JP2013247155A - 積層トランス - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを伴うことなく漏れインダクタンスが極めて低い積層トランスを提供する。
【解決手段】DC−DCコンバーター1を構成する積層トランス10bであって、平面形状が環状に形成された層状導電体からなる一次コイル層11と二次コイル層12とが絶縁体(13,14)を介して上下方向に積層されてなり、複数の一次コイル層、および複数の二次コイル層が上下方向で接続されて、一次コイル21と二次コイル22とが形成され、一次コイルは、積層構造の最上層と最下層のそれぞれに配置された一次コイル層(L1,L10)を含み、二次コイルは、センタータップ25を備えて二組のコイル(22A,22B)に分割されているとともに、一組の二次コイルは上下で連続する所定層数分の二次コイル層からなり、二組の二次コイル層は、少なくとも1層以上の一次コイル層(L4,L5,L7)を挟んで対面するように配置されている。
【選択図】図5

Description

この発明は、積層トランスに関し、特に、小型大出力のDC−DCコンバーターに用いるのに適した積層トランスに関する。
近年の電子機器に対するさらなる小型化への要求は、その電子機器に組み込まれる各種電子回路部品を可能な限り小型化することへの要求でもある。特に、電子機器の電源となるDC−DCコンバーターは、比較的大型の電子部品であるトランスが必須であることから、このDC−DCコンバーターを小型化することが電子機器の小型化に大きく寄与する。換言すれば、DC−DCコンバーターを構成するトランスを可能な限り小型にすることが必要である。具体的には、一般的なトランスは、コアに導線を巻回した構造を有し、電子回路部品の基板に実装した際、その実装面に対する高さ方向のサイズが大きくなるため、トランスには、薄型化による小型化が特に要求される。
そして、薄型化を達成するために一般的なトランスとは異なる構造を備えたトランスが積層トランスである。周知のごとく、積層トランスは、平面形状が環状となる層状の導電体(銅箔、銅板など)を絶縁体を介して複数層重ねた積層構造を備えている。そして、1層分の層状導体(以下、コイル層)がコイルにおける1巻き分の導線に対応し、積層構造中の適宜なコイル層同士がスルーホールなどのビアを介して接続されることで、トランスを構成する一次コイルと二次コイルとが形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−75510号公報
DC−DCコンバーターは、近年の高密度実装技術の進歩により、さらなる小型化とともに大出力化も進んでいる。例えば、多層基板を用いた高密度実装技術により、1/8Brickのサイズで数100Wの出力が可能なDC−DCコンバーターも実現している。このような、極めて小型でありながら、大電力を扱うDC−DCコンバーターでは、二次側同期整流回路を構成するFETのドレイン、ソース間の電圧Vdsが高めに設定される。場合によっては、ほぼ定格に近い電圧で駆動させる必要性も生じる。
そして、トランスにおける一次側と二次側のコイルとには、漏れインダクタンスが必ず存在するため、この漏れインダクタンスに起因するスパイクノイズがFETに印加され、設計上はともかく、現実的にはVdsが定格を超えてしまう場合がある。すなわち、アバランシェ領域でFETを駆動させてしまう。もちろん、定常的にアバランシェ領域で駆動させない限り、FETが故障する可能性は低い。しかし、その可能性は、ゼロではない。また、より現実的な問題としては、DC−DCコンバーターが組み込まれる電子機器のメーカーが、DC−DCコンバーターにおけるFETを厳密に定格以下で駆動させるように要求してくる、という問題がある。このような場合、DC−DCコンバーターの製造を請け負う部品メーカーは、顧客である電子機器メーカーの要求に従わざるを得ない。
したがって、高出力型のDC−DCコンバーター用途の積層トランスには、従前の小型薄型のサイズを維持しつつ、高出力型のDC−DCコンバーターに要求される出力を確保し、その上で、FETのVdsが厳密に定格以下となるように漏れインダクタンスを極めて低くする必要がある。もちろん、積層トランスの性能を向上させるために、積層トランス単体の製造コストや、その積層トランスを用いたDC−DCコンバーターの製造コストが増加してしまっては実用上問題となる。
そこで、本発明は、漏れインダクタンスをより低減させて、小型大出力のDC−DCコンバーター用途に適した積層トランスを、コストアップを伴わずに提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、一つの多層基板に一体的に形成されたDC−DCコンバーターを構成する電子部品として前記多層基板に実装される積層トランスであって、
一部が開放する環状の平面形状に形成された層状の導電体からなるコイル層が、絶縁体からなる層を介して上下方向に複数積層された積層構造を有し、
