JP2013241236A - エレベータのかご照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】落下や破損の防止を図ることができるエレベータのかご照明装置を得る。
【解決手段】かご照明装置8は、かご1内の照明を行う照明ユニット11と、天井パネル3bに取り付けられ、照明ユニット11を支持する支持装置12とを有している。照明ユニット11は、かご1の天井パネル3bから下方へ離れた開離位置と、開離位置よりも天井パネル3bに近い通常位置との間で変位可能になっている。支持装置12は、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する支持ばね43を有している。また、支持装置12は、開離位置と通常位置との間で変位可能に照明ユニット11を支持している。
【選択図】図5
【解決手段】かご照明装置8は、かご1内の照明を行う照明ユニット11と、天井パネル3bに取り付けられ、照明ユニット11を支持する支持装置12とを有している。照明ユニット11は、かご1の天井パネル3bから下方へ離れた開離位置と、開離位置よりも天井パネル3bに近い通常位置との間で変位可能になっている。支持装置12は、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する支持ばね43を有している。また、支持装置12は、開離位置と通常位置との間で変位可能に照明ユニット11を支持している。
【選択図】図5
Description
この発明は、かご内の天井部に設置されるエレベータのかご照明装置に関するものである。
従来、かごの天井部に照明ランプを装着し、かご内の天井部から吊り下げられた吊天井で照明パネルを支持するようにしたエレベータかご室の天井照明装置が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
また、従来、蛍光ランプ、安定器及び照明カバーを一体化して構成した照明ユニットをかごの天井部に固定し、照明カバーの部分を避けて照明ユニットを箱体で覆うようにしたエレベータの照明装置も知られている(例えば特許文献3参照)。
しかし、上記のような従来のエレベータでは、照明装置がかごの天井部に固定されているので、例えば地震の発生や非常止め装置の作動等によりかごが急停止した場合、かごの急停止による大きな慣性力がそのまま照明装置に加わってしまい、照明装置が落下したり破損したりしてしまうおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、落下や破損の防止を図ることができるエレベータのかご照明装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータのかご照明装置は、かごの天井部から下方へ離れた開離位置と、開離位置よりも天井部に近い通常位置との間で変位可能で、かご内の照明を行う照明ユニット、及び照明ユニットの開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する支持弾性体を有し、天井部に取り付けられ、開離位置と通常位置との間で変位可能に照明ユニットを支持する支持装置を備えている。
この発明に係るエレベータのかご照明装置によれば、かごが急停止したとしても、支持弾性体の弾性変形により照明ユニットへの衝撃を吸収することができ、照明ユニットの落下や破損の防止を図ることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図において、かご1は、図示しない巻上機(駆動装置)の駆動綱車に巻き掛けられた複数本の主索2により、昇降路内に吊り下げられている。主索2としては、例えばロープやベルト等が用いられている。かご1は、巻上機の駆動力により昇降路内を昇降される。また、かご1は、かご室3と、各主索2が接続され、かご室3を囲んだ状態でかご室3を支持するかご枠4とを有している。
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図において、かご1は、図示しない巻上機(駆動装置)の駆動綱車に巻き掛けられた複数本の主索2により、昇降路内に吊り下げられている。主索2としては、例えばロープやベルト等が用いられている。かご1は、巻上機の駆動力により昇降路内を昇降される。また、かご1は、かご室3と、各主索2が接続され、かご室3を囲んだ状態でかご室3を支持するかご枠4とを有している。
かご枠4の下部には、図1に示すように、かご1の落下を阻止する非常止め装置5が設けられている。非常止め装置5は、かご1の昇降を案内するガイドレール(図示せず)を把持することにより、かご1に制動力を与え、かご1を停止させる。非常止め装置5は、例えば主索2が破断してかご2の落下速度が所定の過速度に達した場合等の非常時に動作する。
かご室3は、かご床(床部)3aと、かご床3aの上方に位置する天井パネル(天井部)3bと、かご室3の奥行き方向について互いに対向する正面パネル3c及び背面パネル3dと、かご室3の幅方向について互いに対向する一対の側面パネル3eとを有している。
かご室3の正面パネル3cには、一対のかごドア6により開閉されるかご出入口7が設けられている。かご室3の天井パネル3bには、かご照明装置8が設けられている。かご室3内から見たときのかご照明装置8は、図2に示すように、天井パネル3bの外周部を除いて天井パネル3bの全面に配置されている。
図3は、図1のかご室3の上部を示す拡大図である。また、図4は、図3のかご照明装置8を示す一部破断斜視図である。さらに、図5は、図3のかご照明装置8の照明ユニット11が下方へ変位した状態を示す側面図である。図において、かご照明装置8は、かご室3内の照明を行う照明ユニット11と、照明ユニット11を支持し、天井パネル3bに取り付けられた支持装置12とを有している。
照明ユニット11は、天井パネル3bから下方へ離れた開離位置(図5)と、開離位置よりも天井パネル3bに近い通常位置(図3)との間で変位可能になっている。また、照明ユニット11は、複数の照明ランプ(光源)13と、各照明ランプ13をまとめて覆うとともに各照明ランプ13を支持する照明枠14とを有している。
照明枠14は、図4に示すように、天井パネル3bに対向する矩形状のベース枠15と、ベース枠15内に水平に固定され、各照明ランプ13を支持する複数の照明具取付梁16と、ベース枠15内の中間部に水平に固定され、各照明具取付梁16を支持する中間梁17と、ベース枠15に固定され、複数の照明ランプ13をまとめて覆うカバー枠18とを有している。この例では、照明枠14の形状が扁平の略直方体状とされている。ベース枠15の上面には、照明ユニット11が天井パネル3bに衝突したときの照明ユニット11が受ける衝撃を緩和するゴム製の緩衝材19が設けられている。
