JP2013248310A - 医療用ナイフ - Google Patents

医療用ナイフ Download PDF

Info

Publication number
JP2013248310A
JP2013248310A JP2012126699A JP2012126699A JP2013248310A JP 2013248310 A JP2013248310 A JP 2013248310A JP 2012126699 A JP2012126699 A JP 2012126699A JP 2012126699 A JP2012126699 A JP 2012126699A JP 2013248310 A JP2013248310 A JP 2013248310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
knife
cover
lock
blade body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012126699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5292499B1 (ja
Inventor
Shoichi Nakamura
正一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ACP Japan Co Ltd
Original Assignee
ACP Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ACP Japan Co Ltd filed Critical ACP Japan Co Ltd
Priority to JP2012126699A priority Critical patent/JP5292499B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5292499B1 publication Critical patent/JP5292499B1/ja
Publication of JP2013248310A publication Critical patent/JP2013248310A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】使用に際して片手のみの簡単な操作で刃体を露出及び収納可能なディスポーザブルタイプの医療用ナイフを提供する。
【解決手段】
ナイフ部2とカバー3との間に係止され、ナイフ部2を露出位置から収納位置方向へ付勢するばね部材6を備え、ナイフ部2を収納位置から露出位置にセットする際は、ばね部材6の弾性に抗してナイフ部2をカバー3に押込操作してロック爪26を第一の貫通孔44Bから離脱させて第二の貫通孔44Cに係止させ、ナイフ部2を露出位置から収納位置に戻す際は、ロック解除部41により第二の貫通孔44Cに係止したロック爪26を離脱させ、ばね部材6の付勢によりナイフ部2を収納位置まで戻し、ロック爪26を第一の貫通孔44Bに係止させる。カバー3の刃体23を露出させる側の先端には、ナイフ部2を挟持して刃体の安定を図るホールド部47が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外科手術用のメス等、医療現場で用いられるナイフに係り、特に、刃体をワンタッチで露出及び収納することが可能な医療用ナイフに関する。
従来から、外科手術等に用いられるメス等の医療用ナイフは、衛生に考慮して一部もしくは全体を使い捨てにするタイプが用いられている。
図26に、刃体のみを使い捨てにする従来の替刃タイプの医療用ナイフの例を示す。この図に示すように、替刃タイプの医療用ナイフ80は、チタン合金やステンレス製のハンドル(把持部)81の先端に、刃体ホルダ82をセットして使用する。刃体ホルダ82の先端には、刃体83が固定されている。使用後には刃体ホルダ82をハンドル81から外して廃棄する。ハンドル81には洗浄、殺菌消毒の処理を施す。
このような替刃タイプの医療用ナイフ80の場合、使用の都度刃体ホルダ82をハンドル81にセットしたりハンドル81を洗浄及び殺菌消毒したりする必要があり、その手間が煩雑であった。また、刃体ホルダ82の着脱の際に刃体83に触れると、刃体83に雑菌を付着させてしまう可能性や、使用後の刃体83に付いたウイルスや細菌等の病原体から感染症を引き起こす恐れがあった。
そこで、全体を使い捨てにするディスポーザブルタイプの医療用ナイフも広く用いられている。図27にディスポーザブルタイプの医療用ナイフの例を示す。この図に示すように、ディスポーザブルタイプの医療用ナイフ90は、プラスチック等の安価な素材からなるハンドル(把持部)91と、このハンドル91の先端に埋め込まれた刃体93とから構成されている。即ち、ハンドル91と刃体ホルダが一体に成形されており、使用後には医療用ナイフ90を丸ごと廃棄する。このような医療用ナイフ90は、取り扱いが容易であるというメリットがある。
しかしながら、上記したどちらの医療用ナイフ80、90の場合も、刃体が常に露出しているという難点があった。一般的に、手術等の外科的処置を行う際には、執刀者のほかに、執刀者の補助を行う補助者が必要となる。そして、執刀者と補助者の間では通常、医療器具の受け渡しが行われるが、医療用ナイフの刃体が露出して剥き出しの状態だと、その受け渡しの際に手指等を傷付ける恐れがある。これは怪我のみならず院内感染等の重大な事態を引き起こしかねない問題である。
そこで本発明者は、刃体の露出と収納が簡単にできる、ディスポーザブルタイプの医療用ナイフをこれまでに開発している(特許文献1参照)。この医療用ナイフは、刃体を保持する刃体ホルダを先端に備えたナイフ部(ナイフ本体)と、このナイフ部と係合する円筒状の部材で、刃体を露出した状態又は内部に収納した状態でナイフ部に対して係止することが可能なカバー(刃体カバー)とから構成される。
この医療用ナイフでは、カバーに収納された刃体を露出させる際は、まずナイフ部を捻るように回動させてカバーとナイフ部のロックを解除し、次いでナイフ部をカバーに対して軸方向にスライドさせる。カバーの先端から刃体を露出させた特定の位置までナイフ部をスライドさせると、ナイフ部はカバーにロックされて、刃体が露出した状態で固定される。
また、カバーに刃体を収納する際にも同様に、ナイフ部を捻るように回動させてカバーとナイフ部のロックを解除し、次いでナイフ部をカバーに対して軸方向にスライドさせる。カバーに刃体を収納した特定の位置までナイフ部をスライドさせると、ナイフ部はカバーにロックされて、刃体が収納された状態で固定される。
このように、刃体の露出も収納も、〔1〕ロック解除(回動操作)、〔2〕刃体の露出又は収納(スライド操作)のツーステップの操作で行うことができる。
特許第4730920号公報
しかしながら、上記従来の刃体の露出と収納ができるディスポーザブルタイプの医療用ナイフでは、以下のような問題があった。
まず、医療用手袋等を身に付けた執刀者にとっては、上記ツーステップでもその操作を行う手間が煩雑であった。特に、〔1〕ロック解除のための回動操作は、片手でカバーを押さえた状態で、もう一方の手でナイフ部を持って回動させる必要があるため、片手では行えず両手での操作が必要となる。また、上記〔1〕から〔2〕は一連の操作であり、執刀者と補助者で分担して行うことができない。
その結果、補助者が刃体を露出状態にしてから執刀者に受け渡したり、執刀者が刃体を露出状態にしたまま補助者に受け渡したりと、従来のように刃体を露出したまま受け渡しを行う可能性が高く、上述のような手指等を傷付けるという問題を完全に解決することができなかった。
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、使用に際して片手のみの簡単な操作で刃体を露出及び収納可能なディスポーザブルタイプの医療用ナイフを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、刃体を先端に保持するナイフ部と、そのナイフ部の刃体を収納可能な円筒状のカバーと、前記刃体を前記カバー内に収納した収納位置と、前記刃体を前記カバーから露出した露出位置に、前記ナイフ部を固定可能な医療用ナイフであって、前記ナイフ部と前記カバーとの間に係止され、前記ナイフ部を露出位置から収納位置方向へ付勢するばね部材をさらに備え、前記ナイフ部が、前記カバーに設けられた貫通孔に係止されることにより前記ナイフ部を前記カバーに固定するロック爪と、そのロック爪を前記貫通孔に対して着脱可能に弾性支持するロック爪支持部と、を備え、前記カバーが、前記ナイフを収納位置で固定する第一の貫通孔と、その第一の貫通孔の軸方向で前記刃体を露出させる側に形成され前記ナイフ部を露出位置で固定する第二の貫通孔と、先端が前記第二の貫通孔と対向する位置に配置され前記第二の貫通孔と前記ロック爪の係止状態を解除可能なロック解除部と、前記カバーの前記刃体を露出させる側の先端に設けられ前記ナイフ部の露出部を挟持して前記刃体の安定を図るホールド部と、を備え、前記ナイフ部を収納位置から露出位置にセットする際は、前記ばね部材の弾性に抗して前記ナイフ部を前記カバーから前記刃体を露出させる方向に押込操作して前記ロック爪を前記第一の貫通孔から離脱させると共に、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を前記第二の貫通孔に係止させ、前記ナイフ部を露出位置から収納位置に戻す際は、前記ロック解除部により前記第二の貫通孔に係止した前記ロック爪を離脱させ、前記ばね部材の付勢により前記ナイフ部を収納位置まで戻して、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を前記第一の貫通孔に係止させることを特徴とする医療用ナイフを提供する。
