JP2005211697A - 塗装方法及びパネル材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造過程における有害物質の発生を抑え、しかも、パネル材を用いた家具等の製品による居住者への健康被害をも抑制することのできる塗装方法及びパネル材を提供すること。
【解決手段】 MDF等からなる木質系素材11の被塗装面に対し、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いて下処理層12が設けられている。接着剤は、反応性ホットメルトが用いられており、当該ホットメルトを熱ロールにて所定厚に塗布した後に、水分等との反応により硬化されている。下処理層を硬化させた後に、その表面をサンドペーパーにより研削し、下塗り層13、中塗り層14、上塗り層15が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 MDF等からなる木質系素材11の被塗装面に対し、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いて下処理層12が設けられている。接着剤は、反応性ホットメルトが用いられており、当該ホットメルトを熱ロールにて所定厚に塗布した後に、水分等との反応により硬化されている。下処理層を硬化させた後に、その表面をサンドペーパーにより研削し、下塗り層13、中塗り層14、上塗り層15が設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、塗装方法及びパネル材に係り、更に詳しくは、得られる製品表面の平滑性及び光沢性を良好に確保しつつ、良好な作業環境の下で塗装作業を行うことができる塗装方法及びパネル材に関する。
家具、建材等に利用されるパネル材の素材として、MDF(中密度木質繊維ボード)を使用する場合が多い。MDFは木材繊維を特殊な接着剤と共に熱圧成形した素材であるため、表面仕上げを塗装により行ったときに、塗料の素材への吸い込みが大きな問題となる。具体的には、塗膜のピンホールやはじきが発生し易いということである。これらの問題を解決するためには、熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料を用いて予め下処理することが行われている。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂塗料のサフェーサータイプ、サンディングタイプや、ウレタン樹脂塗料のシーラータイプ、サンディングタイプをスプレーにて塗布し、目止めや吸い込み止めを行うことにより下処理が施されている。
前記下処理後は、一般的に、表面を研削して下塗り、中塗り及び上塗り等を行うが、前述した下処理が施されていることにより、下塗りに際してフローコーター等で厚塗りを行っても、素材の吸い込みむらやピンホールなどの発生を抑制することができ、その後の研削や上塗り等により、鏡面の高光沢、塗膜の付着性、過酷な使用条件下での平滑性維持、耐クラック性を確保することができる。このように、前処理である下処理や下塗りは、パネル材の表面精度を良好に維持する上で、極めて重要な要素となる。
しかしながら、従来の下処理や下塗りは、揮発性溶剤を含む熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料が一般的に用いられていることにより、昨今の環境問題の一因となっている揮発性有機化合物のゼロ化、又は削減を達成することができない、という不都合がある。すなわち、従来の樹脂塗料タイプでは、トルエン、キシレン、スチレン等の有害物質の使用が少なくないため、これが大気に発散されることとなる。しかも、製品としてのパネル材を用いた家具等が室内に置かれた後において、居住者のシックハウス症候群を招来する要因ともなる。
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、表面の平滑性及び光沢性を良好に確保しつつ、製造過程における有害物質の発生の低減を図り、しかも、パネル材を用いた家具等の製品による居住者への健康被害をも抑制することのできる塗装方法及びパネル材を提供することにある。
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、表面の平滑性及び光沢性を良好に確保しつつ、製造過程における有害物質の発生の低減を図り、しかも、パネル材を用いた家具等の製品による居住者への健康被害をも抑制することのできる塗装方法及びパネル材を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、木質系素材の被塗装面への下処理工程を有する塗装方法であって、
前記下処理工程は、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いて前記被塗装面に塗布することにより行われる、という手法を採っている。
前記下処理工程は、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いて前記被塗装面に塗布することにより行われる、という手法を採っている。
前記塗装方法において、前記接着剤はホットメルト接着剤を用いることにより行うことができる。このホットメルト接着剤は反応性ホットメルト接着剤であり、具体的には、湿気硬化型若しくは熱硬化型ホットメルト接着剤である。
また、前記下処理工程後に、フローコーターを用いて揮発性溶剤を含まない樹脂塗料を下塗りすることが好ましい。
更に、本発明は、木質系素材の表面に塗膜が形成されたパネル材であって、前記塗膜は、接着剤からなる下処理層を含んで構成されている。
本発明において、下処理工程を行う際の樹脂は、溶剤を含まないタイプで不揮発成分が高い樹脂が用いられる。具体的には、反応によって硬化する反応性ホットメルトと、溶融固化型のホットメルトとを用いることができる。これらは、一般的に接着剤として利用されているもので、本発明では、これを下地処理材として利用している。
前記ホットメルトのうち、反応性ホットメルトで、ウレタン樹脂の湿気硬化型を用いることが好ましい。同樹脂は、末端基のイソシアネート基を持つため、硬化時に水分と反応する湿気硬化型であり、その膜はウレタン結合やユリア結合で、塗膜が硬く、強靱であるためである。また、素材の水分や木材のOH基との反応で密着性に優れた性質もある。
下処理材の塗装は、MDFや木材等、材料を吸い込み易い素材にホットメルトの状態で塗布することにより行われる。そして、下処理されたMDFは、次工程において、下塗り塗料をフローコーターで厚塗りすることができる。
前記ホットメルトのうち、反応性ホットメルトで、ウレタン樹脂の湿気硬化型を用いることが好ましい。同樹脂は、末端基のイソシアネート基を持つため、硬化時に水分と反応する湿気硬化型であり、その膜はウレタン結合やユリア結合で、塗膜が硬く、強靱であるためである。また、素材の水分や木材のOH基との反応で密着性に優れた性質もある。
下処理材の塗装は、MDFや木材等、材料を吸い込み易い素材にホットメルトの状態で塗布することにより行われる。そして、下処理されたMDFは、次工程において、下塗り塗料をフローコーターで厚塗りすることができる。