カバー枠18の下面及び側面のそれぞれには、複数の開口部20が設けられている。各開口部20は、光を透過する照明板21で塞がれている。照明板21としては、例えばアクリル板等が用いられている。
各照明ランプ13からの光は、照明板21を通ってかご室3内へ照射される。これにより、かご室3内の照明が行われる。照明ランプ13としては、例えば蛍光灯やLED等が用いられている。
支持装置12は、一対の天井取付部材22を介して天井パネル3bに取り付けられている。一対の天井取付部材22は、天井パネル3bに沿って平行に配置された断面L字状のアングル材である。また、各天井取付部材22は、図3及び図5に示すように、複数の固定ボルト23で天井パネル3bの下面に固定されている。
また、支持装置12は、図4に示すように、各天井取付部材22に個別に取り付けられた一対の支持機構部31を有している。照明ユニット11は、照明ユニット11の両側部に配置された一対の支持機構部31によって、開離位置(図5)と通常位置(図3)との間で変位可能に支持されている。
ここで、図6は、図4の支持機構部31を示す拡大斜視図である。支持機構部31は、天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位に連動するリンク装置32と、リンク装置32に連結され、照明ユニット11を通常位置に弾性的に保持するばね付油圧ダンパ33とを有している。
リンク装置32は、天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位に応じて天井パネル3bに対して回動する一対の回動リンク(回動体)34と、一対の回動リンク34間に回動可能に連結され、一対の回動リンク34の回動に応じて平行移動する水平リンク35とを有している。
ベース枠15には、各回動リンク34に対応させて複数の軸受金具36が取り付けられている。各回動リンク34は、第1のリンク回動軸37を介して天井取付部材22に回動可能に取り付けられ、第2のリンク回動軸38を介して軸受金具36に回動可能に取り付けられている。各回動リンク34は、第1のリンク回動軸37を中心に回動されることにより天井パネル3bに対して回動され、第2のリンク回動軸38を中心に回動されることにより照明ユニット11に対して回動される。
各回動リンク34は、第1のリンク回動軸37及び第2のリンク回動軸38間に連結された第1のリンク部34aと、第1のリンク部34aの長さ方向と異なる方向へ第1のリンク部34aの端部から突出する第2のリンク部34bとを有している。回動リンク34の形状は、第1のリンク部34a及び第2のリンク部34bにより略L字状になっている。水平リンク35は、第3のリンク回動軸39を介して第2のリンク部34bの端部に回動可能に連結されている。第1〜第3のリンク回動軸37〜39は、水平にかつ互いに平行に配置されている。
ばね付油圧ダンパ33は、天井パネル3bに対して傾斜した状態で、天井取付部材22及び水平リンク35間に回動可能に連結されている。ばね付油圧ダンパ33は、第1のダンパ回動軸40を介して天井取付部材22に回動可能に取り付けられ、第2のダンパ回動軸41を介して水平リンク35の中間部に回動可能に取り付けられている。第1及び第2のダンパ回動軸40,41は、第1のリンク回動軸37と平行に配置されている。
また、ばね付油圧ダンパ33は、図3及び図5に示すように、天井取付部材22及び水平リンク35間に連結された油圧ダンパ(抵抗体)42と、油圧ダンパ42内に設けられた支持ばね(支持弾性体)43とを有している。
油圧ダンパ42は、油が充填されたシリンダ42aと、シリンダ42a内で進退可能なピストン42bと、ピストン42bに固定されたシャフト42cとを有している。第1のダンパ回動軸40にはシリンダ42aが取り付けられ、第2のダンパ回動軸41にはシャフト42cが取り付けられている。これにより、ピストン42b及びシャフト42cは、天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位に応じてシリンダ42aに対して進退する。油圧ダンパ42は、ピストン42bがシリンダ42a内の油から抵抗力を受けることにより、回動リンク34の回動に対して抵抗力を発生する。
油圧ダンパ42内の支持ばね43は、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する。照明ユニット11は、支持ばね43の弾性復元力により通常位置に弾性的に保持される。照明ユニット11が通常位置にあるときの支持ばね43の弾性復元力の大きさは、照明ユニット11の重量よりも3倍程度の大きさに設定されている。これにより、エレベータの通常運転時には、照明ユニット11が通常位置に保持される。
次に、かご照明装置8の取付方法について説明する。エレベータの改修工事が行われる場合、既設のかご1をそのまま残しておき、既設のかご照明装置を新規のかご照明装置8に変更する工事を行うことがある。
既設のかご照明装置を新規のかご照明装置8に変更するときには、まず、既設の固定ボルトを外すことにより既設のかご照明装置を天井パネル3bから取り外す。
図7は、図6のかご照明装置8をかご1内に取り付けるときの状態を示す図6のVII-VII線に沿った断面図である。作業者45は、既設のかご照明装置を天井パネル3bから取り外した後、新規のかご照明装置8を支えながら、新規のかご照明装置8に予め取り付けておいた一対の天井取付部材22を天井パネル3bの下面に沿って配置する。このとき、照明板21は、カバー枠18から外しておく。
この後、既設の固定ボルトが通されていた天井パネル3bのねじ通し穴を利用して、例えばソケットレンチやスパナ等の工具46で固定ボルト23を締め付け、天井パネル3bに各天井取付部材22を固定する。この後、照明板21をカバー枠18に取り付ける。このようにして、新規のかご照明装置8を天井パネル3bに取り付ける。
次に、動作について説明する。エレベータの通常運転時には、ばね付油圧ダンパ33の支持ばね43の弾性復元力により、照明ユニット11が通常位置(図3)に保持されている。通常運転時のかご1には、かご1の移動により慣性力が作用するが、通常運転時にかご1が受ける慣性力よりも支持ばね43の弾性復元力が十分大きく設定されているので、照明ユニット11が開離位置へ変位されることはない。
