JP2013245314A - コーティング剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然光下においてコート膜を容易に確認できるコーティング剤を提供する。
【解決手段】本発明のコーティング剤は、炭素数が2〜16のパーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーを含むモノマーを、水溶性ナイロンおよびポリビニルピロリドンから選ばれる分散剤の存在下、炭素数1〜6のアルキルアルコール中で重合して得られたポリマーの懸濁液を、アルコールで希釈してなる。本発明のコーティング剤には着色剤を添加するのが好ましい
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング剤に関する。
動圧軸受け装置等には、軸受けオイルの流出防止のためにフッ素コーティング剤を塗布することが一般に行われている。一般的なフッ素コーティング剤は透明性が高いため、所定位置に所望のコート皮膜が形成されているかどうかの確認が困難であるという問題があった。
このような問題を解決するものとして、コーティング剤に着色剤を添加して着色する技術や蛍光剤を添加する技術が提案されている(特許文献1および特許文献2を参照)。
しかし、特許文献1で提案されている技術(着色剤を添加する技術)を微細部に極薄に塗布されるコーティング剤に適用すると、撥油剤量に対し非常に多量の着色剤を使用しないと視認できない。一方、視認性を高めるために着色剤の含有量を多くすると、撥油性が低くなる等の問題点があった。
一方、特許文献2で提案されている蛍光剤を添加する技術の場合には、蛍光剤の添加量が非常に少なくすむため、着色剤を用いたときに生じる問題は生じにくい。
特開2001−27242号公報 特許第4820546号公報
しかしながら、蛍光剤を添加したコーティング剤が塗布されたか否かについての確認を行う際には、ブラックライト等の紫外線照明設備が必須であり、照明設備無しではコート膜を視認することができない。
そのため、照明設備等が必要であり、照明設備等を備えない場所では、コーティング剤が塗布されたか否かの確認ができないという問題があった。
本発明は上記にような事情に基づいて完成されたものであって、自然光(可視光)下においてコート膜を容易に確認できるコーティング剤を提供することを目的とする。
本発明は、炭素数が2〜16のパーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーを含むモノマーを、水溶性ナイロンおよびポリビニルピロリドンから選ばれる分散剤の存在下、炭素数1〜6のアルキルアルコール中で重合して得られたポリマーの懸濁液を、アルコールで希釈してなるコーティング剤である。
本発明においては、アルキルアルコール中で、パーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーを含むモノマーを懸濁重合させるので粒子状のポリマーが懸濁した懸濁液が得られる。このポリマーの懸濁液をアルコールで希釈して得られるコーティング剤を基材に塗布し乾燥すると白濁したコート膜が形成される。その結果、本発明によれば自然光下においてコート膜を容易に確認できるコーティング剤を提供することができる。
本発明は、以下の構成とするのが好ましい。
本発明のコーティング剤は着色剤を添加しなくても、自然光下におけるコート膜の確認が可能であるが、例えば基材が無色の場合に、コーティング剤に着色剤を添加すると、コート膜の視認性が高まり好ましい。
着色剤の添加量が、コーティング剤の全質量に対して、100ppm以上10000ppm以下であると、十分な視認性が得られ、かつ、過酷な条件で保存した後に撥油性の低下が生じ難いので好ましい。
フッ素系モノマーは、重合性ビニル基としてアクリル基またはメタアクリル基を有する構成が好ましい。
環境問題を考慮すると、フッ素系モノマーは、炭素数4ないし7のパーフルオロアルキル基を有する構成であると好ましい。
フッ素系モノマーは、モノマー中に60質量%以上含まれていると、撥水撥油性が優れているので好ましい。
分散剤が水溶性ナイロンであると、モーター用潤滑油への耐性を損なう事が無いので好ましい。
コーティング剤中にポリマーが0.05質量%以上含まれていると、均一なコート膜が得られるので好ましい。
本発明によれば、自然光(可視光)下においてコート膜を容易に確認できるコーティング剤を提供することができる。
本発明のコーティング剤は、パーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーを含むモノマーを、分散剤の存在下、アルキルアルコール中で重合して得られたポリマーの懸濁液をアルコールで希釈してなるコーティング剤である。
モノマーには、炭素数が2〜16のパーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーが含まれる。フッ素系モノマーとしては、パーフルオロアルキルビニル、パーフルオロアルキルエチルビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルキルエチルビニルエーテル、および下記一般式(1)で表わされる化合物等があげられる。
Figure 2013245314
(式中、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示し、nは0〜6の整数を示す。)
