JP2013243908A - 給電システム及び給電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力供給効率を低下させることなく充電できる給電システム等を提供する。給電利用者及び給電提供者双方において効率のよい給電サービスを可能とする給電システム等を提供する。
【解決手段】各送電部における送電状況を監視して、送電装置に設けられた複数の送電部のうち、位置関係の優位性に基づく伝送効率が最も高い送電部を選択し、該選択した送電部においては送電側共鳴コイルの第1の共振周波数の設定を維持することで送電を継続し、他の非選択とされた送電部においては送電側共鳴コイルの第2の共振周波数に設定することで送電を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は給電システム及び給電方法に関する。
近年、電力を原動力とする電子デバイスは、携帯電話、ノート型のパーソナルコンピュータなどのモバイル機器に代表されるように、携帯して利用することが多い。また、環境面においてもクリーンで安全であるとの観点から、電力を原動力とした自転車や自動車などの移動手段が開発されている。
このような携帯用電子デバイスや、移動手段は、戸外で使用することが多いため、各戸に配電されている商用電源から常に有線で電力を供給することは困難である。よって、それらにあらかじめ商用電源から電力を充電したバッテリーを搭載し、該バッテリーより電力を供給することによって動作させている。
しかし、バッテリーの蓄電量は有限であり、利用者は、戸外で使用中にバッテリーの蓄電量が尽きた場合、利用し続けるためには戸外においてバッテリーを再充電する必要がある。従って、従来の戸内の商用電源に配電される給電サービスの他、戸外においても利用できる給電サービスが求められている。
戸外における給電サービスには、従来の特定個人が戸内で利用する給電サービスと異なり、不特定多数の利用者に対応できる高い汎用性、供給量及び供給速度等の高い供給効率などを兼ね備えた給電方法、及び給電システムが必要である。
よって、従来の有線による接触給電方法の他に、非接触で給電を行う非接触給電方法が研究されている。非接触給電方法としては、例えば電磁結合方式(電磁誘導方式ともいう)、電波方式(マイクロ波方式ともいう)、共振方式(共鳴方式ともいう)などが提案されており、さらなる電力の伝送効率(送電効率)の向上を目的とした報告がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−119246号公報
しかし、非接触方式による給電システムにおいては、電力を電磁波で送電するため、非接触の状態で給電が可能であるが、送電効率が低下しやすい。
また、電力を送る側(送電側、送電装置)である給電提供者及び電力を受ける側(受電側、受電装置)である給電利用者間において両者の特定や管理などが困難であるという課題がある。
本発明の一形態は、給電提供者(送電装置)が、電力を高い送電効率で給電利用者(受電装置)へ供給できる給電システム、給電方法を提供することを目的の一とする。
本発明の一形態は、給電提供者(送電装置)に、より短時間により多くの給電利用者(受電装置)に給電サービスが行える、高い電力供給能力を付与することが可能な給電システム、給電方法を提供することを目的の一とする。
本発明の一形態は、給電利用者(受電装置)にとってより利便性が高い給電システム、給電方法を提供することを目的の一とする。
本発明の一形態は、給電利用者及び給電提供者双方において効率のよい給電サービスを可能とする給電システム、給電方法を提供することを目的の一とする。
本明細書に開示する給電システム、及び給電方法は、給電状況を判断し、受電装置への送電の開始、継続、及び停止を独立して制御する送電部が複数隣接して設けられた送電装置を用いた共振方式(共鳴方式ともいう)による非接触な給電システム、及び非接触な給電方法であり、送電装置及び受電装置間の給電は、送電部及び受電部に備えられた共振周波数が一致した共鳴用コイル同士で生じる磁気共鳴現象によって行う。
送電装置の送電部に備えられた送電側共鳴用コイルは、受電装置の受電部に備えられた受電側共鳴用コイルの共振周波数と同じ第1の共振周波数、又は受電側共鳴用コイルの共振周波数と異なる第2の共振周波数に設定可能とする。送電側共鳴用コイルを第1の共振周波数に設定することで送電を開始し、一方第2の共振周波数に設定することで送電を停止する。
まず、すべての送電側共鳴用コイルを第1の共振周波数に設定することで送電を開始する。各送電部における送電状況を監視して、送電装置に設けられた複数の送電部のうち、位置関係の優位性に基づく伝送効率が最も高い送電部(単数、又は複数)を選択し、該選択した送電部においては送電側共鳴用コイルの第1の共振周波数の設定を維持することで送電を継続し、他の非選択とされた送電部(単数、又は複数)においては送電側共鳴用コイルを第2の共振周波数に設定することで送電を停止する。
本明細書に開示する給電システムの一形態は、送電部、及び送電部と電気的に接続する電源部を含む送電装置と、受電部、及び受電部と電気的に接続する負荷部を含む受電装置とを有し、送電装置において、送電部は電源部から電力供給される送電用コイルと、送電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合している送電側共鳴用コイルと、送電側共鳴用コイルから反射される反射電力を検波器へ入力する方向結合器と、反射電力の値を基準電力の値により判定する検波器と、検波器の出力が入力されるスイッチとを含み、受電装置において、受電部は、負荷部に電力を供給する受電用コイルと、受電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合する受電側共鳴用コイルとを含み、送電側共鳴用コイルの共振周波数は、スイッチのオンオフにより第1の共振周波数又は第2の共振周波数に設定が切り替わり、受電側共鳴用コイルの共振周波数は、第1の共振周波数及び第2の共振周波数のいずれかである。
