JP2000173837A - スイッチング電源用のシートトランス - Google Patents

スイッチング電源用のシートトランス

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JP2000173837A JP10344447A JP34444798A JP2000173837A JP 2000173837 A JP2000173837 A JP 2000173837A JP 10344447 A JP10344447 A JP 10344447A JP 34444798 A JP34444798 A JP 34444798A JP 2000173837 A JP2000173837 A JP 2000173837A
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智嗣 太田
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敏和 浦田
Katsuo Yamada
克夫 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源を構成したときに漏れ磁束
を低減できるとともにノイズ性能を向上できるようにし
たシートトランスを提供する。 【解決手段】 第1コイル部21の上方コイル端が端子
Aに接続され、第1コイル部21の下方コイル端と第5
コイル部25の下方コイル端とが接続され、第5コイル
部25の上方コイル端と第2コイル部22の下方コイル
端とが接続され、第2コイル部22の上方コイル端と第
6コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイ
ル部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第
1コイル部21と第6コイル部26の巻線方向は同じで
あり、第2コイル部22と第5コイル部25の巻線方向
は前記と反対になっている。第3コイル部23の下方コ
イル端が端子Dに接続され、第3コイル部23の上方コ
イル端と第4コイル部24の下方コイル端とが接続さ
れ、第4コイル部24の上方コイル端が端子Eに接続さ
れている。第3コイル部23と第4コイル部24の巻線
方向は反対である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスイッチング電源
用のトランスに関し、とくに、印刷配線板からなる巻線
セグメントシートを積層することで1次巻線および2次
巻線を形成する構造のシートトランスの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】===スイッチング電源の典型例=== トランスを用いる方式のスイッチング電源(DC−DC
コンバータ)の典型的な4つの回路例を図1に示してい
る。図1(a)の回路方式においては、トランスTの1
次巻線L1と2次巻線L2の両方とも中間タップ端子を
有する。1次側スイッチング回路はプッシュプル型と呼
ばれている。入力電源Vinの一端が1次巻線L1の中間
タップ端子Cに印加され、入力電源Vinの1次巻線L1
の他端が1次巻線L1の端子AとBにそれぞれスイッチ
ングトランジスタQ1とQ2を介して接続されている。
トランジスタQ1とQ2は相補的にオン・オフ駆動され
る。2次側整流回路は2つのダイオードD1とD2を用
いたセンタータップ式の全波整流回路である。これの回
路動作はよく知られているので説明を省略する。図1
(b)の回路方式では、前記(a)における2次側整流
回路が4つのダイオードD1〜D4を用いたブリッジ整
流回路になっている。ここでは2次巻線L2の中間タッ
プ端子Fは不要である。図1(c)の回路方式では、前
記(a)における1次側スイッチング回路が4つのスイ
ッチングトランスQ1〜Q4を用いたフルブリッジ回路
になっている。ここでは1次巻線L1の中間タップ端子
Cは不要である。図1(d)の回路方式では、前記
(c)における2次側スイッチング回路が4つのダイオ
ードD1〜D4を用いたブリッジ整流回路になってい
る。ここでは2次巻線L2の中間タップ端子Fも不要で
ある。
【0003】===シートトランスの基本構造=== シートトランスあるいはプレーナートランスと称される
トランスの基本的な構造を図2と図3に示している。こ
の種のシートトランスは、多数の巻線セグメントシート
1を積層した巻線積層体2とコア3とから構成される。
巻線セグメントシート1は半ターンから数ターンの巻線
パターン4が形成された印刷配線板である(あるいは打
ち抜き金属薄板で巻線パターンを形成した配線板であ
る。)。これら巻線セグメントシート1が各巻線パター
ン4の中心を揃えて積層されているとともに、各巻線パ
ターン4の端部同士がスルーホールなどの手法で適宜に
接続されて1次巻線と2次巻線を含んだ巻線積層体2と
なっている。この巻線積層体2の巻線中心部には貫通穴
5があいており、その穴5にコア3の巻軸部6が貫通し
ている。
【0004】===従来の巻線構造=== 図1に示したようなスイッチング電源のトランスTとし
て図2・図3に示した構造のシートトランスを適用した
ものが従来から知られている。従来のスイッチング電源
用のシートトランスの場合、巻線積層体2における1次
巻線と2次巻線の構成の仕方は図4に示すようになって
いた。
【0005】図4ではつぎの事項を図解している。図2
・図3に示した構造のシートトランスにおいて、巻線積