ここで、前記カバーの内周面には、前記ロック爪を特定の方向にのみ前記貫通孔から係止解除可能にすると共に、前記カバー内での前記ロック爪の移動を案内するロック爪ガイド溝が形成されることを特徴とする。
また、前記カバーが、前記第一の貫通孔による収納位置とは異なる位置に前記ロック爪を係止させて前記ナイフ部を収納位置で固定する第三の貫通孔をさらに備え、前記刃体を前記カバーから露出する際は、前記第三の貫通孔に係止された前記ロック爪を離脱させて前記第一の貫通孔へ係止させた後、前記第二の貫通孔へ係止させることを特徴とする。
さらに、前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔の円周方向に形成され、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置で前記ナイフ部を固定し、前記ロック爪ガイド溝が前記第一の貫通孔から第三の貫通孔にかけて形成されており、前記第一の貫通孔と第三の貫通孔間以外への前記ロック爪の移動を規制することを特徴とする。
若しくは、前記ロック爪ガイド溝が、前記第一の貫通孔から第二の貫通孔にかけて形成され、前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置から軸方向に延びる孔と、前記ロック爪ガイド溝に至る円周方向の孔からなるL字状に形成されることを特徴とする。
さらに、前記カバーは、前記カバーの軸方向に沿って形成される可動部ガイド孔と、前記カバーの前記刃体を露出する側の端部の内周面に軸方向に沿って形成される可動部ガイド溝と、をさらに備え、前記ナイフ部は、先端に前記刃体を保持する可動部と、その可動部を弾性支持する弾性支持部と、をさらに備え、前記可動部は、前記可動部ガイド孔に係合する突出部と、前記可動部ガイド溝に係合可能でかつ前記カバーの内周面又は前記可動部ガイド溝の底面と接する摺接面を有する角度変位部と、前記突出部に設けられ前記可動部ガイド孔の前記刃体露出側の下端である隅角部と突き当たる突当面と、を備え、前記角度変位部の摺接面が、前記ロック爪が前記第一の貫通孔から前記第二の貫通孔に至る間に、前記カバーの内周面又は前記可動部ガイド溝の底面と接する基準面と、前記ロック爪が前記第二の貫通孔に係止されたときに、前記可動部ガイド溝の底面と接して前記基準面とは異なる角度で前記可動部が前記刃体を保持するよう、前記基準面と異なる角度に形成された傾斜面と、から構成され、前記可動部は、前記突当面で前記可動部ガイド孔の隅角部と突き当たった際に、その隅角部と前記突当面との接点を支点に、前記傾斜面が前記可動部ガイド溝の底面と接するまで回動することを特徴とする。
本発明の医療用ナイフによれば、片手のみのワンアクションの簡単な操作だけで刃体の露出及び収納を可能にすることができる。そのため、執刀者と補助者は刃体を収納した状態で医療用ナイフの受け渡しを行うことができ、医療用ナイフを用いた外科的処置を安全に行うことが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。 図1に示す医療用ナイフのナイフ部の概略を示す模式図である。 図1に示す医療用ナイフのナイフ部の斜視図である。 図1に示す医療用ナイフのカバー本体の外観を示す模式図である。 図1に示す医療用ナイフのカバー本体の断面模式図である。 図1に示す医療用ナイフのカバー本体の斜視図である。 図1に示す医療用ナイフのガイド部材の概略を示す模式図である。 図1に示す医療用ナイフのガイド部材の斜視図である。 図1に示す医療用ナイフのガイド部材とロック爪の係合状態を示す模式図である。 図1に示す医療用ナイフの各状態の詳細を示す断面模式図である。 本発明の第二実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。 図11に示す医療用ナイフのナイフ部の概略を示す模式図である。 図11に示す医療用ナイフの可動部の概略を示す模式図である。 図11に示す医療用ナイフにおける刃体の露出操作時及び収納操作時の動作について、刃体の角度が変化する機構を説明する図である。 図11に示す医療用ナイフのカバー本体の外観を示す模式図である。 図11に示す医療用ナイフのカバー本体の断面模式図である。 本発明の第三実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。 図17に示す医療用ナイフのナイフ部の概略を示す模式図である。 図17に示す医療用ナイフのナイフ部の斜視図である。 図17に示す医療用ナイフのカバーの概略を示す模式図である。 図17に示す医療用ナイフのカバーの斜視図である。 図17に示す医療用ナイフの各状態を示す模式図(その1)である。 図17に示す医療用ナイフの各状態を示す模式図(その2)である。 図17に示す医療用ナイフの収納ロック状態から露出ロック状態へ至る各状態を示す模式図である。 本発明の医療用ナイフに適用される刃体形状の例を示す模式図である。 従来の医療用ナイフの外観の一例を示す模式図(その1)である。 従来の医療用ナイフの外観の一例を示す模式図(その2)である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では便宜上、医療用ナイフの刃体が位置する側を露出側、軸体が位置する側を収納側と呼称する。
〔第一実施形態〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。図1(a)は刃体がカバー内に収納された状態(操作ロック状態)の斜視図、図1(b)は刃体がカバー内に収納された状態(収納ロック状態)の斜視図、図1(c)は刃体をカバーから露出させた状態(露出ロック状態)の斜視図を示している。
また、図10はこの医療用ナイフの各状態の詳細を示す断面模式図である。図10(a)は操作ロック状態の断面模式図、図10(b)は収納ロック状態の断面模式図、図10(c)は露出ロック状態の断面模式図を示している。
これらの図に示すように、本実施形態の医療用ナイフ1は、先端に刃体23を備えるナイフ部2と、このナイフ部2の一部を被覆可能な円筒状のカバー3と、ナイフ部2とカバー3間に係合するばね部材6と、から構成されている。
医療用ナイフ1は、図1に示す三つの状態でカバー3に対してナイフ部2を固定することができる。即ち、ナイフ部2が収納された状態で、ナイフ部2を押込操作することができない操作ロック状態〔図1(a)〕、ナイフ部2が収納された状態で、ナイフ部2を押込操作すれば刃体を露出することができる収納ロック状態〔図1(b)〕、ナイフ部2をカバー3から露出した露出ロック状態〔図1(c)〕の三つの状態である。これら各状態の詳細は後述する。
次に、医療用ナイフ1の各部の構成について詳述する。
(ナイフ部2)
図2及び図3にナイフ部2の概略を示す。図2(a)はその平面図、図2(b)はその正面図である。また、図2(c)は、図2(a)におけるA−A線断面図である。また、図3はナイフ部2の斜視図である。
これらの図に示すように、ナイフ部2は、棒状に形成された軸体21と、刃体23を保持する刃体保持部22と、刃体23と、軸体21と刃体保持部22とを連結する接続部24と、接続部24に設けられるロック部(ロック爪支持部25、ロック爪26)と、から構成されている。このナイフ部2は、刃体23を除いて樹脂により一体成形され、所定位置に刃体23が埋め込まれるのが好適である。
軸体21は、刃体23をカバー3から露出させる際に押込操作(ノック)する部分であり、適度に細長い形状を有する。この軸体21に接続部24を介して連結される刃体保持部22は、端部に刃体23を保持している。また、刃体保持部22の収納側の外周にはばね部材6が配置される。
