JP2013244791A - 衝撃吸収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両又は移動体の衝突時の衝撃吸収のためのエネルギー吸収体の横倒れを防止するためのエネルギー吸収体の保持構造を提供することを提供すること。
【解決手段】 本発明の衝撃吸収装置は、移動体又は車両2に於ける支持面4から外方へ延在し衝突時に圧壊してエネルギーを吸収するエネルギー吸収体3と、支持面とエネルギー吸収体とに取り付けられてエネルギー吸収体をその延在方向に対して略垂直な方向から支持する保持部材5とを含む。保持部材は、エネルギー吸収体の側方にて該エネルギー吸収体の外方への延在方向に沿って延在し、支持面から離れるほど剛性が低くなるよう構成されてよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、航空機、自動車等の車両又は移動体の衝突時に破壊され衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収装置に係り、より詳細には、車両又は移動体の衝突時に衝撃エネルギー吸収体が有効に破壊されるよう構成された衝撃エネルギー吸収体のための保持構造に係る。
航空機、自動車等の車両又は移動体に於いては、衝突時の衝撃を緩和すべく、種々の形式の衝撃エネルギー吸収用の構造が設けられている。そのような衝撃吸収装置としては、例えば、衝撃吸収特性に優れ、軽量なハニカム構造から成るエネルギー吸収体を車両又は移動体の衝突時に最初に衝突物に接触する車両又は移動体の胴体前方の下部又はバンパーに設け、車両又は移動体の衝突時には、衝突による圧縮荷重によりエネルギー吸収体の破壊により、衝突エネルギーを吸収し、これにより、車体又は胴体と乗員への衝撃の伝達を緩和する構成が知られている。かかるエネルギー吸収体の破壊による衝撃吸収構造に関しては、エネルギー吸収体をより効率的に破壊して、できるだけ大きな衝撃エネルギーを吸収可能とするべく、種々の構成が提案されている。例えば、特許文献1に於いては、車体から外方に向けて重ねられた二つのエネルギー吸収体要素から成り、車体に固定される内方の要素に対して外方の要素が回動可能に構成された衝撃吸収構造が提案されている。この場合、エネルギー吸収体が、その最も効率的に破壊される方向からずれた方向から荷重を受けると(航空機の地面衝突時や自動車のオフセット衝突時などに受ける斜め荷重など)、外方の要素が内方の要素に対して回動し、これにより、できるだけ効率的なエネルギー吸収体の破壊の達成が図られるよう構成されている。また、特許文献2、3には、航空機の地面衝突時に於いて、エネルギー吸収体に作用する、エネルギー吸収体の最も効率的に破壊される方向に垂直な方向のせん断力を低減すべく、エネルギー吸収体の外側を覆う板部材が摺動又は分離する構成が提案されている。更に、航空機や人工衛星に取り付けられるハニカムサンドイッチ板に於いて、航空機や人工衛星等に固定するための保持具の固着のためにハニカム構造に充填される充填剤を、ハニカム構造全体ではなく、一部にのみ充填し、軽量化を図ることが提案されている。
特開2011−63082 特開2010−274703 特開2010−208479 特開平3−49940号公報
上記の如き車両又は移動体に設けられる衝撃吸収のためのエネルギー吸収体は、既に触れた如く、通常、最も効率的に破壊される方向を有しているので、かかる最も効率的に破壊される方向が衝突時に車体又は機体へ作用する荷重の方向となるように、胴体又は車体から外方に延在される。しかしながら、実際の車両又は移動体の衝突は、必ずしも想定された方向に生ずると限らず、衝突による荷重は、エネルギー吸収体の最も効率的に破壊される方向からずれた方向から作用することがある。