JP2013241481A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2013241481A
JP2013241481A JP2012113625A JP2012113625A JP2013241481A JP 2013241481 A JP2013241481 A JP 2013241481A JP 2012113625 A JP2012113625 A JP 2012113625A JP 2012113625 A JP2012113625 A JP 2012113625A JP 2013241481 A JP2013241481 A JP 2013241481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon black
rubber composition
mass
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012113625A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5977078B2 (ja
Inventor
Ryota Kitago
亮太 北郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012113625A priority Critical patent/JP5977078B2/ja
Publication of JP2013241481A publication Critical patent/JP2013241481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5977078B2 publication Critical patent/JP5977078B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】良好な加工性を得ながら、低燃費性及び耐摩耗性を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、自動車に対する低燃費性の要請が高まり、タイヤのゴム物性がその性能に重要な影響を及ぼすことが知られているため、低燃費性に優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することが望まれている。タイヤ用ゴム組成物の充填剤として、補強性や耐摩耗性の点でカーボンブラックが従来から汎用されているが、一般に、低燃費タイヤとするためには、ゴム組成物のヒステリシスロスを低下させることが有効である。
そのため、カーボンブラック配合で低燃費化を図る場合、カーボンブラックの粒子径を大きくする、カーボンブラック量を少なくするといった方法が考えられるが、補強性や耐摩耗性などの性能の低下が避けられない。一方、充填剤としてシリカを用いて低燃費化を図ることも知られているが、カーボンブラックに比べて耐摩耗性などが劣り、充分な性能を得ることが困難である。
また特許文献1には、ジアミン化合物の添加によりカーボンブラックの分散性を向上し、低発熱性を改善する技術が提案されている。しかしながら、良好な耐摩耗性を維持しつつ、低燃費性を改善する点については未だ改善の余地がある。更にスコーチタイムが短く、加工性に劣るという問題もある。
特許第2912845号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な加工性を得ながら、低燃費性及び耐摩耗性を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記両性化合物は、下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013241481
(式(I)中、Rは、炭素数2〜30のアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表す。Aは、酸性官能基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、又は炭素数1〜20のアルコキシシリル基を表す。式(I)で表される化合物は、該化合物の金属塩でもよい。)
前記両性化合物は、下記式(I−1)及び/又は(I−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013241481
(式(I−1)中、pは2〜8の整数を表す。式(I−2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。)
前記式(I−2)中のMr+で表される金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンであることが好ましい。
前記表面処理カーボンブラックは、親水性表面官能基を有するカーボンブラックとアミノ基含有化合物との縮合で得られたアミド結合を有する表面修飾基が形成されたものであることが好ましい。
前記親水性表面官能基は、カルボキシル基であることが好ましい。
前記表面修飾基は、−CO−NR1112で示される基であることが好ましい。
(式中、R11及びR12は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である。なお、R11とR12が環状構造を形成するものでも、R11とR12とN原子が環状構造を形成するものでも、R11とR12のいずれか一方が複素芳香族系構造を形成するものでもよい。)
前記表面処理カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部であることが好ましく、前記両性化合物の含有量は、前記表面処理カーボンブラック100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、良好な加工性を得ながら、低燃費性及び耐摩耗性を改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを含有する。
天然ゴムやジエン系合成ゴムに、酸性官能基及び塩基性官能基を有する両性化合物とアミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを配合することにより、該両性化合物の酸性官能基がゴム成分に反応するとともに、塩基性官能基と表面処理カーボンブラックの表面に形成されたアミド結合の反応性も向上する。そのため、カーボンブラックの分散性が向上し、また、カーボンブラックの拘束により余分な発熱も抑制できる。従って、良好な加工性を得ながら、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善でき、これらの性能バランスを相乗的に改善できる。
