JP2013255716A - 電子レンジ用トレー - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱シートと紙からなる電子レンジ用のトレーにおいて、加熱による底部の反りを低減する。
【解決手段】底部2及び側壁部3a,3bを有する紙製の本体と、底部2に貼付されたマイクロ波の照射によって発熱する発熱シート4と、を備えた電子レンジ用トレーにおいて、本体を1枚の紙を折り曲げて成形し、底部2の角部8の近傍に、該角部8を構成する底部2の一方の端辺6aから他方の端辺6aに至る直線状のスリット5aを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】底部2及び側壁部3a,3bを有する紙製の本体と、底部2に貼付されたマイクロ波の照射によって発熱する発熱シート4と、を備えた電子レンジ用トレーにおいて、本体を1枚の紙を折り曲げて成形し、底部2の角部8の近傍に、該角部8を構成する底部2の一方の端辺6aから他方の端辺6aに至る直線状のスリット5aを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、ピザや焼きおにぎりなどの食品を、半調理状態で収納して、電子レンジにて表面に焦げ目を付けながら加熱調理するためのトレーに関する。
電子レンジは食品の加熱調理に用いられるが、マイクロ波の照射によって発熱する発熱シートを用いることにより、被加熱食品の表面に焦げ目を付けることができる。例えば、特許文献1には、紙や布などからなる一対の支持部の表面に電子レンジの電磁波によって発熱するアルミニウム箔等の金属膜を貼付し、係る金属膜が内側になるように被加熱食品を挟んで電子レンジで加熱することにより、食品の表面に焦げ目をつけて加熱調理することができる加熱補助部材が開示されている。
特許文献1に開示された加熱補助部材は、魚などの両面に焦げ目を付ける食品の加熱調理を対象としており、ピザなどの片面にのみ焦げ目を付ければよいような食品の場合、支持部をトレー状に成形し、トレーの底部表面に電子レンジの電磁波によって発熱する発熱シートを貼付することで、片面のみ焦げ目を付けることができる。
しかしながら、支持部として紙をトレー状に成形し、発熱シートを貼付したトレーを用いた場合、電子レンジの熱によって、トレーの水分が蒸発し、トレーの表裏で水分量が異なるようになるため、トレーの底部が紙目に沿って反りを生じ、被加熱食品の表面の焦げ目にムラを生じてしまい、加熱調理後の見栄えが悪くなってしまう。また、トレー自体もトレーの底部の反りが、トレーの壁部で吸収されなくなってしまうことによって、底部の対角線に沿って、反ってしまうため、見栄えが悪くなり、そのまま食事に供するには適さない。
特許文献2には、油で揚げた調理済み食品を電子レンジで加熱調理するための容器において、調理済み食品を収納する収納部の内面に複数の凹凸部を設けることで、容器の強度を向上した電子レンジ対応容器が開示されている。
しかしながら、特許文献2の容器は、合成樹脂シートを真空成形、圧空成形などにより、所定の形状に成形するため、手間がかかってしまい、係る容器を特許文献1の加熱補助部材の支持部として用いると、製造コストが高くなってしまう。
本発明の課題は、被加熱食品を収納して電子レンジによって焦げ目を付けながら加熱調理が可能な、発熱シートと紙からなる安価なトレーにおいて、加熱による底部の反りが低減し、被加熱食品の表面にムラ無く焦げ目をつけると同時に、加熱調理後のトレーの見栄えが良く、そのまま食事に供することができるトレーを提供することにある。
本発明は、多角形の底部及び側壁部とを有する紙製の本体と、前記底部に貼付されたマイクロ波の照射によって発熱する発熱シートと、を備えた電子レンジ用トレーであって、
前記本体が1枚の紙を折り曲げて成形されており、
前記本体が、前記底部の角部近傍において、前記角部を構成する前記底部の一方の端辺から他方の端辺に至る直線状のスリット、前記角部を構成する前記底部の二端辺に沿ったくの字形のスリット、或いは前記直線状のスリットと前記くの字形のスリットを併せ持った三角形状の切り抜き部、のいずれかを有することを特徴とする。
前記本体が1枚の紙を折り曲げて成形されており、
