JP2013245539A - 外装用建築板及び外壁構造 - Google Patents

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【課題】太陽光等から吸収した熱を放出しやすくすることで、ヒートアイランド現象の抑制が可能となり、また、室内側の温度上昇も起こりにくくすることができる外装用建築板及び外壁構造を提供する。
【解決手段】本発明の外装用建築板Aは、水硬性の無機質材料を主成分として形成され、裏面に放熱性塗料が塗布されて成る。また、本発明の外壁構造は、前記外装用建築板Aと、建物躯体3と、遮熱シート2とを備えて成る。前記建物躯体3の外面側に遮熱シート2を設け、この遮熱シート2の外面側に前記外壁用建築板Aを設けて成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物等の外壁に施工される外装用建築板、及びこの外装用建築板を用いた外壁構造に関する。
従来、建物の外壁には外装用建築板を施工することが行われている。このような外装用建築板を使用することで、建物の外観に優れた意匠性を付与できるものとなる。また、断熱性、耐火性、遮音性等の性能を有する外装用建築板を使用すれば、外壁に様々な機能を付与することも可能となる。特に、温暖化対策に積極的に取り組んでいる昨今、いわゆるヒートアイランド現象を抑制することや、室内の温度を上昇しにくくしてエアコン等のエネルギー量を抑制することは極めて重要な課題であり、このような観点からも外装用建築板を多種多様に機能化させることが種々行われている。例えば、特許文献1には、金属顔料を含む塗料を建材ボード(外装用建築板)の裏面側に塗布することで低熱放射率の裏面塗膜層を設け、この建材ボードを外壁に施工することで、屋内側への熱放射を抑制して室内の温度上昇を防止するようにしたことが開示されている。
特開2007−16558号公報
しかし、放熱を抑制するように形成した外装用建築板では、外装用建築板自体の温度は下がりにくいものとなってしまうため、日中に暖められた外装用建築板が夜間になっても冷えにくくなるので、ヒートアイランド現象を助長してしまうおそれがあった。また、外装用建築板からの放熱が抑制されることで、室内側の温度上昇が短時間で起こることは抑制できるものの、外装用建築板に熱が蓄積されていることが原因で、徐々にではあるが室内側の温度が上昇していく問題があった。そのため、室内のエアコン等のエネルギー使用量が増えてしまうおそれがあるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、太陽光等から吸収した熱を放出しやすくすることで、ヒートアイランド現象の抑制が可能となり、また、室内側の温度上昇も起こりにくくすることができる外装用建築板及び外壁構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る外装用建築板は、水硬性の無機質材料を主成分として形成された外装用建築板であって、裏面に放熱性塗料が塗布されて成ることを特徴とする。
また、前記外装用建築板は、表面に遮熱性塗料が塗布されて成ることが好ましい。
本発明に係る外壁構造は、前記外装用建築板と、建物躯体と、遮熱シートとを備えて成る外壁構造であって、前記建物躯体の外面側に遮熱シートを設け、この遮熱シートの外面側に前記外壁用建築板を設けて成ることを特徴とする。
また、前記遮熱シートと前記外壁用建築板との間に通気空間を形成して成ることが好ましい。
本発明の外装用建築板によれば、裏面側に放熱性塗料が塗布されて成るので、太陽光等から吸収した熱を放出しやすくなってヒートアイランド現象の抑制が可能となり、また、室内側の温度上昇も起こりにくくすることができるものである。
また、本発明の外壁構造によれば、太陽光等から吸収した熱を放出しやすい外装用建築板を施工して成るものであるので、ヒートアイランド現象の抑制が可能となり、また、室内側の温度上昇も起こりにくくすることができるものである。
本発明の外壁構造の実施の形態の一例を示し、(a)はその平面視断面図、(b)はa−a断面図である。 本発明の外装用建築板の板温測定をするための測定装置の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
