JP2013250454A - 蛍光体シート、及び搬送補助部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓄積性蛍光体シートIPの裏面に長手方向に沿って複数のマグネットシート14を配置し、蓄積性蛍光体シートIPを長手方向に曲がり易く構成する。蓄積性蛍光体シートIPは可撓性を有する搬送補助部材16に保持させ、放射線画像情報読取装置を搬送させるが、蓄積性蛍光体シートIPは、マグネットシート14の配置方向が放射線画像情報読取装置の搬送方向と一致するように搬送補助部材16に保持させる。蓄積性蛍光体シートIP及び搬送補助部材16は可撓性を有しており、しかもマグネットシート14は搬送方向に曲がり易いので、湾曲した搬送路を確実に搬送できる。
【選択図】図3
Description
また、特許文献2〜特許文献6には、放射線画像情報読取装置で用いられる蓄積性蛍光体シートが開示されている。
請求項1に記載の蛍光体シートは、基板の裏面に複数のマグネットを配置しているので、例えば、磁性体からなる可撓性を有する湾曲可能な搬送補助部材に保持させることができる。
ところで、基板の裏面全体に1個のマグネットを配置した場合には、基板の曲げ剛性にマグネットの曲げ剛性が加わるため、蛍光体シートの曲げ剛性が高くなり、容易に曲げることが困難となる。
一方、請求項1の蛍光体シートは、複数のマグネットが基板の裏面に配置されているので、蛍光体シートはマグネットの間で容易に曲げることができる。したがって、蛍光体シートを搬送補助部材に保持させて放射線画像情報読取装置内の曲がった搬送路を確実に搬送させることができる。
請求項2に記載の蛍光体シートは、マグネットに可撓性を有するマグネットシートを用いているので、さらに曲がり易くなる。
請求項3に記載の蛍光体シートは、第1の方向に隣り合うマグネットの間に、第1の方向と直交する方向に延びる隙間が設けられているため、蛍光体シートのマグネットとマグネットとの間は第1の方向に曲がり易くなる。
なお、上記隙間は、第1の方向と直交する方向の一端側から他端側を見通すことができるように第1の方向と直交する方向に一直線状に延びていることが好ましい。
請求項4に記載の蛍光体シートは、第1の方向に沿って配列された複数のマグネットからなるマグネット列が、第1の方向と交差する方向に複数列設けられているため、第1の方向と交差する方向のマグネット間が曲がり易くなる。したがって、蛍光体シートは第1の方向と交差する方向にも曲がり易くなる。
請求項5に記載の蛍光体シートでは、複数のマグネットが隙間無く配置されているが、蛍光体シートはマグネットの間で容易に曲げることができる。
また、可撓性を有したマグネットシートに、マグネットシートを横断し、互いに平行に配置される複数の第1の溝を形成したので、可撓性を有するマグネットシートは、第1の溝に沿って更に曲がり易くなる。
このため、蛍光体シートを保持させた搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の湾曲した搬送路で搬送する際、マグネットシートの第1の溝の方向が搬送補助部材の搬送方向と直交するように蛍光体シートを搬送補助部材に保持させることにより、蛍光体シートは搬送補助部材から浮いたり、脱落することなく確実に搬送される。
請求項7に記載の蛍光体シートでは、マグネットシートに第1の溝と交差する方向に延びる第2の溝が複数形成されている。このため、蛍光体シートは第1の溝と交差する方向に更に曲がり易くなる。
請求項8に記載の搬送補助部材は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の蛍光体シートを支持板に保持することができる。この支持板は可撓性を有しているので、蛍光体シートを保持させた搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の湾曲した搬送路で搬送することができる。
また、支持板の少なくとも一方の面には、縁部に沿って支持板よりも軟質な材料から形成される枠部材が設けられているため、枠部材が設けられている支持板の一方の面側のエッジを枠部材で覆うことができる。
したがって、この搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の搬送路で搬送する際、支持板のエッジによる搬送路の損傷を抑えることができる。
なお、支持板の両面に枠部材を設けても良い。これにより、支持板の両面側のエッジが枠部材で覆われ、搬送路の損傷をさらに抑えることができる。
