JP2013249930A - 静圧ステージ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧流体の供給圧力の変動に伴う軸受隙間の変動を抑制することができる静圧ステージ装置を提供する。
【解決手段】流体供給源50から流体を供給するために流体供給源に接続された流体供給管31a,31bと、案内面12を有する基台11と、案内面に対向して静圧軸受が設けられ静圧軸受に流体を供給するため流体流路30a,30bが形成されている移動体21を有する静圧ステージ装置100であって、移動体の流体流路は、流体供給管と連絡していて流体供給管から流体を受領し、流体流路には絞り部23a,23bが設けられており、絞り部を介して流体流路から静圧軸受に流体が供給されて静圧軸受と基台の案内面との間に軸受隙間dが画成され、移動体には、絞り部より上流側で流体流路と連通し、且つ流体供給管との間に外部に通じている隙間dを形成するように、流体溜まり部24a,24bが設けられていることを特徴とする、静圧ステージ装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、静圧ステージ装置に関し、特に精密加工機、精密測定機あるいは半導体製造装置などで用いる静圧ステージ装置に関する。
精密加工機、精密測定機あるいは半導体製造装置などで用いる位置決め装置を高性能化するためには、位置決め対象物を支持する軸受の高精度化が必要である。位置決め精度の要求が数十ナノメートルオーダの場合、非接触支持による低摩擦・低発熱といった特徴から、静圧流体軸受(以下、静圧軸受と呼ぶ)を搭載した静圧ステージ装置が一般に用いられている。一般的な静圧ステージ装置は、静圧軸受を、動きを制限する方向において互いに逆向きの浮上力が発生するように両面に配置(以下、静圧軸受両面配置と呼ぶ)した構造を採用している。静圧軸受両面配置を採用した静圧ステージ装置は、搭載面積を確保することや、移動体の重心を駆動するようにアクチュエータを配置することを考慮するために、移動体が複雑な形状をしているものが多い。そのため、高精度部品の数が多く加工コストが高くなり、更に、軸受隙間の管理を部品精度の積み上げでおこなう必要があるため、組立の難易度も高くなるという問題があった。そこで、近年において、ローコスト化の観点から、簡易な構成で高精度を実現した静圧ステージ装置が求められてきている。
移動体の構造を簡易にした高精度静圧ステージ装置の例として、特許文献1に開示されている静圧ステージ装置が知られている。移動体に対して、静圧軸受が、移動軸と直交する1つの移動制限軸において同じ向きにのみ浮上力が発生するように片面にのみ配置(以下、静圧軸受片面配置と呼ぶ)された構造をとっている。そして、軸受隙間を調整するために、磁気吸引力を予荷重として利用していることを特徴としている。
特開昭61−290231号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている静圧ステージ装置は、磁気吸引力を予荷重として用いているために、加圧流体の供給圧力が変動すると軸受隙間も変動してしまい、静圧案内軸受の運動精度が低下するという問題があった。
そこで本発明は、加圧流体の供給圧力の変動に伴う軸受隙間の変動を抑制することができる高精度静圧ステージ装置を提供せんとするものである。
本発明による静圧ステージ装置は、流体供給源と、流体供給源から流体を供給するために流体供給源に接続されている流体供給管と、案内面を有する基台と、案内面に対向して静圧軸受が設けられており、静圧軸受に流体を供給するため流体流路が形成されている移動体と、を有し、移動体の流体流路は、流体供給管と連絡していて流体供給管から流体を受領し、流体流路には絞り部が設けられており、絞り部を介して流体流路から静圧軸受に流体が供給されて静圧軸受と基台の案内面との間に軸受隙間が画成され、移動体には、絞り部より上流側で流体流路と連通し、且つ流体供給管との間に外部に通じている隙間を形成するように、流体溜まり部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、絞り部より上流側で流体流路と連通し、且つ流体供給管との間に外部に通じている隙間を形成するように、流体溜まり部を移動体に設けることによって、流体供給源からの加圧流体の供給圧力の変動に対して軸受隙間の変動を抑制することができる。
