JP5473345B2 - 野地板及び屋根仕上構造 - Google Patents

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Description

本発明は、施工性に優れ、夏場の小屋裏から室内への熱流入と、冬場の小屋裏から外気への熱流出とを抑え、さらには結露にも配慮した野地板及びこの野地板を使用した屋根仕上構造に関する発明である。
一般に、夏期の日中は日射により屋根面が熱せられ、野地板からの放射熱で天井が暖められ、室温が上昇する。この放射熱は温度の4乗に比例するため、高温になった野地板からの放射エネルギーは高い。
そこで、従来、例えば特許文献1に示されるように、野地板の外気側を高反射させて太陽熱を吸収しないようにする技術や、特許文献2に示されるように、野地板にその施工後に小屋裏側から遮熱材を張るようにした技術が提案されている。
特開2007−138409号公報 特開平10−280577号公報
しかし、この特許文献1に示される技術では、空気層を設ける必要があり、そのために施工の手間がかかるものであった。
一方、特許文献2に示されるものでは、そのような特別な施工を必要とせずに、同様の効果が得られる。ところが、野地板の施工後に遮熱材を張る必要があり、やはり、この場合も、施工の手間がかかるといった問題があった。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、施工性に優れ、夏場の日射による小屋裏温度の上昇を効果的に防止できるとともに、冬場の小屋裏から外気への熱流出を抑えることができる野地板及び屋根仕上構造が得られるようにすることにある。
上記の目的を達成すべく、この発明では、野地板の表面に低放射層を形成して、野地板自体の放射率を0.5以下とするようにした。
具体的には、請求項1の発明の野地板は、少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理された基材と、該基材の平滑化処理された表面上に設けられ、低放射塗料の塗装膜による低放射層とを備えていて、放射率が0.5以下であることを特徴とする。
この請求項1の発明では、野地板の基材の少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理され、その基材の平滑化処理された表面上に低放射塗料の塗装膜により低放射層が設けられ、その低放射層により、野地板の放射率が0.5以下であるので、夏場の日射による小屋裏温度の上昇を効果的に防止できるとともに、冬場の小屋裏から外気への熱流出を抑えることができる。
野地板の放射率は0.5よりも大きいと、上記夏場の小屋裏温度上昇の防止や冬場の外気への熱流出の抑制の効果を有効に得ることができないので、0.5以下とされている。
また、平滑化処理された基材表面上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられているので、野地板の放射率を容易に下げることができる。
しかも、野地板自体に低放射層が設けられているので、通常の野地板と同様に施工するだけで上記効果を得ることができ、施工性が良好である。
請求項2の発明では、上記請求項1の野地板において、基材は、比重が0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、野地板全体の透湿抵抗は、JIS A 1324(カップ法)に準拠した透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であることを特徴とする。
この請求項2の発明では、基材は比重0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、透湿抵抗が透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であるので、野地板の透湿性、調湿性を良好に確保して、小屋裏の結露を抑制することができる。
基材の比重は0.4未満であると、その強度が不足し、0.7を超えると、透湿性、調湿性が不足するので、0.4〜0.7とされる。また、透湿抵抗が8.0×10−3・s・Pa/ngを越えても、透湿性、調湿性が低下する
請求項の発明では、請求項1又は2の野地板において、基材の平滑化された表面にシーラー層が設けられ、該シーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられていることを特徴とする。
この請求項の発明では、基材の平滑化された表面のシーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられているので、高価な低放射塗料が基材中に浸透するのを防いで、基材表面で効果的に低放射層を形成することができる