支持板をステンレス板とすることで、支持板からの錆びの発生を防ぐことができ、搬送補助部材の耐久性が向上する。
請求項10に記載の搬送補助部材では、枠部材が蛍光体シートよりも厚く形成されているため、枠部材の設けられている側に蛍光体シートを保持させた搬送補助部材を、例えば、一対の挟持ローラで挟んで搬送する場合、挟持ローラは枠部材に接触して搬送補助部材を搬送するので、蛍光体シートが挟持ローラに接触することは無い。
請求項11に記載の搬送補助部材では、支持板が支持板よりも軟質な材料からなるシート部材で挟持されている。このため、この搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の搬送路で搬送する際、軟質な材料からなるシート部材が搬送路に接触し、支持板のエッジによる搬送路の損傷を抑えることができる。
請求項2に記載の蛍光体シートによれば、マグネットを可撓性を有するマグネットシートとしたので、蛍光体シートを更に曲げ易くすることができる。
請求項3に記載の蛍光体シートによれば、蛍光体シートの第1の方向の曲げ易さを向上することができるため、曲率半径の小さな搬送路も搬送可能となる。
請求項4に記載の蛍光体シートによれば、第1の方向のみならず、第1の方向と交差する方向に湾曲させることも容易となる。このため、蛍光体シートをマグネットシートの第1の方向とは直交する方向に向けて搬送補助部材に保持さることで、搬送補助部材からの脱落を抑えつつ、湾曲した搬送路をスムーズかつ確実に搬送することも可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の蛍光体シートにおいて、前記複数のマグネットは隙間無く配置されているため、マグネットとマグネットの間で蛍光体層及び基板が凹状に変形することが抑制され、放射線画像情報読取装置で蛍光体層の画像を読み取る際に、蛍光体層と放射線画像情報読取装置の読取部分との距離を一定に保つことができ、精度良く画像(輝尽発光光)を読み取ることができる。
また、蛍光体シートに対し、蛍光体層側から放射線が照射された場合、マグネットの配置されている部分では、マグネットに放射線が当ってマグネットからバックスキャタ(backscatter)と呼ばれる二次の放射線(散乱線)が発生する。マグネットとマグネットとの間に隙間が形成されている蛍光体シートにおいては、マグネットが設けられていない部分では、当然ながらマグネットからの二次の放射線は発生しない。マグネットと対向している部分の蛍光体層は、蛍光体層側から照射される放射線とマグネットからの二次の放射線とを受けるため、マグネットと対向していない他の部分の蛍光体層に比較して受ける放射線量が多くなる。
このため、放射線照射後の蛍光体層に励起光が照射されると、マグネットと対向している部分の蛍光体層の輝尽発光光の発光光量が、マグネットと対向していない部分の蛍光体層の輝尽発光光の発光光量に比較して大きくなる場合がある。
その結果、放射線画像情報読取装置で蛍光体層の放射線画像(輝尽発光光)を読み取った際に、放射線画像情報読取装置の画像表示装置(モニタ)に、マグネットと対向している部分とマグネットと対向していない部分とで濃度差が生じる場合、即ち、マグネットの形状が画像に映り込む場合がある。
しかしながら、請求項5に記載の蛍光体シートでは、複数のマグネットが隙間無く配置されているため、上記の様に画像上で濃度差が生じること、即ちマグネットの形状が画像に映り込むことは無い。
なお、マグネットの形状が画像に映り込まなければ、マグネットとマグネットの間に隙間を設けても良いのは勿論である。
請求項6に記載の蛍光体シートによれば、マグネットシートが第1の溝に沿って曲がり易くなっているため、マグネットシートの第1の溝の配列方向(第1の方向)が搬送補助部材の搬送方向と一致するように蛍光体シートを搬送補助部材に保持させることにより、蛍光体シートは搬送補助部材からの浮きや脱落を抑えつつ、湾曲した搬送路をスムーズかつ確実に搬送することができる。
さらに、請求項6に記載の蛍光体シートによれば、マグネットシートが完全に分離されておらず、マグネットシートとマグネットシートとの間の隙間が存在しないため、請求項5に記載の蛍光体シートと同様に、放射線画像情報読取装置の画像表示装置(モニタ)に表示された画像上で濃度差が生じること、即ちマグネットの形状が画像に映り込むことが無い。