外装用建築板Aは、水硬性の無機質材料を主成分として構成される基材1の裏面側に、放熱性塗料が塗布されて成るものである。ここでいう基材1の裏面側とは、壁下地等に外装用建築板Aを取り付けて外壁を施工したときに、室内側に配置される面、すなわち、壁下地と対向する面のことをいう。一方、基材1の表面側は、外装用建築板Aで外壁を施工したときに、屋外側に位置する面となる。
上記水硬性の無機質材料は、例えば、普通ポルトランドセメント、早強セメント、アルミナセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント等のセメント類、高炉スラグ、電気炉酸化スラグ等のスラグ、消石灰、生石灰の石灰類、あるいは石膏、炭酸マグネシウム等の材料を含む水硬性スラリーを硬化させることで形成される。上記水硬性スラリーは、必要に応じてシリカ等の充填材、珪石粉、パルプ、骨材、補強繊維、顔料、減水剤、増粘剤などを配合されたものであってもよい。また、通常は、水硬性スラリーには所定量の水が配合される。
基材1は、例えば、上記水硬性スラリー(押し出し成型の場合は、比較的水量が少なく粘土状)を押し出し成型機に投入し、押し出し型で成型することによって、所望の形状(例えば、板状)に成型することで形成させることができる。ただし、この状態では成型材料は完全に硬化されておらず、いわゆるグリーンシートの状態となっている。グリーンシートは抄造機を用いて得てもよい。得られたグリーンシートは、コンベアなどの搬送により、例えばプレス成型機等に送られてプレス成型される。また、上記成型の後、必要に応じてオートクレーブ養生、蒸気養生、常温養生を行って、窯業系の基材1を作製することができる。
基材1の形状は特に限定されるものではないが、例えば、略矩形状の板状にすることができる。また、基材1の少なくとも片面(表面側)には、例えば、格子柄やボーダー柄状等に凹凸模様が形成されていてもよい。
上記基材1の裏面側には、放熱性塗料が塗布されることで、放熱性塗膜が形成される。本発明でいう放熱性塗料は、塗布されて形成される塗膜(以下、放熱性塗膜ということがある)が放熱性を示す性質を有するものを示す。尚、一般的には、放熱性塗料のことを熱交換塗料と称されることもある。
放熱性塗料に含まれる熱変換物質としては、公知の材料、例えば、中空のセラミックビーズや放熱性を示すシリカ、グラファイト、その他種々の無機系粒子などが挙げられる。
上記放熱性塗料に含まれる塗料成分(塗膜形成樹脂)は特に限定されるものではないが、例えば、アクリルポリオールを主剤とし、イソシアネート樹脂を硬化剤として含むものが挙げられる。このような放熱性塗料は、一般に市販されているものを使用することができ、具体例としては、アルバー工業株式会社製のタフコートD42、タフコートD47、日進産業社製のガイナ等が知られている。上記放熱性塗料には、本発明の効果を阻害しない程度であれば、必要に応じてその他の添加物等が含有されていてもよい。
なお、放熱性塗料としては、上記のような熱交換塗料に限られず、アクリル樹脂をベースとした材料に、熱放射性の良好なシリカ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属化合物が添加されているような一般的な組成の塗料であってもよい。
放熱性塗料の基材1裏面への塗布にあたっては、その裏面の略全面にわたって均一に塗布することが好ましい。塗布方法は、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、ローラー塗装、刷毛による塗布、浸漬、フローコーター、カーテンフローコーター等の公知の方法を採用することができ、これらを組み合わせて塗布するようにしてもよい。放熱性塗料の塗布量は、例えば200〜400g/m(wet)の範囲にすることができ、この範囲であれば、得られる外装用建築板Aに充分な放熱性を付与することができる。尚、放熱性塗料に含まれる材料の種類によっては、塗布量を多くしすぎると遮熱効果が作用してしまうこともあり、これが原因で放熱効果が低下してしまうこともあるので、この場合は、塗布量を適宜低く設定すればよい。従って、より好ましい放熱性塗料の塗布量は、例えば200〜300g/m(wet)である。上記放熱性塗料の塗布後は、適宜の温度、時間で乾燥させることができる。
このようにして基材1の裏面に形成される放熱性塗膜は、その厚みが特に制限されるものではないが、150〜230μmであることが好ましく、この場合、得られる外装用建築板Aに充分な放熱性能が付与されるものとなる。