例えば、航空機の場合には、図4(A)に模式的に描かれている如く、エネルギー吸収体3は、胴体2のフレーム4の前方の下部に配置することが考えられるところ、航空機が、衝突物(地面)1に衝突する際に、図4(C)に示されている如く、衝突物1がエネルギー吸収体3の延在方向から傾いた方向から接触した場合には、エネルギー吸収体3に曲げモーメントが作用し、これにより、エネルギー吸収体3の根元、即ち、そのフレーム4との固定部位に於いて、一方の側(図中、右側)では、ハニカム構造の座屈が生ずるのに対し、他方の側(図中、左側)では、張力が発生して、接着が剥がれるといった「横倒れ」が起き得る。そうすると、エネルギー吸収体3に対して、最も効率的に破壊される方向に荷重が作用しない可能性がある。従って、かかる構成に於いては、一層、エネルギー吸収効率を向上させるために改善の余地がある。図4(B)に例示されている如く、車体2のフレーム4の前方にエネルギー吸収体3が延在する自動車が、衝突物1(その他の車両、壁、ガードレールなど)に対して斜め衝突をした場合にも同様である。
上記の如き衝突荷重がエネルギー吸収体3に対して曲げモーメントを作用した場合でも、エネルギー吸収効率の向上を図る目的は、例えば、エネルギー吸収体3の巾を広くして、エネルギー吸収体3が「横倒れ」しにくくするといった方法で達成し得る。実際、自動車等の車両に於いては、バンパーに於いて、エネルギー吸収体3として機能する支持部材を幅広に形成することにより、有効な衝撃エネルギーの吸収を達成するための対策が取られていた。一方、航空機の場合、特に、小型航空機の場合には、室内空間が狭いため、エネルギー吸収体の巾を確保することが困難であることが多い。小型航空機に於いて、エネルギー吸収体が配置されるべき胴体前方下部には、方向舵ペダルが設けられているため、幅広のエネルギー吸収体を設けることは一般に難しい。また、航空機の場合、空気抵抗の抑制の目的で、特に単発プロペラ機の場合には、プロペラ効率の向上の目的で、機体の底面形状は、曲面形状に形成される必要があるところ、エネルギー吸収体の外端に曲面形状部材が存在する場合、エネルギー吸収体に荷重が作用したときに、曲げモーメントが発生しやすくなり、これにより、エネルギー吸収体の横倒れが生じ易くなる。
かくして、本発明の一つの目的は、車両又は移動体の衝突時の衝撃吸収のためのエネルギー吸収体の横倒れを防止するための新規なエネルギー吸収体又は衝突吸収材のための保持構造を提供することである。
また、本発明のもう一つの目的は、上記の如き保持構造であって、良好な衝撃エネルギーの吸収が達成できるよう改良された保持構造を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、移動体又は車両の衝突時に破壊されて衝撃を吸収するための衝撃吸収装置であって、移動体又は車両に於ける支持面に固定されそこから外方へ延在し衝突時に圧壊してエネルギーを吸収するエネルギー吸収体と、支持面とエネルギー吸収体とに取り付けられてエネルギー吸収体をその延在方向に対して略垂直な方向から支持する保持部材とを含む衝撃吸収装置によって達成される。この構成に於いて、エネルギー吸収体は、典型的には、ハニカム構造等を有するこの分野に於いて移動体又は車両の衝突時に破壊されることによって衝撃を吸収するために通常使用されているエネルギー吸収体であってよい。移動体又は車両に於ける支持面とは、航空機等の移動体の場合であれば、胴体、例えば、前方下部のフレーム、ファイヤーウォールなどであり、自動車等の車両の場合であれば、車体フレームなどであってよい。典型的には、保持部材は、L字形状を有し、一辺が支持面に固定され、他辺がエネルギー吸収体の側面に固定されてよく、一対の保持部材がエネルギー吸収体の両側からエネルギー吸収体を狭持するようになっていてよい。
