11bの端子板12及び13側の面には、幅方向(Y方向)中央部で、且つ、長手方向に沿ってガイド溝11dが形成されている。また、上下方向における解錠釦16の本体部16aの下部には、ガイド溝11dによってガイドされる係合部16cが形成されている。そのため、解錠釦16は、ボディ11のベース板11bに形成されたガイド溝11d上を長手方向(X方向)に摺動可能である。また、解錠釦16の本体部16aには、上下方向(Z方向)に貫通され、各方向の断面が矩形の係合穴16dが形成されている。図2(a)に示すように、解錠釦16の当接部16bは、この断面において、錠ばね15の第1接触部15aとほぼ平行となるようなテーパ状断面を有している。また、解錠釦16の本体部16a及び当接部16bは、幅方向(電線接続面12a又は13a)と平行な方向に配列された2つの錠ばね15の隙間部分の寸法よりも広い幅を有している。それによって、当接部16bが、錠ばね15の第1接触部15aのうち電線60の表面からはみ出している部分と接触しうる。
また、図1(b)に示すように、電線挿入穴14に電線60が挿入されていない状態において、解錠釦16の当接部16bと錠ばね15の第1接触部15aの開放端部とが接触していることが好ましい。または、解錠釦16の当接部16bと錠ばね15の第1接触部15aとが接触していなくても、解錠釦16の当接部16bと錠ばね15の第1接触部15aの開放端部の隙間が、錠ばね15の第1接触部15a及び第2接触部15bが端子板12及び13の電線接続面12a及び13aとほぼ平行に維持される程度に小さければよい。このような構成により、解錠釦16は、ガイド溝11dによって長手方向にガイドされるため、幅方向及び長手方向にはほとんど動かない。また、錠ばね15は、ボディ11のガイド部11cと解錠釦16の当接部16bによりガイドされるため、同様に、幅方向及び長手方向にはほとんど動かない。従って、電線挿入穴14に電線60が挿入されていない状態あっても、錠ばね15の姿勢が安定するため、錠ばね15の第1接触部15a及び第2接触部15bが幅方向に対して平行でない状態(傾いた状態)で、電線60が電線挿入穴54に差し込まれることは、ほとんど無くなる。
ところで、コンセントやスイッチなどの配線器具に使用される速結端子装置の場合、ボディ11のベース板11bに形成された工具挿入穴17の長手方向の寸法3mm程度、幅方向の寸法は8mm程度である。そのため、あまり大きなねじ回しは挿入することができない。一例として、解錠釦16の本体部16aに形成された係合穴16dは、呼び径が3〜5mm程度のねじ用のねじ回しに対応しており、その長手方向及び幅方向の寸法は、それらのねじ回しと係合可能な寸法に設定されている。図2(b)は、係合穴16dに対応した寸法のねじ回し61が工具挿入穴17から挿入されている状態を示す。一方、図2(c)は、係合穴16dの寸法よりも厚み及び幅が小さい、さらに小型のねじ回し又はピンセット62が工具挿入穴17から挿入されている状態を示す。
図2(b)の場合、ねじ回し61を工具挿入穴17からボディ11の内部に挿入すると、その先端部が解錠釦16の係合穴16dにさらに挿入され、ねじ回し61の先端部の厚み又は幅が係合穴16dの長手方向又は幅方向の寸法と一致したところで両者が係合される。そして、ねじ回し61はそれ以上ボディ11の内側には挿入できなくなる。この時点で、ねじ回し61の先端部は確実に解錠釦16と係合される。そして、ねじ回し61の柄の部分を工具挿入穴17の端面と接触させ、接触点を支点としてねじ回し61の柄を回転させれば、解錠釦16をボディ11の長手方向の内側に平行移動させることができる。解錠釦16が長手方向に平行移動されることによって錠ばね15に当接し、それによって、電線60と錠ばね15の施錠状態が解除される。
図2(c)の場合、小型のねじ回し又はピンセット62を工具挿入穴17からボディ11の内部に挿入すると、その先端部が解錠釦16の係合穴16dにさらに挿入され、先端部が係合穴16dを突き抜けてしまう。ところが、工具挿入穴17と対向する位置にはストッパ18が設けられているので、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部が解錠釦16の係合穴16dを突き抜けたとしても、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部はストッパ18に当接する。ストッパ18の当接面18aは、図2に示すように、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部を長手方向に沿って錠ばね15側に摺動させるようにテーパ状に形成されている。そのため、小型のねじ回し又はピンセット62の柄の部分を工具挿入穴17の端面と接触させ、接触点を支点として小型のねじ回し又はピンセット62の柄を回転させれば、解錠釦16をボディ11の長手方向の内側に平行移動させることができる。このような構成により、解錠釦16を長手方向に平行移動させることによって、本体部16aから突出した2つの当接部16bがほぼ同時に2つの錠ばね15に当接し、ほぼ同量だけ変形させることができる。その状態で、電線60を引き抜く方向に引っ張り力を加えれば、電線60をスムーズに端子板12又は13と錠ばね15の間から引き抜くことができる。
