以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。ここで、図1は、画像形成装置1を、フロント側から眺めたときの断面構成を示している。
この画像形成装置1は、画像を形成する画像形成部10と、画像形成部10によって形成された画像が一次転写される中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20に一次転写された画像を用紙Pに二次転写する二次転写装置30と、二次転写装置30に向けて用紙Pを供給する用紙供給装置40と、二次転写装置30によって用紙Pに二次転写された画像を定着させる定着装置50とを備えている。また、画像形成装置1は、二次転写装置30に向けて搬送されてくる用紙Pの姿勢を補正する姿勢補正装置100と、定着装置50を通過した用紙Pの表裏を反転させるとともに表裏が反転された用紙Pを姿勢補正装置100に向けて搬送する反転搬送装置70とをさらに備えている。また、画像形成装置1は、上述した各装置の動作を制御する制御部80と、タッチパネル等により構成され、ユーザから受けた指示を制御部80に出力するとともに制御部80からの情報をユーザに提示するユーザインタフェース部(UI)90とをさらに備えている。そして、本実施の形態の画像形成装置1は、上述した各装置を内部に収容する筐体2を有している。
画像形成装置1には、用紙供給装置40から二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2搬送経路R2、定着装置50よりも下流側にて第2搬送経路R2から分岐するとともに第1搬送経路R1の下方まで延び、用紙Pを反転搬送装置70に導く第3搬送経路R3、反転搬送装置70を通過した用紙Pを再び第1搬送経路R1に導く第4搬送経路R4が設けられている。したがって、姿勢補正装置100は第1搬送経路R1内に、二次転写装置30は第1搬送経路R1と第2搬送経路R2との境界部に、定着装置50は第2搬送経路R2内に、反転搬送装置70は第3搬送経路R3と第4搬送経路R4との間に、それぞれ設けられていることになる。また、第2搬送経路R2における用紙Pの搬送方向下流側の端部は、筐体2に設けられた開口3に接続されている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1は、用紙Pの搬送方向に直交する幅方向の中央位置を基準として、各サイズの用紙Pを搬送する、所謂「センター基準」にて動作するようになっている。
これらのうち、画像形成部10は、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えており、これら画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、それぞれが中間転写ベルト20と対向するように並べて配置されている。ここで、複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像を形成する。
複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々において、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像を対応する色のトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々には、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
次に、中間転写ベルト20は、それぞれが回転可能に設けられた3本のロール部材21〜23に掛け渡されている。ここで、ロール部材22は中間転写ベルト20を駆動するのに用いられている。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
ここで、本実施の形態では、画像形成部10、中間転写ベルト20および二次転写装置30が、画像形成手段としての機能を有している。
また、用紙供給装置40は、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置40Aと、第1用紙供給装置40Aよりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置40Bとを有している。ここで、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bは共通の構成を有しており、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bの各々は、用紙Pを収容する用紙収容部41と、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42とを備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1は、第1搬送経路R1〜第4搬送経路R4のそれぞれに設けられ、各搬送経路内に存在する用紙Pを挟んで搬送する複数の搬送ロール45と、第2搬送経路R2内において二次転写装置30と定着装置50との間に配置され、この領域に存在する用紙Pを積載して搬送するベルト搬送部46とを有している。
さらに、定着装置50は、内蔵された図示しないヒータにより加熱される加熱ロール50Aと、第2搬送経路R2を挟んで加熱ロール50Aに対向して配置され、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bとを有している。
本実施の形態の反転搬送装置70は、画像形成装置1に設けられた第3搬送経路R3に接続され、第3搬送経路R3から用紙Pが搬入される搬入経路Raと、搬入経路Raに接続され、用紙Pを搬送しながらその表裏を反転させる反転経路Rbと、反転経路Rbと画像形成装置1に設けられた第4搬送経路R4とに接続され、表裏が反転された用紙Pを第4搬送経路R4へと搬出する搬出経路Rcとを有している。反転搬送装置70において、搬出経路Rcは、上方からみたときに搬入経路Raと重なるように配置されており、反転経路Rbは、搬入経路Raおよび搬出経路Rcの手前側において、U字状に湾曲することで搬入経路Raの手前側と搬出経路Rcの手前側とを接続するように配置されている。この反転搬送装置70は、第3搬送経路R3から搬入されてきた用紙Pを、搬入経路Ra内において搬送する搬入ロール71と、搬入経路Raに搬入されてきた用紙Pを、搬入経路Ra内において反転経路Rbに向けて搬送する第1反転ロール72と、反転経路Rbに搬入されてきた用紙Pを、反転経路Rb内において搬出経路Rcに向けて搬送する第2反転ロール73と、反転経路Rbから搬入されてきた用紙Pを、搬出経路Rc内において搬送する第3反転ロール74と、搬出経路Rcに搬入されてきた用紙Pを、搬出経路Rc内において第4搬送経路R4に向けて搬送する搬出ロール75とを有している。
では、図1に示す画像形成装置1を用いた画像形成動作について説明する。
図示しない外部機器から画像情報を受信することに伴い、制御部80は、画像情報に基づく露光データを作成して画像形成部10における各露光装置13に出力し、また、画像形成装置1を構成する各部に動作開始の制御信号を出力する。
そして、例えばイエロー(Y)の画像形成ユニット10Yでは、回転駆動される感光体ドラム11が、帯電装置12により帯電され、制御部80から供給された露光データに基づいて発光する露光装置13により露光される。これにより、感光体ドラム11上には、イエロー画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム11上に形成された静電潜像は現像装置14により現像され、感光体ドラム11上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、他の画像形成ユニット10M、10C、10Kにおいても、それぞれ、上述した手順にてマゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11に形成されたトナー像は、それぞれに対応して設けられた一次転写装置15により、回転駆動される中間転写ベルト20に一次転写(静電転写)され、中間転写ベルト20上で重ね合わされる。そして、中間転写ベルト20上で重ね合わされた重ねトナー像は、中間転写ベルト20の回転に伴い、二次転写装置30が設けられた二次転写位置へと向かう。なお、一次転写後に各感光体ドラム11に残留する残トナーは、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kに設けられたドラム清掃装置16によって取り除かれる。