本発明では、ゴム成分として、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)が使用される。なかでも、低燃費性、機械的強度の点からは、NRが好ましく、耐摩耗性の点からは、BRが好ましい。また、低燃費性と耐摩耗性のバランスを効率的に改善できる点から、NRとBRの併用が好ましい。ゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。20質量%未満であると、充分なゴム強度、低燃費性が得られない傾向がある。NRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよいが、NRと共に他のゴム成分を使用する場合には、70質量%以下が好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR150Bなどの高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617などの1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むBRなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、耐摩耗性の向上効果が高いという理由から、シス含有量が95%以上のBRが好ましい。なお、シス含有量は、赤外吸収スペクトル分析法により測定できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%を超えると、充分な加工性が得られない傾向がある。
ゴム成分100質量%中のNR及びBRの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。NRとBRを多量に含むゴム成分に表面処理カーボンブラック及び両性化合物を配合することで、加工性、低燃費性及び耐摩耗性をバランスよく改善できる。
本発明では、酸性官能基と塩基性官能基とを有する両性化合物が使用される。酸性官能基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、チオスルホン酸基(−SSOH)、ジチオカルボン酸基(−CSSH)、炭素数1〜20のアルキル基を有するチオアルキルカルボン酸基(−SRCOOH:Rは直鎖状又は分岐状のアルキル基)、フェノール性水酸基などが挙げられ、なかでも、チオスルホン酸基が好ましい。塩基性官能基としては、第1級、第2級、第3級アミノ基などが挙げられる。両性化合物は、該化合物の金属塩でもよい。なお、両性化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記両性化合物として、下記式(I)で表される化合物を好適に使用できる。
Figure 2013241481
(式(I)中、Rは、炭素数2〜30のアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表す。Aは、酸性官能基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、又は炭素数1〜20のアルコキシシリル基を表す。式(I)で表される化合物は、該化合物の金属塩でもよい。)
式(I)の窒素を含む塩基性官能基部分は、表面処理カーボンブラックの表面に存在するアミド基などの官能基と反応して表面処理カーボンブラックと結合し、酸性官能基部分は、ポリマーの二重結合と反応する。そのため、カーボンブラックの分散性が向上し、かつその分散状態を維持できる。また、反応によりカーボンブラックが拘束されているため、発熱性を抑えることも可能となる。よって、前述の性能をバランス良く改善できる。
のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜12である。Rは直鎖状、分岐状のいずれでも良く、アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基など、アルケニレン基の具体例としては、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など、アルキニレン基の具体例としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基などが挙げられる。Rとしては、アルキレン基が好ましい。
Aの酸性官能基としては、前述と同様のものが挙げられる。R及びRの炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基など、アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基などが挙げられ、炭素数1〜20のアルコキシシリル基としては、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基などが挙げられる。R及びRとしては、水素原子が好ましい。
本発明では、両性化合物として、下記式(I−1)で表される化合物及び/又は下記式(I−2)で表される化合物を使用することが好ましい。
Figure 2013241481
(式(I−1)中、pは2〜8の整数を表す。式(I−2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。)
上記式(I−2)で表される化合物は任意の公知の方法により製造できる。例えば、ハロアルキルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩及びジハロアルカンを反応させて得られた化合物と、チオ硫酸ナトリウムとを反応させ、得られた化合物を加水分解する方法などが挙げられる。
具体的には、qが6の化合物の場合、6−ハロヘキシルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩及び1,6−ジハロヘキサンを反応させて得られた化合物と、チオ硫酸ナトリウムとを反応させ、得られた化合物を加水分解する方法などが挙げられる。
また、qが3の化合物の場合、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩及び1,3―ジハロプロパンを反応させて得られた化合物と、チオ硫酸ナトリウムとを反応させ、得られた化合物を加水分解する方法などが挙げられる。
上記式(I−1)で表される化合物は、例えば、上記式(I−2)で表される化合物とプロトン酸とを反応させることにより製造できる。
本発明では、式(I−1)及び/又は(I−2)で表される化合物の混合物も使用できる。該混合物は、式(I−1)で表される化合物と式(I−2)で表される化合物とを混合する方法、上記Mで示される金属を含有する水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩などを用いて式(I−1)で表される化合物の一部を金属塩化する方法、プロトン酸を用いて式(I−2)で表される化合物の一部を中和する方法により製造できる。このようにして製造した式(I−1)、(I−2)で表される化合物は、濃縮、晶析などの操作により、反応混合物から取り出すことができ、取り出された式(I−1)、(I−2)で表される化合物は、通常0.1〜5%程度の水分を含む。また、本発明では、式(I−1)で表される化合物のみ、又は式(I−2)で表される化合物のみを用いることもできる。更に、複数種の式(I−1)で表される化合物、式(I−2)で表される化合物を併用することもできる。
式(I−1)中、pは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。式(I−2)中、qは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。
