JP2013247264A - フィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルムコンデンサにおいて、コンデンサ本体内の水分の低減を図る。
【解決手段】誘電体フィルム(31a)の表面に金属膜(31b)が蒸着された金属化フィルム(31)が巻回されたコンデンサ本体(30)を設ける。湿気硬化型樹脂で構成された第1樹脂層(20a)を、コンデンサ本体(30)を覆うように設ける。2液混合型樹脂で構成された第2樹脂層(20b)を、第1樹脂層(20a)を覆うように設ける。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体フィルム(31a)の表面に金属膜(31b)が蒸着された金属化フィルム(31)が巻回されたコンデンサ本体(30)を設ける。湿気硬化型樹脂で構成された第1樹脂層(20a)を、コンデンサ本体(30)を覆うように設ける。2液混合型樹脂で構成された第2樹脂層(20b)を、第1樹脂層(20a)を覆うように設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属化フィルムが巻回されたフィルムコンデンサに関するものである。
金属化フィルムが巻回されて形成されたフィルムコンデンサは、外気中の水分を吸湿すると、その水分によって絶縁抵抗が低下したり、蒸着金属膜と反応して容量低下を引き起こしたりする場合がある。これに対しては、金属箔と、その金属箔全体を覆う絶縁薄状体とでコンデンサ素子を覆うとともに、コンデンサ素子の端面に樹脂層を形成して、外気中の水分の浸入を防止した例がある(例えば特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1の例では、製造時に封止樹脂を硬化させるために加熱を行うと、封止樹脂中に残っている水分が樹脂の硬化にしたがってコンデンサ本体に向かって押し出され、コンデンサ本体内に拡散する可能性がある。コンデンサ本体に水分が拡散した状態で樹脂の硬化が完了すると、コンデンサ本体中の水分はそのまま留まり、絶縁抵抗の低下が懸念される。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、フィルムコンデンサにおいて、コンデンサ本体内の水分の低減を図ることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の発明は、
誘電体フィルム(31a)の表面に金属膜(31b)が蒸着された金属化フィルム(31)が巻回されたコンデンサ本体(30)と、
湿気硬化型樹脂で構成されて前記コンデンサ本体(30)を覆うように設けられた第1樹脂層(20a)と、
2液混合型樹脂で構成されて前記第1樹脂層(20a)を覆うように設けられた第2樹脂層(20b)と、
を備えたことを特徴とする。
誘電体フィルム(31a)の表面に金属膜(31b)が蒸着された金属化フィルム(31)が巻回されたコンデンサ本体(30)と、
湿気硬化型樹脂で構成されて前記コンデンサ本体(30)を覆うように設けられた第1樹脂層(20a)と、
2液混合型樹脂で構成されて前記第1樹脂層(20a)を覆うように設けられた第2樹脂層(20b)と、
を備えたことを特徴とする。
この構成では、第1樹脂層(20a)を構成する湿気硬化型樹脂が空気中や被着体の湿気を利用して硬化するので、硬化後の湿気硬化型樹脂に含まれる残留水分は、2液混合型樹脂よりも少ないことは明らかである。そのため、湿気硬化型樹脂の硬化中に、コンデンサ本体(30)に浸入する水分は極めて少ない。そして、コンデンサ本体(30)が第1樹脂層(20a)によって覆われているので、製造時に第2樹脂層(20b)を加熱しても、第2樹脂層(20b)の残留水分は、第1樹脂層(20a)に阻止されてコンデンサ本体(30)内には殆ど浸入することができない。
また、第2の発明は、
第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記第1樹脂層(20a)は、多層に構成されていることを特徴とする。
第1の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記第1樹脂層(20a)は、多層に構成されていることを特徴とする。
この構成では、第1樹脂層(20a)を多層構造としたことにより、第1樹脂層(20a)の表面からコンデンサ本体(30)まで貫通する空隙の発生確率を小さくできる。また、第1樹脂層(20a)の1層あたりの厚さを薄くすることが可能になり、第1樹脂層(20a)を容易に硬化させることができる。
また、第3の発明は、
第1又は第2の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記誘電体フィルム(31a)は、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムで構成されていることを特徴とする。
