JP2013248580A - 難分解性廃棄物の減容処理方法および減容処理装置 - Google Patents

難分解性廃棄物の減容処理方法および減容処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高水分率の難分解性廃棄物のスラリーをそのまま処理装置に投入する方法を採用しながら、処理装置が大型化することを抑制することを可能とする。
【解決手段】 難分解性廃棄物を減容処理する方法であり、難分解性廃棄物のスラリーと過熱水蒸気を乾留部に供給して難分解性廃棄物を熱分解する。難分解性廃棄物のスラリーは、水分率が70%を越える状態で乾留部11の一端から供給され、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスは乾留部11の他端から排出される。乾留部11の他端における温度が460〜700℃とされている。
【選択図】図1

Description

本明細書に開示する技術は、難分解性廃棄物を減容処理する技術に関する。特に、原子力発電所で使用されるイオン交換樹脂の減容処理に好適に用いることができる技術に関する。
難分解性廃棄物としては、例えば、原子力発電所で使用されるイオン交換樹脂が知られている。すなわち、原子力発電所では、機器の腐食防止のため、系統水の浄化や系統に注入する水の浄化に大量のイオン交換樹脂が使用されている。これらのイオン交換樹脂は性能が経年劣化するため、所定期間使用した後、廃棄物となる。従来、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂は、放射能レベルにより分別され、それぞれ貯蔵タンクに水とともに貯留されていた。イオン交換樹脂は自然状態では安定で難分解性であるという特性を有するが、有機物質であるため長期的には変質する可能性がある。したがって、使用済のイオン交換樹脂を廃棄物として処分する際には、無機化し安定化することが必要となる。
原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂の処理方法として、焼却処理、熱分解処理、酸化分解処理など様々な無機化減容技術が開発されている。現在、一部の原子力発電所では、放射能レベルが低いものについて、800℃以上の高温焼却処理が行われている。一方、放射能レベルが比較的高いものについては、高温焼却処理時に使用される処理炉を構成する耐火物の処理問題や、高温焼却に伴うCsの飛散の問題などがあり、高温焼却処理の採用は困難であり、そのまま水とともに貯蔵タンクに貯留されているのが現状である。これらの問題を解決するために、乾留装置を用いて使用済イオン交換樹脂を無機化減容処理する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開昭63−171400号公報
上述したように、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂は、水とともに貯蔵タンクに貯留されている。このため、乾留装置で使用済みのイオン交換樹脂を処理する場合、貯蔵タンクから移送される高水分率のイオン交換樹脂のスラリー(水分率70%以上(固形分30%以下、通常、固形分5〜15%))をそのまま乾留装置に投入する方法が考えられる。しかしながら、高水分率のイオン交換樹脂のスラリーをそのまま乾留装置に投入すると、イオン交換樹脂のスラリーから多量の水分が蒸発するため、乾留装置を大型化する必要がある。そこで、貯蔵タンクから移送されるイオン交換樹脂のスラリーを脱水機で脱水し、脱水により水分率が低下したイオン交換樹脂を乾留装置に投入することも考えられる。この方法では、乾留装置の大型化を抑制することはできるものの脱水機が必要となり、また、脱水によりスラリーより分離された水を処理する設備も必要になるという問題が生じる。
本明細書は、高水分率の難分解性廃棄物のスラリーをそのまま処理装置に投入する方法を採用しながら、処理装置が大型化することを抑制することができる技術を開示する。
本明細書に開示する難分解性廃棄物を減容処理する方法は、難分解性廃棄物のスラリーと過熱水蒸気を乾留部に供給して難分解性廃棄物を熱分解する工程を有している。難分解性廃棄物のスラリーは、水分率が70%を越える状態で乾留部の一端から供給され、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスは乾留部の他端から排出される。そして、乾留部の他端における温度が460〜700℃とされていることを特徴とする。