一方、外装用建築板Aでは、基材1の表面(屋外側の面)には、遮熱性塗料が塗布され遮熱性塗膜を形成させることもできる。ここでいう遮熱性塗膜とは、遮熱性塗料の塗布により形成される塗膜(以下、遮熱性塗膜ということがある)が遮熱性を示す性質を有するものを示す。
上記遮熱性塗料に含まれる塗料成分(塗膜形成樹脂)は特に限定されるものではないが、例えば、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、これらが複数組み合わされていてもよい。遮熱性塗料としては、一般に市販されている公知のものを使用することができる。また、遮熱塗料には太陽光を反射するための顔料やガラス粉末、シリカ粉末、アルミナ粉末等が配合されていてもよいし、その他、塗料に通常配合される添加剤、例えば、着色材、顔料等が配合されていてもよい。
遮熱性塗料の基材1表面への塗布にあたっては、基材1表面の略全面にわたって均一に塗布することが好ましい。塗布方法は、既述の放熱性塗料と同様の方法で行うことができる。遮熱性塗料の塗布量は、例えば100〜200g/m(wet)の範囲にすることができ、塗布後は、適宜の温度、時間で乾燥させることができる。
また、基材1の表面には、遮熱性塗膜の他、これ以外の各種表面塗膜、例えば、エフロレッセンス防止用のシーラー塗膜や、エナメル塗膜等が形成されていてもよい。このように複数の塗膜層を積層させて基材1に設ける場合には、遮熱性塗膜層は、最外層に位置していても良いし、最内層に位置していても良いし、あるいは、複数の層の挟まれるように位置していてもよい。
このようにして基材1表面に形成される遮熱性塗膜は、その厚みが制限されるものではないが、30〜50μmであることが好ましく、この場合、得られる外装用建築板Aに充分な遮熱性能が付与されるものとなるのに加えて、テクスチャーぼけの発生を防止しやすくなり、性能と仕上がり外観が損なわれにくいものとなる。
外装用建築板Aは、上記のようにその裏面側に放熱性塗膜が形成されていることにより、例えば、日中に太陽光等によって外装用建築板Aの表面側からが暖められたとしても、裏面側から熱放出することができる。このような放熱が起こるので、外装用建築板Aは、その温度上昇が抑制される。そのため、外装用建築板Aを建物の外壁等の外装材として施工させれば、日中の外装用建築板Aの板温上昇を抑制することができ、結果として夕方以降の熱放出が少なくなるので、ヒートアイランド現象を抑制することができる外壁が形成され得るものとなる。
また、外装用建築板Aの表面に遮熱性塗膜が設けられている場合、この遮熱性塗膜により太陽光を反射させることになるので、結果として、基材1への熱の吸収を抑えることができ、外装用建築板Aの温度上昇を防止し易いものとなる。そのため、このような外装用建築板Aでは、ヒートアイランド現象の抑制に特に有効なものとなる。
次に、外装用建築板Aを備えた外壁構造Bの一例について説明する。
図1は、外壁構造Bの実施形態の一例を示し、図1(a)はその平面視断面図(外壁上方からの断面図)の一部、(b)は(a)におけるa−a断面の一部を表したものである。図1の実施の形態では、外壁構造Bは、外装用建築板Aと、建物躯体3と、遮熱シート2とを少なくとも備えて構成される。尚、図1に表されている矢印の方向は、太陽光の照射方向を示している。
本実施の形態では、建物躯体3は、複数の柱7と、この柱7の屋外側に取り付けられた平板状の複数の面材8とで構成されている。もちろん、建物躯体3は、図1の実施の形態のものに限定されず、その他の構成のものであってもよい。鉄骨建物の場合、柱7はC型鋼などの型鋼材を使用することができる。柱7は、断面正方形形状のものや断面矩形状のものが適宜に用いられる。ここで、図示は省略しているが、柱7は、例えば、建物の下部に土台を設置すると共に土台上に柱基台を設けて、この柱基台の上に設けることができる。図1(b)では、柱7は省略して示してある。
面材8は、略平板状に形成されたものであって、外壁の壁下地の役割を果たすものである。面材8は、柱7の屋外側に複数の柱7を架け渡すように取り付けられる。
さらに、面材8の屋外側(柱7に取り付けられた面の反対側)の面には、遮熱シート2が略全面にわたって張り付けられている。