第1実施形態における静圧ステージ装置100を示した図である。 第1実施形態における静圧ステージ装置100の部分拡大図である。 第1実施形態におけるラビリンスシールが設けられた静圧ステージ装置100の部分拡大図である。 第2実施形態における静圧ステージ装置200を示した図である。 第3実施形態における静圧ステージ装置300の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、以下に示す図面は、本発明を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
図1(a)は、第1実施形態における静圧ステージ装置100の斜視図である。移動体21の上下方向の動きは、基台11に対して、移動体21の下面21bに設けられた静圧軸受22a及び22b(図1(d)参照)によって制限されている。また基台11の左右に設けられたガイド41a及び41bに対して、移動体21の左右面21c及び21dに、互いに逆向きの力が発生するように設けられた静圧軸受27a及び27b(図1(d)参照)によって、移動体21の左右方向の動きが制限されている。従って、移動体21は、上下方向及び左右方向と直交する方向に移動することができる。
また、移動体21の下面21b(静圧面)の反対側の上面(予圧面)21aに非接触で対向し、かつ流体供給源50に接続された流体供給管31a及び31bが設けられている。なお、本実施形態では流体供給管は2つ設けられているが、流体供給管の数はこれに限定されない。
図1(b)は、第1実施形態における静圧ステージ装置100の流体供給管31aの拡大透視図である。なお、図1(b)では、流体供給管31aの内部構造をわかりやすくするために、ガイド41aは図示されていない。流体供給管31aの内部には、流体供給源50と連通する流体供給管内部流路32a及び移動体21の上面21aに向けて開口する流体供給管側面孔33aが設けられている。流体供給管内部流路32a及び流体供給管側面孔33aにより流体供給路が構成されている。なお、流体供給管31bについては、同様の構造であるので、説明は省略する。
図1(c)は、第1実施形態における静圧ステージ装置100の移動体21の上面21aの拡大斜視図である。なお、図1(c)では、移動体21の上面21aの構造をわかりやすくするために、流体供給管31aは図示されていない。移動体21の上面21aには、流体供給管側面孔33aと対向する位置に、流体溜まり部24aが設けられている。なお、図示してはいないが、同様に、移動体21の上面21aには、流体供給管側面孔33bと対向する位置に、流体溜まり部24bが設けられている。
図1(d)は、第1実施形態における静圧ステージ装置100の、図1(a)中のID−ID線に沿った断面図である。移動体21の下部には、基台11の案内面12に対向するように、静圧軸受22a及び22bが設けられている。静圧軸受22a及び22bは、静圧ポケット25a及び25bと、静圧ポケット25a及び25bの周囲に設けられたランド部26a及び26bから形成されている。静圧ポケット25a及び25bは、絞り部23a及び23bと連通しており、絞り部23a及び23bは流体流路30a及び30bを通して流体溜まり部24a及び24bに連通している。流体溜まり部24a及び24bは、凹部28a及び28bと、凹部28a及び28bの周囲に設けられたランド部29a及び29bから形成されている。
流体供給源50から流体供給管31a及び31bに加圧流体が流されると、加圧流体は流体供給管内部流路32a及び32b、流体供給管側面孔33a及び33b、凹部28a及び28b、及び流体流路30a及び30bを通過する。従って、流体流路30a及び30bは、流体供給管31a及び31bと連絡していて流体供給管31a及び31bから加圧流体を受領する。その後、加圧流体は、絞り部23a及び23b、及び静圧ポケット25a及び25bを通過し、移動体21の周りの外部空間に流出される。それにより、移動体21は基台11に対して浮上し、案内面12と静圧軸受22a及び22bとの間には、軸受隙間da2及びdb2が画成される。また、流体供給管31a及び31bの下面34a及び34bと流体溜まり部24a及び24bとの間には隙間da1及びdb1が画成される。すなわち、移動体21には、絞り部23a及び23bより上流側で流体流路30a及び30bと連通し、且つ流体供給管31a及び31bとの間に外部に通じている隙間da1及びdb1を形成するように、流体溜まり部24a及び24bが設けられている。