層体2は1次巻線積層体2aと2次巻線積層体2bの2
つのグループに区分されている。両グループにはそれぞ
れ複数枚の巻線セグメントシート1が含まれ、1つのグ
ループに属する複数枚の巻線セグメントシート1の各巻
線パターンが一連のコイルを構成するように相互接続さ
れている。そして、1次巻線積層体2aの最上部の巻線
セグメントシート1にあるコイル端が1次巻線L1の端
子Aに接続され、1次巻線積層体2aの最下部のシート
1にあるコイル端が1次巻線L1の端子Bに接続され、
また1次巻線積層体2aの中間のシート1の巻線パター
ン4が必要に応じて1次巻線L1の中間タップ端子Cに
接続されている。同様に、2次巻線積層体2bの最上部
シート1にあるコイル端が2次巻線L2の端子Dに接続
され、2次巻線積層体2bの最下部シート1にあるコイ
ル端が2次巻線L2の端子Eに接続され、2次巻線積層
体2bの中間シート1の巻線パターン4が必要に応じて
2次巻線L2の中間タップ端子Fに接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図2・図3・図4に示
した従来のシートトランスを用いた図1のようなスイッ
チング電源においては、つぎに説明する2つの問題があ
った。第1の問題は漏れ磁束が大きいことである。典型
的な例として図1(d)の回路について説明する。この
回路方式では、1次巻線L1の全体に入力電流が方向を
反転しながら流れ、2次巻線L2の全体に出力電流が方
向を反転しながら流れ、入力電流によりコア3に生じる
磁束が出力電流により生じる磁束によって相殺されると
いう関係になっている。ここで1次巻線L1の全体が図
4の1次巻線積層体2aであり、この積層体2aの厚み
領域において1次電流による磁界の磁位変化が集中して
いる。このことを図5(a)に模式的に示している。つ
まり、1次巻線積層体2aの穴5を貫通しているコア3
に局所的に作用する磁位ピーク値がきわめて大きく、そ
のため漏れ磁束が大きくなってしまう。なお、この問題
点は後述する本発明の作用効果と対比することでより明
瞭になるであろう。図1(a)の回路方式の場合は1次
巻線L1の中間タップ端子Cを使用し、1次巻線L1の
半分ずつに交互に入力電流が流れる。そのため、図4に
おける1次巻線積層体2aの半分の領域において入力電
流による磁界の磁位変化が集中することになり、やはり
コア5の局所に大きな磁位ピーク値が作用し、漏れ磁束
が大きくなってしまう。このことを図5(b)に模式的
に示している。
【0007】もう1つの問題は1次巻線L1と2次巻線
L2との間の浮遊容量を伝達する高周波ノイズが大きい
ことである。図4に示したように、1次巻線積層体2a
の下に2次巻線積層体2bが配設されていると、1次巻
線積層体2aの最下部の巻線セグメントシート1と2次
巻線積層体2bの最上部の巻線セグメントシート1と間
に相当に大きな静電容量を生じてしまう。対向している
両シートの巻線パターン4の面積が大きいし、両シート
の間隔が小さいし、両シートの基材の誘電率が大きいの
で、両シート間の静電容量が大きくなるのは避けがた
い。前記の大きな浮遊容量は、図1の4つの回路方式に
おいては、1次巻線L1の端子Bに近い部分と2次巻線
L2の端子Dに近い部分との間に生じている。各回路方
式から明らかなように、端子Bと端子Dとの間にはスイ
ッチング電源としての動作に伴ってきわめて大きな電圧
変動が生じる。大きな浮遊容量を挟んで大きな電圧変動
を生じるので、1次側の高周波ノイズが2次側に高レベ
ルで伝達してしまう。なお、この問題点についても後述
する本発明の作用効果と対比することでより明瞭になる
であろう。
【0008】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、スイッチング電源を構成し
たときに漏れ磁束を低減できるとともにノイズ性能を向
上できるようにしたシートトランスを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】===請求項1の発明=
== (1)多数の巻線セグメントシートを積層した巻線積層
体とコアとから構成されるスイッチング電源用のシート
トランスである。
【0010】(2)巻線セグメントシートは半ターンか
ら数ターンの巻線パターンが印刷形成または打ち抜き形
成された配線板である。これら巻線セグメントシートが
各巻線パターンの中心を揃えて積層されているととも
に、各巻線パターンの端部同士が適宜に接続されて1次
巻線と2次巻線を含んだ巻線積層体となっている。この
巻線積層体の巻線中心部には貫通穴があいており、その
穴にコアの巻軸部が貫通している。
【0011】(3)巻線積層体の構成は、上から順に第
1コイル部・第2コイル部・第3コイル部・第4コイル
部・第5コイル部・第6コイル部の少なくとも6つのグ
ループに区分される部分を持っている。1つのグループ
に属する複数枚の巻線セグメントシートの各巻線パター
ンは一連のコイルを構成するように相互接続されてお
り、グループ内の最上部のシートに上方コイル端があ
り、最下部のシートに下方コイル端がある。
【0012】(4)第1コイル部の上方コイル端が端子
Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイ
ル部の下方コイル端とが接続され、第5コイル部の上方
コイル端と第2コイル部の下方コイル端とが接続され、
第2コイル部の上方コイル端と第6コイル部の上方コイ
