JP2013249999A - 塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝縮した溶媒を凝縮板から円滑に排出し、乾燥の生産性を向上させるとともに、乾燥の均一性を得る。
【解決手段】塗布膜の乾燥装置1は、基板f1上の塗布膜f2と対面する凝縮板11を備え、当該凝縮板11により塗布膜f2からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する。凝縮板11は、凝縮面11aが親水化処理及び/又は撥水化処理されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子や有機薄膜太陽電池等における有機薄膜の成膜方法として、真空プロセスを必要とせず、連続生産が容易であることから、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法等のウェットプロセスによる塗布方法が注目されている。しかしながら、ウェットプロセスによれば、塗布膜を乾燥する工程において乾燥ムラが生じることがあり、均一な膜厚を得ることが難しい。要因の1つとして、溶解度を上げるために、塗布液の溶媒として揮発性の高い有機溶剤が用いられることが挙げられる。
従来、均一な乾燥が可能な乾燥方法として、塗布膜面に凝縮板を対面させ、凝縮板により塗布膜中の溶媒の蒸気を凝縮させる乾燥方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この乾燥方法によれば、対流を用いずに、凝縮板と塗布膜間の距離とそれぞれの表面温度とを制御することによって、精密な乾燥が可能である。
上記特許文献1には、凝縮板にスリットを形成し、凝縮した溶媒をスリットの毛管力を利用して凝縮板から排出する例が開示されている。
特表2003−524847号公報
しかしながら、スリットだけでは溶媒の排出に限界がある。乾燥の生産性を向上させるため、乾燥速度を上げると、スリットによる溶媒の排出が溶媒の凝縮に追いつかずに溶媒の液滴が再び塗布膜に付着することがあり、均一な膜厚を得ることが難しかった。
本発明の課題は、凝縮した溶媒を凝縮板から円滑に排出し、乾燥の生産性を向上させるとともに、乾燥の均一性を得ることである。
請求項1に記載の発明によれば、
基板上の塗布膜と対面する凝縮板を備え、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
前記凝縮板は、凝縮面が親水化処理及び/又は撥水化処理されている塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記凝縮面は、濡れ性勾配を有する請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記濡れ性勾配は、親水層と撥水層の濡れ性勾配である請求項2に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記凝縮面は、前記親水層の領域に対する前記撥水層の領域の面積の割合が傾斜するように、前記親水層と前記撥水層の領域がパターン化され、親水層と撥水層の濡れ性勾配を有する請求項3に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記凝縮面は、平面状である請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記凝縮面は、スリットが形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
基板上の塗布膜と凝縮板を対面させ、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥方法において、
前記凝縮板として、凝縮面が親水化処理及び/又は撥水化処理されている凝縮板を用いる塗布膜の乾燥方法が提供される。
本発明によれば、凝縮面における溶媒の流動性を向上させることができる。凝縮した溶媒を凝縮板から円滑に排出することができ、さらなる溶媒の凝縮を促進して乾燥の生産性を向上させることができる。また、溶媒の排出は円滑であり凝縮を妨げないため、塗布膜への溶媒の再付着を防ぐことができ、乾燥の均一性を得ることができる。