本明細書に開示する給電システムの他の一形態は、複数の隣接する送電部、及び送電部と電気的に接続する電源部を含む送電装置と、受電部、及び受電部と電気的に接続する負荷部を含む受電装置とを有し、送電装置において、複数の隣接する送電部はそれぞれ、電源部から電力供給される送電用コイルと、送電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合している送電側共鳴用コイルと、送電側共鳴用コイルから反射される反射電力を検波器へ入力する方向結合器と、反射電力の値を基準電力の値により判定する検波器と、検波器の出力が入力されるスイッチとを含み、受電装置において、受電部は、負荷部に電力を供給する受電用コイルと、受電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合する受電側共鳴用コイルとを含み、送電側共鳴用コイルの共振周波数は、スイッチのオンオフにより第1の共振周波数又は第2の共振周波数に設定が切り替わり、受電側共鳴用コイルの共振周波数は、第1の共振周波数及び第2の共振周波数のいずれかである。
本明細書に開示する給電システムの他の一形態は、上記構成において、送電部は、送電側共鳴用コイル及びスイッチと電気的に接続する送電側共振周波数調整用キャパシタを含み、受電部は、受電側共鳴用コイルと電気的に接続する受電側共振周波数調整用キャパシタを含む。
本明細書に開示する給電方法の一形態は、複数の送電部において送電側共鳴用コイルを第1の共振周波数に設定する第1のステップと、送電用コイルにおいて電源部より供給された電力を送電側共鳴用コイルに送電する第2のステップと、送電側共鳴用コイルにおいて受電装置へ送電する第3のステップと、第3のステップにおいて送電側共鳴用コイルによって反射された反射電力を、方向性結合器を介して検波器へ入力する第4のステップと、検波器において反射電力を基準電力によって判別する第5のステップとを有し、第5のステップにおいて反射電力が基準電力より小さいと判別された第1の送電部は受電装置への送電を継続し、第3のステップ乃至第5のステップを繰り返し、第5のステップにおいて反射電力が基準電力より大きいと判別された第2の送電部は、送電側共鳴用コイルを第2の共振周波数に設定して受電装置への送電を停止する。
本明細書に開示する給電方法の他の一形態は、上記構成において、送電側共鳴用コイルを第2の共振周波数に設定して受電装置への送電を停止した第2の送電部は、一定時間経過後、第1のステップ乃至第5のステップを繰り返す。
本明細書に開示する給電方法の他の一形態は、上記構成において、第1の共振周波数又は第2の共振周波数の設定は、検波器から入力される信号によってオンオフされるスイッチによって制御する。
本発明の一形態は、送電側共鳴用コイルを有する送電部が複数設けられた送電装置を用いることで、送電領域(供給可能領域)を拡大し、かつ電力を高い送電効率(電力供給効率)で供給することが可能な、共鳴方式による給電システム及び給電方法を提供することができる。
本発明の一形態は、給電提供者(送電装置)に、より短時間により多くの給電利用者(受電装置)に給電サービスが行える、高い電力供給能力を付与することが可能な給電システム、給電方法を提供することができる。
本発明の一形態は、給電利用者(受電装置)にとって、移動中の受電など利用可能形態が拡大し、受電時間の短縮など利用効率も向上するため、利便性が高い給電システム、及び給電方法を提供することができる。
本発明の一形態は、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)の特定や管理を行うことができ、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)間で、多様、かつ安全な給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
本発明の一形態は、給電利用者及び給電提供者双方において効率のよい給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
給電システムの一形態を示す図。 給電システムの一形態を示す図。 給電システムの一形態を示す図。 給電方法の一形態を示す図。 給電方法の一形態を示す図。 給電システムを用いた給電の例を示す図。
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、本明細書等において開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、給電システム及び給電方法の一形態について図1乃至図5を用いて説明する。
まず、本発明の一態様である給電システムについて図1乃至図3を用いて以下に説明する。
図1に、本実施の形態における給電システムを構成する送電装置及び受電装置の構成ブロック図を示す。ただし、構成要素と機能は必ずしも一対一の関係とは限らず、複数の構成要素と複数の機能が関係して給電システムとして動作することもある。
本実施の形態の給電システムは、電源部と電気的に接続する送電装置から受電装置へ電力を非接触で供給する。複数の送電部の形状や配置は特に限定されないが、本実施の形態ではマトリクス状に設ける例を示す。