ル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子
Bに接続されている。第1コイル部と第6コイル部の巻
線方向は同じであり、第2コイル部と第5コイル部の巻
線方向は前記と反対になっている。
【0013】(5)第3コイル部の下方コイル端が端子
Dに接続され、第3コイル部の上方コイル端と第4コイ
ル部の下方コイル端とが接続され、第4コイル部の上方
コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第
4コイル部の巻線方向は反対である。そして、第3、第
4のグループ(たとえば2次側)がマルチ出力の場合、
このDとEの他に他の出力巻線を追加する。
【0014】===請求項2の発明=== 請求項1に記載のシートトランスにおいて、特定事項
(4)をつぎの特定事項(41)に置換したもの。(41)
第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1
コイル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端
とが接続され、第5コイル部の下方コイル端と第2コイ
ル部の上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方
コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、
第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されてい
る。第1コイル部・第2コイル部・第5コイル部・第6
コイル部の巻線方向は同じである。
【0015】===請求項3の発明=== 請求項1または請求項2に記載のシートトランスにおい
て、特定事項(5)をつぎの特定事項(51)に置換した
もの。(51)第3コイル部の上方コイル端が端子Dに接
続され、第3コイル部の下方コイル端と第4コイル部の
上方コイル端とが接続され、第4コイル部の下方コイル
端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイ
ル部の巻線方向は同じであり、両者は実質的に区分のな
い一連のコイルを構成している。
【0016】===請求項4の発明=== 請求項1〜3のいずれかに記載のシートトランスにおい
て、端子Aが第1コイル部の下方コイル端に接続され、
これの上方コイル端が他のコイル部に接続されているも
の。
【0017】===請求項5の発明=== 請求項1〜4のいずれかに記載のシートトランスにおい
て、端子Bが第6コイル部の上方コイル端に接続され、
これの下方コイル端が他のコイル部に接続されているも
の。
【0018】===請求項6の発明=== 請求項1または請求項3に記載のシートトランスにおい
て、特定事項(4)をつぎの特定事項(42)に置換した
もの。(42)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接
続され、第1コイル部の下方コイル端と第2コイル部の
上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方コイル
端と第5コイル部の上方コイル端とが接続され、第5コ
イル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端と
が接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接
続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイ
ル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。第1コイ
ル部と第2コイル部は実質的に区分のない一連のコイル
を構成している。第5コイル部と第6コイル部は実質的
に区分のない一連のコイルを構成している。
【0019】===請求項7の発明=== 請求項1〜6のいずれかに記載のシートトランスにおい
て、第2コイル部と第5コイル部との接続部分が中間タ
ップ端子Cに接続されているもの。
【0020】===請求項8の発明=== 請求項1〜7のいずれかに記載のシートトランスにおい
て、第3コイル部と第4コイル部の接続部分が中間タッ
プ端子Fに接続されているもの。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明にかかるスイッチング電
源用のシートトランスの基本構造は、従来の技術の欄に
おいて図2と図3を用いて説明した内容と同じである。
ただし、これらの図には従来技術と本発明の相違点は表
現されていない。本発明の特徴部分について以下のよう
に説明する。
【0022】===図6の実施例=== 請求項1の発明を図解したのが図6である。これには請
求項7と8の特徴事項も併記している。この実施例にお
いては、巻線積層体2は、上から順に第1コイル部21
・第2コイル部22・第3コイル部23・第4コイル部
24・第5コイル部25・第6コイル部26の6つのグ
ループに区分される。1つのグループに属する複数枚の
巻線セグメントシート1の各巻線パターン4は一連のコ
イルを構成するように相互接続されており、グループ内
の最上部のシート1に上方コイル端があり、最下部のシ
ート1に下方コイル端がある。
【0023】第1コイル部21の上方コイル端が端子A
に接続され、第1コイル部21の下方コイル端と第5コ
イル部25の下方コイル端とが接続され、第5コイル部