前記コイル層は、一次コイルに属する一次コイル層と、二次コイルに属する二次コイル層とに区別されて、複数の一次コイル層同士、および複数の二次コイル層同士が上下方向でビアを介して接続されて、前記一次コイルと前記二次コイルとが形成され、
前記一次コイルは、前記積層構造の最上層と最下層のそれぞれに配置された前記一次コイル層を含み、
前記二次コイルは、センタータップを備えて二組のコイルに分割されているとともに、一組の二次コイルは、上下で連続する所定の層数分の前記二次コイル層で構成され、
前記二組の二次コイルは、少なくとも1層以上の前記一次コイル層を挟んで対面するように配置されている、
ことを特徴とする積層トランスとしている。
また、前記最上層、および最下層のそれぞれに配置されている1層分の一次コイル層の下方、および上方に、それぞれ一組の前記二次コイル層が配置されている積層トランスとすることもできる。
前記コイル層の層数が前記多層基板の層数と一致しているととともに、当該コイル層が前記多層基板の配線として形成されている積層トランスとしてもよい。
前記最上層、および最下層の一次コイル層が、それぞれ、下方、および上方に配置されている他の一次コイル層と並列接続されている積層トランスとしてもよい。さらに、前記最上層と最下層の一次コイル層を除くその他のコイル層は厚さを同じとし、当該その他のコイル層が、前記最上層と最下層の一次コイル層よりも厚い積層トランスとすることもできる。そして、前記その他のコイル層の層数が前記多層基板の層数と一致しているととともに、当該その他のコイル層は、前記多層基板の配線として形成されている積層トランスとしてもよい。
本発明の積層トランスによれば、コストアップを伴わずに漏れインダクタンスを低減させることが可能であり、小型大出力のDC−DCコンバーター用途に好適とすることができる。なお、その他の効果については以下の記載で明らかにする。
積層トランスの概略を説明するための図である。 従来例に係る積層トランスの構造図である。 DC−DCコンバーターにおける同期整流回路の一部を示す回路図である。 参考例に係る積層トランスの構造図である。 本発明の第1の実施例に係る積層トランスの構造図である。 本発明の第2の実施例に係る積層トランスの構造図である。 上記従来例に係る積層トランスと、上記第2の実施例に係る積層トランスの特性を比較するための図である。 本発明の第3の実施例に係る積層トランスの構造図である。 本発明の第4の実施例に係る積層トランスの構造図である。
===本発明の対象===
図1は、本発明の対象となる積層トランス10の概略を説明するための図であり、図1(A)は、その積層トランス10を含んで構成されているDC−DCコンバーター1の概略構造を示す図である。ここに示したDC−DCコンバーター1は、1/8Brickの多層基板を用いた出力130W(12V/11A)のものである。この図1に示したように、DC−DCコンバーター1は、多層基板2の表面に多数の電子部品3が実装されてなり、積層トランス10は、その電子部品3の一つである。
積層トランス10は、環状の平面形状を有する層状の導電体からなるコイル層111を絶縁体の層を介して複数積層させた構造であり、当該積層トランス10が、多層基板2の表面に実装されている。あるいは、コイル層が多層基板2の表層や内層に形成されている配線として形成されて、多層基板2の構造の一部として内蔵されることで実装されていてもよい。なお、積層トランス10を多層基板2に内蔵させる場合は、DC−DCコンバーター1の厚さがより薄くなる、という利点がある。
図1(B)に、積層トランス10における積層構造の概略を示した。ここでは、コイル層111の積層方向を縦(上下)方向としたときの積層トランス10の縦断面図が示されており、(A)におけるa−a矢視断面に対応している。この(B)に示したように、積層トランス10は、環状のコイル層111が、同様に環状の絶縁体の層112を介して積層された積層構造を備えるとともに、その積層構造の中空部分15を縦貫しつつ、積層構造の外方を覆うフェライトコア113を備えている。また、互いに絶縁体112を介して積層されているコイル層111同士が適宜に層間接続されて、一次コイルと二次コイルが形成されている。なお、図1(A)では、積層トランス10におけるコイル層111の形状が理解し易いように、上下方向に2分割されるコア113の一方を取り外した状態を示した。
そして、従来の積層トランスも本発明の実施例に係る積層トランスも、図1(B)に示した積層トランス10と同様の積層構造を基本としている。しかし、本発明の実施例に係る積層トランスでは、一次コイルとなるコイル層111と二次コイルとなるコイル層111との相対的な配置関係や、一次コイルを構成するコイル層111同士の接続構造などに特徴を有し、その特徴によって、漏れインダクタンスを、従来の積層トランスよりも低減させることに成功している。
===従来例===