フッ素系モノマーは一種類のみを単独で用いてもよいが、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ素系モノマーとしては、重合性ビニル基がアクリル基またはメタアクリル基である化合物[上記一般式(1)で表わされる化合物]が好ましい。また、環境問題を考慮すると、フッ素系モノマーとしては、炭素数が4〜7のパーフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。したがって、上記一般式(1)で表わされる化合物のうち、Rが炭素数4〜7のパーフルオロアルキル基の化合物が特に好ましい。
モノマーとしては上記のフッ素系モノマー以外の他のモノマーを用いてもよい。他のモノマーとしては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートや、フッ素を含まない非フッ素系モノマーを用いてもよい。ここで、「(メタ)アクリレート」とはメタクリル酸エステル(メタクリレート)とアクリル酸エステル(アクリレート)とを一括して表記したものを意味する。
非フッ素系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、secブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tertブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートや、スチレン(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、およびイソボルニル(メタ)アクリレートなどの環状の(メタ)アクリレート等があげられる。これらは一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。
モノマー中のフッ素系モノマーの含有量は、60質量%以上であると撥水撥油性が優れるので好ましい。
本発明において、重合の際に用いる分散剤としては、水溶性ナイロン、およびポリビニルピロリドン(PVP)から選ばれる化合物が用いられる。分散剤として水溶性ナイロンやPVPを用いると、界面活性剤類を用いずに懸濁重合(ソープフリー重合)が可能となる。
ここで、界面活性剤を用いて重合して得られる重合体を含むコーティング剤の塗布により得られるコート膜には、界面活性剤が残留し、加熱または加湿環境でコート膜内で変質・移動を起こし、コート膜の信頼性に影響を与える恐れがある。特に、HDD用流体動圧軸受(FDB)に界面活性剤を用いて重合した重合体を含むコーティング剤を用いた場合には、加熱により界面活性剤がアウトガスとして放出され、FDB以外の部品(例えば磁気メディア等)に付着して損傷・機能障害を引き起こすおそれがある。
しかしながら、本発明では、界面活性剤類を用いずに重合して得られるポリマーを用いるので、上述したような界面活性剤を用いたときに生じる問題は発生しない。
本発明において、分散剤としては、モーター用潤滑油への耐性を損なう事が無い水溶性ナイロンが好ましい。なお、PVPを用いると、水溶性ナイロンを用いたときよりも、一部の潤滑油(エステル系等)に対する耐性は低いが、他の潤滑油に対しては、十分な耐性があるコート膜が形成される。水溶性ナイロンとしては、例えば東レ製AQナイロンA−90、東レ製AQナイロンP−70、東レ製AQナイロンP−95、東レ製AQナイロンT−70、ナガセケムックス製トレジンMF−30等を用いることができる。PVPとしては、東京化成工業製K60(Viscosity Average Molecular Wt:220,000)や、東京化成工業製K90(Viscosity Average Molecular Wt:630,000)等を用いることができる。
アルキルアルコールとしては、炭素数1〜6のアルキルアルコール、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコールがあげられる。これらのアルキルアルコールは直鎖であっても分岐であってもよい。また、アルキルアルコールは一種類のみを用いてもよいし二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ素系モノマーを含むモノマーを、分散剤の存在下、アルキルアルコール中で重合して懸濁重合をおこなう際には、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系の重合開始剤があげられる。
フッ素系モノマーを含むモノマーを重合して得られるポリマーとしては、例えば以下の一般式(2)〜(6)で表わされる繰り返し単位を含むポリマーがあげられる。これらのうち一般式(2)で表わされる繰り返し単位を含むポリマーが好ましい。
Figure 2013245314
(式中、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示す。)
Figure 2013245314
(式中、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示す。)
Figure 2013245314
(式中、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示す。)
Figure 2013245314
(式中、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示す。)
