JP2011161853A - 木質化粧合板の製造方法 - Google Patents

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Akira Daimon
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祐子 小関
Masami Sekine
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Tomohiro Kimura
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Abstract

【課題】 耐キャスター性、耐落下衝撃性に優れ、凹凸を抑制し、凹凸や節、木目の経時形状変化の少ない表層改質針葉樹材製合板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 木質化粧合板の製造方法であって、合板が少なくとも台板を針葉樹材とする合板であり、合板の台板表面を70〜130℃に前加熱する工程(工程1)、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)、装飾層を貼合する工程(工程3)をこの順に有することを特徴とする木質化粧合板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、針葉樹を台板とする合板の基材処理、及びその合板を利用した化粧合板の製造方法に関するものである。
従来、例えば床材において、ラワン合板を積層した複合材、あるいは針葉樹合板に台板として中密度繊維板(MDF)を積層した複合材に化粧シートや突板等の装飾層を設けた床材が知られている。
例えば床材に供せれる合板として針葉樹材を利用した場合、耐キャスター性、耐落下衝撃性等の性能が求められる理由、また針葉樹の欠点である節、ヤニ、割れ、凹凸を補う理由から、台板として中密度繊維板(MDF)を積層させる複合材が用いられる。
しかしながら、ラワン合板等の広葉樹は成長が遅いため、伐採することによる自然環境の破壊が問題であり、中密度繊維板(MDF)は耐水性が劣り、コスト的にも高価であるという問題を抱えているため、比較的環境負荷が小さく安価である針葉樹合板用の単板として利用する提案がなされている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1、2に開示された技術はいずれも、針葉樹材が有する「節」や「割れ」を表層に形成する装飾層に現出させない、あるいは、「ヤニ」の表面への析出による装飾層の凹凸を防止することを目的としたものである。特許文献1の技術は、樹脂含浸紙を表層に貼着することにより、また、特許文献2の技術は、紙材を表層に貼着することにより、上記した目的を達成しようとするものである。しかしながら、いずれの技術も装飾層の凹凸を抑えることはできるが、凹凸を無くすという点においては改善の余地がある。また、針葉樹材の柔らかさを補強して落下衝撃に対する凹みを防止するという点においても改善の余地がある。
特開平7−52103号公報 特開平5−177770号公報
本発明の課題は、耐キャスター性、耐落下衝撃性に優れ、凹凸を抑制し、凹凸や節、木目の経時形状変化の少ない表層改質針葉樹材製合板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、針葉樹材を特定の塗料で含浸硬化させることにより、凹凸や節、木目の経時形状変化を抑制できるとともに、耐キャスター性、耐落下衝撃性においても優れることを見出した。具体的には、針葉樹材の基材処理条件及び特定の塗料を組み合わせ、装飾層を貼合することにより、上記課題を解決することを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は第一に、木質化粧合板の製造方法であって、合板が少なくとも台板を針葉樹材とする合板であり、合板の台板表面を70〜130℃に前加熱する工程(工程1)、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)、装飾層を貼合する工程(工程3)をこの順に有することを特徴とする木質化粧合板の製造方法を提供するものである。
本発明は第二に、前記した製造方法で製造されたことを特徴とする木質化粧合板を提供するものである。
本発明により、耐キャスター性、耐落下衝撃性に優れ、凹凸を抑制し、凹凸や節部の経時形状変化の少ない表層改質針葉樹材製合板およびその製造方法を提供することができる。