上記の構成によれば、移動体又は車両の衝突時に、発生した荷重がエネルギー吸収体に対してその延在方向からずれた方向から作用し、エネルギー吸収体に対する曲げモーメントを発生する荷重(異方性荷重)であっても、保持部材がエネルギー吸収体をその延在方向に対して略垂直な方向、即ち、側方から支え、エネルギー吸収体の支持面との結合部に於けるせん断力がエネルギー吸収体の延在方向にて伝達されることとなる。そうすると、エネルギー吸収体の支持面との結合部に於いて異方性荷重によって一方の側に応力集中が発生し他方の側に張力が発生する状態が緩和し、エネルギー吸収体が破壊されることなく支持面から脱離するといった現象を防止することが可能となる。
なお、上記の構成に於いて、異方性荷重に起因する曲げモーメントの作用のエネルギー吸収体の支持面との結合部への集中の防止をより効果的に達成できるように、好適には、保持部材は、エネルギー吸収体の側方にて該エネルギー吸収体の外方への延在方向に沿って延在し、支持面から離れるほど剛性が低くなるよう構成される。この場合、典型的には、保持部材のエネルギー吸収体の側方に固定される辺に於いて、外方から支持面へ向けて、ステップ状に厚みが増大するよう構成されるか、外方から支持面へ向けて、テーパー形状に構成されていてよい。
また、上記の保持部材の構成に於いて、その支持面から離れた側の先端部がエネルギー吸収体から離れる方向に屈曲されている、即ち、折り返し部が設けられていてよい。後により詳細に説明される如く、エネルギー吸収体の側方に保持部材を設けた場合、エネルギー吸収体の破壊は、その先端から保持部材にて狭持された部位まで到達すると、更なる破壊が進行しにくくなる場合がある。しかしながら、保持部材の外方端に折り返し部を設けることにより、エネルギー吸収体が保持部材の外方端まで破壊された後に於いても、更なるエネルギー吸収体の破壊が進行し易くなる点で有利である。
上記のエネルギー吸収体と保持部材との支持面への固定は、最も簡単には、接着剤などによって為されてよい。しかしながら、エネルギー吸収体と保持部材との結合をより強固にすべく、保持部材は、ボルトなどの機械的な締結手段によって、エネルギー吸収体に対して結合されてよい。(機械的な締結の方が、接着厚の調節に於いて有利であり得る。)しかしながら、エネルギー吸収体と保持部材との結合が機械的な締結手段による場合、結合部位の強度が低下する恐れがある。そこで、機械的な締結手段を用いる場合には、保持部材に於ける締結手段を囲繞する領域に強化繊維が配置され、結合部位が補強されるようになっていてよい。また、エネルギー吸収体がハニカム構造などの少なくとも一部が中空である場合、エネルギー吸収体内での機械的な締結手段の結合力を増強する目的で、エネルギー吸収体の中空部分が発砲樹脂等の充填剤により充填されてよい。かかる充填剤の存在によれば、局所的な応力集中の緩和の利点も得られる。
かくして、上記の本発明の構成によれば、エネルギー吸収体に対して異方性荷重が作用しても、エネルギー吸収体がその側方から保持部材により支持されることにより、エネルギー吸収体の横倒れが生ずる可能性が低減されることとなる。また、保持部材による支持によれば、エネルギー吸収体の巾を横倒れ防止のために増大する必要がなくなり、小型航空機の胴体前方下部などの空間的に狭い領域に於いても、有効に破壊されるようエネルギー吸収体を配置できる点で有利である。更に、必要以上にエネルギー吸収体の寸法を大きくする必要がなくなるので、車体又は機体の重量の大幅な増大を回避することができることとなる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明による衝撃吸収装置の一つの実施形態の模式的な側面図である。図1(B)は、エネルギー吸収体に異方性荷重が作用した際にエネルギー吸収体に作用する応力、曲げモーメントを模式的に示している。 図2(A)は、エネルギー吸収体の破壊時の状態変化の模式図である。図2(B)は、エネルギー吸収体の破壊ストロークと圧壊荷重との関係を例示するグラフ図である。図2(C)は、エネルギー吸収体の破壊が保持部材の先端にて止まる状態の模式図である。