JP6105866B2 - 静圧ステージ装置 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、加圧流体の供給圧力の変動に伴う軸受隙間の変動を抑制することができる高精度静圧ステージ装置を提供せんとするものである。
また、移動体21の下面21b(静圧面)の反対側の上面(予圧面)21aに非接触で対向し、かつ流体供給源50に接続された流体供給管31a及び31bが設けられている。なお、本実施形態では流体供給管は2つ設けられているが、流体供給管の数はこれに限定されない。
流体供給源50から流体供給管31a及び31bに加圧流体が流されると、加圧流体は流体供給管内部流路32a及び32b、流体供給管側面孔33a及び33b、凹部28a及び28b、及び流体流路30a及び30bを通過する。従って、流体流路30a及び30bは、流体供給管31a及び31bと連絡していて流体供給管31a及び31bから加圧流体を受領する。その後、加圧流体は、絞り部23a及び23b、及び静圧ポケット25a及び25bを通過し、移動体21の周りの外部空間に流出される。それにより、移動体21は基台11に対して浮上し、案内面12と静圧軸受22a及び22bとの間には、軸受隙間da2及びdb2が画成される。また、流体供給管31a及び31bの下面34a及び34bと流体溜まり部24a及び24bとの間には隙間da1及びdb1が画成される。すなわち、移動体21には、絞り部23a及び23bより上流側で流体流路30a及び30bと連通し、且つ流体供給管31a及び31bとの間に外部に通じている隙間da1及びdb1を形成するように、流体溜まり部24a及び24bが設けられている。
なお、流体供給管31a及び31bと移動体21は接触していないので、移動体21は、移動時に、配管の摺動抵抗変化の影響を受けることがない。
また、静圧軸受27a及び27bに対する流路は図示しておらず、説明についても省略する。
なお、流体供給管31bから静圧軸受22bに至る加圧流体の流れに対しても、もちろん同様の回路が成り立つ。
F=F0+P1×S1 ・・・(式1)
従来技術のように、例えば磁気吸引力を用いた一定の予荷重が軸受にかかっている場合には、加圧流体の供給圧力が変動した場合に、軸受隙間も変動してしまうという問題があった。しかしながら、本実施形態では、式1に示されるように、加圧流体の供給圧力Psが変動した場合であっても、供給圧力Psの変動に伴った圧力P1の変動により、総予荷重Fも変動し、結果として供給圧力変動による軸受隙間変動を抑制することができる。
F=F0+P1×S1=P2×S2 ・・・(式2)
P2=(F0+P1×S1)/S2 ・・・(式3)
P1−P2=R2×Q2 ・・・(式4)
P2=R3×Q2 ・・・(式5)
R3=P2×R2/(P1−P2) ・・・(式6)
R3=R2×(P1×S1+F0)/(P1×(S2−S1)−F0) ・・・(式7)
R3=R2×F0/(P1×S2−F0) ・・・(式8)
R3=A/(da2)3 ・・・(式9)
(da2)3=A×(P1×(S2−S1)−F0)/(R2×(P1×S1+F0)) ・・・(式10)
F0≒0とした場合、式7は以下の式11のように表すことができる。
R3=R2×S1/(S2−S1) ・・・(式11)
従って、上記の仮定で用いた数値は、本実施形態の静圧ステージ装置を構成する上で、実用性の高い数値であると考えることができる。
Ps−P1=R0×Q ・・・(式12)
P1=R1×Q1 ・・・(式13)
P1×(S2−S1)−F0>0 ・・・(式14)
Ps>P1 ・・・(式15)
S1<S2−F0/Ps ・・・(式16)
(∂(da2)3/∂P1)=(∂(da2)3/∂da2)・(∂da2/∂P1)
=3×(da2)2・(∂da2/∂P1) ・・・(式17)
(∂da2/∂P1)=1/(3×(da2)2)・(∂(da2)3/∂P1) ・・・(式18)
(∂(da2)3/∂P1)=∂(A×(P1×(S2−S1)−F0)/(R2×(P1×S1+F0)))
/∂P1=A×S2×R2×F0 / (R2×(P1×S1+F0))2 ・・・(式19)