本発明は、木質化粧合板の製造方法であって、合板が少なくとも台板を針葉樹材とする合板であり、合板の台板表面を70〜130℃に前加熱する工程(工程1)、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)、装飾層を貼合する工程(工程3)をこの順に有することを特徴とする木質化粧合板の製造方法、及び、該製造方法で製造された木質化粧合板を提供するものである。
本発明の木質化粧合板の製造方法に用いる合板は、少なくとも台板を針葉樹材とする合板であり、針葉樹材としては、スギ材、米マツ材、カラ松材、トド松材等が用いられる。
また、ポプラ、アカシア、ユーカリ、南洋桐などの早生樹材にも応用することができる。
木質化粧合板の製造方法に於ける第一の工程である加熱工程(工程1)について説明する。加熱工程の目的は、針葉樹材表層中の揮発性水分を効果的に蒸発させることにある。その結果、基材表層中の揮発性水分と、工程2に於いて、最初の塗工に用いる活性エネルギー線硬化性塗料(1)との置換及び塗料の木地への浸透を容易にすることが出来る。
加熱工程の具体的条件は、針葉樹材の表面温度を水の沸点以上、かつ、活性エネルギー線硬化性塗料(1)に含有される重合性モノマーの沸点以下の温度となるように設定する。これにより、水分の除去とともに、活性エネルギー線硬化性塗料(1)の塗工時に、活性エネルギー線硬化性塗料(1)に含有される重合性モノマーの急激な揮発を防止する事が出来る。すなわち、基材板面温度を70℃〜130℃、好ましくは、80〜120℃の温度になるように調整する。活性エネルギー線硬化性塗料(1)の塗工時点での針葉樹材表層部1mm程度の含水率は5%以下とすることが好ましい。乾燥機としては、例えば、熱風ハイベロシティードライヤー(HVD)、高周波加熱装置等が使用される。針葉樹材表面の含水率を出来るだけ均一にするためには、乾燥機内に送風装置を付加することが好ましい。例えば、前記HVD乾燥機では、設定目盛り200℃、板面風速5m/秒で30秒程度のプレヒートで通常の基材の表面層温度及び含水率の所望の数値範囲を達成できる。尚、基材の含水率は、例えば、(株)ケット科学研究所製の測定器MT−8等を用いて容易に測定することが出来る。
活性エネルギー線硬化性塗料(1)は、針葉樹材表面を、70℃〜130℃、塗料に含有される重合性モノマーの沸点以下の温度に調整された状態で塗布される。活性エネルギー線硬化性塗料(1)は、活性エネルギー線硬化型組成物を主成分とする塗料である。
活性エネルギー線硬化性塗料(1)として用いる活性エネルギー線硬化型塗料に用いられる活性エネルギー線重合性成分としては、活性エネルギー線重合性オリゴマー成分を主体として、活性エネルギー線重合性モノマー成分を反応性希釈剤として用いる事が出来る。活性エネルギー線重合性オリゴマー成分としては、不飽和ポリエステル系オリゴマー(例えばDIC製ユニディックV−3240)、ウレタンアクリレート系オリゴマー(例えば、DIC製ユニディックV−4200等)、エポキシアクリレート系オリゴマー(例えば、DIC製ユニディックV−5300等)等が挙げられる。好ましくは不飽和ポリエステル系オリゴマーである。反応性希釈剤として用いられる活性エネルギー線重合性モノマー成分としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチトールプロパンテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、Nビニルホルムアミド、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。その他、光重合開始剤、体質顔料、消泡剤、レベリング剤等を必要に応じて含有させることができる。イソシアネート基を含有させる方法として、分子内にイソシアネート基を含有するオリゴマーを使用する方法、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソアネート、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート等を添加する方法を用いることができる。何れのタイプの塗料も、無溶剤型の塗料が好ましい。やむを得ず揮発性溶剤を含有する場合でも、揮発性溶剤の含有量は、各塗料中で、5質量%未満であることが好ましい。より好ましくは3質量%未満である。
活性エネルギー線硬化性塗料(1)は、従来公知の各種塗工機で塗工される。例えば、加熱工程後、スポンジロールコーター、リバースコーター、ナチュラルロールコーター、カーテンフローコーター、ナイフコーターを用い、塗料温度20〜120℃に加温し、塗布量5〜50g/900cmの条件で塗工できる。塗工速度は、20〜100m/秒程度が好ましい。針葉樹材が再度空気中の水分を吸収することを未然に防ぐためにも、活性エネルギー線硬化性塗料(1)の塗工工程は、加熱工程から連続で行うことが好ましい。塗工時の粘度は、50〜2,500cpsの条件で塗工することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性塗料(1)を塗工する工程では、例えば、カーテンフローコーターで塗布の後、浸透を促進するセッティング工程を付加することにより、基材表層中の揮発性水分と塗料との置換及び塗料の木地への濡れ性を更に容易にすることが出来る。
