JP4365913B2 - スイッチング電源用のシートトランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はスイッチング電源用のトランスに関し、とくに、印刷配線板からなる巻線セグメントシートを積層することで1次巻線および2次巻線を形成する構造のシートトランスの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
===スイッチング電源の典型例===
トランスを用いる方式のスイッチング電源(DC−DCコンバータ)の典型的な4つの回路例を図1に示している。
図1(a)の回路方式においては、トランスTの1次巻線L1と2次巻線L2の両方とも中間タップ端子を有する。1次側スイッチング回路はプッシュプル型と呼ばれている。入力電源Vinの一端が1次巻線L1の中間タップ端子Cに印加され、入力電源Vinの1次巻線L1の他端が1次巻線L1の端子AとBにそれぞれスイッチングトランジスタQ1とQ2を介して接続されている。トランジスタQ1とQ2は相補的にオン・オフ駆動される。2次側整流回路は2つのダイオードD1とD2を用いたセンタータップ式の全波整流回路である。これの回路動作はよく知られているので説明を省略する。
図1(b)の回路方式では、前記(a)における2次側整流回路が4つのダイオードD1〜D4を用いたブリッジ整流回路になっている。ここでは2次巻線L2の中間タップ端子Fは不要である。
図1(c)の回路方式では、前記(a)における1次側スイッチング回路が4つのスイッチングトランスQ1〜Q4を用いたフルブリッジ回路になっている。ここでは1次巻線L1の中間タップ端子Cは不要である。
図1(d)の回路方式では、前記(c)における2次側スイッチング回路が4つのダイオードD1〜D4を用いたブリッジ整流回路になっている。ここでは2次巻線L2の中間タップ端子Fも不要である。
【0003】
===シートトランスの基本構造===
シートトランスあるいはプレーナートランスと称されるトランスの基本的な構造を図2と図3に示している。この種のシートトランスは、多数の巻線セグメントシート1を積層した巻線積層体2とコア3とから構成される。巻線セグメントシート1は半ターンから数ターンの巻線パターン4が形成された印刷配線板である(あるいは打ち抜き金属薄板で巻線パターンを形成した配線板である。)。これら巻線セグメントシート1が各巻線パターン4の中心を揃えて積層されているとともに、各巻線パターン4の端部同士がスルーホールなどの手法で適宜に接続されて1次巻線と2次巻線を含んだ巻線積層体2となっている。この巻線積層体2の巻線中心部には貫通穴5があいており、その穴5にコア3の巻軸部6が貫通している。
【0004】
===従来の巻線構造===
図1に示したようなスイッチング電源のトランスTとして図2・図3に示した構造のシートトランスを適用したものが従来から知られている。従来のスイッチング電源用のシートトランスの場合、巻線積層体2における1次巻線と2次巻線の構成の仕方は図4に示すようになっていた。
【0005】
図4ではつぎの事項を図解している。図2・図3に示した構造のシートトランスにおいて、巻線積層体2は1次巻線積層体2aと2次巻線積層体2bの2つのグループに区分されている。両グループにはそれぞれ複数枚の巻線セグメントシート1が含まれ、1つのグループに属する複数枚の巻線セグメントシート1の各巻線パターンが一連のコイルを構成するように相互接続されている。
そして、1次巻線積層体2aの最上部の巻線セグメントシート1にあるコイル端が1次巻線L1の端子Aに接続され、1次巻線積層体2aの最下部のシート1にあるコイル端が1次巻線L1の端子Bに接続され、また1次巻線積層体2aの中間のシート1の巻線パターン4が必要に応じて1次巻線L1の中間タップ端子Cに接続されている。
同様に、2次巻線積層体2bの最上部シート1にあるコイル端が2次巻線L2の端子Dに接続され、2次巻線積層体2bの最下部シート1にあるコイル端が2次巻線L2の端子Eに接続され、2次巻線積層体2bの中間シート1の巻線パターン4が必要に応じて2次巻線L2の中間タップ端子Fに接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図2・図3・図4に示した従来のシートトランスを用いた図1のようなスイッチング電源においては、つぎに説明する2つの問題があった。
第1の問題は漏れ磁束が大きいことである。典型的な例として図1(d)の回路について説明する。この回路方式では、1次巻線L1の全体に入力電流が方向を反転しながら流れ、2次巻線L2の全体に出力電流が方向を反転しながら流れ、入力電流によりコア3に生じる磁束が出力電流により生じる磁束によって相殺されるという関係になっている。ここで1次巻線L1の全体が図4の1次巻線積層体2aであり、この積層体2aの厚み領域において1次電流による磁界の磁位変化が集中している。このことを図5(a)に模式的に示している。つまり、1次巻線積層体2aの穴5を貫通しているコア3に局所的に作用する磁位ピーク値がきわめて大きく、そのため漏れ磁束が大きくなってしまう。なお、この問題点は後述する本発明の作用効果と対比することでより明瞭になるであろう。
図1(a)の回路方式の場合は1次巻線L1の中間タップ端子Cを使用し、1次巻線L1の半分ずつに交互に入力電流が流れる。そのため、図4における1次巻線積層体2aの半分の領域において入力電流による磁界の磁位変化が集中することになり、やはりコア5の局所に大きな磁位ピーク値が作用し、漏れ磁束が大きくなってしまう。このことを図5(b)に模式的に示している。
