JP2004284974A - 鎮静剤および覚醒興奮剤、これらを用いたストレス緩和用組成物ならびに生薬精油の使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鎮静効果、覚醒効果を有する新規な精油を提供する。
【解決手段】烏薬、独活、白朮より得た精油を鎮静剤とし、莪述、ヒハツより得た精油を覚醒興奮剤として用いる。また、これらの精油から、アロマテラピー用剤であるオイル状組成物や、化粧品、芳香・消臭剤などの各種ストレス緩和用組成物を調製する。
【選択図】 なし
【解決手段】烏薬、独活、白朮より得た精油を鎮静剤とし、莪述、ヒハツより得た精油を覚醒興奮剤として用いる。また、これらの精油から、アロマテラピー用剤であるオイル状組成物や、化粧品、芳香・消臭剤などの各種ストレス緩和用組成物を調製する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、鎮静剤および覚醒興奮剤、これらを用いたストレス緩和用組成物ならびに生薬精油の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の社会環境の変化につれて、現代人はストレスを受けることが非常に多くなっている。このストレスを緩和する方法の一つに、植物から得られた精油の有する鎮静効果や覚醒効果を利用する方法がある。
【0003】
植物の精油が鎮静効果や覚醒効果を発揮することは古くから知られている。例えば、特開昭63−199292号公報(特許文献1)には、サンダルウッド油やカモミル油が鎮静効果を発揮することが示されている。また、特開昭63−199293号公報(特許文献2)には、ローズ油やイランイラン油、バジル油が覚醒効果を発揮することが示されている。そして、これら以外にも数多くの植物精油が、例えばアロマテラピーなどに利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−199292号公報(第1〜3頁)
【特許文献2】
特開昭63−199293号公報(第1〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした状況に鑑みて、本発明者らは、従来にはないストレス緩和作用成分を探し求めていたところ、ある生薬から得られた精油が高い鎮静効果や覚醒効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鎮静剤は、烏薬、独活、白朮より得られた精油いずれか1種以上からなることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る覚醒興奮剤は、莪述および/またはヒハツより得られた精油からなることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係るストレス緩和用組成物は、本発明の鎮静剤または覚醒興奮剤を含有することを特徴としており、例えば、化粧料または芳香・消臭剤として提供される。
【0009】
本発明の生薬精油の使用方法は、烏薬、独活、白朮のいずれかより得られた精油を鎮静剤として用いることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の生薬精油の使用方法は、莪述またはヒハツより得られた精油を覚醒興奮剤として用いることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鎮静剤は烏薬、独活、白朮のいずれか1種以上から得られた精油からなり、本発明に係る覚醒興奮剤は莪述および/またはヒハツから得られた精油からなる。
【0012】
本発明に用いられる烏薬(ウヤク)は、中国原産の常緑低木であるテンダイウヤク(Lindera strychnifolia F. Vill. クスノキ科)を原植物とし、その根が健胃薬や養毛・育毛剤に利用されている。
【0013】
本発明に用いられる独活(ドッカツ)は、日本、中国に分布する宿根草であるシシウド(Angelica pubescens Maxim. ウコギ科)を原植物とし、その根が鎮痛薬や養毛・育毛剤、美白化粧料に利用されている。
【0014】
本発明に用いられる白朮(ビャクジュツ)は、日本から朝鮮半島、中国北部に広く分布するオケラ(Atractylodes japonica Koizumi. キク科)を原植物とし、その根茎が利尿薬等に利用されている。
【0015】
本発明に用いられる莪述(ガジュツ)は、インド原産の多年草であるガジュツ(Curcuma zedoaria Rosc. ショウガ科)を原植物とし、その根茎が健胃薬やアポトーシス抑制剤、肝疾患の治療剤に利用されている。
