JP2013249336A - 射出成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリトリメチレンテレフタレートを主成分として含み、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進し、成形時間を短縮し、成形が容易な射出成形品を提供する。
【解決手段】ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を含んでなる射出成形品。ポリブチレンテレフタレートの配合量は、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対して、5〜10質量部であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分として含んでなる射出成形品に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステルは、機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的特性などに優れていることから、自動車部品、電気・電子部品などの幅広い分野で用いられている。なかでも、ポリトリメチレンテレフタレートは、外観特性(特に、光沢性)に優れているため、化粧品容器などへの応用が検討されている。
ポリトリメチレンテレフタレートを射出成形によって成形する際、成形品に耐熱性を付与するためには、ポリトリメチレンテレフタレートを十分に結晶化させてから、金型から取り出す必要がある。そのためには、金型温度を高く設定し、かつ、成形時間を長くしなければならず、製造効率が悪いという課題があった。
従来、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進し、成形時間を短縮する方法としては、ポリトリメチレンテレフタレートにタルク、シリカなどの結晶核剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、ポリトリメチレンテレフタレートに結晶核剤を添加すると、成形品の機械特性が低下するという課題があった。
この課題に対して、一粒の質量が5〜300mgであるペレットを50%以上含むポリトリメチレンテレフタレート樹脂が、機械特性の低下がなく、成形時間を短縮することができることが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−286596号公報 特開平11−124444号公報 特開2003−12813号公報
しかしながら、特許文献3に記載の発明では、ペレット一粒ずつの質量が、上記の範囲内にあることを確認する必要であり、製造工程が多くなるという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分として含み、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進し、成形時間を短縮し、成形が容易な射出成形品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を含んでなる射出成形品を提供する。
本発明の射出成形品において、前記ポリブチレンテレフタレートの配合量は、前記ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対して、5〜10質量部であることが好ましい。
本発明によれば、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を配合することにより、これらを含む複合材を射出成形する際に、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進することが可能となり、成形時間を短縮することができるとともに、低い金型温度で成形することができる。
ポリトリメチレンテレフタレートの示差走査熱量測定の結果を示すグラフである。 ポリブチレンテレフタレートの示差走査熱量測定の結果を示すグラフである。 ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材の示差走査熱量測定の結果を示すグラフである。 ポリトリメチレンテレフタレート、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材の半結晶化時間を示すグラフである。 ポリトリメチレンテレフタレート、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材の半結晶化時間を示すグラフである。 ポリトリメチレンテレフタレート、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートから構成される複合材からなるコンパクトの蝶番部の強度を測定した結果を示すグラフである。
本発明の射出成形品の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の射出成形品は、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を含んでなるものである。すなわち、本発明の射出成形品は、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を含む複合材からなる成形品である。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)とは、主たるジカルボン酸成分としてのテレフタル酸と、主たるグリコール成分としてのトリメチレングリコールとを共重合して得られたポリエステルである。
ここで、「主たる」とは、全ジカルボン酸成分または全ジオール成分の90モル%以上を言う。
トリメチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、あるいは、これらの混合物が挙げられるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが好ましい。また、この1,3−プロパンジオールを植物由来原料より製造することで、約37%の植物度を持つ樹脂として扱われる。