この減容処理方法では、高水分率の難分解性廃棄物のスラリーを乾留部の一端に供給し、乾留部の他端より難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスを排出する。この際、乾留部の他端(乾留処理が終了する位置)の温度が460〜700℃に調整される。すなわち、乾留部の他端の温度が460〜700℃となるように、乾留部に供給される過熱水蒸気の量や、乾留部を加熱する加熱量が調整される。これによって、乾留部に投入される難分解性廃棄物のスラリーの水分率に応じて過熱水蒸気の量が調整されることとなり、乾留部内で発生する水蒸気量が抑制され、処理装置が大型化することを抑制することができる。また、本発明者らが行った後述の実験結果に示すように、乾留部の他端の温度が460〜700℃となるように調整することで、高水分率の難分解性廃棄物のスラリーを乾留部にそのまま投入しても、難分解性廃棄物を十分に減容することができる。したがって、この減容処理方法によると、高水分率の難分解性廃棄物のスラリーをそのまま処理装置に投入して減容処理しながら、処理装置の大型化を抑制することができる。
また、本明細書は、上記の課題を解決することができる新規な難分解性廃棄物を減容処理する装置を開示する。この減容処理装置は、乾留部と、乾留部を外部から加熱する外部加熱手段と、乾留部の一端に水分率が70%を越える難分解性廃棄物のスラリーを供給するスラリー供給手段と、乾留部に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段と、乾留部の他端の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段で検出された温度に基づいて、外部加熱手段とスラリー供給手段と過熱水蒸気供給手段を制御する制御手段と、を有している。乾留部は、スラリー供給手段から供給される難分解性廃棄物を熱分解すると共に、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスを他端より排出する。制御手段は、温度検出手段で検出される温度が460〜700℃となるように、外部加熱手段とスラリー供給手段と過熱水蒸気供給手段を制御する。この減容処理装置によると、上述した本明細書に開示する減容処理方法を好適に実施することができる。
本実施例に係る減容処理システムの全体構成を説明するための図である。 本実施例に係るボール型乾留炉を説明するための図である。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 本明細書に開示する減容処理方法は、乾留部の他端における温度が500℃以上とされていてもよい。このような構成によると、乾留部において難分解性廃棄物を十分に分解でき、減重率を向上することができる。
(特徴2) 本明細書に開示する減容処理方法では、乾留部の他端には、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生する残渣を貯留する粉体貯留部が接続されていてもよい。この場合、過熱水蒸気は、粉体貯留部に供給され、粉体貯留部に供給された過熱水蒸気は、粉体貯留部を通って乾留部に供給されていてもよい。そして、乾留部に単位時間当たりに投入される難分解性廃棄物のスラリーの水分量をaとし、粉体貯留部に単位時間当たりに投入される過熱水蒸気の水分量をbとしたときに、比(a/b)が1.0以下とされていてもよい。このような構成によると、粉体貯留部に過熱水蒸気が供給されるため、投入された難分解性廃棄物の一部が乾留部で分解されなくても、その未分解の難分解性廃棄物を粉体貯留部において分解することができる。また、比(a/b)を1.0以下とすることで、乾留部の他端の温度を460℃以上に好適に維持することができる。
(特徴3) 本明細書に開示する減容処理方法では、乾留部は、金属製の反応容器と、その反応容器内に充填されたセラミック製又は金属製の複数のボールと、これら複数のボールを攪拌する攪拌手段を有していてもよい。ボール型の乾留部を用いることで、投入された難分解性廃棄物の熱分解を効率的に行うことができる。
(特徴4) 本明細書に開示する減容処理方法では、難分解性廃棄物が、イオン交換樹脂、活性炭、スラッジ、廃油・含水廃油、洗濯廃液・ドレン及びその濃縮廃液、有機廃液、ゴムの少なくとも1つを含んでいてもよい。
以下、実施例に係る減容処理システムについて説明する。本実施例の減容処理システムは、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂を減容処理するシステムである。図1に示すように、減容処理システムは、樹脂受入タンク1と、過熱水蒸気供給装置4と、ボール型乾留炉3と、排ガス処理装置5と、制御装置2を備えている。