請求項7に記載の蛍光体シートによれば、第1の方向と交差する方向に更に曲がり易くなるため、蛍光体シートを保持させた搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の湾曲した搬送路で搬送する際、マグネットシートの第1の溝の方向が搬送補助部材の搬送方向と直交するように蛍光体シートを搬送補助部材に保持させることにより、蛍光体シートを搬送補助部材から浮かせたり、脱落させることなく確実に搬送することができる。
請求項8に記載の搬送補助部材によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の蛍光体シートを可撓性を有する支持板に保持させ、蛍光体シートを保持させた搬送補助部材を放射線画像情報読取装置の湾曲した搬送路で搬送することができる。
また、支持板のエッジを支持板よりも軟質な材料からなる枠部材で覆うことで、支持板のエッジによる搬送路の損傷を抑えることができる。
請求項9に記載の搬送補助部材によれば、支持板からの錆びの発生を防ぐことができ、搬送補助部材の耐久性を向上することができる。
請求項10に記載の搬送補助部材によれば、蛍光体シートが搬送補助部材を搬送する放射線画像情報読取装置の挟持ローラに接触することが防止される。
請求項11に記載の搬送補助部材によれば、支持板のエッジによる放射線画像情報読取装置の搬送路の損傷を抑えることができる。
以下に、本発明の第1実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIP及び搬送補助部材16を説明する。
図1には、蓄積性蛍光体シートIPに記録された放射線画像情報を読み取る放射線画像情報読取装置20の概略構成が縦断面図で示されている。図2(A)には、本実施形態の長方形に形成された蓄積性蛍光体シートIPの下面図が示されており、図2(B)には蓄積性蛍光体シートIPの長手方向(図2(A)の矢印L1方向)側から見た側面図が示されており、図2(C)には蓄積性蛍光体シートIPの拡大断面図が示されている。
図2(A)〜(C)に示すように、蓄積性蛍光体シートIPは、可撓性を有する合成樹脂等からなる基板10を備えている。基板10の一方の面には全体に蓄積性蛍光体層12が付けられている。また、基板10の他方の面には、帯状に形成された永久磁石である複数のマグネットシート14が接着剤等で固定されている。
なお、以後、この蓄積性蛍光体シートIPにおいて、蓄積性蛍光体層12が設けられている側を表面、マグネットシート14が設けられている側を裏面と呼ぶ。
マグネットシート14は、ゴム、合成樹脂等に磁性粉が分散されてなる一般的なものを使用しており、可撓性を有している。
本実施形態のマグネットシート14は、一般的に用いられている片面多極タイプ(片面にN極、及びS極を配置した構造)であり、基板10とは反対側の面にN極、及びS極が配置された保持面とされている。
このように、本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、マグネットシート14とマグネットシート14との間に基板10の幅方向に一直線状に延びる隙間S1が形成されているため、蓄積性蛍光体シートIPは、マグネットシート14の固定されている部分に比較してマグネットシート14の固定されていない部分、即ち、マグネットシート14とマグネットシート14との間において、蓄積性蛍光体シートIPの長手方向の曲げ剛性が低くなっている。
なお、基板10の裏面全体に一枚のマグネットシート14を貼り付けた場合には全体的に曲げ剛性が高くなって曲がり難くなるが、本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPは、前述した様にマグネットシート14とマグネットシート14との間で曲げ剛性が低くなっているため、基板10の裏面全体に1枚のマグネットシート14を貼り付けた場合に比較して蓄積性蛍光体シート長手方向に曲げ易い構成となっている。
なお、この蓄積性蛍光体シートIPは、マグネットシート14の配置方向、即ち、蓄積性蛍光体シートIPの長手方向(矢印L1方向)が後述する放射線画像情報読取装置20における搬送方向となるように用いられる。
本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPは、以下に説明する搬送補助部材16に保持させて放射線画像情報読取装置20の内部を搬送させる。