まず、従来の積層トランスについて説明する。図2は、従来の積層トランス10fの一例(従来例)の構造を示す図である。図2(A)は、その積層トランス10fの縦断面図であり、ここでは、説明を容易にするために、コアを省略して積層構造のみを示した。また、上下方向のサイズを誇張して示している。この図2(A)に示したように、積層トランス10fは、一次コイル21を構成するコイル層(以下、一次コイル層)11と、二次コイル22を構成するコイル層(以下、二次コイル層)12とが二種類の異なる絶縁体からなる層(基体13、絶縁層14)のいずれかを介して積層された構造を有している。ここでは、各層の種別を判別し易くするために、一次コイル層11、二次コイル層12、基体13、および絶縁層14を異なるハッチングによって示した。以下では、実装状態にある積層トランス10fにおいて、外方に面する層を最上層として上下関係を規定することとし、一次、二次を問わず最上層にあるコイル層(11、または12)をL1とし、下方に向かってL2、L3、…と呼ぶこととする。
なお、図示した従来例に係る積層トランス10fは、10層の多層基板2に内蔵させる積層トランス10fを想定しており、L1〜L10のコイル層(11,12)は、多層基板12の表層や内層の配線と同じ厚さとなっている。そして、多層基板2の積層構造をそのまま流用し、1層の基体13の両面にその配線部材である銅箔、あるいは銅板によるコイル層(11,12)が形成された層構造を一組として、各組が絶縁層14を介してさらに積層された積層構造となっている。基体13としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂であるFR4などを使用することができる。絶縁層14としては、所定の厚さのプリプレグを複数層積層することで形成することができる。
(B)は、積層トランス10fの等価回路図である。積層トランス10fは、共通のコア24に一次コイル21と二次コイル22が巻回されている一般的なトランスとして扱うことができる。そして、この例では、二次コイル22にセンタータップ25が設けられて2系統の出力に対応するコイル(以下、A出力コイル22A,B出力コイル22B)を有するトランス10fとなっている。さらに、一次側に補助出力用のコイル(以下、補助コイル)23も設けられており、ここでは、L6の一次コイル層11が補助コイル23に対応している。
(C)は、一次コイル21と二次コイル22を構成する各コイル層(11,12)の接続状態を積層構造における配置関係とともに示したものであり、この図では、補助コイル23については本発明の本質とは無関係なので省略している。この(C)に示したように、従来の積層トランス10fでは、放熱を考慮して、上面および下面の外層側に二次コイル層12が配置されて、内層側に一次コイル21となる一次コイル層11が配置されている。具体的には、一次コイル21、および二次コイル22に電流が流れると、それらのコイル(21,22)を構成するコイル層(11,12)が発熱する。そして、入力側の一次コイル21よりも、出力側となる二次コイル22の方がより高い温度で発熱する。積層トランス10fでは、表層のL1のコイル層12以外のコイル層(11,12)が露出していないため、二次コイル22を構成する二次コイル層12を上面と下面にそれぞれ分割配置し、その分割された二次コイル層12の内層側に一次コイル層11が積層されている。この例では、二次コイル22が2巻き分の二次コイル層12で1系統の出力に対応するコイル(22A,22B)を形成し、1系統ずつ、すなわち2巻き分の二次コイル層12が上面と下面にそれぞれ配置されている。
(D)は、(C)に示した各コイル層(11,12)の上下方向の配置関係を、各層ごとの平面図として示した図である。ここには、各コイル層(11,12)を上方から見たときの平面図が示されている。なお、当該(D)でも、補助コイル23に対応するコイル層L6が省略されている。この(D)に示したように、一次コイル層11と二次コイル層12の平面形状は、略矩形の外形で、その矩形の中央を長円形に開口させつつ、その開口と矩形の外側とをスリット16によって連絡させた、略C字状となっている。そして、上下方向に積層されている一次コイル層11同士、あるいは二次コイル層12同士がスルーホールなどのビアを用いて接続されて、一次コイル21と二次コイル22が形成されている。コイル層(11,12)同士の接続経路としては、例えば、図2(D)において、L1とL2の二次コイル層(11,12)の層間をビアで連絡しつつ、「●」と「○」の箇所(31,32)をそのビアに接続すれば、二次コイル22のA出力コイル22Aが形成される。
===本発明の技術思想===
上述した従来例に係る積層トランス10fでは、漏れインダクタンスをさらに低減させることが難しい、ということが本発明に想到する過程で判明している。すなわち、さらに高出力のDC−DCコンバーター用途を想定したとき、従来例に係る積層トランス10fの構造では、FETのVdsを定格内に納めることが難しくなる。図3に、DC−DCコンバーターにおける同期整流回路の一部を示した。当該同期整流回路において、積層トランス10fの二次側には、実質的にA出力コイル22AとB出力コイル22Bの二系統のコイルが形成され、これら二系統のコイル(22A,22B)が二つのFET(TrA,TrB)を相補的にオン、オフさせる。