なお、流体供給管31a及び31bと移動体21は接触していないので、移動体21は、移動時に、配管の摺動抵抗変化の影響を受けることがない。
また、静圧軸受27a及び27bに対する流路は図示しておらず、説明についても省略する。
なお、本実施形態では、静圧軸受において定圧力作動方式を採用している。定圧力作動方式を用いた静圧軸受とは、絞り部を通して軸受隙間へ加圧流体を流すことで、非接触浮上する静圧軸受のことをいう。絞り部は、定圧力作動方式の静圧軸受では、必須の構成要素であり、軸受隙間の減少・増加に応じて、軸受隙間における加圧流体の圧力を増加・減少させるという剛性付与の役割を有している。本実施形態では、流体供給管側面孔33a及び33bの抵抗は、絞り部23a及び23bの抵抗や軸受隙間da2及びdb2における抵抗に比べて、十分小さいものである。従って静圧軸受22a及び22bが剛性を有する静圧軸受として作用するのに対して、流体溜まり部24a及び24bは、静圧軸受として作用するものではない。
図1(e)及び(f)はそれぞれ、第1実施形態における静圧ステージ装置100の移動体21の下面21bの正面図及び上面21aの正面図である。ここでは、静圧軸受22a及び22bのランド部26a及び26bに囲まれた面積を共にS2、流体溜まり部24a及び24bのランド部29a及び29bに囲まれた面積を共にS1とする。面積S1及びS2は、以下に示す計算において使用する。面積S1及びS2は、案内面12に垂直な方向から見たときの面積である。
図2は、第1実施形態における静圧ステージ装置100の部分拡大図である。図2に示すように、流体供給源50から静圧軸受22aへ至る加圧流体の圧力損失と流量の関係は、電気回路とのアナロジーを利用して記述することができる。具体的には、電気回路の各要素と、流体回路の各要素との関係は以下の表1のように表される。
Figure 2013249930
図2において、Psは流体供給源50における加圧流体の供給圧力、P1は流体溜まり部24aにおける加圧流体の圧力、P2は静圧軸受22aにおける加圧流体の圧力である。また、R0は流体供給源50から流体供給管側面孔33aに至る流路の流体抵抗、R1は流体溜まり部24aと流体供給管31aの下面34aとの間の隙間da1の流体抵抗である。さらに、R2は、絞り部23aの流体抵抗、R3は静圧軸受22aと基台11の案内面12との間の軸受隙間da2の流体抵抗である。また、Qは流体供給源50から流体供給管31aへ供給される加圧流体の総流量、Q1は隙間da1から外部へ流出する加圧流体の流量である。Q2は凹部28a、流体流路30a、絞り部23a及び静圧ポケット25aを通過して、軸受隙間da2から外部へ流出する加圧流体の流量を示している。
なお、流体供給管31bから静圧軸受22bに至る加圧流体の流れに対しても、もちろん同様の回路が成り立つ。
移動体21へかかる総予荷重Fは、初期予荷重F0と、流体溜まり部24aにおける加圧流体の圧力P1と流体溜まり部24aの面積S1との積を用いて、以下の式1のように表される。
F=F0+P1×S1 ・・・(式1)
ここで、初期予荷重F0とは、例えば、移動体21の自重、移動体21と基台11が磁性体で形成されていた場合におけるそれらの間の磁気吸引力、真空による吸引力などにより静圧軸受22aの軸受隙間da2が狭まる方向へ作用する荷重のことである。なお、本明細書に示す式においては、流体供給管31a、流体溜まり部24a、静圧軸受22aの一つの組のみが移動体21に設けられていると仮定している。
本実施形態のように、移動体の片方の面を静圧面、もう片方の面を予圧面とした構成では、片方の面に対してのみ高い加工精度が必要となる案内面を設ければよく、簡単な構造である。また、式1に示されるように、軸受隙間da2の調整をおこなうための総予荷重Fの調整についても、流体溜まり部24aの面積S1を変えることで簡単におこなうことができる。
従来技術のように、例えば磁気吸引力を用いた一定の予荷重が軸受にかかっている場合には、加圧流体の供給圧力が変動した場合に、軸受隙間も変動してしまうという問題があった。しかしながら、本実施形態では、式1に示されるように、加圧流体の供給圧力Psが変動した場合であっても、供給圧力Psの変動に伴った圧力P1の変動により、総予荷重Fも変動し、結果として供給圧力変動による軸受隙間変動を抑制することができる。
以下に、図2に示されている回路から導かれるいくつかの関係式を説明する。
まず、移動体21の上下方向にはたらく力の釣り合いから、以下の式2が得られる。
F=F0+P1×S1=P2×S2 ・・・(式2)