【0016】
本発明に用いられるヒハツは、インド原産の常緑多年草であるヒハツ(Piper longum L. コショウ科)を原植物とし、その熟した果穂が健胃薬に利用されている。
【0017】
このようにこれらの生薬はヒトに対して安全に適用できるものとして確認されてはいるが、これらの生薬精油がヒトに対して鎮静作用や覚醒興奮作用を発揮することは全く知られてはいなかった。
【0018】
本発明の有効成分となる精油は常法により得られる。例えば、上記生薬に4〜5時間水蒸気を通過させて得られた留出液から上層を分取する方法が挙げられる。そして、必要に応じて、留出液から分取した油分に塩析や遠心分離、脱水剤による脱水処理、濾過などの処理が加えられる。もちろん、これ以外の方法が使用できるのは言うまでもない。
【0019】
得られた精油は、そのまま鎮静剤あるいは覚醒興奮剤として用いることもできるが、通例、各種の溶媒や他の植物油や鉱物油で希釈して用いられる。
【0020】
また、本発明の鎮静剤や覚醒興奮剤は、各種のストレス緩和用組成物、例えばアロマテラピー用剤であるオイル状組成物の構成成分として、あるいは化粧品や芳香剤・消臭剤の調製用に用いられる。そして、これらの組成物から揮散した精油成分が、ヒトに吸入、吸収され鎮静作用や覚醒興奮作用を発揮してストレスを緩和する。
【0021】
本発明におけるストレス緩和用組成物は、本発明の効果を発揮しうる限り、上記製品形態に限定されるものではない。また、化粧品の形態も限定されず、例えば、ローション、美容液、乳液、クリーム、パック、リップクリーム、口紅、ファンデーション、おしろい、シャンプー、リンス、入浴剤などが挙げられる。また、これらの化粧品には、化粧品に常用される他の成分、例えば、グリチルレチン酸などの抗炎症剤や酢酸レチノールなどのビタミン剤、p−アミノ安息香酸誘導体などの紫外線吸収剤、ベルベリンやアルブチンなどの美白剤、塩化ベンザルコニウムなどの抗菌・殺菌剤、エストラジオールなどのホルモン剤、サリチル酸などの角質溶解剤、アスコルビン酸やブチルヒドロキシアニソール(BHA)などの抗酸化剤なども添加できる。また、その効果を妨げない限り、その他の香料を配合しても差し支えない。
【0022】
本発明における芳香剤・消臭剤もその剤型は限定されず、固体状、液体状、ゲル・ゾル状いずれでも差し支えない。この芳香・消臭剤には、放たれた香気によって不快な匂いをマスキングするタイプと柿シブタンニンや活性炭などの吸着剤を配合した脱臭タイプの双方が含まれる。また、その用途も限定はなく、室内用、トイレ用、自動車用、ペット用その他の用途がある。
【0023】
本発明の鎮静剤、覚醒興奮剤は、通例、精油として0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%、より望ましくは0.1〜20重量%含有されるようにして用いられる。また、ストレス緩和用組成物にも、通例、精油として0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%、より望ましくは0.1〜20重量%含有されるように用いられる。もちろん、その使用量は、この範囲に限定されるものでなく、使用目的や使用方法、剤型等によって適宜変更されうる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて、より具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
<精油の調製>
烏薬、独活、百朮、莪述、ヒハツの各生薬100kgを採り、4〜5時間水蒸気蒸留して留出液を得た。当該留出液の上層部を分取して、精油それぞれ約100gを得た。
【0026】
<オイル状組成物の調製>
上記生薬から得られた精油を使い、表1に示す配合表に従ってオイル状組成物を調製した。組成物の調製は次のとおりである。まず、表1に示す(1)〜(4)までの成分を混合、加熱溶解する。次に、60℃まで冷却した後、攪拌しながら(5)〜(11)のいずれかを加えて均一になるまで攪拌冷却してオイル状にする。
【0027】
<評価試験>
表1に示す5つの実施例および3つの比較例について、各組成物0.1gを匂い紙に取り出し、5分後、30分後、60分後に香りの鎮静効果および覚醒効果について官能評価した。一群10名の成人女性パネラーが以下の評価基準に従って評価を行い、表1に10名の平均点を示した。
表1から理解されるように、烏薬、独活、白朮から得られた精油にはカモミユ油と同等な鎮静効果が見られた。また、莪述、ヒハツから得られた精油にはジャスミン油と同等な覚醒興奮効果が見られた。
【0028】
【表1】
【0029】
<判定基準 鎮静効果>
