JP2009149391A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シートの補正を行うために基準面にシート端部を突き当てたときに剛度の低いシートでは座屈を起こして補正が行えない。
【解決手段】 斜行補正ローラ32によりシートを斜送させてシート側端を突き当てることによりシートの斜行及びシート搬送方向と直交する方向の位置決めをするための基準部を二重構造とし、第一の基準部材311に第二の基準部材312をスライド可能に支持させ、各基準部材に、シート搬送方向に沿って配置され、シートの側端の位置決めをする基準面102、112と、シートの側端を基準面に案内する上ガイド100、110と下ガイド101、111とを備え、第二の基準部材312の上ガイド110と下ガイド111とのシートの厚さ方向の間隔G2を第一の基準部材311の上ガイド100と下ガイド101とのシートの厚さ方向の間隔G1より狭く設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】 斜行補正ローラ32によりシートを斜送させてシート側端を突き当てることによりシートの斜行及びシート搬送方向と直交する方向の位置決めをするための基準部を二重構造とし、第一の基準部材311に第二の基準部材312をスライド可能に支持させ、各基準部材に、シート搬送方向に沿って配置され、シートの側端の位置決めをする基準面102、112と、シートの側端を基準面に案内する上ガイド100、110と下ガイド101、111とを備え、第二の基準部材312の上ガイド110と下ガイド111とのシートの厚さ方向の間隔G2を第一の基準部材311の上ガイド100と下ガイド101とのシートの厚さ方向の間隔G1より狭く設定する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、印刷機、複写機、FAX、プリンタ等の画像形成装置に設けられ、高精度にシートの整合を行うことが可能なシート搬送装置に関するものである。
従来、画像形成装置に用いられるシート搬送装置には、搬送中の記録紙などのシートの位置ズレや斜行を補正するシート補正装置が組み込まれている。このシート補正装置を用いた補正方式としては、一例として、搬送中のシートの側端を基準にシートの位置ズレや斜行を補正するサイドレジストレーション基準による補正方式が挙げられる。
このシート補正装置は、シート搬送路の一方側にシートの搬送方向に沿って基準面を設けるとともに、シート搬送路上に斜行補正ローラ対を配置している。そして、斜行補正ローラ対によって搬送中のシートを基準面方向へ幅寄せ(斜送)してシートの側端を基準面に突き当てて、シートの側端を基準面に突き当てた状態で搬送する。これにより、シート搬送方向と直交する方向でのシート側端の基準位置からの位置ズレ補正と、シート搬送方向に対するシートの傾き補正の両方を行っている(特許文献1参照)。
このシート補正装置においては、シートの側端を基準面に突き当てる際に、基準面に対するシートの押し付け力(斜送補正ローラ対による幅寄せ力)が強すぎるとシートに座屈が発生して、シート詰まり(ジャム)や補正精度の悪化を招く。そのため、従来では基準面が形成されている基準部の断面形状をコの字形にしてガイド溝を形成し、このガイド溝による隙間部分にシートの側端を挿入することでシートの上下方向(シート厚さ方向)に生じる座屈を規制している。なお、通常、基準部のガイド溝における上下方向の幅(以下、ガイドギャップという)は装置で通紙可能な最も厚いシートが補正できる幅に設定されている。
しかし、ガイドギャップの寸法が最も厚いシートの厚さを基に設定されているため、薄いシートでは上下方向の規制ができないため、十分に座屈の発生を抑えることができない。そこで、ガイドギャップをシートの厚さに適合するように幅の調整を可能とするガイドギャップ可変手段を備えたものがある。(特許文献2参照)。
以下、ガイドギャップが可変式のシート補正装置について概略説明する。
図7に示すように、シート補正装置は、基準部31と斜行補正ローラ対32とを備えている。基準部は、上ガイド100と下ガイド101が組み合わされてガイド溝が構成されており、上ガイド100は下ガイド101に対して上下にスライド移動可能に支持されている。下ガイド101には、シート搬送方向(紙面に垂直方向)に沿って配置され、シートSの側端を突き当てるための基準面が形成されている。また、斜行補正ローラ対32は、駆動ローラ301と従動ローラ302とから構成されている。そして、図に示すように、上ガイド100と下ガイド101との間で斜行補正ローラ対32により幅寄せされるシートSの側端が案内されて基準面に突き当てられ、シートSの斜行が補正される。
上ガイド100と下ガイド101との間のガイドギャップを変更するためのガイドギャップ可変手段は、外周面に所定のカム面が形成されている偏心カム601、ガイドギャップ調整モータ602、引っ張りバネ603、上ガイド100から構成されている。上ガイド100は引っ張りバネ603で下ガイド101から離れる方向に付勢されており、偏心カム601の回転位置で上ガイド100の位置が設定されてガイドギャップGが調整される。すなわち、偏心カム601をガイドギャップ調整モータ602によって回転させることで上ガイド100は偏心カムに倣いながらガイドギャップGが変化させる。そして、図示しないシートの厚さ検知センサによって検知したシートの厚さ基づいてガイドギャップ調整モータ602が適宜回転して、シートの厚さに適合した幅にガイドギャップGが調整される。
