JP4820546B2 - コーティング剤 - Google Patents

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Description

本発明は、コーティング剤に関する。
フッ素系ポリマーには撥水撥油性能があるため、オイルバリア用途、樹脂・油脂の這い上がり防止用途、絶縁保護・防湿コーティング用途、低摩擦・摺動用途、離型用途等の幅広い用途において、コーティング剤として使用されている。
ところが、フッ素系ポリマーは一般的に透明性が高く、しかもコーティング剤として用いられるときには塗布膜厚が薄いため、所望のコート皮膜が所定部位に形成されたか否かを確認することが困難であった。
そこで、かかる問題を解決するために、コーティング剤を着色剤により着色する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−27242公報
しかしながら、このものでもコート皮膜の着色は必ずしも十分とは言えず、膜厚を薄くした場合や、被コート物が小さい場合には、所望のコート皮膜が所定部位に形成されたか否かを確認することは困難であった。
一方、コーティング剤の着色に、紫外線照射により発光するクマリン系の蛍光剤を用いたものがある。このものでは、常温でのコート直後に紫外線照射すればコート皮膜が発光し、その有無を容易に確認することができる。ところが、コート皮膜を硬化、乾燥する際に100℃以上に加熱すると蛍光剤が昇華反応を起こして気化分解するため、加熱後には紫外線照射してもコート皮膜は発光しなくなり、その有無を確認することができないという不都合があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コート皮膜の有無を容易に確認できるコーティング剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するコーティング剤を提供すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマー、及び紫外線照射によりブルーに発色する蛍光剤を含むコーティング剤を用いると、コート皮膜の有無の確認が容易に行えることを見出した。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明のコーティング剤は、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマーと、紫外線照射によりブルーに発色する蛍光剤と、溶剤とを混合してなる。
本発明のコーティング剤は、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマーを含むから、撥水撥油効果の高いコート皮膜を形成することができる。また、紫外線照射によってブルーに発色する蛍光剤が添加されているから、コート皮膜の状態を目視により容易に確認することができる。
パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマーは、下記式(16)で表される繰り返し単位を主に含むポリパーフルオロアルキルアクリレート、ポリパーフルオロアルキルメタクリレート、ポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート、ポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルメタクリレート等のポリマーである。
Figure 0004820546
(但し、式(16)中、(CH のnは0〜6の整数を示す。R は、水素、又はメチル基を示す。Rfは、パーフルオロアルキル基(C 2n+1 )を示し、C 2n+1 中のnは0〜6の整数を示す。)
パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマーの参考例としては、例えば、以下の<化5>〜<化17>で示されるポリマーが挙げられる。ここで、<化5>〜<化17>のポリマーを順に説明する。
下記式(4)で表される繰り返し単位を主に含むエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)。
Figure 0004820546
下記式(5)で表される繰り返し単位を主に含むポリフッ化ビニル(PVF)。
Figure 0004820546
下記式(6)で表される繰り返し単位を主に含むポリフッ化ビニリデン(PVDF)。
Figure 0004820546
下記式(7A)及び下記式(7B)で表される繰り返し単位を主に含むエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)。
Figure 0004820546
下記式(8)で表される繰り返し単位を主に含むポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)。
Figure 0004820546
下記式(9A)及び下記式(9B)で表される繰り返し単位を主に含むテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)。
Figure 0004820546
(但し、式(9)中、Rfは、炭素数2〜16、好ましくは炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基(C2n+1)を示す)。
下記式(10)で表される繰り返し単位からなるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)。
Figure 0004820546
下記式(11A)及び下記式(11B)で表される繰り返し単位を主に含むテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)。
Figure 0004820546
下記式(12)で表される繰り返し単位を主に含むポリパーフルオロアルキルビニル。
Figure 0004820546
(但し、式(12)中、Rfは、炭素数2〜16、好ましくは炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基(C2n+1)を示す)。
