JP2013255834A - β−グルクロニダーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テンダイウヤク又はその抽出物からなる新規β-グルクロニダーゼ阻害剤、並びに当該-βグルクロニダーゼ阻害剤を含有する環境衛生製品及びサニタリー製品、並びにβ-グルクロニダーゼ阻害剤を使用した尿臭生成抑制用組成物及び尿臭の生成抑制方法。
【選択図】なし
Description
β-グルクロニダーゼとは、各種のアルコール類、フェノール類、アミン類等がグルクロン酸抱合された化合物(グルクロニド)を加水分解する酵素をいい、細菌、真菌、植物、動物など多くの生物に存在する。体外に排出された尿の分解には微生物の関与が大きいため、本発明においては、細菌及び真菌由来のβ-グルクロニダーゼが重要である。具体的には、Escherichia coli、Lactobacillus brevis、Propionibacterium acnes、Clostridium perfringens、Staphylococcus haemolyticus、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pyogenes、Haemophilus somunus、Shigela sonnei、Aspergillus niger等由来のβ-グルクロニダーゼが挙げられる。これらの微生物由来のβ-グルクロニダーゼは共通のドメインを有する酵素群に分類される。さらにはヒト血漿由来のβ-グルクロニダーゼも同様のタンパク質群に分類される。
本発明において、以上のβ-グルクロニダーゼ阻害剤は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて尿臭生成抑制用組成物中に含有させることができる。また本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤又は尿臭生成抑制用組成物を、家庭用及び施設用などの環境衛生製品又はサニタリー製品中に有効量含有させることにより、尿に由来する悪臭の生成に対し、高い抑制効果、防臭効果を有する製品とすることができる。また、β-グルクロニダーゼ阻害剤を、対象物(尿臭の発生を抑制しようとする物)に、尿が付着する前又は尿が付着してから付着した尿が乾燥する前に、好ましくは尿が付着してから1時間以内、さらに好ましくは10分以内に適用することにより、尿臭の生成を効果的に抑制することができる。
環境衛生製品の例としては、洗浄剤、消臭剤、繊維用洗剤、拭き取りシート等が挙げられる。また、いくつかの使用方法を併用することも可能である。本発明の環境衛生製品は、トイレ床面、壁面、便器、汚物入れ、介護施設内、衣類、下着、寝具などの尿由来悪臭の発生しやすい箇所に適用することにより、尿臭の発生を制御することができる。
サニタリー製品の例としては、吸収性物品、例えば、軽失禁用品、使い捨て紙オムツ、尿取りパッド、生理用品、及び犬、猫等のペット用排泄物シート等の動物の排泄物関連品等等が挙げられる。本発明のサニタリー製品は、付着した尿より経時的に生じる尿由来悪臭の発生を制御することができる。
本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤、又はこれを含有する尿臭生成抑制用組成物を、環境衛生製品又はサニタリー製品に用いる場合、β-グルクロニダーゼ阻害作用を失わせない範囲で、一般に知られている消臭基剤を組み合せて用いる、又は含有させることができる。
酸化鉄、硫酸鉄、塩化鉄、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化銀、酸化銅等の金属化合物;
リン酸、クエン酸、コハク酸等の酸と、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)等の塩基との組み合わせからなるpH緩衝効果を有する酸ないしはその塩;
乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等のカルボン酸類;
ウンデシレン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、リシノール亜鉛などの脂肪酸金属類;
カテキン、ポリフェノール、緑茶抽出物、マッシュルームエキス、木酢液、竹酢液等の植物抽出物系の消臭剤;
鉄、銅などの金属クロロフィリンナトリウム,鉄、銅、コバルトなどの金属フタロシアニン,鉄、銅、コバルト等のテトラスルホン酸フタロシアニン,二酸化チタン、可視光応答型二酸化チタン(窒素ドープ型など)などの触媒型消臭剤;
α-、β-、又はγ-シクロデキストリン、そのメチル誘導体、ヒドロキシプロピル誘導体、グルコシル誘導体、マルトシル誘導体等のシクロデキストリン類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の悪臭の保留効果があるとされるアルキレングリコール類;
ミリスチン酸エステル類、パルミチン酸エステル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、クエン酸エステル類等の悪臭の保留効果があるとされるエステル油剤;