図1(A)に示す送電装置100は、横にn(nは自然数)個(列)配列された送電部群410(410_1〜410_n)有しており、送電部群410_1〜410_nはそれぞれ、縦にm(mは自然数)個(行)配列された送電部110(110_1〜110_m)を有している。送電部群410(410_1〜410_n)に配置された送電部110(110_1〜110_m)は、送電装置100に設けられた電源部130と電気的に接続する。なお、本明細書及び図面において、同様の機能を有する構成要素は、符号の末尾に_1、_2等を付すことで区別する。
送電装置100において、送電部110(110_1〜110_m)と電源部130との接続構成は、特に限定されず、電気的に接続した複数の送電部110(110_1〜110_m)ごと(例えば、送電部群410_1)に電源部130と接続してもよいし、複数の送電部110(110_1〜110_m)がそれぞれ独立して電源部130と接続してもよい。
図1(C)に示す受電装置200は、受電側共鳴用コイル211及び受電用コイル212を含む受電部210と、受電部210と電気的に接続する負荷部220とを有する。受電側共鳴用コイル211の共振周波数は、共振周波数Aである。本実施の形態における受電側共鳴用コイル211の共振周波数は、コイルの材料、形状、容量などの回路構成によって作製時に決定し、不変のものとする。
図1(B)に、送電部110(110_1〜110_m)の詳細を示す。送電部110は、送電側共鳴用コイル111及び送電用コイル112を有し、送電側共鳴用コイル111は、共振周波数を、共振周波数A、共振周波数A’の2つの共振周波数に電気的に切り替えて設定することができる。
送電部110及び受電部210の詳細な具体例を図2に示す。
図2(A)に示す送電部110は、送電側共鳴用コイル111と、送電用コイル112と、方向性結合器113と、検波器114と、共振周波数調整用キャパシタ115と、スイッチ116とを有する。
送電用コイル112は、方向性結合器113を介して電源部130と電気的に接続しており、電源部130から電力300が供給される。
また、送電用コイル112は、送電側共鳴用コイル111と電磁誘導により電磁気的に結合しており、電源部130から供給された電力300は送電用コイル112を介して送電側共鳴用コイル111へ供給される。
方向性結合器113は検波器114と電気的に接続しており、検波器114はスイッチ116と電気的に接続している。
送電側共鳴用コイル111に供給された電力300は、受電装置200へ送電されるが、給電状態によっては、電力300すべては送電されない。送電されなかった電力は、送電側共鳴用コイル111から送電用コイル112に反射電力320となって反射する。
方向性結合器113は、反射電力320を、検波器114へ送るためのものである。検波器114は、あらかじめ定めた電力値を基準として、方向性結合器113から入力された電力を2値(”0”または”1”)で出力する回路である。
検波器114は、例えば、波高弁別回路を用いることができる。
スイッチ116は、送電側共鳴用コイル111の共振周波数を制御するために設けられており、スイッチ116をオンすると、送電側共鳴用コイル111の共振周波数は共振周波数Aに設定される。スイッチ116がオン状態のときの共振周波数は、送電側共鳴用コイル111の作製時に、送電側共鳴用コイル111の形状、材料、共振周波数調整用キャパシタ115の容量を適宜設定することによって共振周波数Aとすることができる。
一方、スイッチ116がオフ状態の送電側共鳴用コイル111の共振周波数A’は、共振周波数Aより十分離れた値、例えば十分大きな値に設定することが好ましい。例えば、共振周波数Aを13.56MHzとする場合、スイッチ116がオフ状態の送電側共鳴用コイル111の共振周波数A’は100MHz程度とすることが好ましい。
図2(C)に送電部110の他の例を示す。図2(C)に示す送電部110は、方向性結合器113と電源部130との間にスイッチ117が設けられている。
スイッチ117を設けることで、電源部130から送電用コイル112への電力の供給を制御することができる。図2(A)に示す送電部110は常に電源部130から送電用コイル112へ電力が供給されている状態であるが、送電を行わない場合、図2(C)に示す送電部110はスイッチ117をオフすることで、電源部130から送電用コイル112への電力の供給を停止することができる。送電部110それぞれに電源部130からの電力供給の可否を選択できることで、複数設けられた送電部110のうち、送電を行う送電部110のみに電力を供給し、送電を行わない送電部110への電力の供給を停止することができるため、送電装置100において消費電力の低減が可能となる。なお、送電装置100において、送電を行う送電部の数及び送電を行わない送電部の数は単数でも複数でもよい。
図2(B)に示す受電部210は、受電側共鳴用コイル211と、受電用コイル212を有する。本実施の形態では、受電側共鳴用コイル211の共振周波数は、受電側共鳴用コイル211の作製時に、受電側共鳴用コイル211の形状、材料、共振周波数調整用キャパシタ215の容量を適宜設定することによって決定した共振周波数Aである。
送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル211は、お互いの共振周波数が一致した場合のみ、電磁気的に強く結合し(磁気共鳴結合)、受電側共鳴用コイル211は、送電側共鳴用コイル111から電力310を受電することができる。
スイッチ116がオン状態の送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル211の共振周波数は両方とも共振周波数Aで一致するため、受電側共鳴用コイル211は、スイッチ116がオン状態の送電側共鳴用コイル111から電力310を受電することができる。
受電側共鳴用コイル211は、受電用コイル212と電磁誘導により電磁気的に結合しており、送電側共鳴用コイル111から供給された電力310は受電側共鳴用コイル211を介して受電用コイル212へ供給される。