式2をP2について解くと、以下の式3が得られる。
2=(F0+P1×S1)/S2 ・・・(式3)
次に、絞り部23a及び軸受隙間da2における圧力降下を考えると、以下の式4及び式5が得られる。
1−P2=R2×Q2 ・・・(式4)
2=R3×Q2 ・・・(式5)
従って、式4及び式5より、R3は以下の式6のように表される。
3=P2×R2/(P1−P2) ・・・(式6)
式6に式3を代入すると、流体溜まり部24aにおける加圧流体の圧力P1と軸受隙間da2における流体抵抗R3の関係は以下の式7のように表される。
3=R2×(P1×S1+F0)/(P1×(S2−S1)−F0) ・・・(式7)
例えば、流体溜まり部24aを設けなかった場合(S1=0)、すなわち従来技術のように初期予荷重F0のみが移動体21にかかっている場合、式7は以下の式8のようになる。
3=R2×F0/(P1×S2−F0) ・・・(式8)
従って、加圧流体の供給圧力Psが変動すると、それに伴ってP1も変動し、結果として、軸受隙間da2における流体抵抗R3も変動する。すなわち、従来技術のように流体溜まり部を設けずに一定の初期予荷重のみが移動体にかかっている場合では、加圧流体の供給圧力が変動した際に、軸受隙間が変動してしまうことがわかる。
一方、軸受隙間da2における流体抵抗R3は、平行平板を流れる粘性流体の圧損の関係から、軸受隙間da2を用いて以下の式9のように表される。
3=A/(da23 ・・・(式9)
ここでAは比例定数である。従って、R3の変化が小さいほど、軸受隙間da2の変化も小さくなる。
式9を式7に代入すると、以下の式10が得られる。
(da2)3=A×(P1×(S2−S1)−F0)/(R2×(P1×S1+F0)) ・・・(式10)
次に、S1が零ではない場合(S1≠0)を考える。例えばP1を0.5(MPa=106N/m2)、S1を50cm2と仮定すると、P1×S1は0.5×106×50×10-4(N)=2500(N)となる。そして、初期予荷重F0を自重のみの150Nと仮定すると、P1×S1=2500(N)>>F0=150(N)の関係が成り立つ。従って、この仮定の下では、F0≒0と置いてもよいことがわかる。
0≒0とした場合、式7は以下の式11のように表すことができる。
3=R2×S1/(S2−S1) ・・・(式11)
従って、この仮定の下ではR3はP1の影響を受けないことがわかる。すなわち、加圧流体の供給圧力Psが変動し、それに伴いP1が変動しても、R3は変動しない、つまり式9より軸受隙間da2は変動しない。
従って、上記の仮定で用いた数値は、本実施形態の静圧ステージ装置を構成する上で、実用性の高い数値であると考えることができる。
上記の計算において、特に式10からわかるように、流体供給源50から流体供給管側面孔33aに至る流路の流体抵抗R0、及び流体溜まり部24aと流体供給管31aの下面34aとの間の隙間da1の流体抵抗R1は軸受隙間da2に直接は寄与しない。従って、例えば、R1を決定する隙間da1の平行度は軸受隙間da2の5倍程度大きくても軸受隙間da2の変動への影響はないため、製作が容易である。ただし、P1は、静圧軸受22aにおける加圧流体の圧力P2を大きくし、剛性を向上させるために、大きい方が望ましい。従って、以下の式12及び式13で表される関係より、製作が容易な範囲で、R0はなるべく小さく、R1はなるべく大きくする方がよい。
s−P1=R0×Q ・・・(式12)
1=R1×Q1 ・・・(式13)
また、R3が正となる条件、つまり軸受隙間da2が正となる条件、すなわち移動体21が上下方向に浮上するための条件を考えると、式7の右辺が正になる必要がある。従って、そのためには以下の式14で表される関係が満たされる必要がある。
1×(S2−S1)−F0>0 ・・・(式14)
また、加圧流体の流れにおいて、供給圧力PsはP1より常に大きくなるため、以下の式15が成り立つ。
s>P1 ・・・(式15)
従って、式14及び式15より、以下の式16が得られる。
1<S2−F0/Ps ・・・(式16)
従って、式16は、加圧流体の供給圧力Psおよび初期予荷重F0が決められた際に、移動体が浮上するために、流体溜まり部24aの面積S1が、静圧軸受22aの面積S2に対して満たす必要のある関係式である。
次に、軸受隙間da2の圧力P1に対する変化率を計算する。まず、変化率(∂da2/∂P1)を計算するために、(∂(da23/∂P1)を計算すると、以下の式17が得られる。