活性エネルギー線硬化性塗料(1)の塗工後、活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等があり、処理剤組成に応じて適宜選択される。紫外線照射の場合、照射量は、20〜300mJ/cm、電子線照射の場合、10〜100kGyが好ましい。
本発明の木質化粧合板の製造方法に於ける、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)は、塗料の塗工、活性エネルギー線の照射を複数回有していても良い。工程2に於いて、第二の塗工に用いる活性エネルギー線硬化性塗料(2)の活性エネルギー線重合性成分としては、活性エネルギー線硬化性塗料(1)と同様に、活性エネルギー線重合性オリゴマー成分を主体として、活性エネルギー線重合性モノマー成分を反応性希釈剤として用いる事が出来る。活性エネルギー線重合性オリゴマー成分としては、不飽和ポリエステル系オリゴマー(例えばDIC製ユニディックV−3240)、ウレタンアクリレート系オリゴマー(例えば、DIC製ユニディックV−4365等)、エポキシアクリレート系オリゴマー(例えば、DIC製ユニディックV−5300等)等が挙げられる。好ましくはエポキシアクリレート系オリゴマーである。反応性希釈剤として用いられる活性エネルギー線重合性モノマー成分としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチトールプロパンテトラアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、Nビニルホルムアミド、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。その他、光重合開始剤、体質顔料、消泡剤、レベリング剤等を必要に応じて含有させることができる。また、塗料中にイソシアネート基を含有させることができる。何れのタイプの塗料も、無溶剤型の塗料が好ましい。やむを得ず揮発性溶剤を含有する場合でも、揮発性溶剤の含有量は、各処理剤中で、5質量%未満であることが好ましい。より好ましくは3質量%未満である。
工程2に於ける第二の活性エネルギー線硬化性塗料(2)は、スポンジロールコーター、リバースコーター、ナチュラルロールコーター、カーテンフローコーター、ナイフコーターを用い、塗料温度20〜120℃に加温し、塗布量5〜50g/900cmの条件で塗工できる。塗工速度は、20〜100m/秒程度が好ましい。
工程2に於ける第二の活性エネルギー線硬化性塗料(2)塗工後の、活性エネルギー線を照射する工程に用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等があり、処理剤組成に応じて適宜選択される。紫外線照射の場合、照射量は、20〜300mJ/cm、電子線照射の場合、10〜100kGyが好ましい。
工程2は、塗料の塗工、活性エネルギー線の照射を複数回有していても良い。複数回繰り返す場合、最初の塗工に用いる活性エネルギー線硬化性塗料(1)の塗工量は、5〜20g/900cmであり、第二回目以降の活性エネルギー線硬化性塗料の塗工量合計は、5〜30g/900cmであることが好ましい。
装飾層としては、木目印刷が施された強化紙である印刷化粧紙、含浸紙、オレフィンフィルム等の印刷フィルム、突板等が用いられ、突板の材料としてはナラ、オーク、カバ、ブナ、サクラ、メープル、ウォールナット等が用いられる。
装飾層の貼合工程としては、例えば、印刷化粧紙を貼合わせる場合、一般的な紙張り、突板用の水性エマルジョン系接着剤でスプレッダーロール、刷毛等で60〜120g/mを均一に塗布し、水分を乾燥させた後、80℃〜120℃のラミネーターロールで貼合わせることができる。
本発明の木質化粧板の製造方法によって、針葉樹材表層部位に欠陥のない樹脂固着硬化層を形成させることができる。この製造方法によって、耐キャスター性、耐衝撃落下性に優れ、凹凸が抑制され、節、木目の経時形状変化の少ない木質化粧合板を提供することができる。
以下に、本発明の木質化粧合板の製造方法(工程1〜3)に続く、一般の後工程の例を印刷化粧紙貼りフロア用を例に説明する。