25の上方コイル端と第2コイル部22の下方コイル端
とが接続され、第2コイル部22の上方コイル端と第6
コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイル
部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1
コイル部21と第6コイル部26の巻線方向は同じであ
り、第2コイル部22と第5コイル部25の巻線方向は
前記と反対になっている。また必要に応じて、第2コイ
ル部22と第5コイル部25との接続部分が中間タップ
端子Cに接続される。以上が1次巻線の構造である。
【0024】2次巻線の構造はつぎのようになってい
る。第3コイル部23の下方コイル端が端子Dに接続さ
れ、第3コイル部23の上方コイル端と第4コイル部2
4の下方コイル端とが接続され、第4コイル部24の上
方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部2
3と第4コイル部24の巻線方向は反対である。また必
要に応じて、第3コイル部23と第4コイル部24との
接続部分が中間タップ端子Fに接続される。
【0025】以上のように構成されたシートトランスに
おける1次巻線と2次巻線との間の浮遊容量について検
討する。1次側の第2コイル部22の最下部シート1と
2次側の第3コイル部23の最上部シート1とが対向し
ており、この間に大きな静電容量が発生する。同様に、
2次側の第4コイル部24の最下部シート1と1次側の
第5コイル部25の最上部シート1とが対向しており、
この間に大きな静電容量が発生する。
【0026】ここで、この発明のシートトランスを図1
に示した4つの回路方式のスイッチング電源に適用した
場合を検討する。大きな静電容量を生じる第2コイル部
22の最下部シート1と2次側の第3コイル部23の最
上部シート1との間、それに2次側の第4コイル部24
の最下部シート1と1次側の第5コイル部25の最上部
シート1との間は、図1の回路においては、トランスT
の1次巻線L1の中間タップ端子Cの部分と2次巻線L
2の中間タップ端子Fの部分の間に相当する。図1の回
路から明らかなように、スイッチング電源としての動作
中においても、中間タップ端子Cに近い巻線部分と中間
タップ端子Fに近い巻線部分との間の電圧変動はごく小
さく、両部分の電位はきわめて安定している。このよう
に両部分間に大きな浮遊容量が存在しても、両部分間の
電圧変動はきわめて小さいので、1次側から2次側に浮
遊容量を介して伝達される高周波ノイズのレベルもきわ
めて小さくなる。これが本発明の顕著な効果の1つであ
る。
【0027】本発明のもう1つの効果は漏れ磁束の低減
である。図6の巻線構造のシートトランスを図1(d)
のスイッチング電源に適用した場合を想定する。コア3
の巻軸6において、1次巻線L1は、第1コイル部21
および第2コイル部22の積層体領域Xと、第5コイル
部25および第6コイル部26の積層体領域Zとに幾何
学的に分割されており、その分割された間に第3コイル
部23および第4コイル部24の2次巻線L2の積層体
領域Yが挟み込まれている。このスイッチング電源の動
作に伴うコア巻軸6上の磁位の発生状況を図7(a)に
模式的に示している。1次巻線L1に流れる入力電流に
よる磁界は積層体領域XとZの2つの領域に分れて発生
し、これらの磁界を相殺するように積層体領域Yに出力
電流による磁界が発生する。そのため、コア巻軸6上の
磁位ピーク値は図4の巻線構造の従来のトランスと比較
してはるかに小さくなり、その分だけ漏れ磁束が小さく
なる。いろいろな条件が同じであるとすると、従来のト
ランスを用いた場合の磁位ピーク値に対して本発明のト
ランスを用いた場合の磁位ピーク値は、図5(a)と図
7(a)に示しているように約半分になる。したがって
漏れ磁束の低減効果も顕著である。
【0028】図1(a)(b)の回路方式のように1次
巻線L1の中間タップ端子Cを使用するタイプのスイッ
チング電源の場合、図7(b)に示すように、端子AC
間に入力電流が流れるとき、入力電流による磁界は第1
コイル部21の領域と第5コイル部25の領域とに分れ
て発生し、端子BC間に入力電流が流れるとき、入力電
流による磁界は第2コイル部22の領域と第6コイル部
26の領域とに分れて発生する。したがって、いずれの
動作時点でも、コア巻軸部6上における磁位ピーク値は
図5(b)の従来技術の約半分と小さくなり、その分だ
け漏れ磁束が小さくなる。
【0029】===その他の実施例=== 図6に示した巻線構造が本発明の最良の実施例である。
この実施例に比べると効果の面で少し劣るが、次善ある
いは次々善の実施例としてつぎのような巻線構造を採用
してもよい。
【0030】図8に示す実施例は図6の実施例とつぎの
点が異なる。第1コイル部21の上方コイル端が端子A
に接続され、第1コイル部22の下方コイル端と第5コ
イル部25の上方コイル端とが接続され、第5コイル部
25の下方コイル端と第2コイル部22の上方コイル端
とが接続され、第2コイル部22の下方コイル端と第6
コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイル
部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1
コイル部21・第2コイル部22・第5コイル部25・
第6コイル部26の巻線方向は同じである。
【0031】図9に示す実施例は図6の実施例とつぎの