なお、シート厚を検知する方法には接触子(アクチュエータ)を有する変位センサによる方法と、シートが通過した際の従動ローラの上下変動を反射式光学センサで検知してその変位量からシートの厚さを検知する光学式の検知方法などがある。
特開平11ー189355号公報
特開2002ー356250号公報
しかしながら上記従来のシート補正装置には以下のような欠点があった。
従来のシート補正装置では、シート厚を検知し、厚さに応じてガイドギャップGを調整する構成であるが、シート厚を検知する接触式センサや反射式光学センサの検知精度はばらつきが大きい。ばらつき量としてはシートの厚さに換算すると約60μmあり、さらにシートの厚さ自体のばらつきがシートの厚さの約10%、厚みにして約30μmのばらつきを持つため、検知ばらつきとしては合わせて約90μmと大きかった。
それに対し、シートの厚さは種類によって60μm〜420μm、レンジとしては420ー60=360μmと狭く、先に述べた90μmの検知ばらつきによる検知誤差は90/360×100=25%と大きいことがわかる。そのため、検知したシートの厚さの値を基にガイドギャップGを調整する従来のシート補正装置では、シートの厚さの検知誤差により、シートの厚さが調整したガイドギャップよりも厚くなると、シートがガイド溝に入れないでジャムするという問題が生じる。
また、シートの厚さを検知するセンサやガイドギャップを調整するモータを用いずに、ユーザが使用するシートの厚さによって前もってガイドギャップGを手動で調整する方法もある。この方法はセンサやモータを用いないため装置全体のコストを抑えられ簡略化でき、前述したシートの厚さの誤検知といった問題も防げる。しかしながらユーザ操作性の観点からは好ましい構成ではない。
そこで、本発明は、シートの厚さにかかわらず、基準面へシートを突き当てる際のシートを確実に規制して座屈を防止することによって、斜行補正精度を向上させたシート搬送装置とこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート搬送方向に沿って配置され、シートの側端の位置決めをする基準面、及びシートの側端を前記基準面に案内するガイド部材を備える基準部と、前記基準面に対してシートの側端を斜めに突き当てるようにシートを搬送する斜送機構と、を有し、前記基準部は、装置本体に固定された第一の基準部材と、シート搬送方向と交差する方向にスライド可能な第二の基準部材とを備え、前記第二の基準部材のガイド部材におけるシートの厚さ方向の間隔が前記第一の基準部材のガイド部材におけるシートの厚さ方向の間隔より狭く設定され、シートの厚さに応じて前記第一の基準部材のガイド部材または前記第二の基準部材のガイド部材によりシートの側端を案内することを特徴とする。
本発明によって、シート補正時の基準面へシートの突き当て時にシートの座屈を防止し、シートの厚さによらずに安定した斜行補正が行えるシート搬送装置を提供できる。また、このシート搬送装置を画像形成装置に利用することで画像位置精度の高い画像形成装置を提供できる。
本発明のシート搬送装置、及びそれを備えた画像形成装置を説明する。
カラー画像形成装置はその構成から主に、複数の画像形成部を並べて配置したタンデム方式と円筒状に配置したロータリー方式がある。また、転写方式として感光体から直接シートにトナー像を転写する直接転写方式と、一旦中間転写体にトナー像を転写した後シートに転写する中間転写方式とに分類される。
図1は、本発明が適用された画像形成装置の一例を示すもので、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した中間転写タンデム方式の画像形成装置1の断面図である。中間転写方式は直接転写方式のように転写材を転写ドラムや転写ベルト上に保持する必要がないため、超厚紙やコート紙等の多種多様な転写材に対応できる。さらに、複数の像形成部における並列処理およびフルカラー画像の一括転写という特長から高生産性の実現に適している。以下、図1を用いて画像形成装置1の動作について説明する。
シートSはシート給送装置51が有するリフトアップ装置52の上に積載される形で収納されており、シート給送部53により画像形成装置1の画像形成タイミングに合わせてシートが給送される。ここで、シート給送部53は給紙ローラ等による摩擦分離を利用する方式やエアによる分離吸着を利用する方式等が挙げられるが、図1の画像形成装置ではエアによる方式を用いるものとする。シート給送部53により送り出されたシートSは搬送ユニット54が有する搬送パス54aを通過し、シート整合装置5へと搬送される。シート整合装置5において、シートの斜行補正と幅方向の位置補正、タイミングの補正を行った後、二次転写部へと送られる。二次転写部とは、略対向する二次転写内ローラ503および二次転写外ローラ56により形成されるシートSへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで搬送されてくるシートにトナー像を転写させる。