第1又は第2の発明のフィルムコンデンサにおいて、
前記誘電体フィルム(31a)は、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムで構成されていることを特徴とする。
この構成では、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムで構成されたフィルムコンデンサにおいて、コンデンサ本体(30)内の水分を減らすことが可能になる。
第1の発明によれば、フィルムコンデンサにおいて、コンデンサ本体内の水分の低減を図ることができる。
また、第2の発明によれば、フィルムコンデンサを容易に製造することができ、且つコンデンサ本体内の水分をより確実に減らすことが可能になる。
また、第3の発明によれば、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムで構成されたフィルムコンデンサにおいて、前記各発明の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るフィルムコンデンサ(1)の構成を示す断面図である。フィルムコンデンサ(1)は、例えば、電力変換装置の直流リンク部などに用いられる。このフィルムコンデンサ(1)は、図1に示すように、コンデンサケース(10)、封止樹脂(20)、コンデンサ本体(30)、外部端子接続線(50,50)、及びメタリコン電極(60,60)を備えている。
図1は、本発明の実施形態1に係るフィルムコンデンサ(1)の構成を示す断面図である。フィルムコンデンサ(1)は、例えば、電力変換装置の直流リンク部などに用いられる。このフィルムコンデンサ(1)は、図1に示すように、コンデンサケース(10)、封止樹脂(20)、コンデンサ本体(30)、外部端子接続線(50,50)、及びメタリコン電極(60,60)を備えている。
〈コンデンサケース〉
コンデンサケース(10)は矩形状の箱体である。コンデンサケース(10)の内部にはコンデンサ本体(30)が収容されている。収容されたコンデンサ本体(30)の周りには、コンデンサ本体(30)を覆うように封止樹脂(20)が設けられている。
コンデンサケース(10)は矩形状の箱体である。コンデンサケース(10)の内部にはコンデンサ本体(30)が収容されている。収容されたコンデンサ本体(30)の周りには、コンデンサ本体(30)を覆うように封止樹脂(20)が設けられている。
〈コンデンサ本体〉
コンデンサ本体(30)は、2枚の金属化フィルム(31)を備えている。コンデンサ本体(30)は、金属化フィルム(31)を上下2枚重ねにして、この一対の金属化フィルム(31,31)を巻回して円筒状に形成してある。図2は、2枚の金属化フィルム(31)を巻回した状態を示す概略の斜視図である。また、図3は、重ね合わせた2枚の金属化フィルム(31)の断面図である。図3に示すように、2枚の金属化フィルム(31,31)は、互いを幅方向に1mm程度ずらした状態で重ねられている。
コンデンサ本体(30)は、2枚の金属化フィルム(31)を備えている。コンデンサ本体(30)は、金属化フィルム(31)を上下2枚重ねにして、この一対の金属化フィルム(31,31)を巻回して円筒状に形成してある。図2は、2枚の金属化フィルム(31)を巻回した状態を示す概略の斜視図である。また、図3は、重ね合わせた2枚の金属化フィルム(31)の断面図である。図3に示すように、2枚の金属化フィルム(31,31)は、互いを幅方向に1mm程度ずらした状態で重ねられている。
本実施形態の金属化フィルム(31)は、絶縁性を有する帯状の誘電体フィルム(31a)の片面に、金属膜(31b)を蒸着させて形成したいわゆる片面蒸着フィルムである。誘電体フィルム(31a)には、幅が10〜100mm、且つ厚みが約2〜20μm程度に形成されたフィルムが幅広く用いられる。誘電体フィルム(31a)用の材料には、本実施形態では、誘電率が比較的大きなフッ素系樹脂を採用している。より具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride、PVDF)を採用している。また、本実施形態では、誘電率をより高めるために、誘電体フィルム(31a)用の材料には、無機酸化物(例えばチタン酸バリウム)を添加してある。
誘電体フィルム(31a)の金属膜(31b)は、アルミニウム(Al)などの金属を蒸着して形成してある。金属膜(31b)は50Å〜400Å程度の膜厚に形成されている。なお、誘電体フィルム(31a)の厚さや材料は例示である。また、誘電体フィルム(31a)用の材料には、前記フッ素系樹脂の他に、例えば、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)等を種々の材料を選択できる。また、金属膜(31b)の形成に用いたアルミニウム(Al)も例示である。例えば、亜鉛(Zn)で金属膜(31b)を形成してもよい。