本実施の形態に係る塗布膜の乾燥装置が用いられた製造ラインを示す図である。 基板の搬送方向から見た乾燥装置の正面図である。 薄膜形成装置の概略構成図である。 撥水層と親水層の濡れ性勾配の一例を示す。 撥水層と親水層の濡れ性勾配の一例を示す。 撥水層の下部に2つの電極を備えた凝縮板の構造を示す断面図である。 図5aのz1−z1線から見た凝縮板全体の上面図である。 実施例に係る凝縮板Aの作製過程を示す断面図である。 実施例に係る凝縮板Aの作製過程を示す断面図である。 実施例に係る凝縮板Aの作製過程を示す断面図である。 撥水層のパターン化に用いられたレジストパターンを示す上面図である。 撥水層のパターン化の過程を示す断面図である。 撥水層のパターン化の過程を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の塗布膜の乾燥装置及び乾燥方法の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る塗布膜の乾燥装置1が用いられた製造ライン例を示している。
図1に示す製造ラインは、ローラー22、23によって把持され、搬送される基板f1上に、塗布装置3により有機層の塗布液を塗布し、乾燥装置1によりその塗布膜を乾燥する。
なお、乾燥装置1より後に、残留溶媒の除去等を目的として、後処理用の乾燥装置を設置してもよい。その乾燥方法としては、特に限定されず、例えば熱風、赤外線、平面加熱等の固体伝熱乾燥、マイクロ波等を用いた内部発熱乾燥、真空乾燥、超臨界乾燥、超音波乾燥等の固定非加熱系乾燥、吸湿乾燥、冷却乾燥、凝縮乾燥等の気体乾燥のような公知の方法を選択することができる。
基板f1は、塗膜の対象物である。基板f1として、金属、ガラス基板、樹脂フィルム等の可撓性材料からなる基材や、基材自体を塗膜するときは基材の支持体等が用いられる。基板f1上にはいくつかの有機層が既に形成されていてもよい。
基板f1は、アンワインダー21によって塗布装置3に送り出され、塗布、乾燥後に、ワインダー24によって巻き取られる。
塗布装置3は、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法に代表されるようなウェットプロセスの他、スリット型ダイコーターを用いたスロット法、ESD(Electro Spray Deposition)法、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra-ditule Solution)法等によって、塗布液を塗布する。溶媒を含む塗布液を塗布できるのであれば、塗布装置3の塗布方法は特に限定されない。
連続的に搬送される基板f1上に塗布する方法として、必要な膜厚の塗布膜を形成するのに必要な量より余分に塗布液を塗布し、その後、余剰分を除去する後計量型と、必要な量だけ塗布液を塗布する前計量型とが知られている。何れの塗布方法も適用可能であるが、塗布の高精度、高速化、薄膜化、塗布膜の品質向上、積層への適性等の観点から、前計量型が好ましい。また、塗布液の暴露抑制、濃度変化の抑制、クリーン度の維持、異物の混入防止という観点から、閉じた系であることが好ましい。そのため、上記塗布方法のなかでも、スリット型ダイコーターを用いたスロット法、スプレー法、インクジェット法が好ましい。
塗布液は、有機材料を溶媒に溶解又は分散させて調製することができる。
陽極と陰極間に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の有機層が順に積層された有機EL素子の場合、正孔輸送層の有機材料として、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマーが挙げられる。
発光層の有機材料としては、繰り返し単位を持たない低分子化合物でも、繰り返し単位を持つ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基等の重合性基を有する低分子化合物でもよい。
具体的には、発光層の有機材料として、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有する化合物、カルボリン誘導体、ジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換された誘導体を表す。)等が挙げられる。
また、発光層の有機材料として燐光性化合物も挙げられる。燐光性化合物は、元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物、希土類錯体等が挙げられる。
電子輸送層の有機材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
有機EL素子以外にも、塗布装置3は、太陽電池、トランジスター、メモリー、センサー等の有機層を形成することができる。そのような有機材料としては、ポリチオフェン等の導電性高分子の他、ペンタセン、ナフタレン等が挙げられる。
塗布液に用いられる溶媒としては、溶質である有機材料にもよるが、例えば純水、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン等のハロゲン系、キシレン、トルエン、へキサン、シクロヘキシルベンゼン、アニソール等の芳香族炭化水素系、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル等のエステル系、ジエチルエーテル、ジメチルスルホスキド等が挙げられる。
