JP2015179008A - 難分解性廃棄物の減容処理方法および減容処理装置 - Google Patents

難分解性廃棄物の減容処理方法および減容処理装置 Download PDF

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昌典 神田
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Abstract

【課題】難分解性廃棄物の分解をより促進することで、難分解性廃棄物の減重率を向上する方法を提供する。【解決手段】難分解性廃棄物にアルカリ金属を含有する添加剤を添加して、乾留処理により熱分解する。【選択図】図1

Description

本明細書に開示する技術は、難分解性廃棄物を減容処理する技術に関する。特に、原子力発電所で使用されるイオン交換樹脂の減容処理に好適に用いることができる技術に関する。
難分解性廃棄物としては、例えば、原子力発電所で使用されるイオン交換樹脂が知られている。すなわち、原子力発電所では、機器の腐食防止のため、系統水の浄化や系統に注入する水の浄化に大量のイオン交換樹脂が使用されている。これらのイオン交換樹脂は性能が経年劣化するため、所定期間使用した後、廃棄物となる。従来、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂は、放射能レベルにより分別され、それぞれ貯蔵タンクに水とともに貯留されていた。イオン交換樹脂は自然状態では安定で難分解性であるという特性を有するが、有機物質であるため長期的には変質する可能性がある。したがって、使用済のイオン交換樹脂を廃棄物として処分する際には、無機化し安定化することが必要となる。
原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂の処理方法として、焼却処理、熱分解処理、酸化分解処理など様々な無機化減容技術が開発されている。現在、一部の原子力発電所では、放射能レベルが低いものについて、800℃以上の高温焼却処理が行われている。一方、放射能レベルが比較的高いものについては、高温焼却処理時に使用される処理炉を構成する耐火物の処理問題や、高温焼却に伴うCsの飛散の問題などがあり、高温焼却処理の採用は困難であり、そのまま水とともに貯蔵タンクに貯留されているのが現状である。これらの問題を解決するために、乾留装置を用いて使用済イオン交換樹脂を無機化減容処理する技術が開発されている(例えば、特許文献1等)。
特開昭63−171400号公報
特許文献1の技術では、乾留装置を用いて使用済イオン交換樹脂を処理することで、従来と比較して高い減重率が得られるが、全ての使用済イオン交換樹脂が分解されるわけではない。このため、使用済イオン交換樹脂の分解をより促進し、より高い減重率を達成することが求められている。本明細書は、難分解性廃棄物の分解をより促進することで、難分解性廃棄物の減重率をさらに高めることができる技術を開示する。
本明細書に開示する難分解性廃棄物を減容処理する方法は、難分解性廃棄物にアルカリ金属を含有する添加剤を添加する工程と、添加剤が添加された難分解性廃棄物を乾留処理により熱分解する工程と、を有している。
この減容処理方法では、難分解性廃棄物にアルカリ金属を含有する添加剤を添加し、添加剤が添加された難分解性廃棄物を乾留処理により熱分解する。後述するように、本願の発明者らが行った実験によると、アルカリ金属を含有する添加剤を添加して難分解性廃棄物を乾留処理した方が、アルカリ金属を含有する添加剤を添加しないで難分解性廃棄物を乾留処理する場合と比較して、その減重率が格段に向上することが判明した。上記の減容処理方法では、難分解性廃棄物にアルカリ金属を含有する添加剤を添加して乾留処理をするため、難分解性廃棄物の減重率を向上することができる。
ここで、添加剤に含有されるアルカリ金属としては、例えば、リチウム又はナトリウム等を用いることができる。さらには、2種類以上のアルカリ金属(例えば、リチウムとナトリウム等)を用いてもよい。また、難分解性廃棄物への添加方法も種々の方法を採ることができ、難分解性廃棄物へ添加物を予め添加し、添加剤が添加された難分解性廃棄物を乾留炉等に供給してもよいし、あるいは、難分解性廃棄物と添加剤をそれぞれ個別に乾留炉等に供給するようにしてもよい。