受電用コイル212は、負荷部220と電気的に接続しており、負荷部220は、受電用コイル212が受電側共鳴用コイル211から受電した電力310を蓄積(充電)する。
負荷部220は、二次電池等の蓄電手段であり、例えば、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等を用いることができる。
なお、図2(A)及び図2(C)に示す送電部110は、図3(A)及び図3(C)に示すように、整合回路810を適宜設けることができる。また、図2(B)に示す受電部210は、図3(B)に示すように、整合回路820、整流回路830、及びDCDCコンバータ840を適宜設けることができる。
スイッチ116、スイッチ117はもちろん、本実施の形態に示す給電システムで用いる送電装置100、受電装置200に含まれる電源部130、方向性結合器113、検波器114、整合回路810、820、整流回路830、DCDCコンバータ840、負荷部220などの回路にはスイッチング特性を有する半導体素子(例えばトランジスタ)を用いることができる。
半導体素子に用いる半導体材料としては、例えば、シリコン、炭化シリコン、シリコンゲルマニウムなどのシリコン系材料や、ガリウムヒ素などの化合物半導体材料、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(In−Ga−Zn系酸化物)などの酸化物半導体材料を用いることができる。
給電システムに用いる送電装置100、及び受電装置200は主に屋外で用いるため、温度において使用環境が厳しく、特に気候や天候により高温下で使用する場合が多い。酸化物半導体を用いた半導体素子(トランジスタ)は、高温下の厳しい温度環境においても良好なスイッチング特性を維持することができる。よって、酸化物半導体を用いた半導体素子を用いることで送電装置100及び受電装置200に高い信頼性を付与でき、本実施の形態に示す給電システム及び給電方法において、円滑な給電サービスを行うことが可能となる。
以上が本実施の形態に示す給電システムである。
次に、上述した給電システムを用いた給電方法の概念図を図4に示す。
本実施の形態における給電システム及び給電方法は、給電状況を判断し、受電装置への送電の開始、継続、及び停止を独立して制御する送電部が複数隣接して設けられた送電装置を用いた共振方式(共鳴方式ともいう)を用いており、送電装置及び受電装置間の給電は、送電部及び受電部に備えられた共振周波数が一致した共鳴用コイル同士で生じる磁気共鳴現象によって行う。
本実施の形態における送電装置は、複数の送電部を有し、該送電部において送電側共鳴用コイルは第1の共振周波数及び第2の共振周波数を有している。第1の共振周波数及び第2の共振周波数は電気的に切り替えて設定することができる。
図4において、送電装置100は、複数の送電部110_1〜110_mを有し、各送電部110_1〜110_mには、電気的に共振周波数A、又は共振周波数A’を切り替えることで共振周波数A、又は共振周波数A’に設定可能な送電側共鳴用コイル111_1〜111_mが備えられている。送電装置100には近接して、共振周波数Bの受電側共鳴用コイル251を有する受電装置250、及び共振周波数Aの受電側共鳴用コイル211を有する受電装置200が配置されている。
受電装置に備えられた受電側共鳴用コイルが送電側共鳴用コイルから磁気共鳴現象により給電を受けるには、受電側共鳴用コイルの共振周波数が送電側共鳴用コイルの設定可能な第1の共振周波数、又は第2の共振周波数と同じである必要がある。
よって、共振周波数A、又は共振周波数A’の送電側共鳴用コイル111_1〜111_mを有する送電部110_1〜110_m、及び共振周波数Bの受電側共鳴用コイル251を有する受電装置250間では、共振周波数が異なるために給電は行われない。なお、図4において、送電部110_1〜110_mと、受電装置200、又は受電装置250とにおいて、給電が行われる場合丸印で示し、給電が行われない場合はバツ印で示す。
コイルに付与される共振周波数の値は、単数複数に関わらず、送電側共鳴用コイル及び受電側共鳴用コイルの作製時に、形状、材料、容量などの回路構成により決定するコイル固有のものである。よって、共振周波数は識別情報として機能し、該識別情報をもとに送電装置及び受電装置、ひいては給電提供者及び給電利用者の識別や管理を行うことができる。共振周波数はコイル作製時に物理的に作り込むことで決定する要素なので、電気信号による情報識別と比較して改ざんしづらく、安全性が高い。
本実施の形態の給電サービス(給電システム、給電方法)においては、共振周波数の一致、不一致によって給電の可否が決定するため、共振周波数はいわゆる鍵として機能し、あらかじめ給電契約を結んだ送電装置及び受電装置に特定の共振周波数を有する共鳴用コイルを搭載することで、契約対象者間のみで安全な給電サービスを享受することができる。よって、給電提供者が、給電効率を高めるために送電装置を大型化し、道路や、広場など不特定多数の受電装置(給電利用者)が通過、又は集う場所に設けたとしても、共振周波数によって識別することで特定の受電装置(給電利用者)のみに給電サービスを行うことができる。
一方、共振周波数Aの受電側共鳴用コイル211を有する受電装置200は、送電装置100が有する送電側共鳴用コイル111_1〜111_mが設定可能な共振周波数Aと一致するために、受電装置200と送電装置100とは給電が可能である。
送電装置100の送電部110_1〜110_mに備えられた送電側共鳴用コイル111_1〜111_mを、受電装置200に備えられた受電側共鳴用コイル211の共振周波数Aと同じ共振周波数A(第1の共鳴周波数)に設定することで送電を開始し、一方受電側共鳴用コイル211の共振周波数Aと異なる共振周波数A’に設定することで送電を停止する。