以上、説明した二次転写部までのシートSの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られて来る画像の形成プロセスについて説明する。画像形成部513は、主に感光体ドラム508、露光装置511、現像器510、一次転写装置507、および感光体クリーナ509等から構成される。予め帯電手段により表面を一様に帯電された図中矢印Aの方向に回転する感光体ドラム508に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置511が発光し、回折手段512等を適宜経由して潜像が形成される。
このようにして感光体ドラム508上に形成された静電潜像に対して、現像装置510によるトナー現像が行われ、感光体ドラム508上にトナー像が形成される。その後、前記一次転写装置507により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト506上にトナー像が転写される。その後、感光体ドラム508上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ509により回収され、再び次の画像形成に備える。以上説明した画像形成機構513は図1の場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4つのユニットで構成されている。なお、画像形成機構513は、4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
次に、中間転写ベルト506について説明する。中間転写ベルト506は駆動ローラ504、テンションローラ505および二次転写内ローラ503等のローラ類によって張架され、図中矢印Bの方向へと搬送駆動される。従って、先述のY、M、CおよびBkの各ユニットにより並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト506上に一次転写された上流のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト506上に形成され、二次転写部へと搬送される。
以上、それぞれ説明したシートSの搬送プロセスと画像形成プロセスを以って、二次転写部においてシートS上にフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、シートSは定着前搬送部57により定着装置58へと搬送される。定着装置58は、略対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えてシートS上にトナーを溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有するシートSは分岐搬送装置59により、そのまま排紙トレー500上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置501へと搬送されるかの経路選択が行われる。
両面画像形成を行う場合には、反転搬送装置501へと送られたシートSはスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置502へと搬送される。その後、シート給送装置51より給送されてくる後続のシートとのタイミングを合わせて、搬送ユニット54が有する再給紙パス54bから合流し、同様に二次転写部へと送られる。裏面の画像形成プロセスに関しては表面と同様なので省略する。
画像形成装置1に用いられるシート整合装置5には、駆動ローラに対し従動ローラを着脱可能にし、シートをニップ可能とする状態とニップ解除する状態を設定可能にした複数の搬送ローラを有する搬送ローラ装置50が配置されている。さらに、搬送ローラ装置50のシート搬送方向の下流には、シートをニップする状態とニップ解除を設定可能にした複数の斜行補正ローラ対を有するシート補正装置55を備えている。さらに、シート補正装置55のシート搬送方向の下流側にはシート補正装置55で補正されたシートの幅方向の位置を画像形成部の中間転写ベルト506に形成されているトナー像との位置を合わせるためのレジストローラ対7が配置されている。
シート補正装置55に用いられる補正方式としては、搬送中のシートの側端を基準にシートの位置ズレを補正するサイドレジストレーション基準による補正方式である。本実施の形態では二次転写部の前にシート補正装置55を配置した場合について説明するが、このサイドレジストレーション方式によるシート補正装置55は二次転写前以外にも定着後の排紙系シート後処理装置に使用しても構わない。
図2(a)〜(d)は、搬送ローラ装置50、シート補正装置55、レジストローラ対7を有するシート搬送装置についての上視図を示す。シート補正装置55は、シート搬送方向と直交するシートの幅方向に移動可能な可動式ガイド30、固定式ガイド33から構成されている。可動式ガイド30は、シートSのサイズに応じてシートの幅方向に移動可能であり、基準部31および斜送機構としての複数の斜行補正ローラ対32から構成される。斜送機構としての斜行補正ローラ対32はシート搬送方向に対して角度αだけ傾いて配置されている。固定式ガイド33はシートSのサイズに関わらず固定で、シートSの搬送ガイドとして機能する。