塗布液は、塗布範囲を制御する目的や、塗布後の表面張力勾配に伴う液流動(例えば、コーヒーリングと呼ばれる現象を引き起こす液流動)を抑制する目的に応じて、界面活性剤や複数種の溶媒を含有することができる。
界面活性剤としては、溶媒に含まれる水分の影響、レベリング性、基板f1への濡れ性等の観点から、例えばアニオン性又はノニオン性の界面活性剤等が挙げられる。具体的には、含フッ素系活性剤等、国際公開第08/146681パンフレット、特開平2−41308号公報等に挙げられた界面活性剤を用いることができる。
塗布膜の膜厚は、有機層として必要とされる機能と有機材料の溶解度又は分散性により、適宜選択することができる。膜厚が大きいほど流動による乾燥ムラが発生しやすく、均一な乾燥が可能な乾燥装置1の有用性は大きい。
塗布膜の膜厚としては、具体的には1〜90μmの範囲内であることが好ましい。
塗布膜の粘度についても、膜厚と同様に、有機層として必要とされる機能と有機材料の溶解度又は分散性により、適宜選択することができる。粘度が低いほど流動による乾燥ムラが発生しやすく、均一な乾燥が可能な乾燥装置1の有用性は大きい。
塗布膜の粘度としては、具体的には0.3〜100mPa・sの範囲内であることが好ましく、0.5〜10mPa・sの範囲内であることが好ましい。
〔乾燥装置〕
乾燥装置1は、基板f1上の塗布膜が含有する溶媒の蒸気を凝縮し、塗布膜を乾燥する。
乾燥装置1は、塗膜後すぐに乾燥できるように、塗布装置3の直後に設置されることが好ましい。塗膜から乾燥までの間、周囲の気流や乾燥装置1において生じる自然対流の影響があるが、塗膜後すぐに乾燥を開始することにより、気流の影響による乾燥ムラを防ぐことができる。搬送速度にもよるが、塗膜から乾燥までの時間は、30秒以内であることが好ましく、10秒以内であることがより好ましい。なお、塗布装置3から乾燥装置1までの間、周囲の気流の遮断手段として遮断板を設けることもできるし、塗布膜上で気流が生じないように、周囲の気流の整流手段として整流板や整流用のファンを設けることもできる
図2は、乾燥装置1内部を基板f1の搬送方向yから見た正面図である。
乾燥装置1は、図1及び図2に示すように、基板f1上の塗布膜f2と対面する凝縮板11を備え、当該凝縮板11により塗布膜f2からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する。凝縮板11は固定的に配置されてもよいし、ローラーにより搬送される構成でもよい。
また、乾燥装置1は、基板f1と対面して配置された加熱装置12を備えている。加熱装置12は、基板f1を介して塗布膜f2を加熱し、溶媒の蒸発を促す。加熱方法は特に限定されず、例えば熱風(加熱ガス)、赤外線、UV、平面加熱等の伝熱による加熱、マイクロ波による電気抵抗を用いた内部加熱等の加熱方法が挙げられる。
凝縮板11は、凝縮の鈍化を防ぐ観点から、熱容量が大きい材料が用いられていることが好ましい。溶媒を凝縮させるためには、凝縮面11aを低温に維持する必要がある。熱容量が大きい凝縮板11を用いることにより、加熱装置12の加熱によって塗布膜f2から放射熱が生じた場合でも、凝縮面11aの温度上昇を抑制し、凝縮の鈍化を防ぐことができる。
具体的には、熱容量が2700kJ/m・K以上であることが好ましく、大きいほどよい。
凝縮板11は、凝縮面11aが親水化処理及び/又は撥水化処理されている。凝縮面11aとは、塗布膜面f2aと対面し、塗布膜f2からの溶媒が凝縮する凝縮板11の表面をいう。塗布膜面f2aは、塗布膜f2の表面である。これにより、凝縮面11a上に凝縮した溶媒の流動性が向上し、凝縮面11aから溶媒を円滑に排出することができる。溶媒の排出によって、さらなる凝縮を促進することができ、乾燥速度を上げて乾燥の生産性を向上させることができる。また、溶媒の排出は円滑であり凝縮を妨げないため、塗布膜への溶媒の再付着を防ぐことができ、乾燥の均一性を得ることができる。
親水化処理としては、コロナ放電、プラズマ照射、紫外線照射等のように、凝縮面11aの濡れ性を高める処理、濡れ性の高いシートを貼付する処理、親水性材料の蒸着、塗布等によって親水層を形成する処理等が挙げられる。親水性材料としては、例えばSiO2、In、ZnO、Au、Ag、Al等が挙げられる。
撥水化処理としては、撥水性材料の蒸着、塗布等によって撥水層を形成する処理が挙げられる。撥水性材料としては、フッ素樹脂、シラン化合物等が挙げられる。例えば、特開2005−343016号公報、特開2000−254582号公報に記載されているように、フルオロアルキル基、アルキル基等を有するシラン化合物等の撥水性材料を、フローコーティング法、ディップコーティング法等によって塗布する処理を用いることができる。また、特開2005−23122号公報に記載されているように、撥水撥油性を持つポリフロオロアルキル基を有する重合体を用いて作製されたハニカム構造又はピラー構造のフィルムを凝縮面11aに貼付してもよい。