請求項の発明は屋根仕上構造に係るものであり、請求項の発明は、野地板上に、防水シートを介して屋根葺き材が施工された屋根仕上構造であって、上記野地板は、少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理された基材と、該基材の平滑化処理された表面上に設けられ、低放射塗料の塗装膜による低放射層とを備えていて、放射率が0.5以下であることを特徴とする。
この請求項の発明では、野地板上に、防水シートを介して屋根葺き材が施工された屋根仕上構造において、その野地板の基材の少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理され、その基材の平滑化処理された表面上に低放射塗料の塗装膜により低放射層が設けられ、その野地板の放射率が低放射層によって0.5以下であるので、請求項1の発明と同様に、夏場の日射による小屋裏温度の上昇を効果的に防止できるとともに、冬場の小屋裏から外気への熱流出を抑えることができ、しかも、その施工性も良好である。
また、野地板の平滑化処理された基材表面上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられているので、野地板の放射率を容易に下げることができる。
請求項の発明では、請求項に記載の屋根仕上構造において、野地板の基材は、比重が0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、野地板の透湿抵抗は、JIS A 1324(カップ法)に準拠した透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であり、防水シートの透湿抵抗は、5.0×10−4・s・Pa/ng以下の透湿ルーフィングであることを特徴とする。
この請求項の発明では、野地板の基材は比重が0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、その野地板の透湿抵抗が透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であり、防水シートの透湿抵抗は、5.0×10−4・s・Pa/ng以下の透湿ルーフィングであるので、請求項2の発明と同様に、野地板の透湿性、調湿性を良好に確保して、小屋裏の結露を抑制することができる
請求項の発明では、請求項4又は5の屋根仕上構造において、野地板の基材の平滑化処理された表面にシーラー層が設けられ、上記シーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられていることを特徴とする。
この請求項の発明では、野地板の基材の平滑化処理された表面のシーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられているので、請求項の発明と同様に、高価な低放射塗料が基材中に浸透するのを防いで、基材表面で効果的に低放射層を形成することができる
以上説明したように、請求項1及びの発明によると、屋根仕上構造に施工される野地板において、その基材の少なくとも一方の表面表面を低放射化のために平滑化処理し、その平滑化処理された基材表面上に低放射塗料の塗装膜による低放射層を設けて、放射率を0.5以下としたことにより、屋根仕上構造の施工性の向上を図りつつ、野地板の放射率を容易に下げることができ、夏場の日射による小屋裏温度の上昇の防止、及び冬場の小屋裏から外気への熱流出の抑制を図り、延いては省エネエネルギー化を図ることができる。
請求項2及びの発明によると、野地板の基材を比重0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなし、野地板全体の透湿抵抗を8.0×10−3・s・Pa/ng以下としたことにより、野地板の透湿性、調湿性を良好に確保して、小屋裏の結露を抑制することができる
請求項及びの発明によると、野地板の基材の平滑化された表面にシーラー層を設け、そのシーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層を設けたことにより、高価な低放射塗料が基材中に浸透するのをシーラー層で防いで、基材表面で効果的に低放射層を形成することができる
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は本発明の実施形態に係る屋根仕上構造を示し、この屋根仕上構造は、基本的に、通常一般の屋根仕上構造と同様に、垂木1に野地板3が固着され、その野地板3上に防水シート10を介して屋根葺き材11が施工されている。但し、野地板3と防水シート10とが通常一般のものと異なる。
すなわち、上記野地板3は、図2に拡大して示すように、基材4と、この基材4の一方の表面に設けられた低放射層5とを備えていて、野地板3の放射率は0.5以下とされている。
(基材)
上記野地板3の基材4としては、合板、木質繊維板、パーティクルボード、木毛セメント板、ロックウール板、火山性ガラス質複層板等、様々な材料を用いることができるが、とりわけ、透湿性に優れた木質繊維板やロックウール繊維板が好適に用いられる。最も好適には比重0.4〜0.7程度の木質繊維板が用いられる。これは、強度に優れるとともに、透湿性・調湿性に優れるためである。