【0007】
もう1つの問題は1次巻線L1と2次巻線L2との間の浮遊容量を伝達する高周波ノイズが大きいことである。図4に示したように、1次巻線積層体2aの下に2次巻線積層体2bが配設されていると、1次巻線積層体2aの最下部の巻線セグメントシート1と2次巻線積層体2bの最上部の巻線セグメントシート1と間に相当に大きな静電容量を生じてしまう。対向している両シートの巻線パターン4の面積が大きいし、両シートの間隔が小さいし、両シートの基材の誘電率が大きいので、両シート間の静電容量が大きくなるのは避けがたい。
前記の大きな浮遊容量は、図1の4つの回路方式においては、1次巻線L1の端子Bに近い部分と2次巻線L2の端子Dに近い部分との間に生じている。各回路方式から明らかなように、端子Bと端子Dとの間にはスイッチング電源としての動作に伴ってきわめて大きな電圧変動が生じる。大きな浮遊容量を挟んで大きな電圧変動を生じるので、1次側の高周波ノイズが2次側に高レベルで伝達してしまう。なお、この問題点についても後述する本発明の作用効果と対比することでより明瞭になるであろう。
【0008】
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、スイッチング電源を構成したときに漏れ磁束を低減できるとともにノイズ性能を向上できるようにしたシートトランスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
===請求項1の発明===
つぎの事項(1)〜(5)により特定される発明である。
(1)双方向に励磁するスイッチングトランスで、多数の巻線セグメントシートを積層した巻線積層体とコアとから構成されるスイッチング電源用のシートトランスである。
【0010】
(2)巻線セグメントシートは半ターンから数ターンの巻線パターンが印刷形成または打ち抜き形成された配線板である。これら巻線セグメントシートが各巻線パターンの中心を揃えて積層されているとともに、各巻線パターンの端部同士が適宜に接続されて1次巻線と2次巻線を含んだ巻線積層体となっている。この巻線積層体の巻線中心部には貫通穴があいており、その穴にコアの巻軸部が貫通している。
【0011】
(3)巻線積層体の構成は、上から順に第1コイル部・第2コイル部・第3コイル部・第4コイル部・第5コイル部・第6コイル部の少なくとも6つのグループに区分される部分を持っている。1つのグループに属する複数枚の巻線セグメントシートの各巻線パターンは一連のコイルを構成するように相互接続されており、グループ内の最上部のシートに上方コイル端があり、最下部のシートに下方コイル端がある。
【0012】
(4)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の下方コイル端とが接続され、第5コイル部の上方コイル端と第2コイル部の下方コイル端とが接続され、第2コイル部の上方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部と第6コイル部の巻線方向は同じであり、第2コイル部と第5コイル部の巻線方向は前記と反対になっている。
【0013】
(5)第3コイル部の下方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部の上方コイル端と第4コイル部の下方コイル端とが接続され、第4コイル部の上方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイル部の巻線方向は同じである。
【0014】
===請求項2の発明===
請求項1に記載のシートトランスにおいて、特定事項(4)をつぎの特定事項(41)に置換したもの。
(41)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端とが接続され、第5コイル部の下方コイル端と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。
【0015】
===請求項3の発明===
請求項1または請求項2に記載のシートトランスにおいて、特定事項(5)をつぎの特定事項(51)に置換したもの。
(51)第3コイル部の上方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部の下方コイル端と第4コイル部の上方コイル端とが接続され、第4コイル部の下方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイル部の巻線方向は同じであり、両者は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。
【0016】
===請求項4の発明===
請求項1〜3のいずれかに記載のシートトランスにおいて、端子Aが第1コイル部の下方コイル端に接続され、これの上方コイル端が他のコイル部に接続されているもの。
【0017】
===請求項5の発明===
請求項1〜4のいずれかに記載のシートトランスにおいて、端子Bが第6コイル部の上方コイル端に接続され、これの下方コイル端が他のコイル部に接続されているもの。
【0018】
===請求項6の発明===
請求項1または請求項3に記載のシートトランスにおいて、特定事項(4)をつぎの特定事項(42)に置換したもの。