また、本明細書は、上記の課題を解決することができる新規な難分解性廃棄物を減容処理する装置を開示する。この減容処理装置は、乾留部と、乾留部の一端に難分解性廃棄物のスラリーを供給するスラリー供給手段と、乾留部の一端に供給されるスラリーにアルカリ金属を含有する添加剤を添加する添加剤添加手段と、乾留部に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段と、を有する。この減容処理装置によると、上述した本明細書に開示する減容処理方法を好適に実施することができる。
実施例に係る減容処理システムの全体構成を説明するための図である。 実施例に係るボール型乾留炉を説明するための図である。 ボール型乾留装置の他の例を説明するための図である。
(実施例) 以下、実施例に係る減容処理システムについて説明する。本実施例の減容処理システムは、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂を減容処理するシステムである。図1に示すように、減容処理システムは、樹脂受入タンク1と、過熱水蒸気供給装置4と、ボール型乾留炉3と、排ガス処理装置5と、制御装置2を備えている。
樹脂受入タンク1は、原子力発電所で発生した使用済のイオン交換樹脂を5〜15%スラリー(樹脂5〜15%、水分85〜95%)として貯留する。樹脂受入タンク1の樹脂供給口には供給ポンプ6が接続されている。供給ポンプ6が作動すると、樹脂受入タンク1内のスラリーが供給路を通ってボール型乾留炉3に供給されるようになっている。
樹脂受入タンク1には、添加剤供給装置24が接続されている。添加剤供給装置24は、樹脂受入タンク1に添加剤を供給する。添加剤としては、アルカリ金属であるLi(リチウム)イオンを含有する添加剤(Liイオン溶解水)が用いられる。添加剤供給装置24から供給される添加剤は、樹脂受入タンク1内でイオン交換樹脂のスラリーと混合される。添加剤が混合されたイオン交換樹脂のスラリーがボール型乾留炉3に供給される。
なお、添加剤の添加量は、樹脂受入タンク1に貯留されるイオン交換樹脂の量に応じて決定することができる。後述するように添加剤中のリチウム(Li)イオンは、イオン交換樹脂に含まれる硫黄(S)分と結合し、硫酸リチウム(LiSO(粉体))として排出される。このため、イオン交換樹脂に含まれるS分に応じて、添加剤の添加量を決定することができる。例えば、イオン交換樹脂中のS分の含有量は一般的に5.0〜10.0wt%程度である。このため、イオン交換樹脂中のS分をLiSO(粉体)とするために必要なLiは、(5.0〜10.0wt%)×2×6.941/32.07=2.16〜4.33wt%となる。ここで、6.941はLiの原子量であり、32.07はSの原子量である。したがって、樹脂受入タンク1に貯留されるイオン交換樹脂に対して2.16〜4.33wt%程度のLiが添加されるように添加剤を供給すればよい。なお、添加剤の添加量を決定する方法は、上述した方法に限られず、実験的に定めてもよいし、その他の方法により定めてもよい。また、イオン交換樹脂に含まれるS分をLiSO(粉体)とするために必要な量よりも少ない量としてもよい。
過熱水蒸気供給装置4は、水タンク7と、供給ポンプ8と、蒸気発生器9と、蒸気過熱器10を備えている。水タンク7の供給口には供給ポンプ8が接続されている。供給ポンプ8が作動すると、水タンク7内の水が蒸気発生器9に供給される。蒸気発生器9は、水タンク7から供給される水を水蒸気とする。蒸気発生器9には蒸気過熱器10が接続されており、蒸気発生器9で発生した水蒸気は蒸気過熱器10に供給される。蒸気過熱器10は、蒸気発生器9から供給される水蒸気を過熱して過熱水蒸気とする。蒸気過熱器10で生成された過熱水蒸気は、ボール型乾留炉3に供給される。