前記本体が、前記底部の角部近傍において、前記角部を構成する前記底部の一方の端辺から他方の端辺に至る直線状のスリット、前記角部を構成する前記底部の二端辺に沿ったくの字形のスリット、或いは前記直線状のスリットと前記くの字形のスリットを併せ持った三角形状の切り抜き部、のいずれかを有することを特徴とする。
本発明においては、以下の構成を好ましい態様として含む。
前記底部の側壁部近傍に、前記底部の紙目に対して垂直な直線で形成されたエンボスを有する。特に、前記底部の角部近傍に、格子状に形成されたエンボスを有する。
前記底部の側壁部近傍に、前記底部の紙目に対して垂直な直線で形成されたエンボスを有する。特に、前記底部の角部近傍に、格子状に形成されたエンボスを有する。
本発明のトレーは、200℃の高温にさらされても底部に反りが生じにくく、加熱後の見栄えがよい。よって、ピザ等の被加熱食品を半調理状態で収納し、電子レンジで加熱調理することにより、表面にムラ無く焼き目を付けることができる。また、加熱調理後のトレーの外観が良いため、加熱調理した食品をトレーに載せたままで食事に供することができる。さらに、本発明のトレーは紙と発熱シートのみで構成されており、材料のコストが低く、簡易な工程で製造することができるため、安価に提供することができる。
本発明は、底部と側壁部とを有する紙製の本体と、該本体の底部に貼付された発熱シートと、を備えた電子レンジ用トレーである。本発明の特徴は、本体が1枚の紙を折り曲げて成形されており、上記本体が、底部の角部近傍において、該角部を構成する底部の一方の端辺から他方の端辺に至る直線状のスリット、該角部を構成する底部の二端辺に沿ったくの字形のスリット、或いは上記直線状のスリットと上記くの字形のスリットとを併せ持った切り抜き部、のいずれかを有することにある。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明のトレーの好ましい実施形態の斜視図であり、図2は、図1のトレーの展開図である。図1,図2中、1は本発明のトレー、2は底部、3a,3bは側壁部、3cは差し込み部、4は発熱シート、5aはスリット、6a,6bは折り曲げ部、8は角部である。また、7は後述する実施例において、荷重をかける位置を示す。
本発明のトレー1は、底部2と側壁部3a,3bとを有する紙製の本体と、底部2に貼付された発熱シート4からなり、本体は1枚の紙を破線で示す折り曲げ部6a,6bにおいて谷折に折り曲げて側壁部3a,3bを底部2から立ち上がらせ、後述する差し込み方式或いは貼付方式により、側壁部3aと3bとを一体化してトレー状に成形する。
本発明において、本体を構成する紙はトレー状の形状を維持しうる程度の強度があれば、特に素材は限定されないが、好ましくは白板紙である。
また、本発明において用いられる発熱シート4は、電子レンジのマイクロ波の照射によって発熱するシートであって、具体的には、マイクロ波の照射によって誘電加熱する金属膜を備えたシート、好ましくは、アルミニウム、ニッケル、金、銀、亜鉛、白金などの金属をPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムに蒸着させたシートに薄葉紙を貼り合わせたものである。係る発熱シート4は、底部2の表面に接着剤によって貼付される。
本体を構成する底部2は多角形であり、好ましくは四角以上八角以下の多角形、特に正多角形である。三角形であれば、対角線を有さないため底部の歪みがトレー全体の歪みとなることはない。また、八角を超える多角形でも、本発明の効果を奏するが、製造するに当たり複雑な製造工程を有することから、本発明においては八角以下の多角形が好ましい。
本実施形態において、本体には、底部2の角部8の近傍に、該角部8を構成する底部2の一方の端辺(折り曲げ部6a)から他方の端辺(折り曲げ部6a)に至る直線状のスリット5aが設けられており、係るスリット5aを各角部8の近傍に設けることによって、電子レンジで加熱調理した後でも、トレーの底部2に生じる反りが大幅に低減される。これは、トレーの底部2に生じる反りの力が、スリット5aにより分断されて角部8に伝わらず、トレー全体の歪みに影響しないためである。スリット5aの位置は、底部2の反りが低減される範囲で底部2の角部8に近い方が好ましく、また、スリット5aと、底部2の二端辺とで形成される三角形は二等辺三角形になるように設けることが好ましい。