下記式(13)で表される繰り返し単位を主に含むポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルビニル。
Figure 0004820546
(但し、式(13)中、Rfは、炭素数2〜16、好ましくは炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基(C2n+1)を示す)。
下記式(14)で表される繰り返し単位を主に含むポリパーフルオロアルキルビニルエーテル。
Figure 0004820546
(但し、式(14)中、Rfは、炭素数2〜16、好ましくは炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基(C2n+1)を示す)。
下記式(15)で表される繰り返し単位を主に含むポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルビニルエーテル。
Figure 0004820546
(但し、式(15)中、Rfは、炭素数2〜16、好ましくは炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基(C2n+1)を示す)。
下記式(17)で表される繰り返し単位を主に含むパーフルオロポリアルケニルビニルエーテル。
Figure 0004820546
(但し、式(17)中、a=0又は1,b=0又は1,c=0、1、又は2を示す)
なお、上記式(4)〜式(17)の繰り返し単位を主とし、他の繰り返し単位を含むコポリマーも本発明の効果を損なわない範囲であれば使用することが出来る。
また、撥水撥油性能が優れているとの観点から、式(16)で表される繰り返し単位を主に含むポリマーが好ましく、特に、ポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート、ポリ2−(パーフルオロアルキル)エチルメタクリレートが好ましい。
上述の各ポリマーの分子量Mwは、3000〜400000(ここで、MwとはGPC(溶媒;テトラヒドロフラン)を用い、ポリスチレン換算した場合の重量平均分子量)であり、特に30000〜70000が好ましい。この範囲よりも分子量が小さいと、皮膜が脆くなる傾向にあり、一方この範囲よりも分子量が大きいと溶解性が低下する傾向にあるからである。
次に蛍光剤について説明する。本発明のコーティング剤に用いる蛍光剤は、可視光下で発色せずに不可視(不可視型)であり、かつ紫外線照射によりブルーに発色する性質を有する。この性質をもつ蛍光剤としては、下記一般式(18)や下記一般式(19)で表されるものがあげられる。
Figure 0004820546
(式中、R〜Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示し、R〜Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0004820546
(式中、R〜R14は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示し、R〜R14は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
一般的な、クマリン系化合物、アントラキノン系化合物、キナクドリン系化合物、フタロシアニン系化合物、アジレーキ系化合物などの有機顔料を用いた場合、皮膜形成後に100℃以上の加熱、乾燥処理すると、有機顔料が昇華反応を起こし、発色が減退してしまう。一方、一般式(18)や一般式(19)で表される蛍光剤を用いると100℃以上の加熱、乾燥処理しても昇華反応が起きず、紫外線光の照射により皮膜は確実に発光するからである。よって、一般式(18)や一般式(19)で表される蛍光剤を用いると皮膜形成後に焼き付けることができ、その結果、皮膜の被コート物への密着性を向上させ、かつ皮膜硬度を向上させることができる。
なお、一般式(18)のR〜Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示すが、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が好適であり、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が好適である。
核炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらは炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよい。
また、一般式(19)のR〜R14は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示すが、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が好適であり、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等が好適である。
核炭素数6〜18のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらは炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよい。
本発明のコーティング剤に使用する溶剤としては、フッ素系ポリマーを溶解可能な溶剤であれば特に限定されずに使用することができ、例えば、アセトン、MEK、MIBK等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系、ヘプタン、ヘキサン等のアルカン系、エタノール、IPA等のアルコール系の溶剤を使用することができる。特に、フッ素系溶剤が好ましい。フッ素系溶剤を用いると不燃であるため、コーティング設備に特殊な排気・防爆装置を設ける必要がなくなる。また、フッ素系溶剤はフッ素系ポリマーと親和性が高いことからフッ素系ポリマーの溶解能が高いからである。