ここで、より高出力のDC−DCコンバーターを構成した場合を想定すると、FET(TrA,TrB)にはより大きな電力を供給することが必要となる。従来例に係る積層トランス10fでは、結合効率の向上に限界があることから、FET(TrA,TrB)のドレインDとソースS間の電圧Vdsを大きく設定して必要な電力を確保していた。しかし、Vdsの設定値を高くすると、スパイクノイズの発生などにより、FET(TrA,TrB)に印加されるVdsが定格を超えてしまう場合があった。そこで、積層トランス10eを構成する各コイル(21,22A,22B)間における結合効率をさらに向上させて、Vdsを低減させることが必要となった。すなわち、各コイル(21,22A,22B)同士の漏れインダクタンスを極めて低くすることが必要となった。
ここで、本発明者が、大出力のDC−DCコンバーター用途の積層トランスについて考察し、漏れインダクタンスを減少させるために鋭意研究を行ったところ。その研究過程において、多層基板2に用いられる配線は熱伝導率に優れた銅であり、大出力のDC−DCコンバーター1では、銅箔ではなく所謂「厚銅」と呼ばれる銅板によって配線が形成されている、ということに着目した。そして、その厚銅を積層した多層基板2は、それ自体が高い放熱効果を有する、ということを知見した。
また、二次コイル22を構成する1巻き分の二次コイル層12のそれぞれに流れる電流に着目したところ、コイル層(11,12)の表面に流れる電流は極めて小さく、上下両端のL1とL10の二次コイル層12は、放熱にはそれほど寄与しない、ということも知見した。そこで、一次側コイル21を積層構造の上下両端側の表層側に配置し、二次側コイル22を内層に配置した積層トランスについて検討したところ、漏れインダクタンスが減少する、ということをさらに知見した。本発明は、このような考察と知見に基づいて達成されたものである。以下では、同じ等価回路、すなわち、一次コイル21と二次コイル22のそれぞれの自己インダクタンスや相互インダクタンスなどの回路定数をほぼ同一としつつ、積層構造や各コイル層(11,12)同士の接続構造が異なる積層トランスについて幾つかの具体例を挙げ、その具体例についての説明を通して本発明の実施例に係る積層トランスや、その実施例に想到するまでの過程などを説明する。
===参考例===
本発明の実施例に係る積層トランスに想到する過程で、上記考察や知見に基づいて最初に検討した積層トランスを参考例として挙げる。図4に参考例に係る積層トランス10aの構造を示した。当該図4の(A)〜(D)の内容は、図2と同様に、それぞれ、参考例に係る積層トランス10aの、縦断面図、等価回路図、コイル層(11,12)の積層構造を反映させた回路図、各コイル層(11,12)を上方から見たときの平面図を示している。
参考例に係る積層トランス10aも10層の多層基板2に内蔵された形態を想定しており、図4(A)に示したように、コイル層(11,12)について一次と二次の種別を問わなければ、コイル層(11,12)、基体13、絶縁層14からなる積層構造は図2(A)に示した従来例に係る積層トランス10fと同じとなっている。そして、(B)に示したように、等価回路も従来例に係る積層トランス10fと同様である。しかし、各コイル層(11,12)の接続状態が異なっており、当該参考例に係る積層トランス10aでは、図4(C)(D)に示したように、一次コイル21が積層構造の上面と下面側に分割され、その分割された一次コイル21の内側に二次コイル22が配置されている。
ここで、従来の積層トランス10fと参考例に係る積層トランス10aの特性をシミュレーションによって比較してみた。シミュレーションでは、図2(C)あるいは図4(C)に示した等価回路において、一次コイル21、および二次側のA出力コイル22AとB出力コイル22Bのそれぞれの自己インダクタンスや、各コイル間の相互インダクタンスを従来の積層トランス10fと参考例に係る積層トランス10aとでほぼ一致するように設定した上で、各コイル(21,22,22A,22B)間の漏れインダクタンスを求めた。
上述したように、この参考例に係る積層トランス10aは、10層の多層基板2に内蔵させる形態を想定しており、L1〜L10のコイル層(11,12)が、多層基板12の厚銅からなる配線として形成されていることとしている。すなわち、コイル層(11,12)が配線と同じ厚さであるものとしている。ここでは、L1〜L10のコイル層(11,12)、基体13、絶縁層14の厚さが、それぞれ、105μm、100μm、300μmであるものとしている。なお、絶縁層14については、100μm厚のプリプレグを3層に重ねたものとした。
表1に、従来例、および参考例に係る積層トランス(10f,10a)についてのシミュレーション結果を示した。
Figure 2013247155
