以下、仮想試着装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、衣料品,装飾品等の服飾品を商品として販売する店の試着室に装備される試着室端末2を仮想試着装置に適用した場合である。
図1は、本実施形態に係る仮想試着システムの全体構成図である。このシステムは、試着支援サーバ1と試着室端末2とを含む。試着室端末2は、店の試着室3に装備される。試着支援サーバ1と試着室端末2とは、インターネット等のネットワーク4によって双方向通信自在に接続される。
試着支援サーバ1は、商品情報データベース5、商品画像データベース6及び推奨商品データベース7を主に管理する。商品情報データベース5は、当該店にて販売される商品に関するデータを蓄積する。商品画像データベース6は、商品の画像データを蓄積する。推奨商品データベース7は、商品を試着した顧客の同伴者に対して推奨する商品のデータを蓄積する。
図2は、商品情報データベース5に格納される商品データレコード5Rの構成図である。図2に示すように、商品情報データベース5には、商品ID、商品分類、商品名、価格及び同伴者属性別の推奨商品コードを含む商品データレコード5Rが蓄積される。商品IDは、衣料品,装飾品等の服飾品に属する商品を個々に識別するために割当てられる固有のコードである。商品分類は、対応する商品IDによって特定される商品の種類(スーツ、ワンピース、ジャケット、ワイシャツ、ネクタイ、ネットレス等)を特定するデータである。商品名及び価格は、同商品のデータである。同伴者属性別の推奨商品コードは、顧客と同伴者との様々な間柄(夫婦、恋人、親子、友人等)を区分する同伴者属性A,B,C,…,X別に、同商品を顧客または同伴者の一方が着用した場合に他方に対して推奨する商品をまとめた群を特定するコードである。
図3は、商品画像データベース6に格納される画像データレコード6Rの構成図である。図3に示すように、商品画像データベース6には、商品IDと商品画像データとを含む画像データレコード6Rが蓄積される。商品画像データは、対応する商品IDによって特定される商品を撮影した画像のデータである。
図4は、推奨商品データベース7に格納される推奨商品データレコード7Rの構成図である。図4に示すように、推奨商品データベース7には、推奨商品コード、推奨商品数n及びこの数n個分の商品ID1〜商品IDnを含む推奨商品データレコード7Rが蓄積される。推奨商品数nは、対応する推奨商品コードで特定される推奨商品群に属する商品の総数である。商品ID1〜商品IDnは、同推奨商品群に属する商品の個々の商品IDである。
図5は、前記試着室端末2を装備した試着室3を示す斜視図である。試着室3は、図5に示すように、上面と正面の一部とが開口した直方体形状を有する。試着室3の正面の開口部分は、顧客が出入するための出入口31となる。出入口31には、布製のカーテン32が図示しないカーテンレールによって開閉自在に取り付けられる。なお、試着室3の出入口31は、カーテン32の代わりに、例えばスライド開閉自在な扉を設けてもよい。
図5では、カーテン32を開いた状態の試着室3を示しているため、試着室3の中を視認できる。図5に示すように、試着室3の中の背面側の壁には、商品である服飾品を試着する顧客の画像を表示する試着室端末2が取り付けられる。そして、この試着室端末2の上方位置に、蛍光灯である照明33が取り付けられる。
試着室端末2は、厚みのある平板状のハウジング21を備える。そしてこのハウジング21に対して、例えば液晶ディスプレイからなる表示部22と、試着室3に入って商品を試着する人物を撮影する撮影手段としてのカメラ23とが取り付けられる。また、バーコードを読み取るためのスキャナ24と、操作部としてのタッチパネル25とが、ハウジング21の近傍に取り付けられる。スキャナ24とタッチパネル25とは、試着室端末2との間でデータ通信可能に有線接続される。バーコードは、例えば商品に付された商品タグに印刷されており、当該商品タグが付された商品の商品IDを表わす。
試着室3の背面には、細長い円柱状のポール34が立設される。ポール34の先端部には、例えば赤色を発光可能な発光部26が設けられる。発光部26は、ポール34を通る図示しない通信線によって試着室端末2と接続されており、試着室端末2のCPU201(図6参照)によって動作制御を受ける。なお、CPU201による動作制御を受けていない状態では、発光部26は発光動作をしていない。
図6は、試着室端末2の要部構成を示すブロック図である。試着室端末2は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)201を備える。また、主記憶部であるROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203と、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ204とを備える。ROM202,RAM203及びフラッシュメモリ204は、アドレスバス,データバス等のバスライン205を介してCPU201に接続される。