【0030】
<判定基準 覚醒効果>
【0031】
(実施例2)
次に、烏薬から得られた精油を用いて調製された下記処方のクリームについて、官能試験を行った。評価は、一群20名、対照群を含めて計40名の成人女性パネラーに、一週間毎日入浴後睡眠前にクリームを顔面に塗布してもらい、当該一週間における睡眠状況について、下記表2に示す基準にて判定してもらった。なお、精油を除いた処方によるクリームを対照とした。その結果を表2に示す。この結果によれば、熟睡できたとする人が対照群に比べて多く、烏薬精油には鎮静効果があったと判断された。
【0032】
なお、クリームは次のようにして調製した。(1)〜(6)、(9)、(10)を混合加熱溶解し、75℃に保ち、油相とする。(11)に(7)、(8)を混合後、加熱溶解し、75℃に保ち、水相とする。水相と油相を混合し、乳化した後、攪拌しながら冷却した。
【0033】
【表2】
【0034】
(実施例3)
莪述から得られた精油を用いて調製された下記処方の化粧水について、評価試験を行った。評価は、一群20名、対照群を含めて計40名の成人女性パネラーに、一週間毎日入浴後就寝前に顔面に塗布してもらい、当該一週間における睡眠状況について下記の基準にて判定してもらった。その結果を表3に示す。なお、精油を除いた処方による化粧水を対照として用いた。この結果によれば、意識が高ぶり、寝つきが遅くなったとする人が対照群に比べて多く、莪述精油には興奮覚醒効果があったと判断された。
【0035】
なお、化粧水は次のようにして調製した。(7)に予め(1)〜(3)、(6)を均一に混合したものと(4)に(5)を加えたものを混合し、均一に溶解した。
【0036】
【表3】
【0037】
(実施例4)
以下の処方に基づき、エッセンスを調製した。
なお、エッセンスは次のようにして調製した。(11)に(1)〜(4)を混合し均一にして水相とする。(5)に(6)〜(10)に順次加え均一に溶解した油相を先の水相に混合し、均一になるまで攪拌した。
【0038】
(実施例5)
以下の処方に基づき、スティック状香料を調製した。
なお、スティック状香料は次のようにして調製した。(1)〜(8)および(10)を混合後、加熱溶解する。その後(9)を加えて均一になるまで攪拌し、型に流し込んだ後取り出したスティック状香料を得る。
【0039】
(実施例6)
以下の処方に基づき、ゲル状の芳香剤を調製した。
なお、ゲル状の芳香剤は次のようにして調製した。(5)に(1)(2)を分散した後加熱溶解する。次にこれを攪拌しながら(4)を加え冷却し、60℃で(3)を加えて均一になるまで攪拌した。その後、型に流し込み冷却した。
【0040】
(実施例7)
以下の処方に基づき、油性ゲル状の芳香剤を調製した。
なお、油性ゲル状の芳香剤は次のようにして調製した。(1)〜(3)(6)を加熱溶解し、均一に混合する。次に攪拌しながら60℃で(4)(5)を加えて攪拌し、その後、型に流し込み冷却した。
【0041】
(実施例8)
以下の処方に基づき、ゲル状の消臭剤を調製した。
なお、ゲル状の消臭剤は次のようにして調製した。(1)に(5)を加えて加温溶解し、40℃以下にて(2)(3)(4)を加え均一になるまで攪拌混合した後、型に流し込み冷却した。
【0042】
(実施例9)
以下の処方に基づき、油性ゲル状の消臭剤を調製した。
なお、油性ゲル状の消臭剤は次のようにして調製した。(1)に(2)(5)を混合し、加熱溶解後、70℃で(3)(4)を加えて均一になるまで攪拌した。その後、型に流し込み冷却した。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、新規かつ有効な鎮静剤、興奮覚醒剤が提供される。これらの鎮静剤や興奮覚醒剤は、アロマテラピー用剤であるオイル状組成物や化粧料、芳香・消臭剤など各種のストレス緩和用組成物として手軽に用いられ、日常生活のストレス緩和に大きく貢献する。
【発明が属する技術分野】
本発明は、鎮静剤および覚醒興奮剤、これらを用いたストレス緩和用組成物ならびに生薬精油の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の社会環境の変化につれて、現代人はストレスを受けることが非常に多くなっている。このストレスを緩和する方法の一つに、植物から得られた精油の有する鎮静効果や覚醒効果を利用する方法がある。
【0003】
植物の精油が鎮静効果や覚醒効果を発揮することは古くから知られている。例えば、特開昭63−199292号公報(特許文献1)には、サンダルウッド油やカモミル油が鎮静効果を発揮することが示されている。また、特開昭63−199293号公報(特許文献2)には、ローズ油やイランイラン油、バジル油が覚醒効果を発揮することが示されている。そして、これら以外にも数多くの植物精油が、例えばアロマテラピーなどに利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−199292号公報(第1〜3頁)