図3(A),(B)に示すように、搬送補助部材16は、蓄積性蛍光体シートIPのマグネットシート14を保持する磁性体からなる可撓性を有する長方形の薄い支持板18を備えている。支持板18は、例えば、ステンレス板、鉄板等の磁性体から形成することができる。本実施形態では、支持板18に厚さ0.1mmのステンレス板を用いているが、メッキ等を施した鉄板を用いても良い。また、支持板18の厚さも0.1mmに限定されるものではない。
支持板18の一方の面には、可撓性を有する板材からなる枠部材19が支持板18の外周に沿って配置されている。
本実施形態の枠部材19は、合成樹脂板から形成されており、外周端部19Aが支持板18の外周端部18Aと同一面を構成するように接着剤等を用いて支持板18の一方の面に固着されている。なお、以後、搬送補助部材16において、支持板18の枠部材19の貼り付けられている一方の面を表面と呼ぶ。
このよう、支持板18の表面側に枠部材19を貼り付けることにより、図3(B)に示すように支持板18の表面側の表面外周部が枠部材19で覆われることになる。なお、枠部材19の外周部は、支持板18の外周部よりも外側に突出していても良い。
本実施形態では、搬送補助部材16の長手方向(矢印L2方向)が、放射線画像情報読取装置20における搬送方向に決められている。
図1に示すように、放射線画像情報読取装置20の外形を構成する筐体30の上部には、操作部およびモニタの機能を有するタッチパネル32が設けられ、タッチパネル32の下方には、複数、例えば、4個のカセッテ34を着脱自在なカセッテ装填部36a〜36dが設けられる。
カセッテ34は、蓄積性蛍光体シートIPを収容する長方形のケース40と、ケース40の開口部42を開閉自在とする蓋体44とを有する。
カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34を載置するための支持台46が各々設けられるとともに、筐体30の内部を遮光するためのシャッター部材48が開閉自在に各々配置される。また、カセッテ装填部36a〜36dには、カセッテ34の位置を固定するカセッテ位置固定機構(図示せず)と、カセッテ34の蓋体44を開閉させる蓋体開閉機構(図示せず)とが組み込まれる。
さらに、カセッテ装填部36a〜36dの内部には、カセッテ装填部36a〜36dの任意の1個に対応して配置され、任意のカセッテ34から蓄積性蛍光体シートIPを取り出す一方、読み取り消去後の蓄積性蛍光体シートIPをカセッテ34内に戻す昇降枚葉部50が装着される。昇降枚葉部50は、蓄積性蛍光体シートIPを一枚ごと搬送するためのローラを含むシート体枚葉機構52と、シート体枚葉機構52を上下方向(矢印A方向)に昇降自在な昇降機構54とを備える。
読取搬送路70は、湾曲して上方向に延在した後、水平方向に延在する退避搬送路94に連続している。また、読取搬送路70と退避搬送路94との間には、消去搬送路96の一端が連続されている。消去搬送路96は、他端がメイン搬送路60に連続しており、退避搬送路94から搬送された蓄積性蛍光体シートIPを保持させた搬送補助部材16をメイン搬送路60に供給する。
励起光走査ユニット64は、図示しないレーザ光源から出力された励起光Lを、ポリゴンミラー等によって矢印Y方向と直交する方向に偏向して蓄積性蛍光体シートIPに導いて走査する走査光学系72を有する。励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPからは、放射線画像情報を含む輝尽発光光が出力される。
上部読取ユニット66は、下端部の入射面が第1および第2ローラ対80、82間に近接して配置されるアクリル板等の透明体からなる集光ガイド84と、集光ガイド84の上端部の出射面に接続されるフォトマルチプライア等からなる光電変換器86とから構成される。
また、集光ガイド84の入射面に近接して、輝尽発光光Rを入射面に効率的に導くため、集光ミラー88が配設される。光電変換器86は、集光ガイド84を介して導入された輝尽発光光を電気信号に変換する。
これは、蓄積性蛍光体シートIPを保持させた搬送補助部材16が搬送路を移動した際に、蓄積性蛍光体シートIPのマグネットシート14の磁力線によって光電変換器86が影響を受けないようにするためである。
以下に、本実施形態の蓄積性蛍光体シートIP及び搬送補助部材16の使用方法について説明する。
先ず、図3に示すように、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートIPを、搬送補助部材16の枠部材19の内側に位置する支持板18の表面に貼り付ける。