図2(D)は、本発明による衝撃吸収装置のもう一つの実施形態の模式的な側面図であり、エネルギー吸収体の破壊が保持部材の先端を越えて進行する状態を示している。 図3(A)、(B)は、それぞれ、本発明による保持部材がエネルギー吸収体に対してボルト等の締結手段で固定される実施形態の模式的な側面図と背面図である。図3(C)、(D)は、エネルギー吸収体に対してボルト等の締結手段で固定される保持部材の模式的な側面図と背面図であり、ボルト等の締結手段の貫通孔の周囲に於いて、強化繊維(点線矢印)が配置されている状態を示している。図3(E)は、図3(A)と同様の図であって、エネルギー吸収体の内部のボルト等の締結手段が固定される領域が充填剤にて充填されている状態を模式的に示している。 図4(A)、(B)は、それぞれ、衝撃吸収装置を備えた航空機又は自動車に於いて、エネルギー吸収体に異方性荷重が作用する場合の例を模式的に示している。図4(C)は、従前の衝撃吸収装置の模式図であり、異方性荷重が作用する場合にエネルギー吸収体にて生ずる現象を説明する図である。
1…衝突物又は地面
2…胴体又は車体
3…エネルギー吸収体
4…フレーム
5…保持部材
6…接着剤層
7…ボルト用貫通孔
8…ボルト
9…補強繊維層
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
図4を参照して、既に述べた如く、航空機(図4(A))、自動車(図4(B))等の車両又は移動体に於いては、衝突時の衝突Gの低減及び乗員安全性の確保の目的で、衝撃吸収特性に優れ且つ軽量なハニカム構造から成るエネルギー吸収体3を胴体又は車体2のフレーム4に設けて成る衝撃吸収装置が構成される。かかるエネルギー吸収体3は、例えば、航空機の場合には、胴体前方の下部に設けられ、自動車の場合には、バンパーを支持する部材として配備される。そして、車両又は移動体の衝突時に於いて、これらのエネルギー吸収体3がまず最初に荷重を受けて破壊されることで、衝突エネルギーがエネルギー吸収体3の破壊によって消費され、後方の胴体又は車体2並びに乗員に対するダメージの軽減が図られることとなる。
上記の如きエネルギー吸収体3の破壊による衝撃吸収装置に於いて、もし図4(A)、(B)に例示されている如く、航空機の地面衝突又は自動車の斜め衝突が生じた場合、図4(C)にて例示されている如く、エネルギー吸収体3には、その延在方向又は長手方向に対して斜め方向から衝突物1が接触することとなり、エネルギー吸収体3に曲げモーメントを作用する荷重(異方性荷重)が与えられる場合がある。特に、小型航空機では、空気抵抗の低下やプロペラ効率の増大の目的で、胴体底部が曲面形状に形成されるため、地面衝突時に異方性荷重が作用し易くなっている。
かかる異方性荷重が作用すると、エネルギー吸収体3は、一方向に湾曲することとなり、エネルギー吸収体3とフレーム4の支持面との結合部に於いて、曲げモーメントの方向の側では、局所的な応力集中が発生して圧壊する一方、曲げモーメントの方向の反対側では、張力が作用し、エネルギー吸収体3とフレーム4の支持面との結合が解離し易くなる。そして、エネルギー吸収体3とフレーム4の支持面との結合の解離が始まると、エネルギー吸収体3は粉砕されることなく、横倒れ状態となり、その場合、エネルギーの吸収量は低下することとなる。このような異方性荷重に起因するエネルギー吸収体3の横倒れを防止する一つの方法は、エネルギー吸収体3を幅広に形成し、横倒れし難くすることであるが、例えば、小型航空機では、胴体前方下部に於いては、既に述べた如く、空間に余裕が少なく、エネルギー吸収体3の巾を増大することが困難である場合がある。また、エネルギー吸収体3の巾の増大は、車両や移動体に於いて望ましくない重量の増加に繋がることとなる。