例えばかご1の下降速度が異常に上昇して非常止め装置5が動作すること等により、かご1が急停止した場合、かご1及び照明ユニット11には、下方への大きな慣性力が加わる。照明ユニット11に加わる慣性力が支持ばね43の弾性復元力に打ち勝つと、照明ユニット11は、支持ばね43の弾性復元力に逆らって、油圧ダンパ42の抵抗力を受けながら、通常位置から開離位置(図5)へ変位される。このとき、支持ばね43は、照明ユニット11への衝撃を吸収しながら弾性変形される。
この後、かご1が停止すると、照明ユニット11に加わる慣性力が消滅し、照明ユニット11が、油圧ダンパ42の抵抗力を受けながら、支持ばね43の弾性復元力により開離位置から通常位置(図3)へ変位される。
このようなエレベータのかご照明装置8では、照明ユニット11が開離位置と通常位置との間で変位可能に支持装置12により支持され、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する支持ばね43が支持装置12に含まれているので、かご1の急停止による大きな慣性力がかご照明装置8に加わった場合であっても、支持ばね43の弾性変形により照明ユニット11への衝撃を吸収することができ、照明ユニット11が受ける衝撃の大きさを小さくすることができる。これにより、かご1の急停止による衝撃で照明ユニット11が落下したり破損したりしにくくなり、照明ユニット11の落下や破損の防止を図ることができる。また、照明ユニット11が支持装置12を介して天井パネル3bに取り付けられているので、支持装置12を天井パネル3bに取り付けるだけで、かご照明装置8をかご1内に設置することができる。これにより、例えばエレベータの改修工事の際に、かご1に対する新規のかご照明装置8の設置作業を容易にすることができる。
また、支持装置12は、支持ばね43に加えて、照明ユニット11の変位に応じて天井パネル3bに対して回動する回動リンク34と、回動リンク34の回動に対して抵抗力を発生する油圧ダンパ42とを有しているので、回動リンク34によって照明ユニット11の横振れを抑制することができる。また、照明ユニット11に油圧ダンパ42で抵抗力を与えながら、照明ユニット11を変位させることができ、照明ユニット11に必要以上の加速が生じることを抑制することができる。これにより、照明ユニット11に生じる振動の増幅を抑制することができるとともに、照明ユニット11に振動が発生した場合であっても、照明ユニット11の振動を早期に減衰させることができる。従って、照明ユニット11の落下や破損の防止をさらに図ることができる。
また、回動リンク34の回動に抵抗力を与える抵抗体として油圧ダンパ42が用いられているので、容易に入手可能な抵抗体を用いることができ、コストの低減化を図ることができる。
なお、上記の例では、ばね付油圧ダンパ33が天井取付部材22及び水平リンク35間に連結されているが、天井取付部材22及び回動リンク34間にばね付油圧ダンパ33を連結してもよい。天井取付部材22及び回動リンク34間にばね付油圧ダンパ33を連結する場合、水平リンク35はなくてもよい。
また、上記の例では、油圧ダンパ42及び支持ばね43が一体(ばね付油圧ダンパ33)となっているが、油圧ダンパ42及び支持ばね43を別体としてもよい。この場合、油圧ダンパ42及び支持ばね43は、天井取付部材22及び水平リンク35間、天井取付部材22及び回動リンク34間のうち、いずれに連結してもよい。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図9は図8の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図、図10は図9のX-X線に沿った断面図である。さらに、図11は、図9の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。また、図12は、図8の支持装置12を下方から見たときの状態を示す要部斜視図である。図において、天井パネル3bの下面には、取付パネル51と複数(この例では、4つ)のフック52とが固定されている。この例では、図8に示すように、取付パネル51が天井パネル3bの中央部を通るように配置され、各フック52が天井パネル3bの四隅の部分にそれぞれ配置されている。
図8は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図9は図8の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図、図10は図9のX-X線に沿った断面図である。さらに、図11は、図9の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。また、図12は、図8の支持装置12を下方から見たときの状態を示す要部斜視図である。図において、天井パネル3bの下面には、取付パネル51と複数(この例では、4つ)のフック52とが固定されている。この例では、図8に示すように、取付パネル51が天井パネル3bの中央部を通るように配置され、各フック52が天井パネル3bの四隅の部分にそれぞれ配置されている。
取付パネル51は、複数(この例では、2つ)の固定ボルト53で天井パネル3bに固定されている。取付パネル51には、取付パネル51からそれぞれ下方へ突出する回動軸54及び軸支持台59が互いに離して取り付けられている。これにより、回動軸54は、天井パネル3bに上下方向に沿って設けられている。この例では、図8に示すように、回動軸54が天井パネル3bの中央部に配置され、軸支持台59が回動軸54よりも天井パネル3bの外周部に近い位置に配置されている。
かご照明装置8は、照明ユニット11と、天井パネル3bに取り付けられ、照明ユニット11を支持する支持装置12とを有している。照明ユニット11の構成は、実施の形態1における照明ユニット11と同様の構成とされている。
支持装置12は、天井パネル3bから下方へ離れた開離位置(図11)と、開離位置よりも天井パネル3bに近い通常位置(図9)との間で変位可能に照明ユニット11を支持する。また、支持装置12は、回動軸54を中心に回動可能な回動車(回動体)55と、共通の回動車55に接続され、照明ユニット11を吊り下げる複数(この例では、4本)の吊り索56と、回動車55及び軸支持台59間に回動可能に連結されたばね付油圧ダンパ57とを有している。
回動車55は、回動軸54に設けられたボス55aと、ボス55aから放射状に突出する複数(この例では、4本)のアーム55bとを有している。各アーム55bには、吊り索56が個別に接続されている。