r+で示される金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン及び亜鉛イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。rは金属イオンの価数を表し、当該金属において可能な範囲であれば、限定されない。通常rは、金属イオンがアルカリ金属イオンの場合は1、コバルトイオンの場合は2又は3、銅イオンの場合は1〜3の整数、亜鉛イオンの場合は2である。上記製法によれば、通常、式(I−1)で表される化合物のナトリウム塩が得られるが、カチオン交換反応を行うことで他の金属塩に変換できる。
上記式(I−1)、(I−2)で表される化合物のメディアン径は、好ましくは0.05〜100μmの範囲であり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。メディアン径は、レーザー回折法にて測定できる。
上記式(I−1)、(I−2)で表される化合物は、予め担持剤と混合してから使用してもよい。担持剤としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」第510〜513頁に記載されている「無機充てん剤、補強剤」が挙げられ、なかでも、カーボンブラック、シリカ、焼成クレー、水酸化アルミニウムが好ましい。担持剤の使用量は、特に限定されないが、上記式(I−1)及び/又は(I−2)で表される化合物の合計量100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲が好ましい。
本発明のゴム組成物において、上記両性化合物の含有量は、表面処理カーボンブラック100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。含有量が範囲外であると、耐摩耗性、低燃費性、加工性をバランスよく改善できないおそれがある。
本発明では、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックが使用され、例えば、親水性表面官能基を有するカーボンブラックとアミノ基含有化合物との縮合で得られたアミド結合を有する表面修飾基が形成されたものが挙げられる。このような表面処理カーボンブラックは、例えば、カーボンブラック表面に酸化処理を施して親水性表面官能基を生成させる工程1、及び縮合剤存在下において該工程1で得られた酸化処理カーボンブラックの親水性表面官能基とアミノ基含有化合物のアミノ基とを脱水縮合させ、アミド結合を生成させる工程2を経ることにより得られる。
工程1で酸化処理が施されるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、N351Hなどが挙げられる。なかでも、耐摩耗性を向上する点から、HAF、ISAF、SAF、N351Hが好ましい。
酸化処理が施されるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、また、110m/g以下が好ましく、90m/g以下がより好ましい。このようなNSAのカーボンブラックから作製した酸化処理カーボンブラックを用いることで、加工性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善できる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
酸化処理が施されるカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましく、また、200ml/100g以下が好ましく、180ml/100g以下がより好ましい。このようなDBPのカーボンブラックから作製した酸化処理カーボンブラックを用いることで、加工性、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善できる。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
工程1の酸化処理としては特に限定されず、従来公知の気相酸化処理、湿式酸化処理などの方法を採用できる。気相酸化処理としては、特開昭57−159856号公報に記載されているカーボンブラックを低温酸素プラズマで酸化処理する方法、オゾン、空気などのガス雰囲気に晒して酸化処理する方法、湿式酸化処理としては、特開昭48−18186号公報に記載されているカーボンブラックを次亜ハロゲン酸塩の水溶液で酸化処理する方法など、が挙げられる。乾燥コストや操作が容易である点では、オゾン酸化が好適である。
工程1で生成する親水性表面官能基としては、カルボキシル基、水酸基(ヒドロキシル基)などを挙げることができ、このうち、カルボキシル基は、アミノ基と脱水縮合反応してアミド結合を生成する反応性基として機能し、縮合剤の反応選択性から好ましい。
これらの親水性表面官能基は、その一部または全部がカウンターイオンにより中和されていてもよい。カウンターイオンとしては、アルカリ金属のカチオン化物や、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエチレングリコールアミン、フェネチルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、ベンジルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ビスメトキシエチルアミン、第4級アミンなどの有機アミン類、塩基性アミノ酸、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体のカチオン化物が挙げられる。なお、親水性表面官能基量は、酸化条件を適宜に制御することで調整でき、例えば、オゾン酸化を実施する場合、オゾン濃度、処理時間、圧力、温度などの酸化条件を制御して調整できる。
工程2は、例えば、工程1で得られた親水性表面官能基を生成した酸化処理カーボンブラックを水性媒体に分散させた水性媒体分散液に、アミノ基含有化合物と縮合剤を添加して常温で攪拌し、酸化処理カーボンブラック表面の親水性表面官能基とアミノ基含有化合物のアミノ基とを脱水縮合させ、アミド結合を生成することにより実施できる。
アミノ基含有化合物としては、親水性を有するものを挙げることができる。アミノ基の個数は特に限定されないが、分子内にアミノ基を1〜4個有する化合物が好ましい。
アミノ基含有化合物の分子量は、30〜10000が好ましく、50〜5000がより好ましく、60〜2000が更に好ましい。上記範囲内にあると、親水性を維持して、カーボンブラック表面への化学修飾を水性媒体中で行うことが可能となる。また、アミノ基含有化合物由来の立体障害、副反応が少なくなり、カーボンブラック表面にアミノ基含有化合物が結合する際に、均一で収率良く結合が形成され易くなる。
アミノ基含有化合物は、pH6.2〜7.6の水に対する20℃における溶解度が1g/L以上であるものが好ましく、5g/L以上であるものがより好ましく、10g/L以上であるものが更に好ましい。これにより、カーボンブラック表面への化学修飾を水性媒体中で行うことが可能となる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、下記式で示されるモノアミン化合物を挙げることができる。
11−NH−R12