ボール型乾留炉3は、樹脂受入タンク1内に貯留されるイオン交換樹脂のスラリーと、過熱水蒸気供給装置4から供給される過熱水蒸気とを接触させ、イオン交換樹脂を熱分解する。熱分解により生じたガスは排ガス処理装置5に送られ、また、イオン交換樹脂の熱分解後の残渣は固化設備に送られる。ボール型乾留炉3の詳細な構成については、後で詳述する。
排ガス処理装置5は、ボール型乾留炉3から供給される排気ガスを処理し、無害化して大気に排気する。排ガス処理装置5は、ボール型乾留炉3から供給される排気ガス中の可燃分を燃焼させる二次燃焼器と、二次燃焼器から排気される排気ガス中の微粒子を除去する複数のHEPAフィルタを有している。HEPAフィルタを通過後のガスを大気に排出することで、排ガス中に含まれる微粒子が大気中に拡散することを防止することができる。
制御装置2は、減容処理システムを構成する各装置を制御する制御装置である。制御装置2は、例えば、ボール型乾留炉3に供給されるイオン交換樹脂の供給量(時間当たりの供給量)と、ボール型乾留炉3に供給される過熱水蒸気の供給量(時間当たりの供給量)と、ボール型乾留炉3内の雰囲気温度を制御する。すなわち、制御装置2は、供給ポンプ6を制御することでイオン交換樹脂の供給量を制御し、過熱水蒸気供給装置4を制御することで過熱水蒸気の供給量を制御し、ボール型乾留炉3のヒータ出力を制御することで雰囲気温度を制御する。制御装置2の動作については、後で詳述する。
次に、図2を参照してボール型乾留炉3の詳細な構成について説明する。図2に示すように、ボール型乾留炉3は、ボール充填部である金属製の密閉式反応容器11と、反応容器11の内部を容器外から加熱する外部ヒータ14(図1に図示)と、反応容器11の内部に充填されたセラミック製または金属製のボール12と、ボール12を機械的に撹拌できる撹拌翼13と、反応容器11の上部からボール12上へイオン交換樹脂を供給するイオン交換樹脂供給ノズル16と、反応容器11の上部からボール12上へ過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給ノズル15から構成されている。
なお、過熱水蒸気供給ノズル15から過熱水蒸気を供給するか否かは任意であり、イオン交換樹脂供給ノズル16から供給されるイオン交換樹脂の水分率に応じて適宜決定することができる。例えば、イオン交換樹脂の水分率が高い場合は、過熱水蒸気供給ノズル15からの過熱水蒸気の供給を停止してもよく、一方、イオン交換樹脂の水分率が低い場合は、過熱水蒸気供給ノズル15から過熱水蒸気を供給してもよい。
密閉式反応容器11は、径が例えば400mmで長さが500mmである金属製の円筒体により構成され、反応容器11内の圧力を−0.5〜−10kPaに維持する圧力制御機構と、反応容器11の内部を所望の温度に制御するための外部電気式ヒータ14を備えている。なお、反応容器11の長さは、500mmに限られず、処理するイオン交換樹脂の種類等に応じて適宜決定することができる。なお、高水分率のイオン交換樹脂のスラリーを反応容器11内に直接投入する場合、イオン交換樹脂の温度が上昇し難いため、反応容器11の長さを500mm以上とすることが好ましい。反応容器11の長さを500mm以上とすることで、反応時間を充分に長くすることができ、投入されたイオン交換樹脂を好適に熱分解することができる。
反応容器11の軸心部には、反応容器11の上部に設置された駆動モータによって低速(約0.1〜2.0rpm、好ましくは0.5rpm以上)で回転される回転軸が設けられている。この回転軸の周部には、外縁が反応容器11の内周面に近接位置されるように、また内縁が回転軸との間に空間を形成するようにして螺旋翼である撹拌翼13が取り付けられている。
反応容器11内のボール12は、耐蝕性のあるセラミックボールあるいは、高ニッケル系合金であるハステロイ又はインコネル製であって、10〜25mmの粒径を有している。ボール12は、撹拌翼13により撹拌されながら反応容器11内の周縁部を上昇し、これに伴って形成される空間部に、反応容器11内の上部に位置しているボールが順次下降していく。
反応容器11の下端には、ボール12を反応容器11内に保持するための保持板23が配置されている(図1に図示)。保持板23は、ボール12の通過を禁止する一方、ガス及びイオン交換樹脂の残渣の通過を許容する。これにより、反応容器11内に充填されたボール12が粉体貯留部19に落下することが防止される一方、反応容器11内で熱分解されなかった残渣及び熱分解により発生したガスが粉体貯留部19に移動することができる。