各吊り索56は、対応するフック52に掛けられている。各吊り索56は、図9及び図11に示すように、アーム55bから、フック52に掛けられた後、カバー枠18に固定された止め具に接続されている。これにより、各吊り索56は、回動車55とフック52との間で水平に張られ、フック52とカバー枠18との間で上下に張られている。また、各吊り索56は、フック52に掛けられることにより、照明ユニット11の四隅で照明ユニット11を吊り下げている。吊り索56としては、例えばワイヤやロープ等が用いられている。
各吊り索56の中間部には、複数の吊り索56のそれぞれの張力の大きさを平準化する調整ばね(張力調整用弾性体)58が設けられている。調整ばね58は、吊り索56のフック52よりも回動車55に近い部分に設けられている。照明ユニット11は、回動車55が回動軸54を中心に回動されることにより上下動されて、開離位置と通常位置との間を変位される。
ばね付油圧ダンパ57は、図12に示すように、第1のダンパ回動軸40を介して軸支持台59に回動可能に取り付けられ、第2のダンパ回動軸41を介して回動車55の1つのアーム55bの端部に回動可能に取り付けられている。第1及び第2のダンパ回動軸40,41は、回動車55の回動軸54と平行に配置されている。
また、ばね付油圧ダンパ57の構成は、実施の形態1におけるばね付油圧ダンパ33と同様の構成とされている。即ち、ばね付油圧ダンパ57は、油圧ダンパ(抵抗体)と、油圧ダンパ内に設けられた支持ばね(支持弾性体)とを有している。この例では、油圧ダンパのシリンダが第1のダンパ回動軸40を介して軸支持台59に取り付けられ、油圧ダンパのシャフトが第2のダンパ回動軸41を介して回動車55のアーム55bに取り付けられている。
照明ユニット11は、ばね付油圧ダンパ57が伸びる方向へ回動車55が回動されることにより通常位置から開離位置へ変位され、ばね付油圧ダンパ57が縮む方向へ回動車55が回動されることにより開離位置から通常位置へ変位される。ばね付油圧ダンパ57の支持ばねは、照明ユニット11が開離位置へ変位される方向への回動車55の回動に逆らう弾性復元力を発生する。照明ユニット11は、ばね付油圧ダンパの支持ばねの弾性復元力により通常位置に弾性的に保持されている。照明ユニット11が通常位置にあるときのばね付油圧ダンパ57の支持ばねの弾性復元力の大きさは、照明ユニット11の重量よりも3倍程度の大きさに設定されている。これにより、エレベータの通常運転時には、照明ユニット11が通常位置に保持される。油圧ダンパは、ピストンがシリンダ内の油から抵抗力を受けることにより、回動車55の回動に対する抵抗力を発生する。
フック52は、図9〜図11に示すように、天井パネル3bに固定された固定金具61と、固定金具61に溶接等により固定され、吊り索56を受ける受け金具62とを有している。固定金具61は、フック用固定ボルト63により天井パネル3bに固定されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、かご照明装置8の取付方法について説明する。既設のかご照明装置を新規のかご照明装置8に変更するときには、まず、実施の形態1と同様に、既存のかご照明装置を天井パネル3bから取り外す。
この後、各フック52を天井パネル3bの四隅に固定する。この後、新規のかご照明装置8を支えながら、実施の形態1と同様に、工具46を用いて固定ボルト53を締め付け、新規のかご照明装置8に予め取り付けておいた取付パネル51を天井パネル3bの下面に固定する。この後、新規のかご照明装置8を支えた状態で、各吊り索56を、対応するフック52に掛ける。このようにして、新規のかご照明装置8を天井パネル3bに取り付ける。
次に、動作について説明する。エレベータの通常運転時には、ばね付油圧ダンパ57の支持ばねの弾性復元力により、照明ユニット11が通常位置(図9)に保持されている。
例えば、かご1の下降速度が異常に上昇して非常止め装置5が動作した場合、かご1及び照明ユニット11には、下方への大きな慣性力が加わる。照明ユニット11に加わる慣性力がばね付油圧ダンパ57の支持ばねの弾性復元力に打ち勝つと、照明ユニット11は、ばね付油圧ダンパ57が伸びる方向へ回動軸54を中心に回動車55を回動させることにより、ばね付油圧ダンパ57の油圧ダンパから抵抗力を受けながら、ばね付油圧ダンパ57の支持ばねの弾性復元力に逆らって、開離位置(図11)へ吊り索56とともに引き下げられる。このとき、ばね付油圧ダンパ57の支持ばねは、照明ユニット11への衝撃を吸収しながら弾性変形する。
この後、かご1が停止すると、照明ユニット11は、実施の形態1と同様に、油圧ダンパの抵抗力を受けながら、ばね付油圧ダンパの支持ばねの弾性復元力により開離位置から通常位置へ変位される。
このようなエレベータのかご照明装置8では、天井パネル3bに上下方向に沿って設けられた共通の回動車55に、照明ユニット11を吊り下げる複数の吊り索56が接続されているので、照明ユニット11を支持する構造を簡単にすることができ、照明ユニット11を支持する支持装置12を破損しにくくすることができる。また、回動車55の回動に対してばね付油圧ダンパ57による抵抗力が加わるので、共通の回動車55の回動に対して抵抗力を加えるだけで各吊り索56のすべてに抵抗力を加えることができる。これにより、ばね付油圧ダンパ57の数を減らすことができ、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。さらに、照明ユニット11を吊り索56によって吊り下げるようにしたので、支持装置12の高さ寸法を小さくすることができ、かご照明装置8の厚さを薄くすることができる。
また、各吊り索56には、複数の吊り索56のそれぞれの張力の大きさを平準化する調整ばね58が設けられているので、照明ユニット11を円滑に変位させることができるとともに、各吊り索56が受ける負担を均等化することができ、各吊り索56の長寿命化を図ることができる。
なお、上記の例では、油圧ダンパ及び支持ばねが一体となっているが、油圧ダンパ及び支持ばねを別体としてもよい。また、油圧ダンパ及び支持ばねを別体とした場合、回動車55の複数のアーム55bのうち、互いに異なるアーム55bに油圧ダンパ及び支持ばねを個別に接続してもよい。
また、上記の例では、回動車55の回動に抵抗力を与える抵抗体として油圧ダンパが用いられているが、回動車55のボスaに接触させた摩擦材を抵抗体として用いてもよい。このようにしても、簡単な構成で回動車55の回動に抵抗力を与えることができる。
実施の形態3.