一方、用紙供給装置40では、第1用紙供給装置40A(第2用紙供給装置40Bでもよい)の用紙収容部41に収容されている用紙Pを、取り出しロール42を用いて1枚ずつ取り出して第1搬送経路R1へと送り出す。それから、第1搬送経路R1に設けられた姿勢補正装置100は、用紙供給装置40から送られてきた用紙Pの姿勢(傾きや位置など)を補正するとともに、中間転写ベルト20上の重ねトナー像が二次転写位置に到達するタイミングに合わせて、二次転写位置に向けて送り出す。
そして、中間転写ベルト20上の重ねトナー像は、二次転写装置30により、二次転写位置を通過する用紙Pに二次転写(静電転写)される。このとき、用紙Pのうち、中間転写ベルト20と対向する面(第1面)に対し、重ねトナー像の二次転写が行われる。
それから、二次転写位置を通過することによって重ねトナー像が転写された用紙Pは、第2搬送経路R2内を搬送されるとともに定着装置50を通過する。このとき、用紙Pにおける重ねトナー像の被転写面である第1面は、加熱ロール50Aにより加熱されるとともに、加熱ロール50Aおよび押圧ロール50Bによって用紙Pが押圧されることで、用紙Pに対する重ねトナー像の定着がなされる。その後、重ねトナー像が定着された用紙Pは、第2搬送経路R2から開口3を介して外部に排出される。また、二次転写位置を通過した後に中間転写ベルト20に残留する残トナーは、ベルト清掃装置24によって取り除かれる。
これに対し、この用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置50を通過した用紙Pを、第2搬送経路R2から第3搬送経路R3に進入させ、さらに第3搬送経路R3から反転搬送装置70へと進入させる。反転搬送装置70では、搬送されてくる用紙Pの表裏を反転させるための処理が行われ、反転搬送装置70から第4搬送経路R4に排出されてくる用紙Pは、進入前と比べてその表裏が反転された状態となる。
また、画像形成部10では、上述した手順により各色のトナー像の形成が行われ、これら各色のトナー像は、中間転写ベルト20に転写されることにより重ねトナー像となって、二次転写位置へと向かう。
一方、反転搬送装置70によって表裏が反転された用紙Pは、第4搬送経路R4から再び第1搬送経路R1へと進入し、再び姿勢補正装置100に到達する。それから、姿勢補正装置100は、反転搬送装置70から送られてきた用紙Pの姿勢を補正するとともに、中間転写ベルト20上の重ねトナー像が二次転写位置に到達するタイミングに合わせて、二次転写位置に向けて送り出す。
そして、中間転写ベルト20上の重ねトナー像は、二次転写装置30により、二次転写位置を通過する用紙Pに二次転写(静電転写)される。このとき、用紙Pのうち、中間転写ベルト20と対向する面(第2面)に対し、重ねトナー像の二次転写が行われる。
それから、二次転写位置を通過することによって重ねトナー像が転写された用紙Pは、第2搬送経路R2内を搬送されるとともに定着装置50を通過する。このとき、用紙Pにおける重ねトナー像の被転写面である第2面は、加熱ロール50Aにより加熱されるとともに、加熱ロール50Aおよび押圧ロール50Bによって用紙Pが押圧されることで、用紙Pに対する重ねトナー像の定着がなされる。その後、定着装置50を通過することで重ねトナー像が両面にそれぞれ定着された用紙Pは、第2搬送経路R2から開口3を介して外部に排出される。また、二次転写位置を通過した後に中間転写ベルト20に残留する残トナーは、図示しないベルト清掃装置によって取り除かれる。これにより、用紙Pの第1面だけでなく、第2面にも画像が形成されるようになる。
図2は、反転搬送装置70に設けられる各搬送経路と各搬送経路における用紙Pの搬送方向との関係を説明するための図である。なお、図2に示す各搬送経路は、図1に示す反転搬送装置70を斜め奥側から眺めた場合に対応している。
ここで、本実施の形態では、反転搬送装置70を通過する用紙Pの各部を、次のように規定する。まず、シートの一例としての用紙Pは、矩形状となっており、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、搬送方向の先頭を用紙先端Pl(先端部分の一例)と呼び、搬送方向の後尾を用紙後端Ptと呼ぶ。また、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、搬送方向の右側端を用紙第1側端Ps1と呼び、搬送方向の左側端を用紙第2側端Ps2と呼ぶ。さらに、第3搬送経路R3から搬入経路Raに搬入されてくる用紙Pにおいて、上方を向く面を用紙裏面Pbと呼び、下方を向く面を用紙表面Pfと呼ぶ。なお、この例では、画像形成部10による画像形成面(上述した第1面)が用紙表面Pfとなり、他方の面(上述した第2面)が用紙裏面Pbとなる。
搬入経路Raには、第3搬送経路R3から、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙先端Plを先頭とし且つ用紙後端Ptを後尾として、用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2に倣う搬入方向Da1に沿って、用紙Pが送られてくる。また、搬入経路Raからは、反転経路Rbに向けて、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う受渡方向Da2に沿って、用紙Pが送り出される。
反転経路Rbには、搬入経路Raから、用紙裏面Pbが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う反転方向Dbに沿って、用紙Pが送られてくる。なお、搬入経路Raと反転経路Rbとの境界部において、受渡方向Da2および反転方向Dbは同じ向きとなっている。ここで、反転方向Dbは湾曲した形状(U字状)となっており、反転経路Rb内を搬送される用紙Pは、上方からみたときの用紙第1側端Ps1と用紙第2側端Ps2との関係が逆転し、その表裏(用紙表面Pfおよび用紙裏面Pb)の関係が反転された状態となって搬送されていく。これにより、反転経路Rbからは、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う反転方向Dbに沿って、用紙Pが送り出される。
搬出経路Rcには、反転経路Rbから、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙第1側端Ps1を先頭とし且つ用紙第2側端Ps2を後尾として、用紙先端Plおよび用紙後端Ptに倣う受取方向Dc1に沿って、用紙Pが送られてくる。なお、反転経路Rbと搬出経路Rcとの境界部において、反転方向Dbおよび受取方向Dc1は同じ向きとなっている。また、搬出経路Rcからは、第4搬送経路R4に向けて、用紙表面Pfが上方を向くとともに、用紙先端Plを先頭とし且つ用紙後端Ptを後尾として、用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2に倣う搬出方向Dc2に沿って、用紙Pが送り出される。