刃体23は、ステンレス鋼等、一般的な医療用ナイフに用いられる材料からなる。ここでは先の尖った形状の尖刃刀を例に図示しているが、図25に示すような様々な形状の刃体23を適用可能である。ここで、図25(a)は扇型の刃体23a、図25(b)は丸型の刃体23b、図25(c)は三角型の刃体23cを示している。
なお、第一実施形態では、刃体23を露出した際に刃が後述するカバー3のロック解除部41と逆側を向く例を図示しているが、使用方法や使用部位等に応じて適宜向きを変更して良い。
接続部24は、軸体21と刃体保持部22とを連結する部分であり、接続部24と刃体保持部22の境界には、ばね部材6を係止するばね係止部27が形成されている。さらに接続部24には、ロック部が配置されている。
ロック部は、ナイフ部2の軸に対して斜め外側に向かって突出する形状のロック爪支持部25と、このロック爪支持部25の先端に設けられた突起であるロック爪26から構成される。ロック爪支持部25は、図3の矢印aに示す方向に変位可能であり、内側(軸側)に押圧すると、外側に向かって戻ろうとする弾性力でロック爪26を後述するカバー本体4の各ロック孔に係止させる。
(カバー3)
図1に示すように、カバー3はナイフ部2が挿通される略円筒状の外装体であり、カバー本体4と、カバー本体4内に嵌入するガイド部材5から構成されている。カバー本体4とガイド部材5は、共に樹脂成形よりなるのが好適である。
図4乃至図6にカバー本体4の概略を示す。図4(a)はその平面図、図4(b)はその正面図、図4(c)はその背面図である。また、図5(a)は図4(a)のB−B線断面図、図5(b)は図4(b)のC−C線断面図である。さらに、図6はカバー本体4の斜視図である。
これらの図に示すように、カバー本体4は略円筒状に形成され、収納側にはロック解除部41が形成されている。
ロック解除部41は、カバー本体4の円筒部の外側に片持ち梁状に形成された操作部42と、操作部42の先端内側に設けられる突起43から構成される。操作部42は、手動で図4(b)の矢印b方向に操作することで、後述する露出ロック孔44Cに係止されたロック爪26を離脱させてロック解除を行うものである。
カバー本体4には、ナイフ部2のロック爪26を係止するためのロック孔44が設けられている。ロック孔44はそれぞれ、ナイフ部2を操作ロック状態で固定するための操作ロック孔(第三の貫通孔)44A、ナイフ部2を収納ロック状態で固定するための収納ロック孔(第一の貫通孔)44B、ナイフ部2を露出ロック状態で固定するための露出ロック孔(第二の貫通孔)44Cからなる。
収納ロック孔44Bは、ロック解除部41の内側で、かつ操作部42を操作しても影響のない位置に配置される。操作ロック孔44Aは、収納ロック孔44Bに対して円周方向に所定の角度(好適には60°乃至90°)ずれて配置される。露出ロック孔44Cは、収納ロック孔44Bに対して軸方向に同一直線上に位置し、ロック解除部41の突起43と対向して配置される。
また、カバー本体4の収納側端部近傍には、ガイド部材5を固定するための固定孔45が設けられている。さらに、カバー本体4の内周面には、ばね部材6を係止するためのばね係止部46が設けられている。
カバー本体4の露出側端部には、刃体23の露出時にナイフ部2を挟んで押さえ、刃体23を安定させるホールド部47が設けられている。ホールド部47は、カバー本体4の露出側端部から延設された複数(ここでは例として二つ)の挟持片48から構成される。挟持片48には、内側に向かって突出する凸部49が形成されている。このように、挟持片48でナイフ部2の先端近傍を押さえることにより、使用時の刃体23のブレやガタつき等を防止する。
尚、刃体23の使用時におけるホールド部47に対するブレやガタつきをより確実に防止するには、上記のように、カバー本体4の露出側端部から延設された複数の挟持片48において内側に向かって突出する凸部49を設ける他に、カバー本体の内側においても刃体23をホールドする凸部(図示せず)を設け、上記のホールド部47の凸部49とカバー本体の内側に設けた凸部とによって、刃体23をホールド部47に対して確実に支持することにより、使用時のホールド部47に対する刃体23のブレやガタつき等を完全に防止することを可能する。
また、上記実施例においては、ホールド部47が刃体23の背側と刃側からナイフ部2を押さえる例を示したが、刃体23の側部等を押さえるものであっても良い。また、ここでは二つの挟持片48を例に図示しているが、二つ以上の挟持片48でナイフ部2の先端を挟み持つ構成としても良い。
図7乃至図9にガイド部材5の概略を示す。図7(a)はその平面図、図7(b)はその正面図、図7(c)はその右側面図である。また、図8はガイド部材5の斜視図である。さらに、図9はガイド部材5とナイフ部2のロック部の係合状態を示す模式図であり、図9(a)は操作ロック状態、図9(b)は収納ロック状態におけるガイド部材5とナイフ部2を示している。
ガイド部材5は、カバー3の内部に、ナイフ部2のロック爪26を案内する溝を形成するための部材で、略円筒状に構成されると共に、カバー本体4の収納側端部に嵌入して固定されている。
ガイド部材5の側部には、図7(a)の矢印c方向に変位可能な固定部51が二箇所配置されている。固定部51には凸部52が設けられており、カバー本体4の固定孔45に固定部51の凸部52が嵌ることにより、ガイド部材5はカバー本体4に固定される。
さらにガイド部材5には、略L字状のロック爪ガイド孔53が形成されている。ロック爪ガイド孔53は、ガイド部材5がカバー本体4に取り付けられることによって、ロック爪26をロック孔44から特定の方向にのみ係止解除可能にすると共に、カバー3内でロック爪26を案内する溝の役割を果たす。
ガイド孔53は図に示すようにカバー3の円周方向に形成されるガイド孔53Aと、軸方向に形成されるガイド孔53Bから構成される。円周方向に形成されるガイド孔53Aは、カバー3内で円周方向のロック爪ガイド溝になり、操作ロック孔44Aと収納ロック孔44B間のロック爪26の移動を案内する。また、軸方向に形成されるガイド孔53Bは、カバー3内で軸方向のロック爪ガイド溝になり、収納ロック孔44Bと露出ロック孔44C間でのロック爪26の移動の一部を案内する。
なお、上記ではカバー3内にロック爪ガイド溝を容易に形成すると共にナイフ部2のカバー3からの抜けを防ぐため、カバー3をカバー本体4とガイド部材5から構成する例を示しているが、これらが一体に形成される構成としても良い(例として後述する第三実施形態参照)。
(ばね部材6)
ばね部材6は、図10に示すようにコイルばねで構成され、上述のナイフ部2のばね係止部27と、カバー本体4のばね係止部46との間に配置される。刃体23の露出時〔図10(c)〕には、ばね部材6は各ばね係止部27、46の間で押し縮められており、ナイフ部2を刃体23の収納側に付勢している。
(露出操作及び収納操作)
次に、上記構成の医療用ナイフ1における、刃体23の露出操作及び収納操作の詳細を説明する。
(1)操作ロック状態
医療用ナイフ1は、図10(a)に示す操作ロック状態でパッケージングされ、使用に供される。この操作ロック状態では、ロック爪26が操作ロック孔44Aに係止されてナイフ部2の軸方向の移動が規制されているため、ナイフ部2の軸体21を押込操作してもナイフ部2は動かない。そのため、刃体23が不用意に露出してしまうことがなく安全である。
(2)操作ロック状態から収納ロック状態へ
医療用ナイフ1を使用する際は、まず、操作ロック孔44Aに係止されたロック爪26が収納ロック孔44Bへ向かうように、ナイフ部2の軸体21をカバー3に対して回動させる。すると、ロック爪支持部25に弾性支持されるロック爪26が、ロック爪ガイド溝に沿って操作ロック孔44Aから離脱してカバー3の内側に入り込む。ロック爪ガイド溝はカバー3の内側で操作ロック孔44Aから収納ロック孔44Bまで円周方向に形成されており、このガイド溝に案内されてロック爪26が収納ロック孔44Bまで至ると、ロック爪支持部25の弾性によりロック爪26は収納ロック孔44Bに係止される〔図10(b);収納ロック状態〕。
(3)収納ロック状態から露出ロック状態へ
図10(b)に示す収納ロック状態では、刃体23はカバー3内に収納されているが、ナイフ部2を押込操作すれば刃体23を露出可能な状態である。使用時には、ばね部材6の弾性に抗してナイフ部2の軸体21を露出方向にカバー3に押し込む。すると、収納ロック孔44Bに係止されていたロック爪26がロック爪ガイド溝に沿って離脱してカバー3の内側に入り込み、露出ロック孔44Cまで至るとロック爪支持部25の弾性によりロック爪26が露出ロック孔44Cに係止される〔図10(c);露出ロック状態〕。このとき刃体23はカバー3から露出した状態でロックされると共に、ナイフ部2の刃体保持部22がカバー本体4のホールド部47によって挟持されて刃体23を安定させる。医療用ナイフ1は、この露出ロック状態で外科手術等に用いられる。