(∂da2/∂P1)=1/(3×(da2)2)・A×S2×R2×F0/(R2×(P1×S1+F0))2
・・・(式20)
(∂da2/∂P1)S1=0=1/ (3×(d0)2)・A×S2/ (R2×F0) ・・・(式21)
(∂da2/∂P1)S1≠0=1/(3×(d0)2)・A×S2×R2×F0’
/ (R2×(P1×S1+F0’))2=1/(3×(d0)2)・A×S2×(F0−P1×S1)
/(R2×F0 2) ・・・(式22)
(∂da2/∂P1)S1≠0=1/(3×(d0)2)・((A×S2)/(R2×F0))
・(1−P1×S1/F0)= (∂da2/∂P1)S1=0・(1−P1×S1/F0)
・・・(式23)
例えば、流体溜まり部24aの面積S1を0.2×F0/P1に設定すると、軸受隙間da2の圧力P1に対する変化率(∂da2/∂P1)S1≠0は、流体溜まり部24aを設けなかった場合に比べて0.8倍になる。
従って、P1×S1とF0が近い値であり、F0≒0のように近似できない場合であっても、流体溜まり部24aを設ける(S1≠0)ことによって、設けなかった(S1=0)場合に比べて、軸受隙間da2の供給圧力変動の影響を低減させる効果が生じる。
また具体的に、流体溜まり部24aを設ける(S1≠0)ことによって、流体溜まり部24aを設けなかった(S1=0)場合に対して軸受隙間変動量を20%低減する(0.8倍にする)条件をS1の下限と考えると、上記より以下の式24が得られる。
S1>0.2×F0/P1>0.2×F0/PS ・・・(式24)
0.2×F0/PS<S1<S2−F0/Ps ・・・(式25)
P1/P2=2 ・・・(式26)
S1=S2/2−F0/P1 ・・・(式27)
S1=S2/2 ・・・(式28)
例えば、図2に示されるように、供給圧力Psが増加すると、流体供給管31aが柔構造であれば、上側に撓む。そうすると、流体溜まり部24aと流体供給管31aの下面34aとの間の隙間da1の流体抵抗R1が小さくなり、隙間da1から外部へ流出する加圧流体の流量Q1が大きくなるため、結果としてP1が小さくなる。すなわち、供給圧力Psの変動を打ち消すようにP1を変化させることができる。
ここで、柔構造とは、例えば、中心部に流路を有した断面矩形の両持ち梁で、0.5MPaの等分布荷重が、梁中央の全長の1/10程度の範囲にかかった場合に、最大撓み量が20μmとなる程度のものをさす。より具体的には、断面30mm×30mmで長さが500mmの鉄製の梁で、両端が、基台に固定された構造のものなどがある。
なお、本実施例では、移動体21の左右方向の移動の制限は、静圧軸受27a及び27bの両面配置によっているが、静圧軸受27a及び27bに対しても、本第1実施形態の構成を取り入れても構わない。
流体供給源50から流体供給管131a及び131bに加圧流体が流されると、加圧流体は流体供給管内部流路132a及び132b、流体供給管側面孔133a及び133b、及び凹部128a及び128bを通過する。その後、加圧流体は、流体流路30a及び30b、絞り部23a及び23b、及び静圧ポケット25a及び25bを通過し、移動体121の周りの外部空間に流出される。それにより、移動体121は基台11に対して浮上し、案内面12と静圧軸受22a及び22bとの間には、軸受隙間da4及びdb4が形成される。また、流体供給管131a及び131bの下面134a及び134bと流体溜まり部124a及び124bとの間には隙間da3及びdb3が形成される。
また、本第2実施形態によれば、流体供給管131a及び131bの外周面と、それに対向する移動体121の面との間の隙間を流体溜まり部124a及び124bから直接外部空間に流出する加圧流体の漏れ流量を低減するための抵抗として使うことができる。すなわち、この構成により、ラビリンスシールを簡易に設けることができる。
また、流体供給管を移動体の内部を貫通するように設けることで、移動体の上面を広く使うことができ、すなわち移動体の搭載可能面積を大きくすることができる。