(∂(da2)3/∂P1)=(∂(da2)3/∂da2)・(∂da2/∂P1
=3×(da2)2・(∂da2/∂P1) ・・・(式17)
従って、式17から、(∂da2/∂P1)は以下の式18のように表すことができる。
(∂da2/∂P1)=1/(3×(da2)2)・(∂(da2)3/∂P1) ・・・(式18)
また、(∂(da23/∂P1)は、式10から以下の式19のように計算することができる。
(∂(da2)3/∂P1)=∂(A×(P1×(S2−S1)−F0)/(R2×(P1×S1+F0)))
/∂P1=A×S2×R2×F0 / (R2×(P1×S1+F0))2 ・・・(式19)
従って、(∂da2/∂P1)は式18及び式19から、以下の式20のように求めることができる。
(∂da2/∂P1)=1/(3×(da2)2)・A×S2×R2×F0/(R2×(P1×S1+F0))2
・・・(式20)
ここで、流体溜まり部24aを設けなかった場合(S1=0)において、軸受隙間da2をd0とし、総予荷重FはF0+P1×S1=F0となることから、(∂da2/∂P1S1=0は、以下の式21のように求められる。
(∂da2/∂P1)S1=0=1/ (3×(d0)2)・A×S2/ (R2×F0) ・・・(式21)
次に、流体溜まり部24aを設けた場合(S1≠0)において、同様に軸受隙間da2がd0、総予荷重FがF0の場合を考え、この場合における初期予荷重をF0’とすると、以下の式22が得られる。
(∂da2/∂P1)S1≠0=1/(3×(d0)2)・A×S2×R2×F0
/ (R2×(P1×S1+F0’))2=1/(3×(d0)2)・A×S2×(F0−P1×S1
/(R2×F0 2) ・・・(式22)
従って、式22から以下の式23が得られる。
(∂da2/∂P1)S1≠0=1/(3×(d0)2)・((A×S2)/(R2×F0))
・(1−P1×S1/F0)= (∂da2/∂P1)S1=0・(1−P1×S1/F0
・・・(式23)
従って、流体溜まり部24aを設けた場合(S1≠0)及び設けなかった場合(S1=0)それぞれにおいて、同じ軸受隙間d0及び同じ総予荷重F0のときには、軸受隙間da2の圧力P1に対する変化率が式23のように変わってくる。具体的には、(∂da2/∂P1S1≠0は(∂da2/∂P1S1=0に比べて、(1−P1×S1/F0)倍だけ小さくなることがわかる。
例えば、流体溜まり部24aの面積S1を0.2×F0/P1に設定すると、軸受隙間da2の圧力P1に対する変化率(∂da2/∂P1S1≠0は、流体溜まり部24aを設けなかった場合に比べて0.8倍になる。
従って、P1×S1とF0が近い値であり、F0≒0のように近似できない場合であっても、流体溜まり部24aを設ける(S1≠0)ことによって、設けなかった(S1=0)場合に比べて、軸受隙間da2の供給圧力変動の影響を低減させる効果が生じる。
また具体的に、流体溜まり部24aを設ける(S1≠0)ことによって、流体溜まり部24aを設けなかった(S1=0)場合に対して軸受隙間変動量を20%低減する(0.8倍にする)条件をS1の下限と考えると、上記より以下の式24が得られる。
1>0.2×F0/P1>0.2×F0/PS ・・・(式24)
従って、式16及び式24から、以下の式25の関係を満たすようにS1を決定すればよいことがわかる。
0.2×F0/PS<S1<S2−F0/Ps ・・・(式25)
静圧軸受22aの剛性は、絞り部23aの前後の圧力比P1/P2が、以下の式26に示される関係を満たすときに、最大となることが知られている。
1/P2=2 ・・・(式26)
式3に式26を代入すると、以下の式27が得られる。
1=S2/2−F0/P1 ・・・(式27)
従って、F0≒0が成り立つ場合には、式27は以下の式28のようになる。
1=S2/2 ・・・(式28)
すなわち、流体溜まり部24aの面積S1を静圧軸受22aの面積S2の半分にすれば、静圧軸受22aの剛性を最大にすることができる。
図3に示すように、流体供給管31aの移動体21に対向する面の縁部、すなわち外周面の一部と流体溜まり部24aのランド部29aとの間の隙間をラビリンスシール35aにすることで、流体溜まり部24aからの加圧流体の余分な漏れを低減する事ができる。ラビリンスシール35aの形状としては、例えば図3のように、流体溜まり部24aから外部環境に至る経路の長さを長くしたものが考えられる。こうすることで、流体抵抗R1を大きくすることもできる。
