JP2013247834A - モータ駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの速度を可変制御するモータ駆動回路において、モータの速度に応じた適切な進角値を自動的に設定可能なモータ駆動回路を提供する。
【解決手段】モータ駆動回路10は、モータに取り付けられた速度検出手段からモータの速度に比例する周波数の検出信号Sfが入力されるとともに、基準進角カウント値S_countに応じて予め設定された補正基準カウント値Ref_countを有しており、検出信号Sfの周期に対する補正基準カウント値Ref_countの比を補正量Badとし、補正量Badに比例係数Ksを乗じて進角補正値Sadを得る進角設定補正手段12と、基準進角カウント値S_countに進角補正値Sadを加算して進角設定信号Saを出力する進角設定手段11とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータの回転速度を可変制御するモータ駆動回路に関する。
近年、複写機やページプリンタ等のOA機器は、カラー化、精細化、デジタル化が進んでおり、それに伴って、これらの機器に使用されるモータは、広い回転速度範囲、かつ、高い回転速度精度で動作することが求められている。このようなモータを駆動する駆動回路には、広い回転速度範囲内の各回転数において、最適な制御性能を備えることが要求される。
また、このようなモータの駆動方式は、静音化等の観点から、従来の矩形波駆動からモータ巻線の印加電圧を正弦波とする正弦波駆動が一般的になりつつある。そして、このような正弦波駆動で高効率を維持するには、モータ誘起電圧の位相に対する巻線電流の位相の遅れを調整する進角制御が重要であることが知られている。
従来、進角制御機能を備えるモータ駆動回路として、図3に示すようなコントローラ107が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図3に示すコントローラ107は、油圧式パワーステアリングシステムに用いられる三相ブラシレスモータ(以下、単にモータという)106を駆動するモータ駆動回路の例である。
このコントローラ107は、舵角センサ111及び車速センサ112からの入力に基づいて目標回転数を算出する目標回転数演算手段173と、回転位置検出センサ171からの入力に基づいてモータの回転数を算出する回転数演算手段174とを備えており、目標回転数と実際の回転数との偏差が回転数制御手段175に入力される。そして、回転数制御手段175及びPWM制御手段176は、比例制御と積分制御により制御電圧を設定し、これによって、駆動回路172を通じてモータ106の回転数を制御するように構成されている。
そして、コントローラ107では、位相制御手段177において、回転数制御手段175で求めた比例項、積分項等の制御パラメータに基づいて、駆動回路172の最適な通電位相角を求め、その結果をPWM制御手段176に反映させることによって、進角制御が実施されている。
さらに、従来、広範囲に変化する速度の制御を行うモータ駆動回路において、予め設定された2つの進角値を有し、進角値設定端子に入力される電圧レベルのHigh/Lowによって、進角値設定を切替えるように構成されたモータ駆動回路も存在する。例えば、図4に示す進角値設定回路の例では、PS端子(進角値設定端子)に入力される電圧レベルのHigh/Lowが、PSO端子の状態のオープン/ショート(GND)によって設定され、この設定の切替わりに応じて進角値の設定が切替わるように構成されている。このようなPSO端子の状態を切替えるための信号は、通常、モータの回転速度等に応じて、モータ駆動回路のインタフェースを介して外部から供給される。
特開2005−192338号公報
しかしながら、図3に示すコントローラ107は、舵角センサ111及び車速センサ112からの入力に基づいて目標回転数を算出する目標回転数演算手段173と、目標回転数と実際の回転数との偏差が入力される回転数制御手段175を備えており、進角制御は、この回転数制御手段175で求めた比例項、積分項等の制御パラメータに基づいて実施されるものである。したがって、目標回転数(目標速度)に基づく回転数制御手段を備えていないモータ駆動回路では、図3に示すコントローラ107における進角制御を実施することはできない。