このように、本実施の形態の反転搬送装置70では、第3搬送経路R3から供給される用紙Pの進行方向を、搬入経路Raにおいて90°転換させて反転経路Rbに供給し、搬入経路Raから供給される用紙Pを、反転経路Rbにおいて180°回転させることでその表裏を反転させて搬出経路Rcに供給し、反転経路Rbから供給される用紙Pの進行方向を、搬出経路Rcにおいて90°転換させて第4搬送経路R4に供給している。このとき、搬入経路Raにおける搬入方向Da1および搬出経路Rcにおける搬出方向Dc2は同じ向きとなっている。そして、用紙Pは、反転搬送装置70の通過前後において、搬送方向に対する用紙先端Plおよび用紙後端Ptの関係は変わらない一方、搬送方向に対する用紙第1側端Ps1および用紙第2側端Ps2の関係が逆転することにより、用紙表面Pfおよび用紙裏面Pbが反転されることになる。
図3は、姿勢補正装置100の構成の一例を説明するための図である。ここで、図3(a)は、姿勢補正装置100を図1に示すIIIa方向からみたときの上面図を示しており、図3(b)は、姿勢補正装置100を図3(a)に示すIIIb方向からみたとき(図1において手前側からみたとき)の側面図を示している。したがって、図3(a)および図3(b)のそれぞれにおいては、図中左側から図中右側に向かって、用紙Pが搬送されていくことになる。なお、以下の説明においては、第1搬送経路R1における用紙Pの移動方向を搬送方向D1と称し、第1搬送経路R1において搬送方向D1と直交する方向(この例では、奥側から手前側に向かう方向)を幅方向D2と称し、搬送方向D1と幅方向D2とに直交する方向(この例では、下側から上側に向かう方向)を退避方向D3と称する。また、図3(a)には、センター基準において目標とする用紙Pの幅方向D2の中央位置を、基準線Cとして示している。
本実施の形態の姿勢補正装置100は、搬送方向D1における最上流側に設けられ、用紙供給装置40あるいは反転搬送装置70(ともに図1参照)から送られてくる用紙Pの斜行を補正する第1斜行補正部110と、第1斜行補正部110に対し搬送方向D1の下流側に隣接して設けられ、第1斜行補正部110により斜行補正がなされた用紙Pの斜行をさらに補正する第2斜行補正部120と、第2斜行補正部120に対し搬送方向D1の下流側に隣接するとともに搬送方向D1における最下流側に設けられ、第1斜行補正部110および第2斜行補正部120により斜行補正がなされた用紙Pにおける幅方向D2の中央位置を基準線Cに合致させるように補正する幅方向位置補正部160とを備えている。また、姿勢補正装置100は、第1斜行補正部110よりも搬送方向D1における上流側に配置され、第1斜行補正部110に向かう用紙Pの通過を検知する第1センサS1と、第2斜行補正部120よりも搬送方向D1における下流側且つ幅方向位置補正部160よりも搬送方向D1における上流側に配置され、幅方向位置補正部160に向かう用紙Pの通過を検知する第2センサS2とをさらに備えている。なお、この姿勢補正装置100において、第1斜行補正部110は用紙Pの斜行量を粗調整する機能を有しており、第2斜行補正部120は用紙Pの斜行量を微調整する機能を有している。
では、姿勢補正装置100を構成する第1斜行補正部110、第2斜行補正部120および幅方向位置補正部160のそれぞれについて、順番に説明を行う。
まず、第1斜行補正部110は、幅方向D2に並べて配置されるとともにそれぞれが用紙Pを挟んで搬送する、左側斜行補正ロール110Lおよび右側斜行補正ロール110Rを備えている。ここで、左側斜行補正ロール110Lは、搬送方向D1の上流側からみて基準線Cの左側に配置されており、右側斜行補正ロール110Rは、搬送方向D1の上流側からみて基準線Cの右側に配置されている。
これらのうち、左側斜行補正ロール110Lは、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともに外部から駆動を受けて回転する左側駆動ロール111L(後述する図8参照)と、第1搬送経路R1を挟んで左側駆動ロール111Lに対向して配置され、左側駆動ロール111Lから受けた駆動力によって回転する左側従動ロール112Lとを有している。ここで、左側駆動ロール111Lは、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された左側駆動ロール回転軸と、左側駆動ロール回転軸に固定して取り付けられた左側駆動ロール本体とを備えている。一方、左側従動ロール112Lは、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された左側従動ロール回転軸112Laと、左側従動ロール回転軸112Laに固定して取り付けられた左側従動ロール本体112Lbとを備えている。
また、右側斜行補正ロール110Rは、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともに外部から駆動を受けて回転する右側駆動ロール111Rと、第1搬送経路R1を挟んで右側駆動ロール111Rに対向して配置され、右側駆動ロール111Rから受けた駆動力によって回転する右側従動ロール112Rとを有している。ここで、右側駆動ロール111Rは、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された右側駆動ロール回転軸111Raと、右側駆動ロール回転軸111Raに固定して取り付けられた右側駆動ロール本体111Rbとを備えている。一方、右側従動ロール112Rは、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された右側従動ロール回転軸112Raと、右側従動ロール回転軸112Raに固定して取り付けられた右側従動ロール本体112Rbとを備えている。
本実施の形態において、第1斜行補正部110を構成する左側斜行補正ロール110L(実際には左側駆動ロール111L)および右側斜行補正ロール110R(実際には右側駆動ロール111R)は、それぞれが独立して回転駆動されるようになっている。
次に、第2斜行補正部120は、第1斜行補正部110からみて搬送方向D1の下流側に配置され、用紙Pを挟んで搬送するとともに下流側に向けて送り出す送出ロール130と、送出ロール130からみて搬送方向D1の下流側に配置され、送出ロール130から送られてきた用紙Pの用紙先端Plを保持した状態で搬送方向D1に沿って移動することで、この用紙Pの用紙先端Plを下流側に向けて案内する案内部140と、送出ロール130からみて搬送方向D1の下流側且つ幅方向位置補正部160よりも搬送方向D1の上流側に配置され、送出ロール130および案内部140によって送られて来た用紙Pを受け取るとともに搬送することで、この用紙Pを幅方向位置補正部160に向けて送り出す受取ロール150とを備えている。
第1搬送手段の一例としての送出ロール130は、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともに外部から駆動を受けて回転する送出駆動ロール131と、第1搬送経路R1を挟んで送出駆動ロール131に対向して配置され、送出駆動ロール131から受けた駆動力によって回転する送出従動ロール132とを有している。ここで、送出駆動ロール131は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された送出駆動ロール回転軸131aと、送出駆動ロール回転軸131aに固定して取り付けられた2つの送出駆動ロール本体131bとを備えている。一方、送出従動ロール132は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された送出従動ロール回転軸132aと、送出従動ロール回転軸132aに固定して取り付けられた2つの送出従動ロール本体132bとを備えている。
ここで、送出駆動ロール131に設けられた2つの送出駆動ロール本体131bのうち、一方は基準線Cよりも左側に配置されており、他方は基準線Cよりも右側に配置されている。また、送出従動ロール132に設けられた2つの送出従動ロール本体132bのうち、一方は基準線Cよりも左側であって一方の送出駆動ロール本体131bと対向する位置に配置されており、他方は基準線Cよりも右側であって他方の送出駆動ロール本体131bと対向する位置に配置されている。