なおこのとき、ばね部材6はナイフ部2のばね係止部27とカバー本体4のばね係止部46との間に係止されて押し縮められているため、ナイフ部2を収納する方向に付勢している。
(4)露出ロック状態から収納ロック状態へ
刃体23を露出した露出ロック状態から、ロックを解除して刃体23を収納した収納ロック状態に戻すには、ロック解除部41を操作する。即ち、ロック解除部41の操作部42を、カバー本体4の円筒部側に押圧する。すると、操作部42の裏面に設けられた突起43が、露出ロック孔44Cに係止されているロック爪26を押圧して露出ロック孔44Cから離脱させる。ロック爪26が露出ロック孔44Cから離脱すると、収納ロック孔44Bにロック爪26が係止されるまでばね部材6がナイフ部2を収納側に押し戻し、医療用ナイフ1は収納ロック状態に戻る。
(5)収納ロック状態から操作ロック状態へ
医療用ナイフ1の使用後は、上記(4)に示すように収納ロック状態に戻したところで廃棄等の処理ができるが、より安全を期すために再度操作ロック状態に戻しても良い。操作ロック状態に戻すには、上記(2)とは逆に、収納ロック孔44Bに係止されたロック爪26が操作ロック孔44Aへ向かうように、ナイフ部2の軸体21をカバー3に対して回動させる。すると、ロック爪ガイド溝に沿ってロック爪26が収納ロック孔44Bから離脱してカバー3の内側に入り込み、円周方向のロック爪ガイド溝に沿って操作ロック孔44Aに至る。そしてロック爪支持部25の弾性によりロック爪26が操作ロック孔44Aに係止され、操作ロック状態となる。
このように、本発明の医療用ナイフ1では、操作ロック状態を解除して収納ロック状態にしておけば、ナイフ部2の軸体21をカバー3に押し込む操作のみで刃体23を露出させ、ロック解除部41を押圧する操作のみで刃体23を収納することが可能となる。これらの操作は、どちらも片手のみのワンアクションだけで可能な、簡単な操作である。従って、補助者が操作ロック状態を解除して執刀者に医療用ナイフ1を手渡すことで、執刀者と補助者は刃体23を収納した状態で受け渡しを行うことができ、医療用ナイフ1を用いた外科的処置を安全に行うことが可能となる。
ここまでが本実施形態に係る医療用ナイフ1の基本的な構成だが、この基本構成にさらに露出した刃体の角度を変位させる機構を加えた医療用ナイフ101としても良い。以下に構成を詳述する。
〔第二実施形態〕
図11は、本発明の第二実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。図11(a)は操作ロック状態の断面模式図、図11(b)は収納ロック状態の断面模式図、図11(c)は収納ロック状態から露出ロック状態へ移行する途中の断面模式図、図11(d)は露出ロック状態の断面模式図を示している。なお、第一実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
これらの図に示すように、刃体の角度変位機構を付加した医療用ナイフ101は、刃体の収納時〔図11(a)、(b)〕と露出時〔図11(d)〕とで刃体の角度が異なる。このように刃体の角度を軸に対して傾けて固定することで、視認が難しい角度や位置での切開等を容易にすることができる。
このような角度変位機構を備える医療用ナイフ101は、先端に刃体を備えるナイフ部102と、このナイフ102の一部を被覆可能な円筒状のカバー103と、ナイフ部102とカバー103間に係合するばね部材106と、から構成されている。
(ナイフ部102)
図12はナイフ部102の概略を示す模式図であり、図12(a)はその平面図、図12(b)はその正面図、図12(c)はその底面図である。また、図13はナイフ部102の可動部の概略を示す模式図であり、図13(a)はその斜視図、図13(b)はその正面図である。
これらの図に示すように、ナイフ部102は、棒状に形成された軸体21と、刃体23を保持する可動部122と、刃体23と、軸体21と弾性支持部124を連結する接続部24と、可動部122を弾性支持する弾性支持部124と、接続部24に設けられるロック部(ロック爪支持部25、ロック爪26)と、ばね部材106を係止するためのばね係止部27と、から構成されている。
弾性支持部124は、捩りや押し引きに対して自在に変形しつつ軸体21の軸方向の動きを可動部122に伝える部材である。具体的には、図12に示すように僅かに折曲(若しくは湾曲)した薄板状に形成され、操作ロック等の際に軸体21に加えられる円周方向への回動を、捩れることで吸収して可動部122の姿勢を維持する〔図11(a)参照〕。また、刃体23の収納及び露出の操作時に軸体21の軸方向の動きを可動部122に伝えると共に、撓んだり伸びたりすることで可動部122の回動動作を許容する。
可動部122は、弾性支持部124の先端に配置され、その露出側端部には刃体23を保持している。図13に、可動部122を拡大して示す。図示のように可動部122には、後述するカバー103の可動部ガイド孔147に係合する突出部128が突設されている。突出部128には、可動部ガイド孔147の露出側下端部(隅角部)147Aと突き当たる突当面128Aが露出側に形成されている。
さらに、突出部128の逆側には、後述するカバー103の可動部ガイド溝148と係合して、突出部128と共に可動部122の進行を案内すると共に可動部122の姿勢(角度)を決定する角度変位部129が突設されている。この角度変位部129には、カバー103の内周面又は可動部ガイド溝148の底面に接する摺接面129A、129Bが形成されている。
摺接面(基準面)129Aは、可動部122が刃体23の収納ロック状態から露出ロック状態に至る間に、カバー103の内周面又は可動部ガイド溝148の底面と接する面である。この摺接面129Aの角度が可動部122の基準の角度(収納時の角度)となる。
一方、摺接面(傾斜面)129Bは、刃体23を露出ロック状態とした際に、可動部ガイド溝148の底面と接する面である。摺接面129Bは、図13(b)に示すように基準の摺接面129Aに対して所定の角度θ(ここでは例として10度)を持って形成されている。そのため、摺接面129Bで可動部ガイド溝148の底面に接した際には、可動部122がθ度傾斜するため、刃体23の角度もθ度変位することになる〔図14参照〕。
なお、第二実施形態では、刃体23を露出した際に、刃体23がカバー103のロック解除部41側に曲がると共に、刃がロック解除部41側を向く例を図示しているが、刃体23の角度が変位する方向や刃の向きは、使用方法や使用部位等に応じて適宜変更して良い。
(カバー103)
図11に示すように、カバー103はナイフ部102が挿通される略円筒状の外装体であり、カバー本体104と、カバー本体104内に嵌入するガイド部材5から構成されている。ガイド部材5は上記第一実施形態と構成が同一であるため、ここでは説明を省略する。
図15及び図16にカバー本体104の概略を示す。図15(a)はその平面図、図15(b)はその正面図、図15(c)は背面図である。また、図16(a)は図15(a)におけるD−D線断面図、図16(b)は図15(b)におけるE−E線断面図である。
これらの図に示すように、カバー本体104は略円筒状の部材であり、樹脂成形によりなるのが好適である。カバー本体104は、カバー本体104の円筒部の外側に片持ち梁状に形成された操作部42とこの操作部42の先端内側に設けられる突起43からなるロック解除部41と、操作ロック孔44A、収納ロック孔44B、露出ロック孔44Cからなるロック孔44と、ガイド部材5を固定するための固定孔45と、カバー本体104の露出側先端でナイフ部102のばね係止部27との間でばね部材106を係止するためのばね係止部146と、ナイフ部102の突出部128と係合する可動部ガイド孔147と、ナイフ部102の角度変位部129と係合する可動部ガイド溝148と、から構成されている。
ばね係止部146は、カバー本体104の内周面に突設されてばね部材106を係止する。
可動部ガイド孔147は、カバー本体104の露出側に軸方向に沿って形成される長孔であり、ナイフ部102の可動部122に設けられた突出部128と係合して、露出及び収納操作時に可動部122の進退を案内する。
可動部ガイド溝148は、カバー本体104の露出側先端近傍の内周面に形成される長溝であり、ナイフ部102の可動部122に設けられた角度変位部129が係合可能で、可動部ガイド孔147と同様に露出及び収納操作時に可動部122の進退を案内する。
カバー本体104の露出側端部には、刃体23の露出時にナイフ部102を挟んで押さえ、刃体23を安定させるホールド部47が設けられている。ホールド部47は、カバー本体104の露出側端部から延設された複数(ここでは例として二つ)の挟持片48から構成され、挟持片48は内側に向かって突出する凸部49が形成されている。なおここでは、挟持片48が回動する可動部122の動きを妨げることがないよう、側部からナイフ部102を挟持する例を図示している。