多孔メタクリル酸ポリマー、多孔アクリル酸ポリマー等のアクリル酸系ポリマー、多孔ジビニルベンゼンポリマー、多孔スチレン−ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー、多孔ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の芳香族系ポリマー、それらの共重合体等の合成の多孔質ポリマー;キチン、キトサン等の天然の多孔質ポリマー;
活性炭、シリカ、二酸化ケイ素(シリカゲル)、ケイ酸カルシウム、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、セピオライト、カンクリナイト、ゼオライト、水和酸化ジルコニウム等の無機多孔質物質;
銀担持ゼオライト、銀担持カンクリナイト、銀担持多孔スチレン−ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の金属担持多孔質
等が挙げられる。これらの消臭基剤は、単独で用いてもよく、さらに組み合わせて使うこともできる。
さらに、本発明のβ-グルクロニダーゼ阻害剤、又は尿臭生成抑制用組成物を、環境衛生製品又はサニタリー製品に用いる場合、水溶性の有機溶剤を組み合わせて用いる、又は含有させることがより好ましい。
エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブチルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、グリセリン、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類;
エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のエーテル類
等が挙げられる。
(1) 測定サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルター(ミリポア社製、マイレックスGV)にて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)9.9mLを入れ、続いて250units/mLに調整した大腸菌由来β-グルクロニダーゼType VII-A(シグマ社より購入)水溶液0.1mLを添加混合し、25℃恒温槽に静置して22時間反応させた。酵素液の代わりに滅菌イオン交換水0.1mLを添加したものを初期尿サンプルとして同様に22時間恒温槽中に静置した。
反応終了後、反応液9mLに内部標準としてベンジルベンゾエート エタノール溶液を添加し、ジエチルエーテル10mLを用いて2回抽出を行った。抽出液は合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥を行った。乾燥後、固形物をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮して測定サンプルとした。
測定にはガスクロマトグラフ質量分析計を用いた。検出された揮発性化合物の生成量は内部標準に対するピークエリア比として算出した。この結果を表1に示す。
(1) 評価サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLを入れ、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液 80μLを添加混合し、37℃恒温槽に静置して20時間反応させた。酵素液の代わりに滅菌イオン交換水80μLを添加したものを初期尿サンプルとし、同様に20時間恒温槽中に静置した。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
臭気官能評価は6名のパネラーによって、臭気の強度を0〜5の評価スコアによる6段階臭気強度表示法に基づいて行った。評価スコアは、「0」無臭、「1」やっと感知できるニオイ(検知閾値)、「2」尿臭であることわかるが弱いニオイ(認知閾値)、「3」楽に尿臭であると感じられるニオイ、「4」強い尿臭、「5」強烈な尿臭を示す。臭気強度の判定は0.5刻みで行い、評価の平均値を図1に示した。
この結果より、β-グルクロニダーゼの作用によって生じる揮発性成分は尿臭強度を顕著に増加させることが確認された。
(1) サンプルの調製
腐敗尿は尿サンプル20mLを採取後、除菌操作を行わずにγ線滅菌済み容器に分注し、室温にて7日間保管したものを用いた。この腐敗尿1mLを10000rpmで5分間遠心分離し、菌体と上清に分離を行った。沈殿した菌体は0.5mLの生理食塩水中に懸濁させた。上清は0.2μmのフィルターを通して除菌を行った。
また、採取直後にフィルターを用いて除菌した尿15mLについても、同様に7日間室温にて保管した。
γ線滅菌済み容器中にて、2mM p-ニトロフェニル-β-D-グルクロニド(PNPG)水溶液250μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)100μL及びイオン交換水100μLを混合し、続いて上記尿サンプル(除菌尿、腐敗尿菌体懸濁液又は腐敗尿上清)を50μL加え、室温にてそれぞれ反応させた。
反応開始直後及び24時間反応後の上記反応液を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmの吸光度を測定した。24時間反応後の吸光度から開始直後の吸光度を差し引いた値をβ-グルクロニダーゼ活性の指標とし、サンプルごとの比較を行った。活性測定の結果を図2に示した。