Figure 2013245314
(式中、Rは炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示す。)
フッ素系モノマーを含むモノマーの重合により得られるポリマーの懸濁液を、アルコールで希釈することにより本発明のコーティング剤を得ることができる。
コーティング剤中のポリマーの量は、均一なコート膜が得られるという観点から、コーティング剤の質量に対して0.05質量%以上とするのが好ましく、0.1質量%とするのが特に好ましい。ポリマーの量が0.05質量%未満であると、均一なコート膜が形成できずにムラになる傾向があり、コート膜の破損を生じたり、フッ素樹脂粒子の脱落による欠損が発生することがある。
ポリマーの懸濁液を希釈するアルコールとしては、重合の際に用いるアルキルアルコールと同様のものや、エチレングリコール等の2価のアルコール等があげられる。希釈に用いるアルコールは一種類のみまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。重合の際に用いるアルキルアルコールと、ポリマーの懸濁液の希釈に用いるアルコールは同じものであっても相違していてもよい。
また、ポリマーの懸濁液を希釈する際には、アルコールとともに、イオン交換水等の水を用いてもよい。所定量以上の水を含ませることによりコーティング剤を不燃化し安全性を高めることができる。
本発明のコーティング剤は、基材に塗布することにより白濁したコート膜を形成するため、有色の基材に塗布する用途であれば、着色剤は特に必要ないが、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、アルコール溶解性染料やアルコール分散性顔料を用いるのが好ましい。着色剤の色は塗布する基材の色によって適宜選択可能である。
着色剤の添加量は、コーティング剤の全質量に対して、100〜10000ppmとするのが好ましく、500〜5000ppmとするのが特に好ましい。着色剤の添加量が100ppm未満であるとコート膜の色が薄くなって透明な基材において十分な視認性が得られず、10000ppmを超えると過酷な条件で保存した後に、撥油性の低下が生じることがある。
コーティング剤には、実用性を向上させるために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー等各種添加剤を添加することも可能である。
また、本発明のコーティング剤の被コート物へのコーティング方法は、特に限定されず、ディップ(Dip)、刷毛塗り、スプレー、ディスペンス等、周知の塗布方法を用いることができる。
本発明のコーティング剤は、幅広い用途、例えば、電子基板の防湿コーティング剤や、塩水・電解液・腐食性ガス等から基材を保護する耐薬品保護コーティング剤、マイクロモーターの軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、HDDモーターの流体軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、サインペン・ボールペン等のインクの漏れを防止する漏れ防止剤、コネクタ・電子部品等の汚れ防止剤、絶縁樹脂の這い上がり防止剤、MFコンデンサのリード封止樹脂の付着防止剤、金属部品の防錆剤、DVD・CD等のガイドレール用のドライ潤滑剤、防水スプレー原液に使用することができる。
<実施例>
以下、本発明を実施例にて、より詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1Lのセパラブルフラスコ、3つ口フタ、攪拌機、攪拌翼、滴下ロート、温調付きウォーターバスを用意する。
水溶性ナイロン(東レ製AQナイロンA−90)15質量部をエタノール60質量部に溶解して65℃に保ち、アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル(V−65)を0.3質量部加えた後、一般式(1)で示す化合物であって、Rがメチル、Rが炭素数6のパーフルオロアルキル基、nが2の化合物(フッ素モノマーA)を35質量部、30分かけて滴下した。その後、温度を75℃へ上昇させ6時間保ち、徐々に冷却しながら、エタノール50質量部を滴下して常温まで戻った後に得られた淡黄色のポリマーの懸濁液(A液とする)を保管容器に移した。反応率は98%以上だった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)を東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8220GPC)で測定したところ25,000(PMMA換算)であった。
(実施例2)
フッ素モノマーA35質量部を、フッ素モノマーA25部およびトリフルオロエチルアクリレート10質量部に置き換えたこと以外は実施例1と同様にして淡黄色のポリマーの懸濁液を得た。反応率は98%以上だった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)を実施例1と同じ測定器械で測定したところ25,000(PMMA換算)であった。
(実施例3)
水溶性ナイロンをPVP(東京化成工業製K60)15質量部に置き換えたこと以外は実施例1と同様にして、白色の懸濁液を得た。反応率は98%以上であった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)を実施例1と同じ測定器械で測定したところ25,000(PMMA換算)であった。