上記親水層、撥水層は、大気圧プラズマ法によって形成することもできる。大気圧プラズマ法は、大気圧下で反応ガスを励起してプラズマを発生させ、励起した反応ガスに材料ガスを混合して基材上にさらすか、スパッターし、薄膜を形成する方法である。大気圧プラズマ法によれば、凝縮面11a全体において均一な薄膜形成が可能となる。
反応ガスとしては、例えば窒素、希ガス、空気等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、混合して用いることもできる。反応ガスは、水素、酸素、炭化水素、窒素酸化物、アンモニア又は水等を補助ガスとして、反応ガスに対して0.001〜30.000体積%含有することもできる。
材料ガスは、親水性材料又は撥水性材料を、気化器等により気化して得ることができる。
図3は、大気圧プラズマ法を用いた薄膜形成装置5の一例を示している。
薄膜形成装置5は、左右対称に配置された2つの励起部6を備えている。励起部6は、電源51に接続された電極61、アース接地された電極62を備えている。また、励起部6は、電極62に接続されて電極61と対向配置された誘電体63を備え、電極61と誘電体63間に放電空間を形成している。2つの電極61間の領域は、材料ガス53の流路である。反応ガス52は、放電空間に導入されて励起された後、放電空間を抜けて材料ガス53の流路に合流する。励起した反応ガス52と材料ガス53の混合ガスが、凝縮面11a上にさらされると、凝縮面11a上に親水層又は撥水層の薄膜13が形成される。
凝縮面11aは、濡れ性勾配を有することが好ましい。濡れ性勾配により、溶媒の液滴の接触角を部分的に異ならせることができ、この接触角の差異により液滴に駆動力を与えることができる。溶媒の流動性がより大きくなり、自発的に長距離移動させることができる。
濡れ性勾配は、親水層と撥水層の濡れ性勾配であることができ、そのような親水層、撥水層を上記親水化処理、撥水化処理により形成することができる。例えば、凝縮面11aを親水化処理及び撥水化処理して、親水層と撥水層の濡れ性勾配を形成することもできるし、凝縮板11に親水性の金属を用いて凝縮面11aを親水層とし、この親水層上を部分的に撥水化処理して撥水層を形成し、親水層と撥水層の濡れ性勾配を形成することもできる。
そのような濡れ性勾配を有する凝縮面11aは、親水層の領域に対する撥水層の領域の面積の割合が、凝縮面11aの端部に向けて傾斜するように、親水層と撥水層の領域がパターン化されていることが好ましい。
例えば、図4aに示すように、撥水層131と親水層132の領域を互いに噛み合う楔形にパターン化する。これにより、凝縮面11aの一端から他端に向けて撥水層131から親水層132へと徐々に変化する濡れ性勾配を形成することができる。親水層132、撥水層131ともに、パターン幅w1は1〜200μmの範囲内で適宜選択することができる。
図4bに示すように、図4aに示した楔形パターンを左右対称にパターン化することにより、凝縮面11aの中央部から両端部へ向けて濡れ性勾配を形成することができる。
パターン化に限らず、上述の大気圧プラズマ法によれば、撥水層から親水層へ徐々に変化するようなグラデーションの濡れ性勾配を形成することができる。
濡れ性勾配は、電気的引力により形成することもできる。この方法はEWOD(ElectroWetting On Dielectric)法として知られている。EWOD法は、撥水層の下部に電極を設けて電圧を印加し、電気的引力を発生させて濡れ性勾配を形成する。
図5aは、EWOD法を用いた凝縮板11の断面図を示している。
図5aに示すように、凝縮板11は、凝縮面11a上に形成された2つの電極134、135、電極135を被覆する誘電体膜136、これら全体を被覆する撥水層131を備えている。電極134、135としては、例えば金、アルミニウム、銅等の金属類が挙げられる。誘電体膜136としては、例えばSiO、テフロン(登録商標)、パリレン、チタン酸バリウム・ストロンチウム等が挙げられる。比誘電率が大きい材料であれば、液滴の駆動に必要な電圧を小さくすることができる。
電極134、135は、図5bに示すように互いに噛み合う楔形にパターン化され、電極135のみ誘電体膜136により被覆されている。各電極134、135のパターン幅w2は、1〜200μmの範囲内で適宜選択することができる。電極134、135間の距離であるパターンピッチw3は、適宜選択することができるが、例えば10〜100μmの範囲内である。