樹脂受入タンク1は、原子力発電所で発生した使用済のイオン交換樹脂を5〜15%スラリー(樹脂5〜15%、水分85〜95%)として貯留する。樹脂受入タンク1の樹脂供給口には供給ポンプ6が接続されている。供給ポンプ6が作動すると、樹脂受入タンク1内のスラリーが供給路を通ってボール型乾留炉3に供給されるようになっている。
過熱水蒸気供給装置4は、水タンク7と、供給ポンプ8と、蒸気発生器9と、蒸気過熱器10を備えている。水タンク7の供給口には供給ポンプ8が接続されている。供給ポンプ8が作動すると、水タンク7内の水が蒸気発生器9に供給される。蒸気発生器9は、水タンク7から供給される水を水蒸気とする。蒸気発生器9には蒸気過熱器10が接続されており、蒸気発生器9で発生した水蒸気は蒸気過熱器10に供給される。蒸気過熱器10は、蒸気発生器9から供給される水蒸気を過熱して過熱水蒸気とする。蒸気過熱器10で生成された過熱水蒸気は、ボール型乾留炉3に供給される。
ボール型乾留炉3は、樹脂受入タンク1内に貯留される高水分率のイオン交換樹脂のスラリーと、過熱水蒸気供給装置4から供給される過熱水蒸気とを接触させ、イオン交換樹脂を熱分解する。熱分解により生じたガスは排ガス処理装置5に送られ、また、イオン交換樹脂の熱分解後の残渣は固化設備に送られる。ボール型乾留炉3の詳細な構成については、後で詳述する。
排ガス処理装置5は、ボール型乾留炉3から供給される排気ガスを処理し、無害化して大気に排気する。排ガス処理装置5は、ボール型乾留炉3から供給される排気ガス中の可燃分を燃焼させる二次燃焼器と、二次燃焼器から排気される排気ガス中の微粒子を除去する複数のHEPAフィルタを有している。HEPAフィルタを通過後のガスを大気に排出することで、排ガス中に含まれる微粒子が大気中に拡散することを防止することができる。
制御装置2は、減容処理システムを構成する各装置を制御する制御装置である。制御装置2は、例えば、ボール型乾留炉3に供給されるイオン交換樹脂の供給量(時間当たりの供給量)と、ボール型乾留炉3に供給される過熱水蒸気の供給量(時間当たりの供給量)と、ボール型乾留炉3内の雰囲気温度を制御する。すなわち、制御装置2は、供給ポンプ6を制御することでイオン交換樹脂の供給量を制御し、過熱水蒸気供給装置4を制御することで過熱水蒸気の供給量を制御し、ボール型乾留炉3のヒータ出力を制御することで雰囲気温度を制御する。制御装置2の動作については、後で詳述する。
次に、図2を参照してボール型乾留炉3の詳細な構成について説明する。図2に示すように、ボール型乾留炉3は、ボール充填部である金属製の密閉式反応容器11と、反応容器11の内部を容器外から加熱する外部ヒータ14(図1に図示)と、反応容器11の内部に充填されたセラミック製または金属製のボール12と、ボール12を機械的に撹拌できる撹拌翼13と、反応容器11の上部からボール12上へイオン交換樹脂を供給するイオン交換樹脂供給ノズル16と、反応容器11の上部からボール12上へ過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給ノズル15から構成されている。
なお、過熱水蒸気供給ノズル15から過熱水蒸気を供給するか否かは任意であり、イオン交換樹脂供給ノズル16から供給されるイオン交換樹脂の水分率に応じて適宜決定することができる。例えば、イオン交換樹脂の水分率が高い場合は、過熱水蒸気供給ノズル15からの過熱水蒸気の供給を停止してもよく、一方、イオン交換樹脂の水分率が低い場合は、過熱水蒸気供給ノズル15から過熱水蒸気を供給してもよい。
密閉式反応容器11は、径が例えば400mmで長さが500mmである金属製の円筒体により構成され、反応容器11内の圧力を−0.5〜−10kPaに維持する圧力制御機構と、反応容器11の内部を所望の温度に制御するための外部電気式ヒータ14を備えている。なお、反応容器11の長さは、500mmに限られず、処理するイオン交換樹脂の種類等に応じて適宜決定することができる。なお、高水分率のイオン交換樹脂のスラリーを反応容器11内に直接投入する場合、イオン交換樹脂の温度が上昇し難いため、反応容器11の長さを500mm以上とすることが好ましい。反応容器11の長さを500mm以上とすることで、反応時間を充分に長くすることができ、投入されたイオン交換樹脂を好適に熱分解することができる。