照明装置用スイッチの中には、暗所でもスイッチの位置がわかるように、スイッチオフの状態でもネオン管やLEDなどを点灯させるものが存在する。一般的に、ネオン管やLEDなどは、照明装置用スイッチの外周部、すなわち、ボディ11の長手方向の外側よりに配置される。より具体的には、ネオン管やLEDなどは、上下方向における工具挿入穴57の上部に位置する可能性が高い。そのため、例えば上記従来の速結端子装置50の場合、工具挿入穴57から小型のねじ回し又はピンセット62が挿入された場合、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部が工具挿入穴57の端面と解錠釦56の間の隙間を突き抜けて、その上部に設けられているネオン管やLEDなどに達することもありうる。一般的に、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部は鋭く尖っていることが多いので、小型のねじ回し又はピンセット62の先端部がこれらネオン管やLEDなどに接触することによって、ネオン管やLEDなどを破損してしまう虞がある。ところが、本実施形態の構成によれば、工具挿入穴17と対向する位置にはストッパ18が設けられているので、解錠釦16の係合穴16dを突き抜けた小型のねじ回し又はピンセット62の先端部は、ストッパ18に当接し、ネオン管やLEDなどに達することはない。その結果、解錠釦16の本体部に上下方向に貫通する係合穴16dを設けたとしても、係合穴16dを突き抜けた小型のねじ回し又はピンセット62の先端部によって、ネオン管やLEDなどが破損されることはない。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、解錠釦16に少なくとも係合穴16aが形成されていればよく、係合穴の形状や大きさは特に限定されない。例えば、工具挿入穴17に対向する側の開口面積がストッパ18側の開口面積よりも広くなるように、その内周面がテーパ状に形成されていてもよい。また、解錠釦16の当接部16bは、テーパ状断面を有するものに限定されず、円弧状やその他の形状のものであってもよい。さらに、解錠釦16は、ボディ11の長手方向(電線接続面12a又は13aに対して垂直な方向)に少なくとも所定距離だけ平行移動されるものであればよく、従来例のように回転を伴うものであってもよい。又、ストッパ18の当接面18aは、必ずしもテーパ状である必要はなく、ボディ11のベース板11bに平行であってもよい。
さらに、上記各実施形態の説明において、速結端子装置10は、2つの端子板12及び13を備え、各端子板12及び13に対してそれぞれ2本の電線60を接続できるように構成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、速結端子装置は、少なくとも1つの端子板に少なくとも1本の電線を接続できるように構成されていればよく、端子板の数及びボディに形成された電線挿入穴の数は特に限定されない。また、速結端子装置の用途はコンセントやスイッチなどの配線器具に限定されず、その他の電気機器に電線を接続するために応用することができることはいうまでもない。
10 速結端子装置
11 ボディ
11b ベース板
11d 軸受け
12,13 端子板
12a,13a 電線接続面
14 電線挿入穴
15 錠ばね
15a 第1接触部(接触部)
15b 第2接触部
16 解錠釦
16a 本体部
16b 当接部
16c 下端
16d 係合穴
17 工具挿入穴
18 ストッパ
18a 当接面
60 電線
61 ねじ回し(工具)
62 小型のねじ回し又はピンセット(工具)

Claims (4)

  1. 電線の絶縁被覆されていない先端部分(以下、電線とする)と接続される電線接続面を有する端子板と、
    ベース板を有し、該ベース板に前記電線が挿入される電線挿入穴が形成され、前記電線接続面が前記ベース板に対して略垂直となるように前記端子板を所定位置に保持するボディと、
    前記電線挿入穴の近傍において前記ボディに保持され、前記電線が前記電線挿入穴から前記ボディの内部に挿入されたときに、前記電線の外周面に当接して前記電線を前記電線接続面に押しつけると共に、前記電線を前記電線接続面に押しつけられている状態で前記電線に前記電線挿入穴から引き抜く方向の引っ張り力が加えられたときに、前記電線の表面に食い込んで楔効果を発揮する接触部を有する、板状の錠ばねと、
    前記錠ばねにより前記電線が前記電線接続面に押しつけられている状態でユーザによって操作されることにより、前記錠ばねの接触部を前記電線の表面から離れる方向に弾性変形させる解錠釦を備えた速結端子装置であって、
    前記錠ばねの前記接触部は、前記電線の直径よりも大きな幅を有し、
    前記解錠釦は、ユーザによって操作される本体部と、前記本体部と一体的に形成され、前記錠ばねの前記接触部の前記電線の表面からはみ出している部分と接触する当接部を有し、少なくとも前記電線接続面に対して垂直な方向に平行移動され、
    前記ボディの前記ベース板のうち前記解錠釦の一部分に対向する位置に、前記解錠釦を平行移動させるために、工具の先端が挿入される工具挿入穴が形成され、
    前記解錠釦の前記本体部には、前記工具挿入穴から前記ボディの内部に挿入された工具の先端部が挿入されうる係合穴が形成されていることを特徴とする速結端子装置。
  2. 前記ベース板の前記工具挿入穴に対向する位置に、前記工具挿入穴から前記ボディの内部に挿入された工具の先端部と当接しうるストッパが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の速結端子装置。
  3. 前記ストッパの前記工具と当接する面は、前記工具の先端部を前記錠ばね側に摺動させるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の速結端子位置。
  4. 前記電線挿入穴及び前記錠ばねは、前記端子板の前記電線接続面と平行な方向に2組ずつ設けられており、
    前記解錠釦の前記本体部は、前記ボディの前記ベース板の前記端子板側の面に形成されたガイド溝を前記端子板の前記電線接続面に対して垂直な方向に摺動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の速結端子装置。
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