ここで、シートの補正動作を説明する。まず、図2(a)に示すように、シートSが例えば角度βで斜めの状態で斜行補正装置に送られてきたとする。なお、本実施の形態での実験結果では、このシートSの斜行角度βは最大でも10°程度である。そして、搬送ローラ対34により、斜行補正ローラ対32に送られたシートSは、斜行補正ローラ対32によって順次搬送されて、図2(b)に示すように基準部31に向かって斜めに送られる。なお、斜行補正ローラ対32によりシートSが搬送され始めた時点で、既に搬送ローラ対34のニップは不図示のアクチュエータにより解除されるようにしている。次に、図2(c)で示されるように、シートSの側端が基準部31の後述する基準面に対して斜めに突き当たって基準面に倣いながら搬送されることでシートの斜行が補正されると共にシートの側端のシート搬送方向と直交する方向での位置決めが行われる。そして、その状態で、シートSはレジストローラ7に向けて搬送される。
レジストローラ7にシートが到達して挟持されると斜行補正ローラ対32は不図示のアクチュエータによりニップが解除される。その後、図2(d)に示されるように、シートを挟持した状態でシート搬送方向と直交する方向にレジストローラ7をスライドさせて、シートと中間転写ベルト506上の画像との位置合わせを行う。この場合、基準部31において、シートの側端が位置決めされているから、この位置に基づいて中間転写ベルト上のトナー像と位置が合うようにレジストローラ7をスライド移動させる。この後、レジストローラ7によりシートが二次転写部に送られる。これにより、シートの適正な位置にトナー像が転写され、画像位置精度の高い画像形成を行うことが可能となる。
次に、基準部31の構成の詳細を図3及び図4に示す。基準部31は第一の基準部材311と第二の基準部材312より構成される。第一の基準部材311は可動式ガイド30に固定されている。第二の基準部材312は可動式ガイド30に対し図の左右方向に移動可能で、バネ103により図中の右方向に付勢されている。本実施の形態では、第二の基準部材312は第一の基準部材311の内部に一定の範囲でスライド移動可能に支持されていていて、バネ103により図中右側に付勢され所定位置で停止している。なお、第二の基準部材312のスライド方向は、シート搬送方向と交差する方向である。
第一および第二の基準部材311、312のそれぞれの断面形状は、略コの字形状をしている。第一の基準部材311は上ガイド100と下ガイド101と基準面102から構成されていて、上ガイド100と下ガイド101との間でシートの側端を基準面102に突き当たるように案内する。第二の基準部材312も同様に上ガイド110と下ガイド111と基準面(突き当て面)112から構成されていて、上ガイド110と下ガイド111との間でシートの側端を基準面(突き当て面)112に対して斜めに突き当たるように案内する。また、第二の基準部材312の上ガイド110及び下ガイド111の入り口側の形状は、シートSの側端を円滑に案内するために外側に進むにつれて広がる方向のテーパー面110a、111aがそれぞれ形成されている。
本実施の形態では、第一の基準部材311の上ガイド100と下ガイド101のガイドギャップ(間隔)G1は1mmに設定されている。また第二の基準部材312の上ガイド110と下ガイド111のガイドギャップ(間隔)G2は最も狭い部分で0.2mmに設定されている。
第一および第二の基準部材311、312の上ガイド及び下ガイドのそれぞれのガイド面と基準面の表面にはフッ素系のメッキを施すことで摺動性を良好にすると共に摩擦係数を適正に設定している。本実施の形態では、上ガイド110と下ガイド111のガイド面の摩擦係数はシートの摩擦係数の約1/5の0.06に設定している。
図3に示すように、第二の基準部材312の上下ガイド110、111は第一の基準部材311の上下ガイド100、101より初期の状態(動作前の状態)ではその先端部分が斜送機構側に突出して配置されている。また、図4に示すように、第一の基準部材311の基準面102には第二の基準部材312との下流側の繋ぎ目の箇所にシート搬送方向から角度γを持ったテーパー面が形成されている。本実施の形態では、このテーパー面γは約10°に設定されている。
次に様々な厚さのシートSが搬送された時のシート搬送部の整合動作について詳細に説明する。なお、本実施の形態の画像形成装置で使用するシートSの厚さは、60μm〜420μmである。
まず、図3及び図4を用いて60μm〜200μm程度の比較的薄いシートの場合を説明する。前述したようにシートSが斜行補正ローラ対32により斜めに搬送されると、シートSは第二の基準部材312の上下ガイド110、111の隙間であるガイドギャップG2に入り込み、第二の基準部材312の基準面(突き当て面)112に突き当たる。さらに斜行補正ローラ対32でシートSが搬送されると、第二の基準部材312はシートSにより図の左方向に押されてスライド移動させられる。このとき第二の基準部材の上下ガイド110、111のガイドギャップGは0.2mmに設定されているため、シートSは上下方向に対して姿勢が規制され、座屈を生じさせることがない。