【特許文献2】
特開昭63−199293号公報(第1〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした状況に鑑みて、本発明者らは、従来にはないストレス緩和作用成分を探し求めていたところ、ある生薬から得られた精油が高い鎮静効果や覚醒効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鎮静剤は、烏薬、独活、白朮より得られた精油いずれか1種以上からなることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る覚醒興奮剤は、莪述および/またはヒハツより得られた精油からなることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係るストレス緩和用組成物は、本発明の鎮静剤または覚醒興奮剤を含有することを特徴としており、例えば、化粧料または芳香・消臭剤として提供される。
【0009】
本発明の生薬精油の使用方法は、烏薬、独活、白朮のいずれかより得られた精油を鎮静剤として用いることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の生薬精油の使用方法は、莪述またはヒハツより得られた精油を覚醒興奮剤として用いることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鎮静剤は烏薬、独活、白朮のいずれか1種以上から得られた精油からなり、本発明に係る覚醒興奮剤は莪述および/またはヒハツから得られた精油からなる。
【0012】
本発明に用いられる烏薬(ウヤク)は、中国原産の常緑低木であるテンダイウヤク(Lindera strychnifolia F. Vill. クスノキ科)を原植物とし、その根が健胃薬や養毛・育毛剤に利用されている。
【0013】
本発明に用いられる独活(ドッカツ)は、日本、中国に分布する宿根草であるシシウド(Angelica pubescens Maxim. ウコギ科)を原植物とし、その根が鎮痛薬や養毛・育毛剤、美白化粧料に利用されている。
【0014】
本発明に用いられる白朮(ビャクジュツ)は、日本から朝鮮半島、中国北部に広く分布するオケラ(Atractylodes japonica Koizumi. キク科)を原植物とし、その根茎が利尿薬等に利用されている。
【0015】
本発明に用いられる莪述(ガジュツ)は、インド原産の多年草であるガジュツ(Curcuma zedoaria Rosc. ショウガ科)を原植物とし、その根茎が健胃薬やアポトーシス抑制剤、肝疾患の治療剤に利用されている。
【0016】
本発明に用いられるヒハツは、インド原産の常緑多年草であるヒハツ(Piper longum L. コショウ科)を原植物とし、その熟した果穂が健胃薬に利用されている。
【0017】
このようにこれらの生薬はヒトに対して安全に適用できるものとして確認されてはいるが、これらの生薬精油がヒトに対して鎮静作用や覚醒興奮作用を発揮することは全く知られてはいなかった。
【0018】
本発明の有効成分となる精油は常法により得られる。例えば、上記生薬に4〜5時間水蒸気を通過させて得られた留出液から上層を分取する方法が挙げられる。そして、必要に応じて、留出液から分取した油分に塩析や遠心分離、脱水剤による脱水処理、濾過などの処理が加えられる。もちろん、これ以外の方法が使用できるのは言うまでもない。
【0019】
得られた精油は、そのまま鎮静剤あるいは覚醒興奮剤として用いることもできるが、通例、各種の溶媒や他の植物油や鉱物油で希釈して用いられる。
【0020】
また、本発明の鎮静剤や覚醒興奮剤は、各種のストレス緩和用組成物、例えばアロマテラピー用剤であるオイル状組成物の構成成分として、あるいは化粧品や芳香剤・消臭剤の調製用に用いられる。そして、これらの組成物から揮散した精油成分が、ヒトに吸入、吸収され鎮静作用や覚醒興奮作用を発揮してストレスを緩和する。
【0021】