本実施の形態で示すような複数の送電部110_1〜110_mを有する送電装置100は、広領域な送電領域を提供できるため、同時に複数の受電装置、また、小型から大型まで様々な大きさ及び形状の受電装置に対応できる。よって、給電利用側の受電装置にとっては利便性がよく、給電提供側の送電装置100にとっては、より短時間により多くの給電利用者(受電装置)に給電サービスが行える、高い電力供給能力が得られるという利点がある。
また、上述のように共振方式を用いた給電は、電磁結合方式と異なり、送電側共鳴用コイル111_1〜111_m及び受電側共鳴用コイル211の共振周波数が一致した状態においてのみ給電が行われるため、給電時における電力損失を低減することができる。
しかし、本実施の形態で示すような複数の送電部110_1〜110_mを有する送電装置100においては、送電部110_1〜110_mそれぞれに設けられた送電側共鳴用コイル111_1〜111_mが近接して配置される構成となり、同じ共振周波数Aを有する複数の送電側共鳴用コイル111_1〜111_m同士にも磁気共鳴現象が起こり、複数の送電側共鳴用コイル111_1〜111_m間で電力の送受が生じてしまう。このような送電部110_1〜110_m間での電力の送受が生じると、受電装置200へ送電されるべき電力に損失が生じるため、送電装置100から受電装置200への送電効率が低下する。
従って、本実施の形態における給電システム及び給電方法は、送電装置100において、受電側共鳴用コイル211に最も近接し、送電効率が高い送電側共鳴用コイル111_2のみ、受電側共鳴用コイル211の共振周波数Aと同じ共振周波数Aに設定し、それ以外の送電側共鳴用コイル111_1、111_3〜111_mは受電側共鳴用コイル211の共振周波数Aと異なる共振周波数A’に設定する。
受電側共鳴用コイル211の共振周波数と同じ共振周波数Aに設定された送電側共鳴用コイル111_2を有する送電部110_2のみ、受電装置200への送電が継続し、それ以外の受電側共鳴用コイル211の共振周波数と異なる共振周波数A’に設定された送電側共鳴用コイル111_1、111_3〜111_mを有する送電部110では受電装置200への送電が停止する。
よって、送電装置100において、送電を行う送電側共鳴用コイル111_2の共振周波数Aは、近接する周りに配置された送電側共鳴用コイル111_1、111_3〜111_mの共振周波数A’と異なるため、送電側共鳴用コイル111_1〜111_m間で磁気共鳴現象による電力の送受は生じない。従って、送電装置100から受電装置200へは高い送電効率で給電を行うことができる。
受電側共鳴用コイル211と同じ共鳴周波数Aから異なる共鳴周波数A’への設定の切り替えは、各送電部110において、受電側共鳴用コイル211へ送電されず送電側共鳴用コイル111_1〜111_mから反射される反射電力320を検知し、あらかじめ設定した基準電力値によって判別することで制御することができる。
また、給電の利用形態によっては、給電時に受電装置200を移動させながら給電を行う、例えば、受電装置200が携帯用受電装置、もしくは自動車等の移動手段である場合等、給電開始時、給電中、給電終了時において、送電装置100と受電装置200の位置関係が変更する場合がある。この場合、送電側共鳴用コイル111_2を有する送電部110_2の送電効率が、時間の経過とともに変化する。
よって、一度送電側共鳴用コイル111_1、111_3〜111_mを、受電側共鳴用コイル211と異なる共鳴周波数A’に設定した後も、一定時間ごとに送電側共鳴用コイル111_1、111_3〜111_mを受電側共鳴用コイル211と同じ共鳴周波数Aに再度設定し、現時点における反射電力320を検知、判別することで共鳴周波数A又は共鳴周波数A’と設定するかを制御し、送電可否を決定する。
次に図5のフローチャートを用いて、給電システムを用いた給電方法を説明する。
図5では、送電装置100の複数の送電部110_1〜110_mのうちの一である送電部110及び受電装置200の間で給電を行う、給電システム及び給電方法の例である。
まず、受電装置200へ送電を可能とするため、送電部110において、スイッチ116をオンにする(S1)。スイッチ116をオン状態とすることで、送電側共鳴用コイル111の共振周波数を、共振周波数Aに設定する(S2)。
送電用コイル112は電源部130より電力300供給を受け、該電力300を電磁誘導により電磁気的に結合している送電側共鳴用コイル111に送電する(S3)。受電側共鳴用コイル211の共振周波数が共振周波数Aであり、送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル211の共振周波数が一致している場合(図4と同様に、受電装置200において受電部210に備えられた受電側共鳴用コイル211は共鳴周波数Aとする場合)、送電側共鳴用コイル111は受電した電力300を受電装置200へ送電する(S4)。
受電装置200において、受電部210の受電側共鳴用コイル211は送電された電力300を受電し、該電力300を電磁誘導により電磁気的に結合している受電用コイル212へ送電する(J1)。
受電用コイル212は受電した電力300を負荷部220へ送電し(J2)、負荷部220は電力300を受電する(J3)。よって、送電装置100の送電部110及び受電装置200間において給電を行うことができる。