テレフタル酸以外の酸成分としては、例えば、ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルスルフィドジカルボン酸などのテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのオキシジカルボン酸などが挙げられる。
トリメチレングリコール以外のグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノン、レゾルシンなどのジヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール化合物、ビスフェノール化合物とエチレングリコールなどのグリコールとから得られるエーテルジオールなどの芳香族ジオールなどが挙げられる。
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えば、トリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸などの三官能または四官能のエステル形成能を有する酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を有するアルコールを共重合してもよい。
ポリトリメチレンテレフタレートは、上記の共重合成分を2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレートは、通常の製造方法、例えば、溶融重縮合反応、または、これと固相重縮合反応とを組み合わせた方法などによって製造できる。例えば、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えば、ジメチルエステル、モノメチルエステルなどの低級アルキルエステル)と、トリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、加熱反応させ、得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反応させる方法が挙げられる。
また、本発明では、市販されているポリトリメチレンテレフタレートを用いることもできる。
さらに、本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度数(η)は、o−クロロフェノールを用いて、35℃で測定したとき、1.00〜1.10dl/gであることが好ましく、1.02dl/gであることがより好ましい。
本発明に用いられるポリブチレンテレフタレート(PBT)とは、主たるジカルボン酸成分としてのテレフタル酸と、主たるジオール成分としての1,4−ブタンジオールと、その他の共重合成分とを共重合して得られたポリエステルである。
その他の共重合成分としては、ジオール成分、ジカルボン酸成分、ジカルボン酸エステル誘導体成分などが挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール成分、1,2−プロパンジオール成分、1,3−ブタンジオール成分、1,5−ペンタンジオール成分、1,6−ヘキサンジオール成分、ネオペンチルグリコール成分などの脂肪族ジヒドロキシ化合物成分;ポリエチレングリコール成分、ポリプロピレングリコール成分、ポリテトラメチレングリコール成分などのポリオキシアルキレングリコール成分;1,4−シクロヘキサンジメタノール成分などの脂環族ジヒドロキシ化合物成分;ビスフェノールA成分、ビスフェノールS成分などの芳香族ジヒドロキシ化合物成分などが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、イソフタル酸成分、ジフェニルジカルボン酸成分、ジフェニルスルホンジカルボン酸成分、ジフェノキシエタンジカルボン酸成分、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸成分、フタル酸成分などの芳香族ジカルボン酸成分;シュウ酸成分、コハク酸成分、アジピン酸成分、セバシン酸成分、ダイマー酸成分、マレイン酸成分、フマル酸成分などの脂肪族ジカルボン酸成分;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分などの脂環族ジカルボン酸成分;パラオキシ安息香酸成分などのオキシカルボン酸成分などが挙げられる。
ジカルボン酸エステル誘導体成分としては、上記ジカルボン酸化合物のエステル化物成分、例えば、テレフタル酸ジメチル成分、テレフタル酸ジエチル成分、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル成分、イソフタル酸ジメチル成分、アジピン酸ジメチル成分、マレイン酸ジエチル成分、ダイマー酸ジメチル成分などが挙げられる。
ポリブチレンテレフタレートは、上記の共重合成分を2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるポリブチレンテレフタレートは、通常の製造方法、例えば、溶融重縮合反応、または、これと固相重縮合反応とを組み合わせた方法などによって製造できる。例えば、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えば、ジメチルエステル、モノメチルエステルなどの低級アルキルエステル)と、1,4−ブタンジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、加熱反応させ、得られるテレフタル酸のジオールエステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反応させる方法が挙げられる。
また、本発明では、市販されているポリブチレンテレフタレートを用いることもできる。
さらに、本発明に用いられるポリブチレンテレフタレートの極限粘度数(η)は、o−クロロフェノールを用いて、35℃で測定したとき、0.8dl/g以上であることが好ましく、0.8〜1.3dl/gであることがより好ましい。
ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを含む複合材において、ポリブチレンテレフタレートの配合量は、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対して、5〜10質量部であることが好ましく、5〜7質量部であることがより好ましい。
ポリブチレンテレフタレートの配合量が5質量部未満では、結晶化時間に関して、ポリトリメチレンテレフタレート単体の場合と大差なく、結晶化時間を短縮する効果が得られない。一方、ポリブチレンテレフタレートの配合量が10質量部を超えると、結晶化時間を短縮する効果が得られないばかりでなく、射出成形品の機械的強度などの機械特性が低下するおそれがある。また、植物由来のポリトリメチレンテレフタレートを用いる場合、ポリブチレンテレフタレートの配合量が多くなると、複合材としての植物度が低下するため好ましくない。
また、本発明では、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを含む複合材には、必要に応じて、複合材としての植物度が低下しない範囲にて、その他の添加剤を添加してもよい。
添加剤としては、充填剤、補強材、酸化防止剤等の安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
このような複合材からなる本発明の射出成形品としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリトリメチレンテレフタレートの優れた外観特性(特に、光沢性)を利用した化粧品容器などが挙げられる。
化粧品容器としては、例えば、コンパクト、ジャー容器などが挙げられる。
また、本発明の射出成形品の厚さは、特に限定されるものではないが、2mm〜6.5mmであることが好ましい。
本発明によれば、ポリトリメチレンテレフタレートと、結晶性樹脂のポリブチレンテレフタレートと、を配合することにより、これらを含む複合材を射出成形する際に、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進することが可能となり、従来よりも成形時間を短縮することができるとともに、従来よりも低い金型温度で成形することができる。したがって、本発明の射出成形品は、従来よりも製造工程を簡略化して、容易に製造することができる。また、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶化を促進するために、従来のように結晶核剤を用いていないので、本発明の射出成形品の機械特性が低下することがない。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)の示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter、DSC)を行った。
ポリトリメチレンテレフタレートの示差走査熱量測定には、示差走査熱量測定(DSC)装置(商品名:DSC6220、SIINT社製)を用いた。
また、ポリトリメチレンテレフタレートの示差走査熱量測定は、測定条件を、昇温速度10℃/minとして行った。
結果を図1に示す。
図1の結果から、アモルファス状態のポリトリメチレンテレフタレートのガラス転移温度(Tg)は44.6℃、結晶化温度(Tc)は70.9℃、融点(Tm)は229℃であった。
[実験例2]
ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)の示差走査熱量測定(DSC)を行った。
ポリブチレンテレフタレートの示差走査熱量測定は、実験例1と同様に、測定条件を、昇温速度10℃/minとして行った。
結果を、図2に示す。
図2の結果から、ポリブチレンテレフタレートのガラス転移温度(Tg)は51.6℃、融点(Tm)は227℃であり、結晶化温度(Tc)のピークは現れなかった。また、ポリブチレンテレフタレートを、氷水で急冷した後、再び示差走査熱量測定を行ったところ、結晶化温度(Tc)のピークは現れなかった。
[実験例3]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)5質量部とからなる複合材の示差走査熱量測定(DSC)を行った。
この複合材の示差走査熱量測定は、実験例1と同様に、測定条件を、昇温速度10℃/minとして行った。
結果を図3に示す。
[実験例4]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)単体の半結晶化時間(分)を測定した。
ポリトリメチレンテレフタレートの半結晶化時間の測定には、示差走査熱量測定(DSC)装置(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマー社製)を用いた。
また、ポリトリメチレンテレフタレートの半結晶化時間の測定条件を、以下の通りとした。
(1)ポリトリメチレンテレフタレートを、昇温速度500℃/minで250℃まで加熱する。
(2)ポリトリメチレンテレフタレートの温度が250℃に達した後、ポリトリメチレンテレフタレートの温度を250℃にて、5分間保持する。
(3)ポリトリメチレンテレフタレートを、降温速度500℃/minで保持温度(60℃、70℃、80℃、90℃、100℃)まで冷却する。
(4)保持温度にて、10分間保持し、DSC装置により、ポリトリメチレンテレフタレートの半結晶化時間(分)を測定した。
結果を、表1および図4に示す。
[実験例5]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)5質量部とからなる複合材の半結晶化時間(分)を測定した。
この複合材の半結晶化時間の測定装置としては、実験例4と同様のものを用いた。
また、複合材の半結晶化時間の測定条件を、以下の通りとした。
(1)複合材を、昇温速度500℃/minで250℃まで加熱する。
(2)複合材の温度が250℃に達した後、複合材の温度を250℃にて、5分間保持する。
(3)複合材を、降温速度500℃/minで保持温度(60℃、70℃、80℃、90℃、100℃)まで冷却する。
(4)保持温度にて、10分間保持し、DSC装置により、複合材の半結晶化時間(分)を測定した。