(式中、R11及びR12は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である。なお、R11とR12が環状構造を形成するものでも、R11とR12とN原子が環状構造を形成するものでも、R11とR12のいずれか一方が複素芳香族系構造を形成するものでもよい。)
モノアミン化合物の具体例としては、モノエタノールアミン、プロピルアミン、2,2’−イミノジエタノール、ビス(2−メトキシエチル)アミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)イソプロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−n−プロピルアミン、N−(2−メトキシエチル)メチルアミン、3−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、N−ベンジルエタノールアミン、N,N−ジメチル−n−プロパノールアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、p−アニシジン(p−メトキシアニリン)等を挙げることができる。
また、アミノ基含有化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イミダゾール、ピペラジン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパン等のジアミン化合物;3−アミノ−5−ターシャルブチル−4−シアノピラゾール、3−アミノ−5−イソプロピル−4−(1−ピラゾリル)−1H−ピラゾール等のトリアミン化合物;アデニン等も挙げられる。
縮合剤としては、トリアジン系縮合剤、カルボジイミド系縮合剤などが挙げられるが、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール中で反応収率が良好である点から、トリアジン系縮合剤が好ましく、特にトリアジン系縮合剤DMT−MMが好ましい。カルボジイミド系縮合剤としては、カルボジイミド系の水溶性縮合剤EDC(WSC)などが挙げられる。
工程1〜2を行うことで、カーボンブラックの表面に、−CO−NR1112などで示される表面修飾基(R11、R12は前記と同様)が生成する。これにより、例えば、−CO−NR1112で示される基と、−COOで示される基(式中、Mはカウンターイオンである。)と、水酸基とを有する表面処理カーボンブラックなどが調製される。−CO−NR1112で示される基としては、上記モノアミン化合物のアミノ基がカーボンブラック表面のカルボキシル基と脱水縮合して形成されたアミド結合を有する表面修飾基が挙げられる。Mとしては、アルカリ金属のカチオン化物や、アンモニア、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエチレングリコールアミン、フェネチルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、ベンジルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ビスメトキシエチルアミン、第4級アミンなどの有機アミン類、塩基性アミノ酸、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体のカチオン化物が挙げられる。なお、水酸基(−OH)は縮合反応を受けず、−OHの形態で存在する。ここで、表面処理カーボンブラックは、前記−CO−NRで示される表面修飾基をカーボンブラックの単位質量に対するモル数で150〜1200μmol/g有することが好ましく、また、前記水酸基をカーボンブラックの単位質量に対するモル数で20〜150μmol/g有することが好ましい。
上記表面処理カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは35質量部以上である。10質量部未満であると、十分な補強性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは95質量部以下である。100質量部を超えると、加工性が低下し、低燃費性、耐摩耗性の性能バランスが低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレーなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、オイルなどの軟化剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、加工性に劣り、低燃費性、耐摩耗性が低下する傾向がある。該オイルの含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。15質量部を超えると、耐摩耗性、ウェットグリップ性能が悪化するおそれがある。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤が挙げられる。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)などが挙げられる。なかでも、TBBSが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上であり、また、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。上記範囲内に調整することで、低燃費性、耐摩耗性の性能バランスに優れたゴムを調製できる。
本発明のゴム組成物は、トレッド、キャップトレッド、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックスなどに好適に使用できる。特に、低燃費性だけでなく、耐摩耗性にも優れるという点から、トレッド、キャップトレッド、クリンチエイペックスに適用することが望ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩:関東化学(株)製
チオ硫酸ナトリウム・五水和物:関東化学(株)製
フタルイミドカリウム:関東化学(株)製
ジメチルホルムアミド:関東化学(株)製
1,6−ジブロモヘキサン:関東化学(株)製
ヒドラジン・一水和物:関東化学(株)製
次亜塩素酸ナトリウム:米山薬品社製アンチホルミン(有効塩素濃度約10%)
ポリエーテル変性シラン:デグサ(株)製のDYNASILAN−4140
イソプロパノール:試薬
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト3(NSA:79m/g、DBP:101ml/100g)
2,2’−イミノジエタノール:試薬
エタノールアミン:試薬
ベンジルアミン:試薬
DMT−MM:試薬
アンモニア水:試薬
炭酸水素ナトリウム水溶液:試薬
2,2′−Diphenyl−1−picrylhydrazyl(DPPH):試薬
四塩化炭素:試薬
(製造例1 S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(両性化合物A))