さらにシートSが搬送されると、第二の基準部材312は第一の基準部材311の内部に配置されているため、シートSは次に第一の基準部材311の基準面102に突き当たる。第一の基準部材311は可動式ガイド30に固定されているため、シートSは基準面102に突き当たった状態でシート搬送方向に沿って搬送される。このとき第二の基準部材312はバネ103により右方向へ付勢されているため、第二の基準部材312はその基準面112と第一の基準部材311の基準面102とがシート搬送方向と直交する方向で一致した位置で停止している。すなわち、第二の基準部材312の基準面112と第一の基準部材311の基準面102とがシート搬送方向に沿って一直線上に位置する状態となる。
また、第一の基準部材311の基準面102には上述したように、角度γを持ったテーパー面が形成されているため、第二の基準部材312から第一の基準部材へシートSが搬送されてきてもシートの先端が第一の基準部材311に引っ掛ることはない。
よって、薄いシートSの場合は、第一の基準部材311の基準面102に沿って搬送されて幅方向の位置ズレ及び斜行が補正され、下流にあるレジストローラ対7へ受け渡される。この場合、第二の基準部材312の基準面(突き当て面)112は、シートSが突き当たって第二の基準部材312をスライド移動させるために設けられており、上下ガイド110、111は、そのスライド移動時にシートの座屈を防止するために設けられている。
次に、図5を用いて200μm〜420μm程度の比較的厚いシートの整合動作について説明する。薄いシートの場合と同様に、シートSは斜行補正ローラ対32により斜めに搬送される。シートSの厚さは第二の基準部材312の上下ガイド110、111のガイドギャップG2より厚いため、ガイドギャップG2に入り込むことができず、第二の基準部材312の上下ガイド110、111のテーパー面110a、111aに突き当たる。さらにシートSが搬送されると、第二の基準部材312は図の左方向に押されてスライド移動させられる。このとき、第一の基準部材の上下ガイド100、101のガイドギャップG1は1mmに設定されているため、シートSは上下方向に対して姿勢が規制されて座屈が生じることがない。さらにシートSが搬送されると、第二の基準部材312がさらに左方向に押され、シートSは第一の基準部材311の基準面102に突き当たる。第一の基準部材311は可動式ガイド30に固定されているため、シートSは基準面102に突き当たった状態でこのガイドに沿って搬送される。
よって、厚いシートSの場合にも、第一の基準部材311の基準面102に沿って搬送されて幅方向の位置ズレ及び斜行が補正され、下流にあるレジストローラ対7へ受け渡される。
上述したようにシートSが第二の基準部材312を押して移動させるためには、バネ103の付勢力に抗してシートが座屈しない必要がある。ガイドギャップGを1mmとし、座屈するシートの厚み、剛性、静摩擦係数については実験により求めた。突き当て時に座屈するシートの条件は以下の通りである。環境によってバラツキはあるが、厚みは90μm、静摩擦係数μは0.25〜0.35、剛度は400〜500mgf、斜行補正ローラ対のニップ圧Nは450gf〜480gfであった。
図6にシートの剛度と厚みの関係のグラフを示す。なお、剛度とはシートの剛性の強さであり、シートを曲げるのにどの程度の力が必要なのかを示す物性値である。このように、シートの剛度と厚みには相関があり、剛度が400mgf以下のシートの厚みは200μm以下のシートに分類される。そのため、第二の基準部材312のガイドギャップGを200μmに設定することで、薄いシートは第二の基準部材312の上下ガイド110、111のギャップG2で上下方向の姿勢が案内され、座屈を規制することが可能になる。そして、薄いシートSが第二の基準部材312の基準面112に突き当てられて位置補正と斜行補正をすることができる。
同様に第二の基準部材312のガイドギャップG2を超える厚さのシートの場合、上述したようにシートSは第二の基準部材312を図の左方向に押して移動させる。そのとき、シートSは第一の基準部材311の上下ガイド100、101のギャップG1で上下方向の姿勢が規制されて座屈が防止される。そして、シートSは、側端が基準面102に突き当てられて位置補正と斜行補正が行われる。
以上のように基準部を2つの部材で構成することにより、60μm〜200μm程度の薄いシートに対しては第二の基準部材312により座屈量を0.2mm以下に規制して補正をすることができる。また、200〜420μm程度の厚いシートに対しては、シートの幅寄せ力により第二の基準部材312を外方向に押して移動させ、第一の基準部材311によって補正をすることができる。これにより、従来のようにシートの厚さに応じてユーザが手動でガイドギャップを調整したり、自動でシートの厚さを検知してモータ等でガイドギャップを変更したりする必要なくなる。そして、本実施の形態では、補正後の斜行量は全体として0.2mm以下に規制することが可能になる。以上より、従来の様にガイド固定式の場合には薄いシートでは座屈を起こして、最悪で0.6mm程度斜行していたのに対し約1/3の斜行に抑えることが可能になり、画像位置精度を大幅に向上させることが可能となる。