基材4の厚みとしては、上に人が乗って踏み抜かない程度の強度があればよい。具体的には、比重0.4程度の木質繊維板の場合は24mm程度であり、比重0.6の木質繊維板の場合は12mm程度である。比重0.7程度の木質繊維板の場合は9mm程度あればよい。
(低放射層)
上記低放射層5は、例えば水性ウレタン系塗料にアルミニウム顔料を均一分散させた塗料等の低放射塗料を基材4表面に塗布して該低放射塗料の塗装膜による低放射塗装膜層を形成することにより設けられる。
具体的には、上記低放射塗料を基材4表面に塗布してその塗装膜からなる低放射層5を設ける場合、その塗布前に基材4表面を平滑化することにより、さらに低放射化を実現することができる。低放射性をさらに上げる(放射率の数値を下げる)ためには、低放射塗料の塗布量を増やせばよいが、その反面、高価な低放射塗料をたくさん使用するため、価格が高くなるだけでなく、透湿性能の悪化を招く。
別の例としては、透湿性能よりも放射率の低減(低放射性の向上)に重点を置き、室内の温度上昇を抑えるようにすることが可能である。具体的には、図3に示すように、基材4表面にシーラー層6を設け、その上に上記低放射塗料の塗装膜による低放射層5を設ける効率のよい方法がある。この場合、低放射塗料の基材4中への浸透を抑制することができるため、低放射塗料の塗布量が同一の場合、シーラー層6がない場合に比べると、より低放射化が可能である。
さらに、上記平滑化処理及びシーラー処理の双方を施すことにより、放射率を0.4以下、最も好ましくは0.1以下にすることができる
(平滑化処理)
上記の如く、基材4表面に平滑化処理を行うと、その基材4表面が均一な平面となり、その平面上に低放射塗装膜の低放射層5が設けられるため、野地板3の低放射性が向上して好ましい。こうして、野地板3の基材4表面を平滑化処理して、その平滑化された表面上に低放射塗装膜の低放射層5を設けることで、野地板3の放射率を容易に0.4以下にすることができる。
この平滑化処理は、ワイドベルトサンダーで行われるのが一般的であるが、基材4表面に水や樹脂を塗布し、基材4の表層のみを熱圧等により平滑化してもよい。また、基材4表面の凹凸を解消するために、フィラー充填したシーラー材により充填平滑化されてもよい。
しかし、透湿性を確保する場合は、ワイドベルトサンダーで面均一に研削する程度にするのがよい
(シーラー層)
基材4表面には、上記のように必要に応じて適宜シーラー層6が設けられる。このシーラー層6は設けなくてもよいが、シーラー層6を強固に設けるほど、基材4表面の低放射塗料の塗装膜(低放射層5)の形成を効率的に行うことができる。シーラー層6により、高価な低放射塗料が基材4中に浸透するのを防ぎ、基材4表面に効果的に低放射層5を形成することができる。
一方、シーラー層6により野地板3の透湿性能の低下を招く。そのため、透湿性を有する屋根仕上構造を形成する場合は、透湿ルーフィング等と組み合わせ、シーラー層6の形成については、低放射化に支障のない範囲でできる限り簡便に済ませるのが好ましい。
シーラー層6となるシーラーの塗布方法としては、透湿性能を確保するために全面に均一塗布するのでなく、任意の部分(模様形状でもよい)にのみシーラーを塗布し、シーラーを塗布した部分のみの低放射化が他の部分よりも向上するようにすることにより、放射率の低減を実現しつつ、一定の透湿性能を確保する方法もある。
シーラー層6は、アクリル樹脂系塗料や下塗り用塗料により設けられる。シーラー層6によって基材4と低放射塗料塗装膜との間の密着性が確保され、低放射塗装膜を設けるための低放射塗料が基材4中に浸透するのを防ぐことができれば、シーラー層6としてはどのようなものでも使用することができる。さらに好適には、透湿性を有するシーラー塗料がよく、例えば水性エナメル塗料により設けられる。
(透湿性能)
野地板3の透湿性能は、JIS A 1324(カップ法)に準拠した透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であることが望ましい。
上記のように基材4表面に対し、平滑化処理及びシーラー処理を施すことにより、野地板3の透湿性が落ちるため、所望の透湿性能を得る場合には、平滑化処理した基材4上にシーラー処理をすることなく低放射塗料を塗布して低放射層5を設けたりする等の方法が取られる。この場合、シーラーや低放射塗料は、でき上がった野地板3が所望の透湿性能を得られるように塗布量、塗布方法が調整される
(屋根仕上構造)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る屋根仕上構造では、垂木1に上記野地板3が、その低放射層5を設けた側を室内側(下側)に向けて釘やネジで固着されている。さらに、この野地板3の表面(上面)に防水シート10が載せられ、その上に屋根仕上材固定金物等を用いて屋根仕上材としての屋根葺き材11が施工されている。