(ばね部材106)
ばね部材106は、図11に示すようにコイルばねで構成され、ナイフ部102のばね係止部27と、カバー本体104のばね係止部146との間に配置される。刃体23の露出時〔図11(d)〕には、ばね部材106は各ばね係止部27、146間で押し縮められており、ナイフ部102を刃体23の収納側に付勢している。
(角度変位の態様)
上記構成の医療用ナイフ101における、刃体23の露出操作及び収納操作時の動作について、図11及び図14を用いて説明する。なお、ナイフ部102とカバー103のロックの態様は上記第一実施形態と同様であり既に説明しているため、ここでは角度変位機構の構成と動作を中心に説明する。
(1)操作ロック状態
図11(a)に示すように、医療用ナイフ101の操作ロック状態では、ロック爪26が操作ロック孔44Aに係止されてナイフ部102の軸方向の移動が規制されているため、ナイフ部102の軸体21を押込操作してもナイフ部102は動かない。
このとき、ナイフ部102の可動部122は、突出部128がカバー103の可動部ガイド孔147に嵌って回動できないため、弾性支持部124が捩れた状態でカバー103内に収まっている。
またこのとき可動部122は、角度変位部129の摺接面129Aでカバー103の内周面と接している。そのため、可動部122は基準の角度でカバー103内に収納されている。
(2)操作ロック状態から収納ロック状態へ
医療用ナイフ101を使用する際は、操作ロック孔44Aに係止されたロック爪26が収納ロック孔44Bへ向かうように、ナイフ部102の軸体21をカバー103に対して回動させる。すると図11(b)に示すように、ロック爪26がロック爪ガイド溝に沿って操作ロック孔44Aから離脱し、ロック爪ガイド溝に案内されて収納ロック孔44Bに係止される。また、軸体21の回動に伴って弾性支持部124の捩れが解消する。可動部122の姿勢は操作ロック状態と変わらない。
(3)収納ロック状態から露出ロック状態へ
医療用ナイフ101の刃体23を露出する際には、ばね部材106の弾性に抗してナイフ部102の軸体21を露出方向にカバー103に押し込む。すると、収納ロック孔44Bに係止されていたロック爪26がロック爪ガイド溝に沿って離脱して、露出ロック孔44Cに至ると露出ロック孔44Cに係止される。このとき刃体23はカバー103から露出した状態でロックされると共に、可動部122がカバー本体104のホールド部47によって挟持されて刃体23を安定させる。
一方、ナイフ部102の軸体21を露出方向にカバー103に押し込んだ際に、ナイフ部102の可動部122は、突出部128が可動部ガイド孔147に係合したまま、摺接面129Aでカバー103の内周面と当接しながら露出側にスライドする。
そして、可動部ガイド溝148まで可動部122がスライドすると、角度変位部129が可動部ガイド溝148に入り込み、摺接面129Aが可動部ガイド溝148の底面と接する。さらに可動部122がスライドすると、突出部128の突当面128Aが可動部ガイド孔147の隅角部147Aに突き当たる。
図11(c)及び図14(a)は、突出部128の突当面128Aが可動部ガイド孔147の隅角部147Aに突き当たった状態を図示している。ここまでは、角度変位部129の摺接面129Aで可動部ガイド溝148の底面と接しているため、可動部122は基準の角度を保っている。
図11(c)及び図14(a)に示した状態からさらに可動部122が露出側にスライドすると、可動部122は隅角部147Aと突き当たった突当面128Aで隅角部147Aを摺接しつつ、隅角部147Aとの接点を支点に図14上方向へと徐々に回動する。この回動に従って角度変位部129も可動部ガイド溝148の底面を摺接しながら回動し、摺接面129Bと可動部ガイド溝148の底面が接したところで、可動部122の角度が基準よりθ度(ここでは例として10度)傾斜する。この摺接面129Bと可動部ガイド溝148の底面が接している位置でナイフ部102をカバー103にロックできるよう、ナイフ部102のロック部とカバー103のロック孔44の配置が調節されている。以上により、露出ロック状態では刃体23が基準よりもθ度傾いた状態で固定された医療用ナイフ101とすることができる〔図11(d)、図14(b)〕。
なおこのとき、ばね部材106はナイフ部102のばね係止部27とカバー本体104のばね係止部146との間に係止されて押し縮められているため、ナイフ部102を収納する方向に付勢している。
(4)露出ロック状態から収納ロック状態へ
刃体23を露出した露出ロック状態からロックを解除して収納ロック状態に戻すには、ロック解除部41を操作して、突起43で露出ロック孔44Cからロック爪26を離脱させる。すると、収納ロック孔44Cにロック爪26が係止されるまでばね部材106がナイフ部102を収納側に押し戻し、医療用ナイフ101は収納ロック状態に戻る。
このとき可動部122は、ナイフ部102が収納側へ後退するのに従って露出の際と逆方向に回動し、摺接面129Aと可動部ガイド溝148の底面が接したところで刃体23の角度が基準の角度に戻る。さらにナイフ部102が後退すると角度変位部129は可動部ガイド溝148から離脱し、摺接面129Aでカバー103の内周面を摺接しながら図11(b)の収納ロック状態に戻る。
(5)収納ロック状態から操作ロック状態へ
医療用ナイフ101を操作ロック状態に戻すには、収納ロック孔44Bに係止されたロック爪26が操作ロック孔44Aへ向かうように、ナイフ部102の軸体21をカバー103に対して回動させる。するとロック爪26がロック爪ガイド溝に沿って収納ロック孔44Bから離脱して操作ロック孔44Aに係止される。この軸体21の回動に伴って、弾性支持部124が捩れた状態になる。可動部122の姿勢は収納ロック状態と変わらない。
このように、本実施形態の医療用ナイフ101では、簡易な構成で露出時の刃体の角度を変位させることができ、通常の医療用ナイフでは見難い処置部でも視認性の良い医療用ナイフ101とすることができる。また、操作ロック状態を解除して収納ロック状態にしておけば、ナイフ部102の軸体21をカバー103に押し込む操作のみで刃体23を露出させ、ロック解除部41を押圧する操作のみで刃体23を収納することが可能となる。これらの操作は、どちらも片手のみのワンアクションだけで可能な、簡単な操作である。従って、補助者が操作ロック状態を解除して執刀者に医療用ナイフ101を手渡すことで、執刀者と補助者は刃体23を収納した状態で受け渡しを行うことができ、医療用ナイフ101を用いた外科的処置を安全に行うことが可能となる。
なお上記では、安全を期するために刃体露出操作をロックした操作ロック状態にできる医療用ナイフ1、101について説明したが、収納ロック状態と露出ロック状態にできれば医療用ナイフとしては事足りるため、操作ロック孔44Aと円周方向のロック爪ガイド孔53A(ロック爪ガイド溝)を省略して、ナイフ部が軸方向にのみ移動可能で収納ロック状態と露出ロック状態にすることが可能な医療用ナイフとしても良い。この場合、医療用ナイフは収納ロック状態でパッケージングされて使用に供される。
一方、上記第一及び第二実施形態の場合、ナイフ部2、102の軸体21を回動させるだけという非常に簡単な操作で操作ロック状態を解除することが可能なため、搬送時やパッケージの開封時等、予期しない段階で操作ロック状態を解除してしまう恐れがある。そこで、より安全を期するために刃体23の露出操作はワンアクションのまま、操作ロック状態の解除時のみ操作数を増やした医療用ナイフ201について、以下で説明する。
〔第三実施形態〕
図17は、本発明の実施形態に係る医療用ナイフの全体概略図である。図17(a)は第一の操作ロック状態の斜視図、図17(b)は第二の操作ロック状態の斜視図、図17(c)は収納ロック状態の斜視図、図17(d)は露出ロック状態の斜視図を示している。なお、以下では第一実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
これらの図に示すように、本実施形態に係る医療用ナイフ201では、操作ロック状態に二つの形態がある(第一の操作ロック状態、及び第二の操作ロック状態)。即ち、第一の操作ロック状態から第二の操作ロック状態を経て収納ロック状態にしなければ、刃体23を露出することができない。このため、予期しない刃体の露出を防止することができる。
医療用ナイフ201は、先端に刃体23を備えるナイフ部202と、このナイフ部202の一部を被覆可能な円筒状のカバー203と、ナイフ部202とカバー203間に係合するばね部材206(図24参照)と、から構成されている。
(ナイフ部202)
図18及び図19にナイフ部202の概略を示す。図18(a)はその平面図、図18(b)はその正面図である。また、図18(c)は、図18(a)におけるF−F線断面図である。また、図19はナイフ部202の斜視図である。