図13は、この発明の実施の形態3によるエレベータのかご照明装置8を示す平面図である。また、図14は図13の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図、図15は図14の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの四隅の部分には、保持具71がそれぞれ固定されている。各保持具71は、天井パネル3bを上下方向に沿って貫通するねじ棒と、ねじ棒に螺合され、天井パネル3bに係合する複数のナットとを有している。保持具71は、ねじ棒に螺合されたナットが天井パネル3bに係合することにより、天井パネル3bに保持されている。保持具71のねじ棒の下端部には、掛け穴が設けられている。
図13は、この発明の実施の形態3によるエレベータのかご照明装置8を示す平面図である。また、図14は図13の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図、図15は図14の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの四隅の部分には、保持具71がそれぞれ固定されている。各保持具71は、天井パネル3bを上下方向に沿って貫通するねじ棒と、ねじ棒に螺合され、天井パネル3bに係合する複数のナットとを有している。保持具71は、ねじ棒に螺合されたナットが天井パネル3bに係合することにより、天井パネル3bに保持されている。保持具71のねじ棒の下端部には、掛け穴が設けられている。
カバー枠18には、複数(この例では、4つ)の止め具72が固定されている。各止め具72は、保持具71の位置に合わせて各保持具71の下方に配置されている。
かご照明装置8は、照明ユニット11と、天井パネル3bに取り付けられ、照明ユニット11を支持する支持装置12とを有している。照明ユニット11の構成は、実施の形態1における照明ユニット11と同様の構成とされている。
支持装置12は、天井パネル3bから下方へ離れた開離位置(図15)と、開離位置よりも天井パネル3bに近い通常位置(図14)との間で変位可能に照明ユニット11を支持する。また、支持装置12は、照明ユニット11を弾性的に支持する支持ばね(支持弾性体)73と、照明ユニット11の横振れを抑制するための横振れ抑制装置74とを有している。
支持ばね73は、ねじ棒の掛け穴に通されて保持具71に掛けられることにより天井パネル3bに保持され、止め具72に掛けられることによりカバー枠18に接続されている。また、支持ばね73は、天井パネル3bに保持されるとともにカバー枠18に接続されることにより、照明ユニット11を吊り下げている。照明ユニット11は、支持ばね73が伸縮することにより、開離位置と通常位置との間で変位される。天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位は、上下方向だけでなく、水平方向へも許容される。
横振れ抑制装置74は、天井パネル3bから下方へ突出するロッド(突出部材)75と、照明ユニット11に設けられ、水平方向についてロッド75に対向する複数の抑制板(対向部材)76と、抑制板76の外周部に設けられたゴム製の緩衝材77とを有している。ロッド75及び抑制板76は、金属及び樹脂のいずれで構成されていてもよい。
ロッド75は、図13に示すように、天井パネル3bの中央に配置されている。また、ロッド75は、ナットで天井パネル3bに固定されている。さらに、ロッド75は、水平方向への力を受けると弾性変形可能になっている。
各抑制板76は、図14及び図15に示すように、照明具取付梁16に水平に固定されている。従って、各抑制板76は、照明ユニット11と一体に変位される。また、各抑制板76は、水平方向について互いに離れて配置され、ロッド75を挟んで互いに対向している。照明ユニット11は、ロッド75に各抑制板76を水平方向について常時対向させた状態で、開離位置と通常位置との間で変位される。抑制板76は、照明ユニット11の横振れが大きくなると、緩衝材77を介してロッド75に衝突する。天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位は、抑制板76がロッド75に衝突することにより、水平方向について規制される。これにより、照明ユニット11の横振れが抑制される。
緩衝材77は、抑制板76の外周部を囲んだ状態で抑制板76に取り付けられている。また、緩衝材77は、抑制板76がロッド75に衝突したときに抑制板76とロッド75との間で弾性変形することにより、抑制板76が受ける衝撃を吸収する。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、かご照明装置8の取付方法について説明する。既設のかご照明装置を新規のかご照明装置8に変更するときには、まず、実施の形態1と同様に、既存のかご照明装置を天井パネル3bから取り外す。
この後、保持具71を天井パネル3bの四隅に固定するとともに、ロッド75を天井パネル3bの中央に固定する。また、新規のかご照明装置8の照明具取付梁16には各抑制板76を予め固定し、カバー枠18には止め具72を予め固定しておく。照明板21は、カバー枠18から外しておく。
この後、各抑制板76間の空間にロッド75を通した状態で、新規の照明ユニット11を複数の支持ばね73で吊り下げる。この後、照明板21をカバー枠18に取り付ける。このようにして、新規のかご照明装置8を天井パネル3bに取り付ける。
次に、動作について説明する。エレベータの通常運転時には、図14に示すように、支持ばね73の弾性復元力により、照明ユニット11が通常位置に保持されている。
例えば、かご1の下降速度が異常に上昇して非常止め装置5が動作した場合、かご1及び照明ユニット11には、下方への大きな慣性力が加わる。照明ユニット11に加わる慣性力が支持ばね73の弾性復元力に打ち勝つと、照明ユニット11は、支持ばね73の弾性復元力に逆らって支持ばね73を伸ばしながら、下方の開離位置(図15)へ変位される。このとき、支持ばね73は、照明ユニット11への衝撃を吸収しながら弾性変形する。
この後、かご1が停止すると、照明ユニット11に加わる慣性力が消滅し、照明ユニット11が支持ばね73の弾性復元力により上下方向及び水平方向へ変位される。照明ユニット11の横振れが大きくなると、抑制板76が緩衝材77を介してロッド75に衝突し、照明ユニット11の横振れが抑制される。抑制板76がロッド75に衝突したときの照明ユニット11への衝撃は、緩衝材77により吸収される。
このようなエレベータのかご照明装置8では、天井パネル3bに保持された支持ばね73で照明ユニット11が吊り下げられているので、照明ユニット11を支持する構造をさらに簡単にすることができ、コストの低減化を図ることができるとともに、かご照明装置8の取付作業をさらに容易にすることができる。また、照明ユニット11を支持ばね73で吊り下げるようにしたので、支持装置12の高さ寸法を小さくすることができ、かご照明装置8の厚さを薄くすることができる。
また、天井パネル3bからロッド75が下方へ突出し、水平方向についてロッド75に対向する抑制板76が照明ユニット11に設けられているので、照明ユニット11の横振れが生じても、抑制板76をロッド75に衝突させることにより、照明ユニット11の横振れの増大を抑制することができる。これにより、簡単な構造で照明ユニット11の落下や破損の防止を図ることができる。
また、抑制板76の縁部には、抑制板76がロッド75に衝突したときにロッド75と抑制板76との間で弾性変形する緩衝材77が設けられているので、抑制板76がロッド75に衝突したときの照明ユニット11への衝撃を緩衝材77で吸収することができ、照明ユニット11の落下や破損の防止をさらに図ることができる。
なお、上記の例では、天井パネル3bから下方へ突出する突出部材として棒状のロッド75が用いられているが、水平方向について抑制板76と対向していれば、突出部材が棒状になっていなくてもよい。例えば、水平方向について抑制板76と対向させた状態で天井パネル3bに固定した板を突出部材としてもよい。
実施の形態4.
図16は、この発明の実施の形態4によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図17は、図16の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図である。さらに、図18は図17のXVIII-XVIII線に沿った断面図、図19は図17のXIX-XIX線に沿った断面図である。また、図20は、図17の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの下面には、水平方向について互いに離して配置された一対の取付パネル81が固定ボルト53により固定されている。各取付パネル81の長さ方向中央部には保持具82が固定され、各取付パネル81の長さ方向両端部には一対のフック52が固定されている。
図16は、この発明の実施の形態4によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図17は、図16の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図である。さらに、図18は図17のXVIII-XVIII線に沿った断面図、図19は図17のXIX-XIX線に沿った断面図である。また、図20は、図17の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの下面には、水平方向について互いに離して配置された一対の取付パネル81が固定ボルト53により固定されている。各取付パネル81の長さ方向中央部には保持具82が固定され、各取付パネル81の長さ方向両端部には一対のフック52が固定されている。
支持装置12は、各取付パネル81に個別に取り付けられた一対の支持機構部31を有している。照明ユニット11は、一対の支持機構部31によって、開離位置(図20)と通常位置(図17)との間で変位可能に支持されている。
支持機構部31は、照明ユニット11を吊り下げる一対の吊り索56と、各吊り索56と共通の保持具82とを繋ぐ支持ばね(支持弾性体)83と、吊り索56の変位に対する抵抗力を発生する摺動抵抗装置85とを有している。
各吊り索56は、対応するフック52に掛けられている。各吊り索56は、図17及び図20に示すように、保持具82に保持された支持ばね83に接続された端部から、フック52に掛けられた後、カバー枠18に固定された止め具84に接続されている。これにより、各吊り索56は、支持ばね83とフック52との間で水平に張られ、フック52とカバー枠18との間で上下に張られている。吊り索56としては、例えばワイヤやロープ等が用いられている。照明ユニット11は、対応するフック52に掛けられた各吊り索56により、照明ユニット11の四隅で吊り下げられている。
支持ばね83は、保持具82に接続されることにより天井パネル3bに保持されている。また、支持ばね83は、照明ユニット11を吊り下げる吊り索56に接続されることにより、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する。支持ばね83は、吊り索56に引かれることにより水平に配置されている。照明ユニット11は、支持ばね83の弾性復元力により通常位置に弾性的に保持されている。支持ばね83は、照明ユニット11の通常位置から開離位置への変位より伸び、照明ユニット11の開離位置から通常位置への変位により縮む。照明ユニット11が通常位置にあるときの支持ばね83の弾性復元力の大きさは、照明ユニット11の重量よりも3倍程度の大きさに設定されている。これにより、エレベータの通常運転時には、照明ユニット11が通常位置に保持される。
フック52は、図18に示すように、取付パネル81に固定された固定金具61と、固定金具61に溶接等により固定され、吊り索56を受ける受け金具62とを有している。
摺動抵抗装置85は、フック52よりも支持ばね83に近い位置に配置されている。また、摺動抵抗装置85は、図19に示すように、固定金具61との間で吊り索56を挟む挟み金具(挟み部材)86と、固定金具61及び挟み金具86にそれぞれ取り付けられ、固定金具61と挟み金具86との間で吊り索56に接触する一対の摩擦材(抵抗体)87と、挟み金具86を固定金具61に押圧する締結力を発生する締結ボルト(締結具)88とを有している。摺動抵抗装置85では、各摩擦材87に対して吊り索56が摺動するときの摩擦力が、吊り索56の変位に対する抵抗力となる。吊り索56の変位に対する摩擦材87の抵抗力の大きさは、締結ボルト88による締結力の調整により調整される。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、かご照明装置8の取付方法について説明する。既設のかご照明装置を新規のかご照明装置8に変更するときには、まず、実施の形態1と同様に、既存のかご照明装置を天井パネル3bから取り外す。
新規のかご照明装置8における一対の支持機構部31には、取付パネル81をそれぞれ予め取り付けておく。取付パネル81の取り付けは、取付パネル81に保持具82及びフック52を固定した後、支持ばね83を介して保持具82に繋いだ吊り索56をフック52に掛けるとともに吊り索56をカバー枠18に接続し、固定金具61に摺動抵抗装置85を取り付けることにより行う。また、照明板21は、新規のかご照明装置8のカバー枠18から予め外しておく。
既存のかご照明装置を天井パネル3bから取り外した後、新規のかご照明装置8を支えながら、固定ボルト53を締め付けることにより、かご照明装置8に取り付けられた取付パネル81を天井パネル3bの下面に固定する。この後、照明板21をカバー枠18に取り付ける。このようにして、新規のかご照明装置8を天井パネル3bに取り付ける。
次に、動作について説明する。エレベータの通常運転時には、支持ばね83の弾性復元力により、照明ユニット11が通常位置(図17)に保持されている。
例えば非常止め装置5の動作により、照明ユニット11に加わる慣性力が支持ばね83の弾性復元力に打ち勝つと、照明ユニット11は、摩擦材87の抵抗力を受けるとともに、支持ばね83の弾性復元力に逆らって支持ばね83を伸ばしながら、開離位置(図20)へ変位される。このとき、支持ばね83は、照明ユニット11への衝撃を吸収しながら弾性変形する。