また、図4に示すような、進角値設定端子に入力される信号レベルによって進角値を切替える構成では、例えば、更に高精度な制御を実行することを目的として、対応する進角値の数を増加させる場合、多くの抵抗及びスイッチ素子等を要する複雑な切替回路を必要とする。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、モータの速度を可変制御するモータ駆動回路において、モータの速度に応じた適切な進角値を自動的に設定可能なモータ駆動回路を提供することを目的とする。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)目標速度に基づいた回転速度情報を含む駆動指令信号が外部から入力され、該駆動指令信号に応じて前記モータの速度を可変制御するモータ駆動回路であって、モータに取り付けられた速度検出手段から前記モータの速度に比例する周波数の検出信号が入力されるとともに、基準進角値に応じて予め設定された補正基準周期を有しており、前記モータの速度に比例する周波数の検出信号の周期に対する前記補正基準周期の比を補正量とし、該補正量に比例係数を乗じて進角補正値を得る進角設定補正手段と、前記基準進角値に前記進角補正値を加算して進角設定信号を出力する進角設定手段と、を備えることを特徴とするモータ駆動回路(請求項1)。
本項に記載のモータ駆動回路によれば、速度検出手段から入力される検出信号の変動に応じて進角値を自動的に補正することが可能となり、モータの速度を可変制御するモータ駆動回路において、モータの速度が変動する際に、それぞれの速度における駆動効率を最適化することが可能となる。
また、本項に記載のモータ駆動回路は、速度検出手段から入力される検出信号に基づいて進角設定を補正するものであるため、進角制御を実施するために外部からの目標速度の入力が不要となり、ひいては、目標速度に基づく回転数制御手段を備えない簡素かつ安価なモータ駆動回路により、モータの進角制御を実施することが可能となる。
さらに、本項に記載のモータ駆動回路では、モータの速度に応じた進角設定の補正がモータ駆動回路の内部で自動的に行われるため、進角値の切替回路やその切替信号を外部から入力するためのインタフェース等を要することなく、簡素かつ安価な構成により、駆動効率の最適化を実施することができる。
(2)(1)項に記載のモータ駆動回路において、基準クロックに基づいて計数された前記検出信号の周期に相当する検出周期カウント値を出力する周期検出カウンタを備え、前記進角設定補正手段は、前記補正基準周期に対応する補正基準カウント値を有するとともに、前記補正基準カウント値を前記検出周期カウント値で除算することにより前記補正量を算出する除算手段を有することを特徴とするモータ駆動回路(請求項2)。
本項に記載のモータ駆動回路によれば、速度検出手段から入力される検出信号の周期の変動に応じて、進角値を自動的に補正することが可能なモータ駆動回路を、アナログ回路(例えば、積分アンプ、抵抗、コンデンサ)を使用しない完全なデジタル処理回路として構成することが可能となる。特に、モータ駆動回路を集積回路(IC)とする場合、より多くのデジタル回路を少ない面積で構成する微細加工プロセスを活用して、高性能のモータ駆動回路を、チップ面積が小さくかつ低コストのICにより実現することが可能となる。
(3)(1)または(2)項に記載のモータ駆動回路において、前記進角設定補正手段は、複数の前記補正基準周期を有することを特徴とするモータ駆動回路(請求項3)。
本項に記載のモータ駆動回路によれば、速度可変範囲が広いモータについて、柔軟かつ容易に最適な進角設定の補正を実施することが可能となる。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のモータ駆動回路において、前記駆動指令信号に含まれる前記回転速度情報は、前記目標速度に対応した電圧指令信号またはPWMデューティ指令信号であることを特徴とするモータ駆動回路(請求項4)。
本発明に係るモータ駆動回路は、以上のように構成したため、モータの速度を可変制御するモータ駆動回路において、モータ速度に応じた適切な進角値が自動的に設定され、その駆動効率を最適化することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるモータ駆動回路を含むモータ駆動システムを模式的に示すブロック図である。 本発明の一実施形態におけるモータ駆動回路の要部を示す機能ブロック図である。 従来のモータ駆動回路の一例を示す回路構成図である。 従来のモータ駆動回路の別の例を示す回路構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ駆動回路10が好適に適用されるモータ駆動システムを模式的に示す図である。図1に示すモータ駆動システムは、モータ25とモータ駆動回路10とを含み、モータ25には、速度検出手段として周波数発電機(Frequency Generator。以下、FGともいう)14が取り付けられている。モータ駆動回路10には、FG14からモータ25の速度(回転速度)に比例する周波数の検出信号(以下、単に検出信号ともいう)Sfが入力されるとともに、外部装置30(例えば、モータ駆動回路10の上位システム)から駆動指令信号Sdが入力される。
図1に示すモータ駆動システムにおいて、外部装置30には、FG14からの検出信号Sfとともに、モータの目標速度に相当する基準信号(図示は省略する)が入力されており、外部装置30は、目標速度に基づいた回転速度情報を含む駆動指令信号Sdを、モータ駆動回路10に出力するものである。本実施形態において、モータ駆動回路10は、目標速度に基づいてモータ25の速度を制御する回転数制御手段を備えておらず、入力される駆動指令信号Sdに基づいて、モータ25の速度を可変制御するように構成されている。駆動指令信号Sdは、具体的には、目標速度に対応した電圧指令信号またはPWMデューティ指令信号である。
図2は、本実施形態におけるモータ駆動回路10の要部を示す機能ブロック図である。モータ駆動回路10は、検出信号Sfが入力される周期検出カウンタ16を備えており、この周期検出カウンタ16には、一定周期の基準クロックCLKが供給される。
ここで、モータ駆動回路10は、好ましくは、その内部に基準クロックCLKの発生手段(図示は省略する)を備えるものであるが、本発明に係るモータ駆動回路10は、その外部から基準クロックCLKが入力されるものであってもよい。
モータ駆動回路10は、さらに、加算手段19を含む進角設定手段11と、所定の比例係数Ksを備える乗算手段18及び除算手段20を含む進角設定補正手段12を備えている。
本実施形態において、周期検出カウンタ16は、検出信号Sfの周期を基準クロックCLKに基づいて計数し、計数された値(検出周期カウント値)FG_countを出力するものである限り、その具体的構成は、任意の適切な構成とすることができる。例えば、周期検出カウンタ16は、基準クロックCLKを構成する各パルス信号の入力毎にカウントアップされるフリーランカウンタと、入力信号の立ち上がりを検出して、その時点におけるフリーランカウンタのカウント値を保持するインプットキャプチャレジスタを備えており、引き続く2つの時点に保持されたカウント値の差を算出することによって、入力信号の1周期間に入力された基準クロックCLKのパルス数を、入力信号の周期に相当するカウント値として出力するものであってもよい。
モータ駆動回路10において、進角設定手段11は、予め設定された基準進角値を、対応する基準進角カウント値S_countとして有しており、この基準進角カウント値S_countが加算手段19に入力され、加算手段19において、後述する補正量Badに比例係数Ksを乗じて得られる進角補正値Sadと加算され、得られた進角設定信号Saが出力される。
一方、周期検出カウンタ16からは、検出信号Sfの周期に相当する検出周期カウント値FG_countが出力される。そして、モータ駆動回路10の進角設定補正手段12は、基準進角値に応じて予め設定された補正基準周期を、対応する補正基準カウント値Ref_countとして有しており、検出周期カウント値FG_countと補正基準カウント値Ref_countが除算手段20に入力される。除算手段20では、「Ref_count/FG_count」により、検出信号Sfの周期に対する補正基準周期の比として、補正量Badが算出される。この補正量Badは、乗算手段18に入力され、所定の比例係数Ksが乗算されて進角補正値Sadが算出される。
そして、乗算手段18から、進角補正値Sadが進角設定手段11の加算手段19に出力される。これによって、基準進角値(基準進角カウント値S_count)が補正される。
このように、モータ駆動回路10では、進角設定のための基準進角値(基準進角カウント値S_count)が、進角補正値Sadにより検出信号Sfの周期(検出周期カウント値FG_count)に応じて自動的に補正されるため、検出信号Sfの周期(すなわち、モータ25の回転速度)が変動する場合でも、それぞれの速度に対して適切な進角設定が可能となり、ひいては、モータの駆動効率を最適化することができる。
この際、モータ駆動回路10では、検出信号Sfに基づいて進角設定を補正するものであるため、進角制御を実施するために外部からモータ駆動回路10に対して目標速度を入力する必要がないことにより、モータ駆動回路10を、目標速度に基づく回転数制御手段を備えない簡素かつ安価な構成により実現することが可能となる。
さらに、モータ駆動回路10の進角設定補正手段12では、上述したように、補正量Badとして、「補正基準周期/検出信号Sfの周期」(Ref_count/FG_count)が用いられている(これは、「1/補正基準周期」に比例する補正基準速度を設定し、「1/検出信号Sfの周期」に比例するモータ25の回転速度を補正基準速度により正規化した値を、補正における回転速度として用いることに相当する)。この構成は、以下に説明するように、特に、速度可変範囲の広いモータの制御において有利なものである。