第一に、本発明の木質化粧合板の製造方法に於ける主要な特徴部分として、合板が少なくとも台板を針葉樹材とする合板を用い、合板の台板表面を70〜130℃に前加熱する工程(工程1)、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)、装飾層として印刷化粧紙を貼合する工程(工程3)をこの順に有する工程により、印刷化粧紙貼合済みの木質化粧合板を得る。工程2は複数回有っても良い。次いで、印刷化粧紙表面に、着色剤含有水性塗料をスポンジロールコーターにて1.5g/900cm程度塗布後、リバーススクイズコーターにてかきとり、更にナチュラルローラーコーターにて0.5g/900cm程度塗布して溝部着色し、約90℃で約60秒乾燥する。
次いで、紫外線硬化型無溶剤系下塗り剤をスポンジロールコーターにて2.5g/900cm程度塗布後、リバーススクイズコーターにてかきとり、更にナチュラルローラーコーターにて0.5g/900cm程度塗布し、紫外線照射する。
次に、紫外線硬化型無溶剤系中塗り剤をナチュラルロールコーターにて2g/900cm程度塗布し、紫外線照射する。
次に、紫外線硬化型無溶剤系上塗り剤をナチュラルローラーコーターにて1g/900cm程度塗布し、紫外線照射する。
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。実施例は、針葉樹合板を使用し、本発明の木質化粧板の製造方法の特徴部分を施した後、標準の塗装後工程を加えた塗装製品として評価した。比較例1は実施例1と同じ基材を用いて、工程1を省略し、実施例1と同じ製造方法で、比較例2は、実施例1と同じ基材を用いて、工程1、工程2を省略し、実施例1と同じ製造方法で化粧板を作成し、標準の塗装後工程を加えた塗装製品を実施例1と同様の条件で評価した。
(実施例1)
(1)合板として、台板が針葉樹材である杉の合板を用いた。
(2)台板の含水率を5質量%以下にすべく、ハイベロドライヤーで、200度、1分、板面風速5m/sの条件で、合板表面が80℃になるように前加熱した。
(3)合板上に、ユニディックV−3240(不飽和ポリエステル系UV硬化型塗料:DIC製)100部、ダロキュア1173(2−ヒドロキシ2メチル1フェニルプロパン1オン:チバスペシャリティケミカルズ社製の光重合開始剤)5部、バーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート:DIC社製)50部からなる活性エネルギー線硬化性塗料(1)を粘度2000cpsに調整し、ナチュラルロールコーターで、塗料温度40℃、塗工量10g/900cmの条件で塗工した。
(4)紫外線照射装置(GS YUASA製水銀ランプ)にて、100mJ/cm照射した。
(5)前記照射後、ユニディックV−5514(エポキシ系UV硬化型塗料:DIC製)50部、ダロキュア1173(2−ヒドロキシ2メチル1フェニルプロパン1オン:チバスペシャリティケミカルズ社製の光重合開始剤)3部、ミクロンホワイト5000A(タルク)20部、タンカルマルエス(炭酸カルシウム)27部からなる活性エネルギー線硬化性塗料(2)を、ナチュラルリバースコーターで、塗料温度40℃、塗工量30g/900cmの条件で塗工した。
(6)紫外線照射装置(GS YUASA製水銀ランプ)にて、100mJ/cm照射した。
(7)照射後サンドペーパー240番(理研コランダム株式会社)にてサンディング処理を施した。
(8)前記したサンディング処理面に、リカボンドWH−43(中央理化製)100部、バーノックDNW5010(DIC社製)10部からなる接着剤を、スプレッダーロールにて8g/900cmに塗工し、90℃で30秒乾燥した後、装飾層としての木目印刷含浸紙(日本デコール製、70g/m)をラミネーターで100℃の条件で貼合した。
以上、本発明の木質化粧合板の製造方法の主要な特徴部分で得られた合板の後工程として、以下の標準的工程を経て、評価用の木質化粧合板を得た。
(10)着色剤層の形成
水94.5部、ユニラント33指定色(顔料8〜55%、分散剤10〜12%、エチレングリコール20〜31%、水13〜51%のDIC製着色トナー)5部、メトローズSM4000(メチルセルロース:信越化学製増粘剤)0.5部からなる着色剤塗料を、塗工機(Sp−R−N)にて、塗工機温度20℃、塗料温度20℃で、塗工量1.5g/900cmで塗工し、90℃、60秒の条件で乾燥し、着色剤層を得た。
(11)下塗り層の形成
前記着色剤層上に、ユニディックV−4223(ウレタンアクリレート:DIC製):100部、ダロキュア1173:5部からなる活性エネルギー線硬化性下塗り塗料を、塗工機(Sp−R−N)にて、塗工機温度60℃、塗料温度40℃で、塗工量2.5g/900cmで塗工し、80mJ/cmの紫外線を照射し、下塗り層を得た。
(12)中塗り層の形成