さらに、流体溜まり部の面積S1及び静圧軸受の面積S2が、関係式0.2×F0/PS<S1<S2−F0/Psを満たすようにすることで、供給圧力の変動による軸受隙間の変動量を、予荷重一定とした場合の20%以上低減することができる。ここでF0は移動体にかかる初期予荷重、Psは流体供給源における加圧流体の供給圧力である。すなわち、流体溜まり部の面積を調整するという簡易な方法で、高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
加えて、流体溜まり部の面積S1及び静圧軸受の面積S2が、関係式S1=S2/2を満たすようにすることで、流体溜まり部の面積を調整するという簡易な方法で、静圧軸受の剛性を最大化することができる。それにより、外乱に対しての運動精度の低下を抑制した高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
さらにまた、ラビリンスシールを用いることで流体溜まり部から静圧軸受へ向かわず外部空間に漏れる流量を小さくすることができる。その結果、流体溜まり部の圧力低下を防ぐことができ、静圧軸受の負荷容量低下ひいては剛性の低下を防止でき、外乱に対しての運動精度低下を抑制できる。すなわち、ラビリンスシールという、簡易な方法で、高精度静圧ステージ装置を提供することができる。
12 案内面
21 移動体
22a、22b 静圧軸受
23a、23b 絞り部
24a、24b 流体溜まり部
30a、30b 流体流路
31a、31b 流体供給管
50 流体供給源
100 静圧ステージ装置
Claims (5)
- 流体供給源と、
前記流体供給源から流体を供給するために前記流体供給源に接続されている流体供給管と、案内面を有する基台と、
前記案内面に対向する面に静圧軸受が設けられており、前記静圧軸受に流体を供給するため流体流路が形成されている移動体と、を有する静圧ステージ装置であって、
前記移動体の前記流体流路は、前記流体供給管から流体を受領し、
前記流体流路には絞り部が設けられており、
該絞り部を介して前記流体流路から前記静圧軸受に流体が供給されて前記静圧軸受と前記基台の前記案内面との間に軸受隙間が画成され、
前記移動体は、前記案内面と対向する面と反対側の面に、前記流体流路と連通し、且つ前記流体供給管との間に外部に通じている隙間を形成するように、流体溜まり部が設けられていることを特徴とする、静圧ステージ装置。 - 流体供給源と、
前記流体供給源から流体を供給するために前記流体供給源に接続されている流体供給管と、
案内面を有する基台と、
前記案内面に対向する面に静圧軸受が設けられており、前記静圧軸受に流体を供給するため流体流路が形成されている移動体と、を有する静圧ステージ装置であって、
前記流体供給管は、前記移動体の内部を通り、前記移動体の内部に、前記流体供給管との間に外部に通じている隙間を形成するように、流体溜まり部が設けられ、前記流体流路は、前記流体溜まり部から流体を受領し、
前記流体流路には絞り部が設けられており、
前記絞り部を介して前記流体流路から前記静圧軸受に流体が供給されて前記静圧軸受と前記基台の前記案内面との間に軸受隙間が画成されていることを特徴とする、静圧ステージ装置。 - 前記流体溜まり部の面積S1及び前記静圧軸受の面積S2が、以下の関係式
0.2×F0/PS<S1<S2−F0/Ps
(ここでF0は前記移動体にかかる初期予荷重、Psは前記流体供給源における加圧流体の供給圧力)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の静圧ステージ装置。 - 前記流体溜まり部の面積S1及び前記静圧軸受の面積S2が、以下の関係式
S1=S2/2
を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の静圧ステージ装置。 - 前記流体供給管と前記流体溜まり部との間に設けられたラビリンスシールを有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静圧ステージ装置。
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