また、上記防水シート10と屋根葺き材11(屋根仕上材)との間に通気層が設けられてもよい。その場合、施工に手間がかかるが、通気及び遮熱の観点からさらに好ましい屋根仕上構造を得ることができる。但し、本発明においては、当該通気層がなくとも、夏季の小屋裏温度の上昇を防止することが可能である。
また、屋根葺き材11の裏面と防水シート10の通気層面(室外側)とが、アルミ薄膜又はアルミ蒸着等で低放射化されていてもよい。この場合、透湿性が求められるときには、アルミ箔において、水は通さないが湿気を通す多数の微小孔が設けられているのが好ましい。
また、上記防水シート10は、その透湿抵抗が5.0×10−4・s・Pa/ng以下の透湿ルーフィングである。
したがって、この実施形態では、野地板3上に、防水シート10を介して屋根葺き材11が施工された屋根仕上構造において、その野地板3の基材4の一方の表面に低放射層5が設けられ、この低放射層5により野地板3の放射率が0.5以下であるので、夏場の日射による小屋裏温度の上昇を効果的に防止できるとともに、冬場の小屋裏から外気への熱流出を抑えることができる。
しかも、野地板3自体に低放射層5が設けられているので、通常一般の野地板と同様の施工をするだけで上記効果を得ることができ、施工性は良好となる。
また、野地板3の基材4が比重0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、その野地板3の透湿抵抗が透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であり、防水シート10の透湿抵抗も、5.0×10−4・s・Pa/ng以下の透湿ルーフィングであるので、野地板3の透湿性、調湿性を良好に確保して、小屋裏の結露を抑制することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、野地板3における基材4の一方の表面に低放射層5を形成しているが、基材4の表裏両方の側面にそれぞれ同様の低放射層を形成することもできる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(1)第1試験
1)
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板を使用し、この表面に、低放射塗料としてウレタン系樹脂にアルミニウム顔料を均一分散させたアルミ塗料を100g/m塗布して低放射層を設け、片面が放射率0.48に低放射化された野地板を得た。
2)
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板を使用し、この木質繊維板の表面をワイドベルトサンダーで#80、#80、#80番手で表面研削を行い、表面平滑化した。この表面にウレタン系樹脂にアルミニウム顔料を均一分散させたアルミ塗料を塗布し、片面が放射率0.38に低放射化された野地板を得た。
3)
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板を使用し、この表面にアクリル系クリアー塗料を100g/m塗布するシーラー処理を行い、この表面に、ウレタン系樹脂にアルミニウム顔料を均一分散させたアルミ塗料(低放射塗料)を100g/m塗布し、片面が放射率0.39に低放射化された野地板を得た。
4)
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板を使用し、この木質繊維板の表面をワイドベルトサンダーで#80、#80、#80番手で表面研削を行い、表面平滑化した。この表面にアクリル系クリアー塗料を100g/m塗布するシーラー処理を行い、この表面に、ウレタン系樹脂にアルミニウム顔料を均一分散させたアルミ塗料(低放射塗料)を100g/m塗布し、片面が放射率0.35に低放射化された野地板を得た。
5)
実施例1の野地板において、木質繊維板に代えて12mmの針葉樹合板を使用し、放射率0.42に低放射化された野地板を得た。
例6
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板をそのまま使用した(表面に低放射層なし)。
例7
基材として比重0.47、厚さ12mmの針葉樹合板をそのまま使用した(表面に低放射層なし)。
こうして得られた野地板を使用し、次に示す構成の試験箱を作製した。この試験箱の室内の大きさは、約1m×約1m×約1mである。
床構成:室外側から9mm合板、30mm押出法ポリスチレンフォーム1種b
壁構成:室外側から30mm押出法ポリスチレンフォーム1種b、9mm合板
天井構成:小屋裏側から30mm押出法ポリスチレンフォーム3種b、9mm合板
屋根構成:室外側から、屋根葺き材を想定した厚さ9mmのタイル、アスファルトルーフィング、各例による野地板(例1〜4の野地板は低放射層の面を室内側に向けて使用)を順に配置