上記表1には、積層トランス(10a,10f)における各種インダクタンスと漏れインダクタンスとが示されている。インダクタンスは、μHを単位として、一次コイル21の自己インダクタンスL、A出力コイル22AとB出力コイル22bとからなる二次コイル22全体の自己インダクタンスL、A出力コイル22Aの自己インダクタンスL、B出力コイル22Bの自己インダクタンスL、一次コイル21に対するA出力コイル22Aの相互インダクタンスM(1−A)、すなわち、一次コイル21を入力側、A出力コイル22Aを出力側としたときの相互インダクタンスM(1−A)、同様に、一次コイル21に対するB出力コイル22Bの相互インダクタンスM(1−B)、A出力コイル22Aに対するB出力コイル22Bの相互インダクタンスM(A−B)、B出力コイル22Bに対するA出力コイル22Aの相互インダクタンスM(B−A)、一次コイル21に対する二次コイル22の相互インダクタンスM(1−2)、二次コイル22に対する一次コイル21の相互インダクタンスM(2−1)の各値が示されている。
また、表1には、シミュレーションにより求められた漏れインダクタンスが絶対値(μH)と比率(%)とによって示されている。すなわち、上記の各相互インダクタンス(M(1−A),(1−B),(A−B),(B−A),(1−2),(2−1))における漏れインダクタンスの値(μH)と、各相互インダクタンス(M(1−A),(1−B),(A−B),(B−A),(1−2),(2−1))に対する漏れインダクタンスの割合(%)とが示されている。具体的には、一次コイル22に対するA出力コイル22Aの漏れインダクタンスL’(1−A)、すなわち一次コイル21に対するA出力コイル22Aの相互インダクタンスM(1−A)における漏れインダクタンスL’(1−A)、一次コイル21に対するB出力コイル22Bの漏れインダクタンスL’(1−B)、A出力コイル22Aに対する一次コイル21の漏れインダクタンスL’(A−1)、B出力コイル22Bに対する一次コイル21の漏れインダクタンスL’(B−1)、A出力コイル21に対するB出力コイル22Bの漏れインダクタンスL’(A−B)、B出力コイル22Bに対するA出力コイル21の漏れインダクタンスL’(B−A)、一次コイル21に対してA出力コイル22AとB出力コイル22Bからなる二次コイル22全体の漏れインダクタンスL’、二次コイル22全体に対する一次コイル21の漏れインダクタンスL’が示されている。
そして、表1に示したシミュレーション結果より、回路定数がほとんど同じであるのにも拘わらず、従来例に係る積層トランス10fと比較して、参考例に係る積層トランス10aにおける各種漏れインダクタンスが減少していることが確認できる。具体的には、L’が双方の積層トランス(10a,10f)で同じ値であった以外、全ての漏れインダクタンスが減少している。すなわち、参考例に係る積層トランス10aは、従来例に係る積層トランス10fよりも効率よく電力変換することができる、ということを示唆している。しかし、積層トランスとしての総合的な漏れインダクタンスであるL’とL’を見ると、L’については、従来例10fと参考例10aとの差異がなく、L’については、参考例10aの方が若干少ない、という程度であり、「極めて漏れインダクタンスが少ない」とは言い難い。そこで、一次コイル21と二次コイル22を構成する各コイル層(11,12)の相対的な配置関係についてさらに鋭意研究を重ね、その結果、本発明の実施例に係る積層トランスに想到した。
===本発明の実施例===
上記参考例に係る積層トランス10aでは、一次コイル21を単純に分割して積層構造の外側に配置し、1次コイル21と、二次コイル22を構成するA出力とB出力の個々のコイル(22A,22B)同士の漏れインダクタンスについては、従来例10fよりも減少させることができた。しかし、総合的な漏れインダクタンス(L’,L’)を劇的に減少させるには至らなかった。
そこで、積層トランスにおける放熱効率と結合効率との関係について再度検討してみたところ、確かに、高出力側のDC−DCコンバーター1では、多層基板2自体の放熱性が向上しており、二次コイル22を構成する各コイル層12を積層構造の内層側に集中配置しても熱暴走や故障などの大きな問題には至らない。しかし、二次コイル22が一次コイル21よりも高温になることには変わりがない。そこで、参考例10aによって示唆された一次コイル層と二次コイル層との積層構造に由来する結合効率の向上に加え、放熱効率を高めて熱として失われる電力を減少させて、効率的に電力変換させることを考えた。その結果、総合的な漏れインダクタンスを劇的に減少させることができる積層トランスに想到した。以下では、その漏れインダクタンスを劇的に減少させることができる積層トランスを本発明の実施例として挙げる。
===第1、第2の実施例===