〈外部端子接続線〉
外部端子接続線(50)は、フィルムコンデンサ(1)を回路(例えばインバータ回路)に接続する接続端子として用いられる。この例では、外部端子接続線(50)は、φ1.0mmの軟銅線で構成されている。外部端子接続線(50)は、その基端が半田付けや溶接によってメタリコン電極(60)に取り付けられている。また、外部端子接続線(50)の先端部は、コンデンサケース(10)の外部まで延びている。
外部端子接続線(50)は、フィルムコンデンサ(1)を回路(例えばインバータ回路)に接続する接続端子として用いられる。この例では、外部端子接続線(50)は、φ1.0mmの軟銅線で構成されている。外部端子接続線(50)は、その基端が半田付けや溶接によってメタリコン電極(60)に取り付けられている。また、外部端子接続線(50)の先端部は、コンデンサケース(10)の外部まで延びている。
〈メタリコン電極〉
メタリコン電極(60)は、金属膜(31b)と外部端子接続線(50)とを電気的に接続するものである。それぞれのメタリコン電極(60)は、亜鉛(Zn)等の金属(以下、溶射金属と呼ぶ)を、コンデンサ本体(30)の端部に溶融噴射することで形成されている。
メタリコン電極(60)は、金属膜(31b)と外部端子接続線(50)とを電気的に接続するものである。それぞれのメタリコン電極(60)は、亜鉛(Zn)等の金属(以下、溶射金属と呼ぶ)を、コンデンサ本体(30)の端部に溶融噴射することで形成されている。
〈封止樹脂〉
封止樹脂(20)は、空気に含まれる水分の通過を阻止するという機能を有している。つまり、コンデンサ本体(30)の周りを封止樹脂(20)で覆うことによって、コンデンサ本体(30)が、コンデンサケース(10)の外部空気に含まれる水分等を吸湿するのを防止している。この例では、封止樹脂(20)は、コンデンサ本体(30)の周囲を覆うように設けられた第1樹脂層(20a)と、第1樹脂層(20a)を覆うように設けられた第2樹脂層(20b)との2層構造を有している。
封止樹脂(20)は、空気に含まれる水分の通過を阻止するという機能を有している。つまり、コンデンサ本体(30)の周りを封止樹脂(20)で覆うことによって、コンデンサ本体(30)が、コンデンサケース(10)の外部空気に含まれる水分等を吸湿するのを防止している。この例では、封止樹脂(20)は、コンデンサ本体(30)の周囲を覆うように設けられた第1樹脂層(20a)と、第1樹脂層(20a)を覆うように設けられた第2樹脂層(20b)との2層構造を有している。
第1樹脂層(20a)は、湿気硬化型樹脂で構成されている。湿気硬化型樹脂は、空気中や被着体の湿気を利用して硬化反応を引き起こす樹脂である。第1樹脂層(20a)に用いる湿気硬化型樹脂としては、一例として、1液型のイソシアネート変性型ウレタン樹脂を挙げることができる。
第2樹脂層(20b)は、いわゆる2液混合型樹脂で構成されている。この例では、第2樹脂層(20b)は、エポキシ基を有する熱硬化性のエポキシ樹脂を主成分(以下、主剤と呼ぶ)とした樹脂である。この主剤は、硬化材を混ぜ合わせて熱を加えることで硬化する。なお、エポキシ樹脂は2液混合型樹脂の一例であり、その他にも例えばウレタン系の樹脂の採用などが考えられる。
〈フィルムコンデンサの製造〉
フィルムコンデンサ(1)を製造するには、まず、金属化フィルム(31)を準備し、それを用いてコンデンサ本体(30)を製造する。図4は、フィルムコンデンサ(1)の製造工程の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートは、金属化フィルム(31)を準備した後の工程を示している。
フィルムコンデンサ(1)を製造するには、まず、金属化フィルム(31)を準備し、それを用いてコンデンサ本体(30)を製造する。図4は、フィルムコンデンサ(1)の製造工程の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートは、金属化フィルム(31)を準備した後の工程を示している。
巻回工程(ST1)では、金属化フィルム(31)を互いに左右にずらした状態で2枚重ねにし、巻回機を用いてこれらを巻回する(図2、3を参照)。これにより、コンデンサ本体(30)が形成される。
溶射工程(ST2)では、コンデンサ本体(30)の両端部に溶射金属を溶融噴射して、それぞれのメタリコン電極(60)を形成する。これにより、それぞれの金属化フィルム(31)は、その幅方向の両端部がメタリコン電極(60,60)の内部に埋没し、金属膜(31b)が所定のメタリコン電極(60,60)と電気的に導通する。