また、本実施の形態の送出ロール130において、送出従動ロール132は、送出駆動ロール131(あるいは第1搬送経路R1)に対し、退避方向D3あるいは退避方向D3とは逆方向に移動(進退)できるようになっており、送出従動ロール132が退避方向D3に移動した場合に送出駆動ロール131と送出従動ロール132との接触状態が解除されることで非接触状態へと移行し、送出従動ロール132が退避方向D3とは逆方向に移動した場合に送出駆動ロール131および送出従動ロール132が非接触状態から接触状態に移行するようになっている。なお、以下の説明においては、図3(b)において実線で示す送出従動ロール132の位置(送出駆動ロール131と送出従動ロール132とが接触する位置)を「進出位置」と称し、図3(b)において破線で示す送出従動ロール132の位置(送出駆動ロール131と送出従動ロール132とが接触しない位置)を「退避位置」と称する。
案内手段の一例としての案内部140は、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともにその一部が第1搬送経路R1を塞ぐように配置されるロアゲート141と、第1搬送経路R1を挟んでロアゲート141の上方に配置されるアッパーシュート142と、これらロアゲート141およびアッパーシュート142を搭載する案内基部143とを備えている。本実施の形態の案内部140は、図3に示す位置(送出ロール130よりも搬送方向D1の下流側且つ受取ロール150よりも搬送方向D1の上流側となる位置)と、後述する図13に示す位置(受取ロール150と重なる位置)との間において、搬送方向D1および搬送方向D1とは逆方向に移動可能に取り付けられている。なお、以下の説明においては、図3に示す案内部140の位置を「スタート位置」と称し、図13に示す案内部140の位置を「ゴール位置」と称する。また、案内部140の詳細な構成については後述する。
第2搬送手段の一例としての受取ロール150は、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともに外部から駆動を受けて回転する受取駆動ロール151と、第1搬送経路R1を挟んで受取駆動ロール151に対向して配置され、受取駆動ロール151から受けた駆動力によって回転する受取従動ロール152とを有している。ここで、受取駆動ロール151は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された受取駆動ロール回転軸151aと、受取駆動ロール回転軸151aに固定して取り付けられた4つの受取駆動ロール本体151bとを備えている。一方、受取従動ロール152は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された受取従動ロール回転軸152aと、受取従動ロール回転軸152aに固定して取り付けられた4つの受取従動ロール本体152bとを備えている。
ここで、受取駆動ロール151に設けられた4つの受取駆動ロール本体151bのうち、2つは基準線Cよりも左側に配置されており、残りの2つは基準線Cよりも右側に配置されている。また、受取従動ロール152に設けられた4つの受取従動ロール本体152bのうち、2つは基準線Cよりも左側であって2つの受取駆動ロール本体151bとそれぞれ対向する位置に配置されており、残りの2つは基準線Cよりも右側であって残りの2つの受取駆動ロール本体151bとそれぞれ対向する位置に配置されている。
また、本実施の形態の受取ロール150(受取駆動ロール151および受取従動ロール152)は、一体として幅方向D2あるいは幅方向D2とは逆方向に移動できるようになっている。なお、以下の説明においては、図3(a)に示す受取ロール150の位置(受取ロール150が基準線Cに対して対称となる位置)を、「受取基準位置」と称する。
次に、幅方向位置補正部160は、第2斜行補正部120からみて搬送方向D1の下流側に配置され、用紙Pを挟んで搬送するとともに二次転写装置30(図1参照)に向けて送り出す位置補正ロール170を備えている。位置補正ロール170は、第1搬送経路R1の下方に配置されるとともに外部から駆動を受けて回転する位置補正駆動ロール171と、第1搬送経路R1を挟んで位置補正駆動ロール171に対向して配置され、位置補正駆動ロール171から受けた駆動力によって回転する位置補正従動ロール172とを有している。ここで、位置補正駆動ロール171は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された位置補正駆動ロール回転軸171aと、位置補正駆動ロール回転軸171aに固定して取り付けられた1つの位置補正駆動ロール本体171bとを有している。一方、位置補正従動ロール172は、幅方向D2に沿って延び且つその両端が回転可能に保持された位置補正従動ロール回転軸172aと、位置補正従動ロール回転軸172aに固定して取り付けられた1つの位置補正従動ロール本体172bとを有している。そして、位置補正駆動ロール171に設けられた位置補正駆動ロール本体171bと、位置補正従動ロール172に設けられた位置補正従動ロール本体172bとは、第1搬送経路R1を挟んで対向するようになっている。
また、本実施の形態の位置補正ロール170(位置補正駆動ロール171および位置補正従動ロール172)は、上述した受取ロール150と同じく、一体として幅方向D2あるいは幅方向D2とは逆方向に移動できるようになっている。なお、以下の説明においては、図3(a)に示す位置補正ロール170の位置(受取ロール150が基準線Cに対して対称となる位置)を、「位置補正基準位置」と称する。
続いて、上述した姿勢補正装置100において第2斜行補正部120を構成する案内部140について、より具体的な説明を行う。
図4は、案内部140を用紙Pの搬送方向D1の上流側からみたときの斜視図であり、図5は、案内部140を用紙Pの搬送方向D1の下流側からみたときの斜視図である。また、図6は、案内部140におけるロアゲート141を用紙Pの搬送方向D1の下流側からみたときの斜視図であり、図7は、案内部140におけるアッパーシュート142を用紙Pの搬送方向D1の下流側からみたときの斜視図である。
本実施の形態の案内部140は、上述したように、ロアゲート141と、アッパーシュート142と、案内基部143とを有している。また、この案内部140は、ロアゲート141を回転させるための駆動力を発生するとともに発生した駆動力をロアゲート141に伝達するロアゲート回転駆動部185をさらに有している。
これらのうち、案内基部143は、幅方向D2に沿って延びる板状の底面部と底面部における幅方向D2の両端部から退避方向D3に向かってそれぞれ延びる側面部とを有するフレーム1431と、フレーム1431に設けられた2つの側面部の外側にそれぞれ4つずつ取り付けられたガイドロール1432とを備えている。ここで、各ガイドロール1432は、姿勢補正装置100の筐体部(図示せず)に搬送方向D1に沿って取り付けられた複数のガイドレール(図示せず)に、はめ込まれるようになっている。これにより、案内基部143にロアゲート141、アッパーシュート142およびロアゲート回転駆動部185を取り付けてなる案内部140は、姿勢補正装置100において搬送方向D1および搬送方向D1とは逆方向に移動できるようになっている。
また、第1対向部の一例としてのロアゲート141は、案内基部143のフレーム1431における両側面部に回転可能に取り付けられた軸部1411と、幅方向D2に並べて配置され、それぞれが軸部1411に固定して取り付けられることにより、それぞれが搬送方向D1の下流側に向かって延びる6つのアーム部1412と、各アーム部1412の自由端側において上方を向くように突出して設けられる6つの突出部1413(突起の一例)とを備えている。また、このロアゲート141は、幅方向D2における中央側に配置される1つのアーム部1412に形成され、ロアゲート141を回転させる際の駆動力をロアゲート回転駆動部185から受ける被駆動部1414をさらに備えている。