尚、図示はしていないが、柱7の室内側には、内壁下地用(又は内壁用)の別の面材8を設けるようにしてもよく、この場合、上記の屋外側の面材8と内壁下地用の面材8とで柱7が挟持されるように、内壁下地用の面材8を柱7に取り付ければよい。
上記のように建物躯体3の屋外側の面には遮熱シート2を設けるようにしてあるが、さらに胴縁4を設けるようにすることもできる。胴縁4は面材8の屋外側の面上、すなわち、遮熱シート2上に設ければよい。図1の実施の形態では、建物躯体3の縦方向(建物の高さ方向)に延伸する胴縁4(縦胴縁)が取り付けられている。胴縁4は、建物躯体3の横方向に所定の間隔を空けて互いに平行に配置させながら複数設けることができる。胴縁4の取り付けは、釘やビスなどの固定具で行えばよい。尚、建物躯体3の横方向に延伸する胴縁4(横胴縁)が取り付けられていてもよく、この場合、建物躯体3の縦方向に所定の間隔を空けて互いに平行に配置させながら複数設ければよい。
次いで、面材8と対向させるように外装用建築板Aを、胴縁4の屋外側から取り付ける。外装用建築板Aの取り付けに際して、外装用建築板Aの裏面側、すなわち、放熱性塗膜が設けられている面が、建物躯体3側(面材8の屋外側表面)を向くようにする。
外装用建築板Aの取り付けは、釘や固定ボルトなどの固定具を、外装用建築板Aの表面側から胴縁4の方向へ挿入すればよい。あるいは、外装用建築板Aを引っ掛け係合可能に形成された金属支持部材などを胴縁4に取り付けておき、金属支持部材に外装用建築板Aを引っ掛け係合させることで、外装用建築板Aの取り付けを行ってもよい。
上記のように外装用建築板Aを取り付けると、外装用建築板Aと建物躯体3との間に複数の胴縁4が介在しているので、この胴縁4が外装用建築板Aと建物躯体3との間のスペーサーの役割をし、両者の間に通気空間10が形成される。この通気空間10は、外装用建築板Aと建物躯体3との間の空間と、建物の外部とが連通するように形成されている。
尚、図1の実施の形態では、建物躯体3に胴縁4が設けられたものであるが、このような胴縁4を設けずに外壁構造Bを形成させることも可能である。例えば、上記の金属支持部材を面材8の表面に取り付けるようにすれば、同様に外装用建築板Aを取り付けることが可能となる。この場合、金属支持部材は、外装用建築板Aと面材8との間のスペーサーの役割も果たすことができ、図1の実施の形態と同様、通気空間10が形成される。もちろん、このような金属支持部材を使用せず、直接、建物躯体3(遮熱シート2表面)に外装用建築板Aを取り付けるようにしてもよい。
上記のようにして外壁構造Bが形成されているので、外壁構造Bの屋外側には、本発明の外装用建築板Aが配置されることになる。そして、外装用建築板Aは、その裏面側(室内側の面)に放熱性塗膜が形成されていることにより、外装用建築板Aの表面が太陽光に照らされたとしても、既述のように外装用建築板Aの裏面に形成された放熱性塗膜によって基材1自体の温度の上昇を抑制することができる。そのため、外壁構造Bを有する外壁は、ヒートアイランド現象を抑制しやすいものとなる。
また、外装用建築板Aの温度上昇が抑えられることで、外装用建築板Aから建物躯体3を通じて熱が室内側に伝わりにくくなり、室内の温度上昇も抑制することもできる等の利点を有する。ここで、外装用建築板Aから放出される熱は、外気に放散されると考えられる。そのため、外装用建築板Aから放出された熱が室内側に伝わるおそれは小さいと考えられるが、外壁構造Bでは建物躯体3には遮熱シート2を設けているので、特に室内側に熱を伝わりにくくしている。
さらに、図1の実施の形態のように、外装用建築板Aと建物躯体3との間に胴縁4(又は金属支持部材)が介在して通気空間10が形成されている場合、外装用建築板Aの裏面側から放出される熱は、より大気中へと放散していきやすいものとなる。その結果、室内側に熱が伝わるのをさらに確実に防止することができ、室内の温度上昇を特に効果的に抑えることができる。通気空間10の奥行き幅(図1の実施の形態では、遮熱シート2表面と、外装用建築板Aの裏面との距離)は特に制限されるものではないが、例えば、15〜20mmであれば、上記効果を得るには充分である。