7 レジストローラ対
32 斜行補正ローラ対
50 搬送ローラ装置
55 シート補正装置
100 上ガイド(第一の基準部材)
101 下ガイド(第一の基準部材)
102 基準面(第一の基準部材)
100 上ガイド(第二の基準部材)
101 下ガイド(第二の基準部材)
102 基準面(第二の基準部材)
311 第一の基準部材
312 第二の基準部材
513 画像形成部
G ガイド溝の隙間(ガイドギャップ)
S シート(用紙、転写材)
32 斜行補正ローラ対
50 搬送ローラ装置
55 シート補正装置
100 上ガイド(第一の基準部材)
101 下ガイド(第一の基準部材)
102 基準面(第一の基準部材)
100 上ガイド(第二の基準部材)
101 下ガイド(第二の基準部材)
102 基準面(第二の基準部材)
311 第一の基準部材
312 第二の基準部材
513 画像形成部
G ガイド溝の隙間(ガイドギャップ)
S シート(用紙、転写材)
Claims (5)
- シート搬送方向に沿って配置され、シートの側端の位置決めをする基準面、及びシートの側端を前記基準面に案内するガイド部材を備える基準部と、
前記基準面に対してシートの側端を斜めに突き当てるようにシートを搬送する斜送機構と、を有し、
前記基準部は、固定された第一の基準部材と、シート搬送方向と交差する方向にスライド可能な第二の基準部材とを備え、前記第二の基準部材のガイド部材におけるシートの厚さ方向の間隔が前記第一の基準部材のガイド部材におけるシートの厚さ方向の間隔より狭く設定され、シートの厚さに応じて前記第一の基準部材のガイド部材または前記第二の基準部材のガイド部材によりシートの側端を案内することを特徴とするシート搬送装置。 - 前記ガイド部材はシートの厚さ方向の案内をする上ガイドと下ガイドとから構成され、前記第一及び第二の基準部材のそれぞれは、前記上ガイドと、前記下ガイドと、シート側端が突き当たる基準面とで断面がコの字形状に形成されており、前記第一の基準部材の内部に前記第二の基準部材がスライド可能に支持され、前記第二の基準部材が前記第一の基準部材よりも前記斜送機構側に突出するように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
- 前記第二の基準部材の前記上ガイド及び下ガイドは、シートの入り口側が外側に進むにつれて広がる方向のテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
- 前記第一の基準部材の基準面における、前記第二の基準部材の基準面からシートを受け渡される箇所にテーパー面が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のシート搬送装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007327404A JP2009149391A (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | シート搬送装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007327404A JP2009149391A (ja) | 2007-12-19 | 2007-12-19 | シート搬送装置及び画像形成装置 |
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ID=40919035
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110049792A1 (en) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Sheet conveying apparatus and image forming apparatus |
JP2012086944A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Hitachi Omron Terminal Solutions Corp | 媒体幅寄せ機構 |
-
2007
- 2007-12-19 JP JP2007327404A patent/JP2009149391A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110049792A1 (en) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Sheet conveying apparatus and image forming apparatus |
US8814162B2 (en) * | 2009-08-31 | 2014-08-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Sheet conveying apparatus and image forming apparatus |
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