このとき、蓄積性蛍光体シートIPのマグネットシート14が搬送補助部材16の支持板18に保持するように、マグネットシート14を支持板18の表面に対向させて保持させるが、本実施形態では、蓄積性蛍光体シートIPを支持板18に保持させる向きが重要となる。
したがって、図3(A)に示すように、マグネットシート14の配列方向(矢印L1方向)が搬送補助部材16の長手方向(矢印L2方向)となるように蓄積性蛍光体シートIPを搬送補助部材16の支持板18に保持させる。
その後、蓄積性蛍光体シートIPを下側に向けた搬送補助部材16を、カセッテ34に収容し、そのカセッテ34をカセッテ装填部36a〜36dに装填する(図1参照)。
カセッテ装填部36a〜36dに装填されたカセッテ34は、カセッテ34の位置を固定する機構によってその位置が固定された後、カセッテ34の蓋体44が開かれ、昇降枚葉部50によって蓄積性蛍光体シートIPがカセッテ34から枚葉される。枚葉された蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60によって搬送され、読取搬送路70に供給される。
一方、読取搬送路70の上部に配設された励起光走査ユニット64は、図示しないレーザ光源から出力された励起光Lをポリゴンミラー等によって主走査方向(副走査方向と直交する方向。図1の紙面裏表方向)に偏向し、蓄積性蛍光体シートIPの蓄積性蛍光体層12を走査する。励起光Lが照射された蓄積性蛍光体シートIPの蓄積性蛍光体層12は、放射線画像情報を含む輝尽発光光を出力する。
蓄積性蛍光体シートIPの蓄積性蛍光体層12から出力された輝尽発光光は、上部読取ユニット66を構成する集光ガイド84の入射面に直接入射し、あるいは、集光ミラー88によって反射されて入射面に入射した後、出射面から光電変換器86に導かれ、電気信号に変換される。
光電変換器86によって得られた放射線画像情報に係る電気信号は、制御回路92、ネットワークを介して外部の画像情報処理装置に転送される。
消去搬送路96に供給された蓄積性蛍光体シートIPには、消去ユニット122を構成する消去光源126から消去光Qが蓄積性蛍光体層12に照射され、蓄積性蛍光体層12に残存する放射線画像情報が消去される。消去後の蓄積性蛍光体シートIPは、メイン搬送路60を介して昇降枚葉部50まで搬送された後、所望のカセッテ34に戻される。
図4(A)に示すように、枠部材19の厚みt1を、蓄積性蛍光体シートIPの厚みt2よりも厚く設定することで、蓄積性蛍光体シートIPと第1ローラ対80との接触を回避することができる。
本実施形態の放射線画像情報読取装置20では、搬送補助部材16の搬送路に湾曲している部分(図1において、矢印a〜dで指し示す部分)があるが、蓄積性蛍光体シートIP、及び搬送補助部材16が可撓性を有しているため、例えば、図4(B)に示すように、蓄積性蛍光体シートIPを貼り付けていた搬送補助部材16を湾曲した搬送路で搬送することができる。
したがって、搬送補助部材16に保持している蓄積性蛍光体シートIPは、湾曲した搬送路を搬送中に、搬送補助部材16から浮いたり、剥がれ落ちたりすることが抑えられ、曲率半径の小さな湾曲した搬送路においても確実に搬送することができる。
なお、湾曲した搬送路を搬送する際、図4(B)に示すように、湾曲した搬送路に対応して、搬送方向(矢印Y方向)に沿って複数個のマグネットシート14が間隔を開けて配置されるように、マグネットシート14の搬送方向に沿った方向の幅、及びピッチを設定することが好ましい。
このように、本実施形態の蓄積性蛍光体シートIP及び搬送補助部材16によれば、画像読取から画像消去終了まで、蓄積性蛍光体シートIPをマグネットシート14で搬送補助部材16に対して確実に保持させておくことができ、また、蓄積性蛍光体シートIPはマグネットシート14で搬送補助部材16に保持させているので、画像消去終了後の蓄積性蛍光体シートIPは搬送補助部材16から容易に剥がすことが出来る。
本実施形態のように、可撓性を有する搬送補助部材16、及び搬送方向に沿って曲がり易く構成された本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPを用いることで、放射線画像情報読取装置20の搬送路の曲率半径をより小さくすることが可能となり、放射線画像情報読取装置20を更に小型化することも可能となる。
なお、本実施形態のマグネットシート14は片面多極タイプであり、基板10とは反対側の面が保持面とされており、蓄積性蛍光体層側には磁極が無いため、蓄積性蛍光体層12の表面に鉄粉等の磁性体屑が付着し難い構成となっている。