なお、保持板23の下面の略中央には温度センサ22(図1に図示)が配置されている。温度センサ22は、反応容器11の下端(すなわち、乾留部の下端)の温度を検出する。温度センサ22は、制御装置2に接続されている。温度センサ22で検出された温度は制御装置2に入力される。
反応容器11の下方には粉体貯留部19が設けられている。粉体貯留部19は、反応容器11から排出されるガスから固体(イオン交換樹脂の残渣等の粉体)を分離し、分離した粉体を貯留する。粉体貯留部19の下端には、過熱水蒸気供給ノズル21が設けられている。過熱水蒸気供給ノズル21には、過熱水蒸気供給装置4から過熱水蒸気が供給される。過熱水蒸気供給ノズル21から粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気は、イオン交換樹脂の残渣に含まれる可燃分を分解するために用いられる。また、粉体貯留部19内に供給された過熱水蒸気の一部は、反応容器11内に流れ、反応容器11内でイオン交換樹脂と接触してイオン交換樹脂の熱分解に用いられる。
また、粉体貯留部19の壁面には、外部電気式ヒータ20が設けられている。ヒータ20によって、粉体貯留部19内の雰囲気温度がイオン交換樹脂の残渣が熱分解可能な温度に制御される。
粉体貯留部19の上面には、焼結金属フィルタ17が配置されている。粉体貯留部19内のガスは、焼結金属フィルタ17によって濾過される。焼結金属フィルタ17によって濾過された排ガスが排ガス出口18より排ガス処理装置5に送られる。
次に、本実施例に係る減容処理システムによりイオン交換樹脂を減容処理する方法について説明する。まず、添加剤供給装置24を作動して、樹脂受入タンク1に所定量の添加剤(Liイオン溶解水)を供給する。樹脂受入タンク1では、図示しない撹拌装置によってイオン交換樹脂のスラリーと添加剤とが撹拌され、両者が均一に混合される。次いで、制御装置2は供給ポンプ6を駆動してイオン交換樹脂のスラリーをボール型乾留炉3の反応容器11に供給すると共に、過熱水蒸気供給装置4を駆動して過熱水蒸気をボール型乾留炉3の粉体貯留部19に供給する。この際、反応容器11に単位時間当り供給されるイオン交換樹脂の水分量と、粉体貯留部19に単位時間当たりに投入される過熱水蒸気の水分量とを調整することで、ボール型乾留炉3内の雰囲気温度がイオン交換樹脂を熱分解するために必要な温度に好適に維持される。
反応容器11に供給されたイオン交換樹脂のスラリーは、イオン交換樹脂供給ノズル16から反応容器11内に供給される。反応容器11内に供給されたイオン交換樹脂は、初期には5〜15%スラリーの含水状態であり、基本的にはボール13の表面に付着して、炉内を移動する。このため、イオン交換樹脂の反応容器11内での滞留時間はボールの下降時間と同じとなる。ボールの下降時間は、撹拌翼の寸法、回転数、ボールの寸法、充填層高さで自由に調節可能であるが、ボールの下降時間(すなわち、イオン交換樹脂の反応容器11内での滞留時間)は減重率向上には長い程好ましい。具体的には、ボールの径を小さくする、回転軸の回転数を小さくする、ボールが充填される充填層の長さを長くする方法を採用することができる。
粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気は、過熱水蒸気供給ノズル21から粉体貯留部19内に供給される。粉体貯留部19内に供給された水蒸気の一部は、反応容器11内に進入し、ボール13の表面に付着したイオン交換樹脂へ供給される。粉体貯留部19内に供給される過熱水蒸気の温度が高温となる一方、反応容器11内に供給されるイオン交換樹脂は室温とされる。このため、反応容器11の上層部は、反応容器11の下層部の温度より低く、反応容器11の下端の位置が最も温度が高くなる。したがって、反応容器11内に投入されたイオン交換樹脂は、上層部から下層部に移動するにつれて徐々に温度が上昇する。