フローコーターによる塗装によれば、MDFの被塗装面積が大きくても、高速で塗装を行うことができるため、塗装時間の短縮化を図ることができる。また、塗着効率が100%で塗料のロスもなく、更に、平面塗り以外に、縦塗りも同時に行うことができる。
下塗りで用いられる塗料としては、不飽和ポリエステル樹脂のノンスチレン型が一般的に利用できる。硬化方法は、レドックス反応や紫外線硬化型である。なお、不飽和ポリエステル以外には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等を利用することもできる。
本発明によれば、素材への下処理に際し、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いているため、硬化時に有害物質の発生を抑え、作業現場における雰囲気を良好に保つことができる。また、下処理後の工程における下塗りをフローコーターで厚塗りしても、素材への吸い込みむら等を防止することができ、研削後の表面平滑性を精度良く保つことができる。更に、下塗りも、揮発性溶剤を含まないので、より良好な作業環境を保つことが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明に係る方法が適用されたパネル材の断面図が示されている。同図において、パネル材10は、MDFを素材11として用いられている。この素材11の表面には、順次下処理層12、下塗り層13、中塗り層14,及び上塗り層15が設けられている。素材11は、#180のサンドペーパーにより予め木地調整され、この調整を行った後に下処理層12が設けられる。
前記下処理層12は、粘度2〜3Pa・s、溶融温度120℃の湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂であり、熱ロールを用いて約0.02mm厚に塗布されている。塗布量は、20g〜50g/m2である。塗布終了後に、常温(室温)にて15分〜30分程度冷却され、空気中若しくは素材中に含まれる水分と反応して硬化することとなる。
前記下塗り層13は、紫外線硬化型で、揮発性溶剤を含まない不飽和ポリエステル樹脂塗料が用いられている。同塗料は、図2の平面図に示されるように、カーテンフローコーター20により150g/m2の塗料が約0.20mm厚に塗布されている。ここで、カーテンフローコーター20は、図中左右一対のベルトコンベヤ21,22と、これらベルトコンベヤ21,22間の上部に位置して下向きに開口するスリット付きの塗布ヘッド23とを含んで構成され、素材11の木口を搬送方向に対して平面視で傾いた状態で往復移動させることで、四辺の木口と上面への同時塗装が可能となっている。なお、このフローコーター20の詳細構造は、本出願人により既に提案された特願2002−257527号に開示されている。
前記下塗り層13は、80w/cmのUVランプ1灯を用いて、200mm高さにこれをセットし、素材を毎分2mの速度で行うことにより硬化させている。そして、下塗り層13が硬化した後に、同表面を#320のサンドペーパーにより研削して中塗り処理が施されている。
中塗り層14は、トルエンやキシレンなどの有機溶剤を含まないウレタンエナメルをスプレーにより約0.02mm厚となるように塗布することにより設けられており、塗布後、約1時間50℃にて乾燥させている。
前記上塗り層15は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂塗料であり、前述したカーテンフローコーター20により約0.08mm厚に設けられている。この上塗り層15の塗布量は70g/m2である。なお、上塗り層15は、前記UVランプを用いて前述と同一の条件にて硬化させている。
このようにして得られたパネル材を目視観察したところ、素材11への塗料吸い込みむら等のない表面の光沢性及び平滑性に優れたパネル材を得ることができた。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
10…パネル材、11…素材、12…下処理層、13…下塗り層、14…中塗り層、15…上塗り層、20…カーテンフローコーター
Claims (5)
- 木質系素材の被塗装面への下処理工程を有する塗装方法であって、
前記下処理工程は、揮発性溶剤を含まない接着剤を用いて前記被塗装面に塗布することにより行われることを特徴とする塗装方法。 - 前記接着剤はホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
- 前記ホットメルト接着剤は、湿気硬化型若しくは熱硬化型ホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項2記載の塗装方法。
- 前記下処理工程後に、フローコーターを用いて揮発性溶剤を含まない樹脂塗料を下塗りすることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の塗装方法。
- 木質系素材の表面に塗膜が形成されたパネル材であって、
前記塗膜は、揮発性溶剤を含まない接着剤からなる下処理層を含んで構成されていることを特徴とするパネル材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004017773A JP2005211697A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 塗装方法及びパネル材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004017773A JP2005211697A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 塗装方法及びパネル材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004017773A Withdrawn JP2005211697A (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | 塗装方法及びパネル材 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010180590A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Daiken Corp | 野地板及び屋根仕上構造 |
JP2014505584A (ja) * | 2010-12-20 | 2014-03-06 | クレープヒェミー・エム・ゲー・ベッカー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト | 高温コーティングによる高光沢表面 |
-
2004
- 2004-01-27 JP JP2004017773A patent/JP2005211697A/ja not_active Withdrawn
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