窒素ガスで置換した反応容器に3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩75g、チオ硫酸ナトリウム・五水和物85.26g、メタノール375ml、水375mlを加え、これらの混合物を70℃、5時間還流した。放冷した後、減圧下でメタノールを除去した。残渣に水酸化ナトリウム13.68gを加え、室温で1時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣にエタノール600mlを加えて1.5時間還流した。熱ろ過を行い、ろ液を減圧下で濃縮し結晶を得た。結晶をろ過により取り出し、エタノールで洗浄し、更にヘキサンでの洗浄を行った。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムを得た。
窒素ガスで置換した反応容器にS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム52g、水90ml、5mol/l塩酸を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮し、ろ過により結晶を取り出した。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸を得た。
Figure 2013241481
(製造例2 S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸(両性化合物B))
反応容器に、フタルイミドカリウム99.2g及びジメチルホルムアミド480mlを加えた。この混合物に1,6−ジブロモヘキサン200gとジメチルホルムアミド200mlとの混合物を室温で滴下した。滴下終了後、得られた混合物を120℃まで昇温して5時間還流し、放冷後、反応混合物から溶媒を留去した。酢酸エチルと水とを加えて分液した後、有機層を濃縮した。得られた残渣にヘキサンと酢酸エチルを加え、結晶を析出させた。結晶を取り出し、真空乾燥して、N−(6−ブロモヘキシル)フタルイミドを得た。
反応容器に、N−(6−ブロモヘキシル)フタルイミド40g、チオ硫酸ナトリウム・五水和物32.0g、メタノール200ml、水200mlを加え、これらの混合物を5時間還流させ、放冷後、反応混合物から溶媒を留去した。得られた残渣に、エタノール200mlを加えて1.5時間還流した。熱ろ過を行い、ろ液を減圧下で濃縮し結晶を得た後、静置した。結晶をろ過により取り出し、エタノールで洗浄し、更にヘキサンでの洗浄を行った。得られた結晶を真空乾燥し、6−フタルイミドヘキシルチオ硫酸ナトリウム塩を得た。
窒素置換した反応容器に、6−フタルイミドヘキシルチオ硫酸のナトリウム塩20.0g(54.7mmol)及びエタノール200mlを仕込み、得られた混合物にヒドラジン・一水和物4.25g(84.8mmol)を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を70℃で5時間攪拌した後、減圧下でエタノールを留去した。残渣にメタノール100mlを加えて1時間還流させた。熱ろ過により結晶を取得し、これをメタノールで洗浄し、真空乾燥することにより、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム塩を得た。
窒素ガスで置換した反応容器に、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸ナトリウム26g、水45ml、5mol/l塩酸を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮し、ろ過により結晶を取り出した。得られた結晶を真空乾燥し、S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸を得た。
Figure 2013241481
上記製造例1〜2で得られた両性化合物A〜Bのメディアン径(50%D)を、(株)島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法(測定操作は下記のとおり)により測定したところ、メディアン径(50%D)は66.7μmであった。得られた両性化合物A〜Bを粉砕し、そのメディアン径(50%D)を14.6μmに調製し、以下の実施例で使用した。
<測定操作>
両性化合物A〜Bを分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
(製造例3 表面処理カーボンブラック(カーボンブラックB))
カーボンブラックを用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で8.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度5質量%のスラリーを作製した。この酸化カーボンブラックを、下記の方法によりカルボキシル基量およびヒドロキシル基量を測定した結果は、カルボキシル基量は560μmol/g、ヒドロキシル基量は118μmol/gであった。
このスラリー1kgに、2,2’−イミノジエタノール[Mw:105.14]を10.5g(10質量%水溶液)とベンジルアミン[Mw:107.15]を42.8g(10質量%水溶液)とDMT−MM(トリアジン系縮合剤)11.1g(粉体)を添加し、25℃で5時間撹拌した。この反応液を限外濾過してカーボンブラック濃度5質量%の分散液とし、0.5Mアンモニア水を80g加え75℃で3時間撹拌した。この分散液を6000rpmで遠心処理して大粒成分を除去した上澄み液を限外濾過して精製後、乾燥してカーボンブラック(B)を得た。
<カルボキシル基量の測定>
濃度0.976Nの炭酸水素ナトリウム水溶液に酸化カーボンブラックを約2〜5g添加して6時間程振とうした後、濾別し、濾液の滴定試験を行って測定した。
<ヒドロキシル基量の測定>
2、2′−Diphenyl−1−picrylhydrazyl(DPPH)を四塩化炭素中にて溶解し、5×10−4mol/l溶液を作製する。該溶液に酸化カーボンブラックを0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中にて6時間攪拌した後、濾別し、濾液を紫外線吸光光度計で測定して吸光度から算出した。
(製造例4 表面処理カーボンブラック (カーボンブラックC))
カーボンブラックを用い、オゾン発生機(ヤマト科学社製CO−101)により圧力0.02MPa、流量5L/分の条件で8.5時間オゾン酸化した後、精製水を加えて撹拌し、カーボンブラック濃度5質量%のスラリーを作製した。この酸化カーボンブラックを、製造例3と同様の方法によりカルボキシル基量およびヒドロキシル基量を測定した結果は、カルボキシル基量は560μmol/g、ヒドロキシル基量は118μmol/gであった。
このスラリー1kgに、エタノールアミン[Mw:61.08]を2.75g(10質量%水溶液)とベンジルアミン[Mw:107.15]を40.7g(10質量%水溶液)とDMT−MM(トリアジン系縮合剤)11.1g(粉末)を添加し、常温で20時間撹拌した。この反応液を6000rpmで遠心処理して大粒成分を除去した上澄み液を限外濾過して精製後、乾燥してカーボンブラック(C)を得た。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
カーボンブラック(A):東海カーボン(株)製のシースト3(NSA:79m/g、DBP:101ml/100g)
カーボンブラック(B):製造例3で調製
カーボンブラック(C):製造例4で調製
両性化合物(A):S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(製造例1で調製)