なお、ロアゲート回転駆動部185は、案内基部143の底面部に対し固定して取り付けられている。そして、このロアゲート回転駆動部185の駆動軸に設けられたゴムロール(符号なし)が、案内基部143に対し回転可能に取り付けられたロアゲート141の被駆動部1414と接触するようになっている。
さらに、第2対向部の一例としてのアッパーシュート142は、幅方向D2に沿って延びるとともに案内基部143のフレーム1431における両側面部に固定して取り付けられた基部1421と、幅方向D2に並べて配置され、基部1421から搬送方向D1の下流側に向かって延びる5つの凸部1422とを有している。なお、本実施の形態におけるアッパーシュート142は、1枚の金属板に各種加工(切断加工、穴開け加工および折り曲げ加工など)を施すことによって構成されている。また、このアッパーシュート142では、1つの基部1421に対して5つの凸部1422が設けられることにより、幅方向D2において隣接する2つの凸部1422の間に、それぞれ凹部1423が存在することになり、結果として4つの凹部1423が存在している。
このように、本実施の形態の案内部140では、アッパーシュート142が案内基部143に固定して取り付けられているのに対し、ロアゲート141は案内基部143に回転可能に取り付けられている。そして、案内部140において、ロアゲート141に設けられる6つのアーム部1412とアッパーシュート142に設けられる5つの凸部1422とは、互いに対向するようになっている。より具体的に説明すると、ロアゲート141に設けられる6つのアーム部1412のうち、幅方向D2の中央側に位置する2つのアーム部1412は、アッパーシュート142における幅方向D2の中央側に位置する1つの凸部1422に対向している。また、ロアゲート141に設けられる6つのアーム部1412のうち、残りの4つのアーム部1412は、アッパーシュート142における残りの4つの凸部1422にそれぞれ対向している。
そして、ロアゲート141を一方向に回転させることにより、ロアゲート141の各アーム部1412をアッパーシュート142の各凸部1422に近づけた際(図3および図4に示す状態となった際)、各凸部1422における搬送方向D1の下流側端部は、各アーム部1412に設けられた突出部1413によって、それぞれ塞がれる。このとき、アッパーシュート142の各凸部1422における下面と、ロアゲート141の各アーム部1412における上面との間には、用紙Pの厚さよりも大きい間隙が形成されるとともに、この間隙の下流側端部には、各アーム部1412の上面に設けられた突出部1413が配置される。なお、以下の説明では、ロアゲート141およびアッパーシュート142によって実現されるこの状態を「閉状態」と呼ぶ。
また、図3および図4に示す状態から、ロアゲート141を上述した一方向とは逆方向に回転させることにより、ロアゲート141の各アーム部1412をアッパーシュート142の各凸部1422から遠ざけた際、各凸部1422における搬送方向D1の下流側端部は、各アーム部1412に設けられた突出部1413によって、それぞれ塞がれなくなる。このとき、アッパーシュート142の各凸部1422における下面と、ロアゲート141の各アーム部1412における上面との間には、上述した閉状態よりもさらに大きい間隙が形成されるとともに、この間隙の下流側端部には、各アーム部1412の上面に設けられた突出部1413が配置されなくなる。なお、以下の説明では、ロアゲート141およびアッパーシュート142によって実現されるこの状態を、「開状態」と呼ぶ。
なお、上述した閉状態では、ロアゲート141の各アーム部1412に設けられた突出部1413によって、第1搬送経路R1(図3等を参照)が塞がれる(閉鎖される)。一方、上述した開状態では、ロアゲート141の各アーム部1412に設けられた突出部1413によって、第1搬送経路R1が塞がれなくなる(開放される)。
このように、本実施の形態の案内部140では、アッパーシュート142における各凸部1422の形成部位に対向して、ロアゲート141における各アーム部1412が配置されるようになっている。換言すれば、アッパーシュート142における各凹部1423の形成部位には、ロアゲート141における各アーム部1412が存在しないようになっているともいえる。そして、本実施の形態では、例えば図3(a)に示したように、例えば搬送方向D1の上流側からみたときに、アッパーシュート142における4つの凹部1423の形成部位と、受取ロール150において4箇所に設けられた受取駆動ロール本体151bおよび受取従動ロール本体152bの位置とが、重なるようになっている。また、本実施の形態では、アッパーシュート142における4つの凹部1423のそれぞれの幅方向D2の長さ(幅)に比べて、受取ロール150における4つの受取駆動ロール本体151bおよび受取従動ロール本体152bのそれぞれの幅方向D2の長さ(幅)が小さくなるように設定されている。
図8は、本実施の形態の姿勢補正装置100の制御系を説明するための図である。ここで、図8は、制御部80のうち、姿勢補正装置100に関わる構成要素を示しており、他の構成要素(画像形成部10等)については、その記載を省略している。
制御部80には、姿勢補正装置100に設けられた第1センサS1および第2センサS2より、用紙Pの通過を検知する信号が入力される。
一方、制御部80は、左側駆動ロール111L(第1斜行補正部110)を回転させる左側斜行補正ロール回転駆動部180、および、右側駆動ロール111R(第1斜行補正部110)を回転させる右側斜行補正ロール回転駆動部181に、それぞれ制御信号を出力する。また、制御部80は、送出駆動ロール131(送出ロール130)を回転させる送出ロール回転駆動部182、および、送出従動ロール132(送出ロール130)を退避方向D3(あるいは逆方向)に進退させる送出ロール進退駆動部183に、それぞれ制御信号を出力する。さらに、制御部80は、案内基部143(案内部140)を搬送方向D1(あるいは逆方向)に搬送する案内部搬送駆動部184、およびロアゲート141(案内部140)を回転駆動するロアゲート回転駆動部185(図4、図5参照)に、それぞれ制御信号を出力する。さらにまた、制御部80は、受取駆動ロール151(受取ロール150)を回転させる受取ロール回転駆動部186、および、受取ロール150すなわち受取駆動ロール151と受取従動ロール152とを幅方向D2(あるいは逆方向)に移動させる受取ロールサイドシフト駆動部187に、それぞれ制御信号を出力する。そして、制御部80は、位置補正駆動ロール171(位置補正ロール170)を回転させる位置補正ロール回転駆動部188、および、位置補正ロール170すなわち位置補正駆動ロール171と位置補正従動ロール172とを幅方向D2に沿って移動させる位置補正ロールサイドシフト駆動部189に、それぞれ制御信号を出力する。
続いて、本実施の形態の姿勢補正装置100を用いた、用紙Pの姿勢補正動作について説明を行う。
図9〜図17は、1枚の用紙Pに対する姿勢補正装置100の動作を説明するための図である。以下では、図9〜図17を順次参照するとともに、さらに図1〜図8も参照しつつ、姿勢補正装置100の動作を説明する。図9〜図17のそれぞれにおいて、(a)は図3(a)に対応する上面図であり、(b)は図3(b)に対応する側面図である。
なお、画像形成動作中であって姿勢補正装置100に用紙Pが搬入されてくる前の初期状態において、姿勢補正装置100を構成する各部は、以下に示すような設定がなされているものとする。
まず、第1斜行補正部110において、左側斜行補正ロール110Lは左側ロール回転速度V1Lで回転し、右側斜行補正ロール110Rは右側ロール回転速度V1Rで回転している。このとき、左側ロール回転速度V1L=右側ロール回転速度V1Rであり、これらは、姿勢補正装置100よりも搬送方向D1の上流側における用紙Pの搬送速度である用紙速度Vpと同じ大きさに設定されている。