電極134、135に電圧を印加すると、撥水層131上の溶媒の液滴が分極し、電極134、135にそれぞれ引き付けられるが、誘電体膜136が設けられた電極135の方が電極134より電気的引力が大きい。溶媒の液滴は、撥水層131との接触角が当初110°程度と大きいが、電極135側に引き付けられたことによって電極135側の接触角が減少していく。一方で電極134側の液滴の接触角はほとんど変化が無いため、濡れ性勾配が形成される。この濡れ性勾配が液滴に駆動力を与え、電極134から電極135の方向へと液滴が移動する。
凝縮面11aは、平面状であることができるが、必要に応じてスリットが形成されていてもよい。スリットが形成された場合、溶媒の排出にスリットの毛管力を利用することができるが、凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dの差は乾燥速度に影響するので、スリットは必要に応じて形成すればよい。スリットの延在方向は、幅手方向x又は搬送方向yの何れであってもよい。凝縮板11の端部に、凝縮板11の側面から垂下する側面板や溶媒回収用の容器を設置し、スリットによって排出された溶媒を回収することもできる。
凝縮板11を基板f1に対して傾斜させて配置して、溶媒の排出に重力を利用することもできる。例えば、凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離が、幅手方向xの一端から他端に向かうほど大きくなるように設置することができる。
乾燥装置1の乾燥速度は、凝縮面11aと塗布膜面f2a間の距離dを調整することにより、制御することができる。距離dは小さいほど凝縮しやすく、乾燥速度が上がるが、好ましくは0.1〜10mmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜4mmの範囲内である。0.1mm以上とすることにより、基板f1のばたつきによる塗布膜f2と凝縮板11との接触を回避しやすくなる。また、凝縮した溶媒が塗布膜f2に接触することを抑制して、接触による乾燥ムラを抑制することができる。10mm以内とすることにより、凝縮板11の配置を高精度とすることによるコストを削減できる。また、周囲の対流の影響を低減して乾燥ムラを防ぐとともに、乾燥速度を上げて生産性を向上させることができる。
また、乾燥装置1の乾燥速度は、凝縮面11aの温度Tcと、塗布膜面f2aの温度Th(Th>Tc)を調整することによっても、制御することができる。
凝縮板11の温度制御方法としては、特に限定されず、例えば熱風(加熱ガス)、赤外線、UV、平面加熱等の伝熱による加熱、マイクロ波による電気抵抗を用いた内部加熱等の加熱方法と、水等の冷媒を用いた冷却、送風による空冷、ペルチェ素子を用いた電気的な冷却等の冷却方法とを組み合わせて、温度Tcを制御することができる。
必要に応じて、加熱装置12に上述の冷却方法による冷却装置を併用し、塗布膜面f2aの温度Thを制御することが可能である。
凝縮面11aの温度Tcは、塗布膜面f2aの温度Thより低ければ、室温より高くても低くてもよいが、5〜30℃の範囲内であることが好ましく、10〜20℃の範囲内であることがより好ましい。上記範囲内に制御することにより、加熱によるコスト高を回避することができる。また、凝縮面11a全体の均一な温度制御が容易となって、温度ムラに起因する乾燥ムラ、塗布膜f2の膜厚ムラの発生を防止することができる。同様の観点から、凝縮面11a内の温度ムラは、2℃以内であることが好ましい。
凝縮面11aに、溶媒以外の物質、例えば大気中の水分等が凝縮することを防ぐため、大気の露点を下げるか、凝縮面11aと塗布膜面f2a間を減圧することが好ましい。
また、凝縮板11以外の乾燥装置1の部材、例えば筐体等に溶媒が凝縮することを防ぐため、凝縮板11以外の温度を、凝縮面11aの温度Tc以上に調整することが好ましい。
塗布膜面f2aの温度Thは、凝縮面11aの温度Tcより高ければ、室温より高くても低くてもよいが、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、30〜70℃の範囲内であることがより好ましい。30℃以上とすることにより、溶媒以外の大気中の水分等が凝縮し、乾燥効率が低下することを抑制しやすい。100℃以下とすることにより、高温化によるコスト高を回避し、基板f1の変性による搬送不良を抑制することができる。また、基板f1全体の均一な温度制御が容易となり、温度ムラに起因する乾燥ムラ、塗布膜f2の膜厚ムラの発生を抑制しやすい。同様の観点から、塗布膜面f2a内の温度ムラは、2℃以内であることが好ましい。
温度Tc、Thは、サーモカメラ、サーモシール、接触式温度計、放射温度計等の公知の温度計を用いて測定することができる。特に、温度Thの測定には、非接触でかつ広範囲の温度測定が可能なサーモカメラによる測定が好ましい。