そこで、本発明に於いては、エネルギー吸収体3の巾を増大することなく、上記の如きエネルギー吸収体3の横倒れの防止を可能にする新規な構造が提案される。具体的には、図1に示されている如く、フレーム4の支持面4a上に固定されたエネルギー吸収体3をその延在方向の略垂直な方向から支持する略L字形状の保持部材5が設けられる。かかる保持部材5は、図示の如く、一辺が支持面4a上に、他辺がエネルギー吸収体3上にて、接着剤層6にて接着されてよく、好適には、エネルギー吸収体3の両側に取り付けられる。また、保持部材5のエネルギー吸収体3に沿う辺は、その厚みが支持面4aに近づくほど増大し、剛性が高められていることが好ましい。かかる剛性の増大により、保持部材5自体が衝突時に湾曲してしまう可能性が低減される。なお、この厚みの増大の態様としては、ステップ状に厚みが増大されていても(5a)、テーパー状に厚みが増大されていても(5b)、いずれであってもよい。
上記の如く、保持部材5が設けられている場合、図1(B)の如く、衝突物1がエネルギー吸収体3に対して斜め方向から衝突すると、エネルギー吸収体3に曲げモーメントが作用することとなる。その際、エネルギー吸収体3がその側面にて保持部材5により支持されているので、曲げモーメントによるエネルギー吸収体3の支持面4aとの結合部に於けるせん断力が、図中の矢印の如く、エネルギー吸収体3の延在方向にて伝達して分散され、上記の如き一方の側の局所的な圧壊と他方の側の接着剥離、及び、これらに起因するエネルギー吸収体3の横倒れが防止できることとなる。かくして、エネルギー吸収体3は、その延在方向に沿った荷重によって破壊が進行し、効率的な衝撃エネルギーの吸収が達成されることとなる。
ところで、上記のエネルギー吸収体3の破壊による衝撃エネルギーの吸収量は、図2(A)にて示されている如く、エネルギー吸収体3の破壊前と破壊後の高さの差によって決定される。そして、破壊されるエネルギー吸収体3のストローク(エネルギー吸収体の破壊される長さ)と圧壊に必要な荷重(圧壊荷重)との関係に於いては、図2(B)にて示されている如く、エネルギー吸収体3の高さが潰れ残り高さとなるストローク=Xの時点まで、圧壊荷重は、略一定となり、ストロークがXに到達すると増大することとなる。従って、衝撃エネルギーの吸収量をできるだけ大きくし、且つ、衝突による衝撃をできるだけ緩和するには、破壊されるエネルギー吸収体3のストロークが大きくされる。しかしながら、上記の如く、エネルギー吸収体3が保持部材5にて支持されている場合、図2(B)にて示されている如く、エネルギー吸収体3の破壊が保持部材5の先端まで到達した時点で止まってしまう場合が在り得る。そうすると、エネルギー吸収量が低減するだけでなく、早期に圧壊荷重が増大し、その分、車体又は胴体或いは乗員に強いGが作用することとなる。
そこで、上記の本発明に於いては、図2(D)の如く、保持部材5は、支持面4aから離れた側の先端部にてエネルギー吸収体3から離れる方向に屈曲された折り返し部5cが設けられていてよい。かかる折り返し部5cが設けられている場合、図示の如く、エネルギー吸収体3が衝突物1の方向(矢印a)へ接近し((i))、エネルギー吸収体3の破壊は、まず、通常の態様にて保持部材5の先端まで進行することとなる((ii))。しかる後、エネルギー吸収体3が更に荷重を受けると、エネルギー吸収体3の破壊された部分が折り返し部5cを押すことにより、保持部材5がエネルギー吸収体3の側面から剥がれ、これに伴い、更なるエネルギー吸収体3の破壊が進行することとなる((iii))。かかる構成によれば、エネルギー吸収体3の破壊が折り返し部5まで進んだ後にも、エネルギー吸収体3の圧壊が進むこととなり、早期の圧壊荷重の増大が回避されることとなる。なお、支持面4aから保持部材5の先端までの長さは、エネルギー吸収体3の特性により、特に、図2(A)に例示されている如く、エネルギー吸収体3の圧縮率(破壊が完全に進んだ後での高さ(潰れ残り高さ)と、エネルギー吸収体3の破壊前の長さとの比)に応じて決定されてよい。例えば、支持面4aから保持部材5の先端までの長さは、エネルギー吸収体3がアルミニウム製のハニカム構造から成る場合には、破壊前の長さの20%に設定されてよく、エネルギー吸収体3が炭素繊維強化プラスチック製のハニカム構造から成る場合には、破壊前の長さの10%に設定されてよい。