本発明におけるストレス緩和用組成物は、本発明の効果を発揮しうる限り、上記製品形態に限定されるものではない。また、化粧品の形態も限定されず、例えば、ローション、美容液、乳液、クリーム、パック、リップクリーム、口紅、ファンデーション、おしろい、シャンプー、リンス、入浴剤などが挙げられる。また、これらの化粧品には、化粧品に常用される他の成分、例えば、グリチルレチン酸などの抗炎症剤や酢酸レチノールなどのビタミン剤、p−アミノ安息香酸誘導体などの紫外線吸収剤、ベルベリンやアルブチンなどの美白剤、塩化ベンザルコニウムなどの抗菌・殺菌剤、エストラジオールなどのホルモン剤、サリチル酸などの角質溶解剤、アスコルビン酸やブチルヒドロキシアニソール(BHA)などの抗酸化剤なども添加できる。また、その効果を妨げない限り、その他の香料を配合しても差し支えない。
【0022】
本発明における芳香剤・消臭剤もその剤型は限定されず、固体状、液体状、ゲル・ゾル状いずれでも差し支えない。この芳香・消臭剤には、放たれた香気によって不快な匂いをマスキングするタイプと柿シブタンニンや活性炭などの吸着剤を配合した脱臭タイプの双方が含まれる。また、その用途も限定はなく、室内用、トイレ用、自動車用、ペット用その他の用途がある。
【0023】
本発明の鎮静剤、覚醒興奮剤は、通例、精油として0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%、より望ましくは0.1〜20重量%含有されるようにして用いられる。また、ストレス緩和用組成物にも、通例、精油として0.001〜90重量%、好ましくは0.01〜50重量%、より望ましくは0.1〜20重量%含有されるように用いられる。もちろん、その使用量は、この範囲に限定されるものでなく、使用目的や使用方法、剤型等によって適宜変更されうる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて、より具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
<精油の調製>
烏薬、独活、百朮、莪述、ヒハツの各生薬100kgを採り、4〜5時間水蒸気蒸留して留出液を得た。当該留出液の上層部を分取して、精油それぞれ約100gを得た。
【0026】
<オイル状組成物の調製>
上記生薬から得られた精油を使い、表1に示す配合表に従ってオイル状組成物を調製した。組成物の調製は次のとおりである。まず、表1に示す(1)〜(4)までの成分を混合、加熱溶解する。次に、60℃まで冷却した後、攪拌しながら(5)〜(11)のいずれかを加えて均一になるまで攪拌冷却してオイル状にする。
【0027】
<評価試験>
表1に示す5つの実施例および3つの比較例について、各組成物0.1gを匂い紙に取り出し、5分後、30分後、60分後に香りの鎮静効果および覚醒効果について官能評価した。一群10名の成人女性パネラーが以下の評価基準に従って評価を行い、表1に10名の平均点を示した。
表1から理解されるように、烏薬、独活、白朮から得られた精油にはカモミユ油と同等な鎮静効果が見られた。また、莪述、ヒハツから得られた精油にはジャスミン油と同等な覚醒興奮効果が見られた。
【0028】
【表1】
【0029】
<判定基準 鎮静効果>
【0030】
<判定基準 覚醒効果>
【0031】
(実施例2)
次に、烏薬から得られた精油を用いて調製された下記処方のクリームについて、官能試験を行った。評価は、一群20名、対照群を含めて計40名の成人女性パネラーに、一週間毎日入浴後睡眠前にクリームを顔面に塗布してもらい、当該一週間における睡眠状況について、下記表2に示す基準にて判定してもらった。なお、精油を除いた処方によるクリームを対照とした。その結果を表2に示す。この結果によれば、熟睡できたとする人が対照群に比べて多く、烏薬精油には鎮静効果があったと判断された。
【0032】
なお、クリームは次のようにして調製した。(1)〜(6)、(9)、(10)を混合加熱溶解し、75℃に保ち、油相とする。(11)に(7)、(8)を混合後、加熱溶解し、75℃に保ち、水相とする。水相と油相を混合し、乳化した後、攪拌しながら冷却した。
【0033】
【表2】
【0034】
(実施例3)
莪述から得られた精油を用いて調製された下記処方の化粧水について、評価試験を行った。評価は、一群20名、対照群を含めて計40名の成人女性パネラーに、一週間毎日入浴後就寝前に顔面に塗布してもらい、当該一週間における睡眠状況について下記の基準にて判定してもらった。その結果を表3に示す。なお、精油を除いた処方による化粧水を対照として用いた。この結果によれば、意識が高ぶり、寝つきが遅くなったとする人が対照群に比べて多く、莪述精油には興奮覚醒効果があったと判断された。
【0035】
なお、化粧水は次のようにして調製した。(7)に予め(1)〜(3)、(6)を均一に混合したものと(4)に(5)を加えたものを混合し、均一に溶解した。
【0036】
【表3】
【0037】
(実施例4)
以下の処方に基づき、エッセンスを調製した。