結果を、表1および図4に示す。
Figure 2013249336
表1および図4の結果から、ポリトリメチレンテレフタレートにポリブチレンテレフタレートを添加することにより、全ての保持温度において、半結晶化時間を短縮する効果が得られることを確認できた。
[実験例6]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)の配合量を変化させて、ポリトリメチレンテレフタレート単体、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材の半結晶化時間(分)を測定した。
半結晶化時間の測定装置としては、実験例4と同様のものを用いた。
また、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材の半結晶化時間の測定条件を、以下の通りとした。
(1)ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材を、昇温速度500℃/minで250℃まで加熱する。
(2)ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材の温度が250℃に達した後、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材の温度を250℃にて、5分間保持する。
(3)ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材を、降温速度500℃/minで保持温度(80℃)まで冷却する。
(4)保持温度にて、10分間保持し、DSC装置により、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材の半結晶化時間(分)を測定した。
結果を、表2および図5に示す。
Figure 2013249336
表2および図5の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレートの配合量が5〜30質量部であれば、半結晶化時間を短縮する効果が得られることを確認できた。
[実験例7]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)の配合量を変化させて、ポリトリメチレンテレフタレート単体、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材について、射出成形において、金型温度を80℃とした場合の成形時間(秒)を確認した。
射出成形機としては、名機製作所社製、商品名:M−100C Dynameltorを用いた。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材が十分に結晶化し、金型から取り出し可能となる時間のことである。
また、金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、割れや変形のあるものを×とした。
結果を表3に示す。
Figure 2013249336
表3の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレートの配合量が5〜10質量部であれば、金型温度を80℃とした場合に、成形時間を35秒にすることができるのを確認できた。
[実験例8]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)の配合量を変化させて、ポリトリメチレンテレフタレート単体、または、ポリトリメチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートからなる複合材について、射出成形において、金型温度を80℃、成形時間を35秒とした場合に、金型から成形品を取り出した際の状態を確認した。
射出成形機としては、実験例7と同様のものを用いた。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材を、金型内に保持させている時間のことである。
また、金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、変形の程度が小さいものを△、割れや変形の程度が大きいものを×とした。
結果を表4に示す。
Figure 2013249336
表4の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対する、ポリブチレンテレフタレートの配合量が5〜10質量部であれば、金型温度を80℃、成形時間を35秒とした場合であっても、成形品の状態が良好であることを確認できた。
[実験例9]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)単体について、射出成形において、金型温度を80℃または90℃とし、成形時間を変化させた場合に、金型から成形品を取り出した際の状態を確認した。
射出成形機としては、実験例7と同様のものを用いた。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体を、金型内に保持させている時間のことである。
金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、割れや変形があるものを×とした。
結果を表5に示す。
Figure 2013249336
表5の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート単体では、良好な成形品を得るためには、金型温度が90℃以上、成形時間が70秒以上必要であることを確認できた。
[実験例10]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)5質量部とからなる複合材について、射出成形において、金型温度を80℃または90℃とし、成形時間を変化させた場合に、金型から成形品を取り出した際の状態を確認した。
射出成形機としては、実験例7と同様のものを用いた。
ここで、成形時間とは、複合材を、金型内に保持させている時間のことである。