フッ素系溶剤としては、特に限定されず、例えば、パーフルオロカーボン(PFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ハイドロフルオロポリエーテル(HFPE)などを使用できる。
また、本発明のコーディング剤では、フッ素系ポリマーと蛍光剤と溶剤の合計量に対するフッ素系ポリマーの量が0.05〜30重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.2〜8重量%である。この範囲よりもフッ素系ポリマー量が少なくなると均一な皮膜を形成できずムラになる傾向があり、一方多くなると皮膜が脆くクラックが入りやすい傾向にあるからである。
蛍光剤の量は、前記合計量(フッ素系ポリマーと蛍光剤と溶剤の合計量)に対して500〜10000wt ppmであることが好ましく、さらに好ましくは600〜3000wt ppm、特に好ましくは800〜1500wt ppmである。この範囲よりも蛍光剤が少なくなると、被コート物によっては、塗布されたか否かの確認が困難となる。一方、この範囲よりも多くなると皮膜の被コート物への密着性が低下する傾向にあるからである。
なお、コーティング剤には、実用性を向上させるために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー等各種添加剤を添加することも可能である。
また、本発明のコーティング剤の被コート物へのコーティング方法は、特に限定されず、ディップ(Dip)、刷毛塗り、スプレー、ディスペンス等、周知の塗布方法を用いることができる。
本発明のコーティング剤は、幅広い用途、例えば、電子基板の防湿コーティング剤や、塩水・電解液・腐食性ガス等から基材を保護する耐薬品保護コーティング剤、マイクロモーターの軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、HDDモーターの流体軸受けに用いる潤滑オイルの拡散を防止するオイルバリア剤、サインペン・ボールペン等のインクの漏れを防止する漏れ防止剤、コネクタ・電子部品等の汚れ防止剤、絶縁樹脂の這い上がり防止剤、MFコンデンサのリード封止樹脂の付着防止剤、金属部品の防錆剤、DVD・CD等のガイドレール用のドライ潤滑剤、表面反射防止コート剤、防水スプレー原液に使用することができる。
本発明のコーティング剤は、視認性の優れた蛍光剤を含有するため塗布の有無を容易に確認でき、かつフッ素系ポリマーを含有するため皮膜強度を十分に確保できるとともに高い撥水撥油性を有する。
以下、本発明を実施例にて、より詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<<試験A コート皮膜の視認性の評価試験、及びコート皮膜の基材に対する密着性の評価試験>>
1.コーティング剤の調製
<コーティング剤A−1(本発明のコーティング剤)>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート2重量部をHFE98重量部に溶解し、サンプル溶液SAとした。
このサンプル溶液SA99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名 ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−1とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−2(本発明のコーティング剤)>
サンプル溶液SA99.5gにオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名 ロイヒマーカー108M)を500mg添加分散したこと以外は、コーティング剤A−1と同様にして、コーティング剤A−2を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は5000wt ppmとされている。
<コーティング剤B−1(比較例)>
サンプル溶液SA99.9gに着色剤(Macrolex Blue RR FG ; BAYER LTD.製)を100mg添加分散したこと以外は、コーティング剤A−1と同様にして、コーティング剤B−1を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと着色剤と溶剤の合計量に対して、着色剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤B−2(比較例)>
サンプル溶液SA99.5gに着色剤(Macrolex Blue RR FG ; BAYER LTD.製)を500mg添加分散したこと以外は、コーティング剤A−1と同様にして、コーティング剤B−1を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと着色剤と溶剤の合計量に対して、着色剤の量は5000wt ppmとされている。
<コーティング剤C−1(比較例)>
サンプル溶液SA99.9gに蛍光剤(CARTAX CXDP POWDER ; クラリアントジャパン(株)製)を100mg添加分散したこと以外は、コーティング剤A−1と同様にして、コーティング剤C−1を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤C−2(比較例)>
サンプル溶液SA99.5gに蛍光剤(CARTAX CXDP POWDER ; クラリアントジャパン(株)製)を500mg添加分散したこと以外は、コーティング剤A−1と同様にして、コーティング剤C−2を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は5000wt ppmとされている。
2.コート皮膜の形成
上述の各コーティング剤をそれぞれ容器にいれ、各コーティング剤中に各種基材、すなわち、ステンレス板(SUS板、長さ40mm×幅15mm、厚さ0.5mm)、ガラス板(長さ76mm×幅26mm、厚さ1mm)、鋼線(SUS304製、直径1mm)、樹脂板(PET製、透明色、長さ40mm×幅15mm、厚さ0.5mm)、プリント配線板(JISZ3197の6.8(1)に規定するくし形電極基板2形、長さ50mm×幅50mm、厚さ1.6mm)を、それぞれ漬け、その後、基材をコーティング剤から引き上げて室温で乾燥させた(1回ディップコート)。これにより、各基材表面に約1μm厚のコート皮膜が形成された。