端子線取付け工程(ST3)では、図1に示すように、コンデンサ本体(30)に形成されたそれぞれのメタリコン電極(60)に、外部端子接続線(50)を半田(51)によってに接合する。これにより、それぞれの外部端子接続線(50)は、所定の金属化フィルム(31)の金属膜(31b)と電気的に導通する。本体乾燥工程(ST4)では、コンデンサ本体(30)を加熱し、コンデンサ本体(30)に含まれる水分を蒸発させる。なお、本体乾燥工程(ST4)では、コンデンサ本体(30)を真空中で乾燥させるようにすれば、コンデンサ本体(30)内部の水分をより確実に外部に導出することが可能になる。
第1層形成工程(ST5)では、第1樹脂層(20a)を形成する。例えば、第1樹脂層(20a)は、ディッピング工法によって形成することができる。具体的には、この工程では、1液型の湿気硬化型樹脂(例えば既述のイソシアネート変性型ウレタン樹脂)を入れた槽の中にコンデンサ本体(30)を浸漬して湿気硬化型樹脂を塗布(コーティング)する。
第1層硬化工程(ST6)では、塗布した湿気硬化型樹脂を硬化させる。具体的には、コンデンサ本体(30)を大気中に放置する。これにより、塗布した湿気硬化型樹脂は、空気中やコンデンサ本体(30)(被着体)の湿気を吸収して硬化反応を引き起こす。湿気硬化型樹脂が硬化して第1樹脂層(20a)が形成されると、次の第2層形成工程(ST7)に移行する。
第2層形成工程(ST7)では、外部端子接続線(50,50)の先端部がコンデンサケース(10)の外方に突出するようにコンデンサ本体(30)をコンデンサケース(10)内に収容する。そして、第2樹脂層(20b)を構成する主剤(エポキシ樹脂)を硬化材とを混ぜ合わせて、コンデンサ本体(30)の外周を覆うようにコンデンサケース(10)内に充填する。
第2層硬化工程(ST8)では、コンデンサケース(10)に充填された第2樹脂層(20b)用樹脂(熱硬化性のエポキシ樹脂)を加熱して硬化させる。これにより、第1樹脂層(20a)と第2樹脂層(20b)の2層構造を有した封止樹脂(20)が形成され、フィルムコンデンサ(1)が完成する。
〈封止樹脂中の残留水分〉
第2層硬化工程(ST8)において熱硬化性のエポキシ樹脂を加熱すると、該エポキシ樹脂は、その外側から順に硬化してゆく。そのため、前記エポキシ樹脂の内部に残留している水分は、該エポキシ樹脂の硬化に伴って、より内部に向かって拡散してゆくものと考えられる。エポキシ樹脂中の残留水分が内部方向に拡散すると、従来のフィルムコンデンサでは、コンデンサ本体に残留水分が浸入する可能性がある。
第2層硬化工程(ST8)において熱硬化性のエポキシ樹脂を加熱すると、該エポキシ樹脂は、その外側から順に硬化してゆく。そのため、前記エポキシ樹脂の内部に残留している水分は、該エポキシ樹脂の硬化に伴って、より内部に向かって拡散してゆくものと考えられる。エポキシ樹脂中の残留水分が内部方向に拡散すると、従来のフィルムコンデンサでは、コンデンサ本体に残留水分が浸入する可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、第1樹脂層(20a)を構成する湿気硬化型樹脂は、空気中や被着体の湿気を利用して硬化するので、硬化後の湿気硬化型樹脂に含まれる残留水分は、2液混合型樹脂よりも少ないことは明らかである。そのため、湿気硬化型樹脂の硬化中に、コンデンサ本体(30)に浸入する水分は極めて少ない。そして、コンデンサ本体(30)が第1樹脂層(20a)によって覆われているので、製造時に第2樹脂層(20b)を加熱しても、第2樹脂層(20b)の残留水分は、第1樹脂層(20a)に阻止されてコンデンサ本体(30)内には殆ど浸入することができない。すなわち、コンデンサ本体(30)の製造工程において、封止樹脂(20)からコンデンサ本体(30)に向かって拡散する残留水分は極めて少ない。
〈本実施形態における効果〉
以上のとおり、本実施形態によれば、コンデンサ本体(30)内の水分を、従来のフィルムコンデンサよりも低減することが可能になる。コンデンサ本体(30)内の残留水分が低減すると絶縁抵抗の劣化の低減も可能になる。そして、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムは、水分に対する特性の感受性が大きい傾向にあるので、本実施形態の構造は、このような誘電体フィルム(31a)を用いたフィルムコンデンサ(1)に特に有用である。
以上のとおり、本実施形態によれば、コンデンサ本体(30)内の水分を、従来のフィルムコンデンサよりも低減することが可能になる。コンデンサ本体(30)内の残留水分が低減すると絶縁抵抗の劣化の低減も可能になる。そして、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムは、水分に対する特性の感受性が大きい傾向にあるので、本実施形態の構造は、このような誘電体フィルム(31a)を用いたフィルムコンデンサ(1)に特に有用である。