例えば、受電側共鳴用コイルの共振周波数が共振周波数Cであり、送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイルの共振周波数が不一致の場合、送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル間で磁気共鳴結合が生じないために、送電側共鳴用コイル111は受電側共鳴用コイルへ送電せず、送電用コイル112から受電した電力300を、再び送電用コイル112へ反射電力320として反射する。
また、受電側共鳴用コイル211の共振周波数が共振周波数Aであり、送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル211の共振周波数が一致の場合であっても、送電側共鳴用コイル111及び受電側共鳴用コイル211間の距離が近接していない場合は、送電効率が低下するため、送電側共鳴用コイル111は、電力300の一部の電力310のみ送電し、その他は、再び送電用コイル112へ反射電力320として反射する。
電源部130と送電用コイル112との間に設けられる方向性結合器113は、電源部130から供給される送電用電力と反射電力320とを分離し(S5)、反射電力320を検波器114へ送電する。
検波器114は、電力の値の大きさを判別する回路であり、反射電力320の値の大きさを、あらかじめ定めた電力値である基準電力の値により判別する(S6)。例えば、反射電力320の値として、基準電力の値より小さい電力が入力された場合を”0”(Low)、大きい電力が入力された場合を”1”(High)と出力する。なお、検波器114は、電圧、電流、又は電圧及び電流を判別することで電力の値を判別することができる。
反射電力320は、送電側共鳴用コイル111より受電側共鳴用コイル211へ送電されなかった電力であるため、反射電力320が小さいほど、送電部110から受電装置200への送電効率は高く、逆に反射電力320が大きいほど該送電効率は低いと判断できる。
よって、検波器114より”0”(Low)と出力され、反射電力320の値が基準電力の値より小さい、反射電力320<基準電力の場合、送電効率が高い状態であるため、送電継続を決定する(図5においてはS3へ戻る)。よって、スイッチ116はオン状態のままとし、送電側共鳴用コイル111においては共振周波数Aの設定を維持する。
逆に、検波器114より”1”(High)と出力され、反射電力320の値が基準電力の値より大きい、反射電力320>基準電力の場合、送電効率が低い状態であるため、送電中止を決定する。よって、スイッチ116をオフし(S7)、送電側共鳴用コイル111の共振周波数を、共振周波数Aから切り替え、共振周波数A’と設定し(S8)、送電を停止する。
送電停止した送電部110は、一定時間経過後、再びスイッチ116をオン状態とし(S1)、反射電力320により送電状況を判断して、送電可否を決定する。
このように、受電装置200と送電装置100との位置関係の時間的変化を考慮して、受電装置200へ送電装置100から、より高い送電効率(電力供給効率)で送電(電力供給)を行うことが可能となる。
以上が本実施の形態で示す給電方法である。
以上、本実施の形態に示すように、送電側共鳴用コイルを有する送電部が複数設けられた送電装置を用いることで、送電領域(供給可能領域)を拡大し、かつ電力を高い送電効率(電力供給効率)で供給することが可能な、共鳴方式による給電システム及び給電方法を提供することができる。
また、給電提供者(送電装置)に、より短時間により多くの給電利用者(受電装置)に給電サービスが行える、高い電力供給能力を付与することが可能な給電システム、給電方法を提供することができる。
また、給電利用者(受電装置)にとって、移動中の受電など利用可能形態が拡大し、受電時間の短縮など利用効率も向上するため、利便性が高い給電システム、及び給電方法を提供することができる。
また、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)の特定や管理を行うことができ、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)間で、多様、かつ安全な給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
また、給電利用者及び給電提供者双方において効率のよい給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した給電システム及び給電方法において、受電装置を電気自動車等の電気推進移動体に内蔵させた場合の一形態について、図6を用いて説明する。
なお、受電装置は電気自動車等の電気推進移動体の他に、例えば、携帯型の電子機器である、デジタルビデオカメラ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)再生装置)等に内蔵することもできる。受電装置が内蔵された電子機器は、利用者が保持して給電可能領域に配置することによって、給電することができる。
本実施の形態の給電システム及び給電方法は、電力をもって駆動させる物品であればどのようなものにでも設けて使用することができる。
図6は、電気推進移動体である電気自動車150を、実施の形態1で示した給電システム及給電方法で給電する一例である。
なお、図6(A)は給電時の様子を上面から見た図であり、図6(B)は図6(A)のA1―A2における側面から見た図である。
図6に示す給電システムは、マトリクス的に配列された複数の送電部610_11乃至送電部610_nmと、電源部630と、を有する送電装置600、受電装置700を有する電気自動車150で構成されており、受電装置700’を有する電気自動車150’は電気自動車150の移動後の様子を示しているなお、送電装置600は地面に設けられている例を示す。