3.コート皮膜の評価方法
(3−1)コート皮膜の視認性の評価方法
各基材のコート皮膜形成部分に白色光又はブラックライト(波長365nm)を照射してコート皮膜の発色を目視にて観察した。この際の評価は、以下のようにした。
◎;発色が明確に観察される(発色によってコート皮膜の存在が明確に確認できる(視認性が高い))。
○;発色が観察される。
△;発色が若干観察される。
×;発色が全く観察されない。
(3−2)コート皮膜の各基材への密着性の評価方法
各基材のコート皮膜形成部分に、セロハンテープ(ニチバン 幅24mm)を貼り付けた。この際、消しゴムにてセロハンテープを基材に押圧して基材にセロハンテープを密着させた。その後、基材に対して90度上方へ向けてテープを引き剥がした。そして、各基材からコート皮膜が剥離したか否かを確認した。
このような1)テープの接着、2)テープの剥離、3)コート皮膜の剥離の有無の確認を1セットとし、これを繰り返し行った。本試験における密着性の評価は、以下のようにした。
◎;5セット以上テープの接着、剥離を繰り返してもコート皮膜の剥離無し
○;3〜5セット目にコート皮膜の剥離が観察
△;2セット目にコート皮膜の剥離が観察
×;1セット目にコート皮膜の剥離が観察
4.結果
結果を以下の表1に示す。
Figure 0004820546
コーティング剤A−1を用いた場合には、どの基材においても発色がはっきりと観察されるため、コート皮膜が存在しているか否かの確認が容易であることが判明した。また、コーティング剤A−1を用いた場合には、コーティング膜の各基材への密着性が高いことが判明した。
コーティング剤A−2を用いた場合には、どの基材においても発色がはっきりと観察されるため、コート皮膜が存在しているか否かの確認が容易であることが判明した。また、コーティング剤A−2を用いた場合には、コーティング膜の各基材への密着性が実用上問題のないレベルであることが判明した。
コーティング剤B−1を用いた場合には、どの基材においてもコート皮膜が存在しているか否かの確認が困難であることが判明した。
コーティング剤B−2を用いた場合には、コーティング剤B−1を用いた場合よりもコート皮膜の視認性が向上しているが、鋼線ではコート皮膜が存在しているか否かの確認が困難であった。また、コーティング剤B−2を用いた場合には、コーティング膜の各基材への密着性が弱く実用に耐えないものであった。
コーティング剤C−1を用いた場合には、鋼線、樹脂板、プリント配線板において、コート皮膜が存在しているか否かの確認が困難であることが判明した。
コーティング剤C−2を用いた場合には、コーティング剤C−1を用いた場合よりも視認性が向上しているが、鋼線、樹脂板、プリント配線板では明確には発色が確認できず、コーティング膜の視認性は不十分であった。また、コーティング剤C−2を用いた場合には、コーティング膜の各基材への密着性が弱く実用に耐えないものであった。
なお、試験Aにおいて、コーティング剤A−1、A−2、A−3のオキサゾール系蛍光剤の代わりに、上記式(19)でR〜R14を水素としたスチルベン系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108S)を用いた場合にもコーティング剤A−1、A−2、A−3と同様の良好な結果が得られた。
<<試験B.加熱がコート皮膜の視認性に与える影響>>
1.コート皮膜の形成
コーティング剤A−1を容器にいれ、各種基材、すなわち、ステンレス板(SUS板、長さ40mm×幅15mm、厚さ0.5mm)、ガラス板(長さ76mm×幅26mm、厚さ1mm)、鋼線(SUS304製、直径1mm)、樹脂板(PET製、透明色、長さ40mm×幅15mm、厚さ0.5mm)、プリント配線板(JISZ3197の6.8(1)に規定するくし形電極基板2形、長さ50mm×幅50mm、厚さ1.6mm)を、それぞれ漬け、その後、基材をコーティング剤から引き上げて乾燥させた(1回ディップコート)。それぞれの基材について室温で1時間乾燥させたもの、120℃で1時間乾燥させたもの、150℃で1時間乾燥させたものの3種類を用意した。
コーティング剤C−1を用いて、コーティング剤A−1の場合と同様にして、室温で1時間乾燥させたもの、120℃で1時間乾燥させたもの、150℃で1時間乾燥させたものの3種類を用意した。
いずれの場合においても基材表面に約1μm厚のコート被膜が形成された。
2.コート皮膜の視認性の評価方法
各基材のコート皮膜形成部分にブラックライト(波長365nm)を照射してコート皮膜の発色を目視にて観察した。この際の評価は、以下のようにした。
◎;発色が明確に観察される(発色によってコート皮膜の存在が明確に確認できる(視認性が高い))。
○;発色が観察される。
△;発色が若干観察される。
×;発色が全く観察されない。
3.結果
結果を以下の表2に示す。
Figure 0004820546
コーティング剤A−1を用いると、乾燥温度が室温、120℃、150℃のいずれの場合でも、基材の種類によらず発色がはっきりと観察された。よって、コート皮膜が存在しているか否かの確認が容易であることが分かった。
これに対して、コーティング剤C−1の場合は、乾燥温度を120℃、150℃にすると、どの基材においてもコート皮膜が存在しているか否かの確認が困難であることが分かった。
<<試験C.コーティング剤中のフッ素系ポリマー濃度の検討>>
次に、コーティング剤中のフッ素系ポリマー濃度の検討を行った。
1.コーティング剤の調製
<コーティング剤A−3>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート0.01重量部をHFE99.99重量部に溶解し、サンプル溶液SB−1とした。
このサンプル溶液SB−1 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−3とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−4>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート0.05重量部をHFE99.95重量部に溶解し、サンプル溶液SB−2とした。