これらの図に示すように、ナイフ部202は、棒状に形成された軸体21と、刃体23を保持する刃体保持部22と、刃体23と、軸体21と刃体保持部22とを連結する接続部24と、接続部24に設けられるロック部(ロック爪支持部25、ロック爪26)と、ばね部材206を係止するためのばね係止部27と、から構成されている。
なお第三実施形態では、ロック爪支持部25のロック爪26が形成される側とは逆側に、突起部25Aが形成される例を示している。この突起部25Aは、カバー203の内側に当接することでロック部の可動範囲を一定範囲に規制している。
(カバー203)
図20及び図21にカバー203の概略を示す。図20(a)はその平面図、図20(b)はその正面図である。また、図20(c)は、図20(a)におけるG−G線断面図、図20(d)は、図20(b)におけるH−H線断面図である。また、図21はカバー203の斜視図である。
これらの図に示すように、カバー203はナイフ部202が挿通される略円筒状の外装体であり、カバー203の円筒部の外側に片持ち梁状に形成された操作部42とこの操作部42の先端内側に設けられた突起43とからなるロック解除部41と、操作ロック孔244A、収納ロック孔244B、露出ロック孔244Cからなるロック孔244と、ナイフ部202のロック爪26と係合するロック爪ガイド溝245と、カバー203の露出側先端でナイフ部202のばね係止部27との間でばね部材206を係止するためのばね係止部46と、刃体23の露出時にナイフ部202を挟んで押さえるホールド部47と、から構成されている。
ロック孔244は、ナイフ部202のロック爪26を係止する貫通孔であり、それぞれ、ナイフ部202を第一の操作ロック状態及び第二の操作ロック状態で固定するための操作ロック孔(第三の貫通孔)244A、ナイフ部202を収納ロック状態で固定するための収納ロック孔(第一の貫通孔)244B、ナイフ部202を露出ロック状態で固定するための露出ロック孔(第二の貫通孔)244Cからなる。
操作ロック孔244Aは、図20(a)に示すようにL字状に形成された貫通孔であり、カバー203の軸方向に穿たれたX部とカバー203の円周方向に穿たれたY部から構成されている。X部の収納側端部は収納ロック孔244Bに対して円周方向に所定の角度ずれた位置に配置されるのが好ましい。またY部は、収納ロック孔244Bから露出ロック孔244C間のロック爪ガイド溝245へ向かって形成される。
なお、収納ロック孔244B及び露出ロック孔244Cは、第一実施形態の収納ロック孔24B及び露出ロック孔24Cと同様であり、ここでは説明を省略する。
ロック爪ガイド溝245は、カバー203の内側に、少なくとも収納ロック孔244Bから露出ロック孔244Cにかけて設けられた溝であり、ナイフ部202のロック爪26がカバー3の内側に入り込んだ際に、ロック爪26と係合してその移動を案内する。上述のように操作ロック孔244AのY部は、収納ロック孔244Bから露出ロック孔244C間のロック爪ガイド溝245へ向かって形成されているため、ロック爪ガイド溝245は、操作ロック孔244AのY部から収納ロック孔244Bへ、さらに収納ロック孔244Bと露出ロック孔244Cの間でロック爪26の案内を行う。
(ばね部材206)
ばね部材206は、図24に示すようにコイルばねで構成され、ナイフ部202のばね係止部27と、カバー203のばね係止部46との間に配置される。刃体23の露出時〔図17(d)〕には、ばね部材206は各ばね係止部27、46の間で押し縮められており、ナイフ部202を刃体23の収納側に付勢している。
(露出操作及び収納操作)
次に、上記構成の医療用ナイフ201における、刃体23の露出操作及び収納操作の詳細を説明する。
(1)第一の操作ロック状態
図22(a)に示すように、医療用ナイフ201の第一の操作ロック状態では、ロック爪26が操作ロック孔244Aに係止されてX部の収納側端部にある状態で、ナイフ部202は軸体21を押込操作してもばね部材206の弾性によって押し戻される。
(2)第一の操作ロック状態から第二の操作ロック状態へ
医療用ナイフ201を使用する際は、まず、操作ロック孔244AのX部収納側端部にあるロック爪26が操作ロック孔244AのY部に向かうように、ナイフ部202の軸体21を押し込んだ後、回動させる。ロック爪26は、操作ロック孔244Aの形状に沿って移動して、図22(b)に示すようにY部に係止される。この状態が第二の操作ロック状態であり、ロック爪26が操作ロック孔244AのY部に係止されてナイフ部202の軸方向の移動が規制されている。そのため、ナイフ部202の軸体21を押込操作してもナイフ部202は動かない。このとき、ばね部材206はナイフ部202のばね係止部27とカバー203のばね係止部46との間に係止されて押し縮められているため、ナイフ部202を収納する方向に付勢している。
(3)第二の操作ロック状態から収納ロック状態へ
次いで、操作ロック孔244AのY部に係止されたロック爪26がロック爪ガイド溝245へ向かうように、ナイフ部202の軸体21をカバー203に対して回動させる。するとロック爪26は操作ロック孔244Aから離脱してカバー203の内部に入り込み、ロック爪ガイド溝245と係合する。そして、ばね部材206の付勢によってナイフ部202は収納方向に押し戻され、ロック爪26はロック爪ガイド溝245に案内されて収納ロック孔244Bまで至ると、図22(c)に示すように収納ロック孔244Bに係止される(収納ロック状態)。
(4)収納ロック状態から露出ロック状態へ
医療用ナイフ201の刃体23を露出する際には、ばね部材206の弾性に抗してナイフ部202の軸体21を露出方向にカバー203に押し込む。すると、収納ロック孔244Bに係止されていたロック爪26が離脱して、ロック爪ガイド溝245に案内され〔図24(b)参照〕、露出ロック孔244Cに至ると図23(a)に示すように露出ロック孔244Cに係止される。このとき刃体23はカバー203から露出した状態でロックされる(露出ロック状態)と共に、ナイフ部202の刃体保持部22がカバー203のホールド部47によって挟持されて刃体23を安定させる。医療用ナイフ201は、この露出ロック状態で外科手術等に用いられる。
なおこのとき、ばね部材206はナイフ部202のばね係止部27とカバー203のばね係止部46との間に係止されて押し縮められているため、ナイフ部202を収納する方向に付勢している。
(5)露出ロック状態から収納ロック状態へ
刃体23を露出した露出ロック状態からロックを解除して収納ロック状態に戻すには、ロック解除部41を操作して、突起43で露出ロック孔244Cからロック爪26を離脱させる。すると、収納ロック孔244Bにロック爪26が係止されるまでばね部材206がナイフ部202を収納側に押し戻し、医療用ナイフ201は収納ロック状態に戻る。
このように、本実施形態の医療用ナイフ201では、操作ロック状態を解除する際に、押し込んでから回転させるという偶発的には起こりにくい操作が必要となる。そのため、不用意に操作ロックが解除されることなく、より安全な医療用ナイフとすることができる。一方で、操作ロック状態を解除して収納ロック状態にしておけば、ナイフ部202の軸体21をカバー203に押し込む操作のみで刃体23を露出させ、ロック解除部41を押圧する操作のみで刃体23を収納することが可能となる。これらの操作は、どちらも片手のみのワンアクションだけで可能な、簡単な操作である。従って、補助者が操作ロック状態を解除して執刀者に医療用ナイフ201を手渡すことで、執刀者と補助者は刃体23を収納した状態で受け渡しを行うことができ、医療用ナイフ201を用いた外科的処置を安全に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、外科手術用のメス等、医療現場で用いられるナイフに係り、特に、刃体をワンタッチで露出及び収納することが可能な医療用ナイフに関し、産業上の利用可能性を有する。
1、101、201 医療用ナイフ
2、102、202 ナイフ部
3、103、203 カバー
4、104 カバー本体
5 ガイド部材
6、106、206 ばね部材
21 軸体
22 刃体保持部
23 刃体
23a 扇型の刃体
23b 丸型の刃体
23c 三角型の刃体
24 接続部
25 ロック爪支持部
25A 突起部
26 ロック爪
27 ばね係止部
41 ロック解除部
42 操作部
43 突起
44、244 ロック孔
44A、244A 操作ロック孔(第三の貫通孔)
44B、244B 収納ロック孔(第一の貫通孔)
44C、244C 露出ロック孔(第二の貫通孔)
45 固定孔
46、146 ばね係止部
47 ホールド部
48 挟持片
49 凸部
51 固定部
52 凸部
53 ロック爪ガイド孔
53A ロック爪ガイド孔(円周方向)