送電装置600は、複数の送電部610_11乃至送電部610_nmを有し、各送電部610_11乃至送電部610_nmには電気的に切り替えることで共振周波数D、又は共振周波数D’に設定可能な送電側共鳴用コイルが備えられている。
送電装置600の複数の送電部610_11乃至送電部610_nmが構成する送電領域には、共振周波数Dの受電側共鳴用コイルを有する受電装置700を搭載した電気自動車150が配置されている。本実施の形態では、電気自動車150の利用者と、送電装置600の提供者は契約関係にあり、電気自動車150はあらかじめ送電装置600と給電可能なように、送電装置600に備えられた送電側共鳴用コイルの共振周波数Dと同じ共振周波数Dの受電側共鳴用コイルを有する受電装置700が搭載されているケースを示すこととする。
単数複数関わらず、コイルに付与される共振周波数Dの値は、送電側共鳴用コイル及び受電側共鳴用コイルの作製時に、形状、材料、容量などの回路構成により決定するコイル固有のものである。よって、共振周波数Dは識別情報として機能し、該識別情報をもとに送電装置600及び受電装置700、ひいては給電提供者及び給電利用者の識別や管理を行うことができる。共振周波数Dはコイル作製時に物理的に作り込むことで決定する要素なので、電気信号による情報識別と比較して改ざんしづらく、安全性が高い。
あらかじめ給電契約を結んだ送電装置600及び受電装置700に特定の共振周波数Dを有する共鳴用コイルを搭載することで、契約対象者間のみで安全な給電サービスを享受することができる。よって、送電装置600のように送電装置を大型化し、不特定多数の受電装置(給電利用者)が通過、停車する道路や駐車場など設けたとしても、共振周波数によって識別することで特定の受電装置700を搭載した電気自動車150のみに給電サービスを行うことができる。
また、本実施の形態で示すような複数の送電部610_11乃至送電部610_nmを有する大型な送電装置600は、広領域な送電領域を提供できるため、同時に複数の受電装置を搭載した電気推進移動体及び電子機器、また、小型から大型まで様々な大きさ及び形状の受電装置を搭載した電気推進移動体及び電子機器に対応できる。よって、給電利用側の給電利用者(受電装置を搭載した電気推進移動体及び電子機器)にとっては利便性がよく、給電提供側の給電提供者(送電装置600)にとっては、より短時間により多くの給電利用者(受電装置を搭載した電気推進移動体及び電子機器)に給電サービスが行える、高い電力供給能力が得られるという利点がある。
まず、送電装置600及び受電装置700を搭載した電気自動車150間で給電を行う。
送電装置600及び受電装置700を搭載した電気自動車150間における給電サービス(給電システム及び給電方法)においては、送電装置600の送電部610_11乃至送電部610_nmに備えられた送電側共鳴用コイルを、受電装置700に備えられた受電側共鳴用コイルの共振周波数Dと同じ共振周波数Dに設定することで送電を開始し、受電側共鳴用コイルの共振周波数Dと異なる共振周波数D’に設定することで送電を停止することができる。
本実施の形態における給電システム及び給電方法は、送電装置600において、受電装置700に備えられた受電側共鳴用コイルに最も近接し、送電効率が高い送電部610_22の送電側共鳴用コイルのみ、受電装置700に備えられた受電側共鳴用コイルの共振周波数Dと同じ共振周波数Dに設定し、送電部610_22以外の送電側共鳴用コイルは受電側共鳴用コイルの共振周波数Dと異なる共振周波数D’に設定する。
送電部610_11乃至送電部610_nmのうち、受電装置700に備えられた受電側共鳴用コイルの共振周波数と同じ共振周波数Dに設定された送電側共鳴用コイルを有する送電部610_22のみ、受電装置700への送電が継続し、受電側共鳴用コイルの共振周波数と異なる共振周波数D’に設定された送電側共鳴用コイルを有する送電部では受電装置700への送電が停止する。
よって、送電装置600において、送電を行う送電部610_22の送電側共鳴用コイルの共振周波数Dは、近接する周りに配置された送電部に備えられた送電側共鳴用コイルの共振周波数D’と異なるため、送電部610_22の送電側共鳴用コイルと、隣接する送電側共鳴用コイル間で磁気共鳴現象による電力の送受は生じない。従って、送電装置600から受電装置700へは高い送電効率で給電を行うことができる。
受電側共鳴用コイルと同じ共鳴周波数Dから異なる共鳴周波数D’への設定の切り替えは、各送電部610_11乃至送電部610_nmにおいて、受電装置700に備えられた受電側共鳴用コイルへ送電されず送電側共鳴用コイルから反射される反射電力を検知し、あらかじめ設定した基準電力値によって判別することで制御することができる。
次に、電気自動車150が移動しながら給電を行う例を示す。電気自動車150は、図中電気自動車150’へ移動するものとする。電気自動車150が電気自動車150’へ移動すると、送電装置600と受電装置700の位置関係が変更する。この場合、送電側共鳴用コイルを有する送電部610_22の送電効率が、時間の経過とともに変化する。
本実施の形態の送電装置600においては、送電中、送電停止中のすべての送電部610_11乃至送電部610_nmにおいて、少なくとも一定の間隔で、反射電力を検知することで送電効率を確認し、各送電部610_11乃至送電部610_nmの送電状況を監視している。
電気自動車150が電気自動車150’へ移動するにつれて、受電装置700が送電部610_22より遠ざかるため、送電部610_22の送電効率が低下する。送電部610_22において、送電効率が一定の基準を下回ると、送電側共鳴用コイルの共振周波数が共振周波数D’に切り替わり、受電装置700へ送電を停止する。