〔乾燥方法〕
凝縮面11aが親水化処理及び/又は撥水化処理されている凝縮板11を、基板f1上の塗布膜f2と対面させ、凝縮板11により塗布膜f2からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔凝縮板Aの作製〕
図6a〜図6cは、凝縮板Aの作製過程を示す断面図である。
図6aに示すように、幅手方向の長さ0.33m、搬送方向の長さ1.0m、厚さ10mmのアルミ板111の一方の面を研削し、幅手方向に延びるスリットを搬送方向に0.001m間隔で形成した。スリットは、幅手方向の長さw4が0.001m、深さw5が0.3mmであった。その後、アルミ板111上に、CytopCTL-809M(環化重合フッ素樹脂(CPFP)をパーフルオロ溶媒で希釈したポリマー、旭硝子社製)を、ディップコート法により塗布し、図6bに示すように厚さ30μmの撥水層131を形成した。次いで、表面を研磨し、図6cに示すように、スリットが形成されていない部分のアルミ板111を露出させた。
研磨後、残った撥水層131をフォトリソグラフィ法によりパターン化した。図7は、パターン化に使用した楔形のレジストパターン133を示している。図8a、図8bは、図7のz2−z2線における断面図であり、撥水層131のパターン化の過程を示している。
まず、図8aに示すように、撥水層131上にレジストパターン133を形成し、このレジストパターン133をマスクにして、Oのプラズマにより撥水層131をエッチングした。次に、図8bに示すようにレジストパターン133を除去して、凝縮板Aを作製した。凝縮板Aは、アルミ板111の露出部分が親水層を形成している。この親水層と撥水層131のパターン幅w1は、それぞれ200μmであった。
〔凝縮板Bの作製〕
凝縮板Aと同様にして、アルミ板にスリットを形成した。このアルミ板上に、SiOからなる厚さ0.1μmの親水層をCVD法により形成し、紫外線を照射した。次いで、CytopCTL-809Mをディップコート法により塗布し、厚さ30μmの撥水層を形成した。この撥水層を、凝縮板Aと同様にしてパターン化し、凝縮板Bを得た。親水層と撥水層のパターン幅w1は、それぞれ200μmであった。
〔凝縮板Cの作製〕
凝縮板Bの作製において、アルミ板にスリットを形成せずに、平面状のアルミ板を用い、撥水層をスロット塗布法により塗布した以外は、凝縮板Bと同様にして凝縮板Cを作製した。親水層と撥水層のパターン幅w1は、それぞれ200μmであった。
〔凝縮板Dの作製〕
幅手方向の長さ0.33m、搬送方向の長さ1.0m、厚さ10mmのガラス基板上に、厚さ0.1μmのクロムを真空蒸着した後、厚さ0.3μmの金を真空蒸着し、2つの電極134、135を形成した。電極134、135は、図5bに示すように楔形にパターン化した。各電極134、135のパターン幅w2は何れも200μmであり、パターンピッチw3は20μmであった。
次いで、図5aに示すように、電極135上にSiOからなる膜厚0.8μmの誘電体膜136をCVD法により形成し、電極135を被覆した。さらに、ガラス基板全面にCytopCTL-809Mをディップコート法により塗布し、膜厚0.1μmの撥水層131を形成した。
上記処理を5枚のガラス基板に対し行い、各ガラス基板を結合して搬送方向の長さ5mの凝縮板Dを作製した。
〔凝縮板Eの作製〕
図3に示す薄膜形成装置5と同様の構成の薄膜形成装置により、ガラス基板上にC17(CHSi(OCHからなる撥水層をグラデーション状に形成した。ガラス基板は、幅手方向の長さ0.165m、搬送方向の長さ1.0m、厚さ10mmであった。
上記処理を、2枚のガラス基板に対して行い、各ガラス基板を結合して、幅手方向の長さ0.33m、搬送方向の長さ1.0m、厚さ10mmの凝縮板Eを作製した。
上記薄膜形成装置の2つの電極としてステンレスSUS316を用いた。このステンレスSUS316に、アルミナセラミックスを厚さ1mmになるまで溶射被覆させ、その上にアルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液を塗布した。これを乾燥後、150℃で加熱して封孔処理し、誘電体を形成した。誘電体により被覆されていない電極の部分に、2つの電極の一方を電源に接続し、他方をアース接地した。電源として、40kHzの高周波電源(ハイデン研究所社製)を用い、7W/cmの電圧を印加した。
2つの励起部に、下記組成の反応ガスを導入し、材料ガスの流路に下記組成の材料ガスを導入した。各励起部に導入した反応ガスと材料ガスの供給比(体積比)は、1:1:1であった。また、反応ガスと材料ガスの合流地点からガラス基板までの距離が10〜50mmと変化するようにガラス基板をセットし、このガラス基板に反応ガスと材料ガスの混合ガスを2秒間さらした。
(反応ガス)