このサンプル溶液SB−2 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−4とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−5>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート0.1重量部をHFE99.9重量部に溶解し、サンプル溶液SB−3とした。
このサンプル溶液SB−3 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−5とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−6>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート0.2重量部をHFE99.8重量部に溶解し、サンプル溶液SB−4とした。
このサンプル溶液SB−4 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−6とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−7>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート8重量部をHFE92重量部に溶解し、サンプル溶液SB−5とした。
このサンプル溶液SB−5 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−7とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−8>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート15重量部をHFE85重量部に溶解し、サンプル溶液SB−6とした。
このサンプル溶液SB−6 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−8とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−9>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート30重量部をHFE70重量部に溶解し、サンプル溶液SB−7とした。
このサンプル溶液SB−7 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−9とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−10>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート40重量部をHFE60重量部に溶解し、サンプル溶液SB−8とした。
このサンプル溶液SB−8 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−10とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−11>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート50重量部をHFE50重量部に溶解し、サンプル溶液SB−9とした。
このサンプル溶液SB−9 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−11とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−12>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート60重量部をHFE40重量部に溶解し、サンプル溶液SB−10とした。
このサンプル溶液SB−10 99.9gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤A−12とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
2.コート被膜の形成及びその評価方法
<コート皮膜の形成>
コーティング剤A−3〜A−12をそれぞれガラス板上に塗布し室温で乾燥させ、評価用のサンプルとした。
各サンプルを環境試験器に入れて、以下のように昇温・降温を繰り返した後、コート皮膜形成部分の接触角の測定及びクラックの有無を観察した。
(昇温・降温サイクルの詳細)
1)室温から約1時間かけて120℃まで昇温し、120℃で0.5時間保持する。
2)次に120℃から約2時間かけて−30℃まで降温し、−30℃で0.5時間保持する。
3)次に−30℃から約1.5時間かけて120℃まで昇温し、120℃で0.5時間保持する。
4)次に120℃から約2時間かけて−30℃まで降温し、−30℃で0.5時間保持する。
5)次に−30℃から約1.5時間かけて120℃まで昇温し、120℃で0.5時間保持する。
6)次に120℃から約2時間かけて−30℃まで降温し、−30℃で0.5時間保持する。
7)最後に、−30℃から約0.5時間かけて室温まで昇温する。
<接触角の測定方法>
接触角の計測には、協和界面科学製の接触角測定器CA-DT型を用い、液滴法で測定した(なお、測定には、純水を使用した)。
接触角の評価は、以下のようにした。
◎;コート皮膜の全面で接触角が110°以上である。
△;所々、接触角が110°以下の部分がある。
<クラックの有無の確認方法>
各サンプルを白色蛍光灯にかざして裏面(コート皮膜非形成面)から観察し、クラックの有無を目視にて観察した。この際の評価は、以下のようにした。
◎;クラックなし。
△;部分的にクラックあり。
3.結果
結果を以下の表3に示す。
Figure 0004820546
フッ素系ポリマーの量(樹脂分)が0.05〜30重量%であるコーティング剤A−4、A−5、A−6、A−7、A−8、A−9を用いて作製したサンプルでは、接触角が全面で110°以上であり、かつクラックは観察されなかった。