図5は、第1の実施例に係る積層トランス10bの構造を示す図である。そして、図5(A)〜(D)の内容は、先に示した図2や図4と同様である。図5(A)(B)に示したように、コイル層(11,12)の積層構造や等価回路は、上述した従来の積層トランス10fや参考例に係る積層トランス10aと同様である。しかし、第1の実施例に係る積層トランス10bでは、一次コイル21を2分割して上面と下面に単純に配置するのではなく、各コイル層(11,12)の接続構造を変え、図5(C)(D)に示したように、上面と下面に配置された一次コイル21の一次コイル層11をさらに分割配置し、その分割した一次コイル層11の層間に二次コイル22を構成する二次コイル層12を配置している。それによって、二次コイル22の上下両端を構成する二次コイル層(12u,12d)が表層近くに配置され、放熱効率が向上している。図5に示した例では、5巻き分の一次コイル21を3分割し、上面と下面の表層に1巻き分の一次コイル層11を配置しつつ、2巻き分の二次コイル層12を介して内層側に3巻き分の一次コイル層12を配置している。すなわち、積層構造における上下、および中央の3箇所に配置された一次コイル層11の層間に2分割した二次コイル22のA出力コイル22AとB出力コイル22Bのそれぞれに対応する二次コイル層12を配置している。
ところで、第1の実施例に係る積層トランス10bは、積層トランスに特有の構造を活用している。具体的には、ボビンに導線を巻回してなる一般的なトランスでは、例えば、導線を5回巻回してなる一次コイルの1巻き分のみを分割してボビンに巻回することができない。一方、積層トランスでは、1巻き分の一次コイル層11と他の一次コイル層12とをスルーホールで接続することができる。すなわち、第1の実施例に係る積層トランス10bは、積層トランスに特有の構造によって初めて実現可能となったトランスでもある。
なお、第1の実施例に係る積層ランス10bには、図5に示した例に限らず、図6に示した変形形態も考えられる。この変形形態に係る積層トランス(以下、第2の実施例に係る積層トランス)10cでは、上面と下面に2巻き分の一次コイル層11を配置して、中央に1巻き分の一次コイル層11を配置している。この図6でも(A)〜(D)の内容は、図2、3、5と同様である。第1および第2の実施例に係る積層トランス(10b,10c)は、いずれも、一次コイル21を構成する複数の一次コイル層11が、積層構造における上面と下面と内側の3箇所に分散配置され、その分散配置されている一次コイル層11の層間に二次コイル22が2分割して配置されている。
ここで、上記第1の実施例に係る積層トランス10bと、第2の実施例に係る積層トランス10cについて、従来例10fや参考例10aと同様にシミュレーションを行い、その特性を評価した。なお、各コイル層(11,12)、基体13、および絶縁層14の厚さについては、従来例に係る積層トランス10fや参考例に係る積層トランス10aと同じである。
表2に、第1の実施例と第2の実施例に係る積層トランス(10b,10c)についてのシミュレーション結果を示した。
Figure 2013247155
表2では、従来の積層トランス10fについてのインダクタンスと漏れインダクタンスも示されている。そして、表1と同様に、積層トランス(10b,10c,10f)を構成する各コイル(21,22,22A,22B)の自己インダクタンス(L、L、L、L)と、相互インダクタンス(M(1−A),(1−B),(A−B),(B−A),(1−2),(2−1))、および(各コイル21,22,22A,22B)間における漏れインダクタンスの値(μH)とその比率(%)が示されている。
表2に示されているように、第1の実施例に係る積層トランス10bと、第2の実施例係る積層トランス10cは、従来例に係る積層トランス10fに対し、各コイル(21,22,22A,22B)間に関する全ての漏れインダクタンスが減少している。とくに、第1の実施例に係る積層トランス10bでは、変形例に係る積層トランス10cと比較しても、総体的に特性が優れており、積層トランス全体に関わる漏れインダクタンスである、一次コイル21と二次コイル22間のインダクタンス(L、L)に対する漏れインダクタンス(L’、L’)が劇的に減少している。
つぎに、第2の実施例に係る積層トランス10cと、従来の積層トランス10fとの特性を実際にDC−DCコンバーターに実装した状態で調べた。具体的には、図3に示した同期整流回路を構成するFET(TrA,TrB)のドレインD、ソースS間の電圧Vdsを測定した。図7に、当該測定結果を示した。この図7では、積層トランス(10c,10f)の一次コイル21側に電力を供給した時点を起点として、当該起点からの経過時間とVdsとの関係が示されている。
従来例に係る積層トランス10fでは、図中の曲線100に示すように、Vdsの最大値が106Vとなり、一般的な定格である100Vを超えてしまった。一方、第2の実施例に係る積層トランス10cでは、曲線101に示したように、Vdsの最大値が定格以下の95Vに抑制されて、従来例に係る積層トランス10fに対して10V以上もVdsを低減させることができた。なお、第1の実施例に係る積層トランス10bは、上記第2の実施例に係る積層トランス10cよりも特性が優れているため、Vdsをさらに低減させることが可能である。
===第3、第4の実施例===