(42)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端とが接続され、第5コイル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。第1コイル部と第2コイル部は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。第5コイル部と第6コイル部は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。
【0019】
===請求項7の発明===
請求項1〜6のいずれかに記載のシートトランスにおいて、第2コイル部と第5コイル部との接続部分が中間タップ端子Cに接続されているもの。
【0020】
===請求項8の発明===
請求項1〜7のいずれかに記載のシートトランスにおいて、第3コイル部と第4コイル部の接続部分が中間タップ端子Fに接続されているもの。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明にかかるスイッチング電源用のシートトランスの基本構造は、従来の技術の欄において図2と図3を用いて説明した内容と同じである。ただし、これらの図には従来技術と本発明の相違点は表現されていない。本発明の特徴部分について以下のように説明する。
【0022】
===図6の実施例===
請求項1の発明を図解したのが図6である。これには請求項7と8の特徴事項も併記している。この実施例においては、巻線積層体2は、上から順に第1コイル部21・第2コイル部22・第3コイル部23・第4コイル部24・第5コイル部25・第6コイル部26の6つのグループに区分される。1つのグループに属する複数枚の巻線セグメントシート1の各巻線パターン4は一連のコイルを構成するように相互接続されており、グループ内の最上部のシート1に上方コイル端があり、最下部のシート1に下方コイル端がある。
【0023】
第1コイル部21の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部21の下方コイル端と第5コイル部25の下方コイル端とが接続され、第5コイル部25の上方コイル端と第2コイル部22の下方コイル端とが接続され、第2コイル部22の上方コイル端と第6コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイル部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部21と第6コイル部26の巻線方向は同じであり、第2コイル部22と第5コイル部25の巻線方向は前記と反対になっている。また必要に応じて、第2コイル部22と第5コイル部25との接続部分が中間タップ端子Cに接続される。以上が1次巻線の構造である。
【0024】
2次巻線の構造はつぎのようになっている。第3コイル部23の下方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部23の上方コイル端と第4コイル部24の下方コイル端とが接続され、第4コイル部24の上方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部23と第4コイル部24の巻線方向は同じである。また必要に応じて、第3コイル部23と第4コイル部24との接続部分が中間タップ端子Fに接続される。
【0025】
以上のように構成されたシートトランスにおける1次巻線と2次巻線との間の浮遊容量について検討する。1次側の第2コイル部22の最下部シート1と2次側の第3コイル部23の最上部シート1とが対向しており、この間に大きな静電容量が発生する。同様に、2次側の第4コイル部24の最下部シート1と1次側の第5コイル部25の最上部シート1とが対向しており、この間に大きな静電容量が発生する。
【0026】
ここで、この発明のシートトランスを図1に示した4つの回路方式のスイッチング電源に適用した場合を検討する。大きな静電容量を生じる第2コイル部22の最下部シート1と2次側の第3コイル部23の最上部シート1との間、それに2次側の第4コイル部24の最下部シート1と1次側の第5コイル部25の最上部シート1との間は、図1の回路においては、トランスTの1次巻線L1の中間タップ端子Cの部分と2次巻線L2の中間タップ端子Fの部分の間に相当する。図1の回路から明らかなように、スイッチング電源としての動作中においても、中間タップ端子Cに近い巻線部分と中間タップ端子Fに近い巻線部分との間の電圧変動はごく小さく、両部分の電位はきわめて安定している。このように両部分間に大きな浮遊容量が存在しても、両部分間の電圧変動はきわめて小さいので、1次側から2次側に浮遊容量を介して伝達される高周波ノイズのレベルもきわめて小さくなる。これが本発明の顕著な効果の1つである。
【0027】
本発明のもう1つの効果は漏れ磁束の低減である。図6の巻線構造のシートトランスを図1(d)のスイッチング電源に適用した場合を想定する。コア3の巻軸6において、1次巻線L1は、第1コイル部21および第2コイル部22の積層体領域Xと、第5コイル部25および第6コイル部26の積層体領域Zとに幾何学的に分割されており、その分割された間に第3コイル部23および第4コイル部24の2次巻線L2の積層体領域Yが挟み込まれている。このスイッチング電源の動作に伴うコア巻軸6上の磁位の発生状況を図7(a)に模式的に示している。1次巻線L1に流れる入力電流による磁界は積層体領域XとZの2つの領域に分れて発生し、これらの磁界を相殺するように積層体領域Yに出力電流による磁界が発生する。そのため、コア巻軸6上の磁位ピーク値は図4の巻線構造の従来のトランスと比較してはるかに小さくなり、その分だけ漏れ磁束が小さくなる。いろいろな条件が同じであるとすると、従来のトランスを用いた場合の磁位ピーク値に対して本発明のトランスを用いた場合の磁位ピーク値は、図5(a)と図7(a)に示しているように約半分になる。したがって漏れ磁束の低減効果も顕著である。