前記下塗り層上に、ユニディックV−5508(エポキシアクリレート:DIC製)100部、WA−600(アルミナ系耐摩剤:昭和電工製)20部、ダロキュア1173:5部からなる活性エネルギー線硬化性中塗り塗料を、塗工機(N−N)にて、塗工機温度60℃、塗料温度40℃で、塗工量2g/900cmで塗工し、80mJ/cmの紫外線を照射し、中塗り層を得た。
(13)サンディング及び上塗り層の形成
サンドペーパー320番(理研コランダム株式会社)にて、表面研磨の後、ユニディックV−5508(エポキシアクリレート:DIC製)100部、ダロキュア1173:5部からなる活性エネルギー線硬化性上塗り塗料を、塗工機(N−N)にて、塗工機温度60℃、塗料温度40℃で、塗工量1g/900cmで塗工し、160mJ/cmの紫外線を照射し、上塗り層を得た。
塗工機の表示は以下を表す。
塗工機Sp−R−Nは、スポンジロールコーター、リバーススクイズコーター、ナチュラルロールコーターをこの順に用いることを意味する。同様に、塗工機N−Nは、ナチュラルロールコーターを2度通すことを意味する。
(比較例1)
実施例1と同じ基材を用いて、工程1を省略し、他は、実施例1と同じ製造方法で化粧板を作成し、標準の塗装後工程を加えた塗装製品を比較例1とした。
(比較例2)
実施例1と同じ基材を用いて、工程1、工程2を省略し、他は、実施例1と同じ製造方法で化粧板を作成し、標準の塗装後工程を加えた塗装製品を比較例2とした。
前記で得られた、木質化粧合板(実施例1、比較例1、比較例2)について、以下の評価を行った。
(落球試験)
296gの鋼球を1mの高さから落下させ、化粧板表面の凹み深度を測定した。
(平滑性)
目視評価した。
◎:鏡面(完全なクローズ仕上げ)
○:クローズ仕上げ
△:セミクローズ仕上げ
×:オープン仕上げ
(耐干割れ性)
JAS寒熱B試験10サイクル実施後、日本塗料検査協会の塗膜評価基準「われA」を用いて、目視評価した。
(耐キャスター性)
25kg荷重のキャスターを5000回往復させたときの 傷、凹みの状態を目視評価した。
◎:10点、 ○:9〜8点、 △:7〜6点、 ×:5点以下
Figure 2011161853
本発明により、耐キャスター性、耐落下衝撃性に優れ、凹凸を抑制し、凹凸や節部の経時形状変化の少ない表層改質針葉樹材製合板およびその製造方法を提供することができ、環境負荷の少ない針葉樹材の活用の展開が期待できる。

Claims (9)

  1. 木質化粧合板の製造方法であって、合板が少なくとも台板を針葉樹材とする合板であり、合板の台板表面を70〜130℃に前加熱する工程(工程1)、活性エネルギー線硬化性塗料を塗工し、活性エネルギー線を照射する工程(工程2)、装飾層を貼合する工程(工程3)をこの順に有することを特徴とする木質化粧合板の製造方法。
  2. 前記した(工程1)の前加熱が、合板の台板表面の含水率を5質量%以下とする工程である請求項1に記載の木質化粧合板の製造方法。
  3. 前記した(工程2)に於いて、最初の塗工に用いる活性エネルギー線硬化性塗料(1)を、塗工時の粘度が50〜2,500cpsの条件で、ナチュラルコーター又はカーテンフローコーター又はナイフコーターを用いて塗工する請求項1又は2の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  4. 前記した活性エネルギー線硬化性塗料(1)の揮発性溶剤の含有量が、5質量%未満である請求項1〜3の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  5. 前記した活性エネルギー線硬化性塗料(1)が,イソシアネート基を含有する紫外線硬化性塗料である請求項1〜4の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  6. 前記した(工程2)を少なくとも2回以上有する請求項1〜5の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  7. 前記した工程2に於いて、最初の塗工及び第二の塗工に用いる活性エネルギー線硬化性塗料(2)の塗料温度が20〜120℃であり、最初の塗工及び第二の塗工に於ける塗工量の合計が、5〜100g/900cmである請求項2〜6の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  8. 前記した装飾層が印刷化粧紙である請求項1〜7の何れかに記載の木質化粧合板の製造方法。
  9. 請求項1〜8に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする木質化粧合板。
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