例えば、上述した第1、第2の実施例に係る積層トランス(10b,10c)では、多層基板2の積層構造に組み込むように実装させることを想定していた。このような場合、コイル層(11,12)の層数に対し、多層基板2の層数が少ない場合、積層構造の外側のコイル層は、多層基板2の配線によるコイル層(11,12)とは別に、表層側のコイル層(11,12)を追加形成することになる。このような場合、追加するコイル層(11,12)を、DC−DCコンバーター1用の多層基板2に使用される厚銅で追加形成しようとすると、その厚銅の素材に掛かるコストや、厚銅を形成するための製造コストが嵩む。したがって、現実的には、追加形成するコイル層11を薄い銅箔で形成することになる。しかし、厚さの異なるコイル層(11,12)が混在することになり、第1、および第2の実施例に係る積層トランス(10b,10c)のように、一次コイル層11を単純に直列接続すると、コイルの自己、および相互インダクタンスを任意の値に調整することが難しくなる。もちろん、多層基板2上に表面実装される形態の積層トランスであっても、積層構造全体の厚さや各コイル層(11,12)の厚さが規定されている場合もある。そこで、第3の実施例では、内層側のコイル層(11,12)が一定の厚さの厚銅となるように規定されているような場合にも対応し、表層の1巻き分の一次コイル層11を薄い銅箔で形成しつつ、インダクタンスを柔軟に設定できる積層トランスを挙げる。
図8は、第3の実施例に係る積層トランス10dの構造を示す図である。そして、図8(A)〜(D)の内容は、先に示した図2、図4〜6と同様である。しかし、図8(A)に示したように、12層のコイル層(11,12)を備えている。なお、ここでは、内層側のL2〜L11の10層のコイル層(11,12)が多層基板2に内蔵されている部分であり、厚銅で形成されている。そして、当該積層トランス10dは、最上層のL1の一次コイル層11u、および最下層のL12の一次コイル層11dと、これら一次コイル層(11u,11d)の下方、および上方に配置された基体(13u,13d)とが多層基板2の構造に対して追加形成されて、7層分の一次コイル層11からなる一次コイル21と5層分の二次コイル層12の合計12層のコイル層(11,12)を含んで構成されている。
このように、第3の実施例に係る積層トランス10dでは、積層構造が先に例示した各種積層トランス(10f、10a〜10c)と異なっている。しかし、図8(B)に示したように、等価回路については、これらの積層トランス(10f,10a〜10c)と同様となっている。そして、同図(C)に示したように、一次コイル21を構成する最上層および最下層のL1、およびL12の一次コイル層(11u,11d)が、それぞれ異なる他の一次コイル層11に並列接続されている。具体的には、最上層L1の一次コイル層11uとL4の一次コイル層11puが並列接続されて、このL1とL4の一次コイル層(11u,11pu)の層間に二次コイル22のA出力コイル22Aを構成する2層分の二次コイル層12が介在し、最下層L12の一次コイル11dとL9の一次コイル層11pdが並列接続されて、このL12とL9の一次コイル層(11u,11pd)の層間に二次コイル22のB出力コイル22Bを構成する2層分の二次コイル層12が介在している。それによって、10層分のコイル層(11,12)で構成されていた上記従来例、参考例、第1、および第2の実施例に係る積層トランス(10f,10a〜10c)と同じ等価回路を有する積層トランス10dを12層分のコイル層(11,12)で実現させている。なお、補助出力コイル23については、L7の一次コイル層11を対応させている。
このように、一次コイル21に並列接続部分を設けることで、内層側のL2〜L11のコイル層(11,12)を一様に厚銅で構成しなくてはならないような場合であっても、各コイル(21,22,22A,22B)の自己インダクタンスを自在に設定することが可能となり、仕様変更などに伴って積層トランス10dの層数を増やす場合などでも、内層側の構造を変更する必要が無く、柔軟に対応できる。もちろん、コイル層(11,12)や絶縁体(13,14)の厚さなどの積層トランスの基本構造を新規の仕様に合わせて変更する必要がなく、設計コストや製造コストも抑制できる。
なお、第3の実施例としては、図8に示した構造に限らず、図9に示した変形形態(以下、第4の実施例)も考えられる。ここでも図9(A)〜(D)の内容は、図2、図4〜6、図8における(A)〜(D)と同じである。そして、図9(A)に示したように、当該第4の実施例に係る積層トランス10eでは、一次コイル層11と二次コイル層12の配置関係は、図8に示した第3の実施例に係る積層トランス10dと同様であるが、互いに並列接続されている一次コイル層11が異なっている。この例では、最上層の一次コイル層11uと、最下層のL12の一次コイル層11dと、内層側のL6の一次コイル層11pが並列接続されている。すなわち、3層分の一次コイル層11が並列接続されている。このように、第3、第4の実施例に係る積層トランス(10d,10e)では、等価回路が同じであっても、一次コイル層11同士の並列接続の状態を柔軟に変更することができ、内層側のコイル層(11,12)の厚さと層数が規定されているような場合にも対応することができる。