両性化合物(B):S−(6−アミノヘキシル)チオ硫酸(製造例2で調製)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を160℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)ムーニー粘度の測定
未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、各配合を指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。
(2)粘弾性試験
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合(加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)を測定した。比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)が優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(3)耐摩耗性試験
加硫ゴム組成物について、ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃,スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1の容積損失量を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した(ランボーン摩耗指数)。ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
Figure 2013241481
NRやBRに対して表面処理カーボンブラックと両性化合物の両成分を配合した実施例では、加工性、低燃費性、耐摩耗性がバランスよく改善された。また、両成分とも配合していない比較例6に比べて、未処理カーボンブラックを表面処理カーボンブラックに置換した比較例3や両性化合物を配合した比較例1では、性能の改善は見られないにもかかわらず、両成分を配合した実施例1では、良好な加工性を維持しながら、低燃費性と耐摩耗性が改善され、これらの性能バランスを相乗的に改善できることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. 天然ゴム及びジエン系合成ゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物と、アミド結合を有する表面修飾基が形成された表面処理カーボンブラックとを含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記両性化合物が下記式(I)で表される化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2013241481
    (式(I)中、Rは、炭素数2〜30のアルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表す。Aは、酸性官能基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、又は炭素数1〜20のアルコキシシリル基を表す。式(I)で表される化合物は、該化合物の金属塩でもよい。)
  3. 前記両性化合物が下記式(I−1)及び/又は(I−2)で表される化合物である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2013241481
    (式(I−1)中、pは2〜8の整数を表す。式(I−2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。)
  4. 前記式(I−2)中のMr+で表される金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記表面処理カーボンブラックは、親水性表面官能基を有するカーボンブラックとアミノ基含有化合物との縮合で得られたアミド結合を有する表面修飾基が形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記親水性表面官能基がカルボキシル基である請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記表面修飾基は、−CO−NR1112で示される基である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (式中、R11及びR12は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である。なお、R11とR12が環状構造を形成するものでも、R11とR12とN原子が環状構造を形成するものでも、R11とR12のいずれか一方が複素芳香族系構造を形成するものでもよい。)
  8. 前記表面処理カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部、前記両性化合物の含有量は、前記表面処理カーボンブラック100質量部に対して0.01〜30質量部である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
JP2012113625A 2012-05-17 2012-05-17 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5977078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012113625A JP5977078B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012113625A JP5977078B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013241481A true JP2013241481A (ja) 2013-12-05
JP5977078B2 JP5977078B2 (ja) 2016-08-24

Family

ID=49842704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012113625A Expired - Fee Related JP5977078B2 (ja) 2012-05-17 2012-05-17 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5977078B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019094379A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 Toyo Tire株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2020070320A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349312A (ja) * 1998-06-04 1999-12-21 Mitsubishi Chemical Corp カーボンブラック及びその製造方法