従って、フッ素系ポリマーの量は0.05〜30重量%とすることが好ましいことが分かった。
<<試験D.コーティング剤中の蛍光剤濃度の検討>>
次に、コーティング剤中の蛍光剤濃度の検討を行った。
1.コーティング剤の調製
<コーティング剤A−13>
ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート2重量部をHEF98重量部に溶解し、サンプル溶液SC−1とした。
このサンプル溶液SC−1 99.96gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を40mg添加分散してコーティング剤A−13とした。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は400wt ppmとされている。
<コーティング剤A−14>
サンプル溶液SC−1 99.95gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を50mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−14を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は500wt ppmとされている。
<コーティング剤A−15>
サンプル溶液SC−1 99.94gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を60mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−15を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は600wt ppmとされている。
<コーティング剤A−16>
サンプル溶液SC−1 99.92gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を80mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−16を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は800wt ppmとされている。
<コーティング剤A−17>
サンプル溶液SC−1 99.85gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を150mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−17を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1500wt ppmとされている。
<コーティング剤A−18>
サンプル溶液SC−1 99.7gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を300mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−18を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は3000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−19>
サンプル溶液SC−1 99gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を1000mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−19を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は10000wt ppmとされている。
<コーティング剤A−20>
サンプル溶液SC−1 98.5gに、上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を1500mg添加分散した以外は、コーティング剤A−13と同様にして、コーティング剤A−20を調製した。なお、本コーティング剤では、ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレートと蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は15000wt ppmとされている。
2.コート皮膜の形成
各コーティング剤を容器にいれ、試験Aと同様にして各基材表面に約1μm厚のコート皮膜を形成した。
3.コート皮膜の評価方法
コート皮膜の視認性、及びコート皮膜の各基材への密着性を試験Aと同様にして評価した(試験A (3−1,3−2参照)。
4.結果
結果を以下の表4に示す。
Figure 0004820546
蛍光剤の濃度が400wt ppmのコーティング剤A−13では、どの基材においても発色が若干確認できる程度であり、コート皮膜が存在しているか否かの判断が困難であった。これに対して蛍光剤の濃度が500wt ppmのコーティング剤A−14では、SUS板及びガラス板において発色が確認でき、コート皮膜が存在しているか否かの判断が比較的容易であった。そして、蛍光剤の濃度が高くなるにつれて、発色が強くなり、コート皮膜が存在しているか否かの判断がより容易になる傾向があった。
一方、蛍光剤の濃度が15000wt ppmのコーティング剤A−20では、コート皮膜の各基材への密着性が弱くなり、コート皮膜が基材から剥がれやすかった。
従って、コート皮膜が存在しているか否かの確認性(視認性)、及び基材に対する密着性の観点からは、蛍光剤の濃度は500〜10000wt ppmが好ましいことが分かった。また、表4に示されるように、視認性・密着性の観点から600〜10000wt ppmがさらに好ましく、特に800〜1500wt ppmが好ましいことが分かった。
<<試験E.種々のフッ素系ポリマーを使用したコーティング剤の検討>>
次に、種々のフッ素系ポリマーを使用したコーティング剤について検討した。