また、試着室端末2は、前記ネットワーク4に接続され、このネットワーク4を介して前記試着支援サーバ1との間で行われるデータ通信を司る通信インターフェース206、前記スキャナ24で読み取られたバーコードデータを取り込むスキャナインターフェース207、前記カメラ23の撮影動作を制御するカメラコントローラ208、前記表示部22を制御する表示コントローラ209、前記タッチパネル25の画面表示を制御するとともにタッチされた位置の座標データを検出するタッチパネルコントローラ210及び前記発光部26に対して発光オン、オフの信号を出力する出力ポート211を備える。これら通信インターフェース206、スキャナインターフェース207、カメラコントローラ208、表示コントローラ209、タッチパネルコントローラ210及び出力ポート211も、前記バスライン205を介してCPU201に接続される。
ROM202には、後述する仮想試着プログラム等の固定的データが予め格納される。RAM203には、種々の可変的データを書き換え自在に記憶するためのメモリエリアが形成される。
図7は、RAM203に形成される主要なメモリエリアを示す。客画像1エリア41、客画像2エリア42、同伴者属性エリア43、同伴者フラグエリア44、試着商品ID1エリア45、試着商品ID2エリア46、推奨商品コードエリア47及び合計エリア48が、RAM203に形成される。
客画像1エリア41及び客画像2エリア42は、試着する人物の画像データを記憶する画像記憶部であり、カメラ23によって撮影された人物の画像データが格納される。同伴者属性エリア43は、客画像1エリア41と客画像2エリア42とにそれぞれ人物画像データが格納された二人の人物の間柄を表わす同伴者属性データを記憶する。同伴者フラグエリア44は、試着する人物に対して同伴者がいる場合にセットされる同伴者フラグを記憶する。試着商品ID1エリア45は、客画像1エリア41に画像データが格納された人物が仮想的に試着する商品の商品ID等を記憶する。試着商品ID2エリア46は、客画像2エリア42に画像データが格納された人物が仮想的に試着する商品の商品ID等を記憶する。推奨商品コードエリア47は、同伴者に対して推奨する商品がまとめられた推奨商品群を識別する推奨商品コードを記憶する。合計エリア46は、試着商品ID1エリア45及び試着商品ID2エリア46に記憶された商品IDで識別される商品の価格を合計を記憶する。
かかる構成の試着室端末2は、デフォルトの状態として、タッチパネル25にスタートボタンが表示される。そしてこのスタートボタンがタッチされると、試着室端末2では、仮想試着プログラムが起動する。このプログラムの起動により、CPU201は、図8の流れ図に示す手順の処理を開始する。
先ず、CPU201は、同伴者フラグエリア44から同伴者フラグをリセットする(ST1)。次に、CPU201は、タッチパネル25に「撮影」ボタンを表示させ、タッチされるのを待機する(ST2)。「撮影」ボタンがタッチされると(ST2にてYES)、CPU201は、カメラ23を作動させる(ST3)。これにより、試着室3内が撮影されるので、CPU201は、カメラ23によって撮影された画像から人物の画像データを切り出し、客画像1エリア41に格納する(ST4)。またCPU201は、客画像1エリア41に格納した画像データから、人物画像を表示部22に表示させる(ST5)。
次に、CPU201は、図13に示すように、タッチパネル25に「試着」ボタン51、「同伴者」ボタン52、「購入」ボタン53及び「終了」ボタン54を表示させる。そしていずれかのボタン51〜54がタッチされるのを待機する(ST6,7,8,9)。ここで、「同伴者」ボタン52がタッチされた場合には、CPU201は、同伴者処理を実行する(ST10)。そして、同伴者処理が終了したならば、CPU201は、再度、いずれかのボタン51〜54がタッチされるのを待機する(ST6,7,8,9)。
同様に、「試着」ボタン51がタッチされた場合には、CPU201は、試着処理を実行する(ST11)。そして、試着処理が終了したならば、CPU201は、再度、いずれかのボタン51〜54がタッチされるのを待機する(ST6,7,8,9)。
一方、「購入」ボタン53がタッチされた場合には、CPU201は、購入処理を実行する(ST12)。そして購入処理が終了したならば、CPU201は、表示部22の表示を消去する(ST13)。また、「終了」ボタン54がタッチされた場合には、CPU201は、直ちに表示部22を消去する(ST13)。表示部22が消去されると、仮想試着プログラムは終了する。