53B ロック爪ガイド孔(軸方向)
122 可動部
124 弾性支持部
128 突出部
128A 突当面
129 角度変位部
129A 摺接面(基準面)
129B 摺接面(傾斜面)
147 可動部ガイド孔
147A 隅角部
148 可動部ガイド溝
245 ロック爪ガイド溝
本発明は、上記課題を解決するために、刃体を先端に保持するナイフ部と、該ナイフ部の刃体を収納可能な円筒状のカバーとを備えて、前記刃体を前記カバー内に収納した収納位置と、前記刃体を前記カバーから露出した露出位置に、前記ナイフ部を固定可能な医療用ナイフであって、前記ナイフ部と前記カバーとの間に係止され、前記ナイフ部を前記露出位置から前記収納位置方向へ付勢するばね部材をさらに備え、前記ナイフ部が、前記カバーに設けられた貫通孔に係止されることにより前記ナイフ部を前記カバーに固定するロック爪と、該ロック爪を前記貫通孔に対して着脱可能に弾性支持するロック爪支持部と、を備え、前記カバーが、前記ナイフ部を前記収納位置に固定する第一の前記貫通孔と、該第一の前記貫通孔の軸方向で前記刃体を露出させる側に形成され前記ナイフ部を前記露出位置で固定する第二の前記貫通孔と、先端が第二の前記貫通孔と対向する位置に配置され第二の前記貫通孔と前記ロック爪の係止状態を解除可能なロック解除部と、前記カバーの前記刃体を露出させる側の先端に設けられ前記ナイフ部の露出部を挟持して前記刃体の安定を図るホールド部と、を備え、前記ナイフ部を収納位置から露出位置にセットする際は、前記ばね部材の弾性に抗して前記ナイフ部を前記カバーから前記刃体を露出させる方向に押込操作して前記ロック爪を第一の前記貫通孔から離脱させると共に、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を第二の前記貫通孔に係止させ、前記ナイフ部を前記露出位置から前記収納位置に戻す際は、前記ロック解除部により第二の前記貫通孔に係止した前記ロック爪を離脱させ、前記ばね部材の付勢により前記ナイフ部を前記収納位置まで戻して、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を第一の前記貫通孔に係止させることを特徴とする医療用ナイフを提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、刃体を先端に保持するナイフ部と、該ナイフ部の刃体を収納可能な円筒状のカバーとを備えて、前記刃体を前記カバー内に収納した収納位置と、前記刃体を前記カバーから露出した露出位置に、前記ナイフ部を固定可能な医療用ナイフであって、前記ナイフ部と前記カバーとの間に係止され、前記ナイフ部を前記露出位置から前記収納位置方向へ付勢するばね部材をさらに備え、前記ナイフ部が、前記カバーに設けられた貫通孔に係止されることにより前記ナイフ部を前記カバーに固定するロック爪と、該ロック爪を前記貫通孔に対して着脱可能に弾性支持するロック爪支持部と、を備え、前記カバーが、前記ナイフ部を前記収納位置に固定する第一の前記貫通孔と、該第一の前記貫通孔の軸方向で前記刃体を露出させる側に形成され前記ナイフ部を前記露出位置で固定する第二の前記貫通孔と、先端が第二の前記貫通孔と対向する位置に配置され第二の前記貫通孔と前記ロック爪の係止状態を解除可能なロック解除部と、前記カバーの前記刃体を露出させる側の先端に設けられ前記ナイフ部の露出部を挟持して前記刃体の安定を図るホールド部と、を備え、前記ナイフ部を収納位置から露出位置にセットする際は、前記ばね部材の弾性に抗して前記ナイフ部を前記カバーから前記刃体を露出させる方向に押込操作して前記ロック爪を第一の前記貫通孔から離脱させると共に、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を第二の前記貫通孔に係止させ、前記ナイフ部を前記露出位置から前記収納位置に戻す際は、前記ロック解除部により第二の前記貫通孔に係止した前記ロック爪を離脱させ、前記ばね部材の付勢により前記ナイフ部を前記収納位置まで戻して、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を第一の前記貫通孔に係止させ、前記カバーが、第一の前記貫通孔による前記収納位置とは異なる位置に前記ロック爪を係止させて前記ナイフ部を前記収納位置で固定する第三の前記貫通孔をさらに備え、前記刃体を前記カバーから露出する際は、第三の前記貫通孔に係止された前記ロック爪を離脱させて第一の前記貫通孔へ係止させた後、第二の前記貫通孔へ係止させることを特徴とする医療用ナイフを提供する。
さらに、前記カバーの内周面に、前記ロック爪を特定の方向にのみ前記貫通孔から係止解除可能にすると共に、前記カバー内での前記ロック爪の移動を案内するロック爪ガイド溝が形成されており、前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔の円周方向に形成され、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置で前記ナイフ部を固定し、前記ロック爪ガイド溝が前記第一の貫通孔から第三の貫通孔にかけて形成されており、前記第一の貫通孔と第三の貫通孔間以外への前記ロック爪の移動を規制することを特徴とする。
若しくは、前記カバーの内周面に、前記ロック爪を特定の方向にのみ前記貫通孔から係止解除可能にすると共に、前記カバー内での前記ロック爪の移動を案内するロック爪ガイド溝が形成されており、前記ロック爪ガイド溝が、前記第一の貫通孔から第二の貫通孔にかけて形成され、前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置から軸方向に延びる孔と、前記ロック爪ガイド溝に至る円周方向の孔からなるL字状に形成されることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 刃体を先端に保持するナイフ部と、該ナイフ部の刃体を収納可能な円筒状のカバーと、前記刃体を前記カバー内に収納した収納位置と、前記刃体を前記カバーから露出した露出位置に、前記ナイフ部を固定可能な医療用ナイフであって、
    前記ナイフ部と前記カバーとの間に係止され、前記ナイフ部を露出位置から収納位置方向へ付勢するばね部材をさらに備え、
    前記ナイフ部が、前記カバーに設けられた貫通孔に係止されることにより前記ナイフ部を前記カバーに固定するロック爪と、該ロック爪を前記貫通孔に対して着脱可能に弾性支持するロック爪支持部と、を備え、
    前記カバーが、前記ナイフ部を収納位置で固定する第一の貫通孔と、該第一の貫通孔の軸方向で前記刃体を露出させる側に形成され前記ナイフ部を露出位置で固定する第二の貫通孔と、先端が前記第二の貫通孔と対向する位置に配置され前記第二の貫通孔と前記ロック爪の係止状態を解除可能なロック解除部と、前記カバーの前記刃体を露出させる側の先端に設けられ前記ナイフ部の露出部を挟持して前記刃体の安定を図るホールド部と、を備え、
    前記ナイフ部を収納位置から露出位置にセットする際は、前記ばね部材の弾性に抗して前記ナイフ部を前記カバーから前記刃体を露出させる方向に押込操作して前記ロック爪を前記第一の貫通孔から離脱させると共に、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を前記第二の貫通孔に係止させ、
    前記ナイフ部を露出位置から収納位置に戻す際は、前記ロック解除部により前記第二の貫通孔に係止した前記ロック爪を離脱させ、前記ばね部材の付勢により前記ナイフ部を収納位置まで戻して、前記ロック爪支持部の弾性により前記ロック爪を前記第一の貫通孔に係止させることを特徴とする医療用ナイフ。
  2. 前記カバーの内周面に、前記ロック爪を特定の方向にのみ前記貫通孔から係止解除可能にすると共に、前記カバー内での前記ロック爪の移動を案内するロック爪ガイド溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ナイフ。
  3. 前記カバーが、前記第一の貫通孔による収納位置とは異なる位置に前記ロック爪を係止させて前記ナイフ部を収納位置で固定する第三の貫通孔をさらに備え、
    前記刃体を前記カバーから露出する際は、前記第三の貫通孔に係止された前記ロック爪を離脱させて前記第一の貫通孔へ係止させた後、前記第二の貫通孔へ係止させることを特徴とする請求項2に記載の医療用ナイフ。
  4. 前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔の円周方向に形成され、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置で前記ナイフ部を固定し、