この結果より、腐敗尿中に増殖した菌体がβ-グルクロニダーゼ活性を有すること、さらに菌体を含まない上清もβ-グルクロニダーゼ活性を有することから、これら菌体の産生した酵素が菌体外にも分泌されていることが確認された。
除菌尿及び腐敗尿は保管に用いた容器のままビン口での臭気評価に供した。
臭気官能評価は6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図3に示した。
この結果より、尿中に増殖する菌体が尿臭強度を増加させることが確認された。
(1) 植物抽出物溶液の調製
テンダイウヤク植物原体(乾燥品)40gを樹脂容器に入れ、50vol%エタノール400mLに1〜4週間浸漬し、成分を抽出した。得られた各種抽出液をろ過し(ワットマン、定性ろ紙)、エバポレーターにて濃縮した。得られた植物抽出物(固形物)を50vol%エタノールに溶解し、固形分濃度1w/v%に調整した。同様の方法にて、その他の植物についても抽出物溶液を調製した。
γ線滅菌済み容器中にて2mM PNPG水溶液100μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)40μL、イオン交換水39.5μL、及び各種植物抽出物溶液0.5μLを混合し、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液20μLを加えて37℃恒温槽中で2時間酵素反応を行った。供した植物抽出物の反応液中での固形分濃度は0.0025w/v%となる。
また、上記植物抽出物溶液の代わりに50vol%エタノールを加えたものをコントロールとし、各サンプル及びコントロールごとに酵素液の代わりにイオン交換水を加えたものをブランクとして、それぞれ同様に2時間反応を行った。
また比較として、β-グルクロニダーゼを競争的に阻害することが広く知られているD-グルカロ-1,4-ラクトンについても、1w/v%の50vol%エタノール溶液を調製し、同様に反応を行った。
上記反応液を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmにおける吸光度を測定した。得られた測定値より、次式に従ってβ-グルクロニダーゼの相対活性阻害率を求め、表2に示した。
植物抽出物溶液は、その性質上、着色成分を含むことが多いことから、「JIS K0071-3 化学製品の色試験方法 第2部 ガードナー色数」に記載の測定法に従い、上記植物抽出物溶液のガードナー色数を測定した。その結果を表3に示す。
(1) サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLと、1w/v% 各種植物抽出物溶液若しくは乾留分1w/v%に調製した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)若しくは1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の2又は8μLとを加え、続いて16units/mLに調整したβ-グルクロニダーゼ水溶液80μLを添加混合し、37℃恒温槽に静置して20時間反応させた。各種植物抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は、0.0025又は0.01重量%となる。
また、除菌尿サンプル720μLに、50vol%エタノール 2又は8μL、及び酵素液80μLを加えて混合したものをコントロールとし、除菌尿サンプル720μLに、50vol%エタノール 2又は8μL、及びイオン交換水80μLを加え混合したものをブランクとして、それぞれ同様に20時間反応させた。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
臭気官能評価は、6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図4に示した。
この結果より、本発明において見出されたβ-グルクロニダーゼ阻害活性を有する植物抽出物は優れた尿臭生成抑制効果を有することが示された。
(1) 尿臭産生菌の採取・同定
4名のパネラーが3時間着用した大人用紙オムツから、肌に接触した表面材を回収した。また同4名のパネラーから採取した尿を等量混合し、これに回収した表面材を浸漬させた。このようにして調製した尿サンプルを大人用紙オムツに吸収させ、30℃恒温槽中で24時間保管することによって強い臭気が発生する状況とした。
このサンプルから常法により菌株(微生物コロニー)の分離を行い、これらを除菌尿中で培養したところ、特定の菌株について強い臭気の発生が確認された。以下の評価においては、これらの特定の菌株(尿臭産生菌)の中から16s rDNA部分塩基配列解析によって大腸菌に帰属された菌株を使用した。
上記の分離大腸菌を3mMのPNPGを含むミューラーヒントン培地で培養し、生理食塩水で数回洗浄することによって培地成分を除き、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩液(DPBS,Gibco製)によって濁度0.5となるように調製した。