表3に、第3の実施例と第4の実施例とに係る積層トランス(10d,10e)についてのシミュレーション結果を示した。
Figure 2013247155
表3では、表1、表2と同様に、積層トランス(10d,10e)を構成する各コイル(21,22,22A,22B)の自己インダクタンス、各コイル間の相互インダクタンス、各コイル間における漏れインダクタンスの値、各コイル間の相互インダクタンスに対する漏れインダクタンスの比率が示されている。また、この表3でも、従来の積層トランス10fについてのインダクタンスと漏れインダクタンスが示されている。
そして、表3に示したように、第3の実施例と、第4の実施例とにかかる積層トランス(10d,10e)では、従来例に係る積層トランス10fに対し、各コイル(21,22,22A,22B)間に関する全ての漏れインダクタンスが減少している。また、第3の実施例と第4の実施例に係る積層トランス(10d,10e)とでは、第3の実施例に係る積層トランス10dの方が若干特性に優れている。第4の実施例10eについては、先に示した表2から、第2の実施例に係る積層トランス10cと同等の性能であると言える。いずれにしても、従来例に係る積層トランス10fと比較すると、総合的な漏れインダクタンスL’,L’が劇的に減少している。
以上のように、本発明の実施例に係る積層トランス(10b〜10e)は、積層構造の最上層と最下層に必ず一次コイル層11が配置されているとともに、その表層から内層に向かって一次コイル21の一部、二次コイル(22Aまたは22B)、1次コイル21の一部、二次コイル(22Bまたは22A)、1次コイル21の一部の順番で配置されている。そして、この配置により、漏れインダクタンスを極めて小さく、小型高出力のDC−DCコンバーターに好適な積層トランス(10b〜10e)となっている。
この発明は、小型大出力のDC−DCコンバーターなどに好適である。
1 DC−DCコンバーター、2 多層基板、3 電子部品、
10 積層トランス,10a 参考例に係る積層トランス、
10b〜10e 本発明の実施例に係る積層トランス、
10f 従来例に係る積層トランス、
11,11d,11p,11pd,11pu,11u 一次コイル層、
12 二次コイル層、13 基体、14 絶縁層、21 一次コイル、
22 二次コイル、22A A出力コイル、22B B出力コイル、24 コア、
111 コイル層、112 絶縁体の層、113 フェライトコア

Claims (6)

  1. 一つの多層基板に一体的に形成されたDC−DCコンバーターを構成する電子部品として前記多層基板に実装される積層トランスであって、
    一部が開放する環状の平面形状に形成された層状の導電体からなるコイル層が、絶縁体からなる層を介して上下方向に複数積層された積層構造を有し、
    前記コイル層は、一次コイルに属する一次コイル層と、二次コイルに属する二次コイル層とに区別されて、複数の一次コイル層同士、および複数の二次コイル層同士が上下方向でビアを介して接続されて、前記一次コイルと前記二次コイルとが形成され、
    前記一次コイルは、前記積層構造の最上層と最下層のそれぞれに配置された前記一次コイル層を含み、
    前記二次コイルは、センタータップを備えて二組のコイルに分割されているとともに、一組の二次コイルは、上下で連続する所定の層数分の前記二次コイル層で構成され、
    前記二組の二次コイルは、少なくとも1層以上の前記一次コイル層を挟んで対面するように配置されている、
    ことを特徴とする積層トランス。
  2. 請求項1において、前記最上層、および最下層のそれぞれに配置されている1層分の一次コイル層の下方、および上方に、それぞれ一組の前記二次コイル層が配置されていることを特徴とする積層トランス。
  3. 請求項1または2において、前記コイル層の層数が前記多層基板の層数と一致しているととともに、当該コイル層が前記多層基板の配線として形成されていることを特徴とする積層トランス。
  4. 請求項1または2において、前記最上層、および最下層の一次コイル層は、それぞれ、下方、および上方に配置されている他の一次コイル層と並列接続されていることを特徴とする積層トランス。
  5. 請求項4において、前記最上層と最下層の一次コイル層を除くその他のコイル層は厚さが同じであり、当該その他のコイル層は、前記最上層と最下層の一次コイル層よりも厚いことを特徴とする積層トランス。
  6. 請求項5において、前記その他のコイル層の層数が前記多層基板の層数と一致しているととともに、当該その他のコイル層は、前記多層基板の配線として形成されていることを特徴とする積層トランス。
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