図1,図2の実施形態においては、底部2の角部8の近傍に直線状のスリット5aを設けたが、本発明においては、底部2の角部8を構成する底部2の二端辺に沿ったくの字形のスリットを設けることでも、同様の効果が得られる。係るスリットを設けた実施形態のトレーの展開図を図3に示す。図3中、5bが係るスリットである。本実施形態に係るスリット5bの長さについては、例えば、底部2の一辺の長さが150mmである場合、くの字を構成する二つの辺のそれぞれの長さが7mm程度であるが、トレーが壊れず、トレーに載せた食品が落下したり、トレーの外に飛び出す等の衛生上の問題が起こらない程度の長さであれば良い。尚、本発明においては、図1,図2におけるスリット5aと、図3におけるスリット5bとを併せ持った図4に示す三角形状の切り抜き部5cとしても構わない。三角形状の切り抜きであっても、トレーの底部2に生じる反りの力を逃すことが可能であるためである。しかしながら、スリットであれば、トレーに載せた食品がスリットから落下する恐れもなく、また、トレー製造時にごみが生じないことから、図1,図2のスリット5aや図3のスリット5bの方がより好ましい。尚、図3,図4の実施形態は、スリット5b以外は図1,図2の実施形態と同じ構成であり、図1,図2と同じ部材、部位には同じ符号を付した。尚、紙を製造する際、抄紙機でパルプを一定方向に流しながら製造するため、紙の進行方向に繊維がそろう。この繊維がそろった方向のことを紙目と定義する。
尚、本発明のトレーは、一般家庭用の電子レンジでの使用を意図しており、前記電子レンジに収納可能な底部2の大きさ、具体的には、底部2が対角30cm以内程度のトレーが対象となる。
本発明においては、トレー1の強度を向上させるために、底部2の側壁部3a,3bの近傍に、底部2の紙目に対して垂直な直線で形成されたエンボスを形成しても良い。図5に係るエンボスの一例を示す。図5は発熱シート4を除いた状態の展開図である。図5中、一点鎖線で示す部位がエンボス9,9’であり、図5に示すように、底部2の側壁部3bの近傍において、底部2の紙目に対して垂直な直線で形成されたエンボス9を形成することが好ましい。さらに、図5のように、エンボス9’も加えて、底部2の角部8の近傍に格子状のエンボスを形成することが好ましい。尚、図5において、エンボス9,9’を設けた以外は図1,図2の実施形態と同じ構成であり、図1,図2と同じ部材、部位には同じ符号を付した。
図1,図2の実施形態においては、側壁部3aと3bとは、側壁部3aに設けた差し込み部3cを側壁部3bに設けた切り欠き部3eに差し込んで互いに係合する、いわゆる差し込み方式により一体化している。より具体的には、本実施形態では、側壁部3aがそれぞれ両端に差し込み部3c,3cを備え、各差し込み部3cには、稲妻型の切り込み部3dが形成されている。一方、側壁部3bにおいては、両端部近傍に切り欠き部3e,3eが形成されている。各差し込み部3cが対応する側壁部3bの端部に重なるように配置し、各切り欠き部3eに対応する差し込み部3cを差し込み、切り欠き部3eの、側壁部3bの端部側3e’に、切り込み部3dの凸部3d’を押し込むと、該凸部3d’が返しとなって、図1に示すように、差し込み部3cの先端3c’と切り込み部3dの凸部3d’とが側壁部3bの内側に係合して、側壁部3aと3bとが一体化し、トレー状の本体が形成される。
尚、図1,図2の実施形態においては、本体の側壁部3aと3bとを一体化する方法として、差し込み方式を採ったが、本発明においては、接着剤を用いて貼付する、いわゆる貼付方式でも良い。その実施形態の斜視図を図6に、展開図を図7に示す。図6,図7に示すように、本実施形態では、一対の側壁3a,3aの両端に貼付部3f,3fが設けられている。本実施形態では、側壁部3aの端部に設けた貼付部3fを、接着剤を介して側壁部3bの端部に貼り付けることにより、側壁部3aと3bとを一体化する。尚、本実施形態は、側壁部3aと3bとを貼付方式で一体化する以外は、図1,図2の実施形態と同じ構成であり、図1,図2と同じ部材、部位には同じ符号を付した。