    前記ロック爪ガイド溝が前記第一の貫通孔から第三の貫通孔にかけて形成されており、前記第一の貫通孔と第三の貫通孔間以外への前記ロック爪の移動を規制することを特徴とする請求項3に記載の医療用ナイフ。
  5. 前記ロック爪ガイド溝が、前記第一の貫通孔から第二の貫通孔にかけて形成され、
    前記第三の貫通孔が、前記第一の貫通孔による収納位置から円周方向に回動した位置から軸方向に延びる孔と、前記ロック爪ガイド溝に至る円周方向の孔からなるL字状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の医療用ナイフ。
  6. 前記カバーは、前記カバーの軸方向に沿って形成される可動部ガイド孔と、前記カバーの前記刃体を露出する側の端部の内周面に軸方向に沿って形成される可動部ガイド溝と、をさらに備え、
    前記ナイフ部は、先端に前記刃体を保持する可動部と、該可動部を弾性支持する弾性支持部と、をさらに備え、
    前記可動部は、前記可動部ガイド孔に係合する突出部と、前記可動部ガイド溝に係合可能でかつ前記カバーの内周面又は前記可動部ガイド溝の底面と接する摺接面を有する角度変位部と、前記突出部に設けられ前記可動部ガイド孔の前記刃体露出側の下端である隅角部と突き当たる突当面と、を備え、
    前記角度変位部の摺接面が、
    前記ロック爪が前記第一の貫通孔から前記第二の貫通孔に至る間に、前記カバーの内周面又は前記可動部ガイド溝の底面と接する基準面と、
    前記ロック爪が前記第二の貫通孔に係止されたときに、前記可動部ガイド溝の底面と接して前記基準面とは異なる角度で前記可動部が前記刃体を保持するよう、前記基準面と異なる角度に形成された傾斜面と、から構成され、
    前記可動部は、前記突当面で前記可動部ガイド孔の隅角部と突き当たった際に、該隅角部と前記突当面との接点を支点に、前記傾斜面が前記可動部ガイド溝の底面と接するまで回動することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の医療用ナイフ。
JP2012126699A 2012-06-04 2012-06-04 医療用ナイフ Expired - Fee Related JP5292499B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126699A JP5292499B1 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 医療用ナイフ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126699A JP5292499B1 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 医療用ナイフ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5292499B1 JP5292499B1 (ja) 2013-09-18
JP2013248310A true JP2013248310A (ja) 2013-12-12

Family

ID=49396722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012126699A Expired - Fee Related JP5292499B1 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 医療用ナイフ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5292499B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016007467A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社貝印刃物開発センター 手持ち具
JP2018134174A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 株式会社Icst 皮膚切除具
JP2018143323A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 株式会社貝印刃物開発センター 医療用刃物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3657812A (en) * 1970-09-28 1972-04-25 G & L Ind Inc Retractible tool holder
GB2113550B (en) * 1982-01-21 1985-06-05 Microsurgical Administrative S Surgical knife
JPS612208U (ja) * 1984-06-08 1986-01-08 狭山精密工業株式会社 手術刀
JPH0546733Y2 (ja) * 1990-09-27 1993-12-08
JPH11178830A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Atom Medical Corp 手術用メス
JP4730920B2 (ja) * 2009-11-26 2011-07-20 正一 中村 医療用ナイフ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016007467A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社貝印刃物開発センター 手持ち具
JP2018134174A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 株式会社Icst 皮膚切除具
JP2018143323A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 株式会社貝印刃物開発センター 医療用刃物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5292499B1 (ja) 2013-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4885186B2 (ja) シールド付外科用メス
JP3214069U (ja) ステープリングヘッドアセンブリ及び内視鏡外科手術縫合切断装置
JP5269268B2 (ja) フィードバック信号伝達手段を備えた薬剤送達装置
EP1579815B1 (en) Surgical scalpel assembly
US7810241B2 (en) Shielded scalpel
JP4486038B2 (ja) 外科用メス刃用ホルダ
EP2145589A2 (en) Manipulating handle for successive clipping device, successive clipping device, manipulating handle for clipping device, and clipping device
EP3120807B1 (en) Intraocular lens injector and intraocular lens injection device
JP4730920B2 (ja) 医療用ナイフ
JP2012527909A (ja) 外科用円刃刀のためのブレードユニット
JP5292499B1 (ja) 医療用ナイフ
US20100137894A1 (en) Edged tool
JP4814893B2 (ja) ブレード収納ケース
US20140142600A1 (en) Retractable universal safety scalpel
JP2010187984A (ja) 医療用針装置
EP2732780B1 (en) Retractable universal safety scalpel
JP6247028B2 (ja) 医療用ナイフ
JP2010046114A (ja) 外科用処置具
JP2008173406A (ja) 医療用ステープラ
JP4829644B2 (ja) 医療用刃物
JP5335030B2 (ja) ブレード収納ケース
JP6135142B2 (ja) クリップケース
JP5488868B2 (ja) ディスポーザブル型採血器具
JP2017038850A (ja) 留置針
WO2016059909A1 (ja) 保持機構と挿入機器

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130610

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees