JP2013241372A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、レジスト原料、高機能性ポリマー原料として有用な(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
一般に、第3級アルコールのエステル化物(=第3級アルコールエステル)を合成する方法としては下記方法が知られている。
1)二置換オレフィンにカルボン酸を付加させて第3級アルコールエステルを得る方法
2)第3級アルコールと酸又は酸ハライドを反応させて第3級アルコールエステルを得る方法
3)ケトンに有機リチウム試薬、及び酸ハライドを反応させて第3級アルコールエステルを得る方法
1)二置換オレフィンにカルボン酸を付加させて第3級アルコールエステルを得る方法
2)第3級アルコールと酸又は酸ハライドを反応させて第3級アルコールエステルを得る方法
3)ケトンに有機リチウム試薬、及び酸ハライドを反応させて第3級アルコールエステルを得る方法
しかし、第一番目の方法は、原料となる二置換オレフィンの入手や取り扱いが困難な場合があり、工業的には採用し難い方法である。
第二番目の方法は、第3級アルコールの入手が容易なことから多用されている。一般的な酸感応性の第3級アルコールエステルは、その酸感応性のため、トリエチルアミン等のアミン類の存在下、対応する第3級アルコールに酸ハライドを反応させることにより合成される(特許文献1)。しかしながら、ヒドロキシル基が結合している炭素原子に嵩高い脂環式炭化水素基等を含有する第3級アルコールを出発原料とする場合、該第3級アルコールエステルの重合物が多く生成したり、多量の塩が析出するために出発原料である第3級アルコールの濃度を上げられない等の問題があり、効率よく第3級アルコールエステルを合成することは困難であった。
特許文献2には、有機金属化合物(例えば、有機リチウム試薬、グリニア試薬等)と酸ハライドとを第3級アルコールに反応させることにより、第3級アルコールエステルの収率を改善する方法が記載されている。しかしながら、収率の点で未だ満足できるものではなかった。
特許文献3には、前記有機金属化合物と第3級アミン存在下、第3級アルコールと(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、(メタ)アクリル酸エステルを得る方法が開示されている。しかし、出発原料はアルコールに限られていた。また、収率の点でも未だ満足できるものではなかった。
第三番目の方法として、非特許文献1には、ケトン(R−CO−R’:R、R’は鎖状炭化水素基)を有機リチウム試薬(R”Li:R”は鎖状炭化水素基、又は芳香族炭化水素基)と反応させ、さらに酸ハライドを作用させることにより、第3級アルコールエステルを得る方法が記載されている。しかし、嵩高い脂環式炭化水素基を有するケトンを使用する場合には、満足できる収率で第3級アルコールエステルを得られないことが問題であった。
ジャーナル オブ アメリカンケミカルソサイエティー、第95巻、1586頁(1973年)
従って、本発明の目的は、嵩高い基を有するケトンを出発原料として、優れた収率で(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、第3級アルコールは有機リチウム試薬又はグリニア試薬と反応して第3級アルコールの金属塩を形成し、得られた第3級アルコールの金属塩に(メタ)アクリル酸ハライドを反応させることにより(メタ)アクリル酸エステルが得られるが、嵩高い基を有する第3級アルコールを出発原料とした場合は、その立体障害により有機リチウム試薬又はグリニア試薬との反応の進行が抑制され、(メタ)アクリル酸エステルの収率が低下することがわかった。
そして、出発原料として第3級アルコールに代えてケトンを使用すると、嵩高い基を有するケトンであっても有機リチウム試薬又はグリニア試薬と速やかに反応し、第3級アルコールの有機金属化合物付加物を形成し、このようにして得られた第3級アルコールの有機金属化合物付加物に第3級アミンの存在下、(メタ)アクリル酸ハライドを反応させると、第3級アミンが(メタ)アクリル酸ハライドを活性化する作用を有するため、(メタ)アクリル酸ハライドが(より立体障害が大きいメタクリル酸ハライドであっても)前記嵩高く立体障害が大きい基を有する第3級アルコールの有機金属化合物付加物に速やかに反応して、対応する(メタ)アクリル酸エステルを高収率で製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
そして、出発原料として第3級アルコールに代えてケトンを使用すると、嵩高い基を有するケトンであっても有機リチウム試薬又はグリニア試薬と速やかに反応し、第3級アルコールの有機金属化合物付加物を形成し、このようにして得られた第3級アルコールの有機金属化合物付加物に第3級アミンの存在下、(メタ)アクリル酸ハライドを反応させると、第3級アミンが(メタ)アクリル酸ハライドを活性化する作用を有するため、(メタ)アクリル酸ハライドが(より立体障害が大きいメタクリル酸ハライドであっても)前記嵩高く立体障害が大きい基を有する第3級アルコールの有機金属化合物付加物に速やかに反応して、対応する(メタ)アクリル酸エステルを高収率で製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)又は(2)
R1MgX1 (1)
R1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物と下記式(3)
(式中、R2はアルキル基、環Zは置換基を有していてもよい炭素数3又は4の脂環式炭化水素環を示す)
で表されるケトンとの付加反応生成物に、第3級アミンの存在下、下記式(4)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、下記式(5)
(式中、R1、R2、R3、環Zは前記に同じ)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
R1MgX1 (1)
R1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物と下記式(3)
で表されるケトンとの付加反応生成物に、第3級アミンの存在下、下記式(4)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、下記式(5)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供する。
前記式(3)で表されるケトンとしてはシクロプロピルメチルケトンが好ましい。
前記第3級アミンとしてはトリエチルアミンが好ましい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、入手が容易なケトン(特に、立体障害の大きい基を有するケトン)を出発原料とし、優れた収率で対応する(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。そのため、本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は工業化に適している。本発明により得られる(メタ)アクリル酸エステルは、レジスト原料、高機能性ポリマー原料として有用である。
[有機金属化合物]
本発明では、前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物を用いる。式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。
本発明では、前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物を用いる。式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。
R1におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基等のC1-6アルキル基等を挙げることができる。これらの中でも、C1-4アルキル基が好ましい。
R1におけるハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル基等の前記アルキル基を構成する水素原子の1個又は2個以上がフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子で置き換えられた基等を挙げることができる。
X1におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
式(1)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物(グリニア試薬)が挙げられる。また、式(2)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が挙げられる。
本発明における有機金属化合物としては、なかでも、取り扱いが容易であり、安全にスケールアップすることができ工業化に適している点で、上記式(1)で表される有機金属化合物を使用することが好ましい。
[ケトン]
本発明におけるケトンは、前記式(3)で表される。式(3)中、R2はアルキル基、環Zは置換基を有していてもよい炭素数3又は4の脂環式炭化水素環を示す。
本発明におけるケトンは、前記式(3)で表される。式(3)中、R2はアルキル基、環Zは置換基を有していてもよい炭素数3又は4の脂環式炭化水素環を示す。
R2におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1〜3、最も好ましくは炭素数1〜2)のアルキル基が好ましい。
環Zにおける炭素数3又は4の脂環式炭化水素環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル等のシクロアルカン環;シクロプロペン、シクロブテン等のシクロアルケン環等を挙げることができる。
環Zは置換基を有していてもよい。該置換基としては、反応を損なわないものであれば特に限定されることがなく、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル基等)、炭素数3〜8のシクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基等)、炭素数2〜6のアルケニル基(例えば、エチニル、ブチニル基等)、炭素数3〜8のシクロアルケニル基(前記シクロアルキル基に1個以上の不飽和結合を有するもの、例えば、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル基等)、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル基等)、炭素数4〜9の複素環基(例えば、フラニル、インドリル基等)、ヒドロキシル基、及びニトロ基等から選択される少なくとも1種の基を挙げることができる。
本発明におけるケトンの代表的な例としては、シクロプロピルメチルケトン、シクロプロピルエチルケトン、シクロブチルメチルケトン、シクロブチルエチルケトン等を挙げることができる。
[第3級アミン]
本発明における第3級アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基やニトロ基等が含まれていてもよい。さらに、モノアミンの他、ジアミン等のポリアミンであってもよい。
本発明における第3級アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基やニトロ基等が含まれていてもよい。さらに、モノアミンの他、ジアミン等のポリアミンであってもよい。
本発明における第3級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエチルアミン、N−エチル−ジメチルアミン、N−エチル−ジアミルアミン等の脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族アミン;N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルピリジン、N−メチルピロリジン等の複素環アミン;テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のジアミン等を挙げることができる。
本発明における第3級アミンとしては、特に、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、N−メチルモルホリン等の複素環アミンが好ましく、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミンが、(メタ)アクリル酸エステルの収率をより向上させることができる点で好ましい。
[(メタ)アクリル酸ハライド]
本発明における(メタ)アクリル酸ハライドは、前記式(4)で表される。式(4)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を示す。
本発明における(メタ)アクリル酸ハライドは、前記式(4)で表される。式(4)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を示す。
本発明における(メタ)アクリル酸ハライドとしては、例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロミド、(メタ)アクリル酸アイオダイド等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、入手が容易な点で、(メタ)アクリル酸クロライドが好ましい。
[(メタ)アクリル酸エステルの製造方法]
本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、下記式(1)又は(2)
R1MgX1 (1)
R1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物と下記式(3)
(式中、R2はアルキル基、環Zは置換基を有していてもよい炭素数3又は4の脂環式炭化水素環を示す)
で表されるケトンとの付加反応生成物に、第3級アミンの存在下、下記式(4)
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、X2はハロゲン原子を示す)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、下記式(5)
(式中、R1、R2、R3、環Zは前記に同じ)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする。
本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、下記式(1)又は(2)
R1MgX1 (1)
R1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物と下記式(3)
で表されるケトンとの付加反応生成物に、第3級アミンの存在下、下記式(4)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、下記式(5)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする。
本発明において、前記上記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物と上記式(3)で表されるケトンとの付加反応生成物は、上記式(1)で表される有機金属化合物を使用した場合は下記式(6-1)、上記式(2)で表される有機金属化合物を使用した場合は下記式(6-2)
(式中、R1、R2、環Z、X1は前記に同じ)
で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物である。
で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物である。
すなわち、発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は下記工程を含むことが好ましい。
第1工程:上記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物と、上記式(3)で表されるケトンを反応させて、上記式(1)で表される有機金属化合物を使用した場合は上記式(6-1)、上記式(2)で表される有機金属化合物を使用した場合は上記式(6-2)で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物を形成する工程
第2工程:上記式(6-1)又は上記式(6-2)で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物に第3級アミンの存在下で上記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させ、上記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルを形成する工程
第1工程:上記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物と、上記式(3)で表されるケトンを反応させて、上記式(1)で表される有機金属化合物を使用した場合は上記式(6-1)、上記式(2)で表される有機金属化合物を使用した場合は上記式(6-2)で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物を形成する工程
第2工程:上記式(6-1)又は上記式(6-2)で表される第3級アルコールの有機金属化合物付加物に第3級アミンの存在下で上記式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させ、上記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルを形成する工程
本発明では第1工程において、出発原料として、前記有機金属化合物との反応性に優れるケトンを使用するため、立体障害が大きい基を有しているケトンであっても速やかに反応させることができ、前記第3級アルコールの有機金属化合物付加物を形成することができる。そして、第1工程終了後、クエンチすることなく(すなわち、水や酸を添加することなく)第2工程に移行するため、第3級アルコールは形成されない。
また、本発明では第2工程において、第1工程で得られた第3級アルコールの有機金属化合物付加物に、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドを第3級アミンの存在下で反応させるため、前記(メタ)アクリル酸ハライドが第3級アミンにより活性化され、より立体障害が大きいメタクリル酸ハライドであっても、第3級アルコールの有機金属化合物付加物と速やかに反応させることができ、高収率で上記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルが得られる。
(第1工程)
前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量としては、出発原料である式(3)で表されるケトン1モルに対して、例えば0.5〜2.0モル、好ましくは0.8〜1.8モル、特に好ましくは1.1〜1.4モルである。式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を下回ると、収率が低下する傾向がある。一方、式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を上回ると、経済性が悪化する傾向がある。
前記式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量としては、出発原料である式(3)で表されるケトン1モルに対して、例えば0.5〜2.0モル、好ましくは0.8〜1.8モル、特に好ましくは1.1〜1.4モルである。式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を下回ると、収率が低下する傾向がある。一方、式(1)又は(2)で表される有機金属化合物の使用量が上記範囲を上回ると、経済性が悪化する傾向がある。
反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒を用いる場合には、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和または不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル系溶媒;スルホラン等のスルホラン類;シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、なかでも、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル系溶媒や、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
溶媒の使用量としては、反応成分を溶解または分散可能であり、かつ経済性等を損なわない程度であれば特に制限されない。例えば、出発原料である式(3)で表されるケトン1重量部に対して、0.1〜100重量部程度、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
反応は、式(1)又は(2)で表される有機金属化合物に式(3)で表されるケトンを滴下して行ってもよく、式(3)で表されるケトンに式(1)又は(2)で表される有機金属化合物を滴下して行ってもよい。滴下時および反応熟成時温度は、例えば−80℃以上、反応系の沸点以下、好ましくは−20〜80℃、特に好ましくは−5〜50℃である。滴下時と反応熟成時の温度は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
反応の雰囲気は、反応を阻害しない範囲内で適宜選択することができ、空気雰囲気下、酸素雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等の何れであってもよい。また、反応は、常圧下又は減圧下(例えば0.0001〜0.1MPa程度、好ましくは0.001〜0.1MPa程度)で行うことができ、操作上の理由により加圧下で行ってもよい。
(第2工程)
式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量としては、出発原料である式(3)で表されるケトン1モルに対して、例えば0.5〜20モル程度、好ましくは0.8〜8モル、特に好ましくは1〜3モルである。式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を下回ると、反応速度が低下する傾向がある。一方、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を上回っても反応成績の向上は認められず、経済性が悪化する傾向がある。
式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量としては、出発原料である式(3)で表されるケトン1モルに対して、例えば0.5〜20モル程度、好ましくは0.8〜8モル、特に好ましくは1〜3モルである。式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を下回ると、反応速度が低下する傾向がある。一方、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドの使用量が上記範囲を上回っても反応成績の向上は認められず、経済性が悪化する傾向がある。
第3級アミンの使用量としては、出発原料である式(3)で表されるケトン1モルに対して、例えば0.5〜20モル程度、好ましくは0.8〜8モル、特に好ましくは1〜3モルである。また、第3級アミンの(メタ)アクリル酸ハライドに対する使用量は、(メタ)アクリル酸ハライド1モルに対して、例えば0.5〜10モル程度、好ましくは0.8〜5モル、特に好ましくは1〜3モルである。第3級アミンの使用量が上記範囲を下回ると、収率が低下する傾向がある。一方、第3級アミンの使用量が上記範囲を上回ると、経済性が悪化する傾向がある。
反応及び分離・精製の際には、系内に重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤を添加することにより、原料である式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドや、目的物である式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルがそれぞれ重合して、若しくは共重合して、オリゴマーを副生することを防止することができ、不純物としてのオリゴマー含有量が極めて低い(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。前記不純物としてのオリゴマー含有量が極めて低い(メタ)アクリル酸エステルは、レジスト用ポリマーの原料として用いると、均一且つ均質なレジスト膜を形成することができ、優れた感度及び解像度で微細パターンを形成することができるため、近年の基板回路の微細化に対応する上で重要である。
前記重合禁止剤としては、例えば、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、p−メトキシフェノール、フェノチアジン等を挙げることができる。また、反応系に分子状酸素を含む成分(例えば、空気、窒素等で希釈した空気)を共存させることによっても、重合反応を抑制することができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合禁止剤の使用量は、式(3)で表されるケトン100重量部に対して、例えば0.0001〜5重量部程度、好ましくは0.005〜0.1重量部である。
反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒を用いる場合には、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和または不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;スルホラン等のスルホラン類;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、第3級アミンが溶媒を兼ねてもよい。本発明においては、なかでも、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル系溶媒や、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
溶媒の使用量は、反応成分を溶解または分散可能であり、かつ経済性等を損なわない程度であれば特に制限されない。例えば、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライド1重量部に対して、0.5〜100重量部程度、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
第2工程の溶媒は、第1工程の溶媒と共通の溶媒を使用してもよく、異なる溶媒を使用してもよい。第1工程の溶媒と共通の溶媒を使用する場合、第1工程終了後、溶媒をそのまま使用してもよく、第1工程終了後、濃縮、希釈によって溶媒の濃度を調整してから使用してもよい。
反応温度は、例えば−50〜150℃程度であり、その下限は、好ましくは−10℃、特に好ましくは0℃、最も好ましくは10℃である。上限は、好ましくは80℃、より好ましくは50℃、特に好ましくは45℃、最も好ましくは40℃、更に好ましくは40℃未満である。
反応の雰囲気は、反応を阻害しない範囲で適宜選択でき、空気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下等の何れであってもよい。また、反応は、常圧下又は減圧下(例えば0.0001〜0.1MPa程度、好ましくは0.001〜0.1MPa程度)で行うことが多く、操作上の理由により加圧下で反応してもよい。
反応は、例えば、第1工程で得られた付加反応生成物に第3級アミンを添加し、次いで、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライド(又はこれを含む溶液)を反応系内に逐次添加する方法等により行うことができる。前記重合禁止剤を添加する場合は、式(4)で表される(メタ)アクリル酸ハライドを添加する前の適宜な時期に反応系内に添加することが好ましい。また、反応は、回分式、半回分式、連続式等の慣用の方法により行うことができる。
目的物である式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、反応後そのまま、または分離・精製して使用することができる。分離・精製は、周知慣用の分離・精製方法、例えば、抽出、洗浄(例えば、酸、アルカリ又は水による洗浄)、蒸留、精留、分子蒸留、吸着等により行うことができる。分離・精製は、連続的に行ってもよく、非連続的(回分式)に行ってもよい。分離・精製操作時の圧力は減圧または常圧の何れであってもよい。
本発明においては、なかでも、反応後、水と有機溶媒を使用して抽出(分液)する工程を設けることが好ましい。前記有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒等を挙げることができる。本発明では、特にシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒を使用することが、高純度の式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルを優れた回収率で得ることができる点で好ましい。
本発明に係る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、優れた収率(例えば50%以上、好ましくは60%以上)で、高純度(例えば、純度75%以上、好ましくは純度80%以上、特に好ましくは純度90%以上)の(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。
こうして得られた(メタ)アクリル酸エステルは、機能性高分子のモノマーや精密化学品の中間原料等、特に、レジスト用ポリマーの原料単量体として好適に使用することができる。本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法により得られた(メタ)アクリル酸エステルをレジスト用ポリマーの原料単量体として使用すると、均一且つ均質で、所望の微細パターンを精度よく形成することができるレジスト膜が得られる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、反応成績はガスクロマトグラフィーにより分析した。また、化合物の構造は1H−NMRにより同定した。
実施例1
容量50mLの4つ口フラスコに還流冷却管と滴下漏斗、温度計を装着した。ここへメチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(1.75M)88.3g(メチルマグネシウムクロリドとして0.15mol)を加え、窒素雰囲気下、反応系を撹拌した。
ここへ、シクロプロピルメチルケトン10g(0.12mol)を、反応器内温度を20〜25℃に保持しつつ、約1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内温度を20〜30℃に保持しつつ4時間撹拌した。
得られた反応液から19.2g(ケトン0.024mol分に相当)を分取し酢酸エチル8.0g、p−メトキシフェノール0.005g、フェノチアジン0.015gを添加した。ここへ、トリエチルアミン3.8g(0.037mol)を添加し、窒素雰囲気下、撹拌し、反応器内温度を15〜20℃に保持しつつ、メタクリル酸クロリド3.2g(0.026mol)を10分間かけて滴下した。さらに、5時間撹拌を継続し、反応を終了した。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが86%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが4%、メタクリル酸が9%であった。
容量50mLの4つ口フラスコに還流冷却管と滴下漏斗、温度計を装着した。ここへメチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(1.75M)88.3g(メチルマグネシウムクロリドとして0.15mol)を加え、窒素雰囲気下、反応系を撹拌した。
ここへ、シクロプロピルメチルケトン10g(0.12mol)を、反応器内温度を20〜25℃に保持しつつ、約1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応器内温度を20〜30℃に保持しつつ4時間撹拌した。
得られた反応液から19.2g(ケトン0.024mol分に相当)を分取し酢酸エチル8.0g、p−メトキシフェノール0.005g、フェノチアジン0.015gを添加した。ここへ、トリエチルアミン3.8g(0.037mol)を添加し、窒素雰囲気下、撹拌し、反応器内温度を15〜20℃に保持しつつ、メタクリル酸クロリド3.2g(0.026mol)を10分間かけて滴下した。さらに、5時間撹拌を継続し、反応を終了した。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが86%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが4%、メタクリル酸が9%であった。
比較例1
トリエチルアミンを用いない以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが64%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが31%、メタクリル酸が4%であった。
トリエチルアミンを用いない以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが64%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが31%、メタクリル酸が4%であった。
実施例2
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を30〜35℃に制御した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが70%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが7%、メタクリル酸が23%であった。
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を30〜35℃に制御した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが70%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが7%、メタクリル酸が23%であった。
実施例3
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を20〜25℃に制御し、メタクリル酸クロリドを0.021mol、トリエチルアミンを0.026mol使用した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが77%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが16%、メタクリル酸が7%であった。
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を20〜25℃に制御し、メタクリル酸クロリドを0.021mol、トリエチルアミンを0.026mol使用した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが77%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが16%、メタクリル酸が7%であった。
実施例4
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を2〜16℃に制御し、メタクリル酸クロリドを0.038mol、トリエチルアミンを0.076mol使用した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが85%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが6%、メタクリル酸が9%であった。
メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を2〜16℃に制御し、メタクリル酸クロリドを0.038mol、トリエチルアミンを0.076mol使用した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
反応終了後、反応系を酸処理して分析したところ、目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが85%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが6%、メタクリル酸が9%であった。
比較例2
トリエチルアミンに代えて、N,N−ジメチルホルムアミド0.015molを用い、メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を2〜16℃に制御した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが47%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが45%、メタクリル酸が8%であった。
トリエチルアミンに代えて、N,N−ジメチルホルムアミド0.015molを用い、メタクリル酸クロリドの滴下時の反応器温度を2〜16℃に制御した以外は、実施例1と同様に反応をおこなった。
目的物であるメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルが47%検出された。主たる副生物は、原料由来の化合物である1−メチル−1−シクロプロピルエタノールが45%、メタクリル酸が8%であった。
実施例5
(メタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルの合成)
容量5Lの4つ口フラスコに還流冷却管と滴下漏斗、温度計を装着した。ここへメチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(1.75M)1340g(メチルマグネシウムクロリドとして2.3mol)を加え、窒素雰囲気下、反応系を撹拌した。
ここへ、シクロプロピルメチルケトン150g(1.8mol)を、反応器内温度を15〜25℃に保持しつつ滴下した。滴下終了後、反応器内温度を15〜25℃に保持しつつ4時間撹拌した。
このようにして得られた反応液へ、p−メトキシフェノール0.15g、フェノチアジン0.55gを添加した。ここへ、トリエチルアミン282g(2.8mol)を添加し、窒素雰囲気下、撹拌し、反応器内温度を15〜20℃に保持しつつ、メタクリル酸クロリド242g(2.3mol)を滴下した。さらに、4時間撹拌を継続し、反応を終了した。
(メタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルの合成)
容量5Lの4つ口フラスコに還流冷却管と滴下漏斗、温度計を装着した。ここへメチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(1.75M)1340g(メチルマグネシウムクロリドとして2.3mol)を加え、窒素雰囲気下、反応系を撹拌した。
ここへ、シクロプロピルメチルケトン150g(1.8mol)を、反応器内温度を15〜25℃に保持しつつ滴下した。滴下終了後、反応器内温度を15〜25℃に保持しつつ4時間撹拌した。
このようにして得られた反応液へ、p−メトキシフェノール0.15g、フェノチアジン0.55gを添加した。ここへ、トリエチルアミン282g(2.8mol)を添加し、窒素雰囲気下、撹拌し、反応器内温度を15〜20℃に保持しつつ、メタクリル酸クロリド242g(2.3mol)を滴下した。さらに、4時間撹拌を継続し、反応を終了した。
(精製)
反応終了後、反応器内へシクロヘキサン584g、水495gを加え、ここへ10%塩酸1025gを、反応器温度が40℃以下になるように滴下し、分液して有機層を得た。その後、得られた有機層を750gの水で2回洗浄した。
次いで、有機層に10%水酸化ナトリウム水溶液251gを加え、分液して有機層を得た。その後、得られた有機層を、再度750gの水で2回洗浄した。
このようにして得られた有機層を、減圧下、50℃以下の温度で濃縮した。この時点での、シクロプロピルメチルケトン基準でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル回収率は58%だった。
得られた濃縮粗液を減圧蒸留に付すことにより、目的とするメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルを留出成分として得た。純度95%以上の留分中のメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は42%だった。また、留出分全体でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は58%だった。
反応終了後、反応器内へシクロヘキサン584g、水495gを加え、ここへ10%塩酸1025gを、反応器温度が40℃以下になるように滴下し、分液して有機層を得た。その後、得られた有機層を750gの水で2回洗浄した。
次いで、有機層に10%水酸化ナトリウム水溶液251gを加え、分液して有機層を得た。その後、得られた有機層を、再度750gの水で2回洗浄した。
このようにして得られた有機層を、減圧下、50℃以下の温度で濃縮した。この時点での、シクロプロピルメチルケトン基準でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル回収率は58%だった。
得られた濃縮粗液を減圧蒸留に付すことにより、目的とするメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルを留出成分として得た。純度95%以上の留分中のメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は42%だった。また、留出分全体でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は58%だった。
実施例6
精製工程において、シクロヘキサンに代えて酢酸エチルを使用した以外は、実施例5と同様に反応をおこなった。濃縮後のシクロプロピルメチルケトン基準でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル回収率は66%だった。
得られた濃縮粗液を減圧蒸留に付すことにより、目的とするメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルを留出成分として得た。純度95%以上の留分中のメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は49%、留出分全体でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は63%だった。
精製工程において、シクロヘキサンに代えて酢酸エチルを使用した以外は、実施例5と同様に反応をおこなった。濃縮後のシクロプロピルメチルケトン基準でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル回収率は66%だった。
得られた濃縮粗液を減圧蒸留に付すことにより、目的とするメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチルを留出成分として得た。純度95%以上の留分中のメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は49%、留出分全体でのメタクリル酸−1−シクロプロピル−1−メチルエチル収率(シクロプロピルメチルケトン基準)は63%だった。
Claims (3)
- 下記式(1)又は(2)
R1MgX1 (1)
R1Li (2)
(式中、R1はアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物と下記式(3)
で表されるケトンとの付加反応生成物に、第3級アミンの存在下、下記式(4)
で表される(メタ)アクリル酸ハライドを反応させて、下記式(5)
で表される(メタ)アクリル酸エステルを得る(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。 - 式(3)で表されるケトンがシクロプロピルメチルケトンである請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
- 第3級アミンがトリエチルアミンである請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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