1.コーティング剤の調製
この試験に用いた樹脂は以下の樹脂E−1〜樹脂E−9である。

樹脂E−1;エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)
樹脂E−2;テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)
樹脂E−3;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
樹脂E−4;ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルビニルエーテル
樹脂E−5;ポリパーフルオロアルキルアクリレート
樹脂E−6;ポリパーフルオロアルキルメタクリレート
樹脂E−7;ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート
樹脂E−8;ポリ2-(パーフルオロアルキル)エチルメタクリレート
樹脂E−9;パーフルオロポリアルケニルビニルエーテル
<コーティング剤E−1>
樹脂E−1 2重量部をHFE98重量部に溶解して溶液を調製し、この溶液99.9gに上記式(18)でR〜Rを水素としたオキサゾール系蛍光剤(シンロイヒ社製、商品名ロイヒマーカー108M)を100mg添加分散してコーティング剤E−1とした。
なお、本コーティング剤では、樹脂E−1と蛍光剤と溶剤の合計量に対して、蛍光剤の量は1000wt ppmとされている。
<コーティング剤E−2>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−2を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−2を調製した。
<コーティング剤E−3>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−3を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−3を調製した。
<コーティング剤E−4>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−4を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−4を調製した。
<コーティング剤E−5>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−5を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−5を調製した。
<コーティング剤E−6>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−6を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−6を調製した。
<コーティング剤E−7>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−7を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−7を調製した。
<コーティング剤E−8>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−8を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−8を調製した。
<コーティング剤E−9>
樹脂E−1にかえて、樹脂E−9を使用した以外は、コーティング剤E−1と同様にしてコーティング剤E−9を調製した。
2.コート皮膜の形成
各コーティング剤を容器にいれ、試験Aと同様にして各基材表面に約1μm厚のコート皮膜を形成した。
3.コート皮膜の評価方法
コート皮膜の視認性、及びコート皮膜の各基材への密着性を試験Aと同様にして評価した(試験A (3−1,3−2参照)。
4.結果
コーティング剤E−1〜E−9のいずれを用いても、ずべての基材においてコート皮膜の発色が明確に観察され、発色によってコート皮膜の存在が明確に確認できた(視認性が高かった)。

Claims (3)

  1. パーフルオロアルキル基を有するフッ素系ポリマーと、紫外線照射によりブルーに発色する蛍光剤と、溶剤と、を混合してなり、
    前記フッ素系ポリマーは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を主に含み、分子量Mw3000〜400000のポリマーであり、前記蛍光剤は下記一般式(2)又は一般式(3)で表されることを特徴とするコーティング剤。
    Figure 0004820546
    (式中、Rは、水素、又はメチル基を示し、Rfは、炭素数2〜16のパーフルオロアルキル基を示し、nは0〜6の整数を示す。)
    Figure 0004820546
    (式中、R〜Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示し、R〜Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0004820546
    (式中、R〜R14は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、核炭素数6〜18のアリール基、水酸基を示し、R〜R14は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記溶剤がフッ素系溶剤であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 前記フッ素系ポリマーと前記蛍光剤と前記溶剤の合計量に対する前記フッ素系ポリマーの量が0.05〜30重量%であり、かつ前記蛍光剤の量が前記合計量に対して500〜10000wt ppmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコーティング剤。
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