WO2009084714A1 (ja) * 2007-12-27 2009-07-09 Tokai Carbon Co., Ltd. 表面処理カーボンブラック水性分散体とその製造方法
JP2011046857A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 加硫ゴムが有する粘弾性特性を改善させるためのs−(2−アミノエチル)チオ硫酸またはその金属塩の使用
WO2011028337A2 (en) * 2009-08-27 2011-03-10 Columbian Chemicals Company Use of surface-treated carbon blacks in an elastomer to reduce compound hysteresis and tire rolling resistance and improve wet traction
JP2011202138A (ja) * 2009-06-30 2011-10-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 加硫ゴム及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11349312A (ja) * 1998-06-04 1999-12-21 Mitsubishi Chemical Corp カーボンブラック及びその製造方法
WO2009084714A1 (ja) * 2007-12-27 2009-07-09 Tokai Carbon Co., Ltd. 表面処理カーボンブラック水性分散体とその製造方法
JP2011202138A (ja) * 2009-06-30 2011-10-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 加硫ゴム及びその製造方法
WO2011028337A2 (en) * 2009-08-27 2011-03-10 Columbian Chemicals Company Use of surface-treated carbon blacks in an elastomer to reduce compound hysteresis and tire rolling resistance and improve wet traction
JP2011046857A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 加硫ゴムが有する粘弾性特性を改善させるためのs−(2−アミノエチル)チオ硫酸またはその金属塩の使用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019094379A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 Toyo Tire株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP2020070320A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物
JP7151380B2 (ja) 2018-10-30 2022-10-12 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5977078B2 (ja) 2016-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2450402B1 (en) Vulcanized rubber and process for manufaturing same
JP5503685B2 (ja) サイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物、並びに空気入りタイヤ
EP2439237A1 (en) Use of s-(3-aminopropyl)thiosulfuric acid or metal salt thereof
JP2011046858A (ja) 加硫ゴム及びその製造方法
JP5977079B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5977078B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013060549A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013107991A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2011012096A (ja) 加硫ゴム及びその製造方法
JP2013159769A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013007009A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013119614A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013107990A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5912345B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013119615A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5845102B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP5712175B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013155305A (ja) タイヤ用ゴム組成物、その製造方法、及び空気入りタイヤ
JP5239485B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2013166862A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5503684B2 (ja) サイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物、並びに空気入りタイヤ
JP2012144601A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5864358B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013173843A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5869376B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5977078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees