JP2013247753A - 静電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】銅貼積層板のサイズや、レジストを形成する装置やエッチング装置などのサイズに制限されて、固定子自体の大きさに制限があった。固定子の大きさや形状を自在に設計できる、静電アクチュエータを得ること。
【解決手段】固定子40および固定子40上に配置された移動子50を備える静電アクチュエータにおいて、固定子40は、誘電体1と、移動子50が配置される側とは反対側の誘電体1上に形成された抵抗体層2と、を有し、移動子50は、基体11と、基体11の内部または基体11上に形成された、基体11を駆動させるための駆動信号が流れる電極線12と、電極線12に電気的に接続された、電極線12に駆動信号を流す制御回路22と、制御回路22に電気的に接続された、制御回路22に電力を供給する電源21と、を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
【選択図】図1

Description

本発明は静電アクチュエータに関する。
特許文献1には、移動シート等に画像を形成することによって、広告掲示物とする静電アクチュエータが記載されている。当該静電アクチュエータは、電極線を有する固定シートと、その固定シートとの間で作用する静電力により移動する移動シートと、該固定シートと該移動シートとを内側に封入しかつ該電極線のリード線を外側に取り出す包装体とを備え、該移動シートはその表面に画像が形成されているようにした静電アクチュエータである。
一般的に静電アクチュエータでは、固定シートの電極線は細かく精度よく形成する必要があり、たとえば、銅貼積層板にレジストパターンを設けてエッチングにより銅の電極線が形成される。そのため、固定シートのサイズは、銅貼積層板のサイズや、レジストを形成する装置やエッチング装置などのサイズに制限されて、一定の大きさ以上のものは製造することができない。広告掲示物はその大きさや形状によって、広告内容の訴求力の違いがあり、大きさや形状が自由にできないことは、広告掲示物としては大きな欠点である。固定シートの形状にしても、曲線状に電極線を設けることができないので、形状自体にも制限がある。そのため、複雑な形状の、大きな固定シートの上を自在に移動シートが移動できる静電アクチュエータを得ることはできなかった。
特開2010‐17046号公報
固定子の大きさや形状を自在に設計できる、静電アクチュエータを得ることを課題とする。
本発明は、固定子および前記固定子上に配置された移動子を備える静電アクチュエータにおいて、前記固定子は、誘電体と、前記移動子が配置される側とは反対側の前記誘電体上に形成された抵抗体層と、を有し、前記移動子は、基体と、前記基体の内部または前記基体上に形成された、前記基体を駆動させるための駆動信号が流れる電極線と、前記電極線に電気的に接続された、前記電極線に駆動信号を流す制御回路と、前記制御回路に電気的に接続された、前記制御回路に電力を供給する電源と、を有することを特徴とする静電アクチュエータである。
本発明は、透明な誘電体と、透明な抵抗体層と、を含む固定子を備えることが好ましい前記静電アクチュエータである。
本発明は、前記電源が電池であることが好ましい、前記静電アクチュエータである。
本発明によれば、大きな固定子を備える静電アクチュエータを得ることができる。また、複雑な形状の固定子を備える静電アクチュエータを得ることができる。
本発明の静電アクチュエータの一例を示す説明図である。 本発明の移動子の一例を示す説明図である。 本発明の固定子の一例を示す説明図である。 本発明の移動子の電極線パターンの一例を示す説明図である。 本発明の移動子の電極線パターンの部分説明図である。 本発明の移動子の電極線パターンの部分説明図である。 X軸動作用電極線1〜X軸動作用電極線4に印加される信号の波形図の一例である。 電極線に印加される電荷と誘電体に誘起される電荷で、移動子が移動する説明図である。 本発明の制御回路の一例である。
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。本発明の静電アクチュ
エータの一例を図1に示す。移動子50は、基体11と、前記基体11の内部または前記基体11上に形成された、前記基体11を駆動させるための駆動信号が流れる電極線12と、前記電極線12に電気的に接続された、前記電極線12に駆動信号を流す制御回路22と、前記制御回路22に電気的に接続された、前記制御回路22に電力を供給する電源21と、を有しており、固定子40は、誘電体1と、前記移動子50が配置される側とは反対側の前記誘電体1上に形成された抵抗体層2と、を有している。
制御回路22は、電源21から供給される電力により駆動され、電極線12に信号を送ることにより、移動子50は固定子40の表面を移動することができる。
固定子には電極線がないので、誘電体1の上に印刷法や蒸着法により抵抗体層2を設けることが可能で、大面積の固定子を得ることができる。また、固定子を任意の形状に切取り加工することができる。抵抗体層2は誘電体表面の全面に必ずしも設ける必要はなく、移動子を移動させたい領域のみに抵抗体層2を設ければよい。また、材料を選択することにより、透明な固定子を得ることができる。
図2は、移動子の他の例であり、移動子51は、移動子50の構成に加えて、移動子が固定子と接触する面にマット層13を含み、マット層13が固定子40または固定子41との接触面積を少なくして摩擦抵抗を減少させることができる。
図3は、固定子の他の例であり、固定子41は、抵抗体層2、誘電体1、および抵抗体層2と反対の誘電体1の面の上に滑性層3を含み、滑性層3により、移動子50や移動子51との摩擦抵抗を減少させることができる。
電源21が電池であれば、固定子の表面を制限なく移動することができる。電源21が、外部からの高周波を受信してエネルギーに変換する装置であれば、高周波が遮られる場所での使用は制限されるが、用途によっては問題なく利用できる。電源21が、外部からのコードを接続したものであれば、コードの引き回しが邪魔になる場所での使用は制限されるが、電源の消耗を心配しないでよい利点がある。用途や環境に応じて電源21は、上記電源のなかから選択すればよい。人の目を引くという点では電源は電池であることが好ましい。
<固定子>
(誘電体)
以下、具体的な材料につき説明する。
固定子40または固定子41の誘電体1に用いられる材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルフィド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリウレタン等の高分子化合物のフィルムや、各種フィルムの積層体を使用することができる。透明性の高い固定子としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのフィルムが、耐熱性、耐久性の点から好ましい。また、高透明性の点ではポリプロピレンフィルムが好ましい。
誘電体フィルムは、誘電体フィルム同士と積層してもよい。あるいは、非誘電体のフィルム、紙、などに誘電体を積層して使用してもよい。
フィルムまたは各種フィルムの積層体のトータルの厚みは、50μm〜300μmが好ましい。より好ましくは、100μm〜200μmの厚みが好ましい。
リジッドな固定子が必要な場合は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が利用できる。これらの硬化性樹脂は、ガラスクロス、カーボンクロス、紙などに含浸して硬化して使用される。あるいは、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂などの板やボードも使用することができる。厚みは使用する用途によって選択されるが、0.25mm〜10mmが好ましい。
各種プラスチックフィルムは、幅2mを超えるフィルムが長尺で製造されており、任意の大きさや形状に切り取って使用することができる。また各種硬化性樹脂は、任意の広さの面積に塗布して硬化することが可能で、塗布する形状もいかようにもすることができる。従来の静電アクチュエータは固定子に電極線を設けなければならず、静電アクチュエータが稼動できる大きさや形状に制限があった。固定子を、誘電体と抵抗体を含む構造にすることによって、基体、電極線、制御回路および電源を含む移動子が、固定子を無限軌道として、固定子表面を自在に移動することができる。
静電アクチュエータは、高電界下で誘電分極する誘電体の誘起電荷を利用して、固定子と移動子間の引力と斥力をコントロールして移動子を移動させるものである。そのため、誘電分極で発生した固定子の電荷は、移動子が移動する時間内ではリークしないようにする必要がある。反面、いつまでも電荷が残っていては移動子の移動を阻害するため、静電アクチュエータをうまく動かすには固定子の表面抵抗率が重要な因子である。従来の静電アクチュエータの固定子と移動子の役割を逆転させた、本発明の固定子の、好ましい表面抵抗率は1011Ω/□〜1013Ω/□である。このような表面物性は材料表面の処理に大きく影響されることがあるため、使用することができる材料は上記に限定されず、コーティング処理等によって表面抵抗率を最適化することができる。
(抵抗体層)
抵抗体層2は、移動子50が配置される側とは反対側の誘電体1上に形成されたものである。通常、誘電体1の表面抵抗率は、1014Ω/□以上であり、抵抗体層2を誘電体1上に形成することで、固定子40の表面抵抗率を1011Ω/□〜1013Ω/□の好ましい範囲内にすることができる。ここで、抵抗体層は、誘電体上の少なくとも移動子を移動させたい範囲に形成されていれば良く、必ずしも誘電体の全面に形成される必要はない。また、抵抗体層2が誘電体1と移動子50の間に形成されると、抵抗体層2は磨耗して表面抵抗率が変化してしまうので、移動子が配置される側とは反対側の誘電体上に形成される。表面抵抗率は、たとえば、ATO(Antimony Tin Oxide)粒子をバインダ中に分散したインキを誘電体1表面に塗布することにより、所定の表面抵抗率を持つ抵抗体層2を形成することができる。
ATO粒子は粒状でも鎖状でも、組成を調整することにより好ましい表面抵抗率を得ることができる。抵抗値の安定性の点からみると、鎖状のATO粒子が好ましい。鎖状粒子同士が接触する確率が、粒状粒子同士が接触する確率よりも高いため、インキの抵抗値が安定するからである。また、塗布された抵抗体層のなかでも熱や振動により粒子がバインダ中で移動しても、鎖状粒子の接触箇所はあまり変化しないからと思われる。
炭素粒子をバインダ中に分散したインキも、本発明の抵抗体層の形成に利用できる。市販されている導電性カーボンやカーボンナノチューブを樹脂バインダ中に分散させたものが利用できる。粒状のカーボンでも使用できるが、カーボンナノチューブや繊維形状を有する導電性カーボンは、インキの抵抗率の安定性、塗布後の表面抵抗率の安定性が良好で、本発明に使用することが好ましい。
固定子に透明な材料を使用し、抵抗体層も透明な材料を使用すると、移動子が空中を動くような錯覚(空中浮揚感)を観察者に与えるため、アイキャッチ効果が高い。ここでの「透明」とは、可視光の一部の波長の光が、少なくとも30%以上の透過率を有していることを意味する。なお、透過率は、40%以上がより好ましい。空中浮揚感が著しく高まるため、50%以上であることがさらに好ましい。透明な抵抗体層を形成するために、帯電防止剤を塗布することで、好ましい表面抵抗率1011Ω/□〜1013Ω/□を持つ抵抗体層2を得ることができる。
ATOインキの塗布層も透明な抵抗体層2を形成し、塗布の面積も、塗布の形状も自在に調節できるので好ましい形態である。ATOを含む抵抗層の好ましい厚みは0.8μm〜1.5μmである。より好ましくは、1.0μm〜1.2μmである。
導電性透明膜として知られているITO(インジウムスズ酸化物)は、蒸着法でフィルム上に形成されるが、蒸着膜厚を薄くすることで本発明に必要な表面抵抗率の範囲にすることが可能で、本発明の固定子に利用できる。それでも表面抵抗率が低すぎる場合は、メッシュ状にITOを蒸着することでも本発明に必要な表面抵抗率の範囲にすることができる。可視光の透過率が低くてもよい用途であれば、アルミニウム、金、ニッケルなどの金属をメッシュ状に透明フィルムに蒸着することで、本発明に使用できる固定子を得ることができる。
<固定子のその他の構成>
静電アクチュエータを駆動するうえで、移動子と固定子の摩擦を低減させることは重要である。摩擦を低減することができるので、固定子と移動子の接触する表面に、マット層と滑性層を設けてもよい。固定子の表面にマット層を、移動子の表面に滑性層を設ける場合と、固定子の表面に滑性層を、移動子の表面のマット層を設ける場合があり、どちらか適切な方法を選択すればよい。但し、マット層を移動子側に設ける方が、固定子を透明にすることが可能となり、移動子の空中浮揚感を得られるために好ましい。
(マット層)
マット層は、フィラーとバインダを有し、移動子上に形成されるものである。フィラーとバインダを含むマット層は、フィラーとしてたとえば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアセン、スルホン化ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などの導電性樹脂や、銀、金、銅、ニッケル、アルミ、カーボン、グラファイトなどの導電性材料のうちから選択できる。タルクやシリカなどの非導電性材料でもマット層の粒子として使用できるが、電荷が溜まらないようにするためには導電性材料からなる素材が好ましい。バインダとしては、たとえば、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、シリコーン、アクリル、ポリイミド、酢酸ビニルなどの樹脂や硬化性樹脂のなかから選択することができる。
フィラーとバインダを含むマット層形成用インキは、たとえば、グラビア、スクリーン、オフセット、フレキソ、インクジェットなどの印刷により形成することができる。
なお、マット層中のフィラーの分布は、たとえば、100個〜3000個/平方センチメールが好ましい。単位面積あたりのフィラーの分布数が少なすぎると、マット効果が減少し、一方、多すぎると摩擦抵抗が大きくなる。したがって、要求される条件に応じて、マット層の面内におけるフィラーの密度が設定される。
また、マット層面からのフィラーの突起の高さは、たとえば、5μm〜30μmが好ましい。フィラーの高さが低すぎると、隣接する固定子と移動子との接触面積が大きくなり易く摩擦係数が増加して動き難くなる。フィラーの高さが高すぎると、固定子と移動子との間に働く静電力が弱くなるので動きにくくなる。そのため、上記のフィラー密度とフィラー突起の高さが好ましい。
(滑性層)
滑性層は、誘電体と移動子の摩擦を低減する材料を含み、固定子上に形成されるものである。マット層と対向して使用される滑性層は、たとえば、炭素含有シリカなどを蒸着することにより形成される。蒸着で形成することにより耐磨耗性が強くなる。
あるいは、シリコーン樹脂やフッ素樹脂などが設けられた誘電体フィルムなどが市販されている。これらのシリコーンやフッ素樹脂を滑性層として、フィルムを誘電体として、本発明の固定子として使用することもできる。あるいは誘電体フィルムに硬化性シリコーンを塗布、硬化してもよいし、フッ素樹脂を塗布してもよい。あるいはシリコーン樹脂を抵抗層形成用インキに含有させ、インキ乾燥時に表面に析出させる方法でも良い。
<移動子>
(電極線)
電極線は、基体の内部または基体上に形成された、基体を駆動させるための駆動信号が流れるものである。電極線は、基体を駆動させることができれば、電極線の構成または電極線のパターン等は特に制限は無い。
本発明の移動子に含まれる電極線は、たとえば、回路を作成する方法で作ることができる。回路を作成するときに積層板を用いることがあるが、本発明で用いられる積層板は、たとえば、ガラスクロスのような基材に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させた絶縁体に、銅箔、銅合金、または銀合金などの金属の導体を貼り合せたものを挙げることができる。あるいは、フッ素樹脂含浸ガラスクロスや、フッ素樹脂シート単体あるいは積層体、ポリイミドフィルムなどに銅箔、銅合金、または銀合金などの金属の導体を貼り合わせたものを挙げることができる。移動子は軽量であることが好ましい場合は、絶縁体のフィルムに銅箔、銅合金、または銀合金などの金属の導体を貼り合わせたものが好ましい。加工がしやすく、コストが低いため、特にポリイミドフィルムに銅箔を貼り合わせたものが好ましい。
銅張積層板以外にも、導電性インキで電極線や回路をスクリーン印刷や、インクジェット印刷で形成することもできる。
電極線のパターンは精細に形成する必要があり、銅箔、銅合金、または銀合金などの金属の導体の上に感光性レジスト層を設けた後、電極線パターンをレジスト層に焼付けて、現像して導体の上に残ったレジストパターンをエッチングレジストとして使用し、露出している導体を腐食し洗浄することにより、電極線パターンを形成することができる。導体のパターンは露出したままでもよいが、露出面を別の粘着フィルムや絶縁性の材料で覆ってもよい。
固定子と接触する移動子の面は、先に記載したマット層や滑性層を設けてもよい。固定子の表面がマット層であれば、移動子の接触面は滑性層を設け、固定子の表面が滑性層であれば、移動子の接触面はマット層を設ければよい。
(4線式電極線)
移動子の基体11に設ける電極線は、たとえば、図4のようにすればよい。図4の電極線は、X軸動作用電極線、Y軸動作用電極線、表面の配線、裏面の配線、スルーホールの配線、パッド電極X,およびパッド電極Yで構成されている。図4の電極線のパターンは、図5のX軸動作用電極線パターンと、図6のY軸動作用電極線パターンを組合せたものである。図5の14はスルーホールを示し、15は裏面配線を破線で示している。その他のスルーホールと裏面の配線も同様である。
スルーホール部はハンダなどで表面の配線と裏面の配線が接続されている。裏面の配線は、両面銅貼積層板を使用して、表面の配線と同様に裏面の銅箔にレジストパターンを形成してエッチングしてもよい。あるいは導電性ペーストで配線を描いても良い。または、銅線をハンダ付けしてもよい。
図5のX軸動作用電極線パターンは、X軸動作用電極線1(x1)、X軸動作用電極線2(x2)、X軸動作用電極線3(x3)、X軸動作用電極線4(x4)が一組の電極線ユニット16を形成している。図5には電極線ユニットがとりあえず4組描かれているが、電極線ユニットはこれより多くても良い。
各電極線ユニット中のX軸動作用電極線1は、配線によりパッド電極X101に接続されている。同様に、各電極線ユニット中のX軸動作用電極線2は、パッド電極X102に接続されている。各電極線ユニット中のX軸動作用電極線3は、パッド電極X103に接続されている。各電極線ユニット中のX軸動作用電極線4は、パッド電極X104に接続されている。
図6のY軸動作用電極線パターンは、Y軸動作用電極線1(y1)、Y軸動作用電極線2(y2)、Y軸動作用電極線3(y3)、Y軸動作用電極線4(y4)が一組の電極線ユニット17を形成している。図5には電極線ユニットがとりあえず5組描かれているが、電極線ユニットはこれより多くても良い。
各電極線ユニット中のY軸動作用電極線1は、配線によりパッド電極Y101に接続されている。同様に、各電極線ユニット中のY軸動作用電極線2は、パッド電極Y102に接続されている。各電極線ユニット中のY軸動作用電極線3は、パッド電極Y103に接続されている。各電極線ユニット中のY軸動作用電極線4は、パッド電極Y104に接続されている。
表裏の電極線や配線は、粘着フィルムや硬化性樹脂などで覆われていてもよい(図示せず)。用いられる積層板の基板がガラスエポキシのプリプレグであれば、同じ種類のプリプレグのシートを重ね合わせて加熱プレスして硬化接着すればよい。
用いられる積層板の基板がポリイミドであれば、たとえば、粘着剤つきポリイミドシートを貼着すればよい。あるいは、電極線パター上に硬化性シリコーン樹脂を塗布、硬化して電極線を覆うとともに、このシリコーン層を滑性層として利用してもよい。
(制御回路)
制御回路は、電極線に電気的に接続された、電極線に駆動信号を流すものである。
制御回路22からは、パッド電極X101〜パッド電極X104に駆動信号が送られる。ここで、4本のX軸動作用電極線1〜X軸動作用電極線4のうち、X軸動作用電極線1とX軸動作用電極線3へ、各々位相が反転した矩形波信号または正弦波信号が入力され、X軸動作用電極線2とX軸動作用電極線4へ、各々位相が反転した矩形波信号または正弦波信号が入力される。
また、隣接する2つの電極、例えば、X軸動作用電極線1とX軸動作用電極線2に入力される2つの信号は、4分の1周期だけずれており、ほぼ同一の強度を有している。
図7は、パッド電極X101〜パッド電極X104に印加される信号波形の一例を示す波形図である。
図7の信号は矩形波であるが、矩形波の代わりに同様な周期を持つ正弦波でもよい。図7に示す駆動信号をそれぞれの動作用電極線に印加することにより、動作用電極線の電荷とは反対の極性の誘起電荷が固定子の誘電体に生じ、信号を図7のように印加することにより、移動子を固定子表面上でX軸動作用電極線と直角をなす方向に移動させることができる。
図7に示すaからmの時点に対応する、移動子のパッド電極X101〜パッド電極X104に接続している各電極線に加えられている電荷と、固定子の誘電体に誘起される電荷を図8に示す。aの印加状態からbの印加状態に変化させることにより、電極線と誘電体の間に働く斥力と引力により固定子はcの状態の右方向に移動する。dの印加状態からeの印加状態に変化させることにより、固定子はfの状態の右方向に移動する。同様にgからhの印加状態の変化で固定子はiの状態の右方向に移動する。同様にjからkの印加状態の変化で固定子はlの状態の右方向に移動する。なお図8では、誘電体の抵抗層側に誘起される逆電荷については省略している。
Y軸動作用電極線に、図7に相当する信号波形をパッド電極Y101〜パッド電極Y104に印加することにより、移動子が固定子表面上をY軸動作用電極線と直角をなす方向に移動させることができる。
制御回路22には、移動子の所定の動作に対応した動作プログラムを備えている。その動作プログラムを実行することにより、電源21から各電極パッド各々に対応した指令信号を時系列で生成する。そして、その生成した指令信号を各電極パッドに対して出力する。その結果、移動子がプログラムされた所定の動作を行なう。制御回路としては、パーソナルコンピュータ等のデータ処理チップを使用することができる。
電源21が外部からのコードを接続したものであれば、外部のパーソナルコンピュータから、移動子の動作をコントロールすることもできる。図9は制御回路の一例である。
(電源)
電源は、制御回路に電気的に接続された、制御回路に電力を供給するものである。電源は、制御回路に電力を供給できれば、電池、発電機等特に制限されない。
電源は、例えば、電池が使用できる。電源は昇圧して印加電圧とするので、電池は高電圧でなくてもよいが、昇圧回路の付加を小さくするためある程度の電圧が必要である。例えば006P角型電池の9Vの電圧が好ましい。また移動子に電源を装着するので、例えば携帯電話やデジタルカメラで使用されるリチウムポリマー電池を直列に繋ぎ7.4Vとするなど、できるだけ軽く高い電圧の電池が好ましい。高周波で電力を供給したり、移動子に電力供給線をつけたりする場合は移動子の重量を軽減することができる。
移動子のサイズは設置できる動作用電極線の数に影響し、動作用電極線の数は移動のための駆動力の大きさに関係するため、移動子の全重量と移動子の面積との間には、移動子が移動できる単位面積あたりの重量の範囲が存在する。しかしながら移動子と固定子との間の摩擦力が影響するため一概には規定できない。さらに、固定子を横にして使用するか、固定子を縦にして使用するかで、移動子と固定子の間の摩擦力は変化するからである。
以上、本発明の静電アクチュエータにおける構成について説明した。この構成における
移動子は、固定子に面する表面と反対の表面に画像が形成されていても良い。ここで画像とは、広告掲示物、等に用いることが可能な画像のことである。画像は、印刷、描画、転写、貼付、レリーフ、等の周知の方法で形成することができる。静電アクチュエータを広告掲示物とする応用において、移動子は広告掲示物における動きのある画像部分となる。その画像部分は、内部のプログラムや外部からのコントロールにより、固定子の2次元の平面内を自由に移動し任意の位置において停止することができる。このような動きのある画像が広告掲示物の部分を構成することにより、その広告掲示物は表現性、アイキャッチ効果等に優れた広告掲示物となる。
475mm×400mmの大きさの、ポリイミドフィルム片面銅張り積層板(日本メクトロン株式会社製、銅箔の厚さ18μm、ポリイミドフィルムの厚さ12.5μm)の銅表面を洗浄して使用した。
エッチングレジストを、銅表面に塗布、乾燥してレジスト膜を得た。電極線のパターンを介して、高圧水銀灯で露光した。現像液で現像してレジストパターンを得て、エッチング槽で露出部の銅箔をエッチングした。その後、洗浄、乾燥して電極線パターンを得た。
スルーホール部に孔をあけ、ハンダをつけて裏面への接点を形成した。接点の間に銅線をハンダ付けして電極線の回路を形成した。
50μm厚のポリエステルフィルムに、下記組成のマット層形成用インキを、乾燥重量10g/平方メートルとなるように塗布した。
マット層形成用インキ:

カーボンビーズ 0.5重量部
(日本カーボン株式会社製、商品名ICB-2020、平均粒子径20μm)
硬化性シリコーン 99.5重量部
(日油株式会社製、商品名モディパー)
メチルエチルケトン 100重量部
乾燥後、硬化させてマット層つきの50μm厚のポリエステルフィルムを得た。
上記マット層つきの100μm厚のポリエステルフィルムの、マット層が設けられていない面に、MOMENTIVE社製シリコーン粘着剤(TSR1516)を10μmの厚みで塗布し、この粘着面を前記銅貼積層板の電極線回路面に貼りつけた。これにより基体中に電極線パターンを備え、基体が固定子と対向する面にマット層を備えるものが得られた。基体と電極線の総重量は59gであった。
電池には、9Vの角型電池(006P)を使用した。電池の重量は44gであった。
また、制御回路を作成し、重量は60gであった。
電池、制御回路、を基体の電極線に結線し、本発明の移動子を得た。この移動子に広告掲示物を貼り付けた。移動子の全重量は168gであった、
固定子には、幅620mm、長さ1.5メートルの100μm厚のシリコーン加工済みポリエステルフィルム(東レ・セラピール)を使用した。抵抗層形成用インキとして、ATO粒子含有インキ(三菱マテリアル株式会社製、品番TWU‐1)を、グラビア印刷で乾燥重量1g/平方メートルになるようにシリコーン加工面と反対のポリエステルフィルム面に印刷し乾燥後硬化させた。シリコーン加工面が滑性層を形成し、シリコーン加工面の反対側に抵抗層を備える本発明の固定子を得た。
実施例の固定子の10箇所の表面抵抗率を測定した。一番低い表面抵抗率は、2.0×1012Ω/□であり、一番高い表面抵抗率は4.5×1012Ω/□であった。その他の表面抵抗率は全て1012Ω/□台であった。
得られた固定子の上に先に作成した移動子を乗せ、固定子の上をプログラムどおりに移動子が動くことを確認した。また、固定子の4端を金属の枠に固定して垂直に立て、この移動子をこの固定子に接触させて駆動させた。移動子は垂直の移動が若干遅くなるが正常に働いた。横方向の移動と下方向の移動は問題なかった。
1:誘電体
2:抵抗体層
3:滑性層
11:基体
12:電極線
13:マット層
14:スルーホール
15:裏面配線
16:電極線ユニット
17:電極線ユニット
21:電源
22:制御回路
40:固定子
41:固定子
50:移動子
51:移動子
x1:X軸動作用電極線1
x2:X軸動作用電極線2
x3:X軸動作用電極線3
x4:X軸動作用電極線4
y1:Y軸動作用電極線1
y2:Y軸動作用電極線2
y3:Y軸動作用電極線3
y4:Y軸動作用電極線4
X101:パッド電極
X102:パッド電極
X103:パッド電極
X104:パッド電極
Y101:パッド電極
Y102:パッド電極
Y103:パッド電極
Y104:パッド電極

Claims (3)

  1. 固定子および前記固定子上に配置された移動子を備える静電アクチュエータにおいて、
    前記固定子は、
    誘電体と、
    前記移動子が配置される側とは反対側の前記誘電体上に形成された抵抗体層と、
    を有し、
    前記移動子は、
    基体と、
    前記基体の内部または前記基体上に形成された、前記基体を駆動させるための駆動信号が流れる電極線と、
    前記電極線に電気的に接続された、前記電極線に駆動信号を流す制御回路と、
    前記制御回路に電気的に接続された、前記制御回路に電力を供給する電源と、
    を有することを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 透明な誘電体と、
    透明な抵抗体層と、
    を含む固定子を備えることを特徴とする、請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記電源が電池であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の静電アクチュエータ。
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