点が異なる。第3コイル部23の上方コイル端が端子D
に接続され、第3コイル部23の下方コイル端と第4コ
イル部24の上方コイル端とが接続され、第4コイル部
24の下方コイル端が端子Eに接続されている。第3コ
イル部23と第4コイル部24の巻線方向は同じであ
り、両者は実質的に区分のない一連のコイルを構成して
いる。なお、図8の構成と図9の構成を組み合わせた実
施例もある得る。
【0032】ここまで説明したいくつかの実施例におい
て、端子Aが第1コイル部21の下方コイル端に接続さ
れ、これの上方コイル端が他のコイル部に接続されてい
る形態や、端子Bが第6コイル部26の上方コイル端に
接続され、これの下方コイル端が他のコイル部に接続さ
れている形態も採り得る。
【0033】図10に示す実施例は図6の実施例とつぎ
の点が異なる。第1コイル部21の上方コイル端が端子
Aに接続され、第1コイル部21の下方コイル端と第2
コイル部22の上方コイル端とが接続され、第2コイル
部22の下方コイル端と第5コイル部25の上方コイル
端とが接続され、第5コイル部25の下方コイル端と第
6コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイ
ル部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第
1コイル部21・第2コイル部22・第5コイル部25
・第6コイル部26の巻線方向は同じである。第1コイ
ル部21と第2コイル部22は実質的に区分のない一連
のコイルを構成している。第5コイル部25と第6コイ
ル部26は実質的に区分のない一連のコイルを構成して
いる。
【0034】
【発明の効果】この発明にかかるシートトランスを用い
てスイッチング電源(DC−DCコンバータ)を構成す
れば、トランスの漏れ磁束が従来より少なくなり、高効
率の電源装置を実現することができる。また、トランス
の1次巻線と2次巻線の間の浮遊容量を伝わる高周波ノ
イズのレベルが従来より大幅に低減され、低ノイズの電
源装置を実現することができる。なお、この明細書で使
用している1次側、2次側は説明を判り易くするために
定義しているものであり、逆にして使用しても同様の機
能は得られ権利範囲としても適用されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象となるスイッチング電源の4つ
の回路方式を示す図である。
【図2】この発明の対象となるシートトランスの基本構
造を示す分解斜視図である。
【図3】この発明の対象となるシートトランスの基本構
造を示す斜視図である。
【図4】従来のシートトランスの巻線構造を示す模式図
である。
【図5】同上従来のシートトランスをスイッチング電源
に適用した場合のトランスの作用説明図である。
【図6】この発明の第1実施例によるシートトランスの
巻線構造を示す模式図である。
【図7】同上実施例のシートトランスをスイッチング電
源に適用した場合のトランスの作用説明図である。
【図8】この発明の第2実施例によるシートトランスの
巻線構造を示す模式図である。
【図9】この発明の第3実施例によるシートトランスの
巻線構造を示す模式図である。
【図10】この発明の第4実施例によるシートトランス
の巻線構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 巻線セグメントシート 2 巻線積層体 3 コア 4 巻線パターン 5 貫通穴 6 巻軸部 21 第1コイル部 22 第2コイル部 23 第3コイル部 24 第4コイル部 25 第5コイル部 26 第6コイル部 T トランス L1 1次巻線 L2 2次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 敏和 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 山田 克夫 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 赤谷 知行 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA07 BA01 BA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの事項(1)〜(5)により特定さ
    れる発明。 (1)多数の巻線セグメントシートを積層した巻線積層
    体とコアとから構成されるスイッチング電源用のシート
    トランスである。 (2)巻線セグメントシートは半ターンから数ターンの
    巻線パターンが印刷形成または打ち抜き形成された配線
    板である。これら巻線セグメントシートが各巻線パター
    ンの中心を揃えて積層されているとともに、各巻線パタ
    ーンの端部同士が適宜に接続されて1次巻線と2次巻線
    を含んだ巻線積層体となっている。この巻線積層体の巻
    線中心部には貫通穴があいており、その穴にコアの巻軸
    部が貫通している。 (3)巻線積層体の構成は、上から順に第1コイル部・
    第2コイル部・第3コイル部・第4コイル部・第5コイ
    ル部・第6コイル部の少なくとも6つのグループに区分
    される部分を持っている。1つのグループに属する複数
    枚の巻線セグメントシートの各巻線パターンは一連のコ
    イルを構成するように相互接続されており、グループ内
    の最上部のシートに上方コイル端があり、最下部のシー