(比較例1)
「水溶性ナイロン15質量部をエタノール60質量部に溶解する」ことを、「CMC(東京化成工業製 カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩C0045の50%水溶液)30質量部をエタノール45質量部に溶解する」ことに置き換えた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行ったが、反応中に樹脂の塊が発生し懸濁液は得られず、コーティング剤としての体裁を成さなかった。
(比較例2)
「水溶性ナイロン15質量部をエタノール60質量部に溶解する」ことを、「CMC(東京化成工業製 カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩C0045の50%水溶液)30質量部及び界面活性剤(住友スリーエム製FC−4430)0.5質量部をエタノール45質量部に溶解する」ことに置き換えた以外は実施例1と同様にして、白色の懸濁液を得た。反応率は98%以上だった。
(評価試験)
実施例1ないし3で得られた懸濁液、ならびに比較例2で得られた懸濁液を用いて以下の試験を行った。
(試験例1〉
各懸濁液をエタノールで希釈して、ポリマーの含有量が1.0質量%のコーティング剤1−1、1−2、1−3、1−4をそれぞれ作製して以下の試験を行い評価をおこなった。
(1)接触角(液滴法)
各コーティング剤に、それぞれステンレス板(長さ75mm×幅25mm、厚さ1mm)をディップしてコーティング剤を塗布し、100℃で1時間乾燥してサンプルを作製した。各サンプルについて、協和界面科学製DM−300を用いて、液滴法で純水及びn−ヘキサデカンの静的接触角を計測し、表1に示した。
(2−1)耐オイル性
各コーティング剤を、φ2mm、長さ35mmのSUS304の丸棒の上端から10mmの位置に1mm幅で塗布し、100℃で1時間乾燥してサンプルを作製した。棒を立てて固定し、棒の先端よりマイクロピペットを用いてモーターオイルを、サンプルに対して10μl滴下した。オイルが塗膜上で弾かれて止まり、100時間以上、下部への流出が無ければ合格とした。結果を表1に示した。
(2−2)耐オイル性(加熱加速)
(2−1)と同様にして作製したサンプルに(2−1)と同様の方法でモーターオイルを滴下した後に、100℃で100時間の加熱を行っても、オイルの下部への流出が無ければ合格とした。結果を表1に示した。
(3)視認性
長さ75mm×幅25mm、厚さ1mmサイズの各基材に、綿棒を用いて、各コーティング剤の線(幅5mmの線3本)を塗布し、100℃で1時間乾燥して試験片として、目視により塗膜を観察した。
基材としては、SUS304、SUS430、鉄、銅、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート(PC)を用いた。
白色塗膜として視認できれば○、見難いが識別できれば△、識別できなければ×と判断し、結果を表1に示した。
(4)密着性
長さ75mm×幅25mm、厚さ1mmサイズの各基材に、綿棒を用いて、各コーティング剤を幅5mmの線3本となるように塗布し、100℃で1時間乾燥して試験片とした。
各試験片に、JIS K 5600用の25枡冶具を使用し、クラフトナイフで碁盤目状に切れ込みを入れた後、セロハンテープ(ニチバン製24mm幅)を貼り付けた。
消しゴムでセロハンテープを基材に押し付けてセロハンテープを密着させた後、基材に対し直角に上方へ引き剥がした。その後、コート膜を観察し、コート膜の剥がれ・浮きが無いマス(マスAとする)を数え、マスAの数/25で表記した。
Figure 2013245314
(5)考察
表1に示すように、実施例1の懸濁液を用いて作製したコーティング剤1−1、実施例2の懸濁液を用いて作製したコーティング剤1−2、および実施例3の懸濁液を用いて作製したコーティング剤1−3は、比較例3の懸濁液を用いて作製したコーティング剤1−4よりも接触角(純水)が大きかった。また、コーティング剤1−1およびコーティング剤1−2およびコーティング剤1−3の接触角(n−ヘキサデカン)はコーティング剤1−4の接触角(n−ヘキサデカン)以上であった。
これらの結果から本発明のコーティング剤により形成したコート膜は撥水撥油性に優れているということがわかった。
また、コーティング剤1−1、コーティング剤1−2およびコーティング剤1−3は、耐オイル性が優れており、特にコーティング剤1−1およびコーティング剤1−2では過酷な条件下での耐オイル性(加熱加速)も優れていた。なお、コーティング剤1−3は過酷な条件下での耐オイル性(加熱加速)試験は不合格ではあったが、通常の使用条件では優れた耐オイル性を有している。
これらの結果から本発明のコーティング剤により形成したコート膜は耐オイル性に優れているということが分かった。特に分散剤として水性ナイロンを用いると、過酷な条件下での耐オイル性も優れているということがわかった。
コーティング剤1−1、1−2、1−3、1−4を用いて形成したコート膜は全て白色塗膜として視認することができ、基材との密着性も優れていた。
(試験例2)
(1)ポリマーの濃度
実施例1で得たA液を用い、ポリマーの濃度が表2に記載の濃度となるようにエタノールで希釈して濃度の相違するコーティング剤2−1、2−2,2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−9、を作製した。各コーティング剤にSUS304板(長さ75mm×幅25mm、厚さ1mm)をディップし、100℃で1時間乾燥して試験片とした。形成されたコート膜を目視で観察しムラ・塗膜欠損の有無を以下の評価基準により判断し、表2に示した。