したがって、反応容器11内に投入されたイオン交換樹脂は、イオン交換樹脂に含まれる水分が蒸発する第1段階(100℃付近)と、イオン交換基の分離が生じる第2段階(200〜300℃)と、脱水素反応による基体の炭化が生じる第3段階(300〜600℃)を経ることとなる。ここで、イオン交換基の分離が生じる第2段階(200〜300℃)をイオン交換樹脂が付着したボール13が通過する際に、ボール13が撹拌されるため、イオン交換樹脂と過熱水蒸気が効率よく接触する。これにより、イオン交換樹脂(より詳細には、陽イオン交換樹脂)のスルホニル架橋が抑制され、イオン交換樹脂の減重率向上が可能となる。また、本実施例では、スルホニル架橋を形成する原因となるS分が、イオン交換樹脂に添加されたLiと結合し、LiSO(粉体)となる。これによっても、イオン交換樹脂のスルホニル架橋が抑制され、イオン交換樹脂の減重率が向上される。
また、本実施例では、制御装置2が、温度センサ22で検出される温度が適切な温度となるように、反応容器11に供給されるイオン交換樹脂のスラリーの量と、粉体貯留部19に供給される過熱水蒸気の量と、各種ヒータ14,20の出力を制御する。これによって、反応容器11の下端の温度がイオン交換樹脂の分解に必要な充分な温度に維持され、反応容器11内でイオン交換樹脂を充分に減容化することができる。
反応容器11内での分解によって発生した残渣(主に酸化鉄)は、粉体貯留部19に排出される。反応容器11内に残渣が堆積し難くなるため、反応容器11内の残渣処理に伴う各種問題も効果的に回避することができる。また、本実施例では、粉体貯留部19の下部に過熱水蒸気を供給し、また、ヒータ20により粉体貯留部19を加熱している。これによって、粉体貯留部19に排出された残渣内の未分解分が分解され、更に、イオン交換樹脂の減重率を向上することができる。なお、本実施例では、イオン交換樹脂にLiが添加されているため、粉体貯留部19に排出される残渣にはLiSO(粉体)が含まれる。
反応容器11内での分解によって発生した分解ガス(CO、CxHy等)及び、硫酸ガス、亜硫酸ガスなどは、焼結金属フィルタ17を経て排ガス出口18から排出され、排ガス処理装置5で処理される。このため、原子力発電所で発生する使用済のイオン交換樹脂を、放射能による環境汚染の危険を伴わず安全に減容処理することができる。なお、焼結金属フィルタ17をセラミックフィルタとすることも可能である。
本実施例の減容処理システムでは、イオン交換樹脂にアルカリ金属(Li)を含有する添加剤(Liイオン溶解水)を添加し、この添加剤が添加されたイオン交換樹脂をボール型乾留炉3で乾留処理する。イオン交換樹脂中のS分が添加剤(Li)と結合し、イオン交換樹脂のスルホニル架橋が抑制される。また、イオン交換樹脂中のS分が排ガス(SOx)としてではなく、LiSO(粉体)、すなわち残渣として排出される。これらによって、従来と比較して高い減重率を達成することができる。
なお、本発明者らは、上記の減容処理システムを用いて、Liイオン溶解水を添加したイオン交換樹脂と、Liイオン溶解水が添加されていないイオン交換樹脂の両者に対して減容処理を行った。実験では、反応容器11の温度を450℃とした。また、実験に用いたイオン交換樹脂に含まれるS分は約9wt%であり、添加剤であるLiイオン溶解水はイオン交換樹脂に添加されるLiが約4wt%となるように添加した。実験の結果、Liイオン溶解水を添加したイオン交換樹脂では減重率が99%(ドライ重量ベース)となった。一方、Liイオン溶解水を添加しなかったイオン交換樹脂の減重率は約89%となった。実験結果から、反応容器11の温度が比較的低い条件(450℃)においても、添加剤を添加することでイオン交換樹脂の減重率を向上できることが確認された。なお、Liを添加することで残渣は増加するため、上述した減重率の計算では、添加した添加剤による残渣を減算して算出している。
以上、本明細書に開示する技術の一実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上述した実施例では、ボール型の乾留炉を用いてイオン交換樹脂を処理したが、乾留装置の形式は種々のものを用いることができる。例えば、スクリューフィーダ式の乾留装置を用い、スクリューフィーダの一端にイオン交換樹脂を供給し、スクリューフィーダの他端から分解ガス及び残渣を排出するような構成としてもよい。