【0028】
図1(a)(b)の回路方式のように1次巻線L1の中間タップ端子Cを使用するタイプのスイッチング電源の場合、図7(b)に示すように、端子AC間に入力電流が流れるとき、入力電流による磁界は第1コイル部21の領域と第5コイル部25の領域とに分れて発生し、端子BC間に入力電流が流れるとき、入力電流による磁界は第2コイル部22の領域と第6コイル部26の領域とに分れて発生する。したがって、いずれの動作時点でも、コア巻軸部6上における磁位ピーク値は図5(b)の従来技術の約半分と小さくなり、その分だけ漏れ磁束が小さくなる。
【0029】
===その他の実施例===
図6に示した巻線構造が本発明の最良の実施例である。この実施例に比べると効果の面で少し劣るが、次善あるいは次々善の実施例としてつぎのような巻線構造を採用してもよい。
【0030】
図8に示す実施例は図6の実施例とつぎの点が異なる。第1コイル部21の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部22の下方コイル端と第5コイル部25の上方コイル端とが接続され、第5コイル部25の下方コイル端と第2コイル部22の上方コイル端とが接続され、第2コイル部22の下方コイル端と第6コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイル部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部21・第2コイル部22・第5コイル部25・第6コイル部26の巻線方向は同じである。
【0031】
図9に示す実施例は図6の実施例とつぎの点が異なる。第3コイル部23の上方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部23の下方コイル端と第4コイル部24の上方コイル端とが接続され、第4コイル部24の下方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部23と第4コイル部24の巻線方向は同じであり、両者は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。なお、図8の構成と図9の構成を組み合わせた実施例もある得る。
【0032】
ここまで説明したいくつかの実施例において、端子Aが第1コイル部21の下方コイル端に接続され、これの上方コイル端が他のコイル部に接続されている形態や、端子Bが第6コイル部26の上方コイル端に接続され、これの下方コイル端が他のコイル部に接続されている形態も採り得る。
【0033】
図10に示す実施例は図6の実施例とつぎの点が異なる。第1コイル部21の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部21の下方コイル端と第2コイル部22の上方コイル端とが接続され、第2コイル部22の下方コイル端と第5コイル部25の上方コイル端とが接続され、第5コイル部25の下方コイル端と第6コイル部26の上方コイル端とが接続され、第6コイル部26の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部21・第2コイル部22・第5コイル部25・第6コイル部26の巻線方向は同じである。第1コイル部21と第2コイル部22は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。第5コイル部25と第6コイル部26は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。
【0034】
【発明の効果】
この発明にかかるシートトランスを用いてスイッチング電源(DC−DCコンバータ)を構成すれば、トランスの漏れ磁束が従来より少なくなり、高効率の電源装置を実現することができる。また、トランスの1次巻線と2次巻線の間の浮遊容量を伝わる高周波ノイズのレベルが従来より大幅に低減され、低ノイズの電源装置を実現することができる。なお、この明細書で使用している1次側、2次側は説明を判り易くするために定義しているものであり、逆にして使用しても同様の機能は得られ権利範囲としても適用されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象となるスイッチング電源の4つの回路方式を示す図である。
【図2】この発明の対象となるシートトランスの基本構造を示す分解斜視図である。
【図3】この発明の対象となるシートトランスの基本構造を示す斜視図である。
【図4】従来のシートトランスの巻線構造を示す模式図である。
【図5】同上従来のシートトランスをスイッチング電源に適用した場合のトランスの作用説明図である。
【図6】この発明の第1実施例によるシートトランスの巻線構造を示す模式図である。