なお、エッセンスは次のようにして調製した。(11)に(1)〜(4)を混合し均一にして水相とする。(5)に(6)〜(10)に順次加え均一に溶解した油相を先の水相に混合し、均一になるまで攪拌した。
【0038】
(実施例5)
以下の処方に基づき、スティック状香料を調製した。
なお、スティック状香料は次のようにして調製した。(1)〜(8)および(10)を混合後、加熱溶解する。その後(9)を加えて均一になるまで攪拌し、型に流し込んだ後取り出したスティック状香料を得る。
【0039】
(実施例6)
以下の処方に基づき、ゲル状の芳香剤を調製した。
なお、ゲル状の芳香剤は次のようにして調製した。(5)に(1)(2)を分散した後加熱溶解する。次にこれを攪拌しながら(4)を加え冷却し、60℃で(3)を加えて均一になるまで攪拌した。その後、型に流し込み冷却した。
【0040】
(実施例7)
以下の処方に基づき、油性ゲル状の芳香剤を調製した。
なお、油性ゲル状の芳香剤は次のようにして調製した。(1)〜(3)(6)を加熱溶解し、均一に混合する。次に攪拌しながら60℃で(4)(5)を加えて攪拌し、その後、型に流し込み冷却した。
【0041】
(実施例8)
以下の処方に基づき、ゲル状の消臭剤を調製した。
なお、ゲル状の消臭剤は次のようにして調製した。(1)に(5)を加えて加温溶解し、40℃以下にて(2)(3)(4)を加え均一になるまで攪拌混合した後、型に流し込み冷却した。
【0042】
(実施例9)
以下の処方に基づき、油性ゲル状の消臭剤を調製した。
なお、油性ゲル状の消臭剤は次のようにして調製した。(1)に(2)(5)を混合し、加熱溶解後、70℃で(3)(4)を加えて均一になるまで攪拌した。その後、型に流し込み冷却した。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、新規かつ有効な鎮静剤、興奮覚醒剤が提供される。これらの鎮静剤や興奮覚醒剤は、アロマテラピー用剤であるオイル状組成物や化粧料、芳香・消臭剤など各種のストレス緩和用組成物として手軽に用いられ、日常生活のストレス緩和に大きく貢献する。
Claims (6)
- 烏薬、独活、白朮より得られた精油いずれか1種以上からなることを特徴とする鎮静剤。
- 莪述および/またはヒハツより得られた精油からなることを特徴とする覚醒興奮剤。
- 請求項1に記載の鎮静剤または請求項2に記載の覚醒興奮剤を含有することを特徴とするストレス緩和用組成物。
- 化粧料または芳香・消臭剤であることを特徴とする請求項3に記載のストレス緩和用組成物。
- 烏薬、独活、白朮のいずれかより得られた精油を鎮静剤として用いることを特徴とする生薬精油の使用方法。
- 莪述またはヒハツより得られた精油を覚醒興奮剤として用いることを特徴とする生薬精油の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003077630A JP2004284974A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 鎮静剤および覚醒興奮剤、これらを用いたストレス緩和用組成物ならびに生薬精油の使用方法 |
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JP2003077630A JP2004284974A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 鎮静剤および覚醒興奮剤、これらを用いたストレス緩和用組成物ならびに生薬精油の使用方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2013255834A (ja) * | 2013-08-29 | 2013-12-26 | Kao Corp | β−グルクロニダーゼ阻害剤 |
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-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003077630A patent/JP2004284974A/ja active Pending
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KR101368954B1 (ko) | 2011-06-23 | 2014-02-28 | 농업회사법인 맑은내일 주식회사 | 생약추출물을 함유하는 각성효과가 있는 조성물 |
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