すなわち、速度可変範囲の広いモータの制御では、モータの駆動効率を最適化するために、回転速度が属する複数の速度域(例えば、低速域、中速域、高速域等)のそれぞれに応じて、異なる進角設定が要求される場合がある。このような要求に対して、モータ駆動回路10は、複数の速度域のそれぞれに応じて適切な複数の補正基準周期(例えば、低速域用、中速域用、高速域用のそれぞれの補正基準周期)を備え、回転速度が属する速度域に応じて、補正量の算出に使用する補正基準周期(具体的には、対応する補正基準カウント値Ref_count)を切替えるように構成されるものであってもよい。
その際、モータ駆動回路10は、補正基準周期の切替えを、検出信号Sfの周期(検出周期カウント値FG_count)と連動して、自動的に行うように構成されることが望ましい。
これによって、回転速度が広範囲に変動する場合でも、モータの駆動効率が最適化されるように、進角値の補正量を柔軟かつ容易に切替えることが可能となる。しかも、速度域数が増加した場合でも、モータ駆動回路10の部品点数を増加させる必要はなく、進角設定補正手段12にデータとして保持される補正基準周期を増加させることにより、容易に対応可能である。
尚、モータ駆動回路10は、加算手段19から出力される進角設定信号Sa(及び、図示しない他の制御手段(例えば、速度制御手段及び位相制御手段)から出力される制御信号)に基づいて、モータ25を駆動する周知の駆動回路(図示は省略する)を備えるものであってもよい。
以上のように構成されたモータ駆動回路10は、検出信号Sfの周期を検出周期カウント値(すなわち、数値データ)FG_countとして取り込み、以後の処理は、全て数値データの演算処理として実行可能なものであるため、アナログ回路を使用しない、完全なデジタル処理回路として実現することができる。その際、モータ駆動回路10の各構成要素は、図2を参照して説明した各機能ブロックの機能を果たす限り、任意の適切なハードウェアまたはソフトウェア、あるいはその組合せによって実現することが可能である。モータ駆動回路10のこのような特徴は、特にモータ駆動回路10を集積回路(IC)とする場合、高性能のモータ駆動回路を、チップ面積が小さくかつ低コストのICにより実現する上で、有利なものである。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、モータ駆動回路の任意の構成要素を、同等の機能を有するアナログ回路により構成する場合を含むものである。また、モータ25の速度検出手段は、FG14ではなく、ホール素子等の位置検出素子を用いるものであってもよい。
10:モータ駆動回路、11:進角設定手段、12:進角設定補正手段、14:周波数発電機(速度検出手段)、16:周期検出カウンタ、18:乗算手段、19:加算手段、20:除算手段、25:モータ、30:外部装置、Bad:補正量、Sa:進角設定信号、Sad:進角補正値、Sd:駆動指令信号、Sf:検出信号、FG_count:検出周期カウント値、Ref_count:補正基準カウント値、S_count:基準進角カウント値

Claims (4)

  1. 目標速度に基づいた回転速度情報を含む駆動指令信号が外部から入力され、該駆動指令信号に応じて前記モータの速度を可変制御するモータ駆動回路であって、
    モータに取り付けられた速度検出手段から前記モータの速度に比例する周波数の検出信号が入力されるとともに、基準進角値に応じて予め設定された補正基準周期を有しており、前記モータの速度に比例する周波数の検出信号の周期に対する前記補正基準周期の比を補正量とし、該補正量に比例係数を乗じて進角補正値を得る進角設定補正手段と、前記基準進角値に前記進角補正値を加算して進角設定信号を出力する進角設定手段と、を備えることを特徴とするモータ駆動回路。
  2. 基準クロックに基づいて計数された前記検出信号の周期に相当する検出周期カウント値を出力する周期検出カウンタを備え、前記進角設定補正手段は、前記補正基準周期に対応する補正基準カウント値を有するとともに、前記補正基準カウント値を前記検出周期カウント値で除算することにより前記補正量を算出する除算手段を有することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動回路。
  3. 前記進角設定補正手段は、複数の前記補正基準周期を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動回路。
  4. 前記駆動指令信号に含まれる前記回転速度情報は、前記目標速度に対応した電圧指令信号またはPWMデューティ指令信号であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動回路。
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