金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、割れや変形があるものを×とした。
結果を表6に示す。
Figure 2013249336
表6の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部と、ポリブチレンテレフタレート5質量部とからなる複合材では、良好な成形品を得るためには、金型温度が80℃以上、成形時間が35秒以上必要であることを確認できた。
[実験例11]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリエチレン(商品名:J300、旭化成社製)5質量部とからなる複合材について、射出成形において、金型温度を80℃または90℃とし、成形時間を変化させた場合に、金型から成形品を取り出した際の状態を確認した。
射出成形機としては、実験例7と同様のものを用いた。
ここで、成形時間とは、複合材を、金型内に保持させている時間のことである。
金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、割れや変形があるものを×とした。
結果を表7に示す。
Figure 2013249336
表7の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部と、ポリエチレン5質量部とからなる複合材では、いずれの金型温度、成形時間であっても、良好な成形品が得られないことを確認できた。詳細には、この金型温度と成形時間では、複合材の結晶化が進まず、金型から成形品を取り出すことができなかった。
[実験例12]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリプロピレン(商品名:J246M、プライムポリマー社製)5質量部とからなる複合材について、射出成形において、金型温度を80℃または90℃とし、成形時間を変化させた場合に、金型から成形品を取り出した際の状態を確認した。
射出成形機としては、実験例7と同様のものを用いた。
ここで、成形時間とは、複合材を、金型内に保持させている時間のことである。
金型から取り出した成形品の状態を目視により観察し、割れや変形のないものを○、割れや変形があるものを×とした。
結果を表8に示す。
Figure 2013249336
表8の結果から、ポリトリメチレンテレフタレート100質量部と、ポリプロピレン5質量部とからなる複合材では、いずれの金型温度、成形時間であっても、良好な成形品が得られないことを確認できた。これは、この金型温度と成形時間では、複合材の結晶化が進まず、金型から成形品を取り出すことができなかったからである。
[実験例13]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)単体を用いて、射出成形により、コンパクトの本体と蓋を形成した。このとき、金型温度を90℃、成形時間を70秒とした。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材が十分に結晶化し、金型から取り出し可能となる時間のことである。
次に、コンパクトの本体と蓋を、それぞれに形成された蝶番部により接合した。
次に、コンパクトの蝶番部の強度を、以下のようにして測定した。
蓋を180°開いた状態で、本体を固定し、蓋の中央部に直径20mmの円盤を押し当て、その円盤を、島津制作所社製、商品名:AUTOGRAPH AGS−Xを用いて、降下速度100mm/minで、蝶番部が折れるまで降下させた。蝶番部が折れたときの強度を、蝶番部の強度とした。
結果を表9および図6に示す。
[実験例14]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1100(結晶核剤を含む)、三井・デュポンポリケミカル社製)単体を用いて、射出成形により、コンパクトの本体と蓋を形成した。このとき、金型温度を80℃、成形時間を40秒とした。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材が十分に結晶化し、金型から取り出し可能となる時間のことである。
次に、コンパクトの本体と蓋を、それぞれに形成された蝶番部により接合した。
次に、コンパクトの蝶番部の強度を、実験例14と同様にして測定した。
結果を表9および図6に示す。
[実験例15]
ポリトリメチレンテレフタレート(商品名:バイオマックスPTT1002(結晶核剤を含まない)、三井・デュポンポリケミカル社製)100質量部と、ポリブチレンテレフタレート(商品名:トレコン1401X06、東レ社製)5質量部とからなる複合材を用いて、射出成形により、コンパクトの本体と蓋を形成した。このとき、金型温度を80℃、成形時間を35秒とした。
ここで、成形時間とは、ポリトリメチレンテレフタレート単体または複合材が十分に結晶化し、金型から取り出し可能となる時間のことである。
次に、コンパクトの本体と蓋を、それぞれに形成された蝶番部により接合した。
次に、コンパクトの蝶番部の強度を、実験例14と同様にして測定した。
結果を表9および図6に示す。
Figure 2013249336
表9および図6の結果から、結晶核剤を含まないポリトリメチレンテレフタレート単体からなる射出成形品よりも、結晶核剤を含むポリトリメチレンテレフタレート単体からなる射出成形品の方が、強度が高くなるものの、結晶核剤を含まないポリトリメチレンテレフタレート100質量部と、ポリブチレンテレフタレート5質量部とから構成される複合材からなる射出成形品は、さらに強度が高くなることを確認できた。

Claims (2)

  1. ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、を含んでなることを特徴とする射出成形品。
  2. 前記ポリブチレンテレフタレートの配合量は、前記ポリトリメチレンテレフタレート100質量部に対して、5〜10質量部であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形品。
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