次に、第2斜行補正部120における送出ロール130において、送出従動ロール132は退避位置にあり、また、送出駆動ロール131は送出ロール回転速度V2で回転している。なお、退避位置にある送出従動ロール132は、回転せずに停止している。このとき、送出ロール回転速度V2は、上述した左側ロール回転速度V1Lおよび右側ロール回転速度V1Rと同じ大きさに設定されている。
続いて、第2斜行補正部120における案内部140は、上述したスタート位置に配置された状態で停止している。また、案内部140を構成するロアゲート141およびアッパーシュート142は、上述した閉状態に設定されている。
さらに、第2斜行補正部120における受取ロール150は、上述した受取基準位置にあり、受取ロール回転速度V4で回転している。このとき、受取ロール回転速度V4は、上述した送出ロール回転速度V2と同じ大きさに設定されている。
そして、幅方向位置補正部160における位置補正ロール170は、上述した位置補正基準位置にあり、位置補正ロール回転速度V5で回転している。このとき、位置補正ロール回転速度V5は、上述した受取ロール回転速度V4と同じ大きさに設定されている。
図9は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その1)である。図9は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが第1センサS1との対向部を通過し、且つ、第1斜行補正部110に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、第1センサS1との対向部よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
この例においては、用紙先端Plにおける右側部位が左側部位よりも先行する斜行状態にて、用紙Pが搬送されてくるものとする。そして、第1センサS1は、対向部を通過する用紙Pの検知結果を制御部80へと送る。なお、このとき、第1斜行補正部110(左側斜行補正ロール110L、右側斜行補正ロール110R)、第2斜行補正部120(送出ロール130、案内部140、受取ロール150)および幅方向位置補正部160(位置補正ロール170)は、それぞれ、上述した初期状態を維持している。
図10は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その2)である。図10は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが第1斜行補正部110を通過し、且つ、送出ロール130に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、引き続き第1センサS1との対向部よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
用紙Pの用紙先端Plが第1斜行補正部110に到達したとき、左側斜行補正ロール110Lおよび右側斜行補正ロール110Rは、共通の速度(左側ロール回転速度V1L=右側ロール回転速度V1R)で回転している。このとき、用紙Pは、左側斜行補正ロール110Lおよび右側斜行補正ロール110Rの両者のみによって挟まれた状態で搬送されている。そして、制御部80は、第1センサS1による用紙Pの先端位置の検知結果に基づき、用紙Pが第1斜行補正部110を通過している間に、用紙Pの斜行量に応じて、左側ロール回転速度V1Lと右側ロール回転速度V1Rとに速度差を設ける。この例では、用紙Pにおける右側が左側よりも先行しているため、制御部80は、左側ロール回転速度V1L>右側ロール回転速度V1Rとなるように設定を行う。このとき、左側ロール回転速度V1Lを一定に維持しつつ右側ロール回転速度V1Rを従前より減速させるようにしてもよいし、右側ロール回転速度V1Rを一定に維持しつつ左側ロール回転速度V1Lを従前よりも増速させるようにしてもよい。これにより、用紙Pの斜行状態は、図9に示すときよりも改善される。そして、この用紙Pの用紙先端Plが送出ロール130に到達する前に、制御部80は、左側ロール回転速度V1Lと右側ロール回転速度V1Rとを再度等しい速度(従前の速度)に設定することで、第1斜行補正部110を用いた第1斜行補正を完了する。ただし、第1斜行補正部110による第1斜行補正(粗補正)が行われても、用紙Pには、若干の斜行状態が残り得る。
また、第1センサS1による用紙Pの検知結果に基づき、制御部80は、その用紙先端Plが送出ロール130に到達するまでの間に、送出従動ロール132を退避位置から進出位置へと移動させる。これに伴い、進出位置に移動した送出従動ロール132は、送出駆動ロール131に接触するとともに、送出駆動ロール131の回転に伴って回転し始める。
図11は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その3)である。図11は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが送出ロール130を通過し、且つ、スタート位置で停止する案内部140に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、第1センサS1との対向部を通過し、第1斜行補正部110よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
用紙Pの用紙先端Plが送出ロール130に到達したとき、送出ロール130の送出ロール回転速度V2は、左側斜行補正ロール110Lの左側ロール回転速度V1Lおよび右側斜行補正ロール110Rの右側ロール回転速度V1Rと共通の速度に設定されている。このとき、用紙Pは、左側斜行補正ロール110Lおよび右側斜行補正ロール110Rと、送出ロール130とによって挟まれた状態で搬送されている。このため、用紙Pは、第1斜行補正部110による第1斜行補正(粗補正)が施された状態を維持しつつ、引き続き搬送されていくことになる。
図12は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その4)である。図12は、搬送される用紙Pの用紙先端Plがスタート位置で停止する案内部140に到達し、且つ、受取ロール150に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、第1斜行補正部110を通過し、送出ロール130よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
用紙Pの用紙先端Plがスタート位置で停止する案内部140に到達した後、制御部80は、案内部140を、スタート位置から搬送方向D1に沿って案内部移動速度V3で移動させる。ここで、案内部移動速度V3は、送出ロール回転速度V2よりもわずかに低速に設定される。このとき、用紙Pは、その用紙先端Plが案内部140によって規制されつつ、送出ロール130によって挟まれた状態で、引き続き搬送されている。これにより、送出ロール回転速度V2で搬送される用紙Pの用紙先端Plは、案内部移動速度V3で移動する案内部140のうち、閉状態に設定されるロアゲート141およびアッパーシュート142によって囲まれる空間内において、ロアゲート141に設けられた6つの突出部1413に突き当たった状態となって移動していく。これにより、用紙Pの用紙先端Plにおける斜行状態はさらに補正される。また、これに伴い、用紙Pのうち、用紙先端Plと送出ロール130によって挟まれている部位との間には、送出ロール回転速度V2と案内部移動速度V3との違いに起因するループが発生する。なお、このループは、用紙Pの用紙先端Pl側において生じやすくなっている。