このように、外装用建築板Aで外壁構造Bを形成して建物等の外壁に適用すれば、太陽光等から吸収した熱を放出しやすくなってヒートアイランド現象の抑制が可能となる。また、室内側の温度上昇も起こりにくくすることができるものであり、室内により快適な空間をもたらすことができると共に、エアコン等のエネルギー使用量を低減させることも可能であるので、地球温暖防止にも寄与するものである。従って、外装用建築板Aや外壁構造Bは、家屋、ビル等の建物の外壁として好適に利用することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、100mm×100mm寸法で、厚みが15〜16mmのサイズの抄造外装材(窯業系サイディング)を準備し、この基材の表面にエナメル塗料(大日本塗料社製Vセラン)を塗布量120g/mで塗装することで、表面にエナメル塗膜層(黒色、L値約30)を形成した。さらに基材の裏面側には、放熱性塗料(断熱塗料ともいう、日進産業社製「ガイナ」)を、200g/m(wet)の塗布量で塗布した。その後、室温で2〜4時間にわたって乾燥することで、裏面側に放熱性塗膜を形成することで建築板サンプルを得た。
(実施例2)
放熱性塗料を300g/m(wet)の塗布量で塗布したこと以外は実施例1と同様の方法で建築板サンプルを得た。
(実施例3)
放熱性塗料を400g/m(wet)の塗布量で塗布したこと以外は実施例1と同様の方法で建築板サンプルを得た。
(比較例1)
基材に放熱性塗料を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で建築板サンプルを得た。
(評価)
上記実施例及び比較例で得た建築板サンプルそれぞれの板温測定を行うことで、建築板サンプルの放熱性能を確認した。各実施例及び比較例で得た建築板サンプルの板温測定の結果を表1に示す。尚、建築板サンプルの板温測定方法は以下のようにして行った。
[板温測定]
板温測定は、図2に概略図として示す測定装置を用いて行った。この装置は、平板状の土台20と、この土台20表面から鉛直方向上方に延伸して設けられた支持棒21と、この支持棒21の上端付近から土台20表面に平行に突出する支持片24と、この支持片によって支持されている照明23(100W白熱電球)とを備える。照明23は、土台20表面の方向に光を照射可能に取り付けられている。また、土台20の上にはクーラーボックス22が載置されている。クーラーボックス22は縦27cm、横19cm、深さ19cm(外容積9747cm)の直方体状に形成されている(内容積は縦23×横15.5×深さ15.5cm=5525.75cm)。尚、クーラーボックス22は熱吸収を起こしにくいものであるので、通常の試験台等の上にサンプルを載置させた場合に比べて、評価対象のサンプルへの熱の伝導を防止しやすく、そのため、サンプル以外からの熱伝導の影響をより小さくすることができる。
上記装置を用い、室温をおよそ23℃に調節した状態でクーラーボックス22の上に建築板サンプル(外装用建築板A)を、その表面(エナメル塗膜が形成されている面)が上側になるように載置し、照明23から建築板サンプル表面に向けて光を3時間にわたって照射した。建築板サンプルの表面と照明23との距離は30cmとした。このように外装用建築板Aに光を照射し、建築板サンプルの表面側及び裏面側の到達温度を熱電対によって計測し、それぞれの最高到達温度を記録した。
Figure 2013245539
表1に示す結果から、実施例1〜3で得られた裏面側に放熱性塗料を塗布した建築板サンプルは、比較例1の裏面側に放熱性塗料を塗布しなかった建築板サンプルに比べて、裏面側の最高到達温度が低いことがわかる。従って、本発明の外装用建築板Aは、優れた放熱性を有するものであり、基材の温度(板温)の上昇を抑制し得るものであることが明らかであるといえる。

Claims (4)

  1. 水硬性の無機質材料を主成分として形成された外装用建築板であって、裏面に放熱性塗料が塗布されて成ることを特徴とする外装用建築板。
  2. 表面に遮熱性塗料が塗布されて成ることを特徴とする請求項1に記載の外装用建築板。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の外装用建築板と、建物躯体と、遮熱シートとを備えて成る外壁構造であって、前記建物躯体の外面側に遮熱シートを設け、この遮熱シートの外面側に前記外壁用建築板を設けて成ることを特徴とする外壁構造。
  4. 前記遮熱シートと前記外壁用建築板との間に通気空間を形成して成ることを特徴とする請求項3に記載の外壁構造。
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