また、上述した実施例では、乾留炉に過熱水蒸気を供給してイオン交換樹脂を処理する例について説明したが、本明細書に開示の技術は、乾留炉に窒素を供給してイオン交換樹脂を処理することにも用いることができる。
また、上述した実施例では、常温のイオン交換樹脂のスラリーを反応容器11に供給したが、イオン交換樹脂のスラリーを供給する機器等にヒータを設け、反応容器11に供給されるイオン交換樹脂のスラリーを加熱するようにしてもよい。これによって、反応容器11の上層部の温度が低下することが抑制され、反応容器11を小型化することができる。
また、上述した実施例では、Liを添加剤として用いたが、添加剤としては他のアルカリ金属、例えば、Na等を用いることができる。例えば、Naを添加剤として用いた場合、添加剤のNaがイオン交換樹脂中のS分と結合する。これによって、イオン交換樹脂のスルホニル架橋が抑制され、イオン交換樹脂の減重率を向上することができる。
また、上述した実施例では、イオン交換樹脂に添加剤(Li)を添加し、添加剤が添加されたイオン交換樹脂をボール型乾留炉3に供給したが、本明細書に開示の技術は、このような構成に限られない。例えば、ボール型乾留炉3にイオン交換樹脂と添加剤(Liイオン溶解水)をそれぞれ供給し、ボール型乾留炉3内において両者が接触するようにしてもよい。あるいは、過熱水蒸気にLi水を添加し、過熱水蒸気によってボール型乾留炉にLiを供給してもよい。
さらに、上述した実施例では、乾留処理を行う反応容器11と、残渣を貯留する粉体貯留部19と、排ガスから異物を除去する焼結金属フィルタ17が一体化されたボール型反応炉3を用いたが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、図3に示すように、乾留炉32と、フィルタ部34とが別体となった乾留装置30を用いてもよい。すなわち、乾留装置30は、ボール型反応部38を有する乾留炉32と、乾留炉32からの排ガスを濾過するフィルタ40を備えたフィルタ部34によって構成される。乾留炉32とフィルタ部34は、ガス配管36によって接続される。このように乾留炉32とフィルタ部34を別体とすることで、乾留炉32を被処理物の熱分解に適した温度とすると共に、フィルタ部34を排ガスの処理に適した温度とすることができる。これによって、被処理物の減容処理を適切に行うことができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 樹脂受入タンク
2 制御装置
3 ボール型乾留炉
4 過熱水蒸気供給装置
5 排ガス処理手段
6 供給ポンプ
7 水タンク
8 供給ポンプ
9 蒸気発生器
10 蒸気過熱器
11 密閉式反応容器
12 ボール
13 撹拌翼
14 外部電気式ヒータ
15 過熱水蒸気供給ノズル
16 イオン交換樹脂供給ノズル
17 焼結金属フィルタ
18 排ガス出口
19 粉体貯留部
20 外部電気式ヒータ
21 過熱水蒸気ノズル
22 温度センサ
23 保持板

Claims (3)

  1. 難分解性廃棄物を減容処理する方法であり、
    難分解性廃棄物にアルカリ金属を含有する添加剤を添加する工程と、
    添加剤が添加された難分解性廃棄物を乾留処理により熱分解する工程と、を有している減容処理方法。
  2. 添加剤がリチウムとナトリウムの少なくとも一方を含有する、請求項1に記載の減容処理方法。
  3. 難分解性廃棄物を減容処理する装置であり、
    乾留部と、
    乾留部の一端に難分解性廃棄物のスラリーを供給するスラリー供給手段と、
    乾留部の一端に供給されるスラリーにアルカリ金属を含有する添加剤を添加する添加剤添加手段と、
    乾留部に過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気供給手段と、を有する減容処理装置。
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