【図7】同上実施例のシートトランスをスイッチング電源に適用した場合のトランスの作用説明図である。
【図8】この発明の第2実施例によるシートトランスの巻線構造を示す模式図である。
【図9】この発明の第3実施例によるシートトランスの巻線構造を示す模式図である。
【図10】この発明の第4実施例によるシートトランスの巻線構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 巻線セグメントシート
2 巻線積層体
3 コア
4 巻線パターン
5 貫通穴
6 巻軸部
21 第1コイル部
22 第2コイル部
23 第3コイル部
24 第4コイル部
25 第5コイル部
26 第6コイル部
T トランス
L1 1次巻線
L2 2次巻線
Claims (8)
- つぎの事項(1)〜(5)により特定される発明。
(1)双方向に励磁するスイッチングトランスで、多数の巻線セグメントシートを積層した巻線積層体とコアとから構成されるスイッチング電源用のシートトランスである。
(2)巻線セグメントシートは半ターンから数ターンの巻線パターンが印刷形成または打ち抜き形成された配線板である。これら巻線セグメントシートが各巻線パターンの中心を揃えて積層されているとともに、各巻線パターンの端部同士が適宜に接続されて1次巻線と2次巻線を含んだ巻線積層体となっている。この巻線積層体の巻線中心部には貫通穴があいており、その穴にコアの巻軸部が貫通している。
(3)巻線積層体の構成は、上から順に第1コイル部・第2コイル部・第3コイル部・第4コイル部・第5コイル部・第6コイル部の少なくとも6つのグループに区分される部分を持っている。1つのグループに属する複数枚の巻線セグメントシートの各巻線パターンは一連のコイルを構成するように相互接続されており、グループ内の最上部のシートに上方コイル端があり、最下部のシートに下方コイル端がある。
(4)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の下方コイル端とが接続され、第5コイル部の上方コイル端と第2コイル部の下方コイル端とが接続され、第2コイル部の上方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部と第6コイル部の巻線方向は同じであり、第2コイル部と第5コイル部の巻線方向は前記と反対になっている。
(5)第3コイル部の下方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部の上方コイル端と第4コイル部の下方コイル端とが接続され、第4コイル部の上方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイル部の巻線方向は同じである。 - 請求項1に記載のシートトランスにおいて、特定事項(4)をつぎの特定事項(41)に置換したもの。
(41)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端とが接続され、第5コイル部の下方コイル端と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。 - 請求項1または請求項2に記載のシートトランスにおいて、特定事項(5)をつぎの特定事項(51)に置換したもの。
(51)第3コイル部の上方コイル端が端子Dに接続され、第3コイル部の下方コイル端と第4コイル部の上方コイル端とが接続され、第4コイル部の下方コイル端が端子Eに接続されている。第3コイル部と第4コイル部の巻線方向は同じであり、両者は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシートトランスにおいて、端子Aが第1コイル部の下方コイル端に接続され、これの上方コイル端が他のコイル部に接続されているもの。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のシートトランスにおいて、端子Bが第6コイル部の上方コイル端に接続され、これの下方コイル端が他のコイル部に接続されているもの。
- 請求項1または請求項3に記載のシートトランスにおいて、特定事項(4)をつぎの特定事項(42)に置換したもの。
(42)第1コイル部の上方コイル端が端子Aに接続され、第1コイル部の下方コイル端と第2コイル部の上方コイル端とが接続され、第2コイル部の下方コイル端と第5コイル部の上方コイル端とが接続され、第5コイル部の下方コイル端と第6コイル部の上方コイル端とが接続され、第6コイル部の下方コイル端が端子Bに接続されている。第1コイル部・第2コイル部・第5コイル部・第6コイル部の巻線方向は同じである。第1コイル部と第2コイル部は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。第5コイル部と第6コイル部は実質的に区分のない一連のコイルを構成している。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のシートトランスにおいて、第2コイル部と第5コイル部との接続部分が中間タップ端子Cに接続されているもの。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のシートトランスにおいて、第3コイル部と第4コイル部の接続部分が中間タップ端子Fに接続されているもの。
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