反応容器11の軸心部には、反応容器11の上部に設置された駆動モータによって低速(約0.1〜2.0rpm、好ましくは0.5rpm以上)で回転される回転軸が設けられている。この回転軸の周部には、外縁が反応容器11の内周面に近接位置されるように、また内縁が回転軸との間に空間を形成するようにして螺旋翼である撹拌翼13が取り付けられている。
反応容器11内のボール12は、耐蝕性のあるセラミックボールあるいは、高ニッケル系合金であるハステロイ又はインコネル製であって、10〜25mmの粒径を有している。ボール12は、撹拌翼13により撹拌されながら反応容器11内の周縁部を上昇し、これに伴って形成される空間部に、反応容器11内の上部に位置しているボールが順次下降していく。
反応容器11の下端には、ボール12を反応容器11内に保持するための保持板23が配置されている(図1に図示)。保持板23は、ボール12の通過を禁止する一方、ガス及びイオン交換樹脂の残渣の通過を許容する。これにより、反応容器11内に充填されたボール12が粉体貯留部19に落下することが防止される一方、反応容器11内で熱分解されなかった残渣及び熱分解により発生したガスが粉体貯留部19に移動することができる。
なお、保持板23の下面の略中央には温度センサ22(図1に図示)が配置されている。温度センサ22は、反応容器11の下端(すなわち、乾留部の下端)の温度を検出する。温度センサ22は、制御装置2に接続されている。温度センサ22で検出された温度は制御装置2に入力される。
反応容器11の下方には粉体貯留部19が設けられている。粉体貯留部19は、反応容器11から排出されるガスから固体(イオン交換樹脂の残渣等の粉体)を分離し、分離した粉体を貯留する。粉体貯留部19の下端には、過熱水蒸気供給ノズル21が設けられている。過熱水蒸気供給ノズル21には、過熱水蒸気供給装置4から過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気供給ノズル21から粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気は、イオン交換樹脂の残渣に含まれる可燃分を分解するために用いられる。また、粉体貯留部19内に供給された過熱水蒸気の一部は、反応容器11内に流れ、反応容器11内でイオン交換樹脂と接触してイオン交換樹脂の熱分解に用いられる。過熱水蒸気供給ノズル21から供給される過熱水蒸気の温度は、500〜700℃、好ましくは550℃以下に調整される。過熱水蒸気の温度を500℃以上とすることで、イオン交換樹脂の熱分解を促進することができる。また、過熱水蒸気の温度を700℃以下とすることで、ボール型乾留炉3の外郭を構成する金属製ハウジングの耐久性を向上することができる。
また、粉体貯留部19の壁面には、外部電気式ヒータ20が設けられている。ヒータ20によって、粉体貯留部19内の雰囲気温度がイオン交換樹脂の残渣が熱分解可能な温度に制御される。
粉体貯留部19の上面には、焼結金属フィルタ17が配置されている。粉体貯留部19内のガスは、焼結金属フィルタ17によって濾過される。焼結金属フィルタ17によって濾過された排ガスが排ガス出口18より排ガス処理装置5に送られる。
次に、本実施例に係る減容処理システムによりイオン交換樹脂を減容処理する方法について説明する。まず、制御装置2は供給ポンプ6を駆動してイオン交換樹脂のスラリーをボール型乾留炉3の反応容器11に供給すると共に、過熱水蒸気供給装置4を駆動して過熱水蒸気をボール型乾留炉3の粉体貯留部19に供給する。この際、反応容器11に単位時間当り供給されるイオン交換樹脂の水分量をaとし、粉体貯留部19に単位時間当たりに投入される過熱水蒸気の水分量をbとしたときに、比(a/b)が1.0以下となるように調整される。水分比(a/b)が適切な値に調整されることで、ボール型乾留炉3内の雰囲気温度がイオン交換樹脂を熱分解するために必要な温度に好適に維持される。
反応容器11に供給されたイオン交換樹脂のスラリーは、イオン交換樹脂供給ノズル16から反応容器11内に供給される。反応容器11内に供給されたイオン交換樹脂は、初期には5〜15%スラリーの含水状態であり、基本的にはボール13の表面に付着して、炉内を移動する。このため、イオン交換樹脂の反応容器11内での滞留時間はボールの下降時間と同じとなる。ボールの下降時間は、撹拌翼の寸法、回転数、ボールの寸法、充填層高さで自由に調節可能であるが、ボールの下降時間(すなわち、イオン交換樹脂の反応容器11内での滞留時間)は減重率向上には長い程好ましい。具体的には、ボールの径を小さくする、回転軸の回転数を小さくする、ボールが充填される充填層の長さを長くする方法を採用することができる。
粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気は、過熱水蒸気供給ノズル21から粉体貯留部19内に供給される。粉体貯留部19内に供給された水蒸気の一部は、反応容器11内に進入し、ボール13の表面に付着したイオン交換樹脂へ供給される。粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気の温度は、500〜700℃とされる一方、反応容器11内に供給されるイオン交換樹脂は室温とされる。このため、反応容器11の上層部は、反応容器11の下層部の温度より低く、反応容器11の下端の位置が最も温度が高くなる。したがって、反応容器11内に投入されたイオン交換樹脂は、上層部から下層部に移動するにつれて徐々に温度が上昇する。
したがって、反応容器11内に投入されたイオン交換樹脂は、イオン交換樹脂に含まれる水分が蒸発する第1段階(100℃付近)と、イオン交換基の分離が生じる第2段階(200〜300℃)と、脱水素反応による基体の炭化が生じる第3段階(300〜600℃)を経ることとなる。ここで、イオン交換基の分離が生じる第2段階(200〜300℃)をイオン交換樹脂が付着したボール13が通過する際に、ボール13が撹拌されるため、イオン交換樹脂と過熱水蒸気が効率よく接触する。これにより、イオン交換樹脂(より詳細には、陽イオン交換樹脂)のスルホニル架橋が抑制され、イオン交換樹脂の減重率向上が可能となる。
また、本実施例では、制御装置2が、温度センサ22で検出される温度が460〜700℃となるように、反応容器11に供給されるイオン交換樹脂のスラリーの量と、粉体貯留部19に供給される過熱水蒸気の量と、各種ヒータ14,20の出力を制御する。これによって、5〜15%スラリーの含水状態でイオン交換樹脂を反応容器11内に投入しても、反応容器11の下端の温度をイオン交換樹脂の分解に必要な充分な温度に維持され、反応容器11内でイオン交換樹脂を充分に減容化することができる。また、反応容器11の下端の温度を460〜700℃となるように制御することで、結果的に反応容器11内へのイオン交換樹脂のスラリーの供給量と粉体貯留部19への過熱水蒸気の供給量が適正化される。これによって、ボール型乾留炉3が大型化することが抑制され、また、排ガス処理装置5が大型化することが抑制される。
反応容器11内での分解によって発生した残渣(主に酸化鉄)は、粉体貯留部19に排出される。反応容器11内に残渣が堆積し難くなるため、反応容器11内の残渣処理に伴う各種問題も効果的に回避することができる。また、本実施例では、粉体貯留部19の下部に過熱水蒸気を供給し、また、ヒータ20により粉体貯留部19を加熱している。これによって、粉体貯留部16の温度が、ポリスチレンの分解温度以上の460℃以上、好ましくは500℃以上に管理される。したがって、粉体貯留部19に排出された残渣内の未分解分が分解され、更に、イオン交換樹脂の減重率を向上することができる。
反応容器11内での分解によって発生した分解ガス(CO、CxHy)及び、硫酸ガス、亜硫酸ガスなどは、焼結金属フィルタ17を経て排ガス出口18から排出され、排ガス処理装置5で処理される。このため、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂を、放射能による環境汚染の危険を伴わず安全に減容処理することができる。なお、焼結金属フィルタ17をセラミックフィルタとすることも可能である。
本実施例の減容処理システムでは、反応容器11の下端の温度を温度センサ22で検出し、その検出した温度が460〜700℃となるように、反応容器11に供給されるイオン交換樹脂のスラリーの量と、粉体貯留部19に供給される過熱水蒸気の量と、各種ヒータ14,20の出力を制御する。これによって、ボール型乾留炉3の大型化及び排ガス処理装置5の大型化を抑制しながら、高水分率のイオン交換樹脂の減容化を実現することができる。本発明者らが行った実験では、反応容器11のヒータの出力温度を550℃とし、粉体貯留部19に供給する過熱水蒸気の温度を550℃とし、イオン交換樹脂を0.8dry・kg/h(水分は10リットル/h)で反応容器11に供給することで、温度センサ22で検出される温度を500℃で安定化し、また、減重率を97%(ドライ重量ベース)とすることができた。