    トに下方コイル端がある。 (4)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続さ
    れ、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の下方
    コイル端とが接続され、第5コイル部の上方コイル端と
    第2コイル部の下方コイル端とが接続され、第2コイル
    部の上方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接
    続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続さ
    れている。第1コイル部と第6コイル部の巻線方向は同
    じであり、第2コイル部と第5コイル部の巻線方向は前
    記と反対になっている。 (5)第3コイル部の下方コイル端が端子Dに接続さ
    れ、第3コイル部の上方コイル端と第4コイル部の下方
    コイル端とが接続され、第4コイル部の上方コイル端が
    端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイル部
    の巻線方向は反対である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシートトランスにおい
    て、特定事項(4)をつぎの特定事項(41)に置換した
    もの。(41)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接
    続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の
    上方コイル端とが接続され、第5コイル部の下方コイル
    端と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コ
    イル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端と
    が接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接
    続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイ
    ル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のシート
    トランスにおいて、特定事項(5)をつぎの特定事項
    (51)に置換したもの。(51)第3コイル部の上方コイ
    ル端が端子Dに接続され、第3コイル部の下方コイル端
    と第4コイル部の上方コイル端とが接続され、第4コイ
    ル部の下方コイル端が端子Eに接続されている。第3コ
    イル部と第4コイル部の巻線方向は同じであり、両者は
    実質的に区分のない一連のコイルを構成している。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のシート
    トランスにおいて、端子Aが第1コイル部の下方コイル
    端に接続され、これの上方コイル端が他のコイル部に接
    続されているもの。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のシート
    トランスにおいて、端子Bが第6コイル部の上方コイル
    端に接続され、これの下方コイル端が他のコイル部に接
    続されているもの。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項3に記載のシート
    トランスにおいて、特定事項(4)をつぎの特定事項
    (42)に置換したもの。(42)第1コイル部の上方コイ
    ル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端
    と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コイ
    ル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端とが
    接続され、第5コイル部の下方コイル端と第6コイル部
    の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイ
    ル端が端子Bに接続されている。第1コイル部・第2コ
    イル部・第5コイル部・第6コイル部の巻線方向は同じ
    である。第1コイル部と第2コイル部は実質的に区分の
    ない一連のコイルを構成している。第5コイル部と第6
    コイル部は実質的に区分のない一連のコイルを構成して
    いる。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のシート
    トランスにおいて、第2コイル部と第5コイル部との接
    続部分が中間タップ端子Cに接続されているもの。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のシート
    トランスにおいて、第3コイル部と第4コイル部の接続
    部分が中間タップ端子Fに接続されているもの。
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