上記実施形態の搬送補助部材16では、支持板18の一方の面(表面)のみに枠部材19が固着されていたが、支持板18の裏表両面に枠部材19を固着しても良い。これにより、支持板18の裏面側のエッジによってローラ表面が傷付くことが防止できる。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
以下に、図5乃至図15にしたがって、蓄積性蛍光体シートIPの第2〜第13実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一構成を付し、その説明は省略する。
上記第1実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、図2(A)に示すように、基板10の幅方向(矢印W1方向))に延びる帯状のマグネットシート14が基板10の長手方向(矢印L1方向)に沿って一定の間隔を開けて固定されていたが、図5の第2実施形態で示すように、長方形のマグネットシート14を、基板10の長手方向(矢印L1方向)に複数並べたマグネットシート列15を、基板10の幅方向(矢印W1方向))に隙間S2を開けて複数列設けても良い。
また、蓄積性蛍光体シートIPは、図6の第3実施形態で示すように、正方形のマグネットシート14を基板10の長手方向及び幅方向に間隔を開けてマトリクス状に配置しても良い。
また、図6の第3実施形態で示すように、マグネットシート14のサイズを小さくし、かつマグネットシート14の個数を増やす構成とすることで、蓄積性蛍光体シートIPの曲げ剛性の方向性が減少、ないし無くなり、蓄積性蛍光体シートIPを搬送補助部材16の支持板18に貼り付ける際に、蓄積性蛍光体シートIPの向きと搬送補助部材16の長手方向(搬送方向)とを一致させなくても良くなるようにも出来る。
図7の第4実施形態で示す蓄積性蛍光体シートIPは、六角形のマグネットシート14を基板10の長手方向に並べたマグネットシート列を、基板10の幅方向(矢印W1方向))に複数列設けている。この蓄積性蛍光体シートIPでは、基板10の幅方向に隣接するマグネットシート列が、基板10の長手方向に位相をずらして配置されており、マグネットシート14の密度が高くなるように配置されている。第4実施形態の蓄積性蛍光体シートIPにおいても、長手方向及び幅方向に曲げ易くなっている。
上記第1〜5の実施形態では、蓄積性蛍光体シートIPの基板10に可撓性を有するマグネットシート14を固着した例を説明したが、可撓性を有するマグネットシート14に代えて、小サイズの薄い金属製のマグネットを基板10に複数固着しても良い。金属製のマグネットは剛性が高く湾曲した搬送路では曲がらないため、出来るだけ小型のものを用い、例えば、図6に示すようにマトリクス状に配置することが好ましい。
なお、金属製のマグネットは、磁力の大きい希土類のマグネットを用いることが好ましい。金属製のマグネットは、マグネットシート14に比較して磁力が強いため、蓄積性蛍光体シートIPの基板10に固着する数を減らすことも可能である。
金属製のマグネットのサイズ、及び配置間隔は、蓄積性蛍光体シートIPが容易に曲がるようなサイズ及び配置間隔に設定しなければならない事は勿論である。また、金属製のマグネットも、マグネットシート14と同様に互いに隙間を開けてランダムに配置することもできる。
また、搬送路の湾曲している部分で蓄積性蛍光体シートIPが搬送補助部材16の支持板18から浮いたり、脱落しないようにするためには、可能な限り磁力の大きなマグネットシート14を用いることは言うまでも無い。
上記実施形態では、蓄積性蛍光体シートIPの形状が長方形であったが、蓄積性蛍光体シートIPの形状は用途によって種々変更することができる。
図9には、裏面に複数のマグネットシート14が固着された種々の形状に形成された第6〜9の実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPa〜dが示されている。
第6実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPaは正方形であり、第7実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPbは長方形であり、第8実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPcは三角形であり、第9実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPdは帯状である。