図9は、ステップST10の同伴者処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち図13の画面において、「同伴者」ボタン52がタッチされると、CPU201は、同伴者フラグエリア44をチェックする(ST21)。同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされていない場合、同伴者は未登録である。逆に、同伴者フラグがセットされている場合には、同伴者が登録済である。同伴者が登録済の場合(ST21にてNO)、同伴者処理は終了する。
同伴者が未登録の場合には(ST21にてYES)、CPU201は、タッチパネル25に同伴者属性選択画面60を表示させる。図14は、同伴者属性選択画面60の一例である。図示するように同伴者属性選択画面60には、プルダウン式の選択ボックス61が形成され、このボックス61のプルダウンリストに掲載されている項目の中からいずれか1項目が選択可能である。プルダウンリストには、「恋人(男性)」、「恋人(女性)」、「夫」、「妻」、「友人(女性)」というように、客と同伴者との二人の間柄を表わす項目、すなわち同伴者属性が設定されている。
また、同伴者属性選択画面60には、「実行」ボタン61が表示されており、CPU201は、「実行」ボタン61がタッチされるのを待機する(ST23)。「実行」ボタン61がタッチされると(ST23のYES)、CPU201は、選択ボックス61にて選択された項目が、客と同伴者との間柄を指定する同伴者属性のデータであると認識する。そしてCPU201は、この同伴者属性のデータを同伴者属性エリア43に格納する(ST24:間柄取得手段)。
またCPU201は、タッチパネル25に「撮影」ボタンを表示させ、タッチされるのを待機する(ST25)。「撮影」ボタンがタッチされると(ST25にてYES)、CPU201は、カメラ23を作動させる(ST26)。これにより、試着室3内が撮影されるので、CPU201は、カメラ23によって撮影された画像データから人物の画像データを切り出し、客画像2エリア42に格納する(ST27)。またCPU201は、客画像1エリア41に格納した画像データの客画像と客画像2エリア42に格納した画像データの客画像とを左右に並べて表示部22に表示させる(ST28)。さらにCPU201は、同伴者フラグエリア44に同伴者フラグをセットする(ST29)。以上で、同伴者処理は終了する。
図10は、試着処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち図13の画面において、「試着」ボタン51がタッチされると、CPU201は、商品IDが入力されるのを待機する(ST31)。スキャナ24によって商品IDのバーコードが読み取られると(ST31にてYES)、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、そのバーコードから得られる商品IDで識別される商品のデータを要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該商品IDを含む商品データレコード5Rを取得したならば(ST32:品特定手段)、CPU201は、同伴者フラグエリア44を確認する(ST33)。同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされていない場合(ST33にてNO)、CPU201は、ステップST41の処理に進む。
ステップST41では、CPU201は、バーコードから得られた商品IDを、試着商品ID1エリア45に格納する。また、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、当該商品IDで識別される商品の画像データを要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該商品IDを含む画像データレコード6Rを取得したならば、CPU201は、この画像データレコード6Rに含まれる商品画像データの画像を、客画像1エリア41に格納されている画像データの人物画像に重ね合わせて表示させる(ST42)。
しかる後、CPU201は、同伴者フラグエリア44を再度確認する(ST43)。この場合、同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされていないので(ST43にてNO)、試着処理は終了する。
これに対し、同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされている場合には(ST33にてNO)、CPU201は、タッチパネル25の画面を試着対象者選択画面70に切り替える(ST34)。試着対象者選択画面70の一例を図15に示す。図15に示すように、試着対象者選択画面70には、「お客様」ボタン71と「同伴者」ボタン72とが表示されている。CPU201は、「お客様」ボタン71または「同伴者」ボタン72がタッチされるのを待機する(ST35,36:選択手段)。