本発明のトレーは、図2乃至図5,図7に示した展開図のように紙を裁断し、発熱シート4を底部2に接着剤で貼付した後、折り曲げ部6a,6bで折り曲げて側壁部3a,3bを立ち上げ、差し込み方式或いは貼付方式により側壁部3aと3bとを一体化することで得られる。
本発明のトレーは、例えば、冷凍ピザなどの半調理食品を収納し、包装袋で密封包装して商品として提供することができ、係る商品の購入者が食する直前に包装袋を開封し、トレーに載せたまま電子レンジで加熱調理し、そのまま食事に供することができる。
三菱製紙株式会社製の「パールカード」(坪量:310g/cm2)を用い、底部2が一辺が150mmの正方形、側壁部3a,3bの高さが29mmのトレーを作製した。底部2には、図2のスリット5a、図3のスリット5b、図4の切り抜き部5cのいずれかを設けた。スリット5aは、底部2の角部8から底部2の端辺に沿って15mmの地点を結んだ直線とした。スリット5bは、底部2の角部8から15mmとした。切り抜き部5cについては、底部2の角部8から底部2の二端辺に沿ってそれぞれ15mmの二等辺三角形とした。次に、発熱シート4を、一辺が139mmの正方形に切断し、底部2の中央に接着剤で貼付した。それぞれ、側壁部3aと3bとの一体化方法として、差し込み方式と貼付方式の2種類を作製した。また、スリット5a、5b、切り抜き部5cがない以外は上記と同じ構成のトレーを作製した。
各トレーに重さが120gで直径が120mm程度の冷凍ピザを収納し、500Wの電子レンジで2分30秒間、加熱調理した後、ピザを収納したまま、底部2の反りを測定した。反りの測定方法としては、平坦な板上にトレーを載せ、底部2の三つの角部8が係る板の表面に付くように、該角部8から側壁部3a、3bに沿って延長した開口端(図1の7)に荷重をかけ、残りの一つの底部2の角部8の浮いた高さを測定する。全ての底部2の角部8について、上記のように3つの角部8に荷重をかけて残りの一つの角部8の浮いた高さを測定し、最も大きい値をもって反りの高さとした。各トレーの反りの高さを表1に示す。
表1に示したように、本体にスリット5a、5b、切り抜き部5cのいずれかを形成した本発明のトレーは、差し込み方式、貼付方式のいずれにおいても、底部2の反りが解消されていた。
1:トレー、2:底部、3a,3b:側壁部、3c:差し込み部、3c’:差し込み部の先端、3d:切り込み部、3d’:切り込み部の凸部、3e:切り欠き部、3f:貼付部、4:発熱シート、5a,5b:スリット、5c:切り抜き部、6a,6b:折り曲げ部、7:荷重をかける位置、8:角部、9:エンボス
Claims (3)
- 多角形の底部及び側壁部とを有する紙製の本体と、前記底部に貼付されたマイクロ波の照射によって発熱する発熱シートと、を備えた電子レンジ用トレーであって、
前記本体が1枚の紙を折り曲げて成形されており、
前記本体が、前記底部の角部近傍において、前記角部を構成する前記底部の一方の端辺から他方の端辺に至る直線状のスリット、前記角部を構成する前記底部の二端辺に沿ったくの字形のスリット、或いは前記直線状のスリットと前記くの字形のスリットを併せ持った三角形状の切り抜き部、のいずれかを有することを特徴とする電子レンジ用トレー。 - 前記底部の側壁部近傍に、前記底部の紙目に対して垂直な直線で形成されたエンボスを有する請求項1に記載の電子レンジ用トレー。
- 前記底部の角部近傍に、格子状に形成されたエンボスを有する請求項2に記載の電子レンジ用トレー。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180055574A (ko) * | 2016-11-17 | 2018-05-25 | 주식회사 액트젠 | 일회용 종이 유아 욕조 |
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JPS6074631U (ja) * | 1983-10-29 | 1985-05-25 | 永妻 信夫 | 保温弁当箱 |
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