窒素ガス:98.5体積%
水素ガス: 1.5体積%
(撥水層の材料ガス)
窒素ガス:99.9体積%
17(CHSi(OCH:0.1体積%
なお、C17(CHSi(OCHは、窒素ガス中で気化器(エステック社製)により気化した。
〔凝縮板Fの作製〕
凝縮板Aで用いたアルミ板111に、凝縮板Aと同様にしてスリットを形成し、凝縮板Fを作製した。
〔乾燥装置の試作〕
図1及び図2に示す乾燥装置1と同様の構成で、凝縮板を交換可能な乾燥装置を試作した。
〔有機EL素子1の作製〕
厚さ100μm、幅手方向の長さ0.33m、搬送方向の長さ500mのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製)の基板上に、スパッター装置を用いて厚さ100nmのITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)膜を陽極として成膜した。
さらに、Baytron P Al 4083(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)、Bayer社製)を、純水で70%に希釈した溶液を、後述する発光層と同じ塗布条件でスロット塗布法により塗布し、正孔注入層を形成した。塗布後、基板の表面温度80℃にて1時間乾燥した。別途用意した基板にて、同条件にて塗布し、形成された正孔注入層の膜厚を測定したところ、30nmであった。
この基板を、窒素雰囲気下、JIS B 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移した。次に、下記正孔輸送層の塗布液を調製し、後述する発光層と同じ塗布条件でスロット塗布法により、グローブボックス内で基板上に塗布して、正孔輸送層を形成した。塗布後、基板の表面温度80℃で30分間加熱乾燥した。別途用意した基板にて、同条件にて塗布し、形成された正孔輸送層の膜厚を測定したところ、20nmであった。
(正孔輸送層の塗布液)
モノクロロベンゼン 100.0g
ADS254BE(ポリ−(N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン、アメリカン・ダイ・ソース社製) 0.5g
次いで、窒素雰囲気下で、下記発光層の塗布液を調製した。発光層溶液の固形分濃度は0.01質量%、粘度は0.6mPa・sであった。粘度は、JIS Z 8803に従い、粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いて、温度25℃の環境下で測定した。
(発光層の塗布液)
酢酸ブチル 10.0000g
H−A 0.1000g
D−A 0.0110g
D−B 0.0002g
D−C 0.0002g
上記有機材料H−A、D−A、D−B、D−Cは、下記化合物を表している。
Figure 2013249999
調製した発光層の塗布液を、スリット型ダイコーターを用いてスロット塗布法により基板上に窒素下で塗布した。スリット型ダイコーターの幅手方向の長さは0.17mであり、スリット間隔は100μmであった。塗布条件は、以下の通りである。
(塗布条件)
塗布速度:10m/min
塗布時の環境温度:25℃
塗布した幅手方向の長さ: 0.1m
塗布した搬送方向の長さ:50.0m
ウェット膜厚:4μm
なお、塗布速度は、レーザードップラー速度計LV203により測定した。
また、ウェット膜厚は、下記式により算出した。
ウェット膜厚=塗布液の供給量/(塗布した幅手方向の長さ×塗布速度)
塗布後、凝縮板Aをセットした試作の乾燥装置により、下記乾燥条件で乾燥した。凝縮板Aは、撥水化処理された凝縮面が基板と対面するようにセットした。スリット型ダイコーターから乾燥装置までの距離は0.7m、基板の搬送速度は10m/minであった。
(乾燥条件)
凝縮面の温度Tc:20℃
塗布膜面の温度Th:50℃
凝縮面と塗布膜面間の距離:2mm
次に、窒素雰囲気下、下記電子輸送層の塗布液を調製した。
(電子輸送層の塗布液)
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 100.00g
ET−A 0.75g
ET−Aは、下記化合物を表している。
Figure 2013249999
調製した電子輸送層の塗布液を、上記発光層と同じ塗布条件により塗布し、基板の表面温度80℃で30分加熱乾燥して、電子輸送層を形成した。別途用意した基板にて同条件にて塗布し、形成された電子輸送層の膜厚を測定したところ、膜厚は40nmであった。
電子輸送層まで形成すると、基板を大気曝露せずに蒸着機に移動し、4×10−4Paまで減圧した。なお、フッ化カリウム及びアルミニウムをそれぞれタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、蒸着機に取り付けておいた。