蓄積性蛍光体シートIPの形状は、図9に示す形状のものに限らず、図示はしないが、円形、楕円形、多角形等その他の形状であっても良く、本発明において蓄積性蛍光体シートIPの形状は限定されない。
何れの形状の蓄積性蛍光体シートIPであっても、マグネットシート14の配列方向が搬送方向(搬送補助部材16の長手方向L2)となるように、蓄積性蛍光体シートIPを搬送補助部材16の支持板18に保持させる。
マグネットシート14の表面には、蓄積性蛍光体シートIPの長手方向(矢印L1方向)に沿って延びる複数の第1の溝22が、蓄積性蛍光体シートIPの幅方向(矢印W1方向)に一定の間隔を開けて形成されると共に、幅方向に沿って延びる第2の溝24が、長手方向に一定の間隔を開けて形成されている。
本実施形態の第1の溝22、及び第2の溝24は、断面形状がV字状であるが、図11(A)及び図11(B)に示すように、U字状、矩形状等他の形状であっても良い。 これら第1の溝22、及び第2の溝24は、平坦なマグネットシート14の表面を彫刻刀の様なカッターを用いて形成することができる。
第1の溝22及び第2の溝24の幅及び深さ、溝の間隔等を調整することで、蓄積性蛍光体シートIPの曲げ剛性を調整することができる。
なお、図10に示す第10実施形態に係る蓄積性蛍光体シートIPのマグネットシート14には、互いに直交する第1の溝22及び第2の溝24を複数形成したが、図12の平面図で示す第11実施形態の蓄積性蛍光体シートIPように、第1の溝22及び第2の溝24に対して傾斜する断面略V字形状の第1の傾斜溝25及び第2の傾斜溝27を複数形成しても良い。これにより、蓄積性蛍光体シートIPは長手方向及び幅方向のみならず、長手方向及び幅方向と傾斜する方向にも曲がり易くなる。
図3の第1実施形態に示す搬送補助部材16では、支持板18の表面に合成樹脂板からなる枠部材19を貼り付けることで搬送路のローラの損傷を抑える構成としたが、図13の第12実施形態で示すように、支持板18の両面全体に、支持板18よりも軟質な材料、例えば、合成樹脂からなる薄いシート部材21を貼り付け、シート部材21の外周端部21Aが支持板18の外周端部18Aと同一面を構成するように接着剤等を用いて支持板18の両面に固着しても良い。これにより、第1実施形態と同様に、支持板18のエッジによる搬送路のローラの損傷を抑えることができる。
図14及び図15に示すように、本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、基板10の裏面側全体に複数枚(本実施形態では8枚)の矩形のマグネットシート14が互いに隙間無く接するように貼り付けられている。マグネットシート14の境界線SLは、蓄積性蛍光体シートIPの長手方向(矢印L1方向)に延びる境界線SL1と、幅方向(矢印W1方向)に延びる境界線SL2とがある。
本実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、マグネットシート14とマグネットシート14との間(境界線SL2の部分)で曲がり易くなっているため、前述した実施形態と同様に、蓄積性蛍光体シートIPは湾曲した搬送路に追従して湾曲し、搬送補助部材16から浮き上がることが抑えられる。
第13実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、基板10の裏面側全体に8枚のマグネットシート14を貼り付けていたが、基板10に貼り付けるマグネットシート14の枚数は8枚に限らず、湾曲した搬送路での曲がり易さを考慮して更に搬送方向の枚数を増やしても良い。
第13実施形態の蓄積性蛍光体シートIPでは、隣り合うマグネットシート14の端部同士を接触させていたが、図16に示す第14実施形態の蓄積性蛍光体シートIPに示すように、マグネットシート14とマグネットシート14とを若干(例えば1mm未満〜数mm程度)離しても良い。
このため、マグネットシート14とマグネットシート14との間に隙間S1を設ける場合、少なくとも読取搬送路70の放射線画像情報を読み取る部分で、蓄積性蛍光体層12が凹状に撓まないように、マグネットシート14の間隔、及び基板10の剛性等を考慮する必要がある。
なお、第10実施形態(図10参照)、第11実施形態(図12参照)の様に基板10の裏面側全体に1枚のマグネットシート14を貼り付けた蓄積性蛍光体シートIPを用いたり、第13実施形態(図14参照)の様に、複数枚のマグネットシート14を互いに隙間無く設けた蓄積性蛍光体シートIPを用いれば、蓄積性蛍光体層12を凹状に撓まないようにすることが容易に可能となる。