γ線滅菌済み容器中にて、2mM PNPG水溶液400μL、0.5Mリン酸バッファー(pH6.8)160μL、イオン交換水160μL、及び1w/v%テンダイウヤク抽出物溶液又は乾留分1w/v%に調製した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)又は1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の8μLを混合し、続いて上記の濁度0.5に調製した分離大腸菌菌液80μLを添加混合し、37℃恒温槽中で2時間反応を行った。テンダイウヤク抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は0.01w/v%となる。
また、テンダイウヤク抽出物溶液の代わりに50vol%エタノールを加えたものをコントロールとし、各サンプル及びコントロールごとに菌液の代わりにDPBSを加えたものをブランクとして、それぞれ同様に2時間反応を行った。上記反応液を10000rpmで2分遠心させ、その上清を0.2Mグリシン-水酸化ナトリウムバッファー(pH10.4)を用いて希釈し、波長400nmにおける吸光度を測定した。得られた測定値より、前記の数式に従ってβ-グルクロニダーゼの相対活性阻害率を求め、結果を図5に示した。
この結果より、テンダイウヤク抽出物は尿臭発生の現場から分離された尿臭産生菌に対しても優れたβ-グルクロニダーゼ阻害活性を有することが示された。
(1) サンプルの調製
γ線滅菌済み容器中に、採取後すぐに0.2μmのフィルターにて除菌操作を行ったヒト尿サンプル(5人のヒト尿混合物)720μLと、1w/v% テンダイウヤク抽出物溶液又は乾留分1w/v%に調整した緑茶エキス(白井松新薬社製、FS-1000)又は1w/v% D-グルカロ-1,4-ラクトン溶液の8μLとを加え、続いて実施例4の(2)に示した濁度0.5に調製した分離大腸菌菌液80μLを添加混合し、37℃恒温槽中に静置して4時間反応させた。テンダイウヤク抽出物、緑茶エキス及びD-グルカロ-1,4-ラクトンの反応液中での濃度は0.01重量%となる。
また、除菌尿サンプル720μLに50vol%エタノール 8μL及び菌液 80μLを加えて混合したものをコントロールとし、除菌尿サンプル720μLに50vol%エタノール 8μL及びDPBS 80μLを加え混合したものをブランクとして、それぞれ同様に4時間反応させた。
上記反応液を10000rpmで2分遠心させ、上清を0.2μmのフィルターを用いて除菌した。各サンプルについて、それぞれ等量を匂い紙先端に滴下し、これを評価サンプルとした。
臭気官能評価は6名のパネラーが参考例2の(2)に示した6段階臭気強度表示法に基づいて行った。パネラーの評価の平均を図6に示した。
この結果より、テンダイウヤク抽出物は尿臭発生の現場から分離された尿臭産生菌に対しても、優れた尿臭生成抑制効果を有することが示された。
表4に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これをトリガースプレー容器に入れ、スプレー型消臭剤を調製した。
表5に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これを用いて使い捨ておむつを調製した。具体的には、尿臭生成抑制用組成物を使い捨ておむつ用の台紙(坪量16g/m2)に坪量16g/m2スプレーし、乾燥後、その台紙を用いてフラップパルプ100重量部と吸水ポリマー(ポリアクリル酸架橋体)100重量部を均一に混合したものを包み、吸収体を得た。吸収体におけるフラップパルプ/吸水ポリマー混合体の坪量は300g/m2であった。得られた吸収体を用いて使い捨ておむつを調製した。また、このとき台紙にスプレーした尿臭生成抑制用組成物中のβ-グルクロニダーゼ阻害剤の量は、1.6g/m2となる。
表5に示す組成(重量%)の本発明に係るβ-グルクロニダーゼ阻害剤を配合した尿臭生成抑制用組成物を調製し、これを用いて尿取りパッドを調製した。具体的には、市販の尿取りパッド「花王製リリーフ尿取りパッド安心吸収」の吸水ポリマーのみを、本発明の尿臭生成抑制用組成物を添加混合して乾燥させた吸水ポリマーに変更したものを調製した。吸水ポリマーへの尿臭生成抑制用組成物の添加量は、吸水ポリマーに対して10重量%(乾燥前)とした。また、このときβ-グルクロニダーゼ阻害剤の添加量は吸水ポリマーに対して1重量%であり、尿取りパッドに対しては1.5g/m2相当である。
Claims (5)
- テンダイウヤク又はその抽出物からなるβ-グルクロニダーゼ阻害剤。
- 請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有する環境衛生製品。
- 請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有するサニタリー製品。
- 請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を含有する尿臭生成抑制用組成物。
- 請求項1に記載のβ-グルクロニダーゼ阻害剤を、対象物に尿が付着する前又は尿が付着してから乾燥する前に適用する尿臭の生成抑制方法。
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