図13は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その5)である。図13は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが受取ロール150を通過し、且つ、位置補正ロール170に到達する前の状態を示している。このとき、用紙先端Plとともに移動してきた案内部140は、受取ロール150と重なるゴール位置に到達している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、引き続き送出ロール130よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
用紙Pの用紙先端Plが受取ロール150を通過し、且つ、用紙先端Plを案内する案内部140が受取ロール150と重なるゴール位置に到達した後、制御部80は、案内部140の搬送方向D1への移動を停止させるとともに、案内部140に設けられたロアゲート141を回転させ、ロアゲート141およびアッパーシュート142を、閉状態から開状態へと移行させる。このとき、用紙Pは、送出ロール130および受取ロール150の両者によって挟まれた状態で搬送されている。このため、ロアゲート141およびアッパーシュート142が閉状態から開状態に移行しても、用紙Pにおける用紙先端Pl側は、受取ロール150によって挟まれていることにより、案内部140による斜行補正(微補正)が施された状態を維持しつつ、引き続き搬送されていくことになる。
図14は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その6)である。図14は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが受取ロール150を通過し、且つ、位置補正ロール170に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、引き続き送出ロール130よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
案内部140におけるロアゲート141およびアッパーシュート142が閉状態から開状態へと移行した後、制御部80は、案内部140を、今度はゴール位置からスタート位置に向けて、搬送方向D1とは逆方向に移動させる。このとき、開状態に設定されたロアゲート141とアッパーシュート142との間を用紙Pが通過していることから、ロアゲート141およびアッパーシュート142は、引き続き開状態に設定される。
また、制御部80は、ロアゲート141およびアッパーシュート142を閉状態から開状態に移行させた後、送出従動ロール132を進出位置から退避位置へと移動させる。これに伴い、退避位置に移動した送出従動ロール132は、送出駆動ロール131に接触しなくなるとともに、その回転を停止する。送出従動ロール132が進出位置から退避位置へと移動することに伴い、この用紙Pは受取ロール150によって挟み込まれる一方、送出ロール130によって挟み込まれなくなることから、用紙Pに生じていたループが解消される。これにより、用紙Pは、受取ロール150のみによって挟まれた状態で、案内部140による斜行補正(微補正)が施された状態を維持しつつ、引き続き搬送されていくことになる。
図15は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その7)である。図15は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが位置補正ロール170を通過し、且つ、二次転写位置(図示せず)に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、送出ロール130を通過し、受取ロール150よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
用紙Pの用紙先端Plが位置補正ロール170に到達したとき、位置補正ロール170の位置補正ロール回転速度V5は、受取ロール150の受取ロール回転速度V4と共通の速度に設定されている。このとき、用紙Pは、位置補正ロール170と受取ロール150とによって挟まれた状態で搬送されている。このため、用紙Pは、案内部140による斜行補正(微補正)が施された状態を維持しつつ、引き続き搬送されていくことになる。
また、案内部140がゴール位置からスタート位置まで戻ると、制御部80は、案内部140の搬送方向D1とは逆方向への移動を停止させる。そして、制御部80は、案内部140におけるロアゲート141とアッパーシュート142との間を用紙Pの用紙後端Ptが通過した後、次の用紙Pの用紙先端Plが進入してくるまでの間に、ロアゲート141およびアッパーシュート142を、開状態から閉状態へと移行させる。なお、この間、第2センサS2は、対向部を通過する用紙Pの検知結果を、制御部80へと送っている。
図16は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その8)である。図16は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが位置補正ロール170を通過し、且つ、二次転写位置(図示せず)に到達する前の状態を示している。本例において、この用紙Pの用紙後端Ptは、このとき、送出ロール130を通過し、受取ロール150よりも搬送方向D1の上流側に位置している。
このとき、位置補正ロール170の位置補正ロール回転速度V5は、引き続き受取ロール150の受取ロール回転速度V4と共通の速度に設定されており、用紙Pは、位置補正ロール170と受取ロール150とによって挟まれた状態で搬送されている。このため、用紙Pは、案内部140による斜行補正(微補正)が施された状態を維持しつつ、さらに搬送されていくことになる。
また、制御部80は、用紙Pが受取ロール150および位置補正ロール170の両者によって挟まれつつ搬送されている間に、第2センサS2による用紙Pの側端(用紙第1側端Ps1あるいは用紙第2側端Ps2)の位置の検知結果に基づいて、受取ロール150および位置補正ロール170の両者を、幅方向D2(あるいは逆方向)に沿って移動させる。より具体的に説明すると、この用紙Pの幅方向D2の中央位置を基準線Cと合致させるように、受取ロール150および位置補正ロール170の両者を同じ方向に移動させる。これに伴い、受取ロール150は、用紙Pを挟み込んだ状態で受取基準位置から幅方向D2(あるいは逆方向)に沿って移動し、且つ、位置補正ロール170は、用紙Pを挟み込んだ状態で位置補正基準位置から幅方向D2(あるいは逆方向)に沿って移動する。そして、制御部80は、用紙Pの幅方向D2の中央位置が基準線Cと重なる位置まで、受取ロール150および位置補正ロール170を同期させつつ移動させた後、これら受取ロール150および位置補正ロール170の幅方向D2(あるいは逆方向)への移動を停止させる。なお、制御部80は、受取ロール150および位置補正ロール170の幅方向D2(あるいは逆方向)への移動を、この用紙Pの用紙先端Plが二次転写位置(図示せず)に到達するまでに完了させる。この例では、用紙Pの幅方向D2の中央位置が基準線Cからみて左側にシフトしているため、制御部80は、受取ロール150および位置補正ロール170の両者を、幅方向D2に沿って移動させるように設定を行う。これにより、用紙Pのサイドレジずれが、図15に示すときよりも改善される。
図17は、姿勢補正装置100の動作を説明するための図(その9)である。図17は、搬送される用紙Pの用紙先端Plが二次転写位置(図示せず)に到達するとともに、この用紙Pの用紙後端Ptが受取ロール150および位置補正ロール170を通過した後の状態を示している。
用紙Pの用紙先端Plが二次転写位置に到達し、続いて、用紙後端Ptが位置補正ロール170を通過した後、制御部80は、サイドレジずれを補正するためにサイドシフトさせた受取ロール150および位置補正ロール170を、受取基準位置および位置補正基準位置に向けてそれぞれ移動させる。これに伴い、1枚の用紙Pに対する姿勢の補正が完了し、姿勢補正装置100は、図9に示す状態に再設定される。そして、次の用紙Pが存在する場合は、上述した手順にしたがって、用紙Pの姿勢補正動作が引き続き行われる。