また、上記の本発明の衝撃吸収装置に於いて、エネルギー吸収体3と保持部材5との接合をより強固とする目的で、図3(A)、(B)にて例示されている如く、両者を、接着剤層6の他に、ボルト8等の機械的な締結手段によっても固定するようになっていてよい。その場合、保持部材5とエネルギー吸収体3とには、ボルト8を受容する貫通孔7が形成されることとなる。かかるボルト8等の機械的な締結手段を用いる場合には、更に、接着剤層6の厚みの調節が容易となる利点も得られることとなる。しかしながら、保持部材5に貫通孔7が設けられると、貫通孔7周囲の荷重、特に、引張荷重、に対する剛性が低下するおそれがある。そこで、かかる剛性の低下を防止する構成が採用されてよい。
具体的には、まず、図3(C)に示されている如く、保持部材5が内側及び外側の通常の積層5d、eの間に補強繊維層が狭持された状態にて構成される。その際、各層の繊維の配向について、図3(D)に模式的に示されている如く、内側及び外側の通常の積層5d、eに於いては、繊維の向きは、細線矢印αにて示されている如く、通常の任意の態様にて設定されてよいが、補強繊維層9の繊維は、点線矢印βの如く、貫通孔7を囲繞するよう配向される。かかる補強繊維層9の存在により、保持部材5の貫通孔7の周囲に於ける剛性の低下の抑制が図られる。なお、補強繊維層の繊維は、炭素繊維強化プラスチック性の繊維であってよい。
また、エネルギー吸収体3に於いては、ハニカム構造にボルト8を受容する孔が設けられるところ、部分的に中空であるので、ボルト8との接触面積が少なく、そのままでは、ボルト8との接合力が比較的弱いこととなる。そこで、ボルト8との接触面を増大すべく、図3(E)に示されているように、少なくともボルト8を受容する孔の周囲のハニカム構造の中空領域が、発砲性樹脂などの充填剤3aにより充填されてよい。かかる構成によれば、保持部材5とエネルギー吸収体3とのより強固な接合が達成できることとなる。
かくして、上記の本発明の衝撃吸収装置は、エネルギー吸収体の巾を大きくせずに、その横倒れが発生し難くなるよう構成される。従って、エネルギー吸収体を配置する領域が低減され、小型航空機の胴体前方下部などの比較的狭い領域にて採用可能であり、また、衝突時には、異方性荷重が作用しても、横倒れすることなく、効率的にエネルギー吸収体が破壊され衝撃エネルギーの吸収の達成が図られることとなる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (4)

  1. 移動体又は車両の衝突時に破壊されて衝撃を吸収するための衝撃吸収装置であって、
    前記移動体又は車両に於ける支持面に固定されそこから外方へ延在し衝突時に圧壊してエネルギーを吸収するエネルギー吸収体と、
    前記支持面と前記エネルギー吸収体とに取り付けられて前記エネルギー吸収体をその延在方向に対して略垂直な方向から支持する保持部材と
    を含む衝撃吸収装置。
  2. 請求項1の衝撃吸収装置であって、前記保持部材が前記エネルギー吸収体の側方にて該エネルギー吸収体の外方への延在方向に沿って延在し、前記支持面から離れるほど剛性が低くなるよう構成されている衝撃吸収装置。
  3. 請求項1の衝撃吸収装置であって、前記保持部材の前記支持面から離れた側の先端部が前記エネルギー吸収体から離れる方向に屈曲されている衝撃吸収装置。
  4. 請求項1の衝撃吸収装置であって、前記保持部材が前記エネルギー吸収体に対して締結手段により機械的に結合され、前記保持部材に於ける締結手段を囲繞する領域に強化繊維が配されている衝撃吸収装置。
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