《発明の実施形態2》
図5は、本発明の実施形態2に係るフィルムコンデンサ(1)の構成を示す断面図である。本実施形態のフィルムコンデンサ(1)は、図5に示すように、湿気硬化型樹脂によって構成した2層の第1樹脂層(20a)をコンデンサ本体(30)に重ね塗りしてある。すなわち、この例では、封止樹脂(20)は3層構造を有している。この構造は、第1層形成工程(ST5)から第1層硬化工程(ST6)までの工程を2回繰り返した後に、第2層形成工程(ST7)以降の工程を実施することで実現できる。
図5は、本発明の実施形態2に係るフィルムコンデンサ(1)の構成を示す断面図である。本実施形態のフィルムコンデンサ(1)は、図5に示すように、湿気硬化型樹脂によって構成した2層の第1樹脂層(20a)をコンデンサ本体(30)に重ね塗りしてある。すなわち、この例では、封止樹脂(20)は3層構造を有している。この構造は、第1層形成工程(ST5)から第1層硬化工程(ST6)までの工程を2回繰り返した後に、第2層形成工程(ST7)以降の工程を実施することで実現できる。
第1樹脂層(20a)をより薄くすると、湿気硬化型樹脂の硬化が容易になるが、第1樹脂層(20a)の表面からコンデンサ本体(30)まで貫通する空隙ができる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、第1樹脂層(20a)を2層構造としたことにより、このような空隙の発生確率を小さくすことができる。また、1層あたりの第1樹脂層(20a)の厚さを薄くすることも可能になり、容易且つ確実に湿気硬化型樹脂を硬化させることができる。すなわち、本実施形態によれば、フィルムコンデンサ(1)を容易に製造することができ、且つコンデンサ本体(30)内の水分をより確実に減らすことが可能になる。
なお、第1樹脂層(20a)は、3層以上とすることも可能である。
《その他の実施形態》
また、金属化フィルム(31)は、前記片面蒸着フィルムには限定されない。両面に金属膜(31b)を有する金属化フィルム(両面蒸着フィルム)を用いてフィルムコンデンサ(1)を構成してもよい。
また、金属化フィルム(31)は、前記片面蒸着フィルムには限定されない。両面に金属膜(31b)を有する金属化フィルム(両面蒸着フィルム)を用いてフィルムコンデンサ(1)を構成してもよい。
また、コンデンサ本体(30)は、巻芯(例えば円柱状の樹脂部材)に金属化フィルム(31)を巻回して形成してもよい。
また、コンデンサ本体(30)は円筒状には限定されない。例えば、コンデンサ本体(30)は、円柱状に形成してもよいし、円筒状或いは円柱状に巻回した金属化フィルム(31,31)を押しつぶして扁平化して形成してもよい。
本発明は、金属化フィルムが巻回されたフィルムコンデンサとして有用である。
1 フィルムコンデンサ
20a 第1樹脂層
20b 第2樹脂層
30 コンデンサ本体
31 金属化フィルム
31a 誘電体フィルム
31b 金属膜
20a 第1樹脂層
20b 第2樹脂層
30 コンデンサ本体
31 金属化フィルム
31a 誘電体フィルム
31b 金属膜
Claims (3)
- 誘電体フィルム(31a)の表面に金属膜(31b)が蒸着された金属化フィルム(31)が巻回されたコンデンサ本体(30)と、
湿気硬化型樹脂で構成されて前記コンデンサ本体(30)を覆うように設けられた第1樹脂層(20a)と、
2液混合型樹脂で構成されて前記第1樹脂層(20a)を覆うように設けられた第2樹脂層(20b)と、
を備えたことを特徴とするフィルムコンデンサ。 - 請求項1のフィルムコンデンサにおいて、
前記第1樹脂層(20a)は、多層に構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。 - 請求項1又は請求項2のフィルムコンデンサにおいて、
前記誘電体フィルム(31a)は、無機酸化物が添加されたフッ素系樹脂のフィルムで構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102014017580A1 (de) | 2013-11-29 | 2015-06-03 | Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha | Kraftstoffinjektor |
WO2017006728A1 (ja) * | 2015-07-09 | 2017-01-12 | 日本電気硝子株式会社 | 巻回型フィルムコンデンサ |
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