この後、かご1が停止すると、照明ユニット11は、摩擦材87の抵抗力を受けながら、支持ばね83の弾性復元力により開離位置から通常位置へ変位される。
このように、支持ばね83に接続された吊り索56で照明ユニット11を吊り下げるようにしても、支持ばね83により照明ユニット11への衝撃を吸収することができ、照明ユニット11が受ける衝撃の大きさを小さくすることができる。これにより、かご1の急停止による衝撃で照明ユニット11が落下したり破損したりしにくくなり、照明ユニット11の落下や破損の防止を図ることができる。また、照明ユニット11に摩擦材87で抵抗力を与えながら、照明ユニット11を変位させるので、照明ユニット11に必要以上の加速が生じることを抑制することができる。これにより、照明ユニット11の落下や破損の防止をさらに図ることができる。さらに、照明ユニット11を吊り索56によって吊り下げるようにしたので、支持装置12の高さ寸法を小さくすることができ、かご照明装置8の厚さを薄くすることができる。
実施の形態5.
図21は、この発明の実施の形態5によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図22は、図21の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図23は、図22のXXIII-XXIII線に沿った断面図である。さらに、図24は、図22の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの下面には、水平方向について互いに離して配置された一対の取付パネル91が固定ボルト53により固定されている。各取付パネル91の長さ方向中央部には保持具92が固定され、各取付パネル91の長さ方向両端部には一対の第1の軸受金具93が固定されている。照明ユニット11のカバー枠18には、第1の軸受金具93に対応する複数(この例では、4つ)の第2の軸受金具94が固定されている。
図21は、この発明の実施の形態5によるエレベータのかご照明装置を示す平面図である。また、図22は、図21の照明ユニット11が通常位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図23は、図22のXXIII-XXIII線に沿った断面図である。さらに、図24は、図22の照明ユニット11が開離位置にあるときの状態を示す要部断面図である。図において、天井パネル3bの下面には、水平方向について互いに離して配置された一対の取付パネル91が固定ボルト53により固定されている。各取付パネル91の長さ方向中央部には保持具92が固定され、各取付パネル91の長さ方向両端部には一対の第1の軸受金具93が固定されている。照明ユニット11のカバー枠18には、第1の軸受金具93に対応する複数(この例では、4つ)の第2の軸受金具94が固定されている。
支持装置12は、各取付パネル91に個別に取り付けられた一対の支持機構部31を有している。照明ユニット11は、一対の支持機構部31によって、開離位置(図20)と通常位置(図17)との間で変位可能に支持されている。
支持機構部31は、第1及び第2の軸受金具93,94間に連結され天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位に連動する一対のリンク装置95と、リンク装置95と共通の保持具92とを繋ぐ支持ばね(支持弾性体)83と、第1の軸受金具93に支持され、リンク装置95に接触する皿ばね座金(抵抗体)96とを有している。
リンク装置95は、第1の軸受金具93に回動可能に取り付けられた回動リンク(回動体)97と、回動リンク97及び第2の軸受金具94間に回動可能に連結された連結リンク98とを有している。
回動リンク97は、第1の軸受金具93を水平に貫通する取付ボルト99と、取付ボルト99に螺合された締結ナット100とにより、第1の軸受金具93に取り付けられている。また、回動リンク97は、取付ボルト99を中心に回動可能になっている。即ち、取付ボルト99は、回動リンク97の回動軸となっている。
また、回動リンク97は、取付ボルト99から互いに異なる方向へ突出する第1のリンク部97a及び第2のリンク部97bを有している。この例では、第1のリンク部97aの長さが第2のリンク部97bの長さよりも短くなっている。回動リンク97の形状は、第1のリンク部97a及び第2のリンク部97bにより略L字状になっている。
連結リンク98は、第2のリンク部97b及び第2の軸受金具94間に連結されている。連結リンク98の一端部は第1のリンク回動軸101を介して第2のリンク部97bの端部に回動可能に連結され、連結リンク98の他端部は第2のリンク回動軸102を介して第2の軸受金具94に回動可能に連結されている。取付ボルト99、第1のリンク回動軸101及び第2のリンク回動軸102は、水平にかつ互いに平行に配置されている。これにより、回動リンク97は、天井パネル3bに対する照明ユニット11の変位に応じて天井パネル3bに対して回動される。
支持ばね83の一端部は、保持具92に接続されている。これにより、支持ばね83は、天井パネル3bに保持されている。支持ばね83の他端部は、回動リンク97の第1のリンク部97aに接続されている。これにより、支持ばね83は、照明ユニット11の開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する。支持ばね83は、保持具92と回動リンク97との間で水平に配置されている。照明ユニット11は、支持ばね83の弾性復元力により通常位置に弾性的に保持されている。支持ばね83は、照明ユニット11の通常位置から開離位置への変位により伸び、照明ユニット11の開離位置から通常位置への変位により縮む。照明ユニット11が通常位置にあるときの支持ばね83の弾性復元力の大きさは、照明ユニット11の重量よりも3倍程度の大きさに設定されている。これにより、エレベータの通常運転時には、照明ユニット11が通常位置に保持される。