まず、フッ化カリウムの入った抵抗加熱ボートを通電して加熱し、基板上にフッ化カリウムからなる電子注入層を3nm形成した。次いで、アルミニウムの入った抵抗加熱ボートを通電、加熱し、蒸着速度1〜2nm/sで、アルミニウムからなる膜厚100nmの陰極を形成した。
陰極が形成された基板を、大気曝露させることなく、窒素雰囲気下、JIS B9920に準拠して測定された清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移動した。グローブボックス内で、捕水剤である酸化バリウムを添付したガラス製の封止缶にて封止し、有機EL素子1を得た。なお、捕水剤である酸化バリウムは、アルドリッチ社製の高純度酸化バリウム粉末を、粘着剤付きのフッ素系半透過膜(ミクロテックスS−NTF8031Q、日東電工製)でガラス製封止缶に貼り付けたものを予め準備して使用した。封止缶と有機EL素子1の接着には、紫外線硬化型の接着剤を用い、紫外線を照射することで両者を接着し封止素子を作製した。
〔有機EL素子2〜6の作製〕
有機EL素子1の作製において、試作の乾燥装置にセットした凝縮板Aを、表1に示すように凝縮板B〜Fにそれぞれ取り替えて発光層の乾燥を行った以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子2〜6を作製した。
なお、有機EL素子4の作製において、凝縮板Dの2つの電極に10Hzの矩形電圧45Vを印加した。
<評価>
〔乾燥速度〕
発光層の塗布膜の乾燥の前後で、塗布膜の膜厚をLT−9000(キーエンス社製)により測定し、乾燥前後の膜厚の変化量から乾燥速度(g/mm・s)を求めた。
〔乾燥の均一性〕
有機EL素子の輝度は、発光層の膜厚と相関関係があり、発光層の膜厚は乾燥の均一性と相関関係があることから、各有機EL素子1〜6の輝度を測定し、そのばらつきを発光層の膜厚の均一性、すなわち乾燥の均一性として評価した。まず、各有機EL素子1〜6の輝度を、幅手方向に0.01m間隔で、搬送方向の位置を変えて300点測定した。300点の測定値のうち、最大輝度値、最小輝度値、平均輝度値を求めて、下記式により輝度のばらつきを求めた。
輝度のばらつき={(最大輝度値−最小輝度値)/平均輝度}×100
求めた輝度のばらつきから、乾燥の均一性を下記のように評価した。
◎:輝度のばらつきが0.5未満であり、非常に均一な乾燥ができている。
○:輝度のばらつきが0.5以上1.0未満であり、均一な乾燥ができている。
△:輝度のばらつきが1.0以上5.0未満であり、膜厚にばらつきはみられるが、実用可能な程度に均一な乾燥ができている。
×:輝度のばらつきが5.0以上であり、均一に乾燥できていない。
下記表1は、評価結果を示している。
Figure 2013249999
表1に示すように、凝縮面が親水化処理及び/又は撥水化処理された凝縮板A〜Eによれば、乾燥速度が大きく乾燥の生産性が高い一方、乾燥の均一性も良好である。
なかでも、凝縮板Eによれば乾燥速度が非常に大きく、乾燥の生産性が高い。これは、他の凝縮板A〜Dに比較して親水層、撥水層が均一に形成され、溶媒の移動がより円滑化されたためと推定される。
1 乾燥装置
11 凝縮板
11a 凝縮面
12 加熱装置
f1 基板
f2 塗布膜
f2a 塗布膜面
3 塗布装置

Claims (7)

  1. 基板上の塗布膜と対面する凝縮板を備え、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
    前記凝縮板は、凝縮面が親水化処理及び/又は撥水化処理されている塗布膜の乾燥装置。
  2. 前記凝縮面は、濡れ性勾配を有する請求項1に記載の塗布膜の乾燥装置。
  3. 前記濡れ性勾配は、親水層と撥水層の濡れ性勾配である請求項2に記載の塗布膜の乾燥装置。
  4. 前記凝縮面は、前記親水層の領域に対する前記撥水層の領域の面積の割合が傾斜するように、前記親水層と前記撥水層の領域がパターン化され、親水層と撥水層の濡れ性勾配を有する請求項3に記載の塗布膜の乾燥装置。
  5. 前記凝縮面は、平面状である請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置。
  6. 前記凝縮面は、スリットが形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布膜の乾燥装置。
  7. 基板上の塗布膜と凝縮板を対面させ、当該凝縮板により塗布膜からの溶媒の蒸気を凝縮し、乾燥する塗布膜の乾燥方法において、
    前記凝縮板として、凝縮面が親水化処理及び/又は撥水化処理されている凝縮板を用いる塗布膜の乾燥方法。
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