以上、本明細書に開示する技術の一実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上述した実施例では、ボール型の乾留炉を用いてイオン交換樹脂を処理したが、乾留装置の形式は種々のものを用いることができる。例えば、スクリューフィーダ式の乾留装置を用い、スクリュウーフィーダの一端にイオン交換樹脂を供給し、スクリューフィーダの他端から分解ガス及び残渣を排出するような構成としてもよい。
また、上述した実施例では、イオン交換樹脂を処理する例について説明したが、本明細書に開示の技術は、その他の難分解性廃棄物(例えば、活性炭、スラッジ、廃油・含水廃油、洗濯廃液・ドレン及びその濃縮廃液、有機廃液、ゴム等)の減容化処理に用いることができる。
また、上述した実施例では、常温のイオン交換樹脂のスラリーを反応容器11に供給したが、イオン交換樹脂のスラリーを供給する機器等にヒータを設け、反応容器11に供給されるイオン交換樹脂のスラリーを加熱するようにしてもよい。これによって、反応容器11の上層部の温度が低下することが抑制され、反応容器11を小型化することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 樹脂受入タンク
2 制御装置
3 ボール型乾留炉
4 過熱水蒸気供給装置
5 排ガス処理手段
6 供給ポンプ
7 水タンク
8 供給ポンプ
9 蒸気発生器
10 蒸気過熱器
11 密閉式反応容器
14 外部電気式ヒータ
12 ボール
13 撹拌翼
16 イオン交換樹脂供給ノズル
15 過熱水蒸気供給ノズル
17 焼結金属フィルタ
18 排ガス出口
19 粉体貯留部
20 外部電気式ヒータ
21 過熱水蒸気ノズル
22 温度センサ
23 保持板

Claims (6)

  1. 難分解性廃棄物を減容処理する方法であり、
    難分解性廃棄物のスラリーと過熱水蒸気を乾留部に供給して難分解性廃棄物を熱分解する工程を有しており、
    難分解性廃棄物のスラリーは、水分率が70%を越える状態で乾留部の一端から供給され、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスは乾留部の他端から排出され、
    乾留部の他端における温度が460〜700℃とされている、減容処理方法。
  2. 乾留部の他端における温度が500℃以上とされている、請求項1に記載の減容処理方法。
  3. 乾留部の他端には、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生する残渣を貯留する粉体貯留部が接続されており、
    過熱水蒸気は、粉体貯留部に供給されており、
    粉体貯留部に供給された過熱水蒸気は、粉体貯留部を通って乾留部に供給されており、
    乾留部に単位時間当たりに投入される難分解性廃棄物のスラリーの水分量をaとし、粉体貯留部に単位時間当たりに投入される過熱水蒸気の水分量をbとしたときに、比(a/b)が1.0以下となる、請求項1又は2に記載の減容処理方法。
  4. 乾留部は、金属製の反応容器と、その反応容器内に充填されたセラミック製又は金属製の複数のボールと、これら複数のボールを攪拌する攪拌手段と、を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の減容処理方法。
  5. 難分解性廃棄物が、イオン交換樹脂、活性炭、スラッジ、廃油・含水廃油、洗濯廃液・ドレン及びその濃縮廃液、有機廃液、ゴムの少なくとも1つを含んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の減容処理方法。
  6. 難分解性廃棄物を減容処理する装置であり、
    乾留部と、
    乾留部を外部から加熱する外部加熱手段と、
    乾留部の一端に水分率が70%を越える難分解性廃棄物のスラリーを供給するスラリー供給手段と、
    乾留部に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段と、
    乾留部の他端の温度を検出する温度検出手段と、
    温度検出手段で検出された温度に基づいて、外部加熱手段とスラリー供給手段と過熱水蒸気供給手段を制御する制御手段と、を有しており、
    乾留部は、スラリー供給手段から供給される難分解性廃棄物を熱分解すると共に、難分解性廃棄物を熱分解することにより発生するガスを他端より排出し、
    制御手段は、温度検出手段で検出される温度が460〜700℃となるように、外部加熱手段とスラリー供給手段と過熱水蒸気供給手段を制御する、減容処理装置。
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