皿ばね座金96は、回動リンク97に接触することにより回動リンク97の回動に対する抵抗力を発生する。また、皿ばね座金96は、湾曲板状に形成された金属製の摩擦材である。さらに、皿ばね座金96は、図23に示すように、取付ボルト99と締結ナット100との間で締め付けられて回動リンク97に押圧された状態で回動リンク97に接触している。回動リンク97は、皿ばね座金96に対して摺動しながら、取付ボルト99を中心に回動する。即ち、回動リンク97は、回動リンク97と皿ばね座金96との間に発生する摩擦力を抵抗力として受けながら、取付ボルト99を中心に回動する。回動リンク97の回動に対する皿ばね座金96の抵抗力の大きさは、取付ボルト99及び締結ナット100による締結力の調整により調整される。他の構成は実施の形態1と同様である。
新規のかご照明装置8は、既存のかご照明装置を天井パネル3bから取り外した後、新規のかご照明装置8を支えながら、かご照明装置8に予め取り付けておいた取付パネル91を天井パネル3bの下面に固定することにより、かご1内に取り付けられる。
次に、動作について説明する。エレベータの通常運転時には、支持ばね83の弾性復元力により、照明ユニット11が通常位置(図22)に保持されている。
例えば非常止め装置5の動作により、照明ユニット11に加わる慣性力が支持ばね83の弾性復元力に打ち勝つと、照明ユニット11は、皿ばね座金96の抵抗力を受けながら支持ばね83の弾性復元力に逆らって支持ばね83を伸ばす方向へ回動リンク97を回動させて、開離位置(図24)へ変位される。このとき、支持ばね83は、照明ユニット11への衝撃を吸収しながら弾性変形する。
この後、かご1が停止すると、照明ユニット11は、皿ばね座金96の抵抗力を受けながら、支持ばね83の弾性復元力により開離位置から通常位置へ変位される。
このように、皿ばね座金96を回動リンク97に接触させて、抵抗力を回動リンク97に与えるようにしても、照明ユニット11に必要以上の加速が生じることを抑制することができる。これにより、照明ユニット11の落下や破損の防止をさらに図ることができる。
なお、上記の例では、皿ばね座金(摩擦材)96を回動リンク97に接触させることにより、回動リンク97に対する抵抗力を発生するようになっているが、回動リンク97及び取付パネル91間に油圧ダンパを連結することにより、回動リンク97に対する抵抗力を発生させるようにしてもよい。
また、実施の形態1における回動リンク34及び実施の形態2における回動車55に、本実施の形態の皿ばね座金96を接触させて、回動リンク34の回動及び回動車55の回動に対する抵抗力を発生させるようにしてもよい。
また、各上記実施の形態では、エレベータの改修工事で既存のかご1内に設置される新規のかご照明装置にこの発明が適用されているが、エレベータの新設時にかご1内に設置されるかご照明装置にこの発明を適用してもよい。
1 かご、3b 天井パネル(天井部)、8 かご照明装置、11 照明ユニット、12 支持装置、34 回動リンク(回動体)、42 油圧ダンパ(抵抗体)、43,73,83 支持ばね(支持弾性体)、55 回動車(回動体)、56 吊り索、58 調整ばね(張力調整用弾性体)、74 横振れ抑制装置、75 ロッド(突出部材)、76 抑制板(対向部材)、87 摩擦材(抵抗体)、96 皿ばね座金(抵抗体)97 回動リンク(回動体)。
Claims (9)
- かごの天井部から下方へ離れた開離位置と、上記開離位置よりも上記天井部に近い通常位置との間で変位可能で、上記かご内の照明を行う照明ユニット、及び
上記照明ユニットの上記開離位置への変位に逆らう弾性復元力を発生する支持弾性体を有し、上記天井部に取り付けられ、上記開離位置と上記通常位置との間で変位可能に上記照明ユニットを支持する支持装置
を備えていることを特徴とするエレベータのかご照明装置。 - 上記支持装置は、上記天井部に対する上記照明ユニットの変位に応じて上記天井部に対して回動する回動体と、上記回動体の回動に対して抵抗力を発生する抵抗体とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記支持装置は、上記天井部に上下方向に沿って設けられた回動軸を中心に回動可能な回動体と、共通の上記回動体に接続され、上記照明ユニットを吊り下げる複数の吊り索と、上記回動体の回動に対して抵抗力を発生する抵抗体とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご照明装置。
- 各上記吊り索には、複数の上記吊り索のそれぞれの張力の大きさを平準化する張力調整用弾性体がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記抵抗体は、上記回動体に接触する摩擦材であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記抵抗体は、油圧ダンパであることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記支持装置は、上記天井部に保持された上記支持弾性体に接続され上記照明ユニットを吊り下げる吊り索と、上記吊り索の変位に対して抵抗力を発生する抵抗体とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記抵抗体は、上記吊り索に接触する摩擦材であることを特徴とする請求項7に記載のエレベータのかご照明装置。
- 上記支持弾性体は、上記天井部に保持されるとともに上記照明ユニットを吊り下げ、
上記支持装置は、上記照明ユニットの横振れを抑制するための横振れ抑制装置を有し、
上記横振れ抑制装置は、上記天井部から下方へ突出する突出部材と、上記照明ユニットに設けられ、水平方向について上記突出部材に対向する対向部材とを有していることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご照明装置。
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JPWO2016113855A1 (ja) * | 2015-01-14 | 2017-08-10 | 三菱電機株式会社 | エレベータかご室の照明装置 |
-
2012
- 2012-05-18 JP JP2012114640A patent/JP2013241236A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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