◎:ムラ・欠損が無い
○:多少のムラはあるが欠損は無い
△:ムラが大きく、多少の欠損がある
×:製膜していない
Figure 2013245314
(2)考察
表2に示すようにポリマーの濃度を0.05質量%以上とすると、欠損のないコート膜を形成することができ、特に、0.1質量%以上とするとムラも欠損もないコート膜を形成することができるということがわかった。
(試験例3)
(1)着色剤の量
実施例1で得たA液を用い、ポリマーの濃度が1質量%となるようにエタノールで希釈した。その際に表3に記載の濃度となるように青色染料(オリエント化学工業製、OIL BLUE 630)を加えて着色剤の濃度が相違するコーティング剤3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、3−8をそれぞれ作製した。
次に、SUS304板(長さ75mm×幅25mm、厚さ1mm)に、綿棒を用いて、各コーティング剤を幅4mmの線3本となるように塗布し、100℃で1時間乾燥して試験片とした。試験片を 目視で観察し、線状塗膜の認識度を以下の評価基準により判断し、表3に示した。
◎:ハッキリ視認できる
○:視認できる
△:見難いが識別できる
×:識別できない
Figure 2013245314
(2)耐久性試験
実施例1で得たA液を用い、ポリマーの濃度が5質量%となるようにエタノールで希釈した。その際に表4に記載の濃度となるように青色染料(オリエント化学工業製、OIL BLUE 630)を加えて着色剤の濃度が相違するコーティング剤4−1、4−2、4−3をそれぞれ作製した。
次に、SUS304板(長さ75mm×幅25mm、厚さ1mm)を、各コーティング剤にディップして塗布を行い、100℃で1時間乾燥して試験片とした。試験片の初期接触角Aを測定した後、150℃100時間の加熱環境に晒し、室温まで冷却後、接触角Bを計測した。初期接触角Aおよび接触角Bの測定は、試験例1の(1)に記載の方法(n−ヘキサデカンの静的接触角)と同様に行った。
接触角の保持率(%)を式1により算出して、下記の基準により評価して表4に示した。
保持率=100×接触角B/初期接触角A・・・(式1)
評価基準
◎:95%以上保持している
○:90%以上保持している
△:80%以上保持している
×:80%未満に低下している
Figure 2013245314
(3)考察
表3に示すように、着色剤の量を50ppm以上とすると、コート膜が識別可能であり、100ppm以上とすると視認でき、500ppm以上とすると明確に視認できるということがわかった。
表4に示すように、着色剤の量が10000ppm以下では接触角の保持率が特に高いということがわかった。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、一般式(1)で示される化合物のうち、Rがメチル、Rが炭素数6のパーフルオロアルキル基、nが2の化合物をフッ素系モノマーとして用いた例を示したが、この化合物に限定されないRが水素、Rが炭素数7のパフルオロアルキル基、nが1の化合物等であってもよい。
(2)上記実施例ではアルキルアルコールとしてエタノールを用いる例を示したが、メタノール、プロパノール、ブタノールなどであってもよい。また、重合に用いるアルコールと希釈用のアルコールは相違するアルコールであってもよい。

Claims (8)

  1. 炭素数が2〜16のパーフルオロアルキル基および重合性ビニル基を有するフッ素系モノマーを含むモノマーを、
    水溶性ナイロンおよびポリビニルピロリドンから選ばれる分散剤の存在下、炭素数1〜6のアルキルアルコール中で重合して得られたポリマーの懸濁液を、
    アルコールで希釈してなるコーティング剤。
  2. 着色剤を添加した請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 前記重合性ビニル基がアクリル基またはメタアクリル基である請求項1または請求項2に記載のコーティング剤。
  4. 前記フッ素系モノマーは、炭素数4ないし7のパーフルオロアルキル基を有する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  5. 前記フッ素系モノマーは、前記モノマー中に60質量%以上含まれる請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  6. 前記分散剤が水溶性ナイロンである請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  7. 前記ポリマーが0.05質量%以上含まれる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコーティング剤。
  8. 着色剤の添加量が、コーティング剤の全質量に対して、100ppm以上10000ppm以下である請求項2ないし請求項7のいずれか一項に記載のコーティング剤。
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Citations (6)

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