そして、屋根仕上材(タイル)の表面温度が80℃になるように赤外線ストーブで6時間かけて加熱し、その後に加熱を停止して4時間経過させ、その間の小屋裏温度を測定した。その結果を図4に示す。
この図4について考察すると、基材表面に低放射層が設けられた1〜4の野地板を使用した場合、例6,7に比べ1〜6℃程度小屋裏温度が低く、特に基材表面に平滑化処理した2,4が顕著であった。このことから、本願発明に係る野地板が有効であることが判る。
(2)第2試験
例8
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板を使用し、この表面に、低放射塗料としてウレタン系樹脂にアルミニウム顔料を均一分散させたアルミ塗料を100g/m塗布して低放射層を設け、片面が放射率0.48に低放射化された野地板を得た。
例9
基材として比重0.52、厚さ12mmの木質繊維板をそのまま使用した(表面に低放射層なし)。
例10
基材として比重0.47、厚さ12mmの針葉樹合板をそのまま使用した(表面に低放射層なし)。
こうして得られた例8〜10の野地板を使用し、次世代省エネ基準に適合した基準で、試験家屋を建設した。その室内の大きさは、約1m×約1m×約1mである。
床構成:室外側から60mm押出法ポリスチレンフォーム3種b、12mm合板
壁構成:室外側から50mm押出法ポリスチレンフォーム3種b、9mm無機板(大建工業(株)商品名「ダイライトMS」)
天井構成:小屋裏側からグラスウール10K200mm、9mm合板
屋根構成:室外側から、スレート屋根葺き材、アスファルトルーフィング、各例による野地板(例8の野地板は低放射層の面を室内側に向けて使用)を順に配置
そして、1日(午前6時から午後6時まで)の変動を考慮し、ピークが34.3℃になるように外気温度を変動させ、屋根仕上材表面温度はピークで63℃になるよう赤外線ストーブで加熱し、その間の小屋裏温度を測定した。その結果を図5に示す。
この図5について考察すると、基材表面に低放射層が設けられた例8の野地板を使用した場合、例9,10に比べ小屋裏温度の変動が抑えられている。このことから、本願発明に係る野地板が有効であることが判る。
本発明は、屋根仕上構造の施工性の向上を図り、夏場の日射による小屋裏温度の上昇及び冬場の小屋裏から外気への熱流出を抑制できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態に係る屋根仕上構造を示す概略図である。 図2は、野地板の拡大断面図である。 図3は、基材表面にシーラー層が設けられた野地板の拡大断面図である。 図4は、第1試験による小屋裏温度の変化を示す図である。 図5は、第2試験による小屋裏温度の変化を示す図である。
3 野地板
4 基材
5 低放射層
6 シーラー層
10 防水シート
11 屋根葺き材

Claims (6)

  1. 少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理された基材と、該基材の平滑化処理された表面上に設けられ、低放射塗料の塗装膜による低放射層とを備えていて、放射率が0.5以下であることを特徴とする野地板。
  2. 基材は、比重が0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、
    全体の透湿抵抗は、JIS A 1324(カップ法)に準拠した透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であることを特徴とする請求項1に記載の野地板。
  3. 基材の平滑化処理された表面にシーラー層が設けられ、該シーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の野地板。
  4. 野地板上に、防水シートを介して屋根葺き材が施工された屋根仕上構造であって、
    上記野地板は、少なくとも一方の表面が低放射化のために平滑化処理された基材と、該基材の平滑化処理された表面上に設けられ、低放射塗料の塗装膜による低放射層とを備えていて、放射率が0.5以下であることを特徴とする屋根仕上構造。
  5. 野地板の基材は、比重が0.4以上でかつ0.7以下の木質繊維板からなり、
    野地板の透湿抵抗は、JIS A 1324(カップ法)に準拠した透湿試験において8.0×10−3・s・Pa/ng以下であり、
    防水シートの透湿抵抗は、5.0×10−4・s・Pa/ng以下の透湿ルーフィングであることを特徴とする請求項に記載の屋根仕上構造。
  6. 野地板の基材の平滑化処理された表面にシーラー層が設けられ、
    上記シーラー層上に低放射塗料の塗装膜による低放射層が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の屋根仕上構造。
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