また、流体供給管31aを柔構造とすることで、供給圧力Psの変動に対する、流体溜まり部24aにおける加圧流体の圧力P1の変動をさらに抑制することができる。
例えば、図2に示されるように、供給圧力Psが増加すると、流体供給管31aが柔構造であれば、上側に撓む。そうすると、流体溜まり部24aと流体供給管31aの下面34aとの間の隙間da1の流体抵抗R1が小さくなり、隙間da1から外部へ流出する加圧流体の流量Q1が大きくなるため、結果としてP1が小さくなる。すなわち、供給圧力Psの変動を打ち消すようにP1を変化させることができる。
ここで、柔構造とは、例えば、中心部に流路を有した断面矩形の両持ち梁で、0.5MPaの等分布荷重が、梁中央の全長の1/10程度の範囲にかかった場合に、最大撓み量が20μmとなる程度のものをさす。より具体的には、断面30mm×30mmで長さが500mmの鉄製の梁で、両端が、基台に固定された構造のものなどがある。
なお、本実施例では、移動体21の左右方向の移動の制限は、静圧軸受27a及び27bの両面配置によっているが、静圧軸受27a及び27bに対しても、本第1実施形態の構成を取り入れても構わない。
図4(a)は、第2実施形態における静圧ステージ装置200の斜視図である。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。第2実施形態における静圧ステージ装置200は、流体供給管131a及び131bが移動体121の内部を貫通している点で、第1実施形態における静圧ステージ装置100とは異なっている。このように構成することによって、移動体121の上面121aを広く使うことができ、すなわち移動体121の搭載可能面積を大きくすることができる。
図4(b)は、第2実施形態における静圧ステージ装置200の、図4(a)中のIVB−IVB線に沿った断面図である。第1実施形態と同様に、流体供給管131a及び131bの内部には、流体供給源50と連通する流体供給管内部流路132a及び132b、及び流体溜まり部124a及び124bに向けて開口する流体供給管側面孔133a及び133bが設けられている。なお、本第2実施形態における流体溜まり部124a及び124bは、凹部128a及び128bから形成されている。
流体供給源50から流体供給管131a及び131bに加圧流体が流されると、加圧流体は流体供給管内部流路132a及び132b、流体供給管側面孔133a及び133b、及び凹部128a及び128bを通過する。その後、加圧流体は、流体流路30a及び30b、絞り部23a及び23b、及び静圧ポケット25a及び25bを通過し、移動体121の周りの外部空間に流出される。それにより、移動体121は基台11に対して浮上し、案内面12と静圧軸受22a及び22bとの間には、軸受隙間da4及びdb4が形成される。また、流体供給管131a及び131bの下面134a及び134bと流体溜まり部124a及び124bとの間には隙間da3及びdb3が形成される。
また、本第2実施形態によれば、流体供給管131a及び131bの外周面と、それに対向する移動体121の面との間の隙間を流体溜まり部124a及び124bから直接外部空間に流出する加圧流体の漏れ流量を低減するための抵抗として使うことができる。すなわち、この構成により、ラビリンスシールを簡易に設けることができる。
図5は、第3実施形態における静圧ステージ装置300の斜視図である。なお、本第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同じ構成要素には同一の参照符号を付し、説明を省略する。第3実施形態における静圧ステージ装置300は、一つの流体供給管231が移動体221の内部を貫通している点で、第1実施形態における静圧ステージ装置100及び第2実施形態における静圧ステージ装置200とは異なっている。また、第3実施形態における静圧ステージ装置300では、ガイド41a及び41b、及び静圧軸受27a及び27bを設けておらず、流体供給管231の左右を案内面として利用している点で、静圧ステージ装置100及び200とは異なっている。このように構成することで、静圧ステージ装置の構成部品点数を減少させることができる。
本発明の静圧ステージ装置によれば、移動を制限する方向に配置する必要のある案内面が1面でよく、構造が簡易であり、組立も容易である。また、流体溜まり部にかかる圧力と流体溜まり部の面積の積が静圧面への予荷重としてはたらき、その予荷重が、供給圧力に連動して移動体にはたらく浮上力と予荷重のバランスを一定に保つように変化する。そのため、供給圧力変動によらず軸受隙間は一定となる。このように本発明によれば、簡易な構造である静圧軸受片面配置構造で、供給圧力変動による軸受隙間変動を抑制した、高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