一方、電気自動車150が電気自動車150’へ移動するにつれて、送電部610_11乃至送電部610_nmのうち、受電装置700が近づき、通過する送電部は送電を開始、継続し、通過後停止する。結果、電気自動車150’へ移動したときは、受電装置700’に最も近接する送電部610_(n−1)(m−1)に備えられた送電側共鳴用コイルの共振周波数が共振周波数Dと設定され、送電部610_(n−1)(m−1)が受電装置700’へ優先的に送電を行う。この場合、送電部610_(n−1)(m−1)に隣接する送電部は受電装置700’への送電を停止する。
このように、本実施の形態に示すように、受電装置700から移動して受電装置700’となる受電装置と、送電装置600との位置関係の時間的変化を考慮して、受電装置700及び受電装置700’へ送電装置600から、常により高い送電効率(電力供給効率)で送電(電力供給)を行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、送電装置の送電部に図2(C)に示した送電部を用いることで、給電を必要としない送電部からの電力の供給を停止することができ、消費電力を低減することが可能である。
なお、図6には、地面に送電装置600が設けられている例を示したが、側面(壁)や上面(天井)に設けてもよい。
以上、本実施の形態に示すように、送電側共鳴用コイルを有する送電部が複数設けられた送電装置を用いることで、送電領域(供給可能領域)を拡大し、かつ電力を高い送電効率(電力供給効率)で供給することが可能な、共鳴方式による給電システム及び給電方法を提供することができる。
また、給電提供者(送電装置)に、より短時間により多くの給電利用者(受電装置)に給電サービスが行える、高い電力供給能力を付与することが可能な給電システム、給電方法を提供することができる。
また、給電利用者(受電装置)にとって、移動中の受電など利用可能形態が拡大し、受電時間の短縮など利用効率も向上するため、利便性が高い給電システム、及び給電方法を提供することができる。
また、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)の特定や管理を行うことができ、給電提供者(送電装置)及び給電利用者(受電装置)間で、多様、かつ安全な給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
また、給電利用者及び給電提供者双方において効率のよい給電サービスを可能とする給電システム、及び給電方法を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。

Claims (5)

  1. 複数の隣接する送電部、及び前記送電部と電気的に接続する電源部を含む送電装置と、
    受電部、及び前記受電部と電気的に接続する負荷部を含む受電装置とを有し、
    前記送電装置において、前記複数の隣接する送電部はそれぞれ、
    前記電源部から電力供給される送電用コイルと、
    前記送電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合している送電側共鳴用コイルと、
    前記送電側共鳴用コイルから反射される反射電力を検波器へ入力する方向結合器と、
    前記反射電力の値を基準電力の値により判定する検波器と、
    前記検波器の出力が入力されるスイッチとを含み、
    前記受電装置において、前記受電部は、
    前記負荷部に電力を供給する受電用コイルと、
    前記受電用コイルと非接触で配置され、電磁誘導により電磁気的に結合する受電側共鳴用コイルとを含み、
    前記送電側共鳴用コイルの共振周波数は、前記スイッチのオンオフにより第1の共振周波数又は第2の共振周波数に設定が切り替わり、
    前記受電側共鳴用コイルの共振周波数は、前記第1の共振周波数及び前記第2の共振周波数のいずれかであることを特徴とする給電システム。
  2. 請求項1において
    前記送電部は、前記送電側共鳴用コイル及び前記スイッチと電気的に接続する送電側共振周波数調整用キャパシタを含み、
    前記受電部は、前記受電側共鳴用コイルと電気的に接続する受電側共振周波数調整用キャパシタを含むことを特徴とする給電システム。
  3. 複数の送電部において送電側共鳴用コイルを第1の共振周波数に設定する第1のステップと、
    送電用コイルにおいて電源部より供給された電力を前記送電側共鳴用コイルに送電する第2のステップと、
    前記送電側共鳴用コイルにおいて受電装置へ送電する第3のステップと、
    前記第3のステップにおいて前記送電側共鳴用コイルによって反射された反射電力を、方向性結合器を介して検波器へ入力する第4のステップと、
    前記検波器において前記反射電力を基準電力によって判別する第5のステップとを有し、
    前記第5のステップにおいて前記反射電力が前記基準電力より小さいと判別された第1の送電部は前記受電装置への送電を継続し、前記第3のステップ乃至前記第5のステップを繰り返し、
    前記第5のステップにおいて前記反射電力が前記基準電力より大きいと判別された第2の送電部は、前記送電側共鳴用コイルを第2の共振周波数に設定して前記受電装置への送電を停止することを特徴とする給電方法。
  4. 請求項3において、
    前記送電側共鳴用コイルを第2の共振周波数に設定して前記受電装置への送電を停止した前記第2の送電部は、一定時間経過後、前記第1のステップ乃至前記第5のステップを繰り返すことを特徴とする給電方法。
  5. 請求項3又は請求項4において、前記第1の共振周波数又は前記第2の共振周波数の設定は、前記検波器から入力される信号によってオンオフされるスイッチによって制御することを特徴とする給電方法。
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