このように、用紙Pは、姿勢補正装置100を通過することにより、第1斜行補正部110および第2斜行補正部120を用いた斜行補正、そして、幅方向位置補正部160(および第2斜行補正部120における受取ロール150)を用いたサイドレジ補正がなされた状態で二次転写位置に供給され、二次転写装置30を用いた重ねトナー像の二次転写が行われることになる。また、例えば、幅方向位置補正部160(および第2斜行補正部120における受取ロール150)を用いたサイドレジ補正を実行する際に、同速に設定される受取ロール回転速度V4および位置補正ロール回転速度V5を同期させつつ微調整(増速あるいは減速)することで、二次転写位置に対する用紙Pの供給タイミング(リードレジ補正)を施すことも可能になる。
図18は、図13に示した、受取ロール150とゴール位置に到達した案内部140との関係を説明するための図である。ここで、図18(a)は、案内部140および受取ロール150を上方からみたときの上面図を示している。また、図18(b)は、図18(a)におけるXVIIIb−XVIIIb断面図を示しており、図18(c)は、図18(a)におけるXVIIIc−XVIIIc断面図を示している。
案内部140がゴール位置に到達した状態において、案内部140のアッパーシュート142に設けられた各凹部1423には、受取ロール150における各受取従動ロール本体152bが入り込んでいる。また、このとき、案内部140のロアゲート141に設けられた各アーム部1412も、受取ロール150における各受取駆動ロール本体151bには干渉しない位置にある。
一方、案内部140がゴール位置に到達した状態において、案内部140のロアゲート141に設けられた各アーム部1412の下方には、受取駆動ロール151における受取駆動ロール回転軸151aのうち受取駆動ロール本体151bを装着していない部位が位置しており、案内部140のアッパーシュート142に設けられた各凸部1422の上方には、受取従動ロール152における受取従動ロール回転軸152aのうち受取従動ロール本体152bを装着していない部位が位置している。
このため、図18に示すように、受取ロール150およびゴール位置に到達した案内部140は、互いに干渉(接触)することなく、上方からみたときに重なった状態となる。
また、案内部140がゴール位置に到達した状態において、案内部140のロアゲート141に設けられた各突出部1413は、受取ロール150において各受取駆動ロール本体151bと各受取従動ロール本体152bとが接触するニップ部位よりも、搬送方向D1の下流側に位置する。このため、各突出部1413に用紙先端Plを突き当てた状態で案内部140がゴール位置に到達したときには、受取ロール150において各受取駆動ロール本体151bと各受取従動ロール本体152bとが接触するニップ部位に、用紙P(図示せず)が挟み込まれることになる。
さらに、案内部140がゴール位置に到達した後に、案内部140におけるロアゲート141およびアッパーシュート142が閉状態から開状態に移行した場合において、ロアゲート141における各アーム部1412は、受取駆動ロール151の受取駆動ロール回転軸151aと干渉しない位置(図18(b)において破線で示す)に配置される。しかも、この位置は、その後、案内部140をゴール位置からスタート位置に戻すために搬送方向D1とは逆方向に移動させる際においても、受取駆動ロール151の受取駆動ロール回転軸151aと干渉しない範囲から選択されている。
また、本実施の形態の案内部140において、アッパーシュート142は案内基部143に固定されているので、案内部140をゴール位置からスタート位置に戻すために搬送方向D1とは逆方向に移動させる際において、アッパーシュート142は受取ロール150を構成する部材には干渉しない。
本実施の形態では、第2斜行補正部120において用紙Pに第2斜行補正を行う際に、案内部140に設けられたロアゲート141(実際には、アーム部1412に設けられた突出部1413)に用紙Pの用紙先端Plを突き当てるために、案内部140は、用紙Pの用紙先端Plが突出部1413に到達した後に、搬送方向D1への移動を開始するようになっている。このとき、送出ロール130の送出ロール回転速度V2および案内部140の案内部移動速度V3は同じ大きさに設定されている。このため、用紙先端Plが案内部140によって規制されつつ、送出ロール130に挟まれながら搬送されることで用紙Pに形成されるループは、受取ロール150に近づくにつれて大きくなっていく。
ここで、ロアゲート141のみを用いて用紙Pの用紙先端Pl側を案内する場合には、ループに起因する力が用紙先端Plに強く加わった場合に、用紙先端Pl側において上方に凸となるような折れ(座屈)が生じてしまったり、用紙Pの姿勢を乱してしまったりする懸念がある。特に、コシが弱い薄紙などの用紙Pを用いた場合は、このような斜行補正の手法を用いた場合に、用紙Pに座屈が生じやすい。
これに対し、本実施の形態では、ロアゲート141とアッパーシュート142とを組み合わせて用紙Pの用紙先端Pl側を案内するようにしているので、ループに起因する上記不具合の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、ロアゲート141とアッパーシュート142とを組み合わせて用紙Pの用紙先端Pl側を案内することにより、ロアゲート141のみを用いた場合と比較して、用紙Pに対する斜行補正の精度を向上させることができる。
なお、ここでは、用紙Pにおける幅方向D2の中央位置を基準とするセンター基準にて、用紙Pのサイドレジを補正する場合を例として説明を行ったが、これに限られるものではなく、例えば用紙Pの一側端(用紙第1側端Ps1あるいは用紙第2側端Ps2)の位置を基準としてサイドレジを補正するものであってもよい。
図19は、姿勢補正装置100における第2斜行補正部120の他の構成の一例を説明するための図である。
この第2斜行補正部120は、送出ロール130と案内部140と受取ロール150とを有しており、送出ロール130および受取ロール150の構成については上述したものと同じである。また、案内部140は、ロアゲート141、アッパーシュート142および案内基部143に加えて、可動式アッパーシュート144を備えている点が、上述したものとは異なる。なお、案内部140におけるロアゲート141、アッパーシュート142および案内基部143の基本的な構成は、上述したものと同じである。
ここで、図19(a)は、案内部140がスタート位置にあるときの状態を示しており、図19(b)は、案内部140がゴール位置にあるときの状態を示している。
図19に示す可動式アッパーシュート144は、山谷に交互に折り曲げられた蛇腹状の形状を有するものであって、その一端である上流側端部1441は、姿勢補正装置100の筐体部(図示せず)に設けられた被取付部に取り付けられており、その他端である下流側端部1442は、案内部140の案内基部143に取り付けられている。なお、第1搬送経路R1の上方であって送出ロール130に近い側に配置されており、下流側端部1442も、第1搬送経路R1の上方であって送出ロール130に近い側に配置されている。
この例において、可動式アッパーシュート144は、例えば、布状に成型された合成樹脂等によって構成されている。また、可動式アッパーシュート144の各折り目部位(この例では上方を向く部位)には、金属線等を用いた補強材を取り付けておくとよい。
この例では、用紙Pの搬送に伴って案内部140がスタート位置からゴール位置へと移動するのに伴い、可動式アッパーシュート144は、上流側端部1441が固定されるとともに下流側端部1442が搬送方向D1に沿って移動することにより、蛇腹形状を解消するように徐々に延びていく。このとき、可動式アッパーシュート144は、搬送される用紙Pの上方に位置することになる。このため、用紙Pにループが発生した場合であっても、このループを可動式アッパーシュート144にて上方から抑えることが可能になり、ループに起因する用紙Pの折れを、さらに抑制することが可能になる。