また、流体供給管を移動体の内部を貫通するように設けることで、移動体の上面を広く使うことができ、すなわち移動体の搭載可能面積を大きくすることができる。
さらに、流体溜まり部の面積S1及び静圧軸受の面積S2が、関係式0.2×F0/PS<S1<S2−F0/Psを満たすようにすることで、供給圧力の変動による軸受隙間の変動量を、予荷重一定とした場合の20%以上低減することができる。ここでF0は移動体にかかる初期予荷重、Psは流体供給源における加圧流体の供給圧力である。すなわち、流体溜まり部の面積を調整するという簡易な方法で、高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
加えて、流体溜まり部の面積S1及び静圧軸受の面積S2が、関係式S1=S2/2を満たすようにすることで、流体溜まり部の面積を調整するという簡易な方法で、静圧軸受の剛性を最大化することができる。それにより、外乱に対しての運動精度の低下を抑制した高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
さらにまた、ラビリンスシールを用いることで流体溜まり部から静圧軸受へ向かわず外部空間に漏れる流量を小さくすることができる。その結果、流体溜まり部の圧力低下を防ぐことができ、静圧軸受の負荷容量低下ひいては剛性の低下を防止でき、外乱に対しての運動精度低下を抑制できる。すなわち、ラビリンスシールという、簡易な方法で、高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
11 基台
12 案内面
21 移動体
22a、22b 静圧軸受
23a、23b 絞り部
24a、24b 流体溜まり部
30a、30b 流体流路
31a、31b 流体供給管
50 流体供給源
100 静圧ステージ装置

Claims (6)

  1. 流体供給源と、
    該流体供給源から流体を供給するために該流体供給源に接続されている流体供給管と、
    案内面を有する基台と、
    該案内面に対向して静圧軸受が設けられており、該静圧軸受に流体を供給するため流体流路が形成されている移動体と、を有する静圧ステージ装置であって、
    前記移動体の前記流体流路は、前記流体供給管と連絡していて前記流体供給管から流体を受領し、
    前記流体流路には絞り部が設けられており、
    該絞り部を介して前記流体流路から前記静圧軸受に流体が供給されて前記静圧軸受と前記基台の前記案内面との間に軸受隙間が画成され、
    前記移動体には、前記絞り部より上流側で前記流体流路と連通し、且つ前記流体供給管との間に外部に通じている隙間を形成するように、流体溜まり部が設けられていることを特徴とする、静圧ステージ装置。
  2. 前記流体供給管は、前記移動体の前記静圧軸受が設けられた面の反対側の予圧面に非接触で対向するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の静圧ステージ装置。
  3. 前記流体供給管は、前記移動体の内部を貫通していることを特徴とする、請求項1に記載の静圧ステージ装置。
  4. 前記流体溜まり部の面積S及び前記静圧軸受の面積Sが、以下の関係式
    0.2×F/P<S<S−F/P
    (ここでFは前記移動体にかかる初期予荷重、Pは前記流体供給源における加圧流体の供給圧力)を満たすことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静圧ステージ装置。
  5. 前記流体溜まり部の面積S及び前記静圧軸受の面積Sが、以下の関係式
    =S/2
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静圧ステージ装置。
  6. 前記流体供給管と前記流体溜まり部との間に設けられたラビリンスシールを有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の静圧ステージ装置。
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