「お客様」ボタン71がタッチされると(ST35にてYES)、CPU201は、ステップST41の処理に進む。すなわちCPU201は、バーコードから得られた商品IDを、試着商品ID1エリア45に格納する(ST41)。また、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、当該商品IDで識別される商品の画像データを要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該商品IDを含む画像データレコード6Rを取得したならば、CPU201は、この画像データレコード6Rに含まれる商品画像データの画像を、客画像1エリア41に格納されている画像データの人物画像に重ね合わせて表示させる(ST42:表示手段)。
しかる後、CPU201は、同伴者フラグエリア44を再度確認する(ST43)。この場合、同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされているので、CPU201は、タッチパネル25の画面を同伴者推奨サービス選択画面80に切り替える(ST44)。同伴者推奨サービス選択画面80の一例を図16に示す。図16に示すように同伴者推奨サービス選択画面80には、同伴者推奨サービスを利用するときタッチされる「YES」ボタン81と利用しないときタッチされる「NO」ボタン82とが表示される。
CPU201は、「YES」ボタン81または「NO」ボタン82のいずれか一方が操作されるのを待機する(ST45)。「YES」ボタン81がタッチされると(ST45にてYES)、CPU201は、同伴者推奨処理を実行する(ST46)。「NO」ボタン82がタッチされた場合には(ST45にてNO)、同伴者推奨処理は実行されない。以上で、試着処理は終了する。
試着対象者選択画面70において、「同伴者」ボタン72がタッチされた場合には(ST36にてYES)、CPU201は、バーコードから得られた商品IDを、試着商品ID2エリア46に格納する(ST37)。また、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、当該商品IDで識別される商品の画像データを要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該商品IDを含む画像データレコード6Rを取得したならば、CPU201は、この画像データレコード6Rに含まれる商品画像データの画像を、客画像2エリア42に格納されている画像データの人物画像に重ね合わせて表示させる(ST38:表示手段)。以上で、試着処理は終了する。
図11は、同伴者推奨処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち同伴者推奨サービス選択画面80の「YES」ボタン81がタッチされると、CPU201は、先ず、同伴者属性エリア43から同伴者属性データを取得する。そしてCPU201は、試着商品1エリア45に格納されている商品IDの商品データレコードから当該同伴者属性データの推奨商品コードを取得する(ST51)。
次いで、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、この推奨商品コードで識別される推奨商品群の商品ID(推奨商品ID1〜IDn)を要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該推奨商品コードを含む推奨商品データレコード7Rを取得したならば(ST52:推奨品決定手段)、CPU201は、カウンタiを一旦“0”にリセットする(ST53)。そしてCPU201は、カウンタiを“1”だけカウントアップする(ST54)。
カウンタiをカウントアップする毎に、CPU201は、カウンタiが推奨商品データレコード7Rに含まれる推奨商品数nを超えたか否かを確認する(ST55)。超えていない場合(ST55のNO)、CPU201は、推奨商品データレコード7Rから推奨商品IDi(“i”はカウンタiの値)を取得する(ST56)。
CPU201は、取得した推奨商品IDiを試着商品ID2エリア46に格納する(ST57)。また、CPU201は、試着支援サーバ1に対し、当該商品IDで識別される商品の画像データを要求する。この要求に応答して、試着支援サーバ1から当該商品IDを含む画像データレコード6Rを取得したならば、CPU201は、この画像データレコード6Rに含まれる商品画像データの画像を、客画像2エリア42に格納されている画像データの人物画像に重ね合わせて表示させる(ST58:報知手段)。
しかる後、CPU201は、タッチパネル25に「次へ」ボタンと「終了」ボタンとを表示させる。そしてCPU201は、「次へ」ボタンまたは「終了」ボタンのいずれかがタッチされるのを待機する(ST59,60)。ここで、「終了」ボタンがタッチされると(ST60にてYES)、同伴者推奨処理は終了する。
これに対し、「次へ」ボタンがタッチされた場合には(ST59にてYES)、CPU201は、ステップST54の処理に戻る。すなわちCPU201は、カウンタiをさらにカウントアップする。そして、カウンタiが推奨商品数nを超えていなければ、CPU201は、ステップST56〜ST60の各処理を実行する。カウンタiが推奨商品数nを超えた場合には、CPU201は、カウンタiを“0”にリセットする(ST53)。しかる後、CPU201は、ステップST54以降の処理を再度実行する。
図12は、購入処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち図13の画面において、「購入」ボタン71がタッチされると、CPU201は、同伴者フラグエリア44を確認する(ST71)。同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされていない場合(ST71にてNO)、CPU201は、試着商品ID1エリア45に商品IDが格納されているか否かを確認する(ST72)。商品IDが格納されていない場合(ST72にNO)、試着する商品を選択する前に「購入」ボタン71にタッチした誤操作なので、購入処理は終了する。
これに対し、試着商品ID1エリア45に商品IDが格納されている場合には(ST72にてYES)、CPU201は、この商品IDで識別される商品の商品名及び価格を、「確認」ボタンとともに表示する(ST72)。そしてCPU201は、「確認」ボタンがタッチされるのを待機する(ST84)。「確認」ボタンがタッチされると(ST84にてYES)、購入処理は終了する。
一方、同伴者フラグエリア44に同伴者フラグがセットされている場合(ST71にてYES)、CPU201は、合計エリア48をクリアする(ST74)。しかる後、CPU201は、試着商品ID1エリア45に商品IDが格納されているか否かを確認する(ST75)。商品IDが格納されていない場合(ST75にてNO)、CPU201は、ステップST79の処理に進む。
試着商品ID1エリア45に商品IDが格納されている場合(ST75にてYES)、CPU201は、タッチパネル25に客様用購入確認画面90を表示させる(ST76)。客様用購入確認画面90の一例を図17に示す。図17に示すように、客様用購入確認画面90には、試着商品ID1エリア45に格納されている商品IDによって特定される商品の商品名及び価格が、「購入する」ボタン91及び「購入しない」ボタン92とともに表示される。
CPU201は、「購入する」ボタン91または「購入しない」ボタン92のいずれかがタッチされるのを待機する(ST77)。「購入しない」ボタン92がタッチされると(ST77にてNO)、CPU201は、ステップST79の処理に進む。
これに対し、「購入する」ボタン91がタッチされた場合には(ST77にてYES)、CPU201は、試着商品ID1エリア45に格納された商品IDによって特定される商品の価格を合計エリア48に加算する(ST78)。しかる後、CPU201は、ステップST79の処理に進む。
ステップST79では、CPU201は、試着商品ID2エリア46に商品IDが格納されているか否かを確認する。商品IDが格納されていない場合(ST79にてNO)、CPU201は、ステップST83の処理に進む。
試着商品ID2エリア45に商品IDが格納されている場合には(ST79にてYES)、CPU201は、タッチパネル25に同伴者用購入確認画面100を表示させる(ST80)。同伴者用購入確認画面100の一例を図18に示す。図18に示すように、同伴者用購入確認画面100には、試着商品ID2エリア46に格納されている商品IDによって特定される商品の商品名及び価格が、「購入する」ボタン101及び「購入しない」ボタン102とともに表示される。
CPU201は、「購入する」ボタン101または「購入しない」ボタン102のいずれかがタッチされるのを待機する(ST81)。「購入しない」ボタン102がタッチされると(ST81にてNO)、CPU201は、ステップST83の処理に進む。
これに対し、「購入する」ボタン101がタッチされた場合には(ST81にてYES)、CPU201は、試着商品ID2エリア46に格納された商品IDによって特定される商品の価格を合計エリア48に加算する(ST80)。しかる後、CPU201は、ステップST83の処理に進む。
ステップST83では、CPU201は、図19に示すように、合計エリア48内の金額を、試着商品ID1エリア45に格納された商品IDによって特定される商品の商品名及び価格と、試着商品ID2エリア46に格納された商品IDによって特定される商品の商品名及び価格とともにタッチパネル25に表示する。またCPU201は、タッチパネル25に「確認」ボタン111も表示する。そしてCPU201は、「確認」ボタン111がタッチされるのを待機する(ST84)。「確認」ボタン111がタッチされると(ST84にてYES)、購入処理は終了する。
本実施形態の仮想試着システムが構築された店に同伴者とともに訪れた顧客は、商品を試着するために試着室3に入ると、先ず、タッチパネル25のスタートボタンにタッチする。そうすると、タッチパネル25に「撮影」ボタンが表示されるので、この「撮影」ボタンにタッチする。そうすると、カメラ23が作動して顧客が撮影され、顧客の画像が表示部22に表示される。このとき、客画像1エリア41には、当該顧客の画像データが格納される。また、タッチパネル25には、図13に示すように、「試着」ボタン51、「同伴者」ボタン52、「購入」ボタン53及び「終了」ボタン54が表示される。
ここで、商品を仮想的に試着する場合、顧客は、「試着」ボタン51にタッチした後、スキャナ24を操作して、試着する商品に付されたバーコードを読み取らせる。そうすると、この商品の商品IDが試着商品ID1エリア45に格納される。また、この商品の画像を顧客の画像に重ね合わせた合成画像が、表示部22に表示される。この合成画像により、顧客は、商品を着用したイメージを、商品を試着することなく捉えることができる。ただし、商品を着用した顧客が同伴者と共に居るときのイメージを具体的に捉えることは困難である。
そこで顧客は、「同伴者」ボタン52にタッチする。そうすると、タッチパネル25に、同伴者属性選択画面60が表示されるので、顧客は、選択ボックス61のプルダウンリストから同伴者との間柄に相当する項目を選択する。これにより、選択された項目を示す同伴者属性データが同伴者属性エリア43に格納される。なお、顧客の代わりに同伴者が試着室3内に入って、プルダウンリストから項目を選択してもよい。
同伴者属性の項目を選択すると、タッチパネル25に「撮影」ボタンが表示されるので、試着室3内に入った同伴者はこの「撮影」ボタンにタッチする。そうすると、カメラ23が作動して同伴者が撮影され、同伴者の画像が顧客の画像と並んで表示部22に表示される。したがって、顧客及び同伴者は、表示部22に表示された画像、つまりは顧客と同伴者が並んでおり、顧客には商品が重ねられた画像から、商品を着用した顧客が同伴者と共に居るときのイメージを容易に捉えることができる。
なお、上記説明では、先に、顧客が試着する商品のバーコードをスキャナ24で読み取り、その後、「同伴者」ボタン52にタッチして同伴者の画像を撮影するようにした。しかしながら、本実施形態の仮想試着システムでは、上記のような順番に限定されるものではない。先に、「同伴者」ボタン52にタッチして同伴者の画像を撮影した後、試着する商品のバーコードをスキャナ24で読み取ってもよい。
すなわち、自身の画像が表示部22に表示されたことを確認した顧客は、「同伴者」ボタン52にタッチして同伴者と入れ替わる。あるいは同伴者と入れ替わり、同伴者が「同伴者」ボタン52にタッチする。そうすると、タッチパネル25に「撮影」ボタンが表示されるので、試着室3内に入った同伴者はこの「撮影」ボタンにタッチする。そうすると、カメラ23が作動して同伴者が撮影され、同伴者の画像が顧客の画像と並んで表示部22に表示される。このとき、客画像2エリア42には、当該同伴者の画像データが格納される。また、タッチパネル25には、「試着」ボタン51、「同伴者」ボタン52、「購入」ボタン53及び「終了」ボタン54が再度表示される。
そこで顧客または同伴者は、スキャナ24を操作して、試着する商品に付されたバーコードを読み取らせる。そうすると、タッチパネル25に試着対象者選択画面70が表示されるので、顧客または同伴者は、当該商品を顧客が試着する場合には「お客様」ボタン71にタッチする。そうすると、この商品の商品IDが試着商品ID1エリア45に格納される。また、この商品の画像を顧客の画像に重ね合わせた合成画像が、同伴者の画像とともに表示部22に表示される。したがって、顧客及び同伴者は、表示部22の画像から商品を着用した顧客が同伴者と共に居るときのイメージを容易に捉えることができる。
なお、本実施形態では、商品を顧客が試着するのでなく同伴者が試着することも可能である。すなわち、試着対象者選択画面70において、顧客または同伴者が「同伴者」ボタン52にタッチすると、この商品の商品IDが試着商品ID2エリア46に格納される。また、この商品の画像を同伴者の画像に重ね合わせた合成画像が、顧客の画像とともに表示部22に表示される。したがって、顧客及び同伴者は、表示部22の画像から商品を着用した同伴者が顧客と共に居るときのイメージを容易に捉えることができる。
ところで、商品を試着した顧客だけでなく同伴者も別の商品を試着して、二人が共に居るときのイメージを掴みたいという要望もある。この場合には、顧客または同伴者は、図13の画面において、「同伴者」ボタン52にタッチして同伴者登録を行った後、「試着」ボタン51にタッチする。そして顧客または同伴者は、スキャナ24を操作して、同伴者が試着する商品のバーコードを読み取らせる。そうすると、タッチパネル25に試着対象者選択画面70が表示されるので、顧客または同伴者は、「同伴者」ボタン72にタッチする。そうすると、この商品の商品IDが試着商品ID2エリア46に格納される。また、この商品の画像を同伴者の画像に重ね合わせた合成画像が、顧客の画像とともに表示部22に表示される。
したがって、表示部22には、顧客と同伴者の画像が並んで表示されるとともに、各人物画像にはそれぞれ試着する商品の画像が重ね合わせて表示されるので、各人が商品を着用したイメージを容易に捉えることができる。
また、本実施形態の仮想試着システムは、商品を試着した顧客の同伴者に対して商品を推奨する機能を有している。この機能は、同伴者登録を終えた顧客が、自らが着用する商品のバーコードをスキャナ24で読み取ることで可能となる。すなわち、顧客または同伴者がスキャナ24を操作して商品のバーコードを読み取らせた後、試着対象者選択画面70の「お客様」ボタン71にタッチすると、タッチパネル25に同伴者推奨サービス選択画面80が表示されるので、顧客または同伴者は、この画面80の「YES」ボタン81にタッチする。
そうすると、商品情報データベース5において、当該商品の商品IDを含み記憶されている商品データレコード5Rから、当該顧客と同伴者との間柄を示す同伴者属性データに対応した推奨商品コードが決定される。例えば、顧客が女性であり、同伴者がその恋人(男性)であった場合には、顧客が選んだ商品に対して、男性の恋人が着用するのに適した様々な種類の商品をまとめた推奨商品コードが決定される。そしてさらに、推奨商品データベース7から、当該推奨商品コードに関連付けて記憶された各種商品の商品IDが検出される。そして、いずれか1つの商品IDで特定される商品の画像が、同伴者の画像に重ね合わせて表示される。また、タッチパネル25には、「次へ」ボタンと「終了」ボタンとが表示される。
ここで、他の推奨商品を確認したい場合には、顧客または同伴者は「次へ」ボタンにタッチする。確認を終える場合には、顧客または同伴者は「終了」ボタンにタッチする。「終了」ボタンにタッチすると、最後に同伴者の画像と重ね合わされた商品の商品IDが、試着商品ID2エリア46にセットされる。
したがって、顧客及び同伴者は、試着した商品を顧客が着用したときに同伴者が着用するのに適した商品の情報を容易に得ることができる。しかも、顧客と同伴者とがそれぞれ商品を試着したイメージで推奨商品が提示されるので、同伴者の購買意欲を高めることができる。
さて、試着した商品を購入しない場合、顧客または同伴者は、図13の画面において「終了」ボタン54にタッチする。これに対し、購入する場合には「購入」ボタン53にタッチする。そうすると、先ず、お客様用購入確認画面90が表示されるので、顧客または同伴者は、顧客が試着した商品を購入する場合には「購入する」ボタン91にタッチし、購入しない場合には「購入しない」ボタン92にタッチする。次いで、同伴者様用購入確認画面100が表示されるので、顧客または同伴者は、同伴者が試着した商品を購入する場合には「購入する」ボタン101にタッチし、購入しない場合には「購入しない」ボタン102にタッチする。
以上の操作により、タッチパネル25には、顧客または同伴者が購入すると決めた商品の商品名及び価格と合計金額とが表示される。したがって、顧客及び同伴者は、購入すると決めた商品の合計金額を容易に知ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、推奨商品データベース7において、推奨商品コードに関連付けて推奨商品の商品IDを記憶する。このため、商品の種類に関わりなく推奨商品が報知される。そこで他の実施形態では、推奨商品データベース7において、推奨商品コードに関連付けて推奨商品の商品IDをその推奨商品の商品分類と対にして記憶する。また、推奨商品を確認する際に商品の分類を指定する手段を設ける。こうすることにより、指定された分類の推奨商品のみを報知できるようになる。
また、前記実施形態では、推奨商品の画像を1品ずつ同伴者の画像に重ね合わせることで、推奨商品を顧客及び同伴者に報知する。推奨商品の報知手段は、これに限定されるものではない。例えば、複数の推奨商品の画像をリスト形式で表示部22に表示して、報知するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、客と同伴者の2名で仮想試着システムを利用する場合が例示される。客画像エリアと試着商品IDエリアの数を増やす等によって、例えば両親と子供というように3名以上で利用可能な仮想試着システムを構築することは容易に実施できる。
また、前記実施形態では、表示部22の他にタッチパネル25を備えたが、表示部22をタッチパネルとし、種々の操作ボタンやガイダンス等をタッチパネル25でなく表示部22に表示するようにしてもよい。
なお、前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM202に発明の機能を実現させる制御プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。