マグネットシート14とマグネットシート14との間に隙間S1が形成されている蓄積性蛍光体シートIPにおいては、マグネットシート14が設けられていない部分では、当然ながらマグネットシート14からの二次の放射線xは発生しない。
マグネットシート14と対向している部分の蓄積性蛍光体層12は、放射線Xと二次の放射線xとを受けるため、マグネットシート14と対向していない他の部分の蓄積性蛍光体層12に比較して受ける放射線量が多くなる。
このため、放射線照射後の蓄積性蛍光体層12に励起光Lが照射されると、マグネットシート14と対向している部分の蓄積性蛍光体層12の輝尽発光光の発光光量が、マグネットシート14と対向していない部分の蓄積性蛍光体層12の輝尽発光光の発光光量に比較して大きくなる場合がある。
このため、マグネットシート14からの二次の放射線xが大きい場合には、放射線画像情報読取装置20のモニタに映し出される画像として、例えば、図18(B)に示すように、濃度が濃い領域A1(マグネットシート14と対向している部分)と濃度が薄い部分A2とが生じる場合がある、即ち、マグネットシート14の形状が画像に映り込む場合がある。
マグネットシート14の形状が画像に映り込まないようにするには、例えば、 第10実施形態(図10参照)、第11実施形態(図12参照)の様に基板10の裏面側全体に1枚のマグネットシート14を貼り付けた蓄積性蛍光体シートIPを用いたり、第13実施形態(図14参照)の様に、複数枚のマグネットシート14を互いに隙間無く設けた蓄積性蛍光体シートIPを用いれば良い。
なお、マグネットシート14の形状が画像に映り込まなければ、マグネットシート14とマグネットシート14の間に隙間S1を設けても良いのは勿論である。
12 蓄積性蛍光体層(蛍光体層)
14 マグネットシート(マグネット)
15 マグネットシート列
16 搬送補助部材
S1 隙間
18 支持板
19 枠部材
21 シート部材
22 第1の溝
24 第2の溝
IP 蓄積性蛍光体シート(蛍光体シート)
IPa 蓄積性蛍光体シート(蛍光体シート)
IPb 蓄積性蛍光体シート(蛍光体シート)
IPc 蓄積性蛍光体シート(蛍光体シート)
IPd 蓄積性蛍光体シート(蛍光体シート)
Claims (11)
- 可撓性を有する基板と、
前記基板の表面に形成された蛍光体層と、
前記基板の裏面に設けられた複数のマグネットと、
を有する蛍光体シート。 - 前記マグネットは、可撓性を有するマグネットシートである、請求項1に記載の蛍光体シート。
- 前記複数のマグネットは第1の方向に沿って配置され、
前記第1の方向に隣り合う前記マグネットの間には、前記第1の方向と直交する方向に延びる隙間が設けられている、請求項1または請求項2に記載の蛍光体シート。 - 前記第1の方向に沿って配列された複数の前記マグネットからなるマグネット列が、前記第1の方向と交差する方向に複数列設けられている、請求項3に記載の蛍光体シート。
- 前記複数のマグネットは隙間無く配置されている、請求項1または請求項2に記載の蛍光体シート。
- 可撓性を有する基板と、
前記基板の表面に形成された蛍光体層と、
前記基板の裏面に設けられる可撓性を有するマグネットシートと、
前記マグネットシートを横断し、互いに平行に配置される複数の第1の溝と、
を有する蛍光体シート。 - 前記マグネットシートには、前記第1の溝と交差する方向に延びる第2の溝が複数形成されている、請求項6に記載の蛍光体シート。
- 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の蛍光体シートを保持する可撓性を有する支持板と、
前記支持板の少なくとも一方の面に前記支持板の縁部に沿って設けられ、前記支持板よりも軟質な材料から形成される枠部材と、
を有する搬送補助部材。 - 前記支持板はステンレス板である、請求項8に記載の搬送補助部材。
- 前記枠部材は、前記蛍光体シートよりも厚く形成されている、請求項8または請求項9に記載の搬送補助部材。
- 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の蛍光体シートを保持する可撓性を有する支持板と、
前記支持板よりも軟質な材料から構成され、前